JP7016491B2 - 嗅覚受容体を用いた評価方法 - Google Patents

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Description

本明細書は、嗅覚受容体(Olfactory Receptor、以下、単に、受容体又はORともいう。)を用いたにおい評価方法等に関する。
近年、ヒトの嗅覚によるにおいの評価に換えて、嗅覚受容体(OR)遺伝子を細胞に導入し、当該嗅覚受容体を細胞表面に発現させた評価用の細胞を用いる評価技術が開発されている。かかる評価用細胞では、被験物質は、細胞表面のORと結合して、Gタンパク質、アデニル酸シクラーゼを順次活性化し、最終的には、核内の転写因子CRE結合タンパク質(CREB)を活性化させる。活性化した転写因子は、さらに、ゲノム上のcAMP転写領域cAMP response element(CRE)に結合して、その下流遺伝子の発現を促進するようになっている。ここで、かかる下流遺伝子として、ルシフェラーゼなどの発光タンパク質をコードする遺伝子を備えさせることで、被験物質とORとの結合を、発光等のシグナルにより検出することができるようになっている。かかるアッセイを、一般に、CREレポーターアッセイと称する。
こうしたにおい評価技術としては、CREレポーターアッセイを用いて、10種類の標識要素とORを用いて63種類の物質に対する応答性を評価したことが開示されている(特許文献1、非特許文献1)。また、CREレポーターアッセイを用いて、悪臭原因物質と結合するORに特異的なアンタゴニストを探索することも開示されている(特許文献2)。
特開2012-105660号公報 特表2015-81820号公報
Harumi S et al., Science Signaling. 2009 Mar;2(60):ra9
例えば、車両などの輸送用機械において客等が乗る乗客室、あるいは荷物を保管する荷物室などの車室においては、輸送用機械の内装材に由来するにおいのみならず、被輸送体など外的要因に由来するにおいも発生する。外的要因に由来するにおいは、概して持込み臭と称される。本発明者らによれば、例えば、乗客室における持込み臭としては、ヒトに由来する人体臭、ペットに由来するペット臭のほか、飲食に伴う食べ物臭、喫煙に伴うタバコ臭、芳香剤臭のほか、乗客室に持ちこまれる種々の物品臭が挙げられる。車室内への持込み臭は、極めて多様であるとともに、車室内に濃縮され、内装材等に吸着等し、場合によっては変性を伴いつつ蓄積されて、経時的に増大し、あるいは変化していく傾向がある。したがって、時間の経過に伴い、乗客室の内臭は、内因臭よりも持込み臭の影響が大きくなる。
しかしながら、こうした持込み臭を構成するにおい物質に応答する嗅覚受容体が特定されていなかった。このため、こうしたにおい物質のにおいの「質」や閾値を、客観的に評価することが困難であった。また、これらのにおい物質の抑制剤や変調剤、さらにはにおい物質の生理的作用の増強剤等の作用剤を探索することができなかった。
本明細書は、輸送用機械の室内において生じうるにおい物質に応答する嗅覚受容体を利用した被験物質の評価方法を提供する。
本発明者らは、車両等の室内臭について種々検討した。その結果、車室内臭の原因となる可能性の高いにおい物質を特定するとともに、こうしたにおい物質に応答する嗅覚受容体(OR)を特定した。本知見に基づき以下の手段が提供される。
[1]輸送用機械の室内のにおい物質に応答性を有する嗅覚受容体の応答性の評価方法であって、
被験物質と、前記受容体と、を接触させて、前記嗅覚受容体の応答性を評価する工程と、
を備え、
前記におい物質は、p-シメン、o-メトキシフェノール、トリメチルフェノール、イソプロピルフェノール、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、メチルビニルケトン、3-エチルピリジン及び2-エチルピラジン、ヘキサン酸メチル、マルトール、ヒノキチオール、1-オクテン-3-オール、フェニルアセトアルデヒド、シクロテン、β-フェニルエチルアルコール、γ-ウンデカラクトン、メルカプト酢酸及びシトロネラールからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記嗅覚受容体は、
p-シメンに応答する嗅覚受容体として、1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも一種、
o-メトキシフェノールに応答する嗅覚受容体として、4S2及び5P3、
トリメチルフェノールに応答する嗅覚受容体として、5K1、
イソプロピルフェノールに応答する嗅覚受容体として、2L3、
6-メチル-5-ヘプテン-2-オンに応答する嗅覚受容体として、1D2、2AK2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
メチルビニルケトンに応答する嗅覚受容体として、5K1、
3-エチルピリジンに応答する嗅覚受容体として、2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
2-エチルピラジンに応答する嗅覚受容体として、2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘキサン酸メチルに応答する嗅覚受容体として、2AK2、2D3及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
マルトールに応答する嗅覚受容体として、1A1、1D2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
ヒノキチオールに応答する嗅覚受容体として、1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種、
1-オクテン-3-オールに応答する嗅覚受容体として、1A1、2AK2、2C3、2W1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
フェニルアセトアルデヒドに応答する嗅覚受容体として、51L1、
シクロテンに応答する嗅覚受容体として、8D1、
β-フェニルエチルアルコールに応答する嗅覚受容体として、11H4、
γ-ウンデカラクトンに応答する嗅覚受容体として、1D2、2J2、2W1、10A3、10A6及び51A2からなる群から選択される少なくとも1種、及び
メルカプト酢酸及びシトロネラールに応答する嗅覚受容体として、2W1
から選択される、方法。
[2]さらに、前記におい物質は、4-メチル-3-ヘキセン酸、ヘプタン酸、ペンタナール、ヘキサナール、ヘキサノン、ペンタノン、L-メントール、γ-カプロラクトン及びアセトフェノンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記におい物質に応答する嗅覚受容体は、
4-メチル-3-ヘキセン酸に応答する嗅覚受容体として、2AK2、2W1、51V1及び51L1からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘプタン酸に応答する嗅覚受容体として、51V1、
ペンタナールに応答する嗅覚受容体として、51E1及び51I2からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘキサナールに応答する嗅覚受容体として、4S2、5K1、5P3、51E1、51I2及び51V1からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘキサノンに応答する嗅覚受容体として、5P3、
ペンタノンに応答する嗅覚受容体として、10A5、
L-メントールに応答する嗅覚受容体として、2W1、
γ-カプロラクトンに応答する嗅覚受容体として、5P3、
アセトフェノンに応答する嗅覚受容体として、4S2及び5K1からなる群から選択される少なくとも1種
から選択される、[1]に記載の方法。
[3]輸送用機械の室内のにおい物質が応答する受容体に対する作用剤又はその候補の探索方法であって、
輸送用機械の室内におけるにおい物質に応答する嗅覚受容体と被験物質とを接触させて、前記嗅覚受容体の応答性を評価する工程と、
前記応答性に基づいて前記被験物質を前記作用剤又はその候補として選択する工程と、
を備え、
前記嗅覚受容体は、
1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種、
4S2及び5P3から選択される少なくとも1種、
5K1、
2L3、
1D2、2AK2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
2AK2、2D3及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
