JP7013478B2 - 酸化によって芳香族ジカルボン酸を生産するためのエネルギー・環境統合型方法 - Google Patents

酸化によって芳香族ジカルボン酸を生産するためのエネルギー・環境統合型方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7013478B2
JP7013478B2 JP2019546900A JP2019546900A JP7013478B2 JP 7013478 B2 JP7013478 B2 JP 7013478B2 JP 2019546900 A JP2019546900 A JP 2019546900A JP 2019546900 A JP2019546900 A JP 2019546900A JP 7013478 B2 JP7013478 B2 JP 7013478B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
aromatic dicarboxylic
filter cake
water
dicarboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019546900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020509015A (ja
Inventor
ホセ、ガブリエル、キンテロ、バラハス
パメラ、シャンタル、ラミレス、ソーサ
アルフレド、エスコバル、ロペス
ベローナ、メディナ、バレンシア
アルトゥロ、ブルバレーラ、クロダ
ベルータ、モラン、デルガド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Grupo Petrotemex SA de CV
Original Assignee
Grupo Petrotemex SA de CV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Grupo Petrotemex SA de CV filed Critical Grupo Petrotemex SA de CV
Publication of JP2020509015A publication Critical patent/JP2020509015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7013478B2 publication Critical patent/JP7013478B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/16Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
    • C07C51/21Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen
    • C07C51/255Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting
    • C07C51/265Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting having alkyl side chains which are oxidised to carboxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C63/00Compounds having carboxyl groups bound to a carbon atoms of six-membered aromatic rings
    • C07C63/14Monocyclic dicarboxylic acids
    • C07C63/15Monocyclic dicarboxylic acids all carboxyl groups bound to carbon atoms of the six-membered aromatic ring
    • C07C63/261,4 - Benzenedicarboxylic acid
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/582Recycling of unreacted starting or intermediate materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、ジアルキル置換芳香族化合物の液相酸化によって芳香族ジカルボン酸を生産するための省エネルギー系及び方法であって、環境に安全な手法で芳香族ジカルボン酸を調製するために触媒及び反応物を収集及び再循環させる前記方法に関する。この系、したがってこの方法の要素を既存の化学プラントに追加導入して、高品質の生成物を得ながら、エネルギー及び生産効率の上昇を得ることができる。
液相酸化反応は、アルデヒドを酸へと(例えば、プロピオンアルデヒドをプロピオン酸へと)酸化させるために、シクロヘキサンをアジピン酸へと酸化させるために、及びアルキル芳香族をアルコール、酸、または二酸へと酸化させるために一般的に使用される。アルキル芳香族の酸化の重要な一例は、パラ-キシレンを、ポリエチレンテレフタラート(「PET」)の生産における原材料であるテレフタル酸へと液相触媒により酸化させることである。PETは、ボトル、繊維、及び包装材料などの製品を作製するために世界中で大量に使用されている、よく知られているプラスチックである。
液相酸化プロセスでは、液相供給流及び気相酸化剤流を反応器に導入し、反応器内で多相反応媒質を形成する。反応器に導入された液相供給流は、少なくとも1種の酸化可能な有機化合物を含有する一方で、気相酸化剤流は、酸素分子を含有する。気体として反応器に導入された酸素分子の少なくとも一部が反応媒質の液相に溶解して、液相反応のための酸素利用可能性をもたらす。多相反応媒質の液相が不十分な濃度の酸素分子しか含有しない場合(すなわち、反応媒質の一定部分が「酸素欠乏」している場合)、望ましくない副反応が不純物を生成し得る、及び/または意図されている反応が速度において抑制され得る。
反応媒質の液相が含有する酸化可能な化合物が少なすぎる場合、反応速度は不必要に遅くなり得る。さらに、反応媒質の液相が過剰な濃度の酸化可能な化合物を含有する場合、追加の望ましくない副反応が不純物を生成し得る。したがって、高い純度の生成物を最小限の費用で得るために、原料のリサイクル、最小限のエネルギー消費及び最小限の廃棄物処理費用を含めて、原料の効率的な利用を達成するためのかなりの努力が払われている。
多相酸化反応媒質の均一な分布を得るために、液相酸化反応器は、反応媒質の液相への酸素分子の溶解を促進し、反応媒質の液相において溶解酸素の比較的均一な濃度を維持し、かつ酸化可能な有機化合物の比較的均一な濃度を維持するための撹拌手段を備えていてよい。
したがって、反応媒質の撹拌が、連続式撹拌タンク型反応器(「CSTR」)において用意されているような機械的撹拌によってもたらされることがある。しかしながら、CSTRには、高価なモーター、流体シール軸受及びドライブシャフトについてのそれらの要件、及び/または複雑な撹拌機構によって、比較的高い資本費がかかる。さらに、従来のCSTRの回転及び/または振動機械部品は、定期補修を必要とする。そのような補修に随伴する作業時間及び操業停止は、CSTRの運転費用を増やす。しかしながら、定期補修をしても、CSTRで使用される機械撹拌系は、機械的に故障しやすく、比較的短期間で交換を必要とすることがある。
気泡塔型反応器は、高価で信頼できない機械装置を必要とせずに、反応媒質の撹拌をもたらす。気泡塔型反応器は典型的には、細長い直立反応帯域を含み、その中に、反応媒質が含有される。反応帯域での反応媒質の撹拌は主に、反応媒質の液相を通じて上昇する気泡の天然浮力によって得られる。気泡塔型反応器内で得られるこの天然浮力撹拌によって、機械式撹拌反応器と比較して、資本及び補修費用が減少する。さらに、気泡塔型反応器に随伴する可動式メカニズム部が実質的に存在しないことで、機械式撹拌反応器よりも機械的に故障しにくい酸化系が得られる。
大量の目的の酸化生成物、例えば、テレフタル酸の効率的な製造は、酸化プロセスと関係しているだけではなく、生成物の後処理及び単離とも関係しており、連続して、または平行して行われる多数のユニット運転が多くの場合に、製造プロセス全体で使用される。これらの運転のそれぞれが、エネルギー入力を必要とし得るか、または捕捉及び利用され得るエネルギー源であり得る。さらに、廃棄物及び環境への影響を最小限にしながら生成物収率及び純度を最適化するための反応変数及び反応物化学量論の制御が、運転において商業的な成功を収める鍵であり得る。
テレフタル酸は従来、パラ-キシレンを液相酸化させることによって生産されている。典型的なプロセスでは、溶媒液相供給流及び気相酸化剤流を、触媒系を含む一次酸化反応器に導入し、反応器中で多相反応媒質を形成する。液相で存在する溶媒は一般に、酢酸及び水などの低分子量有機酸を含む。溶媒を再循環させる生産系では、溶媒は、例えば、パラ-トルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、4-カルボキシベンズアルデヒド(4-CBA)、安息香酸、パラ-トルイル酸、パラ-トルイル酸アルデヒド(4-メチルベンズアルデヒド)、アルファ-ブロモ-パラ-トルイル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメリト酸、ポリ芳香族、及び/または懸濁微粒子などの不純物を少量含有してもよい。
