JP7019244B2 - 混合キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、主剤が充填された容器の口部に装着され、副剤を容器内へ混合可能な混合キャップに関する。
従来、主剤が充填された容器の口部に装着され、ポーションカップ内に充填された副剤を任意のタイミングで取り出し容器内の主剤と混合可能な混合キャップとして、容器の口部に装着可能な内蓋と、副剤を充填したポーションカップとで構成された混合キャップが特許文献1で公知である。
この特許文献1で公知の混合キャップは、円筒状に形成されたキャップ本体(第二の部材4)の半径方向中心から放射状に延びる開封用カッター(切断片42)を有し、内蓋(第二の部材4)の上部には開封面(閉塞片8)を下に向けたポーションカップ(第一の部材2)が係合しており、ポーションカップ(第一の部材2)を押し込むことで、開封用カッター(切断片42)によって開封面(閉塞片8)を切り裂き、ポーションカップ(第一の部材2)内に充填されている副剤を容器内へ落下させて主剤と混合するものである。
特許第5893851号公報
ところが、上記特許文献で公知の混合キャップは、未だ改善の余地があった。
すなわち、ポーションカップ(第一の部材2)内の副剤を主剤と混合し終えた後、容器から内容物を取り出すには、内蓋(第二の部材4)を容器口部から外す必要があり、例えば、シャンプーや調味料等の、片手で使用する頻度が高く、容器内に水や異物が入りやすい使用環境では、迅速な容器の開閉を行えない虞があった。
また、容器内の内容物が液体で高粘度原液の場合、内蓋(第二の部材4)を容器口部から外して液体を取り出す際、容器口部の外周面に液体が付着することで、内蓋(第二の部材4)を容器口部に装着しにくくなる虞があった。
また、ポーションカップ(第一の部材2)が十分に降下する前にポーションカップ(第一の部材2)の開封面(閉塞片8)が開封され始めるため、ポーションカップ(第一の部材2)と内蓋(第二の部材4)との隙間から、開封したポーションカップ(第一の部材2)内の副剤が容器外へ漏出するおそれがあった。
また、開封前のポーションカップ(第一の部材2)の降下を制限する制限片がポーションカップ(第一の部材2)に設けられているが、制限片は円筒状の内蓋(第二の部材4)よりも半径方向外方へ突出しているため、搬送時における混合キャップの周方向の向きに注意する必要があるとともに、突出した制限片に不意に触れてしまい、開封時以外で制限片を破断してしまうおそれがあった。
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡単な構成で、ポーションカップの開封面を十分に開封できるとともに、混合キャップ及び混合キャップを装着した容器の外部との密閉性を保ち、開封されたポーションカップから取り出した副剤を迅速に容器内の主剤側へ落下し混合させることができ、混合キャップを容器の口部から取り外すことなく混合後の内容物を注出可能な混合キャップを提供することを目的とするものである。
本発明の混合キャップは、主剤が充填された容器の口部に装着され、副剤を容器内へ混合可能な混合キャップであって、該混合キャップは、外蓋と、内蓋と、開封用カッターを有する稼動部材と、充填された副剤を保持したまま密封可能な開封面を有するポーションカップを保持可能な保持空間とを有し、前記外蓋は、前記内蓋と係合可能且つ相対的に回転可能に構成され、外蓋天面と、前記外蓋天面から下方に延びる筒状壁と、前記外蓋天面から下方に延びる、前記筒状壁より外方に形成された外蓋壁部とを有し、前記外蓋天面には、前記筒状壁より周方向外方に位置し前記外蓋天面を貫通した注出孔と、前記注出孔を開閉可能な密閉カバーが設けられ、前記保持空間は、筒状壁の内周側に前記ポーションカップを収容可能に構成され、前記内蓋は、前記容器口部と係合可能に構成され、頂板部と、前記頂板部から上方に延び前記外蓋壁部の内側に係合可能な筒状突起とを有し、前記頂板部には、前記頂板部の上下を貫通し、前記容器口部と連通可能な貫通孔が設けられ、前記稼動部材は、前記外蓋と前記内蓋との間にネジ係合可能且つ前記内蓋に対して相対的に上昇可能に構成され、前記外蓋を開栓する工程において、前記稼動部材と前記外蓋とは、相対的に上下移動可能且つ一体的に回転可能に構成され、前記開封用カッターは、前記稼動部材の、前記ポーションカップの開封面と対向する位置に設けられていることにより、前記課題を解決するものである。