1A1、1D2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種、
1A1、2AK2、2C3、2W1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
51L1、
8D1、
11H4、
1D2、2J2、10A3及び10A6からなる群から選択される少なくとも1種、及び
2W1
からなる群から選択される少なくとも1種である、方法。
[4]さらに、前記被験物質を、以下の嗅覚受容体;
2AK2、2W1、51V1及び51L1からなる群から選択される少なくとも1種、
51V1、
51E1及び51I2からなる群から選択される少なくとも1種、
4S2、5K1、5P3、51E1、51I2及び51V1からなる群から選択される少なくとも1種、
5P3、
10A5、
4S2及び5K1からなる群から選択される少なくとも1種
からなる群から選択される少なくとも1種である、[3]に記載の方法。
[5]輸送用機械の室内のにおいを評価するためのキットであって、
p-シメンに応答する嗅覚受容体として、1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種、
o-メトキシフェノールに応答する嗅覚受容体として、4S2及び5P3から選択される少なくとも1種、
トリメチルフェノールに応答する嗅覚受容体として、5K1、
イソプロピルフェノールに応答する嗅覚受容体として、2L3、
6-メチル-5-ヘプテン-2-オンに応答する嗅覚受容体として、1D2、2AK2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
メチルビニルケトンに応答する嗅覚受容体として、5K1、
3-エチルピリジンに応答する嗅覚受容体として、2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
2-エチルピラジンに応答する嗅覚受容体として、2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘキサン酸メチルに応答する嗅覚受容体として、2AK2、2D3及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
マルトールに応答する嗅覚受容体として、1A1、1D2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
ヒノキチオールに応答する嗅覚受容体として、1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種、
1-オクテン-3-オールに応答する嗅覚受容体として、1A1、2AK2、2C3、2W1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
フェニルアセトアルデヒドに応答する嗅覚受容体として、51L1、
シクロテンに応答する嗅覚受容体として、8D1、
β-フェニルエチルアルコールに応答する嗅覚受容体として、11H4、
γ-ウンデカラクトンに応答する嗅覚受容体として、1D2、2J2、2W1、10A3、51A2及び10A6からなる群から選択される少なくとも1種、及び
メルカプト酢酸及びシトロネラールに応答する嗅覚受容体として、2W1
からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を、備える、キット。
[6]前記少なくとも1種の嗅覚受容体をそれぞれ細胞表面に備える動物細胞を備える、[5]に記載のキット。
[7]前記少なくとも1種の嗅覚受容体を、それぞれ固相体上の所定位置に備える、[5]又は[6]に記載のキット。
p-シメン及びo-メトキシフェノールに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 2,3,6-トリメチルフェノール、o-イソプロピルフェノール及び6-メチル5-へプテン-2-オンに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 メチルビニルケトン、3-エチルピリジン、2-エチルピラジンに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 ヘキサン酸メチル、マルトール、ヒノキチオールに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 1-オクテン-3-オール、フェニルアセトアルデヒド、シクロテンに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 β-フェニルエチルアルコール、γ-ウンデカラクトン、シトロネラールに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 ヘプタン酸、ペンタナールに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 ヘキサナール、ヘキサノン、ペンタノンに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 L-メントール、γ-カプロラクトン、アセトフェノンに応答する受容体を示す図(a)~(c)である。 p-シメン、2,3,6-トリメチルフェノール、o-イソプロピルフェノールにそれぞれ応答する受容体の濃度依存性応答性評価結果を示す図(a)~(c)である。 6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、メチルビニルケトン、3-エチルピリジンにそれぞれ応答する受容体の濃度依存性応答性評価結果を示す図(a)~(c)である。 2-エチルピラジン、ヘキサン酸メチル、ヒノキチオールにそれぞれ応答する受容体の濃度依存性応答性評価結果を示す図(a)~(c)である。 フェニルアセトアルデヒド、γ-ウンデカラクトン及び4-メチル-3-ヘキサン酸にそれぞれ応答する受容体の濃度依存性応答性評価結果を示す図(a)~(c)である。 ヘプタン酸、ペンタナール及び1-オクテン-3-オールに応答する受容体の濃度依存性応答性評価結果を示す図(a)~(c)である。 シクロテン、γ-カプロラクトン及びアセトフェノンに応答する受容体の濃度依存性応答性評価結果を示す図(a)~(c)である。 フェニルエチルアルコールに応答する受容体の濃度依存性応答性評価結果を示す図である。
本明細書の開示は、輸送用機械の室内のにおい物質の嗅覚受容体を用いた評価方法等に関する。本明細書に開示される評価方法(以下、本評価方法ともいう。)によれば、被験物質の有する、輸送用機械の室内のにおい物質の受容体応答性を評価できる。また、におい物質の受容体応答性を増強させたり、抑制したりする作用剤の探索も可能となる。さらに、におい物質と同様の嗅覚受容体応答を引き起こす類似体ひいては同様のにおい質を呈する作用剤も探索できるようになる。また、所定の生理作用を有するにおい物質と、同様の受容体応答性を示す作用剤も探索できるようになる。
また、本評価方法によれば、輸送用機械の室内におけるにおい物質若しくはその組成、ひいてはにおい質をコントロールすることが可能となる。
「輸送用機械」とは、ヒト、動物のほか、物を乗せて移動又は輸送するための機器である。具体的には、自動車、航空機、鉄道車両、産業車両等が挙げられる。
「輸送用機械の室」とは、ヒト、動物のほか、物など、輸送用機械で移動又は輸送される対象が収容される区画された、概して外部から区画された部屋をいう。
「におい物質」とは、ヒトに供給したとき、なんらかのにおいを感知させる物質をいう。概して、常温又は体温付近の温度で少なくとも一部が気体となる物質である。
「におい質」とは、においの性質を意味することができる。「におい質」は、例えば、ヒトがにおいを嗅ぐことにより連想される、体感的、感覚的又は物質的な表現で表される性質ということができる。
「嗅覚受容体」又は「受容体」は、嗅細胞(嗅覚受容神経)にあるGタンパク質結合受容体の1種であればよく、由来動物種を特に限定しない。本評価方法の目的に応じて、由来動物種や受容体の種類を選択することができ、必要に応じて1又は2以上の受容体を用いることができる。ヒトにおいて知覚されうるにおい物質の応答評価のためには、ヒト由来の受容体を用いることが好ましい。
例えば、ヒト嗅覚受容体のアミノ酸配列及びそれをコードするDNAの塩基配列は公知である。代表的なポリヌクレオチド(cDNA)を含む塩基配列は公知のデータベースGenBank(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/)等から容易に取得できる。
以下、本開示の評価方法等についての実施形態を詳細に説明する。
