JP7302943B2 - 肘掛け装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、肘支柱を備えた肘掛け装置に関するものである。
椅子の肘掛け装置は様々なタイプがあるが、一般に、肘支柱の上端に肘当てを取付けた形態が多い。特に、肘当てが水平動等する可動肘装置では、肘支柱を固定部と昇降部とで構成して肘当ての高さ調節を可能にしており、例外なく肘支柱を備えている。
そして、肘当てを高さ調節できる構造では、肘支柱は、中空状の固定肘支柱とこれに内側又は外側から昇降自在に嵌まった昇降肘支柱とから成っており、昇降肘支柱の上端にベースを固定して、ベースに肘当てを取付けている。その例として特許文献1には、ベース(閉塞部材)を、昇降肘支柱の上端に形成した凹入段部に嵌め入れて、この状態でビスにて固定することが開示されている。
特許第6045015号公報
さて、肘当ては肘支柱の外側にはみ出ているため、肘当ての先端部や後端部に荷重がかかると、肘当てにはモーメントが作用し、このモーメントがベースと肘支柱との接合部に作用する。すなわち、肘当てに作用した荷重が、ベースを、その一端を支点にして上向きに回動させるように作用する。
この場合、肘支柱が肘当ての前後中途部に位置している場合は、モーメントの大きさはさほどのことはないので、ベースが破損するようなことはないが、肘支柱に対する肘当てのはみ出し寸法が大きくなると、肘当てに非常に大きなモーメントが作用するため、ベースと肘支柱との接合部にも大きなモーメントが作用することになる。
従って、例えば、人が肘当ての先端部に手を掛けて腰を座から浮かした場合など、過大なモーメントがベースに作用して、ビスが肘支柱から抜け出て肘当てが肘支柱から外れ落ちてしまう事故が懸念される。
近年、オフィスでのデスクワークはパソコン操作が主流になっており、ワーカーは肘を肘当てに当ててキーボードやマウスの操作をすることがあるが、ユーザーの幅広い要望に応えるべく肘当ての可動範囲を広げると、肘当てが肘支柱からはみ出る長さも長くならざるを得ず、すると、肘当てに作用するモーメントも大きくなるため、特許文献1のように、単にベースが肘支柱の凹入段部に嵌まった状態でビス止めされているだけの構成では、上記した肘当ての脱落事故が強く懸念される。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、肘当てのはみ出し寸法が大きくても高い安全性を確保できる肘掛け装置を提供しようとするものである。
本願発明は、請求項1,2の構成を含んでいる。
請求項の発明は、
「中空の肘支柱の上端にビスで固定された金属製のベースと、前記ベースに取付けられた前後長手の肘当てと、を有して、
前記ベースに、前記肘支柱に入り込むように下向き突出した足体が、前記肘支柱の内面に当接するように設けられており、
前記足体は、背板と一対の側片とを有する底面視コ字形の形態であって前記側片が前記ベースの外周を向くように配置され、
前記肘当てにモーメントとして作用した下向き荷重が前記足体を介して前記肘支柱で支持されるようになっている、
という構成になっている。
請求項2発明は、
固定肘支柱及び前記固定肘支柱に高さ調節可能に支持された中空の可動肘支柱と、前記可動肘支柱の上端にビスで固定された金属製のベースと、前記ベースに取付けられた前後長手の肘当てと、を有し、
前記ベースに、前記可動肘支柱に入り込むように下向き突出した足体が、前記可動肘支柱の内面に直接当接するように設けられており、
前記肘当てにモーメントとして作用した下向き荷重が前記足体を介して前記可動肘支柱で直接支持されるようになっている」
という構成になっている。
本願発明では、肘当てに対する荷重によってベースを肘支柱から引き起こすようなモーメントが作用しても、足体が肘支柱の内面に水平方向から突っ張ることにより、モーメントに対して大きな抵抗を与えることができる。つまり、肘当てに作用した荷重が、ビスを引き起こすようなモーメントとして作用する割合を小さくすることができる。これにより、肘当てが肘支柱から離脱してしまう事故を防止して、高い安全性を得ることができる。
肘当てが水平旋回方式である場合、肘当てが座を横切る方向に長い左右長手の姿勢であると、肘当ての端部に作用した荷重は、ベースを左右方向に回動させるモーメントとして作用する。
