JP7018378B2 - マットレス - Google Patents

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本開示は、マットレスに関する。
人が睡眠や休息をとる際に用いられる寝具の一種に、弾力性を有するウレタンフォームを用いたマットレスがある。マットレスは、人が睡眠や休息をとる際に、横たわり使用するものであることから、人が横たわった際に、できるだけ快適な状態が保たれるように様々な工夫がなされている。
特開2001-327367号公報 特開2002-306285号公報 特開2007-111423号公報 特開2005-137596号公報 特開2000-152854号公報 特開2010-148819号公報 特開平11-103979号公報 特開平11-91058号公報 実用新案登録第3025612号公報
マットレスは、マットレス等において人が横たわった際の快適性の指標の一つとして、荷重分散がある。マットレス等においては、人が横たわった際に、適切な荷重分散がなされ、快適な睡眠状態や休息状態を保つことのできるものが求められている。
本実施の形態の一観点によれば、弾性支持部と、前記弾性支持部の上に形成されている第1の溝により分離された複数の中間弾性部と、前記中間弾性部の上に形成されている第2の溝により分離された先端弾性部と、を有し、前記第2の溝は、前記中間弾性部の一部に入り込むように形成されており、前記先端弾性部は、1つの前記中間弾性部に対し複数設けられており、1つの前記中間弾性部に対し複数設けられた前記先端弾性部のそれぞれと前記中間弾性部の一部とによって二層構造の凸部が形成され、前記弾性支持部と前記先端弾性部は同一のウレタンフォームにより形成されており、前記中間弾性部は、前記弾性支持部及び前記先端弾性部とは異なるウレタンフォームにより形成されており、前記中間弾性部のウレタンフォームは、前記弾性支持部及び前記先端弾性部のウレタンフォームよりも硬く、加えられた力に対する変形量が少ない無膜ウレタンフォームにより形成されており、前記中間弾性部の側面には、凹状の側面凹部と凸状の側面凸部とが交互に形成されていることを特徴とする。
開示のマットレスによれば、適切な荷重分散がなされ、快適な睡眠状態や休息状態を保つことが可能となる。
ポリエステル敷ふとんの説明図(1) ポリエステル敷ふとんの説明図(2) 表面に凹凸が設けられたマットレスの説明図(1) 表面に凹凸が設けられたマットレスの説明図(2) 本実施の形態におけるマットレスの斜視図 本実施の形態におけるマットレスの上面図 本実施の形態におけるマットレスの側面図(1) 本実施の形態におけるマットレスの側面図(2) 本実施の形態におけるマットレスの要部断面図 本実施の形態におけるマットレスの要部斜視図(1) 本実施の形態におけるマットレスの要部斜視図(2) マットレスの圧力分布の説明図(1) マットレスの圧力分布の説明図(2) 表面に凹凸が設けられたマットレスの圧力分布の説明図(1) 表面に凹凸が設けられたマットレスの圧力分布の説明図(2) 本実施の形態におけるマットレスの圧力分布の説明図(1) 本実施の形態におけるマットレスの圧力分布の説明図(2)
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。また、本願においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。また、X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。
マットレスは、弾力性があり、圧縮回復性に優れているウレタンフォームにより形成されているが、人が横たわった際に快適になるように、マットレスの表面に凹凸が設けられている構造のものがある。このように、マットレスの表面に凹凸を設けることにより、人が横たわった際の身体の荷重が分散されるため、快適性が向上する。
尚、弾性を有する寝具等に人が横たわった場合には、人の身体の重い部分は、他の部分よりも深く沈み込み、その部分は大きく変形するが、このような変形に対応して、人が身体の体勢を維持することは、不自然な姿勢となり、快適性を損なう場合がある。このため、人が横たわった際の荷重分散は、睡眠や休息の際の快適性に大きく影響を与える。
