JP7008428B2 - 流動性の高いコンクリート - Google Patents

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Description

本発明は、流動性の高いコンクリートに関する。
一般的に使用されるコンクリート(普通コンクリート)に混和剤を添加して得られる流動性の高いコンクリートが知られている。流動性の高いコンクリートには、普通コンクリートと異なる配合で混和剤(減水剤)を添加して得られる高流動コンクリートや中流動コンクリートと呼ばれるものがある。
高流動コンクリートは、スランプフロー50~70cm程度の高い流動性を有するため、コンクリート自体が鉄筋構造の隙間を通過し、型枠の隅々まで均質に充填できる。従って、コンクリート施工時の締固め作業(型枠に流し込んだコンクリートに対してバイブレータによる振動を与える作業)を省略できるため、施工性が格段に向上する。
また、中流動コンクリートは、スランプフロー35~50cm程度の高い流動性を有するため、普通コンクリートに比べて流動性や鉄筋構造への充填性が高く、締固め作業を簡略化できる。
特開2012-116671号公報
しかしながら、高流動コンクリートや中流動コンクリートは、高い流動性に見合った材料分離抵抗性を確保するために、普通コンクリートよりも単位セメント量(粉体量)を増大させる必要がある。
たとえば、一般的な土木分野で使用される普通コンクリートの単位セメント量は300kg/m以下であるのに対し、高流動コンクリートでは、たとえば500kg/m以上の単位セメント量を必要とする。
また、混和剤として、増粘成分を含有した一液タイプの高性能AE減水剤が知られている。しかし、このような高性能AE減水剤を添加した場合であっても、高流動コンクリートで単位セメント量が400kg/m以上、中流動コンクリートで単位セメント量が350kg/m以上が必要となる。
すなわち、従来の高流動コンクリートや中流動コンクリートは、単位セメント量が多くなるため、単位セメント量に対する単位水量の割合(水セメント比)が小さくなる。また、単位セメント量が増大することにより、セメントの水和発熱量が増加し、コンクリート硬化時にひび割れ等が生じやすくなる。更に、単位セメント量の増加によるコンクリートの材料コストが増大する。
本発明は、単位セメント量を抑えた流動性の高いコンクリートを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、セメント、水、骨材、増粘剤、及び高性能AE減水剤を含む流動性の高いコンクリートであって、前記増粘剤が、水溶性セルロースエーテルからなり、前記高性能AE減水剤は、JIS A 6204に規定される減水率が18%以上であり、水セメント比は47.5%以上65%以下であり、スランプフローは35cm以上75cm以下である。
また、本発明の流動性の高いコンクリートは、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定される充填高さが30cm以上(障害:ランク2)、前記スランプフローが55cm以上75cm以下、且つ500mmフロー到達時間が3~15秒の高流動コンクリートであることが好ましい。
或いは、本発明の流動性の高いコンクリートは、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領で規定される充填高さが28cm以上(障害:ランク3)であり、且つ前記スランプフローが35cm以上50cm以下の中流動コンクリートであることが好ましい。
また、前記水の単位水量は、前記流動性の高いコンクリート1mあたり、185kg以下であることが好ましい。
本発明の流動性の高いコンクリートによれば、単位セメント量を抑えることができる。
==実施形態==
本実施形態は、セメント、水、骨材、増粘剤、及び高性能AE減水剤を含む流動性の高いコンクリートに関する。本実施形態において、流動性の高いコンクリートは、高流動コンクリート(自己充填コンクリート)及び中流動コンクリートを含む。
高流動コンクリートとは、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定される充填高さが30cm以上(障害:ランク2)であり、且つスランプフローが55cm以上75cm以下のコンクリートをいう。また、高流動コンクリートは、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定される500mmフロー到達時間が3~15秒であり、且つJIS A 1123に基づくブリーディング率が普通コンクリートと同等以下であることが好ましい。高流動コンクリ―トは、たとえば、鉄筋コンクリート構造(RC構造)を採用する構造物に用いられる。