請求項1に係る発明の混合キャップによれば、混合キャップの外蓋天面には、筒状壁より周方向外方に位置し貫通した注出孔と、注出孔を開閉可能な密閉カバーが設けられているため、混合キャップ内の副剤を主剤と混合させた後、密閉カバーを開けることで、混合キャップを容器口部から外すことなく、注出孔から容器内の内容物を取り出すことができる。
また、保持空間は、筒状壁の内周側にポーションカップを収容可能に構成されているため、複数の種類の副剤を使用して生産する場合でも、ポーションカップの形状が統一されていれば、生産ラインの型替えの必要なく混合キャップの生産が可能である。
さらに、既に副剤が充填されているポーションカップを保持空間内に配置するため、混合キャップの組立て作業時に副剤が他の部品に付着して汚染してしまうことを抑制できる。
また、副剤は、容器口部と連通可能な貫通孔を通るため、確実に容器内へ落下できる。
さらに、稼動部材は、開封用カッターを有し、外蓋と内蓋との間にネジ係合可能且つ内蓋に対して相対的に上昇可能に構成されており、開封用カッターは、稼動部材の、ポーションカップの開封面と対向する位置に設けられているため、外蓋を回転させて稼動部材を外蓋天面側へ上昇させ、開封面を開封用カッターで開口することで、容器口部の開口空間を広げることができ、容器内の内容物を取り出すための流路をより大きく確保できる。
また、稼動部材と筒状突起の内周面とがネジ係合可能に構成されているため、予め開封用カッターと開封面とが触れることがない距離に互いを配置することで、振動等で使用時以外に稼動部材に設けられた開封用カッターが開封面に触れて開封することを防止できる。
さらに、外蓋を開栓する際において、稼動部材と外蓋は相対的に上下移動可能且つ一体的に開栓可能に構成されているため、稼動部材に配置されている開封用カッターが上昇し開封面を開口する際、周方向に回転することなく開口し、開封面の破片がポーションから脱落することがなく、容器内へ混入することを防止できる。
請求項2に記載の構成によれば、稼動部材は、底面と、底面の周縁から上方に延びる環状壁とから構成され、底面には、上下方向に貫通する混合孔が設けられているため、開封用カッターによって開封されたポーションカップから流れ落ちてくる副剤を、混合孔を通すことによって迅速に容器内へ混合できる。
請求項3に記載の構成によれば、筒状突起の内周面には、稼動部材係合ネジが設けられ、環状壁の外周面には、内蓋係合ネジが設けられ、稼動部材係合ネジと内蓋係合ネジとは、互いにネジ係合可能に構成されているため、開栓時は稼動部材が筒状突起の内蓋係合ネジに沿って上昇し、開封用カッターで確実にポーションの開封面を開口できる。
請求項4に記載の構成によれば、外蓋の筒状壁及び稼動部材の環状壁は、それぞれ一部に縮径部を有した非円形形状で、互いに相似の関係であることから、外蓋壁部及び内蓋の筒状突起との間に内容物が通過可能な空間を確保することができる。
請求項5に記載の構成によれば、ポーションカップの開封面の周囲に設けられたフランジの外周縁は、筒状壁と相似の関係にある非円形形状であるため、開封面の開栓後、筒状壁の下端と稼動部材の底面とでフランジを全体的に挟み込んで安定して固定できる。
請求項6に記載の構成によれば、外蓋の注出孔は、筒状壁の縮径部の外方に形成され、筒状壁の縮径部および環状壁の縮径部の外方と筒状突起の内面に連通流路が形成され、注出孔と連通流路が連通しているため、容器口部から注出孔へ向かう内容物を流れやすく短い連通流路へ流入でき、内容物をより一層効率よく取り出すことができる。
請求項7に記載の構成によれば、稼動部材は、底面と、底面の周縁から上方に延びる環状壁とから構成され、環状壁の内周面の、開封用カッターよりも上方には、稼動部材の中心軸側へ形成された仮止めリブが設けられているため、開封前のポーションカップのフランジを、仮止めリブに載せることで、使用時以外に開封用カッターが開封面に触れて開封することを防止できるとともに、使用時に稼動部材を外蓋側へ上昇させる際、ポーションカップのフランジが仮止めリブを容易に乗越え、開封用カッターと開封面とを接触させることができる。
請求項8に記載の構成によれば、筒状壁の外周面と環状壁の内周面には、互いに係合して回転方向の移動を制限する回転防止部が設けられているため、外蓋を回転させた際、稼動部材と筒状壁との周方向の位置関係を変えることなく、確実に稼動部材を外蓋側へ上昇させることができる。
