以下、本開示における実施の形態を、図面を適宜参照しながら説明する。ただし、詳細な説明において、従来技術および実質的に同一の構成に関する説明のうち不必要な部分は省略されることもある。これは、説明を簡単にするためである。また、以下の説明および添付の図面は、当業者が本開示を充分に理解できるよう開示されるのであって、特許請求の範囲の主題を限定することを意図されていない。
(実施形態1)
以下では、本開示に係る撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラの構成および動作について説明する。
1.構成
図1は、実施形態1に係るデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。本実施形態のデジタルカメラ1は、カメラ本体100とそれに着脱可能な交換レンズ200とから構成される。
1-1.カメラ本体
カメラ本体100(撮像装置の一例)は、画像センサ110と、表示モニタ120と、操作部130と、カメラ制御部140と、RAM141と、フラッシュメモリ142と、ボディマウント150と、電源160と、カードスロット170とを備える。
画像センサ110は、交換レンズ200を介して入射される被写体像を撮像して画像データを生成する素子である。画像センサ110は、例えばCMOSイメージセンサである。生成された画像データは、ADコンバータ111でデジタル化される。デジタル化された画像データは、カメラ制御部140により所定の画像処理が施される。所定の画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理である。画像センサ110は、CCDまたはNMOSイメージセンサ等であってもよい。
画像センサ110は、タイミング発生器112により制御されるタイミングで動作する。画像センサ110は、記録用の静止画像もしくは動画像またはスルー画像を生成する。スルー画像は、主に動画像であり、ユーザが静止画像の撮像のための構図を決めるために表示モニタ120に表示される。
表示モニタ120は、スルー画像等の画像およびメニュー画面等の種々の情報を表示する表示部の一例である。表示モニタ120は、例えば、液晶ディスプレイデバイスまたは有機ELデバイス等の各種表示デバイスで構成できる。表示モニタ120に加えて、又はこれに代えて、デジタルカメラ1は、例えばカメラ本体100において別の表示部の一例である電子式ビューファインダ(EVF)等を備えてもよい。
操作部130は、ユーザからの操作(指示)を受け付けるユーザインタフェースの総称である。操作部130は、ユーザ操作を受け付けると、ユーザ操作に応じた各種指示を示す操作信号をカメラ制御部140に送信する。操作部130は、例えば物理的なボタン、レバー、ダイヤル、タッチパネル、スイッチ等を含む。また、操作部130は、表示モニタ120上に表示される仮想的なボタンやアイコンも含んでもよい。操作部130の具体例については後述する。
カメラ制御部140は、操作部130からの指示に応じて、画像センサ110等の構成要素を制御することでデジタルカメラ1全体の動作を制御する。カメラ制御部140は、垂直同期信号をタイミング発生器112に送信する。これと並行して、カメラ制御部140は、垂直同期信号に同期した同期信号を生成し、この同期信号を、ボディマウント150及びレンズマウント250を介して、レンズ制御部230に送信する。カメラ制御部140は、制御動作や画像処理動作の際に、RAM141をワークメモリとして使用する。
フラッシュメモリ142は、カメラ制御部140が制御を行う際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
ボディマウント150は、交換レンズ200のレンズマウント250と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント150は、レンズマウント250を介して、交換レンズ200との間で、データを送受信可能である。ボディマウント150は、カメラ制御部140から受信した露光同期信号を、レンズマウント250を介してレンズ制御部230に送信する。
また、ボディマウント150は、カメラ制御部140から受信したその他の制御信号を、レンズマウント250を介してレンズ制御部230に送信する。また、ボディマウント150は、レンズマウント250を介してレンズ制御部230から受信した信号をカメラ制御部140に送信する。また、ボディマウント150は、電源160からの電力を、レンズマウント250を介して交換レンズ200全体に供給する。
電源160は、デジタルカメラ1内の各要素に電力を供給する回路である。
カードスロット170は、メモリカード171を装着可能であり、カメラ制御部140からの制御に基づいてメモリカード171を制御する。デジタルカメラ1は、メモリカード171に対して画像データを格納したり、メモリカード171から画像データを読み出したりすることができる。
1-2.交換レンズ
図1に示すように、交換レンズ200は、フォーカスレンズ210と、フォーカスレンズ駆動部211と、フォーカスリング212と、ズームレンズ220と、ズームレンズ駆動部221と、ズームリング222と、レンズ制御部230と、RAM231と、フラッシュメモリ232と、レンズマウント250とを備える。交換レンズ200は、図1に示すレンズに加えて手振れ補正用レンズをさらに備えてもよい。
フォーカスリング212及びズームリング222は、それぞれ交換レンズ200に設けられた操作部材の一例である。交換レンズ200の操作部材はこれに限らず、例えば外装に設けられたボタン等を含んでもよい。
レンズ制御部230は交換レンズ200全体の動作を制御する。レンズ制御部230は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで構成してもよい。
RAM231は、レンズ制御部230が制御の際に用いるワークメモリとして機能する。フラッシュメモリ232は、レンズ制御部230の制御の際に使用するプログラムやパラメータ、レンズデータ等を格納する。
