JP7013971B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動制御装置に関する。
特許文献1には、「前輪ブレーキの失陥に伴って車両全体の制動力が低下することを防止すること」を目的に、「制動時に後輪の車輪速度が前輪の車輪速度を超えないよう後輪の制動力を制御する制動力前後配分手段を有する車両の制動力制御装置において、前輪ブレーキの失陥判定を行う失陥判定手段と、前輪ブレーキが失陥状態と判定されたとき、上記制動力前後配分手段による後輪の制動力制御を禁止する禁止手段とを有する」ことが記載されている。更に、特許文献1には、「前記失陥判定手段が、制動時の車両減速度が所定値より小さい場合に前輪ブレーキの失陥と判定すること」、及び、「失陥判定手段が、制動時の前輪の減速度と後輪の減速度との差を算出を有し、この差が極大値を持たない場合に前輪ブレーキの失陥と判定すること」が記載されている。
特許文献2には、「転覆抑制制御中における前輪ブレーキ系統失陥判定の判定精度の向上」を目的に、「車両旋回時の挙動安定化制御中であり、且つ、マスタシリンダ圧が所定値を超えており、且つ、車両の減速度が基準判定閾値よりも小さくなっており、且つ、前輪でABS制御が作動していないときに、前記前輪用のブレーキ系統に失陥の虞ありと判定すること。失陥判定は、車両旋回時の転覆抑制制御が実施されている場合、車両の減速度と比較される判定閾値を基準判定閾値よりも小さくすること。基準判定閾値は、運転者の制動操作量に応じた車両の減速度であること」が記載されている。
特許文献1に記載される装置では、前輪制動系統の失陥が、車両減速度が所定値より小さい場合に判定される。しかし、車両減速度の低下は、路面の摩擦係数が低い場合にも発生するため、該状況との識別が必要である。
特許文献2に記載される装置では、前輪制動系統の失陥が、「車両の減速度が、運転者の制動操作量に応じた基準判定閾値よりも小さい場合に判定される。前輪制動系統の失陥判定には、失陥している制動系統が、「前輪に係るものであるか、或いは、後輪に係るものであるか」を区別することが必要である。特に、荷物を積載する貨物車両(「トラック」ともいう)では、荷物が多く積載される場合には、車両重量が増加するとともに、後輪荷重が前輪荷重に比較して大きくなる。このため、積載車両では、一般的な乗用車に比べ、後輪制動力の比率が大きくなる場合がある。以上の観点から、制動制御装置には、前輪制動系統の失陥が、精度良く識別されることが望まれている。
特開平8-301092号公報 特開2014-104834号公報
本発明の目的は、制動制御装置において、前輪制動系統の失陥が、精度良く識別され得るものを提供することである。
本発明に係る車両の制動制御装置は、前記制動液圧(Pw)を調整する液圧モジュレータ(HU)と、前記マスタシリンダ(CM)の液圧をマスタシリンダ液圧(Pm)として検出する液圧センサ(PM)と、前記車両の車輪速度(Vw)を検出する車輪速度センサ(VW)と、前記車両の減速度(Ge、Gx)を取得する減速度取得手段(S130、GE、GX)と、前記車輪速度(Vw)に基づいて前記液圧モジュレータ(HU)を制御するコントローラ(ECU)と、を備える。車両は、マスタシリンダ(CM)から制動液(BF)を圧送し、ホイールシリンダ(CW)に制動液圧(Pw)を付与する制動装置(SD)を有する。
本発明に係る車両の制動制御装置では、前記コントローラ(ECU)は、前記マスタシリンダ液圧(Pm)が所定液圧(px)以上の場合に前記減速度(Ge、Gx)が所定減速度(gx)未満であり、前記車両の後輪(WHr)の前記車輪速度(Vw)である後輪速度(Vwr)が、前記車両の前輪(WHf)の前記車輪速度(Vw)である前輪速度(Vwf)よりも所定速度(vs)だけ小さい基準速度(Vs)未満である場合に、前記制動装置(SD)の前記前輪(WHf)に係る制動系統(Rmf、HMf、HWr、CWf)が失陥状態であることを判定するよう構成されている。また、前記コントローラ(ECU)は、前記後輪速度(Vwr)と前記前輪速度(Vwf)との比較に基づいて、前記後輪(WHr)の減速スリップの増大を抑制するよう、前記液圧モジュレータ(HU)を介して前記後輪(WHr)に対する前記制動液圧である後輪液圧(Pwr)の増加を制限する制動力配分制御を実行し、前記失陥状態が判定された場合には、前記制動力配分制御の実行を禁止するよう構成されている。
上記構成によれば、「Pm≧px、且つ、Ge(又は、Gx)<gx」の条件に基づいて、前輪失陥、又は、後輪失陥の発生が判定される。加えて、「Vwr<(Vwf-vs)」の条件に基づいて、失陥が前輪制動系統で発生していることが識別される。このため、前輪制動系統の失陥が、より確実に判定され得る。
本発明に係る車両の制動制御装置では、コントローラ(ECU)は、「前記車両の減速度(Ge、Gx)に基づいて前記車両の後輪(WHr)の浮き上がりを抑制するよう、前記液圧モジュレータ(HU)を介して前記車両の前輪(WHf)に対する前記制動液圧である前輪液圧(Pwf)の増加を制限するリフトアップ抑制制御」、及び、「前記後輪(WHr)の前記車輪速度(Vw)である後輪速度(Vwr)と、前記前輪(WHf)の前記車輪速度(Vw)である前輪速度(Vwf)との比較に基づいて前記後輪(WHr)の減速スリップの増大を抑制するよう、前記液圧モジュレータ(HU)を介して前記後輪(WHr)に対する前記制動液圧である後輪液圧(Pwr)の増加を制限する制動力配分制御」を実行する。そして、前記コントローラ(ECU)は、前記制動装置(SD)が失陥状態にある場合には、前記リフトアップ抑制制御を実行せず、前記マスタシリンダ液圧(Pm)、及び、前記液圧モジュレータ(HU)の作動状態に応じて前記前輪液圧(Pwf)の推定値(Pef)を演算し、前記制動力配分制御が実行され、前記推定値(Pef)が前記リフトアップ抑制制御の前記前輪液圧(Pwf)の上限液圧(pu)以上の場合に、前記制動装置(SD)の前記前輪(WHf)に係る制動系統(Rmf、HMf、HWr、CWf)が失陥状態であることを判定するよう構成されている。また、前記コントローラ(ECU)は、前記失陥状態が判定された場合には、前記制動力配分制御の実行を終了するよう構成されている。