請求項9に記載の構成によれば、稼動部材は、底面と、底面の周縁から上方に延びる環状壁とから構成され、底面には、上下方向に貫通する混合孔が設けられ、開封用カッターは、混合孔の外周縁に沿って弧状に延在し、開封面のめくり上げ方向に向かって徐々に下方に傾斜しているため、ポーションカップの開封面の縁に沿って大きく開口でき、副剤を迅速に混合孔へ流入できる。
また、開封面のめくり上げ方向に向かって徐々に下方に傾斜しているため、開封用カッターは開封面のめくり上げ方向と反対側の位置から開封面に接触し、開封する力を一点に集中させ、めくり上げ方向に向かって徐々に開封することができ、より確実に開封面を開封することができる。
請求項10に記載の構成によれば、稼動部材の底面には、上方に延びる押上げリブを有しているため、ポーションカップの開封面を押し上げることで、開封面の撓みを解消し、開封用カッターを開封面に食い込みやすくできるとともに、開封用カッターが食い込んだ開封面の開口面積を確実に広げることができる。
さらに、押上げリブは開封面のめくり上げ方向に向かって徐々に下方に傾斜しているため、開封面のうち、開封用カッターが最初に接触する位置の撓みをより確実に解消できるとともに、開封用カッターが開封面に食い込む前に、開封面の他の位置に押上げリブが当接することを防ぐことで、開封用カッターを開封面により食い込みやすくできる。
請求項11に記載の構成によれば、外蓋壁部の内周面下端には、係合突起が設けられ、内蓋は、頂板部の下面から垂下したスカート壁をさらに有し、スカート壁の外周面上端には、係合突起と係合可能なラチェットが設けられているため、頂板部に設けられた貫通孔が、注出孔に対して周方向均一に設けられていない場合、注出孔と貫通孔との周方向の位置が合う箇所で係合突起とラチェットが係合するように配置することで、外蓋を回転させるだけで、容器内の内容液を効率よく取り出せる向きに微調整することなく揃えることができる。
本発明の一実施形態に係る混合キャップ100の斜視図。 本発明の一実施形態に係る混合キャップ100の断面図。 本発明の一実施形態に係る外蓋110の斜視図。 本発明の一実施形態に係る外蓋110の断面図。 本発明の一実施形態に係る内蓋130の斜視図。 本発明の一実施形態に係る内蓋130の断面図。 本発明の一実施形態に係る稼動部材140の斜視図。 本発明の一実施形態に係る稼動部材140の断面図。 本発明の一実施形態に係るポーションカップPの断面図および下面図。 本発明の一実施形態に係る混合キャップ100の、副剤Sの混合手順1を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る混合キャップ100の、副剤Sの混合手順2を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る混合キャップ100から、内容液Mを取り出す手順を示す断面図。
以下に、本発明の一実施形態に係る混合キャップ100について、図面に基づいて説明する。なお、混合キャップ100に嵌合する容器は、容器口部Bのみを図示する。
混合キャップ100は、主剤が充填された容器の口部Bに装着され、副剤Sを取り出し容器内へ混合可能なものであり、図1および図2に示すように、外蓋110と、内蓋130と、稼動部材140と、充填された副剤Sを保持したまま密封可能なポーションカップPとが設けられている。
外蓋110は内蓋130と係合可能且つ相対的に回転可能に構成され、図3および図4
に示すように、外蓋天面111と、外蓋天面111から下方に延びる筒状壁115と、外蓋天面111から下方に延びる、筒状壁115より外方に形成された外蓋壁部112と、外蓋天面111から下方に延びる、筒状壁115と外蓋壁部112との間に形成された密着リング114とを有している。
外蓋天面111には、筒状壁115より周方向外方に位置し外蓋天面111を貫通した注出孔118と、注出孔118を開閉可能な密閉カバー119が設けられている。
外蓋壁部112の下部の内周面には、弧状に形成された係合突起113が2つ形成されており、2つの係合突起113の間には、2つの切欠き部120が設けられている。
