JP7021617B2 - 熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を有するウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置 - Google Patents

熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を有するウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を保護材として有する、特に人体に接触する環境で用いられるウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置に関する。
従来、含フッ素硬化性組成物として、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン及び白金族金属化合物を含む組成物が提案され、該組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、低温特性等のバランスが優れた硬化物を得ることが開示されている(特許文献1:特許第2990646号公報)。
また、特許文献1に記載の組成物から得られる硬化物よりも耐酸性が向上した硬化物を与える組成物として、直鎖状フルオロポリエーテル化合物を変更した組成物が提案されている(特許文献2:特許第5246190号公報)。
ところで、これらの組成物に、ヒドロシリル基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基とを有するオルガノポリシロキサンを添加することにより、金属及びプラスチック基材に対する自己接着性を付与した組成物が提案されている(特許文献3及び4:特許第3239717号公報、特許第5459033号公報)。
さらに、上記自己接着性を有する組成物に、環状無水カルボン酸残基を有するオルガノシロキサンを添加して、接着性を向上させた組成物が提案されている(特許文献5:特許第3562578号公報)。
一方で、人体等の生体や衣服などに装着可能なウェアラブルセンサーデバイスに関する発明も開示されている(特許文献6:特開2017-012674号公報)。ここでは、人の皮膚などの生体に装着して、当該生体の心電図などの生体情報や当該生体の周囲温度や気圧等の周囲環境の情報を検知する生体適合性センサーデバイスなどのウェアラブルセンサーデバイスにおいて、基材として伸縮性に富むシリコーンゴムを用いることが好ましいとされている。シリコーンゴムは人体に接触しても無害であり、硬化前は液状で取り扱い易いという利点がある。
しかしながら、シリコーンゴムは水蒸気透過率が高いため、電子部品の保護材として使用した場合に透過する水分によって内部の電子部品が腐食するおそれがある。また、汗に含まれるナトリウムなどのイオン性物質のマイグレーションによるセンサーの不具合等が発生することも懸念される。
特許第2990646号公報 特許第5246190号公報 特許第3239717号公報 特許第5459033号公報 特許第3562578号公報 特開2017-012674号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、人体に接触する環境で用いられるウェアラブルセンサーデバイスにおいて、人体の汗や皮脂による汚れなどの影響を受けることなく、長期間にわたって安定して使用可能なウェアラブルセンサーデバイスを構成し得る半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ウェアラブルセンサーデバイス用の半導体装置において、保護材として(即ち、リードフレーム等の基材の保護コーティング剤、半導体素子の封止材、センサー素子(半導体素子)のポッティング材、電子回路の保護ポッティング材、電気配線の腐蝕防止コート材等として)熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層で、少なくとも半導体素子の表面全体を被覆することによって、人体の汗や皮脂による汚れなどの影響を受けることなく、長期間にわたって安定して作動可能なウェアラブルセンサーデバイス用の半導体装置が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置を提供するものである。
[1]
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物:100質量部、
(B)1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン:(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(B)成分中のSiH基が0.3~3モルとなる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属原子の質量換算で0.1~2,000ppm、
を含有する熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を保護材として有し、人体に接触する環境で用いられるものであるウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
[2]
前記(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量が、0.005~0.3mol/100gである[1]に記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
[3]
前記(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式(1)
-(Ca2aO)b- (1)
(式(1)中、aは1~6の整数であり、bは1~300の整数である。)
で表される構造を含む[1]又は[2]に記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
[4]
前記(A)成分が、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)
Figure 0007021617000001
(式(2)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計のうち二つ以上はアルケニル基である。R3は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、c及びdはそれぞれ1~150の整数であって、かつc+dの平均値は2~300であり、eは1~6の整数である。)
Figure 0007021617000002
(式(3)中、R4は互いに独立して、炭素数1~6のアルキレン基であり、R5は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基である。また、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計のうち二つ以上はアルケニル基である。c及びdはそれぞれ1~150の整数であって、かつc+dの平均値は2~300であり、eは1~6の整数である。)
