JP4618025B2 - 組電池及びその充電制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は直列に接続された複数の二次電池からなる組電池の充電制御方法及び充電制御システムに関する。さらに、かかる充電制御方法及び充電制御システムによって充電が制御可能な組電池に関する。
複数の二次電池が直列接続された組電池は、高出力が得られる電源として、車両搭載用電源、或いはパソコン及び携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池を複数直列に接続した組電池は、高出力電源として好ましく用いられている。
ところで、前述したような装置に搭載される組電池は、直列接続されたそのままの状態で充電されることが多い。しかし、組電池を構成する個々の電池(以下「単電池」という。)には、電池製造時の僅かな条件の違いや使用時に生じる僅かな変化によって電池性能に多少のバラツキがある。このため、単電池間の充電容量に個体差が生じる場合がある。
充電容量の異なる複数の単電池が直列状態のままで充電処理されると、充電容量の少ない特定の電池が先に充電されて過充電状態になる。そして、該特定の電池の性能が過充電によって選択的に低下する。特定の電池の電池性能が低下すると、その電池を包含した組電池自体の性能が低下し、該組電池の寿命が短くなりやすくなる。
種々の装置(電気自動車やハイブリッド自動車等の車両、或いはパソコン等の携帯端末)の電源として組電池を使用する場合、安全性確保やコスト低減のための長寿命化は重要であり、個々の単電池を過充電から保護することは一つの大きな課題である。
この課題に対し、特許文献1には、充電に際して、組電池を構成する電池のそれぞれに端子電圧を測定するモニターを接続し、個々の電池毎に満充電状態を見極めて充電を停止する制御方法が記載されている。かかる制御方法では、各電池毎に電圧モニターや充電停止等の切り替えに必要なスイッチを備える必要があり、充電制御に必要な回路が複雑化してコストが高くなる問題がある。
特開2003−157908号公報
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、直列に接続された複数の単電池からなる組電池を充電する際に、特定の電池が選択的に過充電されないように制御する充電制御方法と、該制御方法を効果的に実現し得るシステムと、前記方法及びシステムに適用し得る組電池を提供することである。
本発明者は、電解質に含まれる支持塩の濃度が低く設定された電池は、充電時における電圧上昇が早いことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によって提供される組電池の充電制御方法は、充放電可能な二次電池を単電池とし、該単電池を複数個直列に接続してなる組電池の充電制御方法である。
この方法では、前記組電池として電解質中の塩濃度が所定レベルである単電池のほかに該所定レベルの塩濃度よりも低いレベルの塩濃度に設定された充電制御用単電池が少なくとも一つ含まれた組電池を用い、その充電制御用単電池の電圧値をモニタリングする。
そして、該モニタリングにより、前記充電制御用単電池の電圧値が所定の電圧値よりも低いときには該単電池が複数個直列に接続された状態で組電池に充電処理を行い、該充電制御用単電池の電圧値が所定の電圧値に達したときには充電処理を停止することを特徴とする。
なお、本明細書中において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいい、リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等のいわゆる蓄電池を包含する。
また、組電池に含まれる複数の単電池は、典型的には、実質的に同一の構成要素(例えば、正極、負極及び電解質の材料や配合比等)からなる同規格の単電池である。なお、充電制御用単電池として用いられる単電池は、電解質の塩濃度が低く設定されている点で他の単電池と異なるが、その他の要素については同規格で構成された単電池であり得る。
かかる構成の充電制御方法は、充電の際、低塩濃度の電池(本発明に係る充電制御用単電池)の電圧上昇が他の単電池よりも早いことを利用した方法である。事前に低塩濃度の充電制御用単電池を組み込んだ組電池は、電位上昇の早い充電制御用単電池の電圧値が所定の電圧値に達したときに充電を停止することで、他の単電池が所定の電圧以上になることを防止することができる。従って、従来のように、組電池に含まれるすべての単電池の電圧値を監視しなくても各単電池の過充電が防止され、単電池の劣化が防止され得る。これにより、個々の単電池の寿命が長くなり、結果として組電池全体の長寿命化が実現される。