ズームレンズ220は、交換レンズ200の光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ220のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。
ズームレンズ駆動部221は、ユーザによるズームリング222の操作に基づいて、ズームレンズ220を光学系の光軸に沿って移動させる機械的な機構である。ズームレンズ220の位置は随時ズームレンズ位置検出部223により検出され、レンズ制御部230に通知される。
フォーカスレンズ210は、光学系から入射され画像センサ110上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ210のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。
フォーカスリング212は交換レンズ200の外装に設けられている。フォーカスリング212がユーザによって操作されると、フォーカスリング212の操作量に関する情報がレンズ制御部230に通知される。レンズ制御部230は、通知されたフォーカスリング212の操作量に関する情報に基づいて、フォーカスレンズ駆動部211を制御して、フォーカスレンズ210を駆動する。このため、レンズ制御部230はフォーカスレンズ210の位置を認識している。
フォーカスレンズ駆動部211は、レンズ制御部230の制御に基づいてフォーカスレンズ210を光学系の光軸に沿って進退するように駆動する。フォーカスレンズ駆動部211は、例えばステッピングモータ、DCモータ、超音波モータ等により実現できる。
1-3.操作部について
デジタルカメラ1のカメラ本体100における操作部130の具体例を、図2~4を用いて説明する。図2は、デジタルカメラ100の背面を示した図である。図3は、カメラ本体100を上側から見た平面図を示す。図4は、カメラ本体100の前面図を示す。
図2では、カメラ本体100の操作部130の例として、タッチパネル300とその周囲に設けられた各種操作部材を例示している。例えば、カメラ本体100において図2中で右側に設けられた操作部材は、選択キー310、コントロールホイール313、ジョイスティック315、後ダイヤル321、Qボタン331、DISPボタン332、リターンボタン333、及びFnボタン341を含む。さらに、図2中で上側には、再生ボタン334、AFモードボタン335、撮影モードダイヤル351、駆動モードダイヤル352、フォーカスレバー361及びロックレバー360が設けられている。
図3に示すように、カメラ本体100は、ユーザが撮影中に右手等で把持するための構造であるグリップ101を備える。上述した図2中で右側の各種操作部材は、それぞれグリップ101周りの操作部材の一例である。さらに、グリップ101周りには図3に示すように、シャッタボタン370、WBボタン336、ISOボタン337、露出補正ボタン338、動画ボタン381、及びモードダイヤル353が設けられている。グリップ101周りの操作部材は、さらに、図4に示すように前ダイヤル320を含む。
また、図3,4に示すように、グリップ101から離れた位置に、EVFボタン339、Fnボタン342,343、動画ボタン382、及びレンズ取り外しボタン372が設けられている。又、デジタルカメラ1には、電源160をオン/オフするための電源ボタン(不図示)がさらに設けられる。
シャッタボタン370は、二段押下式のボタンである。シャッタボタン370がユーザにより半押し操作されると、カメラ制御部140はオートフォーカス制御(AF制御)やオート露出制御(AE制御)などを実行する。また、シャッタボタン370がユーザにより全押し操作されると、カメラ制御部140は、押下操作のタイミングに撮像された画像データを静止画の記録画像としてメモリカード172等に記録する。
選択キー310は、上下左右方向に設けられた押下式の方向ボタン311及び中央に設けられた押下式のSETボタン312を含む。ユーザは、上下左右方向のいずれかの方向ボタン311を押下することにより、表示モニタ120に表示される各種条件項目を選択するための領域等を移動できる。デジタルカメラ1が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、SETボタン312がユーザにより押下されると、カメラ制御部140は表示モニタ120にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。SETボタン312が各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、カメラ制御部140は、選択された項目の設定を確定する。
コントロールホイール313は、選択キー310の周囲に設けられ、回転可能な操作部材である。ジョイスティック315は、その向きを傾ける操作により選択キー310における方向ボタン311と同様の機能を実現し、ジョイスティック315を押し込む操作によりSETボタン312と同様の機能を実現する操作部材である。
各種の押下式ボタン331~339,341~343,381~382には、各々にデジタルカメラ1の各種機能が割り当てられる。例えば、再生ボタン334には再生モードに移行する機能を有する。又、Fnボタン341~343は、メニュー設定などによりユーザが所望の機能を各々に割り当て可能であり、物理的なファンクションボタンの一例である。例えば、Fnボタン341にはAFモードをONする機能が割り当てられる。又、動画ボタン381,382は、共に動画の撮影記録を開始/終了する機能を有する。
タッチパネル300は、表示モニタ120の表示画面と重畳して配置され、ユーザの指による表示画面上へのタッチ操作を検出する。これにより、ユーザは、表示モニタ120に表示された画像に対する領域の指定、メニュー画面上の各種選択等の操作を行える。
表示モニタ120には、例えば仮想的なFnボタン40が表示される。仮想的なFnボタン40には、物理的なFnボタン341~343と同様に、それぞれ独立して各種機能を割り当て可能である。仮想的なFnボタン40の操作は、例えばタッチパネル300のタッチ操作で行える。