図1及び図2に示されるものは、折り畳むことのできるポリエステル敷ふとん901であり、全体的に表面が略平らなものである。尚、図1は広げた状態を示し、図2は折り畳んだ状態を示す。このような表面が略平らなポリエステル敷ふとん901に対して、より快適性を向上させものとして、図3及び図4に示されるように表面に複数の凹凸を設けた構造のマットレス902がある。図4は、図3の要部を拡大した斜視図である。本実施の形態は、このような状況を踏まえてなされたものであり、発明者らの鋭意検討のもと、図3及び図4に示されるマットレス902よりも、人が横たわった際の荷重分散を向上させ、より一層の快適性を追求したものである。
(マットレス)
次に、本実施の形態におけるマットレスについて説明する。図5は、本実施の形態におけるマットレス100の斜視図であり、図6は上面図、図7はX1-X2方向に沿った側面図、図8はY1-Y2方向に沿った側面図である。図9は、本実施の形態におけるマットレス100の要部の断面図である。本実施の形態におけるマットレス100は、3層のウレタンフォームにより形成されている。具体的には、Z2側の下側よりZ1側の上側に向かって、第1のウレタンフォーム10、第2のウレタンフォーム20、第3のウレタンフォーム30が積層されている構造のものである。本実施の形態においては、第1のウレタンフォーム10及び第3のウレタンフォーム30は、同じウレタンフォームにより形成されているが、第2のウレタンフォーム20は、通気性を確保するため、無膜ウレタンフォームにより形成されており、第1のウレタンフォーム10及び第3のウレタンフォーム30よりも硬い。
第1のウレタンフォーム10はXY面に平行な面の全面に形成されており、第1のウレタンフォーム10の上となるZ1側には、第2のウレタンフォーム20により、中間弾性部50が形成されている。中間弾性部50は、第2のウレタンフォーム20をZ1側よりX1-X2方向及びY1-Y2方向に設けられた直交する第1の溝40により分離することにより形成されている。中間弾性部50は、後述する先端弾性部70を支持しており、中間弾性部50と先端弾性部70ごとに独立して動くことができ、また、荷重を分散させつつ、更に先端弾性部70からの荷重を吸収することができる。中間弾性部50は、XY面において略正方形となるように形成されており、例えば、正方形の一辺の長さLaは約10cmである。本実施の形態においては、先端弾性部70の先端部71からの第1の溝40の深さDaは約7cmであり、中間弾性部50を形成している正方形の一辺の長さLaは、第1の溝40の深さDaよりも長くなるように形成されている。第1の溝40の深さDaが深すぎると、中間弾性部50の位置が不安定となりやすく、人の身体を支えにくくなるからである。
尚、本実施の形態においては、中間弾性部50のXY面における一辺の長さLaは、7cm以上、15cm以下であることが好ましく、更には、8cm以上、12cm以下であることがより好ましい。想定されるマットレスの寸法と使用者の体型から、上記範囲であれば心地よさを感じることができるからである。
また、第1の溝40は、第2のウレタンフォーム20を分離し、更には、第1のウレタンフォーム10の一部にも入り込むように形成されていてもよい。本実施の形態においては、第1のウレタンフォーム10により形成されている部分を弾性支持部と記載する場合がある。また、本実施の形態においては、中間弾性部50を分離している第1の溝40の幅Wは、約8mmであるが、5mm以上、10mm以下が好ましく、更には、6mm以上、9mm以下が好ましい。第1の溝40の幅Wが狭すぎると、通気性を十分に確保することができず、また、広すぎると、中間弾性部50の位置が不安定となり、快適性を損なう場合がある。
第2のウレタンフォーム20により形成された中間弾性部50の上、即ち、Z1側には、第3のウレタンフォーム30により、第2の溝60により分離された先端弾性部70が形成されている。先端弾性部70は、第3のウレタンフォーム30をZ1側よりX1-X2方向及びY1-Y2方向に設けられた第2の溝60により分離することにより形成されている。先端弾性部70は、底面となる中間弾性部50と接する面が略正方形となるように形成されている。本実施の形態においては、1つの中間弾性部50の上に、4つの先端弾性部70が形成されており、先端弾性部70の底面の正方形の一辺は約5cmである。尚、図10及び図11は、本実施の形態におけるマットレスの要部の斜視図であり、図10は、1つの中間弾性部50に対応する部分の斜視図であり、図11は、4つの中間弾性部50に対応する部分の斜視図である。