で表される直鎖状ポリフルオロ化合物である[1]~[3]のいずれかに記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
[5]
熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層が、少なくともリードフレーム上に接着した半導体素子の表面全体を被覆するものである[1]~[4]のいずれかに記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
[6]
前記熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物が前記(A)、(B)、(C)成分、及び(D)ヒドロシリル化付加反応制御剤からなる[1]~[5]のいずれかに記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
なお、本発明において、「直鎖状ポリフルオロ化合物」とは、主鎖のパーフルオロポリエーテル構造を構成する2価のフルオロオキシアルキレン繰り返し単位同士が直鎖状に連結していることを意味するものであって、個々の2価フルオロオキシアルキレン単位それ自体は、例えば、-[CF2CF(CF3)O]-などの分岐構造を有するフルオロオキシアルキレン単位であってもよい。
本発明によれば、ウェアラブルセンサーデバイス用の半導体装置において、保護材として上述した熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層で、少なくとも半導体素子の表面全体を被覆することによって、人体の汗や皮脂による汚れなどの影響を受けることなく、長期間にわたって安定して作動可能なウェアラブルセンサーデバイス用の半導体装置が得られる。
本発明の実施例で作製した半導体装置のサンプルの概略断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、さらに主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物である。
上記(A)成分に含まれるアルケニル基としては、好ましくは炭素数2~8、特に炭素数2~6で、かつ末端にCH2=CH-構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、中でもビニル基やアリル基が特に好ましい。
(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物に含まれるアルケニル基含有量は、0.005~0.3mol/100gが好ましく、さらに好ましくは0.007~0.2mol/100gである。該アルケニル基含有量が0.005mol/100g以上であれば、本発明にかかる組成物の架橋度合いが十分となり硬化不具合が生じるおそれがない。一方、該アルケニル基含有量が0.3mol/100g以下であれば、本発明にかかる組成物を硬化して得られる硬化物の機械的特性が損なわれるおそれがない。
(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造は、
-Ca2aO- (4)
(式(4)中、aは1~6の整数である。)
で表される繰り返し単位を多数含むものであり、例えば下記一般式(1)で表されるもの等が挙げられる。
-(Ca2aO)b- (1)
(式(1)中、aは1~6の整数であり、bは1~300の整数、好ましくは1~200の整数である。)
上記-Ca2aO-で表される繰り返し単位としては、例えば下記式で表される単位等が挙げられる。
-CF2O-
-CF2CF2O-
-CF2CF2CF2O-
-CF(CF3)CF2O-
-CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2CF2CF2CF2CF2O-
-C(CF32O-
これらの中では、特に下記式で表される繰り返し単位が好適である。
-CF2O-
-CF2CF2O-
-CF2CF2CF2O-
-CF(CF3)CF2O-
なお、(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造は、上記繰り返し単位の1種で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせで構成されていてもよい。
(A)成分の好ましい例としては、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物が挙げられる。
Figure 0007021617000003
(式(2)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計のうち二つ以上はアルケニル基である。R3は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、c及びdはそれぞれ1~150の整数であって、かつc+dの平均値は2~300であり、eは1~6の整数である。)
Figure 0007021617000004
(式(3)中、R4は互いに独立して、炭素数1~6のアルキレン基であり、R5は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基である。また、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計のうち二つ以上はアルケニル基である。c及びdはそれぞれ1~150の整数であって、かつc+dの平均値は2~300であり、eは1~6の整数である。)
ここで、R1及びR2に含まれるアルケニル基としては、上記(A)成分に含まれるアルケニル基として例示したものと同じものが挙げられ、該アルケニル基以外の非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基としては、炭素数1~12のものが好ましく、特に炭素数1~10のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した1価の炭化水素基などが挙げられる。R1及びR2としては、中でもビニル基、アリル基、メチル基及びエチル基が特に好ましい。
3に含まれる非置換若しくは置換の1価の炭化水素基としては、上述したR1及びR2の非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基の例示と同様の基が挙げられる。R3としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
4は互いに独立して、炭素数1~6、好ましくは炭素数2~6のアルキレン基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等が挙げられ、特にエチレン基及びプロピレン基が好ましい。