この点、請求項では、肘当てが前後長手の姿勢の場合は、ベースの剥がれを肘支柱の後部で防止して、肘当てが左右長手の姿勢の場合は、肘支柱の左右側部によって、ベースの剥がれ現象を防止できる。このため、肘当てがどのような姿勢であっても、高い安全性を確保することができる。足体は、棒状に代えて筒状やC字状に形成することも可能であり、これらの形態を採用すると、肘当ての姿勢が変化しても安全性を確保できる機能は一層高くなる。
足体を棒状に形成する場合、角形の棒状や角筒状などの様々な形態を採用できるが、請求項のように底面視コ字形の形態を採用すると、左右側片の補強機能により、少ない体積で高い強度を確保することができる利点がある。また、側片の下端部が傾斜部に形成されていると、肘支柱への嵌め込みも容易であり、従って、組み立ての作業の能率向上にも貢献できる。
実施形態の肘掛け装置を設けた椅子の外観を示す図で、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は平面図である。 (A)は肘掛け装置を下方から見た斜視図、(B)は固定部と可動部との分離斜視図、(C)は主として高さ調節機構を示すための分離斜視図、(D)はレバーを装着した状態での可動肘支柱(昇降肘支柱)の斜視図、(E)は可動肘支柱の上端部の斜視図、(F)はレバーと高さ調節用ロッドとの分離斜視図である。 (A)は肘当てとベースと高さ調節用ロッドとの関係を示す下方からの斜視図、(B)は肘支柱の分離斜視図である。 (A)は全体を上から見た分離斜視図、(B)はベースと可動肘支柱との分離斜視図、(C)は一部の構成部材の分離斜視図である。 (A)は全体を下方から見た分離斜視図、(B)は一部の部材を下方から見た分離斜視図、(C)は肘当ての外観を構成する部材の分離斜視図である。 縦断側面図である。 (A)は要部の分離斜視図、(B)はカバー板の斜視図である。 (A)は要部の分離斜視図、(B)は前後位置保持手段を示す平面図である。 (A)は肘当ての前後位置保持手段と水平姿勢保持手段とを示すための下方からの斜視図、(B)は前後位置保持手段を示す斜視図である。 (A)は平面視姿勢保持手段を示す分離斜視図、(B)は平面視姿勢保持手段を示す平面図である。 旋回角度規制手段を示す平面図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の肘掛け装置は、オフィスで多用されている回転椅子に装着している。すなわち、椅子は、座1と脚装置2と背もたれ3と後傾自在な背フレーム4とを備えており、背フレーム4に背もたれ3が取付けられているが、本実施形態では、肘掛け装置は、背フレーム4の前部に取り付けている。なお、脚装置2は複数のキャスタを備えているが、図1(A)(B)では、キャスタは1つしか表示していない。
図2(A)(B)に示すとおり、肘掛け装置は、背フレーム4に固定された下固定アーム5と、下固定アーム5の外端に一体に設けた中空の固定肘支柱6と、固定肘支柱6に高さ調節可能に嵌め入れられた中空(筒状)の昇降肘支柱(以下「可動肘支柱」という)7とを有しており、可動肘支柱7の上端に平面視円形のベース8を固定し、ベース8に、前後長手で可動式の肘当て9が、その長手方向に移動自在でかつ水平旋回自在に取付けられている。請求項では、可動肘支柱7が肘支柱に該当する。
図3に明示するように、可動肘支柱7の外面には、半割り状のスリーブ10が前後から上下動不能装着されている。また、可動肘支柱7の内部には、シーソー式の高さ調節用ロッド11が配置されている。ロッド11は、中間高さ位置よりもやや下方の部位に設けた左右横向きの軸支ピン12を中心にして前後に回動するようになって、下端に係合爪13を後ろ向きに突設しており、係合爪13は、ばね片14によって後ろ向きに付勢されている。
可動肘支柱7の内部には、ロッド11の枢支ピン12が下から嵌まる軸受け部(図示せず)が形成されている。係合爪13は、可動肘支柱7の後ろ壁に形成した長穴を介して、後部のスリーブ10に形成した係合穴15(図3(B)参照)に係脱する。なお、スリーブ10は前後とも同じ形態になっていて方向性を無くしている。
ロッド11の上端には、レバー16が取付けられている。図2(C)(F)のとおり、レバー16の後端部には左右の支軸17を突設しており、左右の支軸17は、可動肘支柱7の上端部内に形成した軸受け部18(図3(D)(E)参照)に、上から嵌め込まれている。従って、レバー16は、支軸17を中心にして上下回動し得る。図2(F)に示すように、ロッド11の上端には左右に突出した支軸19が形成されており、支軸19は、レバー16の下面部に形成したポケット式抱持部20に後ろから嵌め入れられている。