上記構成によれば、前輪失陥判定において、一連の個別アルゴリズムが不要となる。つまり、制動力配分制御、リフトアップ抑制制御、アンチスキッド制御等の演算結果が利用されて、前輪制動系統の失陥が判定され得る。このため、コントローラECU(特に、マイクロプロセッサMP)において、メモリ容量が低減される。更に、コントローラECUの演算が簡素化されるため、その処理が高速化され得る。
本発明に係る車両の制動制御装置SCの実施形態を説明するための全体構成図である。 失陥判定の第1の処理例を説明するための制御フロー図である。 失陥判定の第2の処理例を説明するための機能ブロック図である。 第2の処理例の作動を説明するための時系列線図である。
<構成部材等の記号、記号末尾の添字、及び、運動・移動方向>
以下の説明において、「ECU」等の如く、同一記号を付された構成部材、演算処理、信号、特性、及び、値は、同一機能のものである。各車輪に係る記号の末尾に付された添字「i」~「l」は、それが各車輪のうちの何れのものに関するものであるかを示す包括記号である。具体的には、「i」は右前輪、「j」は左前輪、「k」は右後輪、「l」は左後輪を示す。例えば、4つの各ホイールシリンダにおいて、右前輪ホイールシリンダCWi、左前輪ホイールシリンダCWj、右後輪ホイールシリンダCWk、及び、左後輪ホイールシリンダCWlと表記される。更に、記号末尾の添字「i」~「l」は、省略され得る。添字「i」~「l」が省略された場合には、各記号は、4つの各車輪における総称を表す。例えば、「WH」は各車輪、「CW」は各ホイールシリンダを表す。
各種記号の末尾に付された添字「f」、「r」は、2つの制動系統において、それが何れの系統に関するものであるかを示す包括記号である。具体的には、「f」は前輪に係る系統、「r」は後輪に係る系統を示す。例えば、2つのマスタシリンダ流体路において、前輪マスタシリンダ流体路HMf、及び、後輪マスタシリンダ流体路HMrと表記される。更に、記号末尾の添字「f」、「r」は省略され得る。添字「f」、「r」が省略された場合には、各記号は、2つの各制動系統についての総称を表す。例えば、「HM」は、各制動系統のマスタシリンダ流体路を表す。
<本発明に係る車両の制動制御装置の実施形態>
図1の全体構成図を参照して、本発明に係る車両の制動制御装置SCの実施形態について説明する。例えば、車両は、荷物を積載する貨物車両(トラック)である。車両には、マスタシリンダCMから制動液BFを圧送し、ホイールシリンダCWに制動液圧Pwを付与する制動装置SDが備えられる。車両の制動装置SDでは、マスタシリンダCMが、マスタシリンダ流体路HM、及び、ホイールシリンダ流体路HWを介して、ホイールシリンダCWに接続される。ここで、「流体路」は、制動装置SD、及び、制動制御装置SCの作動液体である制動液BFを移動するための経路であり、制動配管、流体ユニットの流路、ホース等が該当する。各流体路の内部は、制動液BFが満たされている。なお、流体路において、リザーバRVに近い側(ホイールシリンダCWから遠い側)が、「上流側」、又は、「上部」と称呼され、ホイールシリンダCWに近い側(リザーバRVから遠い側)が、「下流側」、又は、「下部」と称呼される。
一般的な車両では、流体路として、2系統のものが採用され、冗長性が確保されている。2系統の流体路のうちの前輪系統(前輪用のマスタシリンダ室Rmfに係る系統)は、前輪ホイールシリンダCWf(=CWi、CWj)に接続される。2系統の流体路のうちの後輪系統(後輪用のマスタシリンダ室Rmrに係る系統)は、後輪ホイールシリンダCWr(=CWk、CWl)に接続される。つまり、2系統流体路として、所謂、前後型(「H型」ともいう)のものが採用されている。制動装置SDの失陥は、マスタシリンダCMからホイールシリンダCWに至るまでの制動液BFの伝達経路での破損によって発生する。制動装置SDの失陥には、マスタシリンダCM(特に、前輪マスタシリンダ室Rmf)から前輪ホイールシリンダCWfに至るまでの破損に起因する前輪制動系統の失陥(単に、「前輪失陥」ともいう)と、マスタシリンダCM(特に、後輪マスタシリンダ室Rmr)から後輪ホイールシリンダCWrに至るまでの破損に起因する後輪制動系統の失陥(単に、「後輪失陥」ともいう)とが存在する。
制動制御装置SCを備える車両には、制動操作部材BP、ホイールシリンダCW、リザーバRV、マスタシリンダCM、及び、ブレーキブースタBBが備えられる。制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)BPは、運転者が車両を減速するために操作する部材である。制動操作部材BPが操作されることによって、車輪WHの制動トルクTqが調整され、車輪WHに制動力が発生される。
車両の車輪WHには、回転部材(例えば、ブレーキディスク)KTが固定される。そして、回転部材KTを挟み込むようにブレーキキャリパが配置される。ブレーキキャリパには、ホイールシリンダCWが設けられている。ホイールシリンダCW内の制動液BFの圧力(制動液圧)Pwが増加されることによって、摩擦部材(例えば、ブレーキパッド)が、回転部材KTに押し付けられる。回転部材KTと車輪WHとは、一体的に回転するよう固定されているため、このときに生じる摩擦力によって、車輪WHに制動トルクTqが発生される。この制動トルクTqによって、車輪WHに減速スリップが発生し、その結果、制動力が生じる。制動装置SDは、所謂、ディスク型(ディスクブレーキ)である。
ディスク型制動装置SDに代えて、ドラム型制動装置(ドラムブレーキ)SDが採用されてもよい。ドラムブレーキの場合、キャリパに代えて、ブレーキドラムが採用される。また、摩擦部材はブレーキシューであり、回転部材はブレーキドラムである。
リザーバ(大気圧リザーバ)RVは、作動液体用のタンクであり、その内部に制動液BFが貯蔵されている。大気圧リザーバRVの内部は、仕切り板SKによって、2つの部位に区画されている。前輪用のマスタリザーバ室Rufは前輪マスタシリンダ室Rmfに、後輪用のマスタリザーバ室Rurは後輪マスタシリンダ室Rmrに、夫々、接続される。