各種モードダイヤル351~353は、段階的な回転式の操作部材であり、デジタルカメラ100における各種モードの設定に利用可能である。前/後ダイヤル320,321は、連続的な回転式の操作部材であり、各種のパラメータ調整に利用可能である。
各種レバー360,361は、操作された状態を示す物理位置を段階的に有する操作部材である。ロックレバー360は、後述する操作ロック機能を有効にするON状態または無効にするOFF状態を切り替える操作部材すなわちロック部材の一例である。ロック部材は、レバー式に限らず、例えば押下式ボタンで構成されてもよい。
2.動作
以上のように構成されるデジタルカメラ1の動作について、以下説明する。
本実施形態におけるデジタルカメラ1の操作ロック機能に関する動作の概要を説明する。本実施形態のデジタルカメラ1は、操作部130等の各種の操作部材においてユーザ操作が無効となるロック状態を制御する機能である操作ロック機能を有する。
デジタルカメラ1には、操作ロック機能においてロック状態とする操作部材が予め設定される。ロックレバー360がON状態になると、デジタルカメラ1は、操作ロック機能を有効としてロック状態の制御を実行する。こうした操作ロック機能では、各種撮影の状況に応じて誤操作が生じ得る操作部材が異なり、ユーザがどの操作部材をロック状態にしたいかのニーズが様々であることが考えられる。
例えば、ユーザが静止画を撮影する際に、デジタルカメラ1のグリップ101周りでシャッタボタン370以外の操作部材のみロックしたい場合が考えられる。例えば、ユーザがグリップ101を片手で持ちながら移動と撮影とを繰り返すとき等に、グリップ101の周りの操作部材を意図せず押すような誤操作が想定される。
又、デジタルカメラ1を用いた動画の撮影時に、グリップ101周りに限らず動画ボタン381,382以外のあらゆる操作部材をロックしたい場合も考えられる。例えば、動画を撮影するチームにおいて、監督が所望の動画画質などの設定をデジタルカメラ1に行った状態で、助手に撮影開始の操作をさせる際に、助手が誤って画質を変えてしまうような誤操作を予防したい場合が想定される。
さらに、デジタルカメラ1の撮影に様々な機材を用いる際に、各種機材の取り付け位置などに応じて特定の箇所の操作部材をロックしたい場合も考えられる。例えば、デジタルカメラ1が、ドローン又はジンバル等に搭載されたり、カメラリグ又は他の機材が装着されたりする際に、デジタルカメラ1が各種機材に保持される箇所近傍における接触による誤操作が想定される。
こうした種々の撮影状況にわたる多様なニーズに応えるべく、本実施形態では、操作ロック機能においてロック状態に設定可能な操作部材を拡充し、各操作部材を個別にロック状態とするか否かを設定するパターン即ちロックパターンをデジタルカメラ1に持たせる。本実施形態のデジタルカメラ1の動作の詳細を以下説明する。
2-1.操作ロック機能のロックパターン
本実施形態のデジタルカメラ1における操作ロック機能及びロックパターンについて、図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態におけるロックパターン情報D1を説明するための図である。ロックパターン情報D1は、デジタルカメラ1において1つ又は複数のロックパターンを管理する情報であり、例えばカメラ本体100のフラッシュメモリ142に格納される。
図5に例示するロックパターン情報D1は、例えば各ロックパターンにおいて個々の対象部材が「ロック」又は「アンロック」に設定された状態を管理する。対象部材は、操作ロック機能において設定の対象とする個別の操作部材である。「ロック」は、操作ロック機能の有効時にロック状態に設定する対象すなわちロック対象である設定状態を示す。「アンロック」は、操作ロック機能が有効の有効時であってもロック状態に設定しない対象すなわちアンロック対象である設定状態を示す。
本実施形態の操作ロック機能では、デジタルカメラ1の操作部130における物理的な各種操作部材が、基本的には各々別個の対象部材を構成する。例えば、タッチパネル300は、1つの対象部材である。又、複数の動画ボタン381,382は、同一の機能を有するが互いに別の対象部材である。複数の物理的なFnボタン341~343も、それぞれ別の対象部材である。
なお、選択キー310は、各種方向の方向ボタン311及びSETボタン312を含むが、これらを個別には扱わず、1つの対象部材を構成する。一方、コントロールホイール313は、選択キー310とは別の対象部材である。ジョイスティック315は、選択キー310と同様に、複数の操作手段を含むが1つの対象部材を構成する。仮想的なFnボタン40は、特に別個の対象部材を構成せず、例えばタッチパネル300のロック状態により各Fnボタン40へのタッチ操作は一括して無効となり得る。
例えば、図5に例示するロックパターン情報D1では、パターン1は、静止画撮影用として、グリップ101周りの操作部材をロック対象に設定し、その他をアンロック対象に設定する。パターン2は、動画撮影用として、動画ボタン381,382以外の全ての操作部材をロック対象に設定する。パターン3は、特定の機材(例えばドローン)を用いた撮影用として、デジタルカメラ1の前面側の動画ボタン382等の特定の操作部材のみロック対象に設定する。
本実施形態では、操作ロック機能の対象部材が多数あることから、ユーザが所望の対象部材の設定を確認し難くなる事態が想定される。そこで、本実施形態のデジタルカメラ1では、多数の対象部材からユーザが所望の対象部材を見つけてロック/アンロック対象の設定を確認し易いユーザインタフェースを提供する(図9~11参照)。
本実施形態において、操作ロック機能の対象部材は外部機器を含んでもよい。図5の例のデジタルカメラ1では、交換レンズ200が対象部材として管理されている。これにより、カメラ本体100の外部機器である交換レンズ200の誤操作も抑制することができる。本実施形態では、例えばロックパターン情報D1のように、操作ロック機能に関する交換レンズ200の設定情報が、カメラ本体100側のフラッシュメモリ142等に格納される。