筒状壁115の内周側には、副剤Sを充填したポーションカップPを収容する保持空間117が設けられており、筒状壁115の外周面には、上下方向に延びる回転防止溝116が形成されている。
また、筒状壁115の外周面のうち、注出孔118側は、平面状に形成された第1縮径部146aが設けられており、後述するが、稼動部材140の第2縮径部146bの周方向位置と一致している。
内蓋130は、容器口部Bに装着可能に構成され、図5および図6に示すように、頂板部131と、頂板部131から上方に延び外蓋壁部112の内側に係合可能な筒状突起135と、頂板部131から下方に延び容器口部Bの外側に係合可能なスカート壁133とを有している。
頂板部131には、頂板部131の上下を貫通し、容器口部Bと連通可能な貫通孔132が設けられている。
筒状突起135の内周面には、稼動部材係合ネジ136が設けられている。
スカート壁133の上部外周面には、外周面ラチェット134が2つ形成されている。
稼動部材140は、図7および図8に示すように、底面141と、底面141の周縁から上方に延びる環状壁145と、底面141を上下方向に貫通する混合孔144とが設けられている。
底面141には、底面141から上方に延び、混合孔144の外周縁に沿って弧状に延在している開封用カッター143と、底面141から上方に延び、底面141の中心から3方向に放射状に形成された押上げリブ142とが設けられている。
押上げリブ142と開封用カッター143は、開封用カッター143が形成する弧の開放側に向かって徐々に下方に傾斜するように形成されている。
環状壁145の外周面には、筒状突起係合ネジ149が設けられているとともに、環状壁145の外周面のうち、開封用カッター143が形成する弧の解放側は、上下方向に亘って平面状に形成された第2縮径部146bが設けられ、内蓋130の筒状突起135の内周面と連通流路Lを形成している。
また、環状壁145の内周面の、開封用カッター143よりも上方には、仮止めリブ148が半径方向内方に向かって形成されているとともに、環状壁145の内周面の、仮止めリブ148よりも上方には、回り止めリブ147が半径方向内方に向かって形成されている。
ポーションカップPは、図9に示すように、下面に設けられた開封面Psが、フランジPfに接続され、ポーションカップP内を密閉している。
また、ポーションカップPの下面の概形は、円弧の両端を直線で結んだD型の形状を有している。
次に、混合キャップ100の組み立てについて、図1乃至図10に基づいて説明する。
まず、内蓋130の筒状突起135に設けられた稼動部材係合ネジ136と、稼動部材140の環状壁145に設けられた筒状突起係合ネジ149とを係合させ、底面141が頂板部131に接触する位置まで稼動部材140を回す。
次に、稼動部材140の環状壁145の内周面側に、ポーションカップPを挿入する。
このとき、ポーションカップPは、ポーションカップPの下面の概形を象る様に配置された仮止めリブ148の上に、フランジPfを乗せた位置で安定するため、稼動部材140に対するポーションカップPの周方向の向きが固定される。
次に、内蓋130の筒状突起135の外周面側に、外蓋110の外蓋壁部112を被せる。
このとき、外蓋壁部112の下方に設けられた係合突起113が、筒状突起135の下方に位置することで、内蓋130は外蓋110から抜け止めされる。
また、密着リング114の外側面が、筒状突起135の内周面に円周状に接触するため、内蓋130と外蓋110で囲まれた空間は、混合孔144以外を密閉状態にできる。
さらに、外蓋110を内蓋130に被せると、筒状壁115の下端がフランジPfの上部を押さえ、仮止めリブ148と筒状壁115の下端とでフランジPfを挟持するため、ポーションカップPの位置ずれを抑えることができる。
また、外蓋110を内蓋130に被せる際、稼動部材140の環状壁145の内周面に設けられた回り止めリブ147を、外蓋110の筒状壁115の外周面に設けられた回転防止溝116内に沿う位置で外蓋110を内蓋130に被せると、外蓋110の筒状壁115と稼動部材140の環状壁145との周方向の相対的な位置関係がずれることがない。
次に、混合キャップ100による、ポーションカップPの副剤Sと、容器内の主剤との混合手順および注出手順について、図10乃至図12に基づいて説明する。
なお、説明のため、図の容器の向きはすべて正立状態のものを使用する。