マスタシリンダCMは、制動操作部材BPに、ブレーキロッド、クレビス(U字リンク)等を介して、機械的に接続されている。マスタシリンダCMは、タンデム型であり、第1、第2マスタピストンPA、PBによって、その内部が、前輪、後輪マスタシリンダ室Rmf、Rmrに分けられている。制動操作部材BPが操作されていない場合には、マスタシリンダCMの前輪、後輪マスタシリンダ室Rmf、RmrとリザーバRV(前輪、後輪マスタリザーバ室Ruf、Rur)とは連通状態にある。マスタシリンダCMは、リザーバRVからの制動液BFの供給を受け、前輪、後輪マスタシリンダ液圧Pmf、Pmrを発生する。マスタシリンダCMには、前輪、後輪マスタシリンダ流体路HMf、HMrが接続されている。
制動操作部材BPが操作されると、マスタシリンダCM内の第1、第2マスタピストンPA、PBが押され、前進する。この前進によって、マスタシリンダ室Rmは、リザーバRV(特に、マスタリザーバ室Ru)から遮断される。制動操作部材BPの操作が増加されると、マスタシリンダ室Rmの体積は減少し、制動液BFは、マスタシリンダCMから、ホイールシリンダCWに向けて圧送される。
ブレーキブースタ(単に、「ブースタ」ともいう)BBによって、運転者による制動操作部材BPの操作力Fpが軽減される。ブースタBBとして、負圧式のものが採用される。負圧は、エンジン、又は、電動負圧ポンプにて形成される。ブースタBBとして、電気モータを駆動源とするものが採用されてもよい(例えば、電動ブースタ、アキュムレータ式ハイドロリックブースタ)。
更に、車両には、車輪速度センサVW、操舵角センサSA、ヨーレイトセンサYR、減速度センサGX、横加速度センサGY、制動操作量センサBA、及び、操作スイッチSTが備えられる。
車両の各車輪WHには、車輪速度Vwを検出するよう、車輪速度センサVWが備えられる。車輪速度Vwの信号は、車輪WHのロック傾向(即ち、過大な減速スリップ)を抑制するアンチスキッド制御等の各輪での独立制御に利用される。
操舵操作部材(例えば、ステアリングホイール)には、操舵角Saを検出するように操舵角センサSAが備えられる。車両の車体には、ヨーレイト(ヨー角速度)Yrを検出するよう、ヨーレイトセンサYRが備えられる。また、車両の前後方向(進行方向)の加速度(減速度)Gx、及び、横方向(進行方向に直角な方向)の加速度(横加速度)Gyを検出するよう、減速度センサGX、及び、横加速度センサGYが設けられる。これらの信号は、過大なオーバステア挙動、アンダステア挙動を抑制する車両安定化制御(所謂、ESC)等の車両運動制御に用いられる。
運転者による制動操作部材BP(ブレーキペダル)の操作量Baを検出するよう、制動操作量センサBAが設けられる。制動操作量センサBAとして、マスタシリンダCM内の液圧(マスタシリンダ液圧)Pmを検出するマスタシリンダ液圧センサPM、制動操作部材BPの操作変位Spを検出する操作変位センサSP、及び、制動操作部材BPの操作力Fpを検出する操作力センサFPのうちの少なくとも1つが採用される。つまり、操作量センサBAによって、制動操作量Baとして、マスタシリンダ液圧Pm、操作変位Sp、及び、操作力Fpのうちの少なくとも1つが検出される。
制動操作部材BPには、操作スイッチSTが設けられる。操作スイッチSTによって、運転者による制動操作部材BPの操作の有無が検出される。制動操作部材BPが操作されていない場合(即ち、非制動時)には、制動操作スイッチSTによって、操作信号Stとしてオフ信号が出力される。一方、制動操作部材BPが操作されている場合(即ち、制動時)には、操作信号Stとしてオン信号が出力される。各センサ(VW等)によって検出された車輪速度Vw、操舵角Sa、ヨーレイトYr、車両減速度Gx、横加速度Gy、制動操作量Ba、及び、制動操作信号Stは、コントローラECUに入力される。コントローラECUでは、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。
≪電子制御ユニットECU≫
制動制御装置SCは、コントローラECU、及び、液圧モジュレータ(「流体ユニット」ともいう)HUにて構成される。コントローラ(「電子制御ユニット」ともいう)ECUは、マイクロプロセッサMP等が実装された電気回路基板と、マイクロプロセッサMPにプログラムされた制御アルゴリズムにて構成されている。コントローラECUは、車載の通信バスBSを介して、他のコントローラと、信号(検出値、演算値等)を共有するよう、ネットワーク接続されている。
コントローラECU(電子制御ユニット)によって、液圧モジュレータHUの電気モータML、及び、3種類の異なる電磁弁UP、VI、VOが制御される。具体的には、マイクロプロセッサMP内の制御アルゴリズムに基づいて、各種電磁弁UP、VI、VOを制御するための駆動信号Up、Vi、Voが演算される。同様に、電気モータMLを制御するための駆動信号Mlが演算される。
コントローラECUには、電磁弁UP、VI、VO、及び、電気モータMLを駆動するよう、駆動回路DRが備えられる。駆動回路DRには、電気モータMLを駆動するよう、スイッチング素子(MOS-FET、IGBT等のパワー半導体デバイス)によってブリッジ回路が形成される。モータ駆動信号Mlに基づいて、各スイッチング素子の通電状態が制御され、電気モータMLの出力が制御される。また、駆動回路DRでは、電磁弁UP、VI、VOを駆動するよう、駆動信号Up、Vi、Voに基づいて、スイッチング素子によって、それらの通電状態(即ち、励磁状態)が制御される。なお、駆動回路DRには、電気モータML、及び、電磁弁UP、VI、VOの実際の通電量を検出する通電量センサが設けられる。例えば、通電量センサとして、電流センサが設けられ、電気モータML、及び、電磁弁UP、VI、VOへの供給電流が検出される。
コントローラECUには、制動操作量Ba(=Pm、Sp、Fp)、制動操作信号St、車輪速度Vw、ヨーレイトYr、操舵角Sa、減速度Gx、横加速度Gy、等が入力される。例えば、コントローラECUでは、車輪速度Vwに基づいて、車輪WHの過度の減速スリップ(例えば、車輪ロック)を抑制するよう、アンチスキッド制御が実行される。コントローラECUでは、実際のヨーレイトYr等に基づいて、車両の不安定挙動(過度のオーバステア挙動、アンダステア挙動)を抑制する車両安定化制御(所謂、ESC)が実行される。
≪液圧モジュレータHU≫