これにより、例えば交換レンズ200を1台目のカメラ本体100から2台目のカメラ本体100に付け替えた際に、1台目における操作ロック機能の設定が交換レンズ200に残ることなく、2台目のカメラ本体100で交換レンズ200を使用できる。このため、1台目で交換レンズ200をロック対象に設定したとしても、2台目で用いる際に交換レンズ200が意図せずロック状態となるような事態を抑制でき、外部機器に関する操作ロック機能を利用し易くすることができる。
本実施形態の操作ロック機能においては、外部機器である交換レンズ200中の各種リング212,222等の操作部材を別々に扱うのではなく、交換レンズ200全体を1つの対象部材として扱う。これにより、例えばカメラ本体100において種々の交換レンズ200の設定を一括で管理でき、上記のような操作ロック機能を実現し易くできる。
本実施形態においては、デジタルカメラ1における一部の操作部材が、操作ロック機能の対象から外されてもよい。例えば、操作状態を物理的に示すような操作部材は、操作ロック機能の対象外であってもよい。例えば、操作ロック機能の対象部材ではない操作部材は、ロックレバー360、フォーカスレバー361、レンズ取り外しボタン372、各種モードダイヤル351~353及び電源スイッチ等であってもよい。また、シャッタボタン370は、操作ロック機能の対象部材でなくてもよいし、対象部材であってもよい。
2-2.ロックパターンの選択動作
以上のような様々なロックパターンから、操作ロック機能に適用するためのロックパターンを選択するデジタルカメラ1の動作の一例を、図6~7を用いて説明する。以下では、デジタルカメラ1の設定メニューを用いた動作例を説明する。
図6は、デジタルカメラ1におけるロックパターンの選択動作を説明するためのフローチャートである。図7は、本実施形態におけるロックパターンの選択動作の表示例を示す図である。
図6に示すフローチャートの処理は、例えば、図7(A)に例示するようなメニュー画面において特定のメニュー項目「ロックレバー設定」を選択するユーザ操作が入力されたときに開始される。本フローの処理は、例えば、デジタルカメラ1においてロックパターン情報D1が格納された状態で、カメラ制御部140によって実行される。
まず、カメラ制御部140は、ロックパターンを選択するユーザ操作の入力に応じて、選択結果のロックパターンを取得する(S1)。例えば、カメラ制御部140は、図7(A)から図7(B)に例示するパターン選択画面に表示モニタ120を遷移させて、パターン選択画面に関する種々のユーザ操作を、各種操作部130を介して受け付ける。パターン選択画面は、予め設定された複数のロックパターンを選択肢として1つのロックパターンを選択するための設定画面である。
図7(B)に例示するパターン選択画面は、「パターン1」ないし「パターン3」といった複数のロックパターンの選択肢N(N=1~3)と、名称変更ボタン41と、編集ボタン42とを含む。名称変更ボタン41は、「パターン1」などの名称を変更するためのユーザ操作を受け付ける。編集ボタン42は、各選択肢Nにおけるロックパターンの内容を変更するためのユーザ操作を受け付ける。
ユーザは、例えば選択キー310若しくはジョイスティック315の操作又はタッチパネル300のタッチ操作により、図7(B)に例示するようなフォーカス領域R1を、複数の選択肢パターンN間で移動できる。フォーカス領域R1は、メニュー画面上で決定などの操作対象を強調表示する領域である。
ユーザが所望の選択肢Nにフォーカス領域R1を合わせた状態で決定するように選択キー310のSETボタン312等を操作すると、カメラ制御部140は、例えば予めフラッシュメモリ142に格納されたロックパターン情報D1から、フォーカス領域R1に対応するロックパターンを選択結果として取得する(S1)。ステップS1で用いられる各種操作部130は、本実施形態の選択部の一例である。
次に、カメラ制御部140は、選択したロックパターンが操作ロック機能の有効時に適用されるように、当該ロックパターンをデジタルカメラ1に設定する(S2)。例えば、カメラ制御部140は、フラッシュメモリ142においてロックレバー360に関する設定情報に、選択されたロックパターンを示す情報を格納する。
カメラ制御部140は、選択したロックパターンの設定(S2)後、例えば表示モニタ120の画面表示を、図7(B)から図7(A)に戻して、本フローの処理を終了する。
以上のロックパターンの選択動作によると、例えば設定メニューにおいて、複数のロックパターンの選択肢Nの中から、ユーザは所望のロックパターンを選択することができる(S1)。これにより、各種の撮影状況に応じて操作ロック機能を使い易くすることができる。
2-2-1.ロックパターンの詳細設定
本実施形態のデジタルカメラ1において、操作ロック機能のロックパターンは、ユーザの操作により対象部材毎に設定を変更(つまり編集)可能である。上記のステップS1において、図7(B)の例の編集ボタン42の操作が入力された場合にカメラ制御部140が実行する処理について、図8~11を用いて説明する。
図8は、本実施形態におけるロックパターンの編集動作を説明するためのフローチャートである。図9~11は、ロックパターンの詳細画面の第1~第3の表示例を示す。
まず、カメラ制御部140は、表示モニタ120に、ロックパターンの詳細画面を表示させる(S11)。ロックパターンの詳細画面は、例えば編集中のロックパターンにおいて、各対象部材の設定を確認したり変更したりするための設定画面である。ステップS11の表示例を、図9に例示する。
図9に例示するように、ロックパターンの詳細画面は、各対象部材がロック対象であるか否かの状態を示す複数のロック対象マーカM1と、デジタルカメラ1の外観を示すカメラ図M10と、登録ボタン43等とを含む。こうしたステップS11の表示画面によると、ユーザは、カメラ図M10に関連付けて配置されたロック対象マーカM1により、デジタルカメラ1における各所の対象部材の設定がロック対象又はアンロック対象であることを容易に確認できる。ステップS11の表示画面の詳細については後述する。