本発明はまた、組電池の充電制御システムを提供する。
ここで開示される充電制御システムは、充放電可能な二次電池を単電池とし、該単電池を複数個直列に接続してなる組電池の充電制御システムであり、前述した充電制御方法を好適に実施し得るシステムである。
本システムに適用される組電池は、電解質中の塩濃度が所定レベルである単電池のほかに該所定レベルの塩濃度よりも低いレベルの塩濃度に設定された単電池であって塩濃度以外の規格が組電池内の他の単電池と同じである充電制御用単電池が少なくとも一つ含まれた組電池である。
このシステムは、組電池に充電電力を印加する充電装置と、前記充電制御用単電池の電圧値を測定し得る電圧測定手段とを備える。また、前記充電装置及び前記電圧測定手段に接続された制御部であって、前記電圧測定手段により測定された電圧値が所定の電圧値よりも低いときには、該単電池が複数個直列に接続された状態で組電池を充電し、該電圧値が所定の電圧値に達したときには充電を停止するように充電処理を制御する制御部を備える。即ち、ここで開示されるシステムは、制御部によって前記組電池の充電を制御し得るように構成されている。
かかる構成のシステムによると、充電制御用単電池の電圧値を監視することによって、組電池全体の充電処理を適切に行なうことができる。
前記制御部には充電停止後の経過時間をカウントするカウンターを更に備えることができる。かかる制御部を備えたシステムは、前記カウンターが所定の経過時間をカウントしたときに前記電圧測定手段によって前記充電制御用単電池の電圧値が測定されるように設定される。そして、該電圧値が所定の電圧値よりも低いときには充電処理が行われ、該電圧値が所定の電圧値又はそれ以上であるときには経過時間のカウントがリセットされるように構成される。
かかる構成のシステムによると、組電池の使用の如何を問わず、所定の期間が経過した組電池の充電状態を確認することができる。また、充電制御用単電池の電圧値を定期的に測定することで組電池の充電の必要性が確認できるため、不要な充電処理による組電池の劣化を防止することができる。
また、本発明は、本発明に係る充電制御方法及び充電制御システムに適用し得る組電池を提供する。
ここで開示される組電池には、充放電可能な二次電池である単電池が複数個直列に接続されており、前記複数の単電池には電解質中の塩濃度が所定レベルである単電池のほかに該所定レベルの塩濃度よりも低いレベルの塩濃度(低塩濃度)に設定された単電池であって塩濃度以外の規格が組電池内の他の単電池と同じである充電制御用単電池が少なくとも一つ含まれている。
かかる構成の組電池によれば、上述した充電制御方法や充電制御システムを好適に実施することができる。
ここで開示される発明は、特にリチウム二次電池に好適に適用することができる。即ち本発明により提供される充電制御方法、充電制御システム及び組電池においての好適な一態様では、前記単電池がリチウムイオンを吸蔵及び放出し得る正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極活物質を含む負極と、リチウム塩を含む非水系電解質とを備えるリチウム二次電池である。好ましくは、前記リチウム塩が六フッ化リン酸リチウム(LiPF)である。また、特に好ましくは、前記所定レベルの塩濃度が1.0〜1.5mol/Lであり、前記低いレベルの塩濃度が該所定レベルの50〜80%の塩濃度である。前記低いレベルの塩濃度が0.8mol/L以下であることが更に好適である。
リチウム二次電池は、エネルギー密度が高く高出力である。このため、単電池としてリチウム二次電池を用いた組電池は、少ない単電池の数で高エネルギー密度、高出力の組電池を構成することができる。このため、組電池自体を小型軽量化することができ、好ましい。
また、LiPFをリチウム塩として用いた電解質を備えたリチウム二次電池から成る組電池は、上述した充電制御方法及び充電制御システムにを特に好適に実施することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、充電制御用単電池の電解質の塩濃度)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、充電装置における電源の種類)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係る組電池は、充放電可能な二次電池を単電池とし、該単電池を複数個直列に接続してなる組電池であって、充電制御用単電池として他の単電池の電解質の塩濃度よりも低い塩濃度に設定された電解質を含む単電池が備えられていることを特徴とする。従って、本発明に係る組電池は、上述した特徴を有するものである限り、他の構成要素や製造プロセスの内容に特に制限はない。