(輸送用機械の室内のにおい物質に応答性を有する嗅覚受容体の応答性の評価方法)
本評価方法は、被験物質と、前記受容体と、を接触させて、前記嗅覚受容体の応答性を評価する工程と、を備えることができる。
(におい物質)
本評価方法は、輸送用機械の室内において蓄積等して主要な持込み臭となりうる以下のにおい物質を対象とすることができる。すなわち、p-シメン、o-メトキシフェノール、トリメチルフェノール、イソプロピルフェノール、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、メチルビニルケトン、3-エチルピリジン及び2-エチルピラジン、ヘキサン酸メチル、マルトール、ヒノキチオール、1-オクテン-3-オール、フェニルアセトアルデヒド、シクロテン、β-フェニルエチルアルコール、γ-ウンデカラクトン、メルカプト酢酸及びシトロネラールが挙げられる。
さらに、以下のにおい物質を対象としてもよい。すなわち、4-メチル-3-ヘキセン酸、ヘプタン酸、ペンタナール、ヘキサナール、ヘキサノン、ペンタノン、L-メントール、γ-カプロラクトン及びアセトフェノンが挙げられる。
本評価方法では、被験物質について、上記のこれらから選択される少なくとも1種のにおい物質に応答する受容体の応答性を評価することができる。これらのにおい物質のなかで、発生源の共通性、におい質の共通性(悪臭、芳香臭など)、生理作用の共有性等の選択基準に基づいて、適宜2種以上のにおい物質を評価対象としてもよい。また異なる選択基準に基づいて複数のにおい物質を評価対象としてもよい。上記したこれらのにおい物質は、例えば、以下のように分類することもできる。
(タバコに関連するにおい物質)
p-シメン、o-メトキシフェノール、トリメチルフェノール、イソプロピルフェノール、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、メチルビニルケトン、3-エチルピリジン及び2-エチルピラジンは、タバコ臭に関連している、とされている。
(食品又は香料に関連するにおい物質)
また、マルトール、ヒノキチオール、1-オクテン-3-オール、フェニルアセトアルデヒド、シクロテン、フェニルエチルアルコール、ウンデカラクトン、シトロネラール、メントール、カプロラクトン及びアセトフェノンは、食品や香料に関連している、とされている。
ヘキサン酸メチル、ヘキサノン、ペンタノンも、食品又は香料に含まれうるにおい物質である。
(ヒトや衣類等に関連するにおい物質)
4-メチル-3-ヘキセン酸、ヘプタン酸、ペンタナール、ヘキサナールは、体臭に関連している、とされている。
(嗅覚受容体)
特定のにおい物質のにおい質を評価するには、特定のにおい物質に応答する受容体を用いることができる。各におい物質に対する受容体は、本発明者らによって初めて特定されたものである。1つのにおい物質に対する複数の受容体が応答する場合、当該複数の受容体のうち少なくとも1種を用いればよいが、好ましくは、2種以上であり、必要に応じてさらに、受容体を多く用いる。好ましくは、応答するとされている受容体を全て用いるか、又は、特徴的な受容体を用いる。なお、本明細書において嗅覚受容体を特定するとき、「OR」という表記は省略している。
p-シメンに応答する受容体:1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも一種、
o-メトキシフェノールに応答する受容体:4S2及び5P3から選択される少なくとも1種、
トリメチルフェノールに応答する受容体:5K1、
イソプロピルフェノールに応答する受容体:2L3、
6-メチル-5-ヘプテン-2-オンに応答する受容体:1D2、2AK2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
メチルビニルケトンに応答する受容体:5K1、
3-エチルピリジンに応答する受容体、2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
2-エチルピラジンに応答する受容体:2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘキサン酸メチルに応答する受容体:2AK2、2D3及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
マルトールに応答する受容体:1A1、1D2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種、
ヒノキチオールに応答する受容体:1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種、
1-オクテン-3-オールに応答する受容体:1A1、2AK2、2C3、2W1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種、
フェニルアセトアルデヒドに応答する受容体:51L1、
シクロテンに応答する受容体:8D1、
β-フェニルエチルアルコールに応答する受容体:11H4、
γ-ウンデカラクトンに応答する受容体:1D2、2J2、2W1、10A3、51A2及び10A6からなる群から選択される少なくとも1種、及び
メルカプト酢酸及びシトロネラールに応答する受容体:2W1
4-メチル-3-ヘキセン酸に応答する嗅覚受容体:2AK2、2W1、51V1及び51L1からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘプタン酸に応答する受容体:51V1、
ペンタナールに応答する受容体:51E1及び51I2からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘキサナールに応答する受容体:4S2、5K1、5P3、51E1、51I2及び51V1からなる群から選択される少なくとも1種、
ヘキサノンに応答する受容体:5P3、
ペンタノンに応答する受容体: 10A5、
L-メントールに応答する受容体:2W1、
γ-カプロラクトンに応答する受容体:5P3、
アセトフェノンに応答する受容体:4S2及び5K1からなる群から選択される少なくとも1種
なお、受容体は、嗅神経細胞上に存在している受容体自体のほか、当該受容体と同一のポリペプチド又は当該受容体と機能的に同等なポリペプチドを、遺伝子工学的等に生産したものをいう。受容体と同等の機能を有するポリペプチドとは、受容体と同様に、細胞膜上に発現させることで、意図したにおい物質と結合して活性化するポリペプチドということができる。本明細書において、受容体は、ヒトの受容体であることが好ましい。
上記した各種のヒト受容体のアミノ酸配列は既に公知であり、それぞれ以下の配列番号で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸からなるタンパク質である。上記した各受容体は、いずれもヒト嗅細胞で発現している受容体であり、代表的なポリヌクレオチド(cDNA)を含む塩基配列は公知のデータベースから容易に取得できる。
Figure 0007016491000001
本発明者らによって、これらの受容体は、それぞれ、輸送用機械の室内で持ちこまれる持込み臭のにおい物質に応答する受容体として初めて見出されたものである。
こうした、受容体は、上記各アミノ酸配列からなるポリペプチドのほか、当該アミノ酸配列と80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、なお好ましくは98%以上、一層好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、それぞれ各におい物質に対して応答性を有するものであれば用いることができる。
こうしたポリペプチドは、公知の方法を利用して得た受容体の変異体を用いて、既に確認されている応答性のある1又は2以上の上記におい物質に対する応答性のパターンを取得することで、本評価方法に用いることができるか否かを評価することができる。
受容体は、本開示において必要な受容体機能を失わない限り、どのような形態で使用されてもよい。例えば、受容体は、生体から単離された嗅覚受容器若しくは嗅細胞等の天然に受容体を発現する組織や細胞、又はそれらの培養物のほか、当該嗅覚受受容体を発現するように遺伝的に操作された組換え細胞又はその培養物の形態で、又はORを有する人工脂質二重膜等の形態で使用され得る。これらの形態は全て、本発明で使用される受容体に含まれる。受容体は、受容体毎に細胞に発現させるようにすることが好ましい。こうした各種形態の受容体は当業者であれば公知技術に基づいて適宜準備することができる。