触媒は、コバルト、臭素、及びマンガンを含む均一系の液相系である。
上記のとおり、一次酸化反応のための気泡塔型反応器の使用は、従来の連続式撹拌型タンク反応器を超える多くの利点をもたらし、気泡塔型反応器を用いる酸化プロセスは、例えば、米国特許第7,355,068号、米国特許第7,371,894号、米国特許第7,568,361号、米国特許第7,829,037号、米国特許第7,910,769号、米国特許第8,501,986号、米国特許第8,685,334号及び米国特許第8,790,601号に開示されており、それらの内容は参照によって本明細書に援用される。気泡塔型反応器は典型的には、細長い直立反応帯域を含み、その中に、反応媒質が含有され、反応帯域内での反応媒質の撹拌は主に、反応媒質の液相を通じて上昇する気泡の天然浮力によって得られる。気泡塔型反応器内で得られるこの天然浮力撹拌によって、機械式撹拌反応器と比較して、購入電力、資本及び補修費用が減少する。
初期酸化反応器系は、液相の酸化可能な化合物の大部分の酸化をもたらす一次酸化反応器と、任意選択で、少なくとも1つの二次酸化反応器との両方を含み得る。米国特許第7,393,973号(その全体が参照によって本明細書に援用される)において後酸化または早期酸化的蒸解とも称されるこの二次酸化の主要な目的は、蒸解のより厳しい酸化条件に入る前に、一次酸化からTPAへと進む液相芳香族酸化中間体のかなりの部分を酸化させることである。これによって、一次酸化の後に受ける炭素酸化物への過酸化の総量が有効に減少する。
一次酸化系から取り出される生成物は典型的には、微粒子固相の粗製のテレフタル酸(CTA)及び母液を含むスラリーである。CTAは、それを、PETを生産するための原材料としては不適当なものにする比較的高レベルの不純物(例えば、4-カルボキシベンズアルデヒド、パラ-トルイル酸、フルオレノン、及び他の着色体)を含有する。したがって、CTAは典型的には、CTA粒子をポリエチレンテレフタラートの生産に適し得る精製テレフタル酸(PTA)粒子に変換する精製プロセスに掛けられる。CTAのさらなる精製は、酸化蒸解処理を含み、続いて、水素化処理が続き得る。
典型的には、一次酸化系から得られる母液中のCTA粒子のスラリーは、約10~約50重量パーセントの固体CTA粒子を含有し得て、その残分は主に、酢酸母液である。一次酸化系から取り出された当初スラリー中に存在する固体CTA粒子は、約400ppmw~約15,000ppmwの4-カルボキシベンズアルデヒド(4-CBA)を含有し得る。
CTAは、さらなる酸化反応が一次及び二次酸化反応器において用いられたよりも、わずかから、かなり高い温度で行われる「蒸解装置」と一般に称される一連の追加の酸化反応器での酸化蒸解処理によって、PTAに変換することができる。任意選択で、CTA粒子のスラリーを溶媒交換ステップに掛け、その後、蒸解装置ユニットに進めることができ、それによって、交換された溶媒は、低濃度の芳香族不純物及び/または蒸解装置ユニットにおける酸化触媒作用により好適であるように再調節された変更された濃度の触媒及び水を有する。任意選択で、蒸解装置ユニットに入れる前に、CTAスラリー中の固体の質量分率も、溶媒を交換して、または交換せずに調節することができる。
沈殿した酸化中間体不純物を一連の蒸解装置の酸化で利用可能にするために、粒子を一次酸化よりも高温に暴露して、CTA粒子を少なくとも部分的に溶解し、不純物を、蒸解装置に注入された追加の酸素分子を含む液相酸化に暴露する。CTAスラリーの温度が、一次酸化においてCTAが形成された温度を適度に越えて上昇したとき、小さいCTA粒子の高い表面積、結晶不完全性、及び超平衡不純物濃度は、テレフタル酸の部分的な溶解及び進行中の再結晶化にとって、動力学的かつ熱力学的に有利である。
蒸解装置系で行われるさらなる酸化は、CTA粒子の4-CBAの濃度を低減することを意図する。蒸解温度は、一次酸化温度より5℃~約90℃高い温度であってよく、典型的には約150℃~約280℃であってよい。
蒸解処理の第二の効果として、テレフタル酸粒子は、一次酸化の出口流のCTA粒子と比較して狭められた粒度分布を有する、より大きな粒子を提供する傾向のあるオストワルト熟成を経てもよい。
蒸解プロセスの第3の効果として、再結晶化されたテレフタル酸粒子に含まれる、テレフタル酸を形成するための触媒的酸化的修正に抵抗する多くの不純物の濃度が低減され、不純物には、例えばポリ芳香族カルボン酸種、なかでも特に、多くの着色種、例えば、2,6-DCF、及び2,7-DCFが含まれる。この減少は、一次酸化よりも高い作動温度、及び蒸解プロセスの間の伸ばされた再結晶時間の両方に起因して、酸化抵抗性不純物の固相及び液相の間の平衡分布により近づくことによって生じる。任意の溶媒交換ステップに、比較的より純粋な溶媒、例えば、パラ-キシレンの酸化によって生じる水を除去するために使用される溶媒脱水プロセスから蒸留された含水酢酸を使用した場合、酸化抵抗性不純物の固相濃度の低下はさらに強化される。
蒸解処理の後に、酸化蒸解からの精製生成物を1つまたは複数の結晶化ユニットにおいて結晶化及び収集し、濾過によって母液濾液及び濾過ケーキへと単離することができる。フィルターケーキを溶媒で十分に洗浄して、触媒及び、酸化プロセス中に生じる酢酸メチルを含む他の不純物を除去する。
次いで、フィルターケーキをブローして、残留している洗浄液及び母液を除去し、オーブン系で乾燥させて、残留溶媒を除去することができる。
次いで、従来の水素化プロセスを、さらなる精製のために用いることができる。乾燥させた洗浄済みのフィルターケーキを水中で再スラリー化し、接触水素化させて、不純物をより望ましい、及び/または容易に分離可能な化合物に変換する。
テレフタル酸を、複数の結晶化ステップを介して水素化溶液から選択的に沈殿させ、かつ単離することができる。
一次酸化、蒸解、結晶化、濾過、乾燥及び精製に必要な多系は、様々な運転の熱制御のためのエネルギー管理、酸化及び蒸解系からの排出蒸気を管理するためのオーバーヘッド系、空気酸化剤の供給ならびに溶媒及び触媒を収集及び再循環させるための系を必要とする。したがって、生産効率及び生成物収率を最大化させながら全エネルギー必要量を減少させるために、ジアルキル芳香族化合物を酸化させるための既存の液相酸化系をさらに統合することが必要とされている。既存の技術と比較して、効率的なエネルギー管理、物質再循環及び廃棄物最小化を提供する新たな液相酸化系を開発することが、さらに必要とされている。
したがって、本発明の目的の1つは、ジアルキル芳香族化合物のための既存の液相酸化系においてエネルギー及び物質管理を統合して、エネルギー消費の全体的減少及び生産効率の著しい改善をもたらす方法を提供することである。
本発明の別の目的は、従来の系と比較してエネルギー消費が著しく減少していて、かつ生産効率が著しく改善されている、ジアルキル芳香族化合物の液相酸化系のための新たな方法及び系を提供することである。
これらの、及び他の目的が本発明によって提供され、その第1の実施形態は、芳香族ジカルボン酸を調製するための連続プロセスであって:
一次気泡塔型反応器内で、触媒の存在下で、酢酸反応媒質中でジ-アルキル置換芳香族化合物を圧縮空気で酸化させること;
触媒を含有する前記三相反応媒質の一部を、前記一次気泡塔型反応器から、圧縮空気が供給されている後酸化気泡塔ユニットに移動させること;
前記後酸化された反応媒質を脱ガスユニットに搬送し、前記後酸化反応媒質をオーバーヘッドガス及びアンダーフロースラリーに分離すること;
前記一次酸化反応器及び前記後酸化反応器のそれぞれからのオーバーヘッドガスを前記脱ガスユニットからの前記オーバーヘッドガスと共に収集し、合わせたオーバーヘッドガスを水除去塔に導くこと;
前記アンダーフロースラリーを脱ガスユニットから蒸解ユニットへと搬送し、その際、アンダーフロースラリーの温度を、沈澱した固体を少なくとも部分的に溶解させる温度に上昇させ、露出した中間酸化生成物を、前記アンダーフロースラリー中に存在する空気及び触媒でさらに酸化させて、最終酸化スラリーを得ること;
オーバーヘッドガスを蒸解ユニットから水除去塔へと移動させること;
前記最終酸化スラリーを結晶化させて、前記芳香族ジカルボン酸の濾過準備完了スラリーを得ること;
前記濾過準備完了スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、母液濾液及びフィルターケーキを得ること;
を含み、その際、
前記水除去塔に送られた前記オーバーヘッドガスを、前記水除去塔内で、前記塔の頂部から除去されたスチームを含む排出ガスと、酢酸を含むアンダーフロー液とに分離し、
スチームを含む前記排出ガスのエネルギーの少なくとも一部を収集し、前記圧縮空気を前記気泡塔一次反応器及び前記後酸化気泡塔ユニットに供給するための空気圧縮機を駆動するために用い、かつ
前記連続酸化の含水率を、前記水除去塔排出ガスから凝縮された水を除去することによって制御する、前記連続プロセスを提供する。
さらなる一態様では、第1の実施形態は、前記フィルターケーキを酢酸で洗浄すること;
前記酢酸洗浄されたフィルターケーキに窒素ガスを流して、固体フィルターケーキを得ること;
前記固体フィルターケーキを乾燥させて、溶媒を除去すること;
前記芳香族ジカルボン酸の前記乾燥フィルターケーキを水性媒体中で再スラリー化及び精製して、精製ジカルボン酸スラリーを得ること;
前記精製された水性スラリーをロータリー圧力フィルター内で濾過して、前記芳香族ジカルボン酸の最終フィルターケーキ及び水性母液濾液を得ること;
前記水性母液濾液を膜濾過して、透過水を得ること;及び
前記透過水を前記水除去塔に搬送すること
を含み得る。
別の態様では、第1の実施形態は:
前記芳香族ジカルボン酸の前記乾燥フィルターケーキを水性媒体中で再スラリー化すること;
水素化触媒の存在下で、前記水性スラリーを水素で処理して、結晶化準備完了の芳香族ジカルボン酸スラリーを得ること;
前記芳香族ジカルボン酸を一連の少なくとも2つの結晶化ユニットで結晶化させること;
前記結晶化水性スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、前記芳香族ジカルボン酸及び水性母液濾液の最終フィルターケーキを得ること;
前記水性母液濾液を膜濾過して、透過水を得ること;及び
前記透過水を前記水除去塔に、水還流物として搬送すること
を含み得る。
第2の実施形態では、本発明の連続酸化プロセスはさらに:
前記フィルターケーキを水で洗浄して、溶媒及び触媒を除去すること;
前記水洗浄されたフィルターケーキに窒素ガスを流して、固体フィルターケーキを得ること;
前記芳香族ジカルボン酸の前記固体フィルターケーキを水性媒体中で再スラリー化及び精製して、精製芳香族ジカルボン酸スラリーを得ること;
前記精製された水性スラリーをロータリー圧力フィルター内で濾過して、前記芳香族ジカルボン酸の最終フィルターケーキ及び水性母液濾液を得ること;
前記水性母液濾液を膜濾過して、透過水を得ること;及び
前記透過水を前記水除去塔に搬送すること
を含む。
第2の実施形態のさらなるバージョンでは、前記ジカルボン酸の前記乾燥フィルターケーキの再スラリー化及び精製は:
前記芳香族ジカルボン酸の前記固体フィルターケーキを水性媒体中で再スラリー化すること;
水素化触媒の存在下で、前記水性スラリーを水素で処理して、結晶化準備完了の芳香族ジカルボン酸スラリーを得ること;
前記芳香族ジカルボン酸を結晶化ユニット内で結晶化させること;
前記結晶化水性スラリーをロータリー圧力フィルター内で濾過して、前記芳香族ジカルボン酸の最終フィルターケーキ及び水性母液濾液を得ること;
水性母液濾液を膜濾過して、透過水を得ること;及び
前記透過水を前記水除去塔に水還流物として搬送すること
を含む。
すべての上記実施形態及びその態様の特定のバージョンでは、ジ-アルキル置換芳香族化合物は、パラ-キシレンであり、芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸である。
上述のパラグラフを一般的な序論によって提供してきたが、それらは、下記の特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。記載の実施形態は、さらなる利点と一緒に、添付の図面と併せて下記の詳細な説明を参照することによって最良に理解されるであろう。
本開示及びそれに付随する多くの利点のより完全な理解は、それらが、添付の図面と関連して考慮される場合に以下の詳細な説明を参照することによってより良好に理解されるようになるにつれて、容易に得られる。
本発明の様々な実施形態によるプロセスで用いられるユニット系の模式図が示されている。 本発明の一実施形態による物質供給及び再循環ユニットの配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による酸化ユニットの配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による水除去ユニットの配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態によるエキスパンダーユニット(ドライエキスパンダー)の配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による圧縮空気供給ユニットの配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による代替のエキスパンダーユニット(ウェットエキスパンダー)の配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による蒸解ユニットの配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による第1の濾過ユニット(ブラウンフィールド)の配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による第1の濾過ユニット(グリーンフィールド)の配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による精製ユニットの配置模式図が示されている。 本発明の一実施形態による第2の濾過ユニットの配置模式図が示されている。
上記のとおり、本発明は、対応する芳香族ジカルボン酸へのジ-アルキル置換芳香族化合物の工業規模での連続液相酸化における、エネルギー及び物質再循環の統合を対象とする。次のパラグラフにおいて詳述するプロセスは、テレフタル酸(PTA)へのパラ-キシレン(PX)の液相酸化を説明するものであり、その説明では、PTA製造の具体的な化学作用に関連する様々な中間体及び不純物に言及する。しかしながら、連続PX酸化プロセスと関連する全体統合エネルギー管理及び再循環系は、任意のジ-アルキル置換芳香族化合物の酸化に適用可能である。
次の記載を通じて、言葉「a」及び「an」などは、「1個(つ)または複数」の意味を担っている。語句「からなる群から選択される」、「から選択される」などは、規定の物質の混合物を含む。「含有する」などの用語は、別段に具体的に示されていない限り、「を少なくとも含む」を意味するオープンな用語である。本明細書に記載のすべての参照文献、特許、出願、試験、標準物、文献、刊行物、パンフレット、テキスト、論文などは、参照によって本明細書に援用される。数値限界または範囲が記載されている場合、その終点は包含される。また、数値限界又は範囲内のすべての値及び部分範囲は、明確に記載されている場合と同様に、具体的に含まれる。
数値の内容が記載されている場合、単位は、別段に指定されていない限り、重量パーセントまたは重量ppmである。反応器内の位置を説明するために適用される場合の最下部及び最上部という用語は、反応器内の反応混合物の高さ全体の上部10%及び下部10%を示している。
様々な本発明の実施形態による統合型酸化、物質再循環及びエネルギー管理系を、関連図を参照して記載することとする。図は模式図であり、用いられる系及びユニット運転の配置及び相互作用を示していることは理解する必要がある。系の実際の空間的な位置調整及び位置は、製造設備の物理的構造及び既存の系に追加導入されるか、または新たな系を建設するかどうかに応じて、大きく変化し得る。
本発明の実施形態による統合型酸化ユニット系が、図1に示されており、示されているとおり、物質供給及び再循環ユニット、酸化ユニット、水除去ユニット、エキスパンダーユニット、圧縮空気供給ユニット、蒸解ユニット、結晶器ユニット、第1の濾過ユニット、任意選択の乾燥ユニット、精製ユニット、第2の濾過ユニットならびに濾液処理ユニットを含む。当業者には理解されるとおり、系全体は、記載のユニットの統合及び性能を支援及び制御するための他の補助ユニットを含んでもよく、本発明は、図1に示されているユニットに限定することを意図したものではない。
ユニット系のそれぞれを、適切な図を参照して記載する。
図2は、主な構成部品として、洗浄酸タンク、濾液タンク、Co/Mn触媒を含有する触媒タンク及びHBr供給タンクを含む物質供給ユニットを示している。
洗浄酸タンクは、次の記載で記載するとおり、多数の供給源から酢酸を再循環させるための系の主な収集ポイントとして役立つ。しかしながら、再循環される酢酸の主な供給源は、水除去塔(WRC)のアンダーフロー(2)からのものである。洗浄酸タンクはまた、ベント凝縮器及び真空系(図2には図示せず)から固体非含有及び触媒非含有酸を収集するために役立つ。十分なレベルの酢酸を維持して、統合系全体における酢酸の多くの使用を支援するために、関連貯蔵供給(1)から、新鮮な酢酸をこのタンクに添加することができる。固体または触媒でのこのタンクの汚染を防ぐことが好ましい。
洗浄酸を、洗浄のために、下記の一次生成物フィルター(ブラウンフィールド)に供給することができる。
洗浄酸タンクからの酢酸を、一次酸化反応器の頂部に、噴霧還流として供給して、排出ガスベントへの固体の持越しを防ぎ(図3)、かつ酢酸としての水/排出ガスベント系への水蒸気の分離を促進することができる。固体非含有のラインを洗浄するために、少量の酢酸を、空気を一次酸化装置及び二次酸化装置に送る圧縮空気ラインにも供給する(図示せず)。
洗浄酸タンクからの酢酸を濾液タンクにも供給する。濾液タンクは、触媒及び/または固体を含有する再循環流のための収集容器であり、関連触媒供給タンクから来るコバルト、マンガン及び臭化水素(HBr)が供給される。
洗浄酸タンクからの酢酸を、第1の濾過ユニットのロータリー圧力フィルター中のフィルターケーキの洗浄液としても使用することができる(図9)。
示されているとおり、酢酸、水、コバルト、マンガン及び臭素を含有する濾液、さらには、固体を含有する任意の他の酢酸流を再循環させ、濾液タンクに収集する。
触媒は、コバルト、臭素、及びマンガンを含む均一系液相系である。系における触媒の濃度を、規定のポインドで成分濃度をモニターし、適切な場合には調整することによって制御することができる。そのようなモニター及び制御は、当業者には理解される。
一次酸化反応器に供給される濾液触媒混合物の酢酸濃度は、全濾液供給重量83~96重量%、好ましくは85~94重量%、最も好ましくは88~93重量%であってよい。