ここで開示される組電池に搭載される二次電池(単電池)は、充放電可能な蓄電池であれば特に限定されない。例えば、リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等が挙げられる。特に、リチウム二次電池は高エネルギー密度で高出力電圧であるため、構成する単電池の数が少なくても高性能な組電池を実現することができる。
充電制御用単電池の塩濃度の設定は、適用される二次電池、その電解質に含まれる電解質塩の種類等によって異なり得る。例えば、リチウム二次電池を単電池として用いた組電池の充電制御を行う場合(例えば電解質塩がLiPFである場合)、組電池の主な単電池の塩濃度は1.0〜1.5mol/Lの範囲で、充電制御用単電池は塩濃度が前記主な単電池の塩濃度の50〜80%の濃度であり(好ましくは更に0.8mol/L以下)であるものが好ましい。
なお、塩濃度の差が少なすぎると充電制御用単電池と他の単電池との間で充電電圧の上昇する早さに差が生じ難く本発明の効果を奏し難くなる。また、充電制御用単電池の塩濃度が低すぎる場合には、電解質の電気伝導率が過度に低下する虞があるため好ましくない。
充電制御用単電池は、組電池内に一つあれば十分その効果を発揮することができるが、複数個含まれていてもよい。また、組電池内での充電制御用単電池の接続部位は特に限定されず、他の単電池に挟まれる態様でもよいし、接続端部に配置される形態であってもよい
また、ここで開示される組電池の充電制御方法及びシステムでは、前述した態様の充電制御用単電池の電圧値が所定の電圧値よりも低い場合に充電処理が行われ、所定の電圧値に達した場合に充電を停止することを特徴とする。
なお、「所定の電圧値」は、該組電池を構成する二次電池(即ち単電池)の種類によって適宜異なり得る。また、好ましくは、「所定の電圧値」は、その組電池を構成する単電池(二次電池)について想定される通常の電圧(許容電圧)の範囲内にある電圧値に設定することができる。通常は、前記許容電圧の下限以下の場合には充電処理を行い、該許容電圧の上限の電圧値に達したときに充電を停止される。なお、充電制御用単電池の電圧値の測定は、例えば、デジタルマルチテスター等の公知の測定装置を用いて計測することができる。
また、ここで開示される好ましい形態の充電制御システムでは、更に、充電停止時からの経過時間を測定するカウンターを制御部に備える。
二次電池から成る組電池では、使用の如何にかかわらず自己放電等による電圧低下が生じやすい。ここで開示される好適な形態のシステムでは、カウンターにより充電処理停止時からの経過時間が計測され、所定の期間が経過したときの当該組電池の充電状態に応じた充電処理が施される。その結果、該組電池の出力やエネルギー密度が常時高水準に保たれる。
所定の期間が経過したときの充電状態は、組電池に含まれる充電制御用単電池の電圧値によって判断され、所定の電圧値よりも低い場合に充電処理が行われる。また、所定の電圧値よりも高い場合には、経過時間のカウントがリセットされ、再び経過時間が計測される。なお、「所定の期間」は、該組電池を構成する二次電池(即ち単電池)の種類や用途等によって異なり得る。
ここで開示される組電池の充電制御方法及びシステムは、低塩濃度の電解質を有する充電制御用単電池が他の単電池よりも充電時の電圧上昇が早いことで実施し得るものである。電解質が低塩濃度であることによる効果の機構は必ずしも明らかではないが、例えば、電解質中の溶媒−イオン(支持塩の解離イオン)、イオン−イオンといった物質及び/又はイオン同士の衝突や会合等の相互作用が低塩濃度の電解質では少ないため、速やかな電圧上昇が実現されるものと考えられる。
なお、組電池の用途は特に限定されず、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される車両搭載用バッテリー、携帯電話やノート型パソコンといった携帯端末電源、又は、非常電源用バッテリー等が挙げられる。
組電池は、複数個の単電池が直列に接続されてなる構成で、前述した態様の充電制御に用いられる単電池(充電制御用単電池)が少なくとも一つ含まれればよい。
組電池を構成する単電池の個数や形状は、組電池の用途(例えば、搭載する装置に必要な電力や必要な容量)に合わせて決定すればよく、特に限定されない。単電池の形状としては、例えば、角型、コイン型、円筒型及びフィルム外装型が挙げられる。
本発明の組電池の充電制御方法を効果的に実施し得るシステムの一例について、図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、組電池の充電制御システム1は、大まかにいって、複数の単電池3と一つの充電制御用単電池5が直列接続されてなる組電池10と、充電制御用単電池5の電圧値を測定する電圧測定手段12と組電池10に対して充電処理を行うための充電用電源18と、その充電処理を制御する制御手段としての電子制御ユニット(ECU)14とから構成されている。
なお、図1中の破線で示すように、電装品20と組電池10とが充電時に取り外されない形態(例えば、組電池10が電気自動車に搭載されたバッテリーで電装品20がモータである形態、或いは、組電池10が携帯電話用電池パックで電装品20が携帯電話本体である形態)の場合には、充電時でも電装品20が接続されたままで構成される。
また、本発明に係る組電池の充電制御システムは、電装品20と充電用電源18が共通化された形態にも適用することができる。電装品20と充電用電源18が共通化された形態の場合、充電用の電源を別途設ける必要がない。電装品20と充電用電源18が共通化された形態として、例えば、ハイブリッド自動車のシステムが挙げられる。ハイブリッド自動車のシステムでは、モータがバッテリー(組電池10)から電力が供給される電装品20の機能と、バッテリー(組電池10)に電力を供給する電源18の機能を有している。モータ駆動を動力源としてハイブリッド自動車が作動するとき、モータは、バッテリー(組電池10)から電力の供給を受ける電装品20として機能する。ハイブリッド自動車が減速或いは制動するとき、モータは、車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機として作動し、バッテリー(組電池10)に電力を供給する電源18として機能する。ハイブリッド自動車のシステムに本発明に係る充電制御システムを適用する場合、モータが電装品20と電源18を兼ねるため、充電用の電源を別途備えなくてもよい。
ECU14は、組電池10、充電用電源20及び充電制御用単電池50の電圧測定手段12のそれぞれに電気的に接続されている。このECU14は電圧測定手段12により得られた電圧値に応じて適切な充電処理の是非を選択し、ECU14による制御の下で組電池10に対して処理が行われるようにシステム1を構成することができる。
また、ECU14は、組電池10の前回の充電処理が停止されてからの期間を測定するカウンター16を備えることができる。
かかる構成のシステムの作動を、図2に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、電圧測定手段によって充電制御用単電池の電圧値を測定する(S1)。そして電圧値を判定し(S2)、電圧値(V)が所定の電圧値(V)よりも低いとき(Yes判定)、充電用電源から電力を印加し充電処理を行う(S3)。そして電圧制御用単電池の電圧値をモニタリング(S4)し、電圧値が所定の電圧値に達したときに(S5、Yes判定)、充電を停止する(S6)。
次に、制御部に備えられたカウンターを用いて、充電処理を停止したときからの経過時間をカウントし、所定の経過時間(例えば1日)まで進んだところで再び充電制御用単電池の電圧値を測定する(S7)。電圧測定値が所定の電圧値以下の場合には(S8、Yes判定)、前述と同様の手順で充電処理を行う。電圧測定値が所定電圧値に到達している場合には(S8、No判定)、充電停止後の経過時間のカウントをリセットし(S9)、所定の時間まで再び経過時間をカウントする(S7)。
上述の処理を繰り返すことによって、組電池の充電状態は好適に制御される。
次に、異なる塩濃度からなる電解質を備えたリチウム二次電池(単電池)をいくつか作製し、定電力充電による充電特性の違いを評価した。
<リチウム二次電池の作製>
試験例に使用したリチウム二次電池(18650型)は以下のようにして作製した。即ち、負極活物質としての炭素材料(ここでは、平均粒径約10μmの人造黒鉛粉末を使用した。)を、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)とともにイオン交換水と混合して、ペースト状の負極用組成物を調製した。この組成物に含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、前記炭素材料が98質量%、CMCが1質量%、SBRが1質量%である。この負極用組成物を、負極集電体としての長尺状銅箔の両面に塗布して、負極集電体の両面に負極活物質含有層を備えるシート状の負極(負極シート)を作製した。
一方、正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNiO)と、導電材としてのアセチレンブラックとを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びCMCとともにイオン交換水と混合してペースト状の正極用組成物を調製した。この組成物に含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、正極活物質(LiNiO)が95質量%、アセチレンブラックが3質量%、PTFEが1質量%、CMCが1質量%である。この正極用組成物を、正極集電体としての長尺状アルミニウム箔の両面に塗布して、正極集電体の両面に正極活物質含有層を備えるシート状の正極(正極シート)を作製した。
セパレータとしては、厚さ約25μmの長尺状の多孔質ポリエチレンシートを用いた。このセパレータシートを介して正極シートと負極シートとが対向するように重ね合わせ、これを長尺方向に捲回して捲回型電極体を作製した。得られた電極体を有底円筒状のアルミニウム容器に収容した後、該容器の開口端にアルミニウム製の電池蓋を溶接した。ここで、電極体を構成する正極シートは、アルミニウム製の正極集電タブを介して、電池蓋から突出する正極端子と電気的に接続されている。また、電極体を構成する負極シートは、銅製の集電タブを介して、電池蓋から突出する負極端子と電気的に接続されている。
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:7(体積比)混合溶媒にLiPF(支持塩)を溶解させたものを用いた。
なお、本実施例に係る電池の支持塩の濃度は、それぞれ、0.75mol/L(サンプルNo.1)、1.0mol/L(サンプルNo.2)、1.25mol/L(サンプルNo.3)となるように調整した。
この電解液を、前記電池蓋に設けられた貫通孔(注液孔)から電池容器に注液した後、該容器を密閉した。このようにして組み立てたリチウム二次電池を数日間エージングした後、数サイクル充放電させた。かかるエージング及び充放電を行った後の電池を、試験用のリチウム二次電池(サンプルNo.1〜3)として使用した。
而して作製した試験用リチウム二次電池を用い、下記の試験例に示す充電特性評価試験を行った。
<試験例1:25℃、600W定電力充電における充電特性評価>
異なる塩濃度からなる前記試験用リチウム二次電池(サンプルNo.1〜3)をそれぞれ25℃の条件下で60%の充電状態(SOC)にした後、600Wの定電力充電を実施し、4.2Vの電圧値に到達するまでの時間を測定した。結果を図3に示す。
図3に示すように、塩濃度が0.75mol/Lと最も低いサンプルNo.1の電池では、4.2Vまでの電圧到達時間が20秒であり、サンプルNo.2及び3の電池よりも5秒程度早く到達した。
<試験例2:25℃、200W定電力充電における充電特性評価>
前記試験用リチウム二次電池(サンプルNo.1〜3)をそれぞれ25℃の条件下で60%の充電状態(SOC)にした後、200Wの定電力充電を実施し、4.2Vの電圧値に到達するまでの時間を測定した。結果を図3に示す。
図3に示すように、サンプルNo.1〜3の電池は、4.2Vまでの電圧到達時間がいずれも200秒程度であり、個々の電池の充電特性に大きな変化はみられなかった。
<試験例3:0℃、200W定電力充電における、充電特性評価>
前記試験用リチウム二次電池(サンプルNo.1〜3)をそれぞれ0℃の条件下で60%の充電状態(SOC)にした後、200Wの定電力充電を実施し、4.2Vの電圧値に到達するまでの時間を測定した。結果を図4に示す。
図4に示すように、サンプルNo.1〜3の電池は、塩濃度が0.75mol/Lと最も低いサンプルNo.1の電池では、4.2Vまでの電圧到達時間が27秒であり、サンプルNo.2及び3の電池よりも10秒〜1.5秒程度早く到達した。
<試験例4:0℃、150W定電力充電における、充電特性評価>
前記試験用リチウム二次電池(サンプルNo.1〜3)をそれぞれ0℃の条件下で60%の充電状態(SOC)にした後、150Wの定電力充電を実施し、4.2Vの電圧値に到達するまでの時間を測定した。結果を図4に示す。
図4に示すように、サンプルNo.1〜3の電池は、4.2Vまでの電圧到達時間がいずれも200秒程度であり、個々の電池の充電特性に大きな変化はみられなかった。
上記試験例1〜4の結果から、LiPF濃度が1.0mol/L及び1.25mol/Lである電解質を備えたサンプルNo.2及び3は、4.2Vまでの電圧到達時間に違いが生じなかった。
一方、いずれの温度条件下でも、充電電力値が大きい(25℃では600W、0℃では200W)場合には、濃度が0.75mol/Lの電解質を備えたサンプルNo.1の4.2Vまでの電圧到達時間が他のサンプルよりも早く、充電制御用単電池として用いることができることがわかった。
従って、複数の単電池が直列に接続された組電池の充電を制御するには、予め他の単電池よりも低いレベル塩濃度の電解質を含む単電池を組電池に組み込み、低塩濃度の電池を充電制御用単電池として用いることが有効であることが確認された。