椅子に着座した人がレバー16に指先を当てて上に引くと、ロッド11が枢支ピン12を中心にして回動することにより、ロッド11の下端の係合爪13がスリーブ10の係合穴15から離脱する。これにより、肘当て9を高さ調節することができる。可動肘支柱7の上端部はラッパ状に広がった拡径部7aになっており、この拡径部7aに、レバー16を露出させる切欠き21が上向きに切り開き形成されている。
(2).ベースの構造
次に、肘当て9の構造を説明する。図4,5に示すように、肘当て9は、外観を構成する前後長手の部材として、肘当て本体24と肘当て上部材25とを有しており、肘当て上部材にはエラストマー等の軟質材からなるパッド材26を装着している。肘当て本体24は上向きに開口した形態である一方、肘当て上部材25は外周部に下向き壁を設けた浅いトレー状の形態であり、図6に一部を示すように、両者は、係合爪27と係合穴28との係合によって一体に連結されている。
図4,5に示すように、可動肘支柱7の上端には、既述のベース8がビス30で固定されている。この場合、ベース8の下面には、左右側部と後部とに位置した下向きの足体31を一体に設けている一方、可動肘支柱7には、足体31が当接する受け部32を形成している。足体31は、背板と2枚の側片31aとを有する底面視でコ字形になっており、側片31aの下端部は、下に行くほど背板に近づく傾斜部31bなっている。
ベース8は、例えば亜鉛ダイキャスト品であり、高い強度を有している。可動肘支柱7は、例えばアルミのダキャスト品である。足体31は、角棒状や角筒状などの形態とすることも可能である。或いは、足体31を筒状に形成して、これを可動肘支柱7の内部に嵌め込むことも可能である。
足体31は、肘当て9の前端部に人が手をついて体重を掛けるなどして、ベース8にその端部を支点にして回動させるような外力が作用したときに、可動肘支柱7に設けた受け部32の内面に水平方向から突っ張ってモーメントに対する抵抗とするためのものである。従って、肘当て9に作用したモーメントがビス30を引き抜くように作用することを抑制して、肘当て9が可動肘支柱7から外れ落ちることを防止できる。
従って、足体31は、ある程度の突出寸法が必要である。具体的には、10mm以上あるのが好ましい。実施形態のように側片31aに傾斜部31bを形成した場合は、傾斜部31bは可動肘支柱7には突っ張らないので、傾斜部31bを除いた部分の長さ(下向き突出寸法)が10mm以上あるのが好ましい。
ベース8の倒れ防止機能(剥がれ防止機能)を高めるには、ビス30及び足体31は、できるだけ外周寄りに配置するのが好ましい。本実施形態では、ビス30と足体31とは、大まかには、外周寄りに配置して周方向に並んだ状態になっている。正確に述べると、後部の足体31の左右両側に2本のビス30が位置して、左右の足体31の前後両側に2本のビス30が位置している。従って、ベース8の回動防止を図る上で合理的な設計になっていると云える(ベース8の回動に対して、2本のビス30と1つの足体31とが協働して抵抗する。)。
(3).肘当ての概要
ベース8の中央部に円形のボス体33を一体に設けている一方、肘当て本体24の底板には、ボス体33に嵌まる長穴34が肘当て本体24の長手方向に長く形成されており、肘当て本体24は、上カバー板35と下カバー板36とを介してリング板29に上から重なっている。従って、肘当て本体24は、長穴34の全長からボス体33の外径を減じた寸法だけ長手方向に移動自在であり、かつ、ボス体33の軸心回りに水平旋回可能である。
リング板29は、肘当て本体24のスライド及び水平旋回をスムースにするためのものであり、POM樹脂等の樹脂製である。リング板29はベース8に上から重なっており、その一部に、可動肘支柱7に形成した切欠き21に嵌まる回り止め29aを下向きに突設している。また、図6に示すように、リング板29に設けた位置決めピン29bが、ベース8に形成された位置決め穴8aに嵌まっている。
肘当て本体24は上向きに開口しており、その内部に、平面視略小判形で上向きに開口した凹所38を有するスライド補助体37と、スライド補助体37の凹所38に上から嵌め入れられた姿勢保持体39と、姿勢保持体39の中心穴40に嵌め込まれた押さえ部材41とを有している。押さえ部材41は、姿勢保持体39を上から覆うフランジ42を有しており、ビス43によってボス体33に固定されている。