濾液触媒レベルは、収率及び品質の点で、酸化性能のために重要である。触媒が系に存在すると;損失率が比較的低くなり得、かつ急速に制御できなくなり得るので、過剰な触媒は回避すべきである。
系を通じて、濾液及び洗浄酸タンクを、大気に排気する前に蒸気流から酢酸を回収し、再循環させるプロセスベントスクラバー(図示せず)に接続する。
図3に示されているような酸化ユニットは、一次酸化反応器、二次酸化反応器及び脱ガス装置を含む。
p-キシレンの連続液相酸化供給中に、濾液タンクからの触媒を含有する濾液及び空気を一次酸化反応器(図3)に供給する。一次酸化反応混合物に供給される圧縮空気を、一次酸化反応器の最下部領域に、好ましくは一次気泡塔型酸化反応器中の反応媒質の高さ全体の最下部10%以内に位置する空気スパージャー-リングを介して供給することができる。圧縮空気は、p-キシレンの酸化及び塔内の反応混合物の撹拌の両方に必要な酸化剤Oを供給する。
ガス出口を介して反応器から放出される気体排出物中の、乾燥ベースでの酸素の時間平均濃度は、好ましくは約0.5~約9モルパーセントの範囲、より好ましくは約1~約7モルパーセントの範囲、最も好ましくは1.5~5モルパーセントの範囲である。
空気混和反応混合物は、本質的に均一であってよく、一次酸化反応器の総体積のおよそ60~98重量%、好ましくは80~96重量%、最も好ましくは85~94重量%を占める。
一次酸化反応混合物に供給されるパラ-キシレンの純度は、99.5%以上、好ましくは99.6%以上、最も好ましくは99.7%以上であってよい。
すでに記載したとおり、洗浄酸タンクからの比較的触媒非含有の弱酢酸の再循環溶液を、蒸発ヘッドスペースの噴霧ノズルを介して供給する。還流フローを調整して、一次酸化装置内の全反応体積を制御することができる。還流流の維持は、次のパラグラフに記載の水除去塔への蒸気流を制御するために有用であり得る。この流の混乱は、同じく次のパラグラフに記載の水除去塔の過負荷及び排出ガス処理系の損傷の可能性をもたらし得る。
温度、圧力及び触媒レベルの組み合わせで、一次酸化反応混合物においてテレフタル酸へのp-キシレンのほぼ完全な変換が生じる。一次酸化のための運転パラメータは、125~200℃、好ましくは140~180℃、最も好ましくは150~170℃の温度;2~12重量%、好ましくは2~16重量%、最も好ましくはほぼ3重量%の含水率;300~6000ppmw、好ましくは700~4200ppmw、最も好ましくは1200~3000ppmwのコバルト濃度;20~1000ppmw、好ましくは40~500ppmw、最も好ましくは50~200ppmwのマンガン含有率;300~5000ppmw、好ましくは600~4000ppmw、最も好ましくは900~3000ppmwの臭素含有率を含む。一次酸化反応混合物の全固体含有率は、5~40重量%、好ましくは10~35重量%、最も好ましくは15~30重量%であってよい。
一次酸化反応器の最上部に位置するサイドドロー搬送管は、二次酸化反応器(後酸化装置)に接続しており、空気混和反応混合物を後酸化装置に送ることができ、そこで、追加の圧縮空気が底部スパージャーリングを介して供給される。最上部の一次酸化反応媒質内で得られる反応混合物は、粗製のテレフタル酸(CTA)の微粒子固相及び母液を含む。CTAは、比較的高レベルの不純物(例えば、4-カルボキシベンズアルデヒド、パラ-トルイル酸、フルオレノン、及び他の着色体)を含有する。一次酸化反応器から二次酸化反応器に入るスラリー中に存在する固体CTA粒子は、約15,000ppmの4-カルボキシベンズアルデヒド(4-CBA)及び/またはパラ-トルイル酸を含有し得る。
本発明の酸化反応媒質に供給される全圧縮空気の約80~99%は、一次酸化反応器に、かつ残りのほぼ1%~20%は、後酸化装置に供給される。本発明の実施形態によれば、後酸化装置の後に、圧縮空気または酸素を系に添加することはない。
セミ-プラグフロー様式で運転する場合、後酸化装置には、酸化装置反応混合物中の液相p-トルイル酸を反応させきることに関与する。
後酸化装置は、脱ガス装置ユニットへのサイドドロー輸送を介して、脱ガス装置ユニットに接続しており、後酸化装置からの空気混和スラリーは、脱ガス装置ユニット内で、液体スラリーアンダーフロー及びオーバーヘッドガスに分離される。
後酸化装置からのアンダーフロー中のCTAは、4-CBAなどの固相不純物が比較的多い。不純物レベルをさらに低下させるために、温度を上昇させて結晶を再溶解させ、不純物を反応させきることが必要であり、これは、下記のとおりの蒸解ユニットにおける蒸解系の目的である。二次酸化反応器からのアンダーフロースラリーを、脱ガス装置を介して蒸解系に搬送し、オーバーヘッド蒸気を、図3に示されているとおり、水除去ユニットに送る。
図4に示されているとおりの水除去ユニットは、水除去塔を含む。
水除去塔(WRC)は、連続プロセス系から水を除去する主な方法を提供し、酸化反応混合物の含水率を制御する。
一次酸化反応器、二次反応器及び脱ガス装置からの酸化装置ユニットオーバーヘッドガスは、水除去塔に送られる。WRCは、トレイ及び/またはパッキングを備えた蒸留塔であってよい。一次酸化及び二次酸化の酸化反応は発熱性であり、生じた熱は、反応混合物スラリーから酢酸、水及び低沸点化合物を蒸発させる。この蒸気は、一次酸化装置、後酸化装置及び脱ガス装置のそれぞれからオーバーヘッド蒸気として得られた窒素、未反応酸素及び少量の一酸化炭素及び二酸化炭素と共に、水除去塔の底部に導入される。オーバーヘッド蒸気は、水除去塔を運転するために十分な熱エネルギーを有する。
酸化ユニットからのオーバーヘッド蒸気を受けることに加えて、WRCは、蒸解ユニットからのオーバーヘッド蒸気及び濾液処理ユニットの膜フィルターからの膜透過水も受けることができる。
水除去塔からのアンダーフローは、酢酸約90%及び水10%を含有し得る。プロセス全体の含水率を、この塔の底部で制御する。水塔アンダーフローの一部を直接、濾過ケーキの酢酸洗浄液として、ロータリー圧力フィルターにポンプ供給してもよい。
フィルターケーキのための洗浄液として用いなかった過剰のアンダーフローを、コンプレッサースチームタービンにおける発電のために、一連のスチーム発生器または少なくとも1つのスチーム発生器(図示せず)を介して送ってもよい。スチーム発生器の後に、アンダーフローを冷却ユニットで冷却し、すでに記載したとおり、系に再循環させるために、洗浄酸タンクに送ってもよい。
アンダーフローの残りの熱エネルギーを、洗浄酸タンクへの経路における一連の1つまたは複数の熱交換ユニット(図示せず)で収集してもよい。
水除去塔排出ガスを、図5において示されているとおり、蒸気熱エネルギーをプロセススチームに変換するために、1つまたは複数のスチーム発生器を介して供給してもよい。発生器は1つのみ、図1に示されている;しかしながら、連続または平行する複数の発生器が、酸化プロセスの発熱エネルギーからプロセススチームを生成するために含まれてもよい。次いで、蒸気を、凝縮器内で部分的に凝縮してもよく、蒸気及び凝縮液の両方を、WRC還流タンク内に収集し、そこで、非凝縮排出ガス及び凝縮液を分離してもよい。この段階で収集されたオーバーヘッド蒸気からの凝縮液は、水約99重量%を、微量の酢酸及び酢酸メチルと共に含有し、還流として水除去塔の頂部にポンプで戻し供給してよいか、または廃水として、廃水だめに投棄してよい。
排出ガス流中に含有される残りのパラ-キシレンをすべて回収するために、排出ガスを、高圧吸収装置(HPA)内で洗浄する。HPAの後に、排出ガスを、1つまたは複数のプレヒーターユニットで150~240℃、好ましくは170~220℃に加熱し、その後、蒸気-液体エキスパンダーを介して、圧縮空気ユニットの排出ガスエキスパンダー系に送り、そこで、その流中に含有されるエネルギーを膨張によって回収し、そのエネルギーを使用して圧縮機トレーンを移動させる。
図6は、圧縮空気ユニットの模式図を示している。
空気圧縮機は、すでに記載したとおり、反応要求に従って、圧縮プロセス空気を一次酸化反応器及び二次酸化反応器に提供する。空気を、入口フィルター(図示せず)を介して大気から採取してもよく、多段空気圧縮機で圧縮する。当業者であれば、種々の段数の圧縮機ユニットを本発明の区画内で用いてもよいことが分かるであろう。各段階の後に、圧縮空気を冷却水で冷却し、圧縮空気から凝縮された水をインタークーラー熱交換機で分離する。圧縮機のための通常の運転条件は、301.325~2401.33kPaA、好ましくは401.325~1601.33kPaA、最も好ましくは601.325~1201.33kPaAの吐出圧力である。
空気を圧縮するために必要とされる電力を、スチームタービン及びHPAから事前加熱排出ガスを受ける排出ガスエキスパンダーによって供給し、その際、スチームタービン及び排出ガスエキスパンダーの両方を、凝縮器と同じシャフト上に搭載する。スチームタービンで使用されるスチームを、すでに記載したとおりのWRCからのオーバーヘッドガスからの熱エネルギーから、及びすでに記載したとおり洗浄酸タンクへの移動中のWRCのアンダーフローの熱エネルギーからを含むプロセス内で生成してよい。
図5に示されているエキスパンダーユニット(乾式エキスパンダー)の代替の一実施形態では、WRC排出ガスを、図7に図示されているとおり処理してもよい(湿式エキスパンダー)。
水除去塔に存在する熱オーバーヘッド蒸気は、その霧点にある。この流の凝縮は、高度に腐食性である臭素酸(HBr)の形成をもたらすことがある。この問題を回避し、排出ガス流で利用可能なエネルギーを効率的に回収及び利用するために、WRCからの排出ガス流を初めに、1つまたは複数のガスプレヒーターで過熱してもよい。排出ガスプレヒーター(複数可)は、高圧スチームまたは任意の他の熱移動媒質のいずれかを使用してよい。過熱WRC排出ガスを、蒸気-液体エキスパンダーを介して、図6に示されている圧縮空気ユニット排出ガスエキスパンダー(ターボエキスパンダー)に送って、過熱流中に含まれるエネルギーを直接回収してもよい。
