JP2013184847A - 増粘剤及び収縮低減剤を混入した中流動コンクリート - Google Patents

増粘剤及び収縮低減剤を混入した中流動コンクリート Download PDF

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Abstract

【課題】セメント等の水硬性結合剤の配合割合を普通コンクリートと同等に抑えつつ製造可能であって乾燥収縮を抑制可能な中流動コンクリートを提供する。
【解決手段】本発明に係る中流動コンクリートは、水と水硬性結合剤とを混合してなり、300リットル/m以上330リットル/m以下のペーストと、280リットル/m以上360リットル/m以下の粗骨材と、増粘剤を有する高性能AE減水剤と、ペーストの乾燥収縮を低減する収縮低減剤とを混合することにより製造される。
【選択図】 図6

Description

本発明は、増粘剤及び収縮低減剤を混入した中流動コンクリートに関する。
従来、トンネル覆工用コンクリートとして、スランプが15cm以上21cm以下、或いは、スランプフローが35cm未満の普通コンクリートが使用されていた。この普通コンクリートは、流動性が低いため、型枠内での充てん不足が生じる虞があった。
そのため、近年、高い流動性を有して充てん性に優れた高流動コンクリート(スランプフローが50cmより大きいもの)を使用する事例も増えている。しかし、高流動コンクリートは流動性が大きいので、粗骨材の材料分離を生じ易い。これを防止するためには、セメント等の水硬性結合剤を多量に用いたり、材料分離防止剤を用いたりすればよいが、材料コストが高くなるという問題があった。更に、材料分離防止剤等の特殊な材料を用いるので、製造管理に手間がかかるという問題もあった。
そこで、最近は、普通コンクリートよりも流動性に優れ、高流動コンクリートよりも低コストで品質管理の容易な中流動コンクリート(スランプフローが35cm以上50cm以下のもの)が用いられるようになってきた(特許文献1参照)。
例えば、非特許文献1には、図1に示すような中流動コンクリートの基準性能が記載されており、この基準性能を確保できるように、普通コンクリート(セメント270kg/m以上)に、追加用セメントを加えることが推奨されている(非特許文献1の5頁)。
特開2008−285843号公報
トンネル施工管理要領(中流動覆工コンクリート編)、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、平成20年8月
しかしながら、上述した追加用セメントを加える方法では、セメント量の増加によって打設後のコンクリートの温度が上昇するため、温度ひび割れの発生を促進する虞がある。また、コンクリート表面での水分逸散に起因する乾燥収縮が生じることによってもひび割れの発生を促進する虞がある。特に、トンネル覆工や壁状構造物は、比較的躯体厚さが薄い形状のためコンクリートの乾燥収縮が顕著であり、ひび割れが発生し易い。そして、コンクリートにひび割れが発生してしまうと、二酸化炭素等の物質が侵入し易くなる。とりわけ、鉄筋コンクリートにあっては、このような物質が侵入することで鉄筋の腐食が促進されてしまう。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、セメント等の水硬性結合剤の配合割合を普通コンクリートと同等に抑えつつ製造可能であって乾燥収縮を抑制可能な中流動コンクリートを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の中流動コンクリートは、水と水硬性結合剤とを混合してなり、300リットル/m以上330リットル/m以下のペーストと、280リットル/m以上360リットル/m以下の粗骨材と、増粘剤を有する高性能AE減水剤と、前記ペーストの乾燥収縮を低減する収縮低減剤とを含むことを特徴とする。
また、本発明において、前記水の前記水硬性結合剤に対する配合割合は45重量%以上70重量%以下であることとしてもよい。
また、本発明において、前記高性能AE減水剤の前記水硬性結合剤に対する配合割合は0.5重量%以上1.8重量%以下であることとしてもよい。
また、本発明の中流動コンクリートは、3容積%以上6容積%以下の空気を含有することとしてもよい。
また、本発明において、前記水硬性結合剤は、セメントであることとしてもよく、或いは、セメントと混和材とを含むこととしてもよい。この場合、前記混和材は、フライアッシュ、高炉スラグ、石灰石微粉末の何れかであることとしてもよい。
また、本発明において、前記高性能AE減水剤は、増粘剤成分含有高性能AE減水剤であることとしてもよい。
さらに、本発明において、前記収縮低減剤を3kg/m以上混入することとしてもよい。
本発明によれば、セメント等の水硬性結合剤の配合割合を普通コンクリートと同等に抑えつつ製造可能であって乾燥収縮を抑制可能な中流動コンクリートを提供できる。
本実施形態に係る中流動コンクリートのスランプフロー、加振変形量及びU型充てん高さの範囲を示す図である。 本実施形態に係る試験体1〜15に含まれる各材料及びそれらの配合割合を示す一覧図である。 本実施形態に係る試験体1〜15のスランプフロー、加振変形量、U型充てん高さ及び中流動コンクリートの性能を満たすか否かの判定結果を示す図である。 本実施形態に係る試験体4、試験体16〜18に含まれる各材料及びそれらの配合割合を示す一覧図である。 本実施形態に係る試験体16〜18のスランプフロー、加振変形量、U型充てん高さ及び中流動コンクリートの性能を満たすか否かの判定結果を示す図である。 本実施形態に係る試験体19〜22に含まれる各材料及びそれらの配合割合を示す一覧図である。 本実施形態に係る試験体19〜22のスランプフロー、加振変形量、U型充てん高さ、空気量及び中流動コンクリートの性能を満たすか否かの判定結果を示す図である。 本実施形態に係る試験体19〜22の長さ変化率を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
まず、中流動コンクリートについて説明する。本実施形態では、図1に示すように、スランプフローが35cm以上50cm以下、加振変形量が10±3cm、U型充てん高さ(障害無しの場合)が28cm以上という条件を満たすコンクリートを中流動コンクリートとする。この中流動コンクリートを実現するための各材料の配合割合について、以下説明する。
この中流動コンクリートは、水と水硬性結合剤とを混合してなり、(A)300リットル/m以上330リットル/m以下のペーストと、(B)280リットル/m以上360リットル/m以下の粗骨材と、(C)増粘剤を有する高性能AE減水剤と、を混合することにより製造される。かかる場合に、(D)ペーストに含まれる水の水硬性結合剤に対する配合割合は45重量%以上70重量%以下であることが好ましく、また、(E)高性能AE減水剤の水硬性結合剤に対する配合割合は0.5重量%以上1.8重量%以下であることが好ましい。そして、(F)製造された中流動コンクリートには、3容積%以上6容積%以下の空気が含まれる。
なお、本実施形態の中流動コンクリートには、上述のペースト、粗骨材及び増粘剤を有する高性能AE減水剤に加え、(G)ペーストの乾燥収縮を低減する収縮低減剤も含まれているが、先に収縮低減剤が混入されていない中流動コンクリートについて説明をし、その後、収縮低減剤を混入した中流動コンクリートについて説明をする。
<ペースト(上記(A))について>
ペーストは、水と水硬性結合剤とを混合して製造される。本実施形態では、水硬性結合剤としてセメントを用いている。このペーストの容積は、水と、セメントと、当該水と当該セメントとを混合する際に混入した空気の容積を合計したものとする。
なお、一般的に、水やセメントを取り扱う際は、容積よりも重量を測定することが多いため、配合する際は、水やセメントの重量を測定して、その値を容積に換算してもよい。換算する際は、予め測定されている水、セメントの密度を用いて、水、セメントの容積を算出する。
例えば、図2に示す試験体5の場合(詳細は後述する)、水の重量及び密度はそれぞれ175kg/m、1.0g/cmであるため、水の容積は(175kg/m)÷(1.0g/cm )で175リットル/mと算出できる。また、セメントの重量及び密度はそれぞれ300kg/m、3.16g/cmであるため、セメントの容積は(300kg/m)÷(3.16g/cm)で95リットル/mと算出できる。
このとき、セメントの重量は、一般的な普通コンクリートに含まれるセメントの配合割合から算出される重量とほぼ同量にする。さらに、このセメントの重量に対して水の重量(すなわち水セメント比)を上記(D)で示した範囲内に調整することが好ましい。そして、水とセメントとを混合する際に、ペーストの配合割合が上記(A)で示した範囲内になるように、水の配合量を調整する。
その後、水とセメントとを混合するが、その際、ペーストに含まれる空気の含有割合が、製造予定のコンクリート容積に対して、一般的なコンクリートを製造する際の空気の含有割合と同じ上記(F)で示した範囲内であることが好ましい。このとき、空気の含有割合が上記(F)で示した範囲の下限値である3容積%よりも少ない場合には、空気量調整剤を配合して空気の含有割合を増加させてもよい。空気量調整剤の配合量は、概ねペーストに含まれるセメントの重量に対して0.006重量%以下である。試験体5の場合、空気量調整剤を0.0025重量%配合することにより、空気の含有割合は4.5容積%(すなわち45リットル/m)になった。一方、ペーストに含まれる空気の含有割合が上記(F)で示した範囲の上限値である6容積%よりも多い場合には、空気量調整剤の添加量を減らせばよい。
なお、ペーストに含まれる空気量と、各材料を混合して製造したコンクリート(フレッシュコンクリート)に含まれる空気量とはほぼ同量になるため、空気量の確認をフレッシュコンクリートについて行ってもよい。
試験体5では、水が175リットル/m、セメントが95リットル/m、空気が45リットル/m含まれるため、ペーストの容積は、これらを合計した315リットル/mになる。
<粗骨材(上記(B))について>
水やセメントと同様に、粗骨材を取り扱う際は、容積よりも重量を測定することが多いため、配合する際は、粗骨材の重量を測定して、その値を容積に換算してもよい。例えば、試験体5の場合、粗骨材の重量及び密度は、それぞれ745kg/m、2.66g/cmになるため、粗骨材の容積は、(745kg/m)÷(2.66g/cm)で280リットル/mと算出できる。
また、細骨材も粗骨材と同様に、細骨材の重量を測定して、その値を容積に換算してもよい。例えば、試験体5の場合、細骨材の重量及び密度は、それぞれ1061kg/m、2.62g/cmになるため、細骨材の容積は、(1061kg/m)÷(2.62g/cm)で405リットル/mと算出できる。
このように、試験体5におけるペースト、細骨材及び粗骨材の容積は、それぞれ315、405、280リットル/mであるから、プレーン状態での容積は、これらを合計した1000リットル/mになる。
<高性能AE減水剤(上記(C))について>
高性能AE減水剤として、本実施形態では、増粘剤成分含有高性能AE減水剤を用いた。増粘剤成分含有高性能AE減水剤とは、増粘剤の機能を備え、かつ、約18%以上の減水性能を有するものである。
この増粘剤成分含有高性能AE減水剤としては、例えば、増粘剤成分としてグリコール系化合物を含有し、高性能AE減水剤成分としてポリカルボン酸系化合物を含有したものを使用できる。そして、増粘剤成分含有高性能AE減水剤のセメントに対する配合割合は、上記(E)で示した範囲内の0.5重量%以上1.8重量%以下であることが好ましい。
<中流動コンクリートの製造について>
各材料の配合割合をそれぞれ上記(A)、(B)、(D)〜(F)で示した範囲内となるように決定したならば、その配合割合に応じてセメント、細骨材及び粗骨材を強制二軸練りミキサに投入して練り混ぜる。その後、水、上記(C)の増粘剤成分含有高性能AE減水剤、及び空気量調整剤を投入して更に練り混ぜることにより、中流動コンクリートを製造する。
<実施例>
上述した配合割合で混合して製造されたコンクリートが、図1に示す中流動コンクリートの性能を満たすか否かを実験により確かめたので、以下に実施例として説明する。
この実験では、各材料の配合割合が異なる複数のコンクリート試験体(以下、試験体という)を製造し、これらの試験体の性能を確認した。なお、試験体に含まれる複数の材料のうち、何れか1つの材料を上述した配合割合の範囲外にしたものを比較例として製造し、上述した配合割合で配合した実施例である試験体と比較した。ここでは、各試験体に含まれる材料の配合割合について説明し、その後、各試験体の性能確認結果について説明する。
図2は、本実施形態に係る試験体1〜15に含まれる各材料及びそれらの配合割合を示す一覧図である。図2に示すように、水と、セメントと、細骨材と、粗骨材と、AE減水剤又は増粘剤成分含有高性能AE減水剤と、空気量調整剤とを所定の割合で配合して、15種類の試験体1〜15を製造した。
これらの薬剤のうち、AE減水剤は、約10〜12%の減水性能を有するものの増粘剤の機能を備えていない。このAE減水剤としては、例えば、リグニンスルホン酸系化合物を含有したものを使用できる。
そして、試験体1〜15は、水セメント比、空気の含有割合について上記(D)、(F)で示した範囲を満たすように調整した。具体的には、水セメント比、及び、空気の含有割合が、それぞれ45重量%以上70重量%以下、及び、3容積%以上6容積%以下となるように調整した。
以下、試験体1〜15について説明する。
<試験体1について>
試験体1は、水と、セメントと、粗骨材と、細骨材と、AE減水剤と、空気量調整剤とを含む普通コンクリートである。この試験体1は、ペーストの配合割合、粗骨材の配合割合、水セメント比、空気の含有割合において上記(A)、(B)、(D)、(F)で示した範囲を満たすが、上記(C)で示した増粘剤を有する高性能AE減水剤を含んでいない比較例である。
<試験体2〜15について>
試験体2〜15は、普通コンクリートに含まれるAE減水剤に代えて増粘剤成分含有高性能AE減水剤を含むものである。これらの試験体2〜15において、細骨材と粗骨材との合計重量は、試験体1の普通コンクリートに含まれる細骨材と粗骨材との合計重量とほぼ同じになるように調整した。例えば、試験体1に含まれる細骨材(862kg/m)と粗骨材(948kg/m)との合計重量(1810kg/m)と、試験体5に含まれる細骨材(1061kg/m)と粗骨材(745kg/m)の合計重量(1806kg/m)とが、ほぼ同じになるように調整した。
試験体2〜6は、ペーストの配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(A)、(D)〜(F)で示した範囲を満たすように調整し、粗骨材の配合割合を上記(B)で示した範囲を満たす場合と満たさない場合とに変化させたものである。
具体的には、ペーストの配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合については、それぞれ315リットル/m、58%、1.1重量%以上1.4重量%以下、4.5容積%となるように調整した。そして、試験体2〜6における粗骨材の配合割合をそれぞれ377、356、324、280、360リットル/mに調整し、試験体2については上記(B)で示した範囲外の比較例とし、試験体3〜6については上記(B)で示した範囲内の実施例とした。
試験体7〜11は、粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(B)、(D)〜(F)で示した範囲を満たすように調整し、ペーストの配合割合を上記(A)で示した範囲を満たす場合と満たさない場合とに変化させたものである。
具体的には、粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合については、それぞれ324リットル/m以上333リットル/m以下、58%、0.8重量%以上2.0重量%以下、4.5容積%となるように調整した。そして、試験体7〜11におけるペーストの配合割合をそれぞれ306、297、289、300、330リットル/mに調整し、試験体8、9については上記(A)で示した範囲外の比較例とし、試験体7、10〜11については上記(A)で示した範囲内の実施例とした。
試験体12、13は、ペースト及び粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(A)、(B)、(D)〜(F)で示した範囲を満たすように調整するとともに、水セメント比が上記(C)で示した範囲の下限値及び上限値となるように配合した実施例である。
具体的には、ペースト、粗骨材、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合については、それぞれ315リットル/m、324リットル/m、0.5重量%以上1.8重量%以下、4.5容積%となるように調整した。また、水セメント比については、下限値及び上限値である45%、70%となるように調整した。
試験体14、15は、ペースト及び粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(A)、(B)、(D)〜(F)で示した範囲を満たすように調整するとともに、空気の含有割合を上記(F)で示した範囲の上限値及び下限値とした実施例である。
具体的には、ペースト及び粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合については、それぞれ315リットル/m、324リットル/m、58%、1.0重量%となるように調整した。また、空気の含有割合については、上限値及び下限値である6容積%、3容積%となるように、空気量調整剤の配合量をセメントの重量に対してそれぞれ0.006重量%、0重量%に調整した。
なお、試験体2〜13のうち、試験体2〜6、9〜13については、空気量調整剤を混合して空気の含有割合を4.5容積%に調整したが、試験体7、8については、水とセメントと細骨材と粗骨材と増粘剤成分含有高性能AE減水剤とを混合しただけで空気の含有割合が4.5容積%になったため、空気量調整剤を混合していない。
<各試験体の評価について>
図3は、本実施形態に係る試験体1〜15のスランプフロー、加振変形量、U型充てん高さの測定結果、及び、中流動コンクリートの性能を満たすか否かの判定結果を示す図である。これらの測定結果及び判定結果に基づいて各試験体1〜15を評価した。以下、評価結果について説明する。
試験体1は、普通コンクリートであるため、スランプフロー、加振変形量及びU型充てん高さ共に中流動コンクリートとして要求される性能を満たしていない。すなわち、スランプフローは26.5cmであり、要求の下限値である35cmよりも小さい。また、加振変形量は24.5cmであり、要求の上限値である13cmよりも大きい。さらに、U型充てん高さが16.0cmであり、要求の下限値である28cmよりも小さい。
<粗骨材について:試験体2〜6の評価結果>
粗骨材の配合割合が上記(B)で示した範囲外の377リットル/mの試験体2(比較例)に関し、スランプフローについては39.5cmと中流動コンクリートとして要求されている35cm以上50cm以下の条件を満たすが、加振変形量及びU型充てん高さがそれぞれ15.5cm、25.0cmであり、中流動コンクリートとして要求されている加振変形量が10±3cm、U型充てん高さが28cm以上の条件を共に満たさない。これに対し、粗骨材の配合割合を上記(B)で示した範囲内の356、324、280、360リットル/mとした試験体3〜6(実施例)については、スランプフロー、加振変形量、U型充てん高さのすべてについて、中流動コンクリートとして要求されている性能を満たしている。
これらの結果より、試験体3〜6(実施例)のように、ペーストの配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(A)、(D)〜(F)で示した範囲内にし、かつ、粗骨材の配合割合を上記(B)で示した範囲内にすることで、図1に示す性能を満たす中流動コンクリートを製造できることが確認できた。一方、試験体2(比較例)のように、ペーストの配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(A)、(D)〜(F)で示した範囲内にしても、粗骨材の配合割合を上記(B)で示した範囲外にすると、中流動コンクリートを製造できないことが確認できた。
<ペーストについて:試験体7〜11の評価結果>
ペーストの配合割合が上記(A)で示した範囲外の297リットル/mの試験体8(比較例)に関し、スランプフローについては35.0cmと中流動コンクリートとして要求されている性能を満たすが、加振変形量及びU型充てん高さが、それぞれ16.3cm、19.0cmであり、中流動コンクリートとして要求されている性能を満たしていない。同様に、ペーストの配合割合が上記(A)で示した範囲外の289リットル/mの試験体9(比較例)についても、スランプフロー及びU型充てん高さについてはそれぞれ40.3cm、29.5cmと中流動コンクリートとして要求されている性能を満たしているが、加振変形量が17.5cmであり、中流動コンクリートとして要求されている性能を満たしていない。これに対し、ペーストの配合割合を上記(A)で示した範囲内の306、300、330リットル/mとした試験体7、10、11(実施例)については、スランプフロー、加振変形量、U型充てん高さのすべての項目について中流動コンクリートとして要求されている性能を満たしている。
これらの結果より、試験体7、10、11(実施例)のように、粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(B)、(D)〜(F)で示した範囲内にし、ペーストの配合割合を上記(A)で示した範囲内にすることで、図1に示す性能を満たす中流動コンクリートを製造できることが確認できた。一方、試験体8、9(比較例)のように、粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(B)、(D)〜(F)で示した範囲内にしても、ペーストの配合割合を上記(A)で示した範囲外にすると、中流動コンクリートを製造できないことが確認できた。
<水セメント比について:試験体12、13の評価結果>
水セメント比を上記(D)で示した範囲の下限値及び上限値である45重量%、70重量%とした試験体12、13(実施例)については、スランプフロー、加振変形量、U型充てん高さのすべての項目について中流動コンクリートとして要求されている性能を満たしている。これらの結果より、試験体12、13(実施例)のように、ペースト及び粗骨材の配合割合、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合を上記(A)、(B)、(E)〜(F)で示した範囲内にし、かつ、水セメント比を上記(D)で示した範囲内にすることが好ましいといえる。
<空気量について:試験体14、15の評価結果>
空気量を上記(F)で示した範囲の上限値及び下限値である6容積%、3容積%とした試験体14、15(実施例)については、スランプフロー、加振変形量、U型充てん高さのすべての項目について中流動コンクリートとして要求されている性能を満たしている。これらの結果より、試験体14、15(実施例)のように、ペースト及び粗骨材の配合割合、水セメント比、高性能AE減水剤の配合割合を上記(A)、(B)、(D)、(E)の範囲内にし、かつ、空気の含有割合を上記(F)で示した範囲内にすることが好ましいといえる。
<評価結果のまとめ>
試験体3〜7、10〜15のように、ペースト及び粗骨材の配合割合、水セメント比、増粘剤成分含有高性能AE減水剤及び空気の含有割合を、それぞれ上記(A)、(B)、(D)、(E)、(F)で示した範囲内にすることで、図1に示す性能を満たす中流動コンクリートを製造できることが確認できた。一方、比較例である試験体8、9のように、ペーストの配合割合を上記(A)で示した範囲外にした場合や試験体2のように、粗骨材の配合割合を上記(B)で示した範囲外にした場合では、図1に示す性能を満たす中流動コンクリートを製造することができないことが確認できた。
また、中流動コンクリートとして要求される性能を満たす試験体3〜7、10〜15のうち、増粘剤成分含有高性能AE減水剤の配合割合が最も少ないものは試験体13の0.5重量%であり、最も多いものは試験体12の1.8重量%であった。これらの結果より、増粘剤成分含有高性能AE減水剤の配合割合は、0.5重量%以上1.8重量%以下にすることが好ましいといえる。
そして、試験体3〜7、10〜15の配合を試験体1の配合と比較することで、普通コンクリートに含まれるAE減水剤の代わりに増粘剤成分含有高性能AE減水剤を配合し、粗骨材、水、セメント等を上述した配合となるように混合することで、中流動コンクリートを製造できることが判る。このため、材料の管理や製造の手間は普通コンクリートを製造する場合とほとんど変わらず、容易に製造できることが理解できる。
また、中流動コンクリートに関し、セメントの配合割合が普通コンクリートにおけるセメントの配合割合とほぼ同じである。このため、中流動コンクリートを打設した後の温度は、普通コンクリートを打設した後の温度とほぼ同じになる。したがって、普通コンクリートと同じように養生することができて手間がかからないし、ひび割れ発生の可能性も普通コンクリートと同程度に抑えられる。また、追加用セメントの添加が不要なので、より一層、経済性が向上する。さらに、各材料の配合割合が明確なので、経験の浅い作業員でも確実に中流動コンクリートを製造できる。
<水硬性結合剤について>
上述の実施例では、水硬性結合剤としてセメントのみを用いていたが、このセメントの一部をフライアッシュ、高炉スラグ、石灰石微粉末等の混和材と置換することもできる。以下、この点について説明する。
図4は、セメントの一部をフライアッシュ等の混和材に置換した場合の実施例を示す。この実施例では、セメントの一部をフライアッシュ等に置換することで、試験体16〜18を製造し、各試験体16〜18のスランプフロー、加振変形量、U型充てん高さを確認した。確認結果を図5に示す。なお、各試験体16〜18の詳細については以下に説明する。また、この実施例では、上述した試験体4を比較検討用の基準として用いる。
<試験体4について>
上述したように、水硬性結合剤はセメントのみからなっている。そして、セメントの配合割合は300kg/mである。
<試験体16〜18について>
試験体16〜18における、ペースト及び粗骨材の配合割合、水の水硬性結合剤に対する配合割合、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合は、上記(A)、(B)、(D)〜(F)の範囲を満たすように調整されている。具体的には、ペースト及び粗骨材の配合割合、水の水硬性結合剤に対する配合割合、高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合が、それぞれ318リットル/m以上326リットル/m以下、324リットル/m、58%、0.7重量%以上0.9重量%以下、4.5容積%となるように調整されている。
試験体16は、試験体4のセメントの一部をフライアッシュに置換したものである。具体的には、セメント及びフライアッシュの配合割合を、それぞれ210kg/m、90kg/mに定め、セメントとフライアッシュの合計が、試験体4のセメントと同じ量(300kg/m)となるように調整した実施例である。
試験体17は、試験体4のセメントの一部を高炉スラグに置換したものである。具体的には、セメント及び高炉スラグの配合割合を、それぞれ210kg/m、90kg/mに定め、セメントと高炉スラグの合計が、試験体4のセメントと同じ量となるように調整した実施例である。
試験体18は、試験体4のセメントの一部を石灰石微粉末に置換したものである。具体的には、セメント及び石灰石微粉末の配合割合を、それぞれ210kg/m、90kg/mに定め、セメントと石灰石微粉末の合計が、試験体4のセメントと同じ量となるように調整した実施例である。
図5は、本実施形態に係る試験体16〜18のスランプフロー、加振変形量、U型充てん高さ及び中流動コンクリートの性能を満たすか否かの判定結果を示す図である。この図に示すように、試験体16〜18では、スランプフロー、加振変形量、U型充てん高さのすべての項目について、中流動コンクリートとして要求されている性能を満たす。このため、セメントの一部をフライアッシュ、高炉スラグ、石灰石微粉末のうちの何れかに置換しても、中流動コンクリートとして要求されている性能を満たすことが確認された。そして、その置換割合は、(90kg/m÷300kg/m)×100から、水硬性結合剤の30%と算出された。
以上の実験により、試験体16〜18のように、ペースト及び粗骨材の配合割合、水の水硬性結合剤に対する配合割合、増粘剤成分含有高性能AE減水剤の配合割合、空気の含有割合をそれぞれ上記(A)、(B)、(D)、(E)、(F)で示した範囲内にし、セメントの一部をフライアッシュ等の混和剤に置換しても、図1に示す性能を満たす中流動コンクリートを製造できることが確認できた。このように、セメントの一部をフライアッシュ等の安価な混和材に置換すると、セメント量を低減できるため、経済性が向上する。
なお、本実施形態では、ペーストに含まれる水の水硬性結合剤に対する配合割合を上記(D)で示した範囲の45重量%以上70重量%以下としたが、この範囲に限定されるものではない。配合される各部材の配合割合によっては、この範囲外で製造されたものでも中流動コンクリートの性能を満たす場合がある。
また、本実施形態では、増粘剤成分含有高性能AE減水剤の配合割合を上記(E)で示した範囲の0.5重量%以上1.8重量%以下としたが、この範囲に限定されるものではない。配合される各部材の配合割合によっては、この範囲外で製造されたものでも中流動コンクリートの性能を満たす場合がある。
また、本実施形態では、空気の含有割合を上記(F)で示した範囲の3容積%以上6容積%以下としたが、この範囲に限定されるものではない。配合される各部材の配合割合によっては、この範囲外で製造されたものでも中流動コンクリートの性能を満たす場合がある。
また、本実施形態では、高性能AE減水剤と増粘剤とが既に混合されてなる増粘剤成分含有高性能AE減水剤を用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。中流動コンクリートを製造する際に、高性能AE減水剤と増粘剤とをそれぞれ他の材料と混合してもよい。
<収縮低減剤について>
次に、収縮低減剤を混入した中流動コンクリートについて説明する。図6は、本実施形態に係る試験体19〜22に含まれる各材料及びそれらの配合割合を示す一覧図である。図6に示すように、水と、セメントと、粗骨材と、細骨材と、増粘剤成分含有高性能AE減水剤又はAE減水剤と、空気量調整剤と、収縮低減剤とを所定の割合で配合して、4種類の試験体19〜22を製造した。
これらの薬剤のうち、収縮低減剤は、水と水硬性結合剤(セメント)の混合物であるペーストについて、その乾燥収縮を低減するための薬剤である。すなわち、収縮低減剤を混入することで、コンクリート表面からの水分逸散が抑制され、ひいては表面のひび割れも抑制される。
この収縮低減剤としては、例えば、ポリエーテル誘導体を含有したもの(製品名ヒビダンB,竹本油脂株式会社)、炭化水素系化合物及びグリコールエーテル誘導体を含有したもの(製品名シュリンクガード,株式会社フローリック)、ポリアルキレングリコール系誘導体を含有したもの(製品名シーカコントロール,日本シーカ株式会社)を使用できる。
試験体19は、比較用の普通コンクリートである。この試験体19は、水と、セメントと、細骨材と、粗骨材と、AE減水剤と、空気量調整剤とを含んでいる。そして、ペーストが315リットル/mであり、水セメント比が58.3%であり、空気の含有割合が4.5%(図7参照)であることから、前述の条件(A)、(D)、(F)は満たしている。しかし、粗骨材容積が370リットル/mであり、高性能AE減水剤を含んでいないことから、条件(B)、(C)、(E)を満たさない。
試験体20は、普通コンクリートに追加用セメントを加えることで製造された、比較用の粉体系中流動コンクリートである。すなわち、この試験体20は、水と、セメントと、細骨材と、粗骨材と、高性能AE減水剤と、空気量調整剤とを含んでいる。そして、375kg/mのセメントを含むことから、ペーストが339リットル/mとなり、前述の条件(A)を満たさない。そして、増粘剤成分含有高性能AE減水剤を含んでいないことから条件(C)も満たさない。なお、試験体20において、粗骨材容積が325リットル/mであり、水セメント比が46.7%であり、高性能AE減水剤のセメントに対する比率が0.75重量%であり、空気の含有割合が6%(図7参照)であることから、他の条件は満たしている。
試験体21は、増粘剤成分含有高性能AE減水剤を用いて製造された中流動コンクリートであり、前述の実施例に相当する。この試験体21は、試験体20の高性能AE減水剤を、増粘剤成分含有高性能AE減水剤に置き換えたものである。このため、条件(C)を満たす。そして、ペーストが315リットル/mであり、粗骨材容積が325リットル/mであり、水セメント比が58.3%であり、高性能AE減水剤のセメントに対する比率が1.1重量%であり、空気の含有割合が5.8%(図7参照)であることから、他の条件も満たしている。
試験体22は、増粘剤成分含有高性能AE減水剤が用いられ、かつ、収縮低減剤が添加された中流動コンクリートであり、収縮低減剤入りの実施例に相当する。この試験体22では、試験体21の配合に対し、3kg/mの収縮低減剤を混入している。また、増粘剤成分含有高性能AE減水剤のセメントに対する比率を1.2重量%としている。試験体22における空気の含有割合は5.5%(図7参照)であることから、条件(A)〜(F)は満たしている。
<各試験体の評価について>
図7は、試験体19〜22のスランプフロー、加振変形量、U型充てん高さの測定結果、空気量、及び、中流動コンクリートの性能を満たすか否かの判定結果を示す図である。以下、評価結果について説明する。
試験体19は、普通コンクリートであるため、スランプフロー、加振変形量及びU型充てん高さ共に中流動コンクリートとして要求される性能を満たしていない。すなわち、スランプフローは26.5cmであり、要求の下限値である35cmよりも小さい。また、加振変形量は24.5cmであり、要求の上限値である13cmよりも大きい。さらに、U型充てん高さが16.0cmであり、要求の下限値である28cmよりも小さい。
これに対し、試験体20〜22では、スランプフロー、加振変形量及びU型充てん高さのそれぞれについて、中流動コンクリートとして要求される性能を満たしている。すなわち、スランプフローは、それぞれ45.0cm、40.7cm、46.3cmであり、35cm以上50cm以下の範囲内である。加振変形量は、それぞれ10.8cm、12.0cm、11.5cmであり、10±3cmの範囲内である。U型充てん高さは、それぞれ32.5cm、33.0cm、33.5cmであり、28cm以上である。従って、試験体20〜22の配合でも、図1に示す性能を満たす中流動コンクリートを製造できることが確認できた。