一方、中流動コンクリートとは、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領で規定される充填高さが28cm以上(障害:ランク3)であり、且つスランプフローが35cm以上50cm以下のコンクリートをいう。また、中流動コンクリートは、JIS A 1123に基づくブリーディング率が普通コンクリートと同等以下であることが好ましい。中流動コンクリートは、たとえば、トンネルの覆工コンクリートに用いられる。
[セメント、水、骨材]
セメント、水、骨材は、通常のコンクリート作製時に使用される様々な材料を用いることができる。
セメントは、たとえば、ポルトランドセメント(普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等)や混合セメント(高炉セメント、フライアッシュセメント等)である。水は、たとえば上水道水やJISA5308に示される「上水道水以外の水」である。
本実施形態に係る流動性の高いコンクリートにおける水セメント比は47.5%以上65%以下である。たとえば、流動性の高いコンクリートにおける単位水量がコンクリート1mあたり175kgの場合、流動性の高いコンクリートにおける単位セメント量は、コンクリート1mあたり約269kg~約368kgとなる。
なお、コンクリート1mあたりの単位水量について、土木分野では175kg以下が好ましいとされ、建築分野では185kg以下が好ましいとされている。
骨材は、粗骨材及び細骨材を含む。
粗骨材は、砕石、川砂利、山砂利、陸砂利等である。細骨材は、陸砂、川砂、山砂、珪砂、砕砂等である。本実施形態に係る流動性の高いコンクリートに対する粗骨材の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり700kg~1100kgである。本実施形態に係る流動性の高いコンクリートに対する細骨材の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり700kg~1100kgである。なお、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]では、粗骨材寸法40mmの骨材を用いる場合の最低セメント量の目安を250kg/m以上とされており、粗骨材寸法20mmの骨材を用いる場合の最低セメント量の目安を270kg/m以上とされている。
[増粘剤]
増粘剤は、流動性の高いコンクリートの粘性を高め、材料分離を抑制するために用いられる。増粘剤の添加量は、好ましくはコンクリート1mあたり15g~250gである。本実施形態に係る増粘剤は、水溶性セルロースエーテルからなる。
水溶性セルロースエーテルは、非イオン性であり、流動性の高いコンクリートの材料分離抑制、ブリーディングの低減による耐久性の向上、強度及び品質のバラツキ低減が可能な点において、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースが好ましい。
アルキルセルロースとしては、DSが好ましくは1.0~2.2、より好ましくは1.2~2.0のメチルセルロース、DSが好ましくは1.0~2.2、より好ましくは1.2~2.0のエチルセルロース等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、DSが好ましくは1.0~2.2、より好ましくは1.2~2.0、MSが好ましくは0.05~0.6、より好ましくは0.10~0.5のヒドロキシエチルメチルセルロース、DSが好ましくは1.0~2.2、より好ましくは1.2~2.0、MSが好ましくは0.05~0.6、より好ましくは0.10~0.5のヒドロキシプロピルメチルセルロース、DSが好ましくは1.0~2.2、より好ましくは1.2~2.0、MSが好ましくは0.05~0.6、より好ましくは0.10~0.5のヒドロキシエチルエチルセルロースが挙げられる。
なお、DSは、置換度(degree of substitution)を表し、セルロースのグルコース環単位当たりに存在するアルコキシ基の個数であり、MSは、置換モル数(molar substitution)を表し、セルロースのグルコース環単位当たりに付加したヒドロキシアルコキシ基の平均モル数である。
上記アルキル基の置換度及びヒドロキシアルキル基の置換モル数の測定方法としては、第17改正日本薬局方記載のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の置換度分析方法により測定できる値を換算することで求めることができる。
水溶性セルロースエーテルの20℃における2質量%又は1質量%の水溶液粘度は、コンクリートに所定の粘性を与える点から、B-H型粘度計の20rpmにおいて、好ましくは30(2質量%)~30,000(1質量%)mPa・s、より好ましくは80(2質量%)~25,000(1質量%)mPa・s、更に好ましくは350(2質量%)~20,000mPa・s(1質量%)である。なお、水溶性セルロースエーテルの粘度は、50,000mPa・s以下は2質量%水溶液により、それを超える粘度の場合は1質量%水溶液により測定した。
水溶性セルロースエーテルの添加量は、高性能AE減水剤に対して、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.05~10質量%、更に好ましくは0.1~5質量%である。
[高性能AE減水剤]
高性能AE減水剤は、セメント粒子を分散し、コンクリートの流動性を高めると共に、スランプフローを保持するために用いられる。高性能AE減水剤は、公知のものを使用でき、好ましくは液体状のポリカルボン酸系減水剤である。本実施形態に係る高性能AE減水剤は、JIS A 6204に規定される減水率(以下、「減水率」という場合がある)が18%以上である。
高性能AE減水剤の添加量は、好ましくは単位セメント量の0.5~2.5重量%である。
[その他の混和材料]
本実施形態に係る流動性の高いコンクリートは、混和剤として、一般的なAE減水剤や空気量調整剤(AE剤や消泡剤)を含んでいてもよい。空気量調整剤は、流動性の高いコンクリートに対して所定の空気量を確保し、コンクリートの耐久性を得るために用いられる。消泡剤は、オキシアルキレン系、シリコーン系、アルコール系、鉱油系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系等が使用される。その他、流動性の高いコンクリートは、乾燥収縮低減剤や膨張材を含んでいてもよい。
[流動性の高いコンクリートの製造方法]
本実施形態に係る流動性の高いコンクリートは、一般的なコンクリートと同様の製造方法に従って作製することが可能である。
たとえば、流動性の高いコンクリートは、まず骨材及びセメントを空練りした後、混和剤(増粘剤、高性能AE減水剤等)及び水を投入し、更に練り混ぜることで作製できる。流動性の高いコンクリートは、レディーミクストコンクリートとして予め作製することも可能であるし、実際の現場で使用直前に作製することも可能である。
なお、増粘剤及び高性能AE減水剤は、予め混合したものを投入することでもよい。或いは、混和剤以外を投入したベースコンクリートを製造した後、適宜のタイミングで混和剤を投入して練り混ぜることでもよい。
なお、セメント、水、骨材、増粘剤、及び高性能AE減水剤の添加量は、上記高流動コンクリート及び中流動コンクリートの定義を満たす流動性の高いコンクリートが得られる範囲で適宜調整することが可能である。但し、本実施形態に係る流動性の高いコンクリートにおける水セメント比は47.5%以上65%以下となるように調整される。
==実施例==
[使用材料]
表1は、実施例または比較例で用いる使用材料を示したものである。
Figure 0007008428000001
全ての実施例及び全ての比較例において、セメント(C)は、太平洋セメント社製の普通ポルトランドセメント(密度3.16g/cm)を用いた。細骨材(S)は、千葉県木更津市産の陸砂(表乾密度2.61g/cm、吸水率1.80%、粗粒率2.46、実績率66.0%)を用いた。粗骨材(G)は、東京都青梅市産の砕石(区分:砕石2005、表乾密度2.65g/cm、吸水率0.75%、粗粒率6.62、実績率59.7%)を用いた。水(W)は、上水道水(密度1.00g/cm)を用いた。
一方、混和剤は、AE減水剤(WR)、高性能AE減水剤(SP)、空気量調整剤(AE剤:AE)、増粘剤(VMA1またはVMA2)を適宜用いた。
具体的に、AE減水剤(WR)は、BASFジャパン社製のマスターポゾリス(登録商標)No.70を用いた。高性能AE減水剤は、BASFジャパン社製のマスターグレニウム(登録商標)SP-8SV(減水率18%。SP)を用いた。空気量調整剤(AE剤:AE)は、BASFジャパン社製のマスターエア775Sを用いた。
増粘剤(VMA1及びVMA2)は、信越化学工業株式会社製の剤を用いた。VMA1は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、DS:1.7、MS:0.14、20℃における1質量%水溶液粘度がB-H型粘度計の20rpmにおいて5,100mPa・sである。VMA2は、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)であり、DS:1.4、MS:0.31、20℃における1質量%水溶液粘度がB-H型粘度計の20rpmにおいて15,400mPa・sである。
[使用材料の配合]
表2は、実施例及び比較例における使用材料の配合を示したものである。
Figure 0007008428000002
実施例1~5は、水セメント比(W/C)が異なっている。実施例1の水セメント比は65.0%であり、実施例2の水セメント比は60.0%であり、実施例3の水セメント比は48.6%であり、実施例4及び実施例5の水セメント比は47.5%である。
更に、実施例4及び5は実施例1~3と単位水量が異なっている。実施例4は単位水量が185kg/mであり、実施例5は単位水量が165kg/mである。