まず、図10に示すように、容器口部Bに混合キャップ100を装着し、外蓋110を時計回りに回転させる。
外蓋110は稼動部材140と周方向の相対的な位置関係がずれることがなく、内蓋130に対して相対的に回転するため、外蓋110を回転させると、筒状突起135の稼動部材係合ネジ136および環状壁145の筒状突起係合ネジ149によって、稼動部材140が徐々に外蓋110側へ上昇する。
これによって、ポーションカップPのフランジPfが仮止めリブ148を乗越え、開封用カッター143がポーションカップPの開封面Psに当接する。
さらに外蓋110を回転させて稼動部材140を上昇させると、開封用カッター143の高い箇所から順に開封面Psに食い込み、押上げリブ142も高い箇所から開封面Psに撓みが生じないよう当接する。
これによって、開封面Psには複数の破線状の亀裂が形成され、亀裂から副剤SがポーションカップP外へ少しずつ流出し、混合孔144と貫通孔132を通って容器内へ入り始める。
押上げリブ142は副剤Sの混合孔144への流出を阻害しないよう開封面Psをめくり上げる。押上げリブ142のめくり上げ方向は複数に分岐している形状になっているため、開口後に開封面Psで流出を阻害しないよう保持する。
このとき、稼動部材140は外蓋110に対して相対的に回転することなく外蓋110側へ上昇しているため、開封用カッター143は開封面Psの表面に確実にくい込むことができる。
さらに外蓋110を回転させると、図11に示すように、稼動部材140は、ポーションカップPのフランジPfを、底面141と筒状壁115の下端とで挟持する位置まで外蓋110側へ上昇した状態で、内蓋130の外周面ラチェット134が外蓋110の係合突起113間の切欠き部120に係合し、外蓋110と内蓋130の周方向の位置が固定されるとともに、開封面Psは完全に開封され、副剤Sはすべて容器内へ入る。
次に、副剤Sを容器内の主剤と混合した内容液Mを取り出す。
図12に示すように、外蓋110の密閉カバー119を展開することで、外蓋天面111の注出孔118が開く。
容器を注出孔118側に傾けると、内容液Mは容器口部Bから貫通孔132を通り、混合キャップ100内へ流入する。
混合キャップ100内は、ポーションカップPが保持空間117内に収容されており、稼動部材140の混合孔144は、ポーションカップPの開封面Psと接続されているため、混合孔144から注出孔118への内容液Mを送り出すことはできず、筒状突起135と稼動部材140の外周面との間を内容液Mは通過し、注出孔118へ向かう。
このとき、環状壁145の外周面のうち、開封用カッター143が形成する弧の解放側は、上下方向に亘って平面状に形成された第2縮径部146bが設けられており、筒状突起135と第1縮径部146aと第2縮径部146bとによって、連通流路Lが形成されている。
連通流路Lは注出孔118の下方かつ周方向位置が一致するように構成されているため、容器口部Bから注出孔118へ向かう内容液Mが流れやすく短い連通流路Lを混合キャップ100内に形成でき、内容液Mをより一層効率よく取り出すことができる。
これによって、容器口部Bから混合キャップ100を外すことなく、内容液Mを取り出すことが可能となり、内容液Mの取り出し操作が片手で簡単にできるとともに、内容液Mの取り出し操作中における容器内への異物の混入を抑制できる。
また、外蓋110の密着リング114が筒状突起135の内周面に密着しているため、外蓋壁部112と筒状壁115の間から内容液Mが漏れ出ることはない。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
上述した実施形態では、外蓋天面に注出孔が設けられているものとして説明したが、注出孔の形成位置はこれに限定されず、例えば、外蓋壁部に設けられていてもよい。
また、上述した実施形態では、環状壁の内周面の、開封用カッターよりも上方には、仮止めリブが半径方向内方に向かって膨出形成されており、ポーションカップのフランジを支持するものとして説明したが、ポーションカップの支持方法はこれに限定されず、例えば、開封用カッターに直接ポーションカップを支持させてもよい。