5は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基であり、フッ素置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基、例えばトリフルオロメチル基等が挙げられる。中でも水素原子が好ましい。
また、c及びdはそれぞれ1~150の整数が好ましく、より好ましくは1~100の整数であって、かつc+dの平均値は2~300が好ましく、より好ましくは2~200である。また、eは1~6の整数が好ましく、より好ましくは1~4の整数である。
上記一般式(2)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。
Figure 0007021617000005
(式中、c及びdはそれぞれ1~150の整数である。)
Figure 0007021617000006
(式中、c及びdはそれぞれ1~150の整数である。)
Figure 0007021617000007
(式中、c及びdはそれぞれ1~150の整数である。)
また、上記一般式(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0007021617000008
(式中、c及びdはそれぞれ1~150の整数である。)
Figure 0007021617000009
(式中、c及びdはそれぞれ1~150の整数である。)
なお、本発明において、粘度は回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)により測定することができるが、特に、上記一般式(2)又は(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の粘度(23℃)は、JIS K7117-1に規定された粘度測定で、500~100,000mPa・s、特に1,000~50,000mPa・sが好ましい。該粘度が500mPa・s以上であれば、本発明にかかる組成物の保存安定性が悪くなるおそれがなく、100,000mPa・s以下であれば、得られる組成物の伸展性が悪くなるおそれがない。
また、主鎖のパーフルオロポリエーテル構造を構成するパーフルオロオキシアルキレン単位の繰り返し数などで反映される直鎖状ポリフルオロ化合物の重合度(又は分子量)は、例えば、フッ素系溶剤を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
これらの直鎖状ポリフルオロ化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。即ち、上記一般式(2)又は(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の中で、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが可能であり、さらに上記一般式(2)及び(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物を組み合わせて使用することもできる。
[(B)成分]
(B)成分は、1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(ヒドロシリル基(SiH基))を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサンである。含フッ素オルガノ水素シロキサンは、好ましくは1分子中に、上記の1価又は2価の含フッ素有機基(1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基)を1個以上、及びケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有し、上記(A)成分の架橋剤として機能するものである。
上記1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基は、上記(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、下記一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。
f2f+1- (5)
(式(5)中、fは1~10の整数、好ましくは3~7の整数である。)
Figure 0007021617000010
(式(6)中、gは1~50の整数、好ましくは2~30の整数である。)
また、上記2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、下記一般式(7)~(9)で表される基が挙げられる。
-Ch2h- (7)
(式(7)中、hは1~20の整数、好ましくは2~10の整数である。)
Figure 0007021617000011
(式(8)中、i及びjはそれぞれ1以上の整数、好ましくは1~100の整数であり、i+jの平均値は2~200、好ましくは2~100である。)
-CF2O-(CF2CF2O)k(CF2O)l-CF2- (9)
(式(9)中、k及びlはそれぞれ1~50の整数、好ましくは1~30の整数であり、k+lの平均値は2~100、好ましくは2~80である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
また、これらのパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とは2価の連結基により繋がれていることが好ましい。該2価の連結基としては、酸素原子、窒素原子及びケイ素原子から選ばれる1種又は2種以上を有していてもよい、非置換若しくは置換の、炭素数2~13、特に炭素数2~8の2価の炭化水素基であることが好ましい。具体的には、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、あるいはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合、及びジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基からなる群より選ばれる1種又は2種以上の構造等を介在させたものが例示でき、例えば、
-CH2CH2-、
-CH2CH2CH2-、
-CH2CH2CH2OCH2-、
-CH2CH2CH2-NH-CO-、
-CH2CH2CH2-N(Ph)-CO-、
-CH2CH2CH2-N(CH3)-CO-、
-CH2CH2CH2-N(CH2CH3)-CO-、
-CH2CH2CH2-N(CH(CH32)-CO-、
-CH2CH2CH2-O-CO-、
-CH2CH2-Si(CH32-Ph’-N(CH3)-CO-、
-CH2CH2CH2-Si(CH32-Ph’-N(CH3)-CO-
(但し、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。)
等の炭素数2~13のものが挙げられる。