受容体として、好ましくは、嗅細胞等の天然に受容体を発現する細胞、又は受容体を発現するように遺伝的に操作された組換え細胞、あるいはそれらの培養物が使用される。当該組換え細胞は、受容体をコードする遺伝子を組み込んだベクターを用いて細胞を形質転換することで作製することができる。なお、上記したように、遺伝的改変により受容体をコードする遺伝子が導入される細胞は、被験物質と接触される動物培養細胞と、綱、目、科、属及び種のいずれかの同じドメインに属することが好ましい。種、属、科、目及び綱の順序で、同一ドメインに属していることが好ましい。
なお、受容体を発現させる細胞には、受容体輸送タンパク質1S(RTP1s)をコードする遺伝子を共に導入することが好ましい。RTP1sは、受容体の細胞膜発現を補助する機能を有している。上記組換え細胞の作製に使用できるRTP1sとしては、例えば、ヒトRTP1sが挙げられる。なお、RTP1s遺伝子の代わりにRTP1s変異体遺伝子を用いてもよい。
(被験物質)
被験物質は、特に限定しない。天然に存在する物質のほか、化学的又は生物学的に合成された物質ほか、単一物質であっても、組成物であってもよい。また、被験物質は、例えば、個別のあるいはコントロールされた輸送用機械の室内ガスであってもよいし、こうしつた室内ガスに特定のにおい物質や各種作用剤候補物質を含めてもよい。
被験物質は、評価対象であるにおい物質であってもよいし、当該におい物質と同様の作用を期待する類似体候補、対応する受容体の応答性を低下させる抑制作用を期待する抑制剤又はその候補、受容体の応答性を増強させる増強剤又はその候補等が挙げられる。被験物質は、2以上が組み合わされて、受容体に供給されてもよい。例えば、におい物質と抑制剤候補、におい物質と増強剤候補、複数のにおい物質の候補等の組合せが挙げられる。
こうした被験物質の受容体応答性を評価するには、被験物質と受容体とを接触させる工程を実施する。被験物質は、一定濃度で、あるいは異なる濃度、など、あるいは2以上を組み合わせた状態で用いられる。概して、被験物質又はその組合せが、受容体と接触するように、受容体に供給される。
におい物質と受容体との接触工程は、におい物質の存在下で受容体を保持する細胞を培養して実施することができる。培養条件は、受容体発現細胞の培養条件を適宜選択することができる。例えば、既に説明したように、培地は、適当な抗生物質を含有する無血清培地を用いることができる。なお、培養時間は、受容体による応答評価が可能な程度な時間行う必要がある。例えば、1時間以上数時間以下程度とすることができる。
受容体を用いた評価は、従来と同様の手法で実施できる。例えば、におい物質の応答を、受容体を介したCRE結合タンパク質の活性化を利用して評価する形態等を利用できる。当該形態のためのプロトコールは特に限定されない。例えば、活性化したCRE結合タンパク質がCREに結合して下流の遺伝子の発現を促進することを利用して、当該下流の遺伝子として、レポーター遺伝子を導入し、当該レポーター遺伝子の発現レベルを測定してもよい。レポーター遺伝子としては、公知の発光タンパク質をコードする遺伝子など、当業者であれば適宜選択できる。またレポーター遺伝子の発現レベルは、用いるレポーター遺伝子の種類に応じて適宜決定される。
受容体を介したCRE結合タンパク質の活性化経路は、既出の通り当業者において周知である。受容体と各種のにおい分子とを接触させこれらを結合させることで、細胞内において、Gタンパク質、アデニル酸シクラーゼ(AC)が順次活性化されて、cAMPが上昇する。これに伴いプロテインキナーゼA(PKA)がリン酸化されて下流のシグナル伝達系を活性化する。その一方でPKAが核内に移行して、転写因子CRE結合タンパク質(CREB)を活性化するものである。
なお、上昇したcAMP量を測定する方法としては、ELISA法を用いることもできる。さらに、例えば、受容体の応答は、受容体の応答を測定する方法として当該分野で知られている任意の方法、例えば、カルシウムイメージング法等によって行ってもよい。
こうして取得した、被験物質に対する受容体の応答性に基づいて、被験物質が有する当該受容体に対する作用、すなわち、当該受容体に応答するか否か、その程度、その応答閾値、濃度依存性、複数の受容体に対する応答パターンが同定される。
また、被験物質が、におい物質の受容体に対する応答性を増強するか抑制するかを同定することができる。さらに、被験物質が、におい物質の受容体に対する応答性と同等の応答性を示すかどうかを同定できる。
評価の態様に応じて、対照となる物質又はその組合せについても、同様の受容体を用いて、同様の条件で応答性を評価して対照評価を取得して、被験物質についての応答性と比較して、評価することもできる。また、対照としては、受容体を発現しない動物培養細胞等に対する被験物質や対照物質の応答性も評価して対照評価とすることもできる。
以上のことから、本評価方法は、被験物質が有する、機械の室内のにおい物質に応答する受容体に対する作用性を評価する方法としても実施できる。例えば、一態様として、被験物質としてタバコ臭の1つであるp-シメンと、その抑制剤候補の物質とを、p-シメンに応答性を示す受容体群に接触させたときの応答性と、p-シメンのみを用いる以外は同様の条件での応答性と、を評価することで、被験物質である抑制剤候補物質が、p-シメンによる受容体応答性を抑制するか否かを評価できる。より具体的には、抑制剤候補物質が併存するときにおいて、p-シメンの受容体応答性が低下しているときには、当該物質は、p-シメンの受容体応答性の抑制剤候補と選択することができる。このような態様に準じて、p-シメンの受容体応答性を増強する増強剤候補も選択することができる。
また、例えば、他の一態様として、被験物質として、芳香臭を呈するヘキサン酸メチルと同様の受容体応答性を示す候補物質を、ヘキサン酸メチルに応答性を示す受容体群に接触させたときの応答性と、ヘキサン酸メチルを用いる以外は同様の条件での応答性と、を評価することで、候補物質が、ヘキサン酸メチルと同様の受容体応答性を示すか否かを評価できる。
こうして、輸送用機械の室内の持込み臭として可能性あるにおい物質に応答する受容体を用いることにより、持込み臭の抑制、増強、制御などのための、物質又はその組合せを選択することができるようになる。
上記したことから、本評価方法は、輸送用機械の室内のにおい物質が応答する受容体に対する作用剤、すなわち、抑制剤、増強剤、変調剤、同様の応答性を示す類似体の探索方法としても実施できる。
また、本評価方法は、輸送用機械の室内ガスと、持込み臭などのにおい物質の作用剤又はその候補と、を被験物質として、所望のにおい物質に応答する受容体を用いて、受容体応答性を評価することで、作用剤又はその候補の受容体応答性を評価して、特定の室内ガスに応じた適切な作用剤又はその候補を選択することができるようになる。
(輸送用機械の室内のにおい物質が応答する受容体に対する作用剤又はその候補の探索方法)
本明細書に開示される探索方法は、輸送用機械の室内におけるにおい物質に応答する受容体と被験物質とを接触させて、前記受容体の応答性を評価する工程と、前記応答性に基づいて前記被験物質を前記作用剤又はその候補として選択する工程と、を備えることができる。本探索方法によれば、輸送用機械の室内のにおい質、ひいては生理作用をコントロールすることができる作用剤を探索することができる。例えば、鎮静作用があるヒノキチオール、心身バランス作用があるとされるシトロネラール、注意力向上作用があるとされるl-メントールと、同様の受容体応答を示す作用剤、これらによる受容体応答性を増強する作用剤は、室内のにおい質を改善ないし向上し、ひいては、こうしたにおい物質による生理作用を発揮させることもできる。
なお、「作用剤」とは、あるにおい物質に対して応答する嗅覚受容体に対し、そのにおい物質による受容体応答性を増強し、抑制し、変化(変調)させ又は同等の応答性を発現するなどの作用を奏する作用剤をいう。なお、ここで受容体の応答性を増強又は抑制するとは、におい物質と協調してその応答強度を概して高め又は低下させることをいう。また、受容体の応答性を変化(変調)させるとは、におい物質と協調した受容体応答強度の増大や低下以下の態様を含み、例えば、受容体応答性の濃度依存性や閾値を変化させたり、異なる受容体に対する反応性を獲得したり、応答しうる複数の受容体において特定の受容体においてのみ異なる反応性を呈するようになるなどの各種態様が挙げられる。また、同様の応答性を発現するとは、そのにおい物質が有する受容体応答性、すなわち、同じ受容体に結合すること、複数の受容体が類似のパターンで応答すること、同程度の応答強度を示すこと、同様の濃度依存性や応答閾値を有することなどが挙げられる。
本探索方法における、受容体、被験物質のほか、応答性の評価工程は、既に説明した本評価方法と同様の各種態様で実施することができる。また、選択工程も、取得した応答性の評価結果に基づいて、既に説明した態様等で適宜行うことができる。作用剤の評価にあたって、対象とするにおい物質が複数の受容体で応答される場合には、かかる複数の受容体を、用いることが好ましく、より好ましくは応答性を有する全ての受容体を用いる。