ターボエキスパンダーから出た後に、排出ガスを1つまたは複数のスチーム発生器に送って、低圧スチームを生じさせる。スチーム発生器(複数可)の後に、すべての蒸気を部分的に凝縮器で凝縮し、水除去還流タンクで収集する。次いで、水を還流液として、WRCに戻してよい。
電動発電機を発電機モードで使用して、酸化プロセスの正常運転中に利用することができる残りのエネルギーから、電気エネルギーを生じさせてもよい。圧縮機トレーンの起動中に、電動発電機を駆動モーターとして使用してもよい。
ドライまたはウェットエキスパンダー実施形態のいずれでも、酸化ユニットにおいて発熱性酸化反応で生じるエネルギーを収集し、少なくとも、一次及び二次酸化反応器のための圧縮空気を供給する空気圧縮機ユニットを駆動するために使用する。
蒸解ユニットは、図8に図示されている。
すでに記載したとおり、脱ガス装置ユニットを介して後酸化装置から得られたアンダーフロースラリーのCTAは、適度に高レベルの不純物を含有し、これを、さらなる酸化を介して反応させるとテレフタル酸を生じさせることができる。脱気ユニットからの後酸化装置スラリーは、125~200℃、好ましくは140~180℃、最も好ましくは150~170℃の温度であってよい。CTA結晶を部分的に溶解させるために、スラリーを180~240℃、好ましくは190~220℃、最も好ましくは200~216℃の温度に加熱してもよい。1つのヒーターが図8に示されている。しかしながら、当業者は、この段階で一連のヒーターを用いてもよいことが分かるであろう。
図8に示されているように、加熱された後酸化装置スラリーアンダーフローを蒸解ユニットにポンプ供給することができる。ダイジェスター内の高温で、p-キシレン(p-トルイル酸及び4-CBA)の部分的に酸化された生成物をテレフタル酸に酸化させて、PTAへのp-キシレンのより完全な変化を生じさせてもよい。PTAへのp-キシレンの高い変換を達成するための一次障害は、テレフタル酸中の埋め込み型4-CBA及びp-トルイル酸への酸素拡散と関連する物質移動限界である。99%超の変換率を達成するためには、これらの物質移動限界を克服することが必要である。このことは、ダイジェスターユニットを、すでに記載したとおり180~240℃の温度範囲内で、かつ790~2515KPaの圧力で運転することによって達成することができる。
本発明の実施形態によれば、酸化蒸解プロセスを完了するために、圧縮空気をダイジェスターに供給しない。このことは、酸素がいくつかの形態で蒸解反応器に直接注入される従来の蒸解系とは正反対である。発明者らは、上記のとおりの本発明の制御下では、蒸解反応器内の温度及び圧力を制御することによって、十分な残留酸素が、後酸化装置スラリーアンダーフロー中に保持され、テレフタル酸への酸化を促進することを意外にも発見した。十分な撹拌をスラリーに与えるために、ダイジェスター反応器(複数可)は、中間軸受に取り付けられた軸上に複数の軸上ブレードを含む撹拌系を備えていてもよい。
水除去、酸回収、及びすでに記載したとおり存在する熱エネルギーの捕集利用のために、ダイジェスターユニットからの排出ガスをWRCに送ることができる。
ダイジェスターユニットでの処理の後に、スラリーを、結晶化タンク(結晶器)に搬送することができ、そこで、温度を130~200℃、好ましくは150~180℃、最も好ましくは160~170℃の範囲に低下させる。撹拌機を用いて、結晶器を撹拌して、固体懸濁液を維持することができる。
蒸解ユニットへの途中で後酸化装置スラリーアンダーフローを加熱するスチームを加熱するために、結晶器からの排出ガスを熱交換ヒーターに送ることができる。スチームを調製するためのそのような熱エネルギー制御は、機械的蒸気圧縮系によって達成することができ、その力学は当業者に一般に知られている。このエネルギー再捕集は、図8には示されていない。
結晶化ユニットでの処理の後に、スラリーを、真空フラッシュタンク(VFT)を含むフラッシュ冷却系に搬送することができる。フラッシュ冷却系で、結晶化ユニットからのスラリー生成物の制御冷却を行って、固体での系の閉塞を回避する。
フラッシュ冷却系に入れるスラリーの固体含有率は、20~60重量%、好ましくは25~50重量%、最も好ましくは30~40重量%であってよい。
フラッシュタンク内で、フラッシュ冷却系内の温度は、40~110℃、好ましくは50~100℃、最も好ましくは60~90℃であってよい。実際的にすべての不溶性物質がフラッシュタンク内で溶液から沈澱するか、または結晶化する。フラッシュタンクで生じた蒸気を凝縮器系に送ることができ、そこで、残りの酢酸を回収することができる。残りの凝縮不可能なガスをすべて、系から除去することができる。VFTのための補助装置は、当業者に知られている従来の装置であり、図8には図示されていない。
フラッシュ冷却された生成物スラリーを第1の濾過ユニットに送ることができ、そこで、結晶器で形成した固体を、ロータリー圧力フィルターで母液から分離する。フィルターを加圧するが、これは複数の活性帯域によって構成される。圧力フィルターで、PTAを固体湿潤ケーキとして、スラリーから分離する。前記のロータリー圧力フィルターから収集した濾液を物質供給ユニットの濾液タンクに送る。
先行パラグラフにおいて記載したとおり、本発明によるプロセスでは、発熱性酸化反応の結果として生じる熱エネルギーを捕集して、少なくとも、圧縮空気を一次及び二次酸化反応器に供給する空気圧縮機を運転するための機械的エネルギーを生じさせることができる。さらに、連続酸化の含水率、したがって酸化の反応性及び効率を、水除去塔排出ガスから凝縮された水の少なくとも一部を除去することによって制御する。
したがって、第1の実施形態では、本発明は、芳香族ジカルボン酸を調製するための連続プロセスであって:
一次気泡塔型反応器内で、触媒の存在下で、酢酸反応媒質中でジ-アルキル置換芳香族化合物を圧縮空気で酸化させること;
触媒を含有する三相反応媒質の一部を、一次気泡塔型反応器から、圧縮空気が供給されている後酸化気泡塔ユニットに移動させること;
前記後酸化された反応媒質を脱ガスユニットに搬送し、前記後酸化反応媒質をオーバーヘッドガス及びアンダーフロースラリーに分離すること;
前記一次酸化反応器及び前記後酸化反応器のそれぞれからのオーバーヘッドガスを前記脱ガスユニットからのオーバーヘッドガスと共に収集し、合わせたオーバーヘッドガスを水除去塔に導くこと;
前記アンダーフロースラリーを前記脱ガスユニットから、連続する少なくとも2つの蒸解反応タンクを含む蒸解ユニットへと搬送し、その際、前記アンダーフロースラリーの温度を、沈澱した固体を少なくとも部分的に溶解させる温度に上昇させ、前記蒸解ユニットに空気を添加することなく、露出した中間酸化生成物を、前記アンダーフロースラリー中に存在する空気及び触媒でさらに酸化させて、最終酸化スラリーを得ること;
オーバーヘッドガスを前記蒸解ユニットから前記水除去塔に移動させること;
前記最終酸化スラリーを結晶化させて、前記芳香族ジカルボン酸の濾過準備完了スラリーを得ること;
前記濾過準備完了スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、母液濾液及びフィルターケーキを得ること;
を含み、その際、
前記水除去塔に送られた前記オーバーヘッドガスを、前記水除去塔内で、前記塔の頂部から除去されたスチームを含む排出ガスと、酢酸を含むアンダーフロー液とに分離し、
スチームを含む前記排出ガスのエネルギーの少なくとも一部を収集し、圧縮空気を前記気泡塔一次反応器及び前記後酸化気泡塔ユニットに供給するための空気圧縮機を駆動するために用い、かつ
前記連続酸化の含水率を、前記水除去塔排出ガスから凝縮された水を除去することによって制御する、前記連続プロセスを提供する。
図5に図示されているドライエキスパンダーと呼ばれる一態様では、空気圧縮機を駆動するために収集及び用いられるスチームを含む排出ガスのエネルギーは、前記水除去塔からのスチームを含む前記排出ガスを、前記排出ガスの熱エネルギーを用いるための少なくとも1つの熱交換スチーム発生器に通過させて、プロセス有用スチーム及び熱交換流を生じさせること;前記熱交換流から凝縮水を収集及び除去して、加圧蒸気流を得ること;ならびに前記加圧蒸気流をガスエキスパンダーに送って、前記空気圧縮機を駆動することによって得ることができる。
図7に図示されているウェットエキスパンダーと呼ばれる一態様では、空気圧縮機を駆動するために収集及び用いられるスチームを含む排出ガスのエネルギーは、前記水除去塔からのスチームを含む前記排出ガスを少なくとも1つのプレヒーターで過熱すること;すべて除去すること;前記過熱排出ガスをガスエキスパンダーに通過させて、前記空気圧縮機を駆動させること;及び前記エキスパンダーからの膨張流を少なくとも1つの熱交換スチーム発生器に通過させて、プロセス有用スチーム及び熱交換流を生じさせること;ならびに熱交換流から凝縮水を収集及び除去することによって得ることができる。
すでに記載したとおり、第1の実施形態の一態様では、ジ-アルキル置換芳香族化合物は、パラ-キシレンであり、芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸である。