また、この(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける上記の1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子に直結した水素原子以外のケイ素原子に結合した1価の置換基は、炭素数1~20、好ましくは1~12の非置換若しくは置換のアルキル基又はアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。中でもメチル基が好ましい。
(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンの構造としては、環状、鎖状、三次元網状及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。この含フッ素オルガノ水素シロキサンのケイ素原子数は、特に制限されるものではないが、通常2~60、好ましくは3~30、より好ましくは4~30程度である。
また、(B)成分は、1分子中にSiH基を2個以上有するものであり、SiH基含有量は、0.01~1mol/100gが好ましく、さらに好ましくは0.02~0.9mol/100gである。
なお、架橋剤である(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンは、通常、ヒドロシリル化付加反応に関与するヒドロシリル基(SiH基)以外には、分子中に官能性基(例えば、後述する任意成分としての接着性付与剤等が分子中に有する、アルコキシシリル基、エポキシ基及び/又はカルボン酸無水物基等の官能性基)を有さないものであることが好ましい。
上記(B)成分としては、例えば下記一般式(10)~(16)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007021617000012
(式(10)中、Aは互いに独立して、上記の、酸素原子、窒素原子及びケイ素原子から選ばれる1種又は2種以上を有していてもよい2価の炭化水素基を介してポリシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上記一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。R6は独立して、上記の、炭素数1~20、好ましくは炭素数1~12の非置換若しくは置換のアルキル基又はアリール基である。また、mは2~6の整数、好ましくは3~6の整数であり、nは1~4の整数、好ましくは1~3の整数であり、m+nは4~10の整数、好ましくは4~9の整数である。但し、-(Si(H)(R6)O)-と-(Si(A)(R6)O)-の結合の順番は限定されない。)
Figure 0007021617000013
(式(11)中、Dは互いに独立して、上記Aと同じであり、R7は互いに独立して、上記R6と同じである。またoは2~50の整数、好ましくは3~30の整数である。)
Figure 0007021617000014
(式(12)中、Eは互いに独立して、上記Aと同じであり、R8は互いに独立して、上記R6と同じである。pは2~50の整数、好ましくは3~30の整数であり、qは1~40の整数、好ましくは1~20の整数であり、p+qは4~60の整数、好ましくは4~50の整数である。但し、-(Si(H)(R8)O)-と-(Si(E)(R8)O)-の結合の順番は限定されない。)
Figure 0007021617000015
(式(13)中、Gは互いに独立して、上記Aと同じであり、R9は互いに独立して、上記R6と同じである。rは2~50の整数、好ましくは3~30の整数であり、sは1~40の整数、好ましくは1~20の整数であり、r+sは4~60の整数、好ましくは4~50の整数である。但し、-(Si(H)(R9)O)-と-(Si(R92O)-の結合の順番は限定されない。)
Figure 0007021617000016
(式(14)中、Jは互いに独立して、上記Aと同じであり、R10は互いに独立して、上記R6と同じである。tは2~50の整数、好ましくは3~30の整数であり、uは1~40の整数、好ましくは1~20の整数であり、vは1~40の整数、好ましくは1~20の整数であり、t+u+vは5~60の整数、好ましくは5~50の整数である。但し、-(Si(H)(R10)O)-、-(Si(J)(R10)O)-及び-(Si(R102O)-の結合の順番は限定されない。)
Figure 0007021617000017
(式(15)中、Lは、酸素原子、アルキレン基、又は酸素原子あるいは窒素原子を有していてもよい2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基であり、2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、上記一般式(7)~(9)で表されるいずれかの基が挙げられる。また、Mは互いに独立して、上記Aと同じであり、R11は互いに独立して、上記R6と同じである。また、wは0~3の整数であり、xは0~3の整数であり、w+xは2~6の整数、好ましくは3~5の整数である。なお、Lが酸素原子又はアルキレン基である場合、w+xは2~5の整数である。)
Figure 0007021617000018
(式(16)中、Qは上記Aと同じであり、R12は互いに独立して、上記R6と同じである。)
(B)成分として、具体的には下記の化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、下記式において、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
Figure 0007021617000019
(式中、yは1~10の整数である。)
Figure 0007021617000020
(式中、zは1~50の整数である。)
Figure 0007021617000021
(式中、zは1~50の整数である。)
Figure 0007021617000022
(式中、yは1~10の整数である。)
Figure 0007021617000023
(式中、zは1~50の整数であり、yは1~10の整数である。)
Figure 0007021617000024
(式中、yは1~10の整数であり、zは1~50の整数である。)
Figure 0007021617000025
(式中、yは1~10の整数であり、zは1~50の整数である。)
Figure 0007021617000026
(式中、yは1~10の整数であり、zは1~50の整数である。)
Figure 0007021617000027
(式中、yは1~10の整数であり、a’は1~20の整数である。)
Figure 0007021617000028
(式中、zは1~50の整数であり、a’は1~20の整数である。)
Figure 0007021617000029
(式中、yは1~10の整数であり、zは1~50の整数である。)
Figure 0007021617000030
(式中、yは1~10の整数であり、zは1~50の整数であり、b’及びc’はそれぞれ1~100の整数であり、b’+c’は2~200の整数である。)
Figure 0007021617000031
(式中、yは1~10の整数であり、zは1~50の整数であり、d’及びe’はそれぞれ1~50の整数であり、d’+e’は2~100の整数である。)