図8は、試験体19〜22について、長さ変化率を測定した結果を示す図である。長さ変化率の測定はJIS A 1129に即して行った。そして、供試体脱型後直ちに測定を行い乾燥材齢0日の測定結果を得た。その後は、乾燥材齢で1日、2日、7日(1週間)、14日(2週間)、28日(1月)、56日(2月)、91日(3月)、182日(6月)に測定を行った。
試験体22の長さ変化率は、乾燥材齢14日で−314×10−6、56日で−596×10−6、91日で−670×10−6、182日で−734×10−6となった。そして、普通コンクリートの試験体19は、乾燥材齢14日で−309×10−6、56日で−591×10−6、91日で−642×10−6、182日で−693×10−6であった。
一方、粉体系中流動コンクリートの試験体20では、乾燥材齢14日で−424×10−6、56日で−715×10−6、91日で−761×10−6、182日で−812×10−6であった。また、増粘剤系中流動コンクリートの試験体21では、乾燥材齢14日で−374×10−6、56日で−674×10−6、91日で−748×10−6、182日で−799×10−6であった。
試験体22の長さ変化率は、乾燥材齢182日においても−734×10−6であり、土木学会の上限値(−1200×10−6)及び建築学会の上限値(−800×10−6)を超えていない。試験体22の値は、試験体20,21の値よりも小さい値であることから、増粘剤系中流動コンクリートの配合をベースに収縮低減剤を混入することで、乾燥収縮量を低減できることが理解できる。
従って、収縮低減剤を混入した増粘剤系中流動コンクリートでは、比較的躯体厚さが薄い形状のトンネル覆工や壁状構造物であってもひび割れが発生し難く、二酸化炭素等の侵入を抑制できる。このため、鉄筋コンクリートにあっては、鉄筋の腐食の進行を抑えることができる。
ところで、前述の実施例では、試験体22において3kg/mの収縮低減剤を混入したが、収縮低減剤の混入量はこの例の量に限定されるものではない。例えば、ポリエーテル誘導体を含有した収縮低減剤では、セメント質量に対して0.5%〜10%の使用量で乾燥収縮の効果が得られることが知られている。仮に、セメント質量を300kg/mとすると、1.5kg/m〜30kg/mまでの範囲で使用できることになる。実際の施工に際して収縮低減剤は、多く入れてもセメント質量の10%である。このため、収縮低減剤は、3kg/m以上であってセメント質量の10%以下の範囲で混入することが好ましい。
なお、以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。
例えば、前述の試験体22では水硬性結合剤としてセメントのみを用いたが、試験体16〜18のように、セメントの一部をフライアッシュ、高炉スラグ、石灰石微粉末に置換したものに、収縮低減剤を混入してもよい。
また、収縮低減剤に関し、ポリエーテル誘導体、炭化水素系化合物及びグリコールエーテル誘導体を含有したもの以外であっても、コンクリート用の収縮低減剤であれば使用することができる。

Claims (9)

  1. 水と水硬性結合剤とを混合してなり、300リットル/m以上330リットル/m以下のペーストと、
    280リットル/m以上360リットル/m以下の粗骨材と、
    増粘剤を有する高性能AE減水剤と、
    前記ペーストの乾燥収縮を低減する収縮低減剤と、
    を含むことを特徴とする中流動コンクリート。
  2. 前記水の前記水硬性結合剤に対する配合割合は45重量%以上70重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の中流動コンクリート。
  3. 前記高性能AE減水剤の前記水硬性結合剤に対する配合割合は0.5重量%以上1.8重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の中流動コンクリート。
  4. 3容積%以上6容積%以下の空気を含有することを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の中流動コンクリート。
  5. 前記水硬性結合剤は、セメントであることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の中流動コンクリート。
  6. 前記水硬性結合剤は、セメントと混和材とを含むことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の中流動コンクリート。
  7. 前記混和材は、フライアッシュ、高炉スラグ、石灰石微粉末の何れかであることを特長とする請求項6に記載の中流動コンクリート。
  8. 前記高性能AE減水剤は、増粘剤成分含有高性能AE減水剤であることを特長とする請求項1に記載の中流動コンクリート。
  9. 前記収縮低減剤を3kg/m以上混入したことを特徴とする請求項1〜8のうち何れか一項に記載の中流動コンクリート。
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