JP7008207B2 - 非水電解液電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電解二酸化マンガンを正極活物質に用いた長期保存特性に優れた非水電解液電池に関する。
非水電解液電池は、1.5V級の水溶液系電池に比べて電圧が高く、高エネルギー密度で、耐漏液性能も優れるため、様々な機器の電源に多く採用されている。非水電解液電池には、例えばリチウム二次電池とリチウム一次電池がある。中でも、二酸化マンガンを正極活物質に用いた二酸化マンガンリチウム一次電池(CR電池)は、安価で入手性も高いことから、民生用機器や産業機器に多く使用されており、性能向上が要求されている。
特許文献1には、結着剤の含有量を1%以下とし、正極活物質の焼成二酸化マンガンと導電剤の膨張黒鉛の平均粒径の比率と配合比率とを規定して高密度成型した正極を用いることが提案されている。これにより、高信頼性、かつ、高容量で負荷特性に優れる二酸化マンガンリチウム一次電池(CR電池)が得られるとされている。
また、反応阻害因子の結着剤を減らすことで、大電流特性を向上させることができる。例えば、特許文献2には、正極活物質を導電剤の膨張黒鉛で被覆することにより、膨張黒鉛が結着剤の役割を兼ね、正極の吸液性と導電性が向上すると記載されている。
特開2009-295307号公報 特許第3216451号公報
災害や環境面から、非水電解液電池についても水溶液系電池と同様に、未使用電池の使用推奨期限の延長化が要求されている。しかし、非水電解液電池は、未使用状態で常温長期保管した後の放電容量の低下が大きく、使用推奨期限の延長化は現状困難である。
上記に鑑み、本発明の一局面は、正極が活物質の電解二酸化マンガン、導電剤の膨張黒鉛および結着剤を含む正極合剤を備え、前記膨張黒鉛は、ベーサル面およびエッジ面を有し、前記エッジ面の厚みの平均値が0.1~5μmであり、前記膨張黒鉛のメジアン径が、30~60μmであり、前記電解二酸化マンガンのメジアン径に対する前記膨張黒鉛のメジアン径の比が、1.5~3である、非水電解液電池に関する。
本発明によれば、高容量で常温での長期保存特性に優れた非水電解液電池を提供することができる。
本発明の実施形態に係る非水電解液電池の正極合剤の成型体にする前の構造イメージ図である。 従来の非水電解液電池の正極合剤の成型体にする前の構造イメージ図である。 本発明の実施形態に係る非水電解液電池の縦断面図である。
本発明の一局面は、正極、負極、電解液を含む非水電解液電池であって、正極が電解二酸化マンガンと膨張黒鉛と結着剤とを含む正極合剤であり、電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比が、1.5~3である。
本発明の実施形態に係る非水電解液電池の正極合剤の成型体にする前の構造イメージを図1に、従来の非水電解液電池の正極合剤の成型体にする前の構造イメージを図2にそれぞれ示す。図1では、導電剤の膨張黒鉛粒子2に対して複数の電解二酸化マンガン粒子1が物理的に圧接された構造となる。一方、図2では、導電剤の膨張黒鉛粒子2に対して1個または最大で2個の電解二酸化マンガン粒子1が物理的に圧接された構造である。メジアン径(D50)は、粉体粒子の粒度分布を一般的なレーザ回析/散乱式の粒度分布測定装置を用いて測定した際に、体積基準の粒度分布における累積頻度が50%となる粒径を意味する。
常温環境下で電池を長期間保管すると、電池内部に水分が侵入する。合剤からなる多孔体の正極と負極と侵入した水分とが反応すると、正極と負極が劣化する。二酸化マンガンリチウム一次電池は、特性安定化のため、電池容量の数%程度の放電を予め行い、正極の二酸化マンガンにリチウムを含有させて電池電圧を低下させている。電池内部に侵入した水がこのリチウムを含む二酸化マンガンに反応して、水酸化リチウムとなる。このとき、活物質の二酸化マンガンの体積変化が起こる。そのため、正極合剤での活物質と導電剤との圧接状態に緩みが生じ、抵抗値が上昇する。放電すると更に電極の抵抗値が上昇して、放電容量が低下する。
膨張黒鉛とは、例えば、黒鉛に硫酸を挿入したのち発泡させることで膨張黒鉛は調製され、アコーディオンのような形状を有し、体積の緩衝作用を発現する。本発明では膨張黒鉛の特徴である体積の緩衝作用を最大限に生かすことができる。すなわち、複数の正極活物質の二酸化マンガンに対して一つの膨張黒鉛粒子が作用するため、水分との反応による体積変化を吸収しつつ、圧接状態を保つことができる。一方、従来例の平均粒径の比率と配合比率では、体積変化を吸収できず、二酸化マンガンと膨張黒鉛とが離れてしまう。また、導電剤の膨張黒鉛が正極活物質を覆う場合も二酸化マンガンと膨張黒鉛との間に隙間が発生する。体積変化の緩衝作用から上記メジアン径の比は2~3とすることがより好ましい。
電解二酸化マンガンについては300~450℃で焼成させたものを用いることが好ましい。焼成することにより含有する水分を揮発させ、結晶化が進み、加えて、比表面積も低下する。よって、電解二酸化マンガンの構造安定性と耐水反応性が向上する。電解の条件により、同様の性能を持つ電解二酸化マンガンを作製することもできる。