これらの(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
上記(B)成分の配合量は、上記(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)が0.3~3モルとなる量であり、好ましくは0.5~2モルとなる量(モル比)である。SiH基が0.3モルより少ないと、架橋度合いが不十分になり、一方3モルより多いと、保存安定性が損なわれたり、硬化後得られる硬化物の耐熱性が低下したりする。
[(C)成分]
(C)成分である白金族金属系触媒は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、組成物中に含有されるアルケニル基、特には(A)成分中のアルケニル基と、組成物中に含有されるSiH基、特には(B)成分中のSiH基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属又はその化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
白金化合物としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、白金とアルコール又はビニルシロキサンとの錯体、及び、シリカ、アルミナ、カーボン等に担持した金属白金等を挙げることができる。白金又はその化合物以外の白金族金属系触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えば、RhCl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh32、Pd(PPh34等を例示することができる。なお、前記式中、Phはフェニル基である。
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには固体状で使用することも可能であるが、より均一な硬化物を得るためには塩化白金酸や錯体を、例えば、トルエンやエタノール等の適切な溶剤に溶解したものを(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物に相溶させて使用することが好ましい。
(C)成分の配合量は、ヒドロシリル化反応触媒としての有効量であり、通常、(A)成分の質量に対して0.1~2,000ppm、好ましくは0.1~500ppm、特に好ましくは0.5~200ppm(白金族金属原子の質量換算)であるが、希望する硬化速度に応じて適宜増減することができる。
[その他の成分]
本発明にかかる熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物には、その実用性を高めるために、上記の(A)~(C)成分以外にも、任意成分として、ヒドロシリル化付加反応制御剤((D)成分)、無機質充填剤((E)成分)、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤、接着性付与剤等の各種配合剤(添加剤)を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で任意である。
ヒドロシリル化付加反応制御剤((D)成分)の例としては、1-エチニル-1-ヒドロキシシクロヘキサン、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、3-メチル-1-ペンテン-3-オール、フェニルブチノール等のアセチレン性アルコール;上記一般式(5)で表される1価のパーフルオロアルキル基、又は上記一般式(6)で表される1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するクロロシランとアセチレン性アルコールとの反応物;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン;トリアリルイソシアヌレート;ポリビニルシロキサン;有機リン化合物等が挙げられ、その添加により硬化反応性と保存安定性を適度に保つことができる。
無機質充填剤((E)成分)の例としては、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ又は乾式シリカ)、沈降性シリカ(湿式シリカ)、球状シリカ(溶融シリカ)、ゾルゲル法シリカ、シリカエアロゲル等のシリカ粉末、又は該シリカ粉末の表面を各種のオルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン等で処理してなるシリカ粉末、さらに該表面処理シリカ粉末を、上記一般式(5)で表される1価のパーフルオロアルキル基、又は上記一般式(6)で表される1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するオルガノシラン又はオルガノシロキサンで再処理してなるシリカ粉末等のシリカ系補強性充填剤、石英粉末、溶融石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム等の補強性又は準補強性充填剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、アルミン酸コバルト等の無機顔料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン等の耐熱向上剤、アルミナ、窒化硼素、炭化珪素、金属粉末等の熱伝導性付与剤、カーボンブラック、銀粉末、導電性亜鉛華等の導電性付与剤等が挙げられる。
可塑剤、粘度調節剤及び/又は可撓性付与剤としては、下記一般式(17)、(18)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物、及び/又は下記一般式(19)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物を用いることができる。
F-(CF2CF2CF2O)f’-X’ (17)
(式(17)中、X’はCg’2g’+1-(g’は1~3の整数)で表される基であり、f’は1~500の整数、好ましくは1~300の整数である。)
Z’-{(OCF(CF3)CF2h’-(OCF2CF2i’-(OCF2j’}-O-Z’ (18)
(式(18)中、Z’は上記X’と同じであり、h’及びi’はそれぞれ0~300の整数、好ましくは0~150の整数である。但し、h’とi’が共に0の場合は除く。また、j’は1~300の整数、好ましくは1~150の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
Rf-(A'')k’-CH=CH2 (19)
[式(19)中、Rfは下記一般式(20)
F-[CF(CF3)CF2O]l’-Cm’2m’- (20)
(式(20)中、l’は1~200の整数、好ましくは1~150の整数であり、m’は1~3の整数である。)