図9に示されているとおり、ブラウンフィールド態様と呼ばれる第1の実施形態の一態様では、ロータリー圧力フィルターの第1の濾過帯域における当初フィルターケーキ層を複数回の酢酸洗浄運転で洗浄すると、不純物及び触媒を最終生成物フィルターケーキから除去することができる。濾過からの触媒を含有する母液を収集し、原料ユニットの濾液タンクに搬送する。これらの液体を任意選択で、キャンドルフィルターなどのフィルターに通して、固体を除去し、その後、濾液タンクに送ることができる。洗浄に、ロータリー圧力フィルターの温窒素乾燥帯域での処理を続けて、フィルターケーキ中に存在する酢酸及び水を少なくとも部分的に除去することができる。ロータリー圧力フィルターを加圧するが、これは、複数の活性な濾過、洗浄及び窒素供給帯域を含有する。次いで、フィルターケーキを、酢酸の乾燥除去に好適な乾燥ユニット、例えば、回転中空スクリュードライヤーなどに運搬することができ、そこで、スチームで加熱して、ドライヤーを介した通過にともなって、実質的にすべての酢酸をケーキから蒸発させる。当技術で慣用であるとおり、蒸発した酢酸を、ベントスクラバー系を介して除去することができ、乾燥した粉末を収集し、精製ユニットに搬送する。
グリーンフィールド実施形態と呼ばれる連続酸化プロセスの第2の実施形態は、図10に図示されている。この実施形態によれば、VFTからのフラッシュ冷却された生成物スラリーを第1の濾過ユニット内のロータリー圧力フィルターに送ることができ、そこで、結晶器で形成した固体をロータリー圧力フィルターで母液から分離する。フィルターを加圧するが、これは、複数の活性帯域によって構成される。しかしながら、ブラウンフィールド態様とは異なり、グリーンフィールド実施形態では、母液の除去後のロータリー圧力フィルターの第1の濾過帯域の最初のフィルターケーキを、水除去塔還流タンクで収集された酸化オーバーヘッドガスから回収された温水(90~100℃)で洗浄する。次いで、水洗浄されたフィルターケーキを、クロスを介してケーキを通過する温窒素ガスでケーキを部分的に脱水するために備えられている乾燥帯域で処理する。水洗浄された部分脱水フィルターケーキを圧力フィルターから取り出し、いずれのさらなる乾燥運転もすることなく、精製ユニットに直接運搬する。
ロータリー圧力フィルターから収集された母液濾液を濾液タンクに送るが、その際、任意選択で、濾液タンクの途中で濾過して固体を除去する。ロータリー圧力フィルターから収集された洗浄水をWRCに送る。
すでに記載したとおり、濾液レシーバー及び搬送ラインをスクラバー系にベントする。
図11は、精製ユニットの模式図を示しており、これは、ブラウンフィールド及びグリーンフィールド実施形態の両方で利用される。ブラウンフィールドプロセスでは、乾燥機からの乾燥フィルターケーキを溶解機タンクで溶解する一方で、グリーンフィールドプロセスでは、湿潤なフィルターケーキを溶解機で溶解する。図11においてこれら2つの物質は総称して、TAケーキと呼ばれている。従来の水素化プロセスを用いることができ、その際、テレフタル酸ケーキを水に溶解し、溶液を接触により水素化させて、残留している不純物をより望ましい、及び/または簡単に分離可能な化合物に変換する。水素化を280~290℃で行うことができ、この際、テレフタル酸は溶液であり、残留している不純物は反応に利用可能である。水素化処理に続いて、溶解テレフタル酸を、複数の結晶化ステップを介して水素化溶液から選択的に沈殿させることができ、得られた結晶化スラリーを、濾過による最終単離のための第2の濾過ユニットに送る。1つの結晶器が図11に示されているが;しかしながら、用いられる結晶器の数を、プロセスの設計及び制御パラメータに従って変化させることができる。単離のために第2の濾過ユニットに送られる最終結晶化スラリーにおいて、標的サイズ及び分布の生成物の粒子の形成を促進するために、複数の結晶化ユニットの段階で結晶化を制御することで、段階的温度低下が可能となる。
図12には、第2の濾過ユニットの略図が示されている。最終結晶化テレフタル酸スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、濾液から結晶質PTAを分離することができる。ロータリー圧力フィルターの様々な帯域を、第1の濾過ユニットのロータリー圧力フィルターのために既に記載したとおりに運転することができる。フィルターケーキを洗浄し、次いで、温窒素でブローして、残留水を除去し、その後、さらなる合成で利用するために放出することができる。母液濾液を収集し、次いで、フィルターに通して、フィルターを通過したいずれの固体も除去し、次いで、膜系で処理して、透過水を得、これを還流液として、水除去塔に戻すことができる。
上記のとおり、ブラウンフィールド及びグリーンフィールド実施形態は両方とも、オーバーヘッド蒸気のスチーム生成及び膨張の制御によって酸化反応で生じる発熱エネルギーを収集して、圧縮機トレーンを駆動することによって、プロセスエネルギー要求の著しい低下をもたらす。加えて、上記のとおり水性凝縮液及び濾液をWRCに再循環させることによって、水利用がかなり保全される。さらに、WRCでのプロセス水含分の制御によって、酸化プロセスの効率、さらには生成物の品質及び収率も、かなり改善され得る。
グリーンフィールド実施形態は、ブラウンフィールド実施形態のエネルギー節約及び水保全だけではなく、酢酸を除去するためのCTAプレスケーキの、エネルギーを消費する乾燥運転の排除によって得られる追加のエネルギー節約ももたらす。さらに、乾燥ユニットの資本コスト及び運転コストも排除される。両方の実施形態が、エネルギー節約及び補修要求の点において、CSTR反応器を上回る気泡塔型反応器の利点を提供する。
上記は、当業者が本発明を実行及び使用することができるように提示されており、特定の用途及びその要求の文脈において提供されている。好ましい実施形態の様々な変更形態は、当業者には容易に明白となるものであり、本明細書において定義される一般的原理は、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び出願に適用することができる。したがって、本発明は、示されている実施形態に限定されることを意図したものではなく、本明細書に開示の原理及び特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。図に示されている略図は、様々な実施形態で利用される主な装置の構成及び配置を示している。しかしながら、当業者は、実際の運転系ではさらなる補助及び支持装置が必要となるであろうことが分かる。示されているユニットを支持するそのような機能装置は、本発明の実施形態の範囲内である。これに関して、本発明の範囲内のある種の実施形態は、広く考えると、本発明のすべての利益を示さないこともある。

Claims (14)

  1. 芳香族ジカルボン酸を調製するための連続プロセスであって:
    一次気泡塔型反応器内で、触媒の存在下で、酢酸反応媒質中でジ-アルキル置換芳香族化合物を圧縮空気で酸化させて、三相反応媒質を得ること;
    触媒を含有する前記三相反応媒質の一部を、前記一次気泡塔型反応器から、圧縮空気が供給されている後酸化気泡塔ユニットに移動させて、後酸化反応媒質を得ること;
    前記後酸化された反応媒質を脱ガスユニットに搬送し、前記後酸化反応媒質をオーバーヘッドガス及びアンダーフロースラリーに分離すること;
    前記一次気泡塔型反応器内及び前記後酸化気泡塔ユニットのそれぞれからのオーバーヘッドガスを前記脱ガスユニットからのオーバーヘッドガスと共に収集し、合わせたオーバーヘッドガスを水除去塔(WRC)に導くこと;
    前記アンダーフロースラリーを前記脱ガスユニットから蒸解ユニットへと搬送し、その際、前記アンダーフロースラリーの温度を、沈澱した固体を少なくとも部分的に溶解させる温度に上昇させ、前記蒸解ユニットに空気を添加させることなく、露出した中間酸化生成物を、前記アンダーフロースラリー中に存在する空気及び触媒でさらに酸化させて、最終酸化スラリーを得ること;
    オーバーヘッドガスを前記蒸解ユニットから前記水除去塔へと移動させること;
    前記最終酸化スラリーを結晶化させて、前記芳香族ジカルボン酸の濾過準備完了スラリーを得ること;
    前記濾過準備完了スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、母液濾液及びフィルターケーキを得ること;
    を含み、その際、
    前記水除去塔に送られた前記オーバーヘッドガスを、前記水除去塔内で、前記塔の頂部から除去されたスチームを含む排出ガスと、酢酸を含むアンダーフロー液とに分離し、
    スチームを含む前記排出ガスのエネルギーの少なくとも一部を収集し、前記圧縮空気を前記気泡塔一次反応器及び前記後酸化気泡塔ユニットに供給するための空気圧縮機を駆動するために用い、かつ
    前記連続プロセスにおける前記酢酸反応媒質中の含水率を、前記水除去塔排出ガスから凝縮された水を除去することによって制御する、前記連続プロセス。
  2. さらに:
    前記水除去塔からのスチームを含む前記排出ガスを少なくとも1つの熱交換スチーム発生器に通して、前記排出ガスの熱エネルギーを、プロセス有用スチーム及び熱交換流を生じさせるために使用すること;
    前記熱交換流から凝縮水を収集及び除去して、加圧蒸気流を得ること;及び
    前記加圧蒸気流をガスエキスパンダーに送って、前記空気圧縮機を駆動させること
    を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記熱交換流からの前記凝縮水を前記WRCに戻し、または任意選択で、廃棄物として除去する、請求項2に記載のプロセス。
  4. さらに:
    前記水除去塔からのスチームを含む前記排出ガスを過熱すること;
    前記過熱排出ガスをガスエキスパンダーに通過させて、前記空気圧縮機を駆動させること;及び