正極合剤を構成している結着剤の割合は、1~2質量%にすることが好ましい。結着剤は、正極活物質を電解二酸化マンガンと膨張黒鉛との圧接体をつなぎ合わせることで電極全体の強度維持を可能とする。よって、通常の放電だけでなく、落下衝撃などに対する耐性が向上する。
結着剤を更に増量することで、電極自体の強度も更に向上する。しかし、結着剤は電池反応には寄与しないため、電池容量や放電性能の点では好ましくない。正極合剤に含まれる結着剤の量は、1.1~1.8質量%がより好ましく、1.1~1.5質量%がさらに好ましく、1.1~1.2質量%がより一層好ましい。
電解二酸化マンガンのメジアン径は、20~50μmであることが好ましい。薄膜から厚膜まで幅広い厚みの電極を作製することができるからである。電解二酸化マンガンのメジアン径が20μmより小さくなると、合剤での膨張黒鉛との圧接体を形成する際に微粉の割合が多くなり、活物質同士の接点が増加するため、厚膜電極にする場合に電解液の含浸性が低下してしまう。含浸性をあげるために空隙を増やす、または結着剤量を減らす対策を行うと、結果として電極の強度が低下してしまう。また、工業的に膨張黒鉛の粒度を小さくすると加工工程が難しくなる。一方、電解二酸化マンガンのメジアン径が50μmより大きくなると、合剤での膨張黒鉛との圧接体を形成する際に、大きな加圧力が必要となる。また、活物質同士の隙間が大きくなり、充填密度を上げることが難しくなる。そのため、空隙が多くなり、電解液の含浸量が多くなってしまう。また、薄膜電極の強度を確保することが難しくなる。そのため、電池活物質比率が低下して、電池容量が低下してしまう。また、工業的に膨張黒鉛の粒度の大きいものを製造することは困難である。電極性能の観点から、電解二酸化マンガンのメジアン径は、20~45μmであることがより好ましく、20~35μmであることがさらに好ましい。
メジアン径が20~50μmである電解二酸化マンガンのD10とD90は、それぞれ、5~15μmと40~90μmであることが好ましい。D10とD90は、体積基準の粒度分布において、それぞれ、累積頻度が10%と90%となる粒径を意味する。電解二酸化マンガンの粒度の大半が5~90μmの範囲にある粉体が好ましく、この範囲外の粒子が入ると膨張黒鉛との圧接むらが発生する可能性がある。より好ましくはメジアン径が20~35μmである電解二酸化マンガンのD10とD90が、それぞれ、10~15μmと40~60μmであることが好ましい。
膨張黒鉛のメジアン径は、電解二酸化マンガンのメジアン径に依存するが、範囲としては30~60μmであることが好ましい。前記範囲外の膨張黒鉛は生産性が落ちることから、前記範囲は40~60μmであることがさらに好ましい。
メジアン径が30~60μmである膨張黒鉛のD10とD90は、それぞれ、10~25μmと60~120μmであることが好ましい。メジアン径が40~60μmである膨張黒鉛のD10とD90は、それぞれ、10~25μmと75~110μmであることが好ましい。
本実施形態に係る膨張黒鉛は、ベーサル面とエッジ面とを有している。ベーサル面とは、層状構造を有する膨張黒鉛の粒径に関係する長辺部分である。エッジ面は層状構造の端面であり、ベーサル面に比べて非常に短い。エッジ面の厚みの平均値は0.1~5μmであることが好ましく、より好ましくは0.5~4μmであり、さらに好ましくは1~3μmである。膨張黒鉛の厚みを0.1~5μmにすることで、プレス成形後でも圧接状態を維持できる電極を得ることが可能である。膨張黒鉛と電解二酸化マンガンとの圧接状態を確認する場合、電池自体または電池を解体して正極成型体を樹脂固めする。そして、正極成型体を切断して切断面を作る。その切断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡にて観察する。膨張黒鉛の長辺方向がほぼ粒径に近い値(メジアン径が30~60μm程度)を示し、短辺方向が0.1~5μm程度であれば十分な圧接状態であることを示している。
本実施形態に係る非水電解液電池の一例としてコイン形電池について説明する。発電要素を密閉収容する外装体は、内部に発電要素を含み、開口を有する有底のケースと、ケースの開口を塞ぐ封口板と、ケースの側部の端部(開口端部)と封口板の周縁部との間に介在するガスケットとを具備している。発電要素は、正極と、負極と、これらの間に介在するセパレータと、電解液とを具備する。ケースと封口板とで形成される空間に発電要素を充填した後、ケースの開口端部を、ガスケットを介して封口板の周縁部にかしめることで、発電要素が外装体の内部に密閉収容される。図3は、本実施形態に係る電池の縦断面図であり、より詳細に説明する。
コイン形電池11は、ケース3と、封口板8と、ガスケット7とで構成される外装体を具備する。ケース3は、底板部3aおよび底板部3aの周縁から立ち上がる側部3bを有する円筒形で底浅の電池缶である。封口板8は、天板部8aおよび天板部8aからケース3の側部3bの内側へと延びる周縁部8bを有する。ケース3の側部3bの端部3t(開口端部)を内側に湾曲させてガスケット7を介して封口板8の周縁部8bに加締めることにより、ケース3と封口板8との隙間を封止している。
外装体の内部には発電要素が収容されている。発電要素は、正極4、負極5、セパレータ6および非水電解質(図示せず)を含む。図示例では、正極4はケース3の底板部3aと対向するように配置されている。よって、底板部3aの外面は、正極端子面として機能する。一方、負極5は封口板8の天板部8aと対向するように配置される。よって、天板部8aの外面は、負極端子面として機能する。
次に、本実施形態に係る非水電解液電池の発電要素について説明する。
正極4は、正極合剤を円柱状に加圧成型することにより形成される。正極合剤は、正極活物質である電解二酸化マンガン、導電剤の膨張黒鉛および結着剤を含む。
正極活物質としてはアンモニア、ナトリウム、リチウムなどで中和処理された電解二酸化マンガンを使用することが好ましい。更に焼成した焼成電解二酸化マンガンを使用することが好ましい。具体的には、電解二酸化マンガンを空気中または酸素中で300~450℃で6~12時間程度焼成することが好ましい。また、未焼成の電解二酸化マンガンを使用する際は、電解合成時の条件により結晶化度を挙げて、比表面積を小さくした二酸化マンガンが好ましい。また、少量であれば化学二酸化マンガン、二酸化マンガンなどを添加することは可能である。
導電剤は、膨張黒鉛を主体として用いる。正極合剤に含まれる膨張黒鉛の量は、1~10質量%がより好ましく、1.5~8.5質量%がさらに好ましく、2~7質量%がより一層好ましい。膨張黒鉛に加えて、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛類を使用してもよい。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着剤としては、例えば、フッ素樹脂、ゴム粒子、アクリル樹脂等が用いられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンが用いられる。ゴム粒子としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴムが用いられる。アクリル樹脂としては、エチレン-アクリル酸共重合体などが挙げられる。結着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極5は、リチウム金属またはリチウム合金の箔が用いられ、円形に打ち抜いた形状が用いられる。リチウム合金としては、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-スズ合金、リチウム-シリコン合金、リチウム-鉛合金などが挙げられる。
非水電解液は、非水溶媒と、これに溶解する溶質(塩)とを含む。非水電解質中の溶質濃度は0.3~2mol/Lが好ましい。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2-ジメトキシエタンなどを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶質としては、LiClO、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22などを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、LiPF、LiBFも用いてもよい。
セパレータ6は、正極4と負極5との短絡を防止でき、電解液を保持できる材料であればよい。例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどで形成された織布、不織布、微多孔フィルムなどが挙げられる。特に、ポリプロピレン製の不織布が好ましい。
以上、コイン形電池について説明したが、電池の形状は特段限定されるものではなく、例えば、円筒形であってもよい。また、電池の厚さが直径よりも大きいボタン形電池もコイン形電池に包含されるものとする。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。なお、本実施例では、図3に示すような構造のコイン形電池11を作製した。
(1)発電要素
まず、正極活物質である空気中400℃で10時間焼成した焼成電解二酸化マンガンと、導電剤である膨張黒鉛を乾式混合し、次に、得られた混合粉に結着剤であるポリテトラフルオロエチレンを含む水分散液を加えた後、湿式混合した。得られた混合物を乾燥することで正極合剤を作製した。正極合剤を直径15mm、厚さ2mmの円柱状に打錠成型して正極4を作製した。その正極4の打錠体を250℃で8時間乾燥させた。
一方、厚さ0.6mmの金属リチウム箔を直径16mmの円形に打ち抜いて負極5を作製した。電解液には、プロピレンカーボネートと1,2-ジメトキシエタンとを体積比2:1で混合した非水溶媒に、溶質として過塩素酸リチウム(LiClO)を濃度1.0mol/Lで溶解させた非水電解液を用いた。
(2)ケース
表面に厚み3μmのニッケルめっき層を有するSUS430(厚み250μm)を絞り加工して、底板部の直径が20mm、側部1bの高さが2.8mmのケース3を作製した。
(3)封口板
表面に厚み3μmのニッケルめっき層を有するSUS430(厚み250μm)をプレス加工して、天板部8aの直径が17mmの封口板8を作製した。
(4)コイン形電池の組み立て
ポリプロピレン製のガスケット7を封口板8に配置した。封口板8の天板部8aの内側に負極5を貼り付けた。次に、厚さ300μmのポリプロピレン製の不織布をセパレータ6として負極5の上に載置した。その後、セパレータ6の上に正極4を載置した。その後、非水電解液を封口板8内に注液した。予めブロンアスファルトと鉱物油からなる封止剤をケース3の側部3bの内側に塗布しておき、そのケースを封口板8に被せた後、ケース3の側部3bの端部3tを内側に湾曲させて、ガスケット7を介して封口板8の周縁部8bにかしめてコイン形電池11を作製した。組み立て後の電池(約3.5V)を、電池電圧が3.2Vとなるように所定の電気容量分だけ予備放電させた。予備放電後の電池容量は、定抵抗放電(15kΩ)を行ったとき、2Vまでの放電容量を測定した際に230mAhである。
(実施例1)
メジアン径が28μmの電解二酸化マンガンを用いた。電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比が1.5となる膨張黒鉛を選択した。正極合剤に含まれる結着剤の量は1質量%にし、コイン形電池11を作製した。
(実施例2)
電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を1.7にした以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例3)
電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を2.1にした以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例4)
電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を2.5にした以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例5)
電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を3.0にした以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例1)
電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を1.0にした以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例2)
メジアン径が35μmの電解二酸化マンガンを用い、電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を1.0とした以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例3)
メジアン径が45μmの電解二酸化マンガンを用い、電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を1.3した以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例4)
メジアン径が35μmの電解二酸化マンガンを用い、電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を3.5とした以外、実施例1と同様に電池を作製した。
(5)電池評価
作製した実施例1~5と比較例1~4の電池について、それぞれ10個ずつを60℃、相対湿度90%の環境で100日間保存した。保存後に室温において定抵抗放電(15kΩ)を行い、2Vまでの放電容量を測定した。10個の平均値を算出した結果を表1に示す。
Figure 0007008207000001
コイン形電池の常温長期保管は、60℃、相対湿度90%の保存環境において加速することができる。この環境で100日間保存することで、常温10年保管に相当するとされている。
表1より、電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比が1.5~3である実施例の電池では、いずれも、60℃、相対湿度90%の環境下で100日間保存した後の放電容量において良好な値が得られた。一方、比較例の電池では、いずれも放電容量が低い値となった。これらの結果から、正極合剤における電解二酸化マンガンのメジアン径に対する膨張黒鉛のメジアン径の比を1.5~3に特定することにより、保存後でも正極合剤での圧接状態が維持されて、放電容量の劣化を抑制できることがわかった。