で示される基であり、A''は-CH2-、-OCH2-、-CH2OCH2-又は-CO-NR13-D''-〔なお、これら各基は、左端がRfに、右端が炭素原子に結合される。また、R13は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基であり、D''は-CH2-、下記構造式(21)で示される基又は下記構造式(22)で示される基である。
Figure 0007021617000032
(o位、m位又はp位で示されるジメチルフェニルシリレン基であり、左端が窒素原子に、右端が炭素原子に結合される。)
Figure 0007021617000033
(左端が窒素原子に、右端が炭素原子に結合される。)〕であり、k’は0又は1である。]
上記一般式(17)又は(18)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
F-(CF2CF2CF2O)f''-CF2CF3
(f''は1~200の整数である。)
CF3-{(OCF(CF3)CF2h''-(OCF2j''}-O-CF3
(h''は1~200の整数、j''は1~200の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
CF3-{(OCF2CF2i''-(OCF2j''}-O-CF3
(i''は1~200の整数、j''は1~200の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
上記一般式(17)又は(18)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
上記一般式(19)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 0007021617000034
(ここで、l''は1~200の整数である。)
上記一般式(19)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
接着性付与剤としては、上述した架橋剤である(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサン以外の、分子中に接着性を付与し得る少なくとも1種の官能性基(例えば、アルコキシシリル基、エポキシ基及び/又はカルボン酸無水物基)とヒドロシリル基(SiH基)とを有する接着性官能性基含有の含フッ素オルガノ水素シロキサン等が挙げられる。
本発明にかかる組成物の製造方法は特に制限されず、上記(A)~(C)成分、任意成分である(D)~(E)成分及びその他の任意成分を均一に混合することにより製造することができる。その際、必要に応じて、プラネタリーミキサー、ロスミキサー、ホバートミキサー等の混合装置、ニーダー、三本ロール等の混練装置を使用することができる。
本発明にかかる組成物の構成に関しては、上記(A)~(C)成分、及びその他の任意成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは、2液タイプとし、使用時に両者を混合するようにしてもよい。
なお、本発明にかかる組成物を使用するに当たり、その用途、目的に応じて該組成物を適当なフッ素系溶剤、例えば1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、フロリナート(3M社製)、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル等に所望の濃度に溶解して使用してもよい。特に、薄膜コーティング用途においては溶剤を使用することが好ましい。
硬化温度は、100℃以上200℃以下、好ましくは120℃以上180℃以下である。100℃以上であれば、各種基材に対して、本発明にかかる組成物が接着性を短時間で発現することができる。一方、200℃以下であれば、本発明にかかる組成物が分解するおそれがない。また、本発明にかかる組成物の硬化時間は、硬化温度によって、架橋反応及び基材との接着反応が完了する時間を適宜選択すればよいが、一般的には、10分~60分が好ましく、15分~60分がより好ましい。
本発明のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置は、上述した熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を保護材として有する半導体装置であり、好適には、該熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層が、少なくともリードフレーム上に接着した半導体素子の表面全体を被覆するウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置である。
上述した熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を、リードフレーム等の基材の保護コーティング剤、半導体素子の封止材、センサー素子(半導体素子)のポッティング材、電子回路の保護ポッティング材、電気配線の腐蝕防止コート材等として用いることにより、特には、少なくとも半導体素子の表面全体を被覆することによって、人体の汗や皮脂による汚れなどの影響を受けることなく、長期間にわたって安定して作動可能なウェアラブルセンサーデバイス用の半導体装置(例えば、温度センサー、圧力センサー、加速度センサー、心拍計等)が得られるものである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示し、Meはメチル基を示す。また、(A)成分の粘度は23℃における測定値を示す(JIS K6249に準拠)。
下記実施例に用いられる(A)~(D)成分を下記に示す。
(A)成分
(A-1):下記式(23)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度10,900mPa・s、ビニル基含有量0.012mol/100g)
Figure 0007021617000035
(但し、c1及びd1は1以上の整数であり、c1+d1の平均値は90である。)
(A-2):下記式(24)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度11,000mPa・s、ビニル基含有量0.0122mol/100g)
Figure 0007021617000036
(但し、c2及びd2は1以上の整数であり、c2+d2の平均値は90である。)
(B)成分
(B-1):下記式(25)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00523mol/g)
Figure 0007021617000037
(B-2):下記式(26)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00394mol/g)
Figure 0007021617000038
(C)成分:白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)
(D)成分:1-エチニル-1-ヒドロキシシクロヘキサンの50質量%トルエン溶液