本実施の形態においては、先端弾性部70の底面は正方形で形成されており、先端部71は尖っている。先端弾性部70は、中間弾性部50と接する底面の辺より先端部71に向かう面72はZ1側に凸となる曲線により形成されており、上に横たわる人に刺激を与えることなく、また、加わった力に応じて変形量が徐々に小さくなるように形成されている。尚、先端部71は尖った形状で形成されているが、先端弾性部70を形成している第3のウレタンフォーム30は比較的軟らかく変形しやすいため、複数の先端部71の上に横たわった人に不快感を与えることはない。尚、第2の溝60は、第3のウレタンフォーム30を分離するものであり、図に示されるように、第2のウレタンフォーム20の一部にも入り込むように形成されていてもよい。先端弾性部70の特徴としては、使用する者の体型に併せて荷重を分散させるため形状を有している。
中間弾性部50は、第1の溝40により分離されたYZ面及びZX面の側面は波状に形成されており、凹状の側面凹部51と、凸状の側面凸部52が交互に形成されている。例えば、本実施の形態においては、中間弾性部50の側面には、側面凹部51、及び、側面凸部52は、各々2つ形成されている。具体的には、中間弾性部50の側面には、Z1側よりZ2側に向かって、即ち、第1のウレタンフォーム10の側から第3のウレタンフォーム30の側に向かって、側面凸部52、側面凹部51、側面凸部52、側面凹部51の順に形成されている。
側面が側面凹部51となる領域では、側面凸部52となる領域よりも、XY面に平行な断面における断面積が狭いため、Z1側より力が加わった場合には、側面凹部51に対応する領域は、側面凸部52に対応する領域よりも変形しやすい。このように、中間弾性部50において、Z1側より力が加わった場合に、変形しやすい領域と、変形しにくい領域とを交互に形成することにより、荷重が加わった際の変位量を調整することができ、荷重分散が効果的になされる。
尚、本実施の形態においては、各々の先端弾性部70は分離されているため、各々の先端弾性部70ごとに、加重が加わった場合に変形する形状等が異なる。即ち、隣り合う先端弾性部70において、一方が他方よりも強い力が加わった場合には、一方が他方よりも大きく変形し、Z2方向である下側に沈む。
このような一方の先端弾性部70及び他方の先端弾性部70が、同じ中間弾性部50の上に形成されている場合、先端弾性部70では、一方が他方よりも大きく変形し、Z2方向である下側に沈むが、更に下に沈み過ぎることを防ぐため、第3のウレタンフォーム30よりも硬い第2のウレタンフォーム20により中間弾性部50が形成されている。中間弾性部50は先端弾性部70よりも加えられた力に対する変形量が少なく、また、一方の先端弾性部70が下に沈んだ場合には、中間弾性部50を介し、他方の先端弾性部70も部分的に下に沈み、一方の先端弾性部70のみが沈みすぎることを防いでいる。
また、本実施の形態においては、図に示されるように、第2の溝60は、第1のウレタンフォーム10において、第2のウレタンフォーム20と接している側の一部にまで入り込んでおり、第1のウレタンフォーム10において第2の溝60が形成されている部分の側面には側面凸部53が形成されていてもよい。
また、中間弾性部50及び先端弾性部70のXY面の形状は略正方形であることが好ましい。よって、1つの中間弾性部50の上に形成される先端弾性部70の数は、pを2以上の整数とした場合に、pとなるように形成されている。尚、先端弾性部70は、ある程度の大きさが必要であるため、より好ましくは、1つの中間弾性部50の上に形成される先端弾性部70の数は、4、9、16個、更には、4、9個、更には、4個であることが好ましい。また、本実施の形態においては、中間弾性部50及び先端弾性部70のXY面の形状を略正方形にすることにより、荷重分散を2次元的に均一にすることができる。
(荷重分散の実験)
次に、本実施の形態におけるマットレス100において行った荷重分散の実験について、図1及び図2に示されるポリエステル敷ふとん901、図3及び図4に示される表面に凹凸が設けられたマットレスと比較しながら説明する。具体的には、床の上に、ふとんまたはマットレスを敷き、その上に、シート型センサを敷き、そのシート型センサの上に、人が仰向けに横たわった状態における圧力分布の測定を行った。圧力分布の測定は、人が仰向けに横たわって1分経過後に測定を行い。誤差を考慮し、同じ測定を3回行った。
この結果を表1及び図12~図17に示す。表1では、シート型センサにおいて検出された圧力の最大値と、圧力が測定された部分における圧力の平均値を示す。
Figure 0007018378000001
図1及び図2に示されるポリエステル敷ふとん901の実験結果を図12及び図13に示す。図12は、XY面に平行な面における圧力分布の様子を示し、図13は、圧力分布を3次元化したものを示す。図1及び図2に示されるポリエステル敷ふとん901では、圧力分布の最大値の平均は、135.95g/cmであり、圧力が検出された部分の平均は7.09g/cmであった。
次に、図3及び図4に示されるマットレス902を用いた場合の実験結果を図14及び図15に示す。図14は、XY面に平行な面における圧力分布の様子を示し、図15は、圧力分布を3次元化したものを示す。図3及び図4に示されるマットレス902では、圧力分布の最大値の平均は、96.35g/cmであり、圧力が検出された部分の平均は6.69g/cmであった。従って、図3及び図4に示されるマットレス902では、図1及び図2に示されるポリエステル敷ふとん901よりも、圧力分布の最大値が低下し、圧力が検出された部分の平均も低くなっており、人の身体の荷重分散がなされている。
次に、図5等に示される本実施の形態におけるマットレス100を用いた場合の実験結果を図16及び図17に示す。図16は、XY面に平行な面における圧力分布の様子を示し、図17は、圧力分布を3次元化したものを示す。本実施の形態におけるマットレス100では、圧力分布の最大値の平均は、79.90g/cmであり、圧力が検出された部分の平均は6.13g/cmであった。従って、本実施の形態におけるマットレス100では、図3及び図4に示されるマットレス902よりも、更に圧力分布の最大値が低下し、また、平均値も低くなっており、人の身体の荷重分散がより一層なされている。よって、本実施の形態におけるマットレス100は、人が横たわった際により一層の快適性を得ることができる。
上記の説明においては、寝具の一種としてマットレスについて説明したが、寝具の一種である枕についても適用可能である。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
10 第1のウレタンフォーム
20 第2のウレタンフォーム
30 第3のウレタンフォーム
40 第1の溝
50 中間弾性部
51 側面凹部
52 側面凸部
53 側面凸部
60 第2の溝
70 先端弾性部
71 先端部
72 面

Claims (6)

  1. 弾性支持部と、
    前記弾性支持部の上に形成されている第1の溝により分離された複数の中間弾性部と、
    前記中間弾性部の上に形成されている第2の溝により分離された先端弾性部と、
    を有し、
    前記第2の溝は、前記中間弾性部の一部に入り込むように形成されており、
    前記先端弾性部は、1つの前記中間弾性部に対し複数設けられており、1つの前記中間弾性部に対し複数設けられた前記先端弾性部のそれぞれと前記中間弾性部の一部とによって二層構造の凸部が形成され、
    前記弾性支持部と前記先端弾性部は同一のウレタンフォームにより形成されており、
    前記中間弾性部は、前記弾性支持部及び前記先端弾性部とは異なるウレタンフォームにより形成されており、
    前記中間弾性部のウレタンフォームは、前記弾性支持部及び前記先端弾性部のウレタンフォームよりも硬く、加えられた力に対する変形量が少ない無膜ウレタンフォームにより形成されており、
    前記中間弾性部の側面には、凹状の側面凹部と凸状の側面凸部とが交互に形成されていることを特徴とするマットレス。
  2. 前記第1の溝は直交して設けられており、各々の前記中間弾性部を略正方形の形状に分離するものであって、
    前記第2の溝は直交して設けられており、各々の前記先端弾性部を略正方形の形状に分離するものであることを特徴とする請求項1に記載のマットレス。
  3. 略正方形で形成された前記中間弾性部の一辺の長さは、前記第1の溝の深さよりも長いことを特徴とする請求項1または2に記載のマットレス。
  4. 前記中間弾性部の形状は略正方形であって、
    略正方形で形成された前記中間弾性部の一辺の長さは、7cm以上、15cm以下となるように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマットレス。
  5. 1つの前記中間弾性部の上に設けられている前記先端弾性部の数は、pを2以上の整数とした場合に、pであること特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマットレス。
  6. 前記中間弾性部の側面には、複数個の前記側面凹部と、複数個の前記側面凸部とが交互に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマットレス。
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