実施例6~9は、増粘剤の添加量が異なっている。実施例6は、コンクリート1mあたり20gの増粘剤を添加した例である。実施例7は、コンクリート1mあたり40gの増粘剤を添加した例である。実施例8は、コンクリート1mあたり80gの増粘剤を添加した例である。実施例9は、コンクリート1mあたり120gの増粘剤を添加した例である。
実施例10及び11は、他の実施例と種類の異なる増粘剤を用いた例である。実施例10は、増粘剤として、VMA2(ヒドロキシエチルメチルセルロース)を用いている。
実施例11~13は、中流動コンクリートのスランプフローの範囲(35cm~50cm)を想定して水セメント比(W/C)を変化させたものである。実施例11の水セメント比は65.0%であり、実施例12の水セメント比は60.0%であり、実施例13の水セメント比は55.0%である。
比較例1の配合で得られたコンクリートは、増粘剤及び高性能AE減水剤を添加していないコンクリート(普通コンクリート)である。
比較例2~4は、増粘剤を添加していないコンクリートである。比較例2~4は、水セメント比(W/C)が異なっている。比較例2の水セメント比は55.0%であり、比較例3の水セメント比は46.1%であり、比較例4の水セメント比は35.0%である。
目標スランプフロー(練り上がり5分後におけるスランプフロー。cm)は、実施例1~11において65±10cmであり、実施例12~14において42.5±7.5cmであり、比較例1において12±2.5cmであり、比較例2~4において65±10cmである。
[コンクリートの作製]
表2に示す配合の各材料を練り混ぜてコンクリートを作製した。全ての実施例及び比較例において作製方法は同様である。練り混ぜには、公称容量60Lの強制二軸練りミキサーを使用した。練り混ぜ量は、1回のバッチあたり40Lとした。まず、骨材及びセメントをミキサー内に投入して空練りを10秒間行い、その後、混和剤及び水を投入して90秒間、練り混ぜることによりコンクリートを作製した。
[コンクリートの測定]
作製したコンクリートに対し、充填高さ(cm)、スランプフロー(cm)、500mmフロー到達時間(秒。実施例11~13及び比較例1を除く)、ブリーディング率(%)を測定した。なお、各実施例及び比較例においては、空気量が4.5±1.5%(一般的なコンクリートの空気量の範囲)となるよう配合設計した。
充填高さ、スランプフロー、500mmフロー到達時間に関し、実施例1~10及び比較例1~4は、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]の規定に基づいて測定を行なった。また、充填高さ、スランプフローに関し、実施例11~13は、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領の規定に基づいて測定を行った。なお、充填高さについて、実施例1~10及び比較例1~4は「障害:ランク2」であり、実施例11~13は「障害:ランク3」である。
ブリーディング率は、JIS A 1123に基づいて測定を行った。
[測定値、判定結果]
表3は測定値、及び測定値等に基づいて、作製されたコンクリートが所定の条件を満たしているかどうかを判定した判定結果を示す。各測定値は、練り上がりから5分経過した時点でサンプリングしたコンクリートの値である。
Figure 0007008428000003
表3に示す判定結果は、(1)フレッシュ状態の目視判定、及び(2)表4に示す流動性の高いコンクリートの要求性能を満たすかどうかの判定により行った。
Figure 0007008428000004
(1)フレッシュ状態の目視判定においては、セメントと骨材とが分離することなく一様に分布し、適切な材料分離抵抗性が確保できていると考えられる状態を「〇」とし、骨材の一部がコンクリートの中心に偏在すると共に、コンクリートの外周及び表面に水の浮き上がり(ブリーディング)が確認できる状態を「△」とし、セメントと骨材との材料分離が顕著であり、明らかに材料分離抵抗性が確保できていないと判断できる状態を「×」として判断した。
(2)表4に示す流動性の高いコンクリートの要求性能を満たすかどうかの判定においては、要求性能を全て満たす場合を「〇(合格)」とし、要求性能のいずれか一つでも満たさない場合を「×(不合格)」として判断した。
表4に示した高流動コンクリートの要求性能は、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定されている通り、「充填高さ:30cm以上(障害:ランク2)」、「スランプフロー:65±10cm」、「500mmフロー到達時間:3~15秒」である。また、本例では、高流動コンクリートの要求性能として、ブリーディング率が普通コンクリート(比較例1)と同等かそれより低いことを規定した。
また、表4に示した中流動コンクリートの要求性能は、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領で規定されている通り、「充填高さ:28cm以上(障害:ランク3)」、「スランプフロー:42.5±7.5cm」である。また、本例では、中流動コンクリートの要求性能として、ブリーディング率が普通コンクリート(比較例1)と同等かそれより低いことを規定した。