[実施例1]
(A-1)成分100部、(B-1)成分2.3部及び(D)成分0.2部をプラネタリーミキサーで室温にて均一に混合した後、(C)成分0.2部を加え、再び均一に混合して硬化性組成物1を調製した。
次に、アルミニウム配線を形成した6mm×6mmの大きさのシリコンチップ(半導体素子)を14pin-DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更に、該シリコンチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングしたテスト用の電子回路を直径30mmのガラスシャーレに入れ、そこに硬化性組成物1を3.8部流し込み、電子回路全体を硬化性組成物1で被覆(ポッティング)した。これを150℃のオーブンに入れて15分間加熱して硬化性組成物1を硬化させた。
このようにして電子回路の表面全体が硬化性組成物1の硬化物層で被覆(封止)した半導体装置のサンプルを作製した(図1参照)。
なお、図1において、1はシリコンチップ、2はアルミニウム電極、3はリードフレーム、4は金線、5は硬化性組成物の硬化物(封止層)である。
このサンプルを3.5質量%濃度の食塩水に浸漬した状態で、23℃で500時間放置した。その後、サンプルを取り出し、電子回路のアルミニウム電極の外観を顕微鏡で観察した。
[実施例2]
(A-2)成分100部、(B-2)成分3.1部を使用したこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物2を調製し、更に、該硬化性組成物2を使用したこと以外は実施例1と同様にして電子回路の表面全体が硬化性組成物2の硬化物層で被覆(封止)した半導体装置のサンプルを作製し、実施例1と同様の条件で電子回路のアルミニウム電極の外観を顕微鏡で観察した。
[比較例1]
実施例1における硬化性組成物1の代りに、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加硬化型シリコーンゴム組成物SYLGARD184(ダウコーニング社製)を用いた。すなわち、SYLGARD184の主剤100部及び硬化剤10部をカップに秤量し、均一に混合して硬化性シリコーンゴム組成物3を調製し、更に、該硬化性シリコーンゴム組成物3を使用したこと以外は実施例1と同様にして電子回路の表面全体が硬化性シリコーンゴム組成物3の硬化物層で被覆(封止)した半導体装置のサンプルを作製し、実施例1と同様の条件で電子回路のアルミニウム電極の外観を顕微鏡で観察した。
Figure 0007021617000039
以上のように、本発明にかかる熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を保護材として用いた半導体装置は、塩水浸漬試験においても電子回路に腐蝕は見られなかった。このことから、人体に接触する環境においても汗などから電子回路を長期間安定して保護することができる。
1 シリコンチップ
2 アルミニウム電極
3 リードフレーム
4 金線
5 硬化性組成物の硬化物(封止層)

Claims (6)

  1. (A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物:100質量部、
    (B)1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン:(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(B)成分中のSiH基が0.3~3モルとなる量、
    (C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属原子の質量換算で0.1~2,000ppm、
    を含有する熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層を保護材として有し、人体に接触する環境で用いられるものであるウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
  2. 前記(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量が、0.005~0.3mol/100gである請求項1に記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
  3. 前記(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式(1)
    -(Ca2aO)b- (1)
    (式(1)中、aは1~6の整数であり、bは1~300の整数である。)
    で表される構造を含む請求項1又は2に記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
  4. 前記(A)成分が、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)
    Figure 0007021617000040
    (式(2)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計のうち二つ以上はアルケニル基である。R3は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、c及びdはそれぞれ1~150の整数であって、かつc+dの平均値は2~300であり、eは1~6の整数である。)
    Figure 0007021617000041
    (式(3)中、R4は互いに独立して、炭素数1~6のアルキレン基であり、R5は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基である。また、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計のうち二つ以上はアルケニル基である。c及びdはそれぞれ1~150の整数であって、かつc+dの平均値は2~300であり、eは1~6の整数である。)
    で表される直鎖状ポリフルオロ化合物である請求項1~3のいずれか1項に記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
  5. 熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物の硬化物からなる封止層が、少なくともリードフレーム上に接着した半導体素子の表面全体を被覆するものである請求項1~4のいずれか1項に記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
  6. 前記熱硬化性フルオロポリエーテル系組成物が前記(A)、(B)、(C)成分、及び(D)ヒドロシリル化付加反応制御剤からなる請求項1~5のいずれか1項に記載のウェアラブルセンサーデバイス用半導体装置。
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