前輪、後輪マスタシリンダ流体路HMf、HMrに、液圧モジュレータHUが接続される。液圧モジュレータHU内の部位Bwf、Bwrにて、マスタシリンダ流体路HMf、HMrは、ホイールシリンダ流体路HWi~HWlに分岐され、ホイールシリンダCWi~CWlに接続される。具体的には、前輪マスタシリンダ流体路HMfは、分岐部Bwfにて、前輪ホイールシリンダ流体路HWi、HWjに分岐され、前輪ホイールシリンダCWi、CWjに接続される。同様に、後輪マスタシリンダ流体路HMrは、分岐部Bwrにて、ホイールシリンダ流体路HWk、HWlに分岐され、後輪ホイールシリンダCWk、CWlが接続される。
液圧モジュレータHUは、電動ポンプDL、低圧リザーバRL、調圧弁UP、マスタシリンダ液圧センサPM、インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOにて構成される。電動ポンプDLは、1つの電気モータML、及び、2つの流体ポンプQLf、QLrにて構成される。電気モータMLは、コントローラECUによって、駆動信号Mlに基づいて制御される。電気モータMLによって、前輪、後輪流体ポンプQLf、QLrが一体となって回転され、駆動される。流体ポンプQLによって、前輪、後輪調圧弁UPf、UPrの上流部Bsf、Bsrから制動液BFが汲み上げられる。汲み上げられた制動液BFは、調圧弁UPの下流部Btf、Btrに吐出される。ここで、電動ポンプDLは、一方向に限って回転される。流体ポンプQLの吸込み側には、前輪、後輪低圧リザーバRLf、RLrが設けられる。
調圧弁UPが、マスタシリンダ流体路HMに設けられる。調圧弁UPとして、通電状態(例えば、供給電流)に基づいて開弁量(リフト量)が連続的に制御されるリニア型の電磁弁(「比例弁」、又は、「差圧弁」ともいう)が採用される。調圧弁UPは、コントローラECUによって、駆動信号Upに基づいて制御される。駆動信号Upに応じて、調圧弁UPへの通電量(電流)が調整され、調圧弁UPの開弁量が調整される。なお、調圧弁UPとして、常開型の電磁弁が採用される。
調圧弁UPの上流部には、前輪、後輪マスタシリンダ液圧Pmf、Pmrを検出するよう、前輪、後輪マスタシリンダ液圧センサPMf、PMrが設けられる。「Pmf=Pmr」であるため、前輪マスタシリンダ液圧センサPMf、及び、後輪マスタシリンダ液圧センサPMrのうちの一方は、省略可能である。なお、液圧モジュレータHU(特に、電磁弁UP、VI、VO)が非作動の場合には、マスタシリンダ液圧Pmとホイールシリンダ液圧(制動液圧)Pwとは一致する。
マスタシリンダ流体路HMは、調圧弁UPの下流側の分岐部Bwにて、各前輪ホイールシリンダ流体路HWに分岐(分流)される。ホイールシリンダ流体路HWには、インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOが設けられる。インレット弁VIとして、常開型のオン・オフ電磁弁が採用される。また、アウトレット弁VOとして、常閉型のオン・オフ電磁弁が採用される。ここで、オン・オフ電磁弁は、開位置と閉位置の2つの位置を有する、2ポート2位置切替型の電磁弁である。電磁弁VI、VOは、コントローラECUによって、駆動信号Vi、Voに基づいて制御される。インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOによって各輪の制動液圧Pwが独立して制御され得る。
インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOにおいて、各車輪WHに係る構成は同じである。ホイールシリンダ流体路HW(部位BwとホイールシリンダCWとを結ぶ流体路)には、常開型のインレット弁VIが設けられる。ホイールシリンダ流体路HWは、インレット弁VIの下流部にて、常閉型のアウトレット弁VOを介して、低圧リザーバRLに接続される。例えば、各輪独立の制動制御において、ホイールシリンダCW内の液圧Pwを減少するために、インレット弁VIが閉位置にされ、アウトレット弁VOが開位置される。インレット弁VIからの制動液BFの流入が阻止され、ホイールシリンダCW内の制動液BFは、低圧リザーバRLに流出し、制動液圧Pwは減少される。低圧リザーバRLに流入した制動液BFは、電動ポンプDLによって、インレット弁VIの上流部Btに戻される。一方、制動液圧Pwを増加するため、インレット弁VIが開位置にされ、アウトレット弁VOが閉位置される。低圧リザーバRLへの制動液BFの流出が阻止され、調圧弁UPによって調節された液圧が、ホイールシリンダCWに導入され、制動液圧Pwが増加される。また、制動液圧Pwを維持するためには、インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOが、共に、閉位置にされ、ホイールシリンダCW内の制動液BFは、移動されない。
<前輪失陥の第1の判定例>
図2の制御フロー図を参照して、前輪失陥判定の第1の処理例について説明する。該処理は、コントローラECUにプログラムされている。ステップS110にて、車輪速度Vw、マスタシリンダ液圧Pm、及び、車両の減速度Gxが読み込まれる。車輪速度Vw、マスタシリンダ液圧Pm、及び、減速度Gxは、車輪速度センサVW、マスタシリンダ液圧センサPM、及び、減速度センサGXによって検出され、コントローラECUに入力される。
ステップS120にて、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。例えば、車両の加速時を含む非制動時には、4つの車輪速度Vwのうちの最も遅いもの(最遅の車輪速度)に基づいて、車体速度Vxが演算される。また、制動時には、4つの車輪速度Vwのうちの最も速いもの(最速の車輪速度)に基づいて、車体速度Vxが演算される。更に、車体速度Vxの演算において、その時間変化量において制限が設けられ得る。即ち、車体速度Vxの増加勾配の上限値aup、及び、減少勾配の下限値adnが設定され、車体速度Vxの変化が、上下限値aup、adnによって制約される。
ステップS130(「減速度取得手段」に相当)にて、車体速度Vxに基づいて、実際の車両減速度Geが演算される。具体的には、車体速度Vxが時間微分されて、実際の減速度(実減速度)Geが演算される。ステップS140にて、基準速度Vsが演算される。基準速度Vsは、前輪制動系統の失陥を判定するための基準となる値である。具体的には、前輪速度Vwfから所定速度vsが減じられて、基準速度Vsが演算される。従って、基準速度Vsは、前輪速度Vwfよりも、所定速度vsだけ小さい値である。ここで、所定速度vsは、予め設定された定数(所定値)である。
