JP7011778B2 - 二次電池の保護装置 - Google Patents

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本発明は、二次電池の保護装置に関する。
リチウムイオン電池等の二次電池は、過充電状態になると電池が劣化するのみならず、発熱等して安全性に問題が生じ得るため、過充電防止のための対策が施されている(特許文献1および2等参照)。例えば、特許文献1には、酸化還元試薬(レドックスシャトル)として、非水電解液に、分子量が500以下であり満充電時の正極電位よりも貴な電位に酸化還元電位を有するπ電子軌道を持つ有機化合物を含有させることが開示されている。これにより、通常使用時の電池特性を低下させることなく、過充電時には電流を消費して電圧の上昇を抑制できるとされている。
特開平07-302614号公報 特許第5854292号公報 特開2001-283857号公報 特許第5438602号公報
しかしながら、レドックスシャトルを含む二次電池では、セル電圧が当該レドックスシャトルの酸化還元電位に到達して過充電を抑制するよう機能している場合であっても、正極または負極で過充電による発熱が停止されず、過昇温に至るケースがあった。つまり、過充電保護のためのレドックスシャトルの添加のみでは、二次電池の安全性を十分に確保できない虞があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、二次電池の発熱をより早いタイミングで検知して過昇温を抑制することができる二次電池の保護装置を提供することにある。
ここに開示される技術は、二次電池の保護装置、換言すると過昇温保護装置付二次電池を提供する。この保護装置は、正極と、負極と、アミロースおよびアミロペクチンのうちの少なくとも一種を含む電解液と、を有する二次電池と、二次電池の電圧を測定する電圧測定部と、測定された電圧に基づき二次電池が過充電であると判断した場合に当該二次電池の充電を停止する電池保護部と、を備えている。
公知のレドックスシャトルによる過充電保護機構は、セル電圧に応じて作動する構成であって、セル温度に対する感受性はない。これに対し、ここに開示される電解液に添加されるアミロースおよびアミロペクチンは、過充電時に電池が発熱を始めることによって電解液に溶解し、電解液の粘度を上昇させる。この電解液粘度の上昇はセル電圧を早期に上昇させるため、発熱を起点として、電圧異常を検知する電池保護部を早期に作動させることができる。これにより、アミロースおよび/またはアミロペクチンを電解液に添加するという簡単な構成で、二次電池における過電圧の検知と過昇温の検知との両方を実現することができる。
なお、特許文献2には、二次電池が高温になったときに電解液の粘度が低下し、過充電防止剤のレドックスシャトル反応が優先的に行われるのを防止する目的で、増粘剤としての多糖類を添加することが開示されている。しかしながら、特許文献2には、電解液を増粘させて過電圧として検知させることについてはなんら開示していない。
また特許文献3には、リチウムイオン二次電池の電極製造に用いるためのバインダーが多糖類を含むことが開示されている。しかしながら、特許文献3には、多糖類を電解液に溶解させることについては何ら開示していない。
特許文献4には、過充電の程度等を把握することができる充電制御システムが開示されている。このシステムは、二次電池の充電電圧値が目標電圧値よりも大きくなった場合に、充電器からの通電を強制的に遮断する電池保護部を備えることも開示している。しかしながら、発熱を起点として過電圧を検知する構成についてはなんら開示していない。
ここに開示される技術は、電池内で起こり得ることが知られていた電解液の粘度上昇をこれまでにない発想の転換により過充電による温度上昇の早期検知に利用した、全く新しい技術を提供するものである。
一実施形態に係る二次電池の保護装置のブロック図である。 比較例に係る二次電池の過充電時間と、電池電圧および電池温度との関係を示すグラフである。 一実施形態に係る二次電池の過充電時間と、電池電圧および電池温度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない正極や負極等の二次電池構成要素や、電池の一般的な製造プロセス等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1は、一実施形態に係る二次電池の保護装置1のブロック図である。ここに開示される二次電池の保護装置1は、本質的な構成として、二次電池10と、電圧測定部20と、電池保護部30と、を備える。なお、二次電池10は特定のものが固定的に備えられていてもよいし、任意の二次電池10が着脱可能に構成されていてもよい。そしてこの保護装置1は、二次電池10が外部装置としての充電機50に接続されて充電されるとき、二次電池10の過充電に伴う過昇温を好適に抑制することができる。言い換えれば、例えば、従来の電圧検知型の過充電防止機構と同様の電圧測定部20および電池保護部30の採用にって、これまで十分に抑制することができていなかった過昇温をも適切に抑制することができるように構成されている。
以下、各構成要素について順に説明する。
電圧測定部20は、二次電池10の正極および負極の端子間電圧を測定する要素である。電圧測定部20は、二次電池10に電気的に接続されている。そして電圧測定部20は、後述の充電機50によって充電されている二次電池10の充電電圧Vcを測定することができる。電圧測定部20の構成は特に制限されず、従来公知の電圧測定機能を有する電子部品、電子機器等により構成することができる。電圧測定部20による充電電圧Vcの測定のタイミングは特に制限されず、所定のインターバルを介して定期的に測定してもよいし、随時測定してもよい。より高精度で安全性の高い充電を実施するとの観点からは、随時測定することが好ましい。電圧測定部20は、例えば、後述する電池保護部30に電気的に接続されている。
電池保護部30は、電圧測定部20に電気的に接続されている。電池保護部30は、電圧測定部20によって測定された二次電池10の電圧Vcを参照することができる。また電池保護部30は、充電機50に電気的に接続可能に構成され、また、充電機50と二次電池10との間の充電動作を制御可能に構成されている。そして電池保護部30は、電圧測定部20により測定された二次電池10の電圧値Vcが予め設定された充電停止電圧値Vsに到達したときに、二次電池10が過充電であると判断し、充電機50から二次電池10への充電を停止するように構成されている。
電池保護部5の構成は特に制限されず、一例として、ハードウェア(例えば、回路)により構成されていてもよいし、マイクロコンピュータに含まれる中央演算処理装置(CPU:central processing unit)がコンピュータプログラムを実行することにより機能的に実現されるように構成されていてもよい。ここでマイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されず、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からプログラムデータを受信したり、電圧測定部20から二次電池10の電圧データを受信したり、あるいはこれらにデータを送信したりするインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行するCPUと、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記制御プログラム等の各種データを格納する記憶部と、を備えていてもよい。
また、充電機50の構成についても特に制限されない。例えば、充電電流値を任意に変更しうる電流制御部や、充電電圧値を参照して充電電流を調整しながら充電できる、いわゆる定電流-定電圧充電方式が可能な充電機であることが好ましい。また、二次電池10が例えば車両駆動用の二次電池であって、回生エネルギーが発生するとき、充電機50はこの回生エネルギーを二次電池10に充電できるように構成されていてもよい。
二次電池10は、正極と負極と電解液とを備える。
正極は特に限定されず、従来と同様でよい。正極は、典型的には、正極集電体と、正極集電体上に固着された多孔質構造の正極活物質層と、を備えている。正極集電体としては、例えばアルミニウム等の金属箔が好適である。正極活物質層は、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質の好適例としては、例えば、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。正極活物質層は、正極活物質以外の任意成分(例えばバインダや導電材等)を含んでいてもよい。
負極は特に限定されず、従来と同様でよい。負極は、典型的には、負極集電体と、負極集電体上に固着された多孔質構造の負極活物質層と、を備えている。負極集電体としては、例えば銅等の金属箔が好適である。負極活物質層は、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質の好適例としては、例えば、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。負極活物質層は、負極活物質以外の任意成分(例えばバインダや増粘剤等)を含んでいてもよい。
電解液は、非水溶媒と、電解質支持塩と、アミロースおよびアミロペクチンのうちの少なくとも一種と、を含んでいる。
電解液は、典型的には室温(25℃)以下の温度で液体状態を示す。電解質支持塩は、例えばリチウム塩である。非水溶媒およびリチウム塩については特に限定されず、従来の二次電池の電解液に使用されているものと同様であってよい。
非水溶媒の好適例としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒が挙げられる。なかでも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のカーボネート類、および、これらのカーボネートがフッ素化されたフッ素化カーボネートを、1種または2種以上含むことが好ましい。リチウム塩の好適例としては、例えば、LiPF、LiBF等が挙げられる。電解液中のリチウム塩の濃度は、例えば0.8~1.3mol/Lとすることができる。
アミロースおよびアミロペクチンは、いずれもでんぷんの構成成分として知られている多糖類であり、α-グルコースの重合体(例えば、重合度:数百~数万、重量平均分子量:数万~数百万)である。アミロースおよびアミロペクチンは、上記の非水溶媒に対して常温(例えば25℃)域では溶解性を示さないが、高温下(例えば50℃以上)では非水溶媒に対する溶解性を示す。同時に、アミロースおよびアミロペクチンは、非水溶媒に溶解すると、当該非水溶媒の粘度を上昇させる。