組電池とその充電制御システムの概略構成を示す概略図である。 組電池の充電制御システムの一作動形態を例示したフローチャートである。 試験例1及び試験例2の結果を示すグラフである。 試験例3及び試験例4の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 組電池の充電制御システム
3 単電池
5 充電制御用単電池
10 組電池
12 電圧測定手段

Claims (10)

  1. 充放電可能な二次電池を単電池とし、該単電池を複数個直列に接続してなる組電池の充電を制御する方法であって、
    前記組電池として電解質中の塩濃度が所定レベルである単電池のほかに該所定レベルの塩濃度よりも低いレベルの塩濃度に設定された単電池であって塩濃度以外の規格が組電池内の他の単電池と同じである充電制御用単電池が少なくとも一つ含まれた組電池を用意し、
    前記充電制御用単電池の電圧値をモニタリングし、
    ここで該モニタリングにより、前記充電制御用単電池の電圧値が所定の電圧値よりも低いときには該単電池が複数個直列に接続された状態で組電池に充電処理を行い、該充電制御用単電池の電圧値が所定の電圧値に達したときには充電処理を停止することを特徴とする、組電池の充電制御方法。
  2. 前記単電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極活物質を含む負極と、リチウム塩を含む非水系電解質とを備えるリチウム二次電池である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記所定レベルの塩濃度が1.0〜1.5mol/Lであり、
    前記低いレベルの塩濃度が該所定レベルの塩濃度の50〜80%の濃度であり、且つ、0.8mol/L以下の塩濃度である、請求項2に記載の方法。
  4. 充放電可能な二次電池を単電池とし、該単電池を複数個直列に接続してなる組電池の充電を制御するシステムであって、
    前記組電池として電解質中の塩濃度が所定レベルである単電池のほかに該所定レベルの塩濃度よりも低いレベルの塩濃度に設定された単電池であって塩濃度以外の規格が組電池内の他の単電池と同じである充電制御用単電池が少なくとも一つ含まれた組電池が用意され、
    該組電池に充電電力を印加する充電装置と、
    前記充電制御用単電池単独の電圧値を測定し得る電圧測定手段と、
    前記電圧測定手段により測定された電圧値が所定の電圧値よりも低いときには該単電池が複数個直列に接続された状態で組電池を充電し、該電圧値が所定の電圧値に達したときには充電を停止するように充電処理を制御する制御部と、
    を備えた充電制御システム。
  5. 前記制御部には充電停止後の経過時間をカウントするカウンターが備えられており、
    前記カウンターが所定の経過時間をカウントしたときに前記電圧測定手段によって前記充電制御用単電池の電圧値が測定され、該電圧値が所定の電圧値よりも低いときには充電処理が行われ、該電圧値が所定の電圧値又はそれ以上であるときには経過時間のカウントがリセットされるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記単電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極活物質を含む負極と、リチウム塩を含む非水系電解質とを備えるリチウム二次電池である、請求項4又は5に記載のシステム。
  7. 前記所定のレベルの塩濃度が1.0〜1.5mol/Lであり、
    前記低いレベルの塩濃度が該所定レベルの塩濃度の50〜80%の濃度であり、且つ、0.8mol/L以下の塩濃度である、請求項6に記載のシステム。
  8. 充放電可能な二次電池を単電池とし、該単電池を複数個直列に接続してなる組電池であって、
    前記複数の単電池には電解質中の塩濃度が所定レベルである単電池のほかに該所定レベルの塩濃度よりも低いレベルの塩濃度に設定された単電池であって塩濃度以外の規格が組電池内の他の単電池と同じである充電制御用単電池が少なくとも一つ含まれている、組電池。
  9. 前記単電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る負極活物質を含む負極と、リチウム塩を含む非水系電解質とを備えるリチウム二次電池である、請求項8に記載の組電池。
  10. 前記所定のレベルの塩濃度が1.0〜1.5mol/Lであり、
    前記低いレベルの塩濃度が該所定のレベルの塩濃度の50〜80%の濃度であり、且つ、0.8mol/L以下の塩濃度である、請求項9に記載の組電池。
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