また、上述した実施形態では、稼動部材の環状壁の内周面に設けられた回り止めリブを、外蓋の筒状壁の外周面に設けられた回転防止溝内に沿う位置で外蓋を内蓋に被せることで、稼動部材を外蓋と相対的に回転させないものとして説明したが、稼動部材と外蓋との関係はこれに限定されず、例えば、回り止めリブや回転防止溝を設けずに、筒状壁の外周面と環状壁の内周面とが互いに上下方向に摺動可能な多角形で構成することで、稼動部材の外蓋との相対的な回転を防止してもよく、稼動部材の外蓋との相対的な回転を防止しなくてもよい。
また、上述した実施形態では、回転させた外蓋をラチェットに切欠き部を係合させることで周方向の位置を固定していたが、外蓋の位置固定方法はこれに限定されず、例えば、ラチェットや切欠き部のような固定部がなくてもよい。
また、上述した実施形態では、内容液を注出する際に容器を傾けるものとして説明したが、内容液の注出方法はこれに限定されず、例えば、スクイズボトルを容器として、容器を押して変形させることで内容液を注出孔から注出してもよい。
また、上述した実施形態では、開封用カッターは、貫通孔の外周縁に沿って弧状に延在しているものとして説明したが、開封用カッターの構成はこれに限定されず、例えば、貫通孔の外周縁に沿って、多角形状に延在していてもよく、一定の間隔で点在していてもよい。
また、上述した実施形態では、押上げリブは、頂板部の中心から3方向に放射状に形成されているものとして説明したが、押上げリブの構成はこれに限定されず、例えば、頂板部の中心から上方に延びる棒状に形成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、押上げリブと開封用カッターは、開封用カッターが形成する弧の解放側にむかって徐々に下方に傾斜するように形成されているものとして説明したが、押上げリブと開封用カッターの構成はこれに限定されず、例えば、押上げリブと開封用カッターは傾斜していなくてもよく、波状に上下していてもよい。
また、上述した実施形態では、環状壁の外周面のうち、開封用カッターが形成する弧の解放側の近傍には、上下方向に亘って平面に形成された第2縮径部が設けられているものとして説明したが、第2縮径部の構成はこれに限定されず、例えば、第2縮径部を環状壁の外周面の上下方向に亘って溝状に形成してもよい。
また、上述した実施形態では、下面の概形がD型形状のポーションカップを使用するものとして説明したが、使用するポーションカップの形状はこれに限定されず、例えば、下面の概形がO型形状や、多角形形状のポーションカップを使用し、ポーションカップを中心からオフセットして保持可能な保持空間を有した筒状壁を設けて、容器内から内容物を取り出す際に容器口部から注出孔までの内容物が通過する流路を大きく確保するようにしてもよい。
100 ・・・ 混合キャップ
110 ・・・ 外蓋
111 ・・・ 外蓋天面
112 ・・・ 外蓋壁部
113 ・・・ 係合突起
114 ・・・ 密着リング
115 ・・・ 筒状壁
116 ・・・ 回転防止溝
117 ・・・ 保持空間
118 ・・・ 注出孔
119 ・・・ 密閉カバー
120 ・・・ 切欠き部
130 ・・・ 内蓋
131 ・・・ 頂板部
132 ・・・ 貫通孔
133 ・・・ スカート壁
134 ・・・ 外周面ラチェット
135 ・・・ 筒状突起
136 ・・・ 稼動部材係合ネジ
140 ・・・ 稼動部材
141 ・・・ 底面
142 ・・・ 押上げリブ
143 ・・・ 開封用カッター
144 ・・・ 混合孔
145 ・・・ 環状壁
146a ・・・ 第1縮径部
146b ・・・ 第2縮径部
147 ・・・ 回り止めリブ
148 ・・・ 仮止めリブ
149 ・・・ 筒状突起係合ネジ
P ・・・ ポーションカップ
Pf ・・・ フランジ
Ps ・・・ 開封面
B ・・・ 容器口部
S ・・・ 副剤
M ・・・ 内容液
L ・・・ 連通流路

Claims (11)

  1. 主剤が充填された容器の口部に装着され、副剤を容器内へ混合可能な混合キャップであって、
    該混合キャップは、外蓋と、内蓋と、開封用カッターを有する稼動部材と、充填された副剤を保持したまま密封可能な開封面を有するポーションカップを保持可能な保持空間とを有し、
    前記外蓋は、前記内蓋と係合可能且つ相対的に回転可能に構成され、外蓋天面と、前記外蓋天面から下方に延びる筒状壁と、前記外蓋天面から下方に延びる、前記筒状壁より外方に形成された外蓋壁部とを有し、
    前記外蓋天面には、前記筒状壁より周方向外方に位置し前記外蓋天面を貫通した注出孔と、前記注出孔を開閉可能な密閉カバーが設けられ、
    前記保持空間は、筒状壁の内周側に前記ポーションカップを収容可能に構成され、
    前記内蓋は、前記容器口部と係合可能に構成され、頂板部と、前記頂板部から上方に延び前記外蓋壁部の内側に係合可能な筒状突起とを有し、
    前記頂板部には、前記頂板部の上下を貫通し、前記容器口部と連通可能な貫通孔が設けられ、
    前記稼動部材は、前記外蓋と前記内蓋との間にネジ係合可能且つ前記内蓋に対して相対的に上昇可能に構成され、
    前記外蓋を開栓する際において、前記稼動部材と前記外蓋とは、相対的に上下移動可能且つ一体的に回転可能に構成され、
    前記開封用カッターは、前記稼動部材の、前記ポーションカップの開封面と対向する位置に設けられていることを特徴とする混合キャップ。
  2. 前記稼動部材は、底面と、前記底面の周縁から上方に延びる環状壁とから構成され、
    前記底面には、上下方向に貫通する混合孔が設けられ、
    前記開封用カッターは、前記底面から上方に向かって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の混合キャップ。
  3. 前記筒状突起の内周面には、稼動部材係合ネジが設けられ、
    前記環状壁の外周面には、内蓋係合ネジが設けられ、
    前記稼動部材係合ネジと前記内蓋係合ネジとは、互いにネジ係合可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の混合キャップ。
  4. 前記外蓋の筒状壁及び前記稼動部材の環状壁は、それぞれ一部に縮径部を有した非円形形状で、互いに相似の関係であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の混合キャップ。
  5. 前記ポーションカップは、前記開封面の周囲にフランジを有し、前記フランジの外周縁は、前記筒状壁と相似の関係にある非円形形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の混合キャップ。
  6. 前記外蓋の注出孔は、前記筒状壁の縮径部の外方に形成され、前記筒状壁の縮径部および環状壁の縮径部の外方と前記筒状突起の内面に連通流路が形成され、前記注出孔と前記連通流路が連通していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の混合キャップ。
  7. 前記稼動部材は、底面と、前記底面の周縁から上方に延びる環状壁とから構成され、
    前記環状壁の内周面の、前記開封用カッターよりも上方には、前記稼動部材の中心軸側へ形成された仮止めリブが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の混合キャップ。
  8. 前記筒状壁の外周面と環状壁の内周面には、互いに係合して回転方向の移動を制限する回転防止部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の混合キャップ。
  9. 前記稼動部材は、底面と、前記底面の周縁から上方に延びる環状壁とから構成され、
    前記底面には、上下方向に貫通する混合孔が設けられ、
    前記開封用カッターは、前記混合孔の外周縁に沿って弧状に延在し、開封面のめくり上げ方向に向かって徐々に下方に傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の混合キャップ。
  10. 前記稼動部材の底面には、上方に延びる押上げリブを有し、前記押上げリブは、前記ポーションカップの開封面のめくり上げ方向に向かって徐々に下方に傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の混合キャップ。
  11. 前記外蓋壁部の内周面下端には、係合突起が設けられ、
    前記内蓋は、前記頂板部の下面から垂下したスカート壁をさらに有し、前記スカート壁の外周面上端には、前記係合突起と係合可能なラチェットが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の混合キャップ。
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