この場合、図4(A)のように、ボス体33の上端に4葉形の(非円形の)の係合突起44を一体に設けている一方、図5(A)に示すように、押さえ部材41には、係合突起44に対して回転不能に嵌まる係合穴45が形成されており、従って、押さえ部材41はボス体33に対して(或いはベース8に対して)回転不能に保持されている。
肘当て本体24にはスライド補助体37が上から重なっており、スライド補助体37には姿勢保持体39が上から重なっており、かつ、姿勢保持体39は押さえ部材41のフランジ42によって上向き動不能に保持されている。このため、肘当て9は、上向き移動不能に保持されていると共に、既述のとおり、水平旋回自在及び長手方向にスライド自在になっている。
スライド補助体37は、肘当て9の(正確には肘当て本体24の)前後移動をガイドする機能と、肘当て9を任意の前後位置に保持する機能とを有しており、また、姿勢保持体39は、肘当て9を任意の旋回姿勢に保持する機能を有しており、更に、押さえ部材41は、肘当て9の旋回角度を規制する機能を有している。これらは後述する。
(4).指挟み防止構造
既述のとおり、肘当て本体24には、前後スライド(長手方向のスライド)を許容するための長穴34が空いているが、例えば、図7(B)に示すように、肘当て本体24の下面に、下向きリブ47で囲われた下向き凹所48を形成して、この下向き凹所48に、既述の上カバー板35と下カバー板36とが、それぞれ長手方向に相対動し得るように配置されている。従って、上下カバー板35,36の長さは下向き凹所48の長さよりも短くなっており、かつ、上カバー板35は下カバー板36よりも短くなっている。
図7(A)に明示するように、下カバー板36の左右長手側縁には上向きのサイドリブ49aを突設しており、上カバー板35は、左右サイドリブ49aの間に横ずれしない状態で、かつ、長手方向に相対動し得るように配置されている。また、下カバー板36には、上カバー板35が載る縦長リブ49bと、上カバー板35の前後相対動位置を規制するストッパーリブ49cとを形成している。他方、上カバー板35の上面には、肘当て本体24の下向き凹所48に対するスライドをスムースにするための縦長リブ35aを形成している。
上下のカバー板35,36には、肘当て本体24に対して相対動し得るように、長穴50,51が空いている。肘当て本体24の下向きリブ47は、カバー板35,36の左右外側においてリング板29に上から当接している。肘当て本体24の前後スライドに連動して、上下のカバー板35,36がタイミングを変えて移動することにより、肘当て本体24の長穴34がカバー板35,36によって常に塞がれる。
(5).前後位置保持手段
既述のとおり、肘当て本体24は上に開口しており、例えば図8,9に示すように、肘当て本体24の内部に平面視小判形のスライド補助体37が配置されている。スライド補助体37はボス体33に嵌まっているので、肘当て本体24は、スライド補助体37にガイドされてその長手方向にスライドする。また、スライド補助体37と肘当て本体24とは、一緒に水平旋回する。従って、スライド補助体37と肘当て本体24とは、相対回動は不能で相対スライドは自在な関係になっている。
図8,9に示すように(図11も参照)、スライド補助体37の左右長手側面部には、その前後中途部に切欠き53が形成されており、切欠き53に、平面視L形の係合爪54を設けている。係合爪54の先端(自由端)には、肘当て本体24における凹所の内面に向けて突出した係合突起55を形成している。他方、肘当て本体24における凹所の左右内側面には、係合突起55が当接する平面視凹凸形の係合受け部56が、肘当て本体24の長手方向に沿って長く形成されている。
係合突起55は、係合爪54の弾性変形により、係合受け部56の凹所に係脱するが、係合受け部56のピッチは細かいため、肘当て9の前後位置(正確には長手方向の位置)を、殆ど無段階的に調節できる。なお、係合突起55が係合受け部56の凹所に嵌まった状態で、係合突起55は弾性変形していてもよいし、弾性変形していなくてもよい(係合受け部56の突起を乗り越えるときに弾性変形したら足りる。)。
本実施形態では、肘当て9の前後スライドに軽い抵抗を付与するために、図9に明示するように、スライド補助体37と肘当て本体24との間に複数個(4個)の弾性体57を配置している。
弾性体57は、ゴム系又はエラストマー系の弾性素材からなっており、実施形態では円柱状に形成されていて、その軸心を左右水平にした姿勢で、スライド補助体37の下面に形成された保持穴58に嵌め入れられている。従って、肘当て本体24の前後スライドに伴って転動可能である(但し、転動しなくてもよい。)。また、肘当て本体24における凹所の底面には、弾性体57を横ずれ不能に案内する左右一対ずつのガイドリブ59が形成されている。