ステップS150にて、マスタシリンダ液圧Pm、及び、減速度Ge(演算値)に基づいて、「前輪制動系統、及び、後輪制動系統のうちの何れか一方が、失陥しているか、否か」が判定される。具体的には、マスタシリンダ液圧Pm、及び、減速度Geの相互関係に基づいて、「マスタシリンダ液圧Pmがpx以上、且つ、減速度Geが所定減速度gx未満」の条件に基づいて判定される。「Pm≧px、且つ、Ge<gx」である場合に、上記の失陥状態が判定される。ここで、所定液圧px、及び、所定減速度gxは、予め設定された所定値(定数)である。ステップS150が否定される場合には、処理は、ステップS110に戻される。一方、ステップS150が肯定される場合には、処理は、ステップS160に進む。
ブロックX150の特性図を参照して、ステップS150の判定について説明する。該判定では、「Pm≧px」、且つ、「Ge<gx」で示す領域が、失陥判定領域である(斜線部を参照)。マスタシリンダ液圧Pmの増加に応じて、制動トルクTqが増加され、車両減速度Geが大きくなる。特性Caは失陥が生じていない場合に対応する。マスタシリンダ液圧Pmの増加に伴う、減速度Geの増加特性Caは、失陥判定領域に入らない。このため、制動装置SDが適正状態にある場合(失陥が生じていない場合)には、ステップS150の判定は否定される。一方、特性Cbは、前輪制動系統、及び、後輪制動系統のうちの何れか一方が失陥している場合に対応する。この場合には、マスタシリンダ液圧Pmの増加に伴う、減速度Geの増加特性Cbが、失陥判定領域に侵入する。該領域に入った時点(演算周期)にて、ステップS150の判定が肯定され、失陥状態が判定される。
ステップS160にて、後輪速度Vwr、及び、基準速度Vsに基づいて、「失陥が前輪制動系統で生じているか、否か」が判定される。具体的には、「後輪速度Vwrが、基準速度Vs未満であるか、否か」に基づいて、前輪制動系統の失陥(前輪失陥)が判定される。「Vwr≧Vs」であり、ステップS160が否定される場合には、処理は、ステップS110に戻される。この場合は、後輪制動系統の失陥(後輪失陥)である。「Vwr<Vs」であり、ステップS160が肯定される場合に、前輪制動系統の失陥状態が判定される。
ブロックX160の時系列線図を参照して、ステップS160の判定について説明する。制動力は、車輪の減速スリップ(車輪速度Vwと車体速度Vxとの差)によって生じる。従って、失陥が生じている制動系統に係る車輪には、制動力は発生されず、減速スリップが生じない。一方、適正な制動系統に係る車輪には、減速スリップが発生され、制動力が作用する。つまり、前輪制動系統が失陥している場合には、前輪WHfの減速スリップは小さく、後輪WHrの減速スリップが大きい(即ち、「Vwr<Vx(=Vwf)」の関係が成立する)。以上のことから、制動操作部材BPの操作開始時点t0にて、前輪速度Vwfから、所定速度vs(予め設定された定数)が減算されて、失陥判定の基準となる、基準速度Vsが演算され始める(即ち、「Vs=Vwf-vs」)。制動操作の増加に伴い、後輪減速スリップは増加するが、「Vwr≧Vs」の場合には、前輪失陥は否定される。そして、時点t1(該当する演算周期)にて、「Vwr<Vs」となると前輪失陥が判定される。
ステップS170にて、制動力配分制御の実行が禁止される。既に、制動力配分制御の実行が開始されている場合には、該制御が終了される。制動力配分制御では、前輪速度Vwfと後輪速度Vwrとの比較に基づいて、後輪WHrの過大な減速スリップを抑制するよう、後輪液圧Pwr(後輪ホイールシリンダCWrの液圧)の増加が制限される。つまり、制動力配分制御は、後輪WHrの制動力を制限するものである。制動力配分制御の詳細については、図3を参照して後述する。前輪失陥が判定されると、制動力配分制御の実行が禁止(又は、終了)されるため、後輪制動力が確保され、十分な車両減速度が得られる。
上記の例では、車体速度Vxが微分されて、減速度Geが決定された。減速度Geに代えて、減速度センサGX(「減速度取得手段」に相当)によって検出された減速度Gxが採用され得る。また、ロバスト性を向上するよう、減速度Gx(検出値)、及び、減速度Ge(演算値)の両方が、判定に用いられてもよい。
マスタシリンダ液圧Pm、及び、車両減速度(実際値)Ge、Gxの相互関係に基づいて、制動装置SDの失陥(前輪失陥、又は、後輪失陥の発生)が判定される。そして、車輪の減速スリップに基づいて、失陥が前輪制動系統で発生していることが特定(識別)される。これにより、前輪失陥が、より確実に判定され得る。
<前輪失陥の第2の判定例>
図3の機能ブロック図を参照して、前輪失陥判定の第2の処理例について説明する。第2の例では、制動制御装置SCには、リフトアップ抑制制御が含まれるとともに、前輪制動系統の失陥判定に、制動力配分制御の信号Fe(例えば、作動フラグ)が利用される。つまり、個別の判定処理が行われるのではなく、制動制御装置SCに既に含まれている各制御の処理信号が利用されて、前輪失陥の判定が行われる。
上述したように、同一記号を付された構成部材、演算処理、信号、特性、及び、値は、同一機能のものである。車輪に係る記号末尾の添字「i」~「l」では、「i」が右前輪、「j」が左前輪、「k」が右後輪、「l」が左後輪を示す。添字「i」~「l」は、省略され得る。この場合、各記号は、4つの各車輪の総称を表す。加えて、制動系統に係る記号末尾の添字「f」、「r」は、「f」が前輪系統、「r」が後輪系統を示す。添字「f」、「r」は省略され得る。この場合、各記号は、2つの各制動系統の総称を表す。
制動制御装置SC(特に、コントローラECU)には、リフトアップ抑制制御ブロックLC、及び、制動力配分制御ブロックHCが含まれる。リフトアップ抑制制御ブロックLCでは、リフトアップ抑制制御が実行される。リフトアップ抑制制御は、制動時に後輪WHrの浮き上がりを抑制する制御である。具体的には、リフトアップ抑制制御では、車両の減速度Ge(又は、Gx)、及び、減速度変化量dGに基づいて後輪リフトアップ状態が判定され、前輪WHfの制動力が抑制される。
リフトアップ抑制制御ブロックLCは、車体速度演算ブロックVX、減速度演算ブロックGE、変化量演算ブロックDG、しきい値演算ブロックGS、リフトアップ判定ブロックLA、及び、前輪液圧抑制ブロックLBにて構成される。
車体速度演算ブロックVXでは、ステップS120と同様の方法で、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。減速度演算ブロックGE(「減速度取得手段」に相当)では、ステップS130と同様の方法で、車体速度Vxに基づいて、減速度Geが演算される(即ち、減速度Geは、車体速度Vxの微分値)(以上、図2を参照)。変化量演算ブロックDGにて、減速度Geに基づいて、減速度Geの時間変化量dGが演算される。具体的には、車両減速度Geが時間微分されて、減速度変化量dGが演算される。
しきい値演算ブロックGSにて、減速度変化量dG、及び、演算マップZgsに基づいて、しきい減速度Gsが演算される。しきい減速度Gsは、リフトアップ抑制制御の実行開始を判定するためのしきい値である。演算マップZgsに従って、減速度変化量dGが大きいほど、しきい減速度Gsは小さくなるように決定される。しきい減速度Gsには、上限値ga、及び、下限値gbが設定される。
リフトアップ判定ブロックLAにて、減速度変化量dG、減速度Ge、及び、しきい減速度Gsに基づいて、リフトアップ抑制制御の実行開始が判定される。具体的には、「減速度変化量dGが所定変化量dx以上、且つ、減速度Geがしきい減速度Gs以上」の条件が満足される場合に、リフトアップ抑制制御の実行が開始される。つまり、「dG<dx」、及び、「Ge<Gs」のうちの少なくとも1つが成立している場合には、実行開始されず、「dG≧dx、且つ、Ge≧Gs」が成立した時点で、制御開始される。ここで、所定変化量dxは、予め設定された定数(所定値)である。
減速度Geに代えて、減速度Gxが採用され得る。ここで、減速度Gxは、減速度センサGX(減速度取得手段)によって検出される。減速度Gx(検出値)、及び、減速度Ge(演算値)の両方が、判定に用いられてもよい。
リフトアップ判定ブロックLAにて、制御実行の開始が判定されると、前輪液圧抑制ブロックLBにて、前輪液圧Pwf(前輪ホイールシリンダCWfの液圧)の制限が実行される。具体的には、リフトアップ判定ブロックLAからの実行指令を受け、前輪液圧抑制ブロックLBから、駆動回路DRに、前輪WHfに係るインレット弁VIf(=VIi、VIj)を閉位置に駆動する信号が送信される。前輪インレット弁VIfが、開位置、及び、閉位置が周期的に繰り返されることで、制動操作部材BPの操作に応じた増圧勾配よりも、実際の前輪液圧Pwfの増圧速度(制動液圧の増加における時間勾配であり、「増圧勾配」ともいう)が小さくなるよう、増圧制限が行われる。
例えば、前輪インレット弁VIfのデューティ比によって、増圧速度が調整される。ここで、「ディーティ比」は、単位時間当たりの通電時間(オン時間)の割合である。前輪インレット弁VIfは常開型電磁弁であるため、デューティ比の「0%」が常時開状態に対応し、「100%(常時通電)」が常時閉状態に対応する。従って、前輪インレット弁VIfのデューティ比が、「0%」よりも大きい値に決定され、前輪液圧Pwfの増圧勾配が調整される。また、前輪液圧Pwfが、リフトアップ抑制制御の上限値puに達した場合には、前輪液圧Pwfは、上限液圧pu以上にならないよう、制限される。ここで、上限液圧puは予め設定された定数(所定値)である。車両の減速度Ge、Gxに基づいて、液圧モジュレータHUによって前輪液圧Pwfの増加を制限するリフトアップ抑制制御により、後輪WHrの浮き上がり(リフトアップ)が抑制される。
リフトアップ抑制制御の実行判定に係るしきい値(所定変化量)dx、及び、演算マップZgsのうちの少なくとも1つは、前輪系統、及び、後輪系統の何れかに失陥がある場合(即ち、制動装置SDの失陥時であり、「制動失陥時」ともいう)には、該制御が実行されないように設定されている。例えば、制動失陥時には、減速度変化量dGが所定変化量dx(判定しきい値)以上とならないように、所定値dxが設定される。或いは、「Pm=pu」における制動失陥時の減速度Ge、Gxが、演算マップZgs(しきい減速度Gsの演算特性)の下限値gb未満となるよう、下限値gbが設定される。従って、制動失陥時には、リフトアップ抑制制御が実行されない。
制動力配分制御ブロックHCでは、制動力配分制御(単に、「配分制御」ともいう)が実行される。配分制御では、前輪速度Vwfと後輪速度Vwrとが比較され、その比較結果に基づいて、後輪WHrの減速スリップが増大しないよう、後輪液圧Pwrに制限が加えられる。後輪WHrの制動力が抑制された結果、前輪WHfの横力が確保され、車両の安定性が向上される。制動力配分制御ブロックHCには、後輪スリップ判定ブロックEA、及び、後輪液圧抑制ブロックEBが含まれる。
後輪スリップ判定ブロックEAでは、車輪速度Vwに基づいて、「後輪WHrの減速スリップが過大であるか、否か」が判定される。例えば、該判定では、前輪速度Vwfから、所定速度veが減算されて、しきい速度Veが演算される(即ち、「Ve=Vwf-ve」)。しきい速度Veは、配分制御実行の基準となる値であり、所定速度veは、予め設定された定数(所定値)である。後輪速度Vwrがしきい速度Ve以上の場合には、配分制御は実行されない。後輪速度Vwrがしきい速度Ve未満となった時点(演算周期)にて、配分制御の実行が開始される。即ち、配分制御では、前輪速度Vwfと後輪速度Vwrとの比較に基づいて、後輪速度Vwrの過度の低下(つまり、後輪減速スリップの増大)が抑制される。
後輪スリップ判定ブロックEAからは、制動力配分制御の実行状態を表す作動フラグFeが出力される。作動フラグFeは、配分制御が実行されていない場合には「0」にされ、実行されている場合には「1」にされる。従って、配分制御の開始時点(演算周期)にて、作動フラグFeは、「0」から「1」に切り替えられる。
後輪スリップ判定ブロックEAからの実行指令を受け、後輪液圧抑制ブロックEBから、駆動回路DRに、後輪WHrに係るインレット弁VIr(=VIk、VIl)を閉位置に駆動する信号が送信される。後輪インレット弁VIrにて、開位置、及び、閉位置が周期的に繰り返されることで、制動操作部材BPの操作に応じた増圧勾配よりも、実際の後輪液圧Pwrの増圧勾配が小さくなるよう、或いは、後輪液圧Pwrが一定液圧に維持されるよう、増圧の制限が行われる。
前輪インレット弁VIfと同様に、後輪インレット弁VIrのデューティ比(単位時間当たりの通電時間の割合)によって、増圧速度(増圧勾配)が調整される。後輪インレット弁VIrも常開型電磁弁であるため、後輪インレット弁VIrのデューティ比が、「0%」よりも大きい値に決定され、後輪液圧Pwrの増圧勾配が調整される。例えば、後輪インレット弁VIrのディーティ比は、「100%」に決定され、後輪液圧Pwrは保持される(即ち、増圧速度が「0」)。後輪速度Vwrが、前輪速度Vwfよりも、所定速度veを超えて小さくならないよう(つまり、後輪速度Vwrが、前輪速度Vwfから所定速度veを減じた値Ve未満にならないよう)、液圧モジュレータHUによって後輪液圧Pwrの増加を制限する制動力配分制御が実行される。該制御により、後輪WHrの制動力の発生が抑制され、横力が確保される。結果、車両安定性が向上され得る。
例えば、車輪WHの過大な減速スリップ(例えば、車輪ロック)を抑制するアンチスキッド制御の実行ブロックには、液圧推定演算ブロックPEが含まれる。液圧推定演算ブロックPEでは、マスタシリンダ液圧Pm、及び、液圧モジュレータHUの作動状態(つまり、駆動回路DRにおけるインレット弁VI、アウトレット弁VOの駆動状態)に基づいて、各ホイールシリンダCWの推定液圧Peが演算される。
前輪失陥判定ブロックHNでは、作動フラグFe、及び、推定液圧Pe(特に、前輪推定液圧Pef)に基づいて、前輪制動系統の失陥(前輪失陥)が判定される。具体的には、制動力配分制御が実行されている場合(「Fe=1」の状態)において、前輪推定液圧Pef(「推定値」に相当)が、上限液圧puに達した時点にて、前輪失陥が判定される。制動力配分制御が実行されていることは、後輪に制動力が発生されていることを意味する。また、制動装置SDに失陥が生じていない場合には、リフトアップ抑制制御が実行され、前輪制動液圧Pwfが制限されるはずである。しかし、前輪推定液圧Pefが、リフトアップ抑制制御の上限液圧puに達したことは、リフトアップ抑制制御が実行されていないため、制動装置SDに失陥があること(即ち、2つの制動系統のうちの1つに失陥発生)が判定される。つまり、「後輪制動力が発生していること(配分制御からの情報)」、及び、「制動失陥が発生していること(リフトアップ抑制制御からの情報)」に基づいて、前輪制動系統の失陥が判定される。
前輪失陥判定ブロックHNにて、後輪制動系統の失陥(前輪失陥)が判定されると、制動力配分制御ブロックHCの後輪スリップ判定ブロックEAに制御を禁止する旨の信号(禁止信号)が送信される。これを受けて、制動力配分制御ブロックHCでは、制動力配分制御の実行が終了される。後輪制動力の制限が解除されるため、車両減速度が向上され得る。
第2の判定例では、個別の判定アルゴリズム(図2を参照)が採用されず、制動力配分制御、リフトアップ抑制制御、及び、アンチスキッド制御の演算結果に基づいて、前輪制動系統の失陥が判定される。このため、制動制御装置SCのコントローラECU(特に、マイクロプロセッサMP)において、メモリ容量が低減されるとともに、演算処理速度が向上され得る。
<第2の判定例の作動>
図4の時系列線図を参照して、第2の判定例の作動について説明する。線図では、前輪失陥が生じている車両が想定されている。
時点u0にて、制動操作部材BPの操作が開始され、マスタシリンダ液圧Pmの増加が開始される。推定液圧Peが、マスタシリンダ液圧Pm、及び、液圧モジュレータHU(特に、インレット弁VI、アウトレット弁VO)の作動状態に基づいて演算される。例えば、推定液圧Peの演算は、アンチスキッド制御に含まれている。リフトアップ抑制制御の非実行時には、前輪インレット弁VIfは常時開状態(非通電)であるため、前輪推定液圧Pefとマスタシリンダ液圧Pmとは一致する。
制動時には、制動力配分制御の実行用に、前輪速度Vwfから所定速度veが減算されて、しきい速度Veが決定される。マスタシリンダ液圧Pmの増加に伴い車両の減速度Ge(又は、Gx)が増加されるが、前輪失陥のため、車両減速は後輪制動力のみによる。従って、破線で示す制動装置SDの正常時に比較して、減速度Geの増加は小さい。
時点u1にて、後輪速度Vwrがしきい速度Ve未満となり、制動力配分制御の実行が開始される。これにより、制動力配分制御の作動フラグFeが、「0」から「1」に遷移される。制動力配分制御の実行により、後輪液圧Pwrの増加が制限され、後輪速度Vwrの減少(即ち、後輪WHrの減速スリップの増大)が抑制される。時点u2にて、前輪推定液圧Pefが、上限液圧pu以上になり、前輪失陥が判定される。該判定結果に従って、時点u2にて、制動力配分制御が終了される。
<作用・効果>
以下、本発明に係る制動制御装置SCの作用・効果についてまとめる。
車両(例えば、貨物積載車両)は、マスタシリンダCMから制動液BFを圧送し、ホイールシリンダCWに制動液圧Pwを付与する制動装置SDを有する。制動装置SDは、2系統の制動系統を有し、一方の制動系統が前輪ホイールシリンダCWfに接続され、他方の制動系統が後輪ホイールシリンダCWrに接続される(即ち、前後型配管の制動装置SD)。本発明に係る制動制御装置SCは、該車両に備えられる。制動制御装置SCは、制動液圧Pwを調整する液圧モジュレータHUと、マスタシリンダCMの液圧をマスタシリンダ液圧Pmとして検出する液圧センサPMと、車両の車輪速度Vwを検出する車輪速度センサVWと、車両減速度Ge、Gxを取得する減速度取得手段S130、GE、GXと、車輪速度Vwに基づいて液圧モジュレータHUを制御するコントローラECUと、にて構成される。
コントローラECUでは、以下の2つの条件が成立した場合に、制動装置SDの前輪WHfに係る制動系統が失陥状態であること(例えば、前輪マスタシリンダ室Rmf、前輪流体路HMf、HWf、及び、前輪ホイールシリンダCWfのうちの少なくとも1つの故障)が判定される。
条件A(マスタシリンダ液圧Pmと減速度Ge、Gxとの相互関係に関する条件):
マスタシリンダ液圧Pmが、所定液圧px以上の場合であって、減速度Ge、Gxが所定減速度gx未満であること。