    前記エキスパンダーからの前記膨張流を少なくとも1つの熱交換スチーム発生器に通して、プロセス有用スチーム及び熱交換流を生じさせること;及び
    凝縮水を前記熱交換流から収集及び除去すること
    を含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記熱交換流からの前記凝縮水を、前記WRCに戻すか、または任意選択で、廃棄物として除去する、請求項4に記載のプロセス。
  6. さらに:
    前記フィルターケーキを酢酸で洗浄すること;
    前記酢酸洗浄されたフィルターケーキに窒素ガスを通して、固体フィルターケーキを得ること;
    前記固体フィルターケーキを乾燥させて、酢酸を除去すること;
    前記芳香族ジカルボン酸の乾燥フィルターケーキを水性媒体中で再スラリー化及び精製して、精製芳香族ジカルボン酸スラリーを得ること;
    前記精製芳香族ジカルボン酸スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、前記芳香族ジカルボン酸の最終フィルターケーキ及び水性母液濾液を得ること;
    前記水性母液濾液を膜濾過して、透過水を得ること;及び
    前記透過水を水除去塔に、水還流物として搬送すること
    を含む、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記フィルターケーキ洗浄の前記酢酸が、前記WRCの前記アンダーフロー液からの酢酸を含む、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記芳香族ジカルボン酸の前記乾燥フィルターケーキの再スラリー化及び精製が:
    水性媒体中で前記芳香族ジカルボン酸の前記乾燥フィルターケーキを再スラリー化して水性スラリーを得ること;
    水素化触媒の存在下で、前記水性スラリーを水素で処理して、結晶化準備完了の芳香族ジカルボン酸スラリーを得ること;
    一連の少なくとも2つの結晶化ユニットで前記芳香族ジカルボン酸を結晶化させて結晶化水性スラリーを得ること;
    前記結晶化水性スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、前記芳香族ジカルボン酸及び前記水性母液濾液の前記最終フィルターケーキを得ること
    を含む、請求項6に記載のプロセス。
  9. 前記再スラリー水性媒体の水を、前記WRCからの前記オーバーヘッド蒸気の前記凝縮液から得る、請求項8に記載のプロセス。
  10. さらに:
    前記フィルターケーキを水で洗浄、酢酸及び触媒を除去して水洗浄フィルターケーキを得ること;
    窒素ガスを、前記水洗浄フィルターケーキを介して流して、固体フィルターケーキを得ること;
    水性媒体中で前記芳香族ジカルボン酸の前記固体フィルターケーキを再スラリー化及び精製して、精製芳香族ジカルボン酸スラリーを得ること;
    前記精製芳香族ジカルボン酸スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、前記芳香族ジカルボン酸及び水性母液濾液の最終フィルターケーキを得ること;
    前記水性母液濾液を膜濾過して、透過水を得ること;及び
    前記透過水を前記水除去塔に搬送すること
    を含む、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記芳香族ジカルボン酸の前記乾燥フィルターケーキの再スラリー化及び精製が:
    水性媒体中で前記芳香族ジカルボン酸の前記固体フィルターケーキを再スラリー化して水性スラリーを得ること;
    水素化触媒の存在下で、前記水性スラリーを水素で処理して、結晶化準備完了の芳香族ジカルボン酸スラリーを得ること;
    一連の少なくとも2つの結晶化ユニットで前記芳香族ジカルボン酸を結晶化させて結晶化水性スラリーを得ること;
    前記結晶化水性スラリーをロータリー圧力フィルターで濾過して、前記芳香族ジカルボン酸の前記最終フィルターケーキ及び前記水性母液濾液を得ること
    を含む、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記再スラリー水性媒体の水を、前記WRCからの前記オーバーヘッド蒸気の凝縮液から得る、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記フィルターケーキを洗浄するための水が、前記WRCからの前記オーバーヘッド蒸気の凝縮から得られた水である、請求項10に記載のプロセス。
  14. 前記ジ-アルキル置換芳香族化合物がパラ-キシレンであり、前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸である、請求項1に記載のプロセス。
JP2019546900A 2017-02-28 2018-02-26 酸化によって芳香族ジカルボン酸を生産するためのエネルギー・環境統合型方法 Active JP7013478B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/445,280 US10000435B1 (en) 2017-02-28 2017-02-28 Energy and environmentally integrated method for production of aromatic dicarboxylic acids by oxidation
US15/445,280 2017-02-28
PCT/IB2018/051195 WO2018158672A1 (en) 2017-02-28 2018-02-26 Energy and environmentally integrated method for production of aromatic dicarboxylic acids by oxidation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020509015A JP2020509015A (ja) 2020-03-26
JP7013478B2 true JP7013478B2 (ja) 2022-01-31

Family

ID=62554616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019546900A Active JP7013478B2 (ja) 2017-02-28 2018-02-26 酸化によって芳香族ジカルボン酸を生産するためのエネルギー・環境統合型方法

Country Status (16)

Country Link
US (1) US10000435B1 (ja)
EP (1) EP3589610B1 (ja)
JP (1) JP7013478B2 (ja)
KR (1) KR102592022B1 (ja)
CN (1) CN110573486B (ja)
AR (1) AR111005A1 (ja)
BR (1) BR112019017808B1 (ja)
CA (1) CA3054775A1 (ja)
ES (1) ES2916390T3 (ja)
LT (1) LT3589610T (ja)
MX (1) MX2019010162A (ja)
PL (1) PL3589610T3 (ja)
PT (1) PT3589610T (ja)
SG (1) SG11201907924XA (ja)
TW (1) TWI742248B (ja)
WO (1) WO2018158672A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111569814B (zh) * 2020-03-31 2021-07-09 南京延长反应技术研究院有限公司 Px生产pta的外置微界面机组强化氧化系统
US20230219878A1 (en) * 2020-09-27 2023-07-13 Ineos Us Chemicals Company Process for Recovering Oxidation By-Products

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004531573A (ja) 2001-06-04 2004-10-14 イーストマン ケミカル カンパニー 精製テレフタル酸の製造方法
JP2006249106A (ja) 1994-10-14 2006-09-21 Bp Corp North America Inc 効率的なエネルギー回収が可能な芳香族カルボン酸の製造法
US20070244340A1 (en) 2006-03-01 2007-10-18 Alan George Wonders Polycarboxylic acid production system employing enhanced evaporative concentration downstream of oxidative digestion
JP2013507518A (ja) 2009-10-13 2013-03-04 クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー 金属中和スルホン化ブロックコポリマー、これらの調製方法およびこれらの使用
WO2016149060A1 (en) 2015-03-13 2016-09-22 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. Bubble column reactor based digester andmethod for its use

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5414098B1 (ja) * 1970-12-25 1979-06-05
JP3291749B2 (ja) * 1992-02-06 2002-06-10 三菱化学株式会社 芳香族カルボン酸の製造方法
US5510521A (en) * 1995-03-27 1996-04-23 Eastman Chemical Company Process for the production of aromatic carboxylic acids
MX9702157A (es) * 1996-03-22 1998-04-30 Praxair Technology Inc Optimizacion de contenido de agua en la oxidacion basada en oxigeno de p-xileno.
JP2005247839A (ja) * 2004-02-05 2005-09-15 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族カルボン酸の製造方法
US7910769B2 (en) 2004-09-02 2011-03-22 Eastman Chemical Company Optimized liquid-phase oxidation
US7568361B2 (en) 2004-09-02 2009-08-04 Eastman Chemical Company Optimized liquid-phase oxidation
US7371894B2 (en) 2004-09-02 2008-05-13 Eastman Chemical Company Optimized liquid-phase oxidation
US7692036B2 (en) 2004-11-29 2010-04-06 Eastman Chemical Company Optimized liquid-phase oxidation
CN1257146C (zh) * 2004-10-19 2006-05-24 浙江大学 对苯二甲酸的生产方法与装置
US7355068B2 (en) 2006-01-04 2008-04-08 Eastman Chemical Company Oxidation system with internal secondary reactor
US7420082B2 (en) * 2006-03-01 2008-09-02 Eastman Chemical Company Polycarboxylic acid production system employing hot liquor removal downstream of oxidative digestion
US20070208194A1 (en) 2006-03-01 2007-09-06 Woodruff Thomas E Oxidation system with sidedraw secondary reactor
US7393973B2 (en) * 2006-03-01 2008-07-01 Eastman Chemical Company Polycarboxylic acid production system with enhanced residence time distribution for oxidative digestion
TWI352080B (en) * 2006-04-10 2011-11-11 Bp Corp North America Inc Process and apparatus for manufacturing pure forms
US9493389B2 (en) * 2008-10-31 2016-11-15 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. Dicarboxylic acid production with enhanced energy recovery
US8790601B2 (en) 2010-01-29 2014-07-29 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. Oxidation system with sidedraw secondary reactor

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249106A (ja) 1994-10-14 2006-09-21 Bp Corp North America Inc 効率的なエネルギー回収が可能な芳香族カルボン酸の製造法
JP2004531573A (ja) 2001-06-04 2004-10-14 イーストマン ケミカル カンパニー 精製テレフタル酸の製造方法
US20070244340A1 (en) 2006-03-01 2007-10-18 Alan George Wonders Polycarboxylic acid production system employing enhanced evaporative concentration downstream of oxidative digestion
JP2013507518A (ja) 2009-10-13 2013-03-04 クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー 金属中和スルホン化ブロックコポリマー、これらの調製方法およびこれらの使用
WO2016149060A1 (en) 2015-03-13 2016-09-22 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. Bubble column reactor based digester andmethod for its use

Also Published As

Publication number Publication date
BR112019017808A2 (pt) 2020-03-31
PT3589610T (pt) 2022-05-10
EP3589610A1 (en) 2020-01-08
CN110573486A (zh) 2019-12-13
TW201838960A (zh) 2018-11-01
PL3589610T3 (pl) 2022-06-27
TWI742248B (zh) 2021-10-11
KR20190132643A (ko) 2019-11-28
LT3589610T (lt) 2022-05-25
JP2020509015A (ja) 2020-03-26
ES2916390T3 (es) 2022-06-30
KR102592022B1 (ko) 2023-10-19
WO2018158672A1 (en) 2018-09-07
BR112019017808B1 (pt) 2023-01-10
CN110573486B (zh) 2022-06-07
US10000435B1 (en) 2018-06-19
SG11201907924XA (en) 2019-09-27
CA3054775A1 (en) 2018-09-07
EP3589610B1 (en) 2022-03-16
MX2019010162A (es) 2019-12-02
AR111005A1 (es) 2019-05-22
EP3589610A4 (en) 2021-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5670981B2 (ja) 芳香族ジカルボン酸の製造のための2段階酸化方法
CN105001073B (zh) 低能耗物耗、少废物排放的pta生产方法和系统
JP4184948B2 (ja) 精製テレフタル酸の製造方法
US7462736B2 (en) Methods and apparatus for isolating carboxylic acid
MX2008010939A (es) Proceso de produccion de acido carboxilico.
US7888530B2 (en) Optimized production of aromatic dicarboxylic acids
JP7013478B2 (ja) 酸化によって芳香族ジカルボン酸を生産するためのエネルギー・環境統合型方法
JPH11349529A (ja) 芳香族カルボン酸の製造方法
US7959879B2 (en) Optimized production of aromatic dicarboxylic acids
CN110573487B (zh) 使用加压的湿气管线以避免纯化的对苯二甲酸pta过滤器和管线中的结垢
WO2004074231A1 (ja) 芳香族カルボン酸の製造方法
KR20190099301A (ko) 정제된 테레프탈산 (pta) 배출 스팀 사용
CN110139701B (zh) 经纯化的对苯二甲酸(pta)排气干燥机蒸气流出物处理
KR101392543B1 (ko) 방향족 다이카복실산의 최적화된 제조
RU2574394C2 (ru) Производство ароматических карбоновых кислот

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7013478

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150