カメラ制御部140は、例えば図9に示したような表示画面に関する種々のユーザ操作を、各種操作部130を介して受け付ける(S12)。カメラ制御部140は、入力されたユーザ操作が、決定の操作か否かを判断する(S13)。決定の操作は、例えば登録ボタン43のタッチ操作またはQボタン331の押下操作である。
例えば、ユーザがロック対象マーカM1の状態を変更する操作を入力すると、カメラ制御部140は、決定の操作でないと判断して(S13でNO)、入力された操作に応じて表示モニタ120の画面表示を更新し、ステップS12に戻る。ユーザは、例えば、各ロック対象マーカM1が所望の設定で表示された状態で、ロックパターンの編集を完了するために、上記のような決定の操作を入力できる。なお、戻るボタン45のタッチ操作などキャンセルのためのユーザ操作が入力されると、カメラ制御部140は、表示モニタ120の画面表示を上位の階層の画面に遷移させて本フローの処理を終了する。
カメラ制御部140は、決定の操作が入力されたとき(S13でYES)、ロック対象マーカM1の状態に基づいて、編集結果のロックパターンをフラッシュメモリ142等に登録する(S14)。例えば、カメラ制御部140は、フラッシュメモリ142に格納されたロックパターン情報D1において、ステップS11で選択されたパターンを、編集結果のロックパターンに更新する。
カメラ制御部140は、ロックパターンの登録(S14)後に、例えばパターン選択画面などの上位のメニュー画面に表示モニタ120の画面表示を戻して、本フローチャートに示す処理を終了する。
以上の処理によると、ロックパターンの詳細画面(S11)において、ユーザは操作ロック機能の対象部材毎に、ロック/アンロック対象を設定して(S12)、所望のロックパターンを得ることができる。ステップS11の表示画面の詳細について図9~11を用いて説明する。
ロックパターンの詳細画面は、図9~11に示すように、カメラ図M10、複数のロック対象マーカM1、登録ボタン43、次頁ボタン44及び戻るボタン45を含む。
カメラ図M10は、例えばデジタルカメラ1又はカメラ本体100の背面図、上面図或いは前面図といった外観を示す図であり、操作ロック機能における各種の対象部材の位置を含む。カメラ図M10は、線図などの模式図であってもよいし、撮像画像などの画像であってもよい。
複数のロック対象マーカM1は、それぞれ操作ロック機能の対象部材と対応付けて設けられる。ロック対象マーカM1は、カメラ図M10において、対応する操作部材の位置を識別するように表示される位置マーカの一例である。ロック対象マーカM1は、ロックアイコンM11と、引き出し線M12とを含む。
ロックアイコンM11は、対応する対象部材が、ロック対象またはアンロック対象の何れか一方に設定される状態を示す。ロックアイコンM11は、例えばフォーカス領域R1を合わせた際に、ロック対象またはアンロック対象を切り替えるユーザ操作を受け付ける。例えば、図9の例において、フォーカス領域R1を合わせたロックアイコンM11は、対応する対象部材である後ダイヤル321(図2参照)が、ロック対象に設定される状態を示す(図3参照)。一方、その下に配置されたロックアイコンM11は、ジョイスティック315がアンロック対象に設定された状態を示す。
引き出し線M12は、カメラ図M10において各ロック対象マーカM1に対応する対象部材の位置と、ロックアイコンM11とを繋ぐように設けられる。引き出し線M12は、例えばフォーカス領域R1を合わせる前から表示されている。ユーザは、例えばカメラ図M10において所望の対象部材の位置から延びる引き出し線M12を辿って特定のロックアイコンM11を視認することにより、ロック対象マーカM1により所望の対象部材の設定確認及び変更を容易に行うことができる。
本実施形態のデジタルカメラ1においては、操作ロック機能の対象部材が多数あることから、ロックパターンの詳細画面は、複数頁あってもよい。図10の画面では、カメラ本体100の前面のカメラ図M10により、前面にある対象部材のロック対象マーカM1が表示される。図11の画面では、カメラ本体100の外部機器の交換レンズ200を対象部材とするロック対象マーカM1が表示される。各画面のロック対象マーカM1により、ユーザは所望の対象部材について操作ロック機能の設定を行える。
以上のようなロックパターンの詳細画面が表示された状態(S11)で、ユーザが選択キー310(又はジョイスティック315)を上下方向に操作すると、カメラ制御部140は、フォーカス領域R1をロックアイコンM11間で移動させる(S12~S13)。こうしたフォーカス領域R1の移動は、ロックアイコンM11のタッチ操作でも行える。さらに、フォーカス領域R1を合わせたロックアイコンM11は、SETボタン312等の操作又はタッチ操作に応じてカメラ制御部140により、ロック対象又はアンロック対象にトグルで切り替えられる。
また、次頁ボタン44のタッチ操作又はDISPボタン332の操作によると、カメラ制御部140は、表示モニタ120に表示されるロックパターンの詳細画面を、次頁に遷移させる。また、戻るボタン45のタッチ操作又はリターンボタン333の操作によると、表示モニタの画面表示が、1階層上のメニュー画面に遷移する。
また、デジタルカメラ1には初期値のロックパターンが設けられてもよい。例えば、初期値のロックパターンは、選択キー310、ジョイスティック315、タッチパネル300、各種ダイヤル320~321及びDISPボタン332といった特定の対象部材をロック対象に設定し、その他の対象部材をアンロック対象に設定する。例えばメニュー操作においてロックパターンを初期値にリセットするための所定のユーザ操作が設けられてもよく、例えばロックパターンの詳細画面にリセットの操作を受け付ける仮想ボタンが設けられてもよい。
2-3.操作ロック機能の有効化について
以上のようにロックパターンが設定された状態で操作ロック機能を有効にする際のデジタルカメラ1の動作について、以下説明する。
2-3-1.操作ロック機能の切替処理
操作ロック機能の無効/有効を切り替える処理について、図12~13を用いて説明する。