本探索方法は、また、輸送用機械の室内ガスと、タバコ臭や人体臭などの持込み臭の抑制剤などの作用剤候補化合物と、を被験物質として、こうした持込み臭に対応する受容体を用いて、受容体応答性を評価することで、抑制剤候補の受容体応答性への作用を同定し、特定の室内ガスに応じた作用剤候補を選択することができるようになる。この場合においては、室内ガスのみ被験物質として同様の受容体応答性評価を行って比較することが好ましい。
(輸送用機械の室内ガスのにおい質の評価方法)
本明細書に開示される、輸送用機械の室内ガスのにおい質の評価方法は、さらに、本評価方法は、輸送用機械の室内のガスを被験物質として、各種のにおい物質に応答する1又は2以上の受容体を用いて、室内ガスのにおい質の評価が可能となる。例えば、被験ガスのヒトの嗅覚によるにおい評価結果と対比することで、これら受容体による評価結果を、ヒトによる嗅覚評価結果に関連付けすることができる。
(輸送用機械の室内のにおいを評価するためのキット)
本明細書の開示によれば、輸送用機械の室内のにおいを評価するためのキットも提供される。本開示のキットは、輸送用機械の室内のにおい物質に応答する受容体に関し、当該受容体(タンパク質)を備えるキット、当該受容体を細胞表面に発現させるための形質転換ベクターのキット、当該受容体を細胞表面に発現している細胞を含むキット、当該受容体を細胞表面に発現している細胞が収容ないし固定化された固相体を備えるキットが挙げられる。具体的には、以下の態様を採ることができる。
本キットにおいて、におい物質は、既に説明した輸送用機械の室内への持込み臭となりうる各種におい物質から選択される少なくとも1種とすることができる。また、受容体は、各におい物質に応答する1又は2以上の受容体から選択される少なくとも1種とすることができる。例えば、本キットは、p-シメンに応答する受容体、o-メトキシフェノールに応答する受容体として、トリメチルフェノールに応答する受容体、イソプロピルフェノールに応答する嗅覚受容体、6-メチル-5-ヘプテン-2-オンに応答する受容体、メチルビニルケトンに応答する受容体、3-エチルピリジンに応答する受容体、2-エチルピラジンに応答する受容体、ヘキサン酸メチルに応答する受容体、マルトールに応答する受容体、ヒノキチオールに応答する受容体、1-オクテン-3-オールに応答する受容体、フェニルアセトアルデヒドに応答する受容体、シクロテンに応答する受容体、β-フェニルエチルアルコールに応答する受容体、γ-ウンデカラクトンに応答する受容体、メルカプト酢酸に応答する受容体及びシトロネラールに応答する受容体からなる群から選択される少なくとも1種とすることができる。さらに、これらの受容体に加えて、4-メチル-3-ヘキセン酸に応答する受容体、ヘプタン酸に応答する受容体、ペンタナールに応答する受容体、ヘキサナールに応答する受容体、ヘキサノンに応答する受容体、ペンタノンに応答する受容体、L-メントールに応答する受容体、γ-カプロラクトンに応答する受容体及びアセトフェノンに応答する受容体から選択される少なくとも1種の受容体とすることができる。本キットにおいては、好ましくは、複数の受容体を備え、より好ましくは、複数のにおい物質に対応する受容体を備えることができる。におい物質は、既述の選択基準に基づいて選択することができる。各におい物質に応答する受容体が複数ある場合には、当該におい物質に対して特徴的な受容体ほか、より多くの受容体を含むことが好ましい。一層好ましくは、全ての輸送用機械の室内の可能性ある持込み臭を対象におい物質とする。
本キットが備える受容体の形態は特に限定しないで、既述の各種態様とすることができる。例えば、個々の受容体をそれぞれ細胞表面に備える動物細胞とすることができる。また、受容体を細胞表面に発現している細胞を収容する固相体としては、典型的には、複数個、例えば、48個、96個のウェルを備えるプレートが挙げられる。また、こうした細胞を固定化したアレイとしては、マトリックス状に細胞固定化領域を備えるアレイ等が挙げられる。こうした固相体は、公知の細胞固定化技術を適宜適用することで作製することができる。
こうしたキットにおいては、各におい物質に対応する受容体の一部又は全てをそれぞれ発現した細胞を、応答するにおい物質に関連付けられた所定の位置に固定化ないし収容したプレート等を固相体として備えることが好ましい。こうした固相体を用いることで、被験物質が有する、輸送用機械の室内への持込み臭に応答する受容体応答性を、網羅的に評価することができる。
なお、本キットが備えることができる発現ベクターは、当業者であれば、用いようとする受容体をコードするDNAの塩基配列に基づいて適宜構築することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(全ヒト嗅覚受容体の車室内で感じる可能性があるにおい物質に対する応答評価)
ヒト嗅覚受容体は登録されている配列情報を基に、PCR法によりクローニングした。PCR法により増幅した各遺伝子をFlexi Vector(Promega)に常法に従って組み込み、 SgfIとPmeIサイトを利用して、pF5K CMV-neo Flexi Vectorを作製した。
HEK293細胞を10% ウシ胎児血清(FBS)-ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDME培地にて培養後、表1に示す組成の反応液を調整し、クリーンベンチ内で30分放置した後、384ウェル(ポリーL-リジンコート・ホワイトプレート)の各ウェルに添加した。次いで、HEK293細胞を3.0×10/cmの割合で各ウェルに播種し、COインキュベータ内で24時間培養した。
Figure 0007016491000002
CRE応答の測定には、細胞内cAMP量の増加をホタルルシフェラーゼ遺伝子由来の発光値としてモニターするルシフェラーゼレポータージーンアッセイを用いた。また、CMVプロモーター下流にウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子を融合させたものを同時に遺伝子導入し、遺伝子導入効率や細胞数の誤差を補正する内部標準として用いた。
24時間培養後、培地を取り除き、無血清培地で調整した対象におい物質(各1mM)を添加し、4時間COインキュベータ内に放置した。ルシフェラーゼ活性はDual-Glo Luciferase assay system(Promega社)の添付プロトコルに準じて測定した。におい物質刺激により誘導されたホタルルシフェラーゼ由来の発光値をコントロール群(におい非処理群)の発光値で割った値をFold induction of luciferaseとして、応答強度の指標とした。各におい物質に対する応答性評価結果を、図1~図9に示す。
図1~図9に示すように、各におい物質に対して特異的に応答する1又は2以上の嗅覚受容体(各図中に図示する。)をそれぞれ新たに特定できた。
(におい物質の濃度依存的な応答性評価)
実施例1と同様の手順で各受容体(OR)である1A1、2W1、8H1、5K1、2L3、1D2、2AK2、5K1、4S2、5P3、51L1、2J2、10A3、10A6、51V1、51I2、51A2をRTP1sとともにそれぞれ発現させた細胞を作製し、各におい物質(p-シメン、2,3,6-トリメチルフェノール、o-イソプロピルフェノール、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、メチルビニルケトン、3-エチルピリジン、ヘキサン酸メチル、ヒノキチオール、フェニルアセトアルデヒド、γ-ウンデカラクトン、ヘプタン酸、ペンタナール)、1-オクテン-3-オール、シクロテン、γ-カプロラクトン、アセトフェノン、4-メチル-3-ヘキセン酸及びフェニルエチルアルコールの各濃度(10、30、100、300、1000μM)に対する応答性を調べた。なお、mockはOR非発現細胞である。結果を、図10~図15に示す。
図10~図15に示すように、これらの受容体の応答性は、それぞれ応答するにおい物質の濃度に依存して増大することが確認された。また、受容体は、概して30μM~100μMの濃度範囲で対応するにおい物質に応答した。これらの結果から、発明者らが見出し、特定のにおい物質に応答する受容体は、それぞれ、におい物質に対して濃度依存的に応答し、におい物質に関して定性的のほか定量的な評価も可能であることがわかった。

Claims (7)

  1. 輸送用機械の室内のにおい質の評価方法であって、
    前記輸送用機械の室内のガスと、前記におい質が由来する1種又は2種以上のにおい物質に応答する1種又は2種以上の嗅覚受容体とを接触させて、前記嗅覚受容体の応答性を取得する応答性取得工程と、
    前記応答性に基づいて前記室内のにおい質を評価する評価工程と、
    を備え、