このことにより、過充電に伴い電池の内部で電極が自己発熱を始めたときに、電極活物質層ないしはその周縁に含浸されている電解液中のアミロースおよびアミロペクチンが電解液に溶解して電解液の粘度を上昇させる。これにより、充電途中にある二次電池10の内部抵抗が上昇する。このことは、引き続き二次電池10に充電が行われる場合は、二次電池10の電圧を、アミロースおよびアミロペクチンが添加されていない電池と比較して、相対的に大きく上昇させることに繋がる。その結果、電圧測定部20により測定される二次電池10の充電電圧Vcが、充電停止電圧値Vsに到達するタイミングが早められる。このことにより、過充電による電池の内部での電極の自己発熱を、電圧測定部20によってより早いタイミングで検知することができる。
なお、従来のレドックスシャトルを利用した抵抗上昇に基く過充電の検知と防止の機構は、その作動がそのまま電池電圧に依存していた。そのため、二次電池が過充電時に酸化還元反応が生じる電圧に到達していても、二次電池の各部の温度状況によっては、充電を停止しても過昇温に至ってしまう場合もあった。つまり、電池電圧は、必ずしも過昇温の原因とはなり得ていなかった。これに対し、過充電時の抵抗増加のトリガーを、電圧起因の物質ではなく温度(特に電極温度)起因の物質に置き換えることで、電圧上昇よりも先行して過昇温が進行している場合に、この過昇温を電圧の上昇に検知することができる。延いては、過昇温が進行する前の初期の段階で、電池保護部5によって、充電機50から二次電池10への充電を停止させることができる。
アミロースは、α-グルコースが直鎖状に重合した分子構造を有し、アミロペクチンと比較して相対的に分子量が小さい。一方のアミロペクチンは、α-グルコースが分岐鎖状に重合した分子構造を有し、アミロースと比較して相対的に分子量が大きい。その結果、アミロースの方が、アミロペクチンに比べて相対的に、より低温で電解液中に解けやすい。しかしながら、アミロースの方が、アミロペクチンに比べて相対的に、電解液に解けたときに粘度を上昇させる効果が少ない。さらに、アミロースとアミロペクチンは、電解液の具体的な組成によって溶解度が異なり得るし、自身の分子量によっても溶解温度が異なり得る。したがって、使用するアミロースおよび/またはアミロペクチンの分子量や、添加量、混合割合等は、これらのことを勘案して適宜設定することができる。アミロースおよびアミロペクチンは、例えば、50℃以上70℃以下の温度域で上記の非水溶媒に対して溶解するものであってよい。
アミロースおよび/またはアミロペクチンの重量平均分子量は、必ずしもこれに限定されないが、好適な一例として、1×10以上が好ましく、2×10以上がより好ましい。これにより、電解液を好適に増粘させることができ、早期の電圧上昇を招くことができる。しかしながら、アミロースおよび/またはアミロペクチンは、分子量が大きすぎると昇温時に適切に溶解し難くなるために好ましくない。かかる観点から、アミロースおよび/またはアミロペクチンの重量平均分子量は、必ずしもこれに限定されないが、一例として、10×10以下が好ましく、8×10以下がより好ましい。
好適な一例として、電解液の全体を100質量%としたときに、アミロースおよび/またはアミロペクチンの割合は、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。これにより、電解液を好適に増粘させることができ、早期の電圧上昇を招くことができる。しかしながら、過剰なアミロースおよび/またはアミロペクチンの添加は、通常使用時に電極に付着するなどして電極反応を阻害させてしまうと好ましくない。かかる観点から、アミロースおよび/またはアミロペクチンの割合は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
なお、アミロースとアミロペクチンは、両者が混在したいわば澱粉のような形態で用いてもよいし、アミロースまたはアミロペクチンのいずれか一方のみを用いてもよい。より高精度な過充電防止機構の実現のためには、アミロースまたはアミロペクチンのいずれか一方(より好ましくはアミロース)を単独で使用することが好ましい。これにより、過充電防止機構を即時に作動させることができる。
以上の通り、ここに開示される保護装置1は、二次電池10の過充電に伴う過昇温の進行をより早い段階で検知することができる。また当該過昇温の進行は、電圧測定部20により検知することができる。このことから、ここに開示される二次電池10は、上記のアミロースおよび/またはアミロペクチンに加えて、所定の電圧に到達したときに酸化還元反応を生じるなどして電解液の抵抗を上昇させる酸化還元試薬を同時に含んでいてもよい。これにより、電圧測定部20によって、電圧上昇に伴う過充電と、発熱に起因する過昇温との両方を好適に検知して、過充電を安全に抑制することができる。なお、このような過充電は、高出力密度やハイレートで充放電する態様で使用される二次電池10において生じやすい。したがって、ここに開示される保護装置1は、高出力密度やハイレート耐性を要求される、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両に搭載されるモータの駆動用の二次電池10の保護装置1として特に好適に利用することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に限定することを意図したものではない。
非水電解液にアミロースを含む二次電池と含まない二次電池とを用意して、過充電時の温度および電圧特性を検討した。
具体的には、まず、正極集電体としての長尺のアルミニウム箔の両面に、正極活物質としてのリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質層を形成して正極を作製した。また、負極集電体としての長尺の銅箔の両面に、負極活物質としての黒鉛を含む負極活物質層を形成して負極を作製した。そしてこれらの正極と負極とを2枚のセパレータを介在させて重ね合わせ、絶縁状態で捲回することで捲回型電極体を用意し、角型の電池ケースに収容した。なお、電極体の正極集電体は、電池ケースに備えられた正極外部端子に電気的に接続し、負極集電体は、負極外部端子に電気的に接続している。
次に、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=1:1:1の体積比で含む混合溶媒に、リチウム塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させた電解液を調製し、比較例の電解液とした。また、比較例の電解液86mLに、添加剤としてのアミロースを10g(3質量%)添加することで、実施例の電解液を用意した。用意したアミロースの重量平均分子量(Mw)は2.6×10であり、上記電解液にこのアミロースが溶融する温度は約50~70℃である。そして、上記の電池ケースに用意した電解液を注液することで、実施例と比較例のリチウムイオン電池をそれぞれ用意した。これらの電池の理論容量は5Ahである。
過充電時の電圧および温度特性は、次のように測定した。すなわち、まず、用意したリチウムイオン電池に対し、25℃の温度環境下で所定のコンディショニング処理を施したのち、SOC(State of Charge)が60%の状態に調整した。
次いで、図1に示すように、用意した二次電池10を保護装置1の電池装着部に設置した。これにより、二次電池10の正負の外部端子には、充電機50と電圧測定部20とが電気的に接続される。なお、電圧測定部20および充電機50には、電池保護部50が電気的に接続されている。電池保護部50は、電圧測定部20が測定する二次電池10の電圧が所定の電圧値に到達したときに、二次電池10と充電機50との間の電気的な接続を遮断するように構成されている。また、二次電池10の電池ケースの長側面の中心に熱電対を貼り付け、二次電池10の温度も併せて測定できるようにした。
そして、電池保護部30による充電停止電圧を8Vの過充電状態に設定し、25℃の環境下、用意した二次電池10に対して、充電機50を用いて75Aの定電流充電を行った。充電開始からの電池温度および正負極間電圧を測定し、その結果を図2および3に示した。図2は、比較例の電池についての測定結果を示し、図3は実施例の電池についての測定結果を示している。
図2に示すように、電解液にアミロースを添加していない二次電池では、充電が進むに連れて電池温度と電圧の両方が上昇してゆく様子が観察された。ここで、二次電池は、充電開始後しばらくして、約4.5V付近で電圧の上昇が一旦緩やかになる期間を経たのち、急激に電圧が上昇し始めて、8Vの充電停止電圧に到達した。ここで、電池保護部50によって充電機50による充電は停止されたものの、電池温度はそのまま約180℃まで上昇を続け、過昇温に至ることが確認された。これは、電池保護部50によって異常電圧を検知した時点で、二次電池10の電極では既に自己発熱による過熱が進行しており、充電の停止のみでは過昇温を停止させることができなかったと考えられる。
一方、図3に示すように、電解液にアミロースを添加した二次電池では、充電が進むに連れて電圧は上昇するものの、電池温度は比較的低いまま低下(冷却)傾向に転じる様子が観察された。具体的には、二次電池は、アミロースを添加していない場合と同様に、充電開始とともに電圧が上昇し、約4.5Vで電圧の上昇が一旦緩やかになる期間を経たのち、急激に電圧が上昇し始め、8Vの充電停止電圧に到達した。しかしながら、時間-電圧曲線は、アミロースを添加していない場合の時間-電圧曲線の時間軸を約3/4程度に圧縮したような形状であり、同じような電圧履歴をたどりながらもより短い時間で充電停止電圧に到ることがわかった。これに対し、電池温度の上昇速度はアミロースを添加した場合と添加していない場合とで殆ど変わらず、その結果、電池温度がさほど上昇していない時点で充電が停止されることとなった。そのため、電解液にアミロースを添加した二次電池では、電池保護部50によって異常電圧を検知した時点で充電機50による充電を停止することで、過昇温に突入することなく、安全に過充電を停止できることがわかった。なお、このときの電池の最高到達温度は85℃であった。
電解液にアミロースを添加した二次電池における短時間での電圧上昇は、充電によって温度が上昇し始めたときにアミロースが電解液に溶解して電解液の粘度を上昇させ、その結果、電池の充電抵抗が増大されて、定電流充電における電圧上昇を加速させたものと考えられる。つまり、過充電時の内部抵抗上昇のトリガーを、電池電圧に起因させるのではなく、温度に起因させることにより、過充電に伴う昇温を早期に検知して過昇温を好適に防止できることがわかった。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 正極と、負極と、アミロースおよびアミロペクチンのうちの少なくとも一種を含む電解液と、を有する二次電池と、
    前記二次電池の電圧を測定する電圧測定部と、
    測定された前記電圧に基づき前記二次電池が過充電であると判断した場合に前記二次電池の充電を停止する電池保護部と、
    を備える、二次電池の保護装置。
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