図12は、デジタルカメラ1における操作ロック機能の切替処理を説明するためのフローチャートである。図13は、操作ロック機能の切替処理における表示例を示す。本フローに示す処理は、ロックレバー360がOFFの状態、すなわち操作ロック機能が無効の状態で開始され、例えばカメラ制御部140によって実行される。
まず、カメラ制御部140は、ロックレバー360からの操作信号に基づいて、ロックレバー360がON状態に変更されたか否かを判断する(S21)。カメラ制御部140は、ロックレバー360がOFF状態であるときに(S21でNO)、例えば所定周期でステップS21の判断を繰り返す。このとき、各種操作部材から種々のユーザ操作により操作信号が入力されると、カメラ制御部140は、操作信号が示す指示に従った制御を実行する。このように、操作ロック機能が無効なとき、各種ユーザ操作は有効である。
ロックレバー360がON状態に変更されたとき(S21でYES)、カメラ制御部140は、例えば操作ロック機能の有効化についての確認画面を表示モニタ120に表示させる(S22)。ステップS23における表示例を図13に示す。
図13に例示する確認画面は、設定されたロックパターンにおいてロック対象の対象部材のロック対象マーカM1と、「次のデバイスをロックします」といったメッセージ61とを含む。カメラ制御部140は、例えばロックレバー360のON状態への変更時から所定期間が経つまで、又はOKボタン46が操作されるまで当該確認画面を表示モニタ120に表示させる(S22)。その後、表示モニタ120の画面表示はスルー画像などを含むライブビュー画面等に戻される。
次に、カメラ制御部140は、設定されたロックパターンを参照して、操作ロック機能を有効に設定する(S23)。操作ロック機能の有効化(S23)によると、ロックパターンにおいてロック対象に設定された各操作部材が、一括してロック状態に制御され、当該操作部材におけるユーザ操作は無効となる。ステップS23において有効化された操作ロック機能による処理(即ち操作ロック処理)については後述する。
その後、カメラ制御部140は、ロックレバー360からの操作信号に基づいて、ロックレバー360がOFF状態に変更されたか否かを判断する(S24)。カメラ制御部140は、ロックレバー360がON状態であるときに(S24でNO)、例えば所定周期でステップS24の判断を繰り返す。
ロックレバー360がOFF状態に変更されたとき(S24でYES)、カメラ制御部140は、操作ロック機能の設定を無効に戻す(S25)。このとき、ロックパターンにおいてロック対象に設定された操作部材についてのロック状態が解除され、当該操作部材におけるユーザ操作が有効となる。
カメラ制御部140は、操作ロック機能の無効化(S25)後に、本フローに示す処理を終了する。その後、カメラ制御部140は、例えば所定周期後にステップS21以降の処理を再び実行する。
以上の処理によると、ロックレバー360をOFF/ON状態に切り替えるユーザ操作に応じて、ロックパターンにおいてロック対象に設定された操作部材を一括してロック状態とするか否かを制御できる。
上記のステップS22において、ロックレバー360のON時の表示は、特に図13の確認画面に限らない。例えば、設定されたロックパターンにおいてロック対象の対象部材のロック対象マーカM1をさらに含んだ画面表示が行われてもよい。又、ステップS22において、パターン選択画面(図7(B))と同様の表示が行われてもよく、このときにロックパターンの選択動作(図6)が行われてもよい。また、ステップS22の処理は省略されてもよく、カメラ制御部140は、図13等の画面表示を行わずに、ロック操作機能を有効化してもよい(S23)。
2-3-2.操作ロック処理
図12のステップS23において有効化された操作ロック機能による操作ロック処理について、図14~15を用いて説明する。
図14は、デジタルカメラ1における操作ロック処理を説明するためのフローチャートである。図15は、操作ロック処理における表示例を示す。本フローに示す処理は、ロックレバー360がON状態であるときに、所定周期で繰り返し実行される。以下では、ソフトウェア的なユーザ操作の無効化によりロック状態を実現する処理例を説明する。
まず、カメラ制御部140は、各種操作部130及び外部機器からの操作信号に基づいて、ユーザ操作の入力を検知する(S31)。カメラ制御部140は、例えば所定周期でステップS11の検知を繰り返す。
ユーザ操作が入力されると(S31でYES)、カメラ制御部140は、例えばロックパターンに基づいて、受信した操作信号の送信元の操作部材がロック対象であるか否かを判断する(S32)。例えば、操作された操作部材が操作ロック機能の対象部材でない場合、および対象部材であってもロックパターンにおいてアンロック対象である場合、カメラ制御部140は、ステップS32でNOに進む。
操作された操作部材がロック対象でない場合(S32でNO)、カメラ制御部140は、操作信号が示すユーザ操作の指示に従った制御を実行する(S33)。これにより、ロックパターンにおいてアンロック対象である操作部材におけるユーザ操作は、ロックレバー360がON状態のときも有効となる。
一方、操作された操作部材がロック状態である場合(S32でYES)、カメラ制御部140は、操作信号が示すユーザ操作の指示を無視する(S34)。これにより、ロック対象の操作部材について、入力されたユーザ操作の指示に従った制御は実行されないロック状態を実現し、当該ユーザ操作を無効化することができる。
さらに、カメラ制御部140は、ロック状態であることを注意喚起するための情報を表示するように表示モニタ120を制御する(S35)。ステップS35における表示例を図15に例示する。
図15の表示例において、表示モニタ120は、例えばステップS35前から表示されたライブビュー画面において、ステップS35における制御により「ロックレバー」という注意メッセージ62を表示する。この注意メッセージ62により、ユーザは、誤操作でなく実際に操作を入力するためには、ロックレバー360を操作することで入力可能となることが把握できる。