条件B(車輪の減速度スリップに関する条件):
後輪WHrの車輪速度(後輪速度)Vwrが、前輪WHfの車輪速度(前輪速度)Vwfよりも所定速度vsだけ小さい基準速度Vs未満であること。
条件Aに基づいて、前輪失陥、又は、後輪失陥の発生が判定されるとともに、条件Bに基づいて、失陥が前輪制動系統で発生していることが識別される。このため、前輪制動系統の失陥が、より確実に判定され得る。
制動制御装置SCでは、リフトアップ抑制制御、及び、制動力配分制御が実行される。
リフトアップ抑制制御では、後輪WHrの浮き上がりを抑制するよう、車両減速度Ge、Gxに基づいて、前輪制動液圧(前輪ホイールシリンダCWfの液圧)Pwfの増加が制限(抑制)される。なお、リフトアップ抑制制御では、制動装置SDの失陥が発生している場合には実行されないよう、しきい値、演算マップ等が設定されている。
制動力配分制御では、前輪速度Vwfと後輪速度Vwrとの比較結果に応じて、後輪減速スリップの増大が抑制されるよう、後輪制動液圧(後輪ホイールシリンダCWrの液圧)Pwrの増加が制限(抑制)される。例えば、制動力配分制御では、後輪速度Vwrが、前輪速度Vwfよりも、所定速度veだけ小さい値(しきい速度)Ve未満にならないよう、後輪液圧Pwrが制限される。
コントローラECUでは、以下の2つの条件が成立した場合に、制動装置SDの前輪WHfに係る制動系統(例えば、前輪マスタシリンダ室Rmf、前輪流体路HMf、HWf、前輪ホイールシリンダCWf)が失陥状態であることが判定される。
条件C(制動力配分制御に関する条件):
制動力配分制御が実行されていること(つまり、「Fe=1」であること)。
条件D(リフトアップ抑制制御に関する条件):
前輪ホイールシリンダCWfの推定液圧(液圧の推定値)Pefがリフトアップ制御の前輪液圧Pwfの上限液圧pu以上であること。ここで、前輪推定液圧Pefは、マスタシリンダ液圧Pm、及び、液圧モジュレータHUの作動状態に応じて推定演算される。
個別の判定アルゴリズムではなく、制動力配分制御、リフトアップ抑制制御、アンチスキッド制御等の演算結果が利用されて、前輪制動系統の失陥が判定される。このため、制動制御装置SCのコントローラECU(特に、マイクロプロセッサMP)において、メモリ容量が低減される。また、コントローラECUの演算が簡素化されるため、その処理が高速化され得る。
SD…制動装置、SC…制動制御装置、BP…制動操作部材、BF…制動液、CM…マスタシリンダ、CW…ホイールシリンダ、HU…液圧モジュレータ、HM…マスタシリンダ流体路、HW…ホイールシリンダ流体路、UP…調圧弁、VI…インレット弁、VO…アウトレット弁、ML…電気モータ、QL…流体ポンプ、ECU…コントローラ、PM…マスタシリンダ液圧センサ、VW…車輪速度センサ、GX…減速度センサ、Pm…マスタシリンダ液圧、Vw…車輪速度、Gx…減速度(検出値)、Ge…減速度(演算値)、Vx…車体速度、Pe…推定液圧。


Claims (4)

  1. マスタシリンダから制動液を圧送し、ホイールシリンダに制動液圧を付与する制動装置を有する車両に備えられた車両の制動制御装置において、
    前記制動液圧を調整する液圧モジュレータと、
    前記マスタシリンダの液圧をマスタシリンダ液圧として検出する液圧センサと、
    前記車両の車輪速度を検出する車輪速度センサと、
    前記車両の減速度を取得する減速度取得手段と、
    前記車輪速度に基づいて前記液圧モジュレータを制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記マスタシリンダ液圧が所定液圧以上の場合に前記減速度が所定減速度未満であり、
    前記車両の後輪の前記車輪速度である後輪速度が、前記車両の前輪の前記車輪速度である前輪速度よりも所定速度だけ小さい基準速度未満である場合に、前記制動装置の前記前輪に係る制動系統が失陥状態であることを判定するよう構成された、車両の制動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記後輪速度と前記前輪速度との比較に基づいて、前記後輪の減速スリップの増大を抑制するよう、前記液圧モジュレータを介して前記後輪に対する前記制動液圧である後輪液圧の増加を制限する制動力配分制御を実行し、
    前記失陥状態が判定された場合には、前記制動力配分制御の実行を禁止するよう構成された、車両の制動制御装置。
  3. マスタシリンダから制動液を圧送し、ホイールシリンダに制動液圧を付与する制動装置を有する車両に備えられた車両の制動制御装置において、
    前記制動液圧を調整する液圧モジュレータと、
    前記マスタシリンダの液圧をマスタシリンダ液圧として検出する液圧センサと、
    前記車両の車輪速度を検出する車輪速度センサと、
    「前記車両の減速度に基づいて前記車両の後輪の浮き上がりを抑制するよう、前記液圧モジュレータを介して前記車両の前輪に対する前記制動液圧である前輪液圧の増加を制限するリフトアップ抑制制御」、及び、「前記後輪の前記車輪速度である後輪速度と、前記前輪の前記車輪速度である前輪速度との比較に基づいて前記後輪の減速スリップの増大を抑制するよう、前記液圧モジュレータを介して前記後輪に対する前記制動液圧である後輪液圧の増加を制限する制動力配分制御」を実行するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記制動装置が失陥状態にある場合には、前記リフトアップ抑制制御を実行せず、
    前記マスタシリンダ液圧、及び、前記液圧モジュレータの作動状態に応じて前記前輪液圧の推定値を演算し、
    前記制動力配分制御が実行され、前記推定値が前記リフトアップ抑制制御の前記前輪液圧の上限液圧以上の場合に、前記制動装置の前記前輪に係る制動系統が失陥状態であることを判定するよう構成された、車両の制動制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記失陥状態が判定された場合には、前記制動力配分制御の実行を終了するよう構成された、車両の制動制御装置。


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