    前記応答性取得工程及び評価工程として、以下の(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(C3)及び(C4)の組み合わせ: (A1)前記におい質はヒト又は衣類に関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として51V1の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記51V1の応答性に基づいて4-メチル-ヘキセン酸及び/又はヘプタン酸及び/又はヘキサナールに由来するにおい質を定性的に評価し、前記51V1は、配列番号10で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、4-メチル-ヘキセン酸、ヘプタン酸及びヘキサナールに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、
    (A2)前記におい質はヒト又は衣類に関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として51I2の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記51I2の応答性に基づいてペンタナール及び/又はヘキサナールに由来するにおい質を定性的に評価する工程であり、前記51I2は、配列番号19で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、ペンタナール及びヘキサナールに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、
    (B1)前記におい質はタバコに関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として2L3の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記2L3の応答性に基づいてo-イソプロピルフェノールに由来するにおい質を定性的に評価する工程であり、前記2L3は、配列番号6で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、o-イソプロピルフェノールに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、
    (B2)前記におい質はタバコに関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として4S2の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記4S2の応答性に基づいて3-エチルピリジン及び/又は2-エチルピラジンに由来するにおい質を定性的に評価する工程であり、前記4S2は、配列番号4で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、3-エチルピリジン及び2-エチルピラジンに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、
    (C1)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として51L1の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記51L1の応答性に基づいてフェニルアセトアルデヒドに由来するにおい質を定性的に評価する工程であり、前記51L1は、配列番号12で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、フェニルアセトアルデヒド対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、
    (C2)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として8D1の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記8D1の応答性に基づいてシクロテンに由来するにおい質を定性的に評価し、前記8D1は、配列番号13で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シクロテンに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、
    (C3)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として11H4の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記11H4の応答性に基づいてフェニルエチルアルコールに由来するにおい質を定性的に評価し、前記11H4は、配列番号14で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、フェニルエチルアルコールに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、及び (C4)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として2J2、10A3及び10A6の応答性を取得する工程であり、
    前記評価工程は、前記2J2、10A3及び10A6の応答性に基づいてγ-ウンデカラクトンに由来するにおい質を定性的に評価し、前記2J2は、配列番号15で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、γ-ウンデカラクトンに対する応答性を有するポリペプチドであり、前記10A3は、配列番号16で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、γ-ウンデカラクトンに対する応答性を有するポリペプチドであり、前記10A6は、配列番号17で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、γ-ウンデカラクトンに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、
    の少なくとも一つを実施する方法。
  2. 輸送用機械の室内のにおい質の評価方法であって、
    前記輸送用機械の室内のガスと、前記におい質が由来する1種又は2種以上のにおい物質に応答する1種又は2種以上の嗅覚受容体とを接触させて、前記嗅覚受容体の応答性を取得する応答性取得工程と、
    前記応答性に基づいて前記室内のにおい質を評価する評価工程と、
    を備え、
    前記応答性取得工程及び評価工程として、以下の(D)~(E)の組み合わせ: (D)前記におい質はタバコに関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、前記嗅覚受容体として2L3の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記2L3の応答性に基づいてo-イソプロピルフェノールに由来するにおい質を定量的に評価する工程であり、前記2L3は、配列番号6で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、o-イソプロピルフェノールに対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせ、及び (E)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記応答性取得工程は、
    前記嗅覚受容体として、51L1の応答性を取得する工程であり、前記評価工程は、前記51L1の応答性に基づいてフェニルアセトアルデヒドに由来するにおい質を定量的に評価する工程であり、前記51L1は、配列番号12で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、フェニルアセトアルデヒド対する応答性を有するポリペプチドである工程である組み合わせの少なくとも一つを実施する方法。
  3. 輸送用機械の室内のにおい物質が応答する受容体に対する抑制剤又はその候補の探索方法であって、
    輸送用機械の室内におけるにおい物質と前記におい物質に応答する嗅覚受容体と被験物質とを接触させて、前記嗅覚受容体の応答性を評価する工程と、
    前記応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択する工程と、
    を備え、
    前記におい物質は、p-シメン、o-メトキシフェノール、トリメチルフェノール、イソプロピルフェノール、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、メチルビニルケトン、3-エチルピリジン及び2-エチルピラジン、ヘキサン酸メチル、マルトール、ヒノキチオール、1-オクテン-3-オール、フェニルアセトアルデヒド、シクロテン、β-フェニルエチルアルコール、γ-ウンデカラクトン、シトロネラールからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、p-シメンに対する応答性を評価し、前記応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    4S2及び5P3から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、o-メトキシフェノールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    5K1を嗅覚受容体として用いてトリメチルフェノールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    2L3を嗅覚受容体として用いて、イソプロピルフェノールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    1D2、2AK2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、6-メチル-5-ヘプテン-2-オンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    5K1を嗅覚受容体として用いて、メチルビニルケトンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    2W1、4S2、5K1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、3-エチルピリジンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    2W1、4S2及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体の2-エチルピラジンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    2AK2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、
    ヘキサン酸メチルに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    1A1、1D2及び2W1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、マルトールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    1A1、2W1及び8H1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、ヒノキチオールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    1A1、2AK2、2C3、2W1及び5P3からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、1-オクテン-3-オールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    51L1を嗅覚受容体として用いて、フェニルアセトアルデヒドに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    8D1を嗅覚受容体として用いて、シクロテンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    11H4を嗅覚受容体として用いて、β-フェニルエチルアルコールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    1D2、2J2、10A3及び10A6からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、γ-ウンデカラクトンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    2W1を嗅覚受容体として用いて、シトロネラールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択するものであり、
    前記1A1は、配列番号1で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号1で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記2W1は、配列番号2で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記8H1は、配列番号3で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号3で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記4S2は、配列番号4で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号4で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記5K1は、配列番号5で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号5で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記2L3は、配列番号6で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号6で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記1D2は、配列番号7で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号7で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記2AK2は、配列番号8で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号8で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記5P3は、配列番号9で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号9で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記2C3は、配列番号11で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号11で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記51L1は、配列番号12で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号12で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記8D1は、配列番号13で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号13で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記11H4は、配列番号14で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号14で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記2J2は、配列番号15で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号15で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記10A3は、配列番号16で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号16で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記10A6は、配列番号17で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号17で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記10A5は、配列番号20で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号20で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドである、方法。