カメラ制御部140は、例えば注意メッセージ62を所定期間だけ表示させて(S35)、本フローに示す処理を終了する。又、カメラ制御部140は、ユーザ操作に従った制御を実行した場合(S33)も、本フローの処理を終了する。こうした処理の終了後、カメラ制御部140は、例えば所定周期後にロックレバー360がON状態であれば再度ステップS31以降の処理を実行する。
以上の操作ロック処理によると、予め設定されたロックパターンに基づいて、ロック対象の操作部材が一括してロック状態に制御され、そのユーザ操作を無効化できる。これにより、操作ロック機能の対象部材の誤操作を抑制することができる。
3.効果等
以上のように、本実施形態の撮像装置の一例であるデジタルカメラ1及びカメラ本体100は、それぞれ撮像部の一例の画像センサ110と、操作部130等の複数の操作部材と、選択部の一例の選択キー310等と、制御部の一例のカメラ制御部140とを備える。画像センサ110は、被写体像を撮像して画像データを生成する。複数の操作部材は、ユーザ操作をそれぞれ入力する。選択部は、各操作部材が、ユーザ操作を無効とするロック状態に設定される対象(即ちロック対象)か否かの組み合わせをそれぞれ示す複数のパターン(即ちロックパターン)の中から、一のパターンを選択する。カメラ制御部140は、選択部によって選択されたパターンに基づいて、複数の操作部材においてロック状態の操作部材ではユーザ操作を受け付けず、ロック状態ではない操作部材ではユーザ操作を受け付けるロック機能(即ち操作ロック機能)を制御する。
以上の撮像装置によると、種々の操作部材におけるロック状態が、選択されたパターンに応じて制御され、操作ロック機能において種々の状況における誤操作の抑制を行い易くすることができる。
本実施形態において、撮像装置は、複数の操作部材の一部が設けられたグリップ101をさらに備える。複数のパターンは、グリップに設けられた操作部材がロック状態に設定されるパターン1(第1パターン)と、第1パターンよりも多くの操作部材がロック状態に設定されるパターン2(第2パターン)とを含む。これにより、例えば静止画撮影時にはパターン1を用いてグリップ101周りの操作部材をロックし、動画撮影時にはパターン2を用いて更なる操作部材をロックするなどの使い分けができ、種々の状況における誤操作の抑制を行い易くすることができる。
本実施形態において、撮像装置は、操作ロック機能の有効又は無効を切り替えるロック部材の一例のロックレバー360をさらに備える。カメラ制御部140は、ロックレバー360によってロック機能が有効に切り替えられたときに(S21でYES)、選択されたパターンにおいて対象とする操作部材を一括してロック状態に設定する(S23)。これにより、ロックパターンでロック対象に設定された操作部材のロック状態を簡単に得られる。
本実施形態において、撮像装置は、情報を格納する記憶部の一例のフラッシュメモリ142をさらに備える。カメラ制御部140は、複数の操作部材における個々の操作部材がロック状態に設定されるか否かを指示するユーザ操作を受け付けて、当該ユーザ操作に応じたパターンを記憶部に記録する(図8)。これにより、ユーザは所望の操作部材をロック/アンロック対象に設定したロックパターンを得られ、操作ロック機能を利用し易くできる。
本実施形態において、撮像装置は、情報を表示する表示部の一例の表示モニタ120をさらに備える。カメラ制御部140は、自装置において複数の操作部材が配置された各々の位置の識別表示を示す複数の位置マーカの一例であるロック対象マーカM1を表示するように表示モニタ120を制御し(S11)、複数のロック対象マーカM1から特定のロック対象マーカM1を選択するユーザ操作に基づき、選択されたロック対象マーカM1に対応する操作部材がロック状態に設定される対象か否かを切り替える(S12)。ロック対象マーカM1によると、ユーザは対象部材の位置とロック/アンロック対象の設定とを確認しながらロックパターンを設定でき、操作ロック機能により誤操作の抑制を行う設定を行い易くすることができる。
本実施形態において、撮像装置は、設定画面を表示する表示モニタ120をさらに備える。選択キー130等の選択部は、複数のパターンに対応する複数の選択肢を含む設定画面が表示モニタ120に表示された状態(図7(A))で入力されるユーザ操作に応じて、一のパターンを選択する(S1)。設定メニューにおいて予め用意された複数のロックパターンから所望のロックパターンを選択でき、予め想定される各種の状況における誤操作の抑制を行い易くできる。
本実施形態において、撮像装置の一例のカメラ本体100は、1つ以上の操作部材を備えた外部機器の一例の交換レンズ100を装着可能である。操作ロック機能のパターンすなわちロックパターンは、外部機器毎の操作部材を一括してロック状態に設定される対象か否かを示してもよい(図5参照)。例えば、交換レンズ200の各種操作部材は、一括してロック/アンロック対象として管理されてもよい。
本実施形態において、複数の操作部材は、動画撮影を指示する複数の動画ボタン381,382を含む。ロックパターンは、各動画ボタン381,382が個別にロック状態に設定される対象か否かを示す。これにより、動画ボタン381,382の中でも取り付け位置等に応じてロックしたい動画ボタンとロックしない動画ボタンとを個別に設定でき、操作ロック機能を利用し易くできる。
本実施形態において、複数の操作部材は、物理的に設けられた複数のFnボタン341~343を含む。ロックパターンは、各Fnボタン341~343が個別にロック状態に設定される対象か否かを示す。これにより、デジタルカメラ1中の種々の位置に設けられた複数のFnボタン341~343を個別にロック/アンロック対象に設定でき、操作ロック機能を利用し易くできる。
本実施形態において、撮像装置は、複数の仮想的なFnボタン40を表示する表示モニタ120をさらに備える。カメラ制御部140は、複数の操作部材において仮想的なFnボタンの操作を入力する操作部材(例えばタッチパネル300)がロック状態であるか否かに応じて、仮想的なFnボタン40の操作を受け付けるか否かを一括して制御する。これにより、各種Fnボタン341~343,40において物理的に別個のものは個別にロック/アンロック対象の設定が行え、設けられた位置に応じた誤操作の抑制を行い易くすることができる。