次に、正極合剤に含まれる結着剤量を変化させることにより、保存特性を評価した。
(実施例6)
正極合剤に含まれる結着剤量を1.1質量%とした以外、実施例3と同様に電池を作製した。
(実施例7)
正極合剤に含まれる結着剤量を1.2質量%とした以外、実施例3と同様に電池を作製した。
(実施例8)
正極合剤に含まれる結着剤量を1.5質量%とした以外、実施例3と同様に電池を作製した。
(実施例9)
正極合剤に含まれる結着剤量を1.8質量%とした以外、実施例3と同様に電池を作製した。
(実施例10)
正極合剤に含まれる結着剤量を2.0質量%とした以外、実施例3と同様に電池を作製した。
(実施例11)
正極合剤に含まれる結着剤量を0.9質量%とした以外、実施例3と同様に電池を作製した。
(実施例12)
正極合剤に含まれる結着剤量を2.1質量%とした以外、実施例3と同様に電池を作製した。
作製した実施例6~12の電池について、実施例1電池と同様にそれぞれ10個ずつを60℃、相対湿度90%の環境で100日間保存した。保存後に室温において定抵抗放電(15kΩ)を行い、2Vまでの放電容量を測定した。10個の平均値を算出した結果を表2に示す。
Figure 0007008207000002
表2より、正極合剤に含まれる結着剤量が1~2質量%である実施例の電池では、いずれも、60℃、相対湿度90%の環境下で100日間保存した後の放電容量において、良好な値が得られた。
次に、正極合剤における電解二酸化マンガンのメジアン径を変化させることにより、同様に評価を行った。
(実施例13)
電解二酸化マンガンのメジアン径を20μmとした以外、実施例7と同様にして電池を作製した。
(実施例14)
電解二酸化マンガンのメジアン径を25μmとした以外、実施例7と同様に電池を作製した。
(実施例15)
電解二酸化マンガンのメジアン径を35μmとした以外、実施例7と同様に電池を作製した。
(実施例16)
電解二酸化マンガンのメジアン径を40μmとした以外、実施例7と同様に電池を作製した。
(実施例17)
電解二酸化マンガンのメジアン径を45μmとした以外、実施例7と同様に電池を作製した。
(実施例18)
電解二酸化マンガンのメジアン径を50μmとした以外、実施例7と同様に電池を作製した。
(実施例19)
電解二酸化マンガンのメジアン径を15μmとした以外、実施例7と同様に電池を作製した。
(実施例20)
電解二酸化マンガンのメジアン径を55μmとした以外、実施例7と同様に電池を作製した。
作製した実施例13~20の電池について、同様にそれぞれ10個ずつを60℃、相対湿度90%の環境で100日間保存した。保存後に室温において定抵抗放電(15kΩ)を行い、2Vまでの放電容量を測定した。10個の平均値を算出した結果を表3に示す。
Figure 0007008207000003
表3より、特に正極合剤における電解二酸化マンガンのメジアン径が20~50μmである実施例の電池では、いずれも、60℃、相対湿度90%の環境下で100日間保存した後の放電容量において、良好な値が得られた。
以上、本発明の非水電解質電池は、未使用状態で常温長期保管後においても、正極中における活物質の二酸化マンガンと導電剤の膨張黒鉛との圧接された状態を維持できる。よって、電池の使用推奨期限の延長化が可能となり、産業的価値は大きい。
本発明に係る非水電解液電池は、使用推奨期限の延長化が可能となり、産業的価値は大きい。また、本発明に係る非水電解液電池は、小型機器やメモリバックアップなどの電源として好適に用いられる。
1:電解二酸化マンガン粒子、2:膨張黒鉛粒子、3:ケース、3a:底板部、3b:側部、3t:端部、4:正極、5:負極、6:セパレータ、7:ガスケット、8:封口板、8a:天板部、8b:周縁部、9:第1湾曲部、10:第2湾曲部、11:コイン形電池

Claims (3)

  1. 正極、負極、電解液を含む非水電解液電池であって、
    前記正極が、活物質の電解二酸化マンガン、導電剤の膨張黒鉛、および結着剤を含む正極合剤を備え、
    前記膨張黒鉛は、ベーサル面およびエッジ面を有し、
    前記エッジ面の厚みの平均値が0.1~5μmであり、
    前記膨張黒鉛のメジアン径が、30~60μmであり、
    前記電解二酸化マンガンのメジアン径に対する前記膨張黒鉛のメジアン径の比が、1.5~3である、非水電解液電池。
  2. 前記正極合剤に含まれる前記結着剤の割合が、1~2質量%である、請求項1に記載の非水電解液電池。
  3. 前記電解二酸化マンガンのメジアン径が、20~50μmである、請求項1または請求項2に記載の非水電解液電池。
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