(6).平面視姿勢保持構造
肘当て9を水平旋回可能に構成すると、所望の姿勢に保持できるようにする必要がある。そこで、肘当て9の平面視姿勢保持手段を設けている。この点を、主として9,10を参照して説明する。既述のとおり、スライド補助体37の凹所38に姿勢保持体39が上から嵌め入れられていて、姿勢保持体39には、押さえ部材41の筒部が上から嵌まる中心穴40が空いている。
そして、姿勢保持体39には、中心穴40に向けて幅狭となるように三角形状(或いは台形状)に形成された前後の弾性体収容凹所62と、弾性体収容凹所62と中心穴40とに連通した前後のくびれ状連通部63とが上向きに開口するように形成されており、弾性体収容凹所62にゴム等の弾性体64を嵌め入れ、くびれ状連通部63に、樹脂又は金属からなる平面視小判形の係合体65を嵌め入れている。
他方、押さえ部材41における筒状部の外周面には、係合体65が弾性的に当接する一対のラック状の凹凸部66を形成しており、係合体65が凹凸部66の1つの溝に嵌まることにより、肘当て9の水平姿勢が一体に保持される。肘当て9に対してある程度の水平旋回力を付与すると、係合体65を凹凸部66の溝から離脱させて、肘当て9を任意の姿勢に旋回させることができる。図10(B)に示すように、姿勢保持体39は、凹凸部66を設けている範囲で水平旋回するが、最大旋回角度θは90度程度になっている。
(7).肘当ての旋回角度規制手段
既述のとおり、肘当て9は90度程度の角度範囲で水平旋回させることができるが、本実施形態では、肘当て9の旋回角度規制機能は、押さえ部材41とスライド補助体37とが担っている。この点を、図6及び図11を参照して説明する。
図6に示すように、押さえ部材41のフランジ42は、スライド補助体37の凹所38の内部に入り込んでいる。そして、図11に明示するように、スライド補助体37の凹所38は平行な左右の長手側面38aを有しているが、押さえ部材41のフランジ42に、凹所38の長手側面38aが当接する一対のストッパー部67を形成している。
ストッパー部67は直交した2つの当接面67a,67bを持っているので、図11のとおり、スライド補助体37を左に旋回させきった状態でも、右に旋回させきった状態でも、凹所38の左右の長手側面38aがストッパー部67に当接する。
上記の実施形態は可動式の肘掛け装置であったが、本願発明は、肘当てが動かない固定式の肘掛け装置にも適用できる。また、可動式の肘掛け装置の場合、肘当ての動きの態様には特に限定はなく、様々な動きをする肘掛け装置に適用できる。
本願発明は、実際に肘掛け装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
7 可動肘支柱(昇降肘支柱、請求項1,2の肘支柱)
8 ベース
9 肘当て
24 肘当て本体
25 肘当て上部材
30 ビス
31 足体
31a 側片
31b 傾斜部
32 足体が突っ張る(当接する)受け部
33 ボス体
37 スライド補助体
39 姿勢保持体
41 押さえ部材

Claims (2)

  1. 中空の肘支柱の上端にビスで固定された金属製のベースと、前記ベースに取付けられた前後長手の肘当てと、を有して、
    前記ベースに、前記肘支柱に入り込むように下向き突出した足体が、前記肘支柱の内面に当接するように設けられており、
    前記足体は、背板と一対の側片とを有する底面視コ字形の形態であって前記側片が前記ベースの外周を向くように配置され、
    前記肘当てにモーメントとして作用した下向き荷重が前記足体を介して前記肘支柱で支持されるようになっている、
    肘掛け装置。
  2. 固定肘支柱及び前記固定肘支柱に高さ調節可能に支持された中空の可動肘支柱と、
    前記可動肘支柱の上端にビスで固定された金属製のベースと、
    前記ベースに取付けられた前後長手の肘当てと、を有し、
    前記ベースに、前記可動肘支柱に入り込むように下向き突出した足体が、前記可動肘支柱の内面に直接当接するように設けられており、
    記肘当てにモーメントとして作用した下向き荷重が前記足体を介して前記可動肘支柱で直接支持されるようになっている、
    肘掛け装置。
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