  4. さらに、前記におい物質は、4-メチル-3-ヘキセン酸、ヘプタン酸、ペンタナール、ヘキサナール、ヘキサノン、ペンタノン、L-メントール、γ-カプロラクトン及びアセトフェノンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    2AK2、2W1、51V1及び51L1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、4-メチル-3-ヘキセン酸に対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    51V1を嗅覚受容体として用いて、ヘプタン酸に対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    51E1及び51I2からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、ペンタナールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    4S2、5K1、5P3、51E1、51I2及び51V1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、ヘキサナールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    5P3を嗅覚受容体として用いて、ヘキサノンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    10A5を嗅覚受容体として用いて、ペンタノンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    2W1を嗅覚受容体として用いて、L-メントールに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    5P3を嗅覚受容体として用いて、γ-カプロラクトンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    4S2及び5K1からなる群から選択される少なくとも1種の嗅覚受容体を用いて、アセトフェノンに対する応答性を評価し、当該応答性に基づいて前記被験物質を前記抑制剤又はその候補として選択し、
    前記51V1は、配列番号10で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号10で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記51E1は、配列番号18で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号18で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記51I2は、配列番号19で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号19で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドが応答性を有する同一のにおい物質に対する応答性を有するポリペプチドである、
    請求項3に記載の方法。
  5. 輸送用機械の室内のにおい質を定性的に評価するためのキットであって、
    前記におい質が由来する1種又は2種以上のにおい物質に対する応答性を評価可能な嗅覚受容体を備えており、
    前記嗅覚受容体が、以下の(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(C3)及び(C4)のポリペプチド又は組み合わせ:
    (A1)前記におい質はヒト又は衣類に関するにおい質であり、前記におい物質が4-メチル-ヘキセン酸及び/又はヘプタン酸及び/又はヘキサナールであり、前記嗅覚受容体は51V1であり、前記51V1は、配列番号10で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、4-メチル-ヘキセン酸、ヘプタン酸及びヘキサナールに対する応答性を有するポリペプチドである
    (A2)前記におい質はヒト又は衣類に関するにおい質であり、前記におい物質がペンタナール及び/又はヘキサナールであり、前記嗅覚受容体は51I2であり、前記51I2は、配列番号19で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、ペンタナール及びヘキサナールに対する応答性を有するポリペプチドである
    (B1)前記におい質はタバコに関するにおい質であり、前記におい物質がo-イソプロピルフェノールであり、前記嗅覚受容体は2L3であり、前記2L3は、配列番号6で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、o-イソプロピルフェノールに対する応答性を有するポリペプチドである
    (B2)前記におい質はタバコに関するにおい質であり、前記におい物質が3-エチルピリジン及び/又は2-エチルピラジンであり、前記嗅覚受容体は4S2であり、前記4S2は配列番号4で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、3-エチルピリジン及び2-エチルピラジンに対する応答性を有するポリペプチドである
    (C1)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記におい物質はフェニルアセトアルデヒドであり、前記嗅覚受容体は51L1であり、前記51L1は、配列番号12で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、フェニルアセトアルデヒド対する応答性を有するポリペプチドである
    (C2)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記におい物質はシクロテンであり、前記嗅覚受容体は8D1であり、前記8D1は、配列番号13で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シクロテンに対する応答性を有するポリペプチドである、
    (C3)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記におい物質はフェニルエチルアルコールであり、前記嗅覚受容体は11H4であり、前記11H4は、配列番号14で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、フェニルエチルアルコールに対する応答性を有するポリペプチドである、及び
    (C4)前記におい質は食物又は香料に関するにおい質であり、前記におい物質はγ-ウンデカラクトンであり、前記嗅覚受容体は2J2、10A3及び10A6であり、前記2J2は、配列番号15で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、γ-ウンデカラクトンに対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記10A3は、配列番号16で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、γ-ウンデカラクトンに対する応答性を有するポリペプチドであり、
    前記10A6は、配列番号17で表される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、γ-ウンデカラクトンに対する応答性を有するポリペプチドである組み合わせ、
    の少なくとも一つで規定される、キット。
  6. 前記少なくとも1種の嗅覚受容体をそれぞれ細胞表面に備える動物細胞を備える、請求項5に記載のキット。
  7. 前記少なくとも1種の嗅覚受容体を、それぞれ固相体上の所定位置に備える、請求項5に記載のキット。
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