上記、(1)及び(2)の判定結果がいずれも「〇(合格)」のコンクリートが、目的とする高流動コンクリートまたは中流動コンクリートであると判断した。
実施例1~5及び比較例1~4の結果から明らかなように、実施例1~5の配合においては、水セメント比が47.5~65.0%と大きい値を示す場合であっても高流動コンクリートが得られた。
一方、比較例4の配合によっても、(1)及び(2)の判定結果がいずれも合格となるコンクリートを得ることができた。しかし、比較例4では水セメント比が35.0%と小さい値を示した。
すなわち、実施例1~5の配合では、単位セメント量を少なく(約269~約389kg/m)抑えられる一方、比較例4の配合では、単位セメント量が多くなる(500kg/m)ことが明らかとなった。なお、比較例2、3の結果から明らかなように、比較例2、3の配合では、水セメント比が高くなればなるほど(単位セメント量が少なくなればなるほど)、(1)及び(2)の判定結果が悪くなる。
また、実施例1~5の結果から明らかなように、少なくとも単位水量が165~185kg/mの範囲において、高流動コンクリートとしての要求性能を満たす。また、実施例6~9の結果から明らかなように、増粘剤は、少なくともコンクリート1mあたり20g~120g添加した場合に効果が得られる。また、実施例10の結果から明らかなように、特殊増粘剤はセルロースエーテル単体であれば特定の剤に限定されない。
また、実施例11~13の結果から明らかなように、少なくとも単位水量が164~175kg/mの範囲において、中流動コンクリートとしての要求性能を満たす。
以上、実施例1~10の結果から明らかなように、水溶性セルロースエーテルからなる増粘剤、及び減水率が18%以上の高性能AE減水剤を使用することにより、単位セメント量を抑えた高流動コンクリートが得られることが明らかとなった。
また、実施例11~13の結果から明らかなように、上記実施形態に記載した増粘剤及び高性能AE減水剤の添加量を調整することにより、単位セメント量を抑えた中流動コンクリートが得られることが明らかとなった。
上記実施形態、実施例及び比較例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (5)

  1. セメント、水、骨材、増粘剤、及び高性能AE減水剤を含む(ただし、石灰石粉を除く)流動性の高いコンクリートであって、
    前記増粘剤は、水溶性セルロースエーテルからなり、
    前記高性能AE減水剤は、JIS A 6204に規定される減水率が18%以上であり、
    水セメント比が47.5%以上65%以下であり、
    2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定される充填高さが30cm以上(障害:ランク2)、前記スランプフローが55cm以上75cm以下、且つ500mmフロー到達時間が3~15秒の高流動コンクリートであり、
    単位セメント量が、269~347kg/mである流動性の高いコンクリート。
  2. セメント、水、骨材、増粘剤、及び高性能AE減水剤を含む(ただし、石灰石粉を除く)流動性の高いコンクリートであって、
    前記増粘剤は、水溶性セルロースエーテルからなり、
    前記高性能AE減水剤は、JIS A 6204に規定される減水率が18%以上であり、
    水セメント比が47.5%以上65%以下であり、
    東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領で規定される充填高さが28cm以上(障害:ランク3)であり、且つ前記スランプフローが35cm以上50cm以下の中流動コンクリートであり、
    単位セメント量が、269~298kg/mである流動性の高いコンクリート。
  3. 前記水の単位水量は、前記流動性の高いコンクリート1mあたり、185kg以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の流動性の高いコンクリート。
  4. 前記水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、
    前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が、20g/m ~120g/m である請求項1から3のいずれか一項に記載の流動性の高いコンクリート。
  5. 前記水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシエチルメチルセルロースである請求項1から3のいずれか一項に記載の流動性の高いコンクリート。
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