本実施形態において、撮像装置は、被写体像を撮像して画像データを生成する画像センサ110と、ユーザ操作をそれぞれ入力する複数の操作部材と、複数の操作部材においてユーザ操作を無効とするロック状態を設定するカメラ制御部140と、情報を表示する表示モニタ120とを備える。カメラ制御部140は、自装置において複数の操作部材が配置された各々の位置の識別表示を示す複数のロック対象マーカM1を表示するように表示モニタ120を制御し(S11)、複数のロック対象マーカM1から特定のロック対象マーカM1を選択するユーザ操作に基づき、選択されたロック対象マーカM1に対応する操作部材がロック状態に設定される対象か否かを切り替える(S22)。これによっても、撮像装置において種々の状況における誤操作の抑制を行い易くすることができる。
本実施形態において、上記の撮像装置は、ロック状態に設定される対象か否かの組み合わせをそれぞれ示す複数のパターンの中から、一のパターンを選択する選択部をさらに備えてもよい。カメラ制御部140は、選択部によって選択されたパターンに基づいて、複数の操作部材においてロック状態の操作部材ではユーザ操作を受け付けず、ロック状態ではない操作部材ではユーザ操作を受け付けてもよい。
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
上記の実施形態1では、デジタルカメラ1において設定メニューを用いるロックパターンの選択動作の一例を説明した。ロックパターンは、専用の設定メニューにより選択されなくてもよく、例えばカスタムモード等の動作モードの変更と共に選択されてもよい。この変形例について、図16を用いて説明する。
図16は、デジタルカメラ1におけるロックパターンの選択動作の変形例を説明するための図である。本変形例において、ロックパターンは、例えばユーザ所望の設定に変更可能なカスタムモードに対応付けられる。図16では、本変形例のロックパターン情報D1を含むカスタムモード情報D2を例示している。カスタムモード情報D2は、撮影メニュー及び動画メニューといった各種の設定を一括して、カスタムモード毎に管理する設定情報である。
本変形例において、ロックパターン情報D1は、例えば図16に示すように、カスタムモード情報D2に組み込まれる。図16の例におけるカスタムモード情報D2では、静止画撮影用のモード1に、上述したパターン1のロックパターンが組み込まれ、動画撮影用のモード2に、上述したパターン2のロックパターンが組み込まれている(図5参照)。
本変形例におけるロックパターンの選択動作では、図6と同様の処理が、撮影モードダイヤル351が操作されたときに開始される。撮影モードダイヤル351は、本変形例における選択部の一例である。
例えば、カメラ制御部140は、撮影モードダイヤル351において動作モードを切り替える操作に応じて、カスタムモード情報D2において切り替え後の動作モードに対応するロックパターンを選択する(図6のS1)。このとき、カメラ制御部140は、カスタムモード情報D2において切り替え後の動作モードに対応する各種設定をデジタルカメラ1に反映する際に、切り替え後の動作モードにおけるロックレバー360の設定として、選択したロックパターンを設定する(S2)。
以上のロックパターンの選択動作によると、ユーザが所望の撮影を行うべくデジタルカメラ1の動作モードを特定のカスタムモードに切り替えると同時に、当該カスタムモードに対応するロックパターンが利用可能となる。よって、撮影状況に応じたロックパターンが得られ、操作ロック機能を使い易くすることができる。
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ1において、撮影モードダイヤル351などの選択部は、複数のロックパターンにそれぞれ対応付けられた複数の撮影モードの中から一の撮影モードを選択するユーザ操作に応じて、選択された撮影モードに対応付けられたロックパターンを選択する。これによっても、実施形態1と同様に、種々の状況における誤操作の抑制を行い易くすることができる。
上記の各実施形態では、ロックパターンの編集動作の一例を説明した。ロックパターンの編集動作は、登録済みのロックパターンを用いて新たなロックパターンを編集するように行われてもよい。こうした変形例について、図17~18を用いて説明する。
図17は、ロックパターンの編集動作の変形例を説明するための図である。図18は、本変形例を示すフローチャートである。図17(A)では、実施形態1と同様のパターン選択画面において、編集元のロックパターンとして「パターン2」が選択された例を示す。
例えばユーザがフォーカス領域R1を編集元のロックパターンに合わせた状態で編集ボタン42又はQボタン331を操作すると、カメラ制御部140は、例えばフラッシュメモリ142から当該ロックパターンを呼び出して、表示モニタ120に表示させる(S11)。ステップS11におけるロックパターンの詳細画面の表示例を図17(B)に示す。
カメラ制御部140は、ユーザは、上記ロックパターンの詳細画面において呼び出された内容を編集する操作を受け付ける(S12)。又、ユーザが、実施形態1と同様にQボタン331又は登録/リセットボタン43aの操作を入力すると(S13でYES)、カメラ制御部140は、例えば図17(C)に示すような画面表示により、以下の選択肢を選ぶユーザ操作を受け付ける(S13b)。ステップS13bの選択肢は、(i)現在、編集したロックパターンを登録するか、(ii)編集したロックパターンをリセットするか、又は(iii)登録済みのロックパターンを呼び出すかの何れかである。
図17(C)においてロックパターンの登録が選択された場合(S13bで(i))に遷移する表示モニタ120の表示例を図17(D)に示す。本変形例では、カメラ制御部140は、ロックパターンを登録する(S14)際に、例えば図17(D)に示すように、ロックパターンの登録先を選択するユーザ操作を受け付ける。図17(A)~(D)の例では、編集元の「パターン2」とは別の「パターン3」が、登録先として選択されている。このように、本変形例のデジタルカメラ1によると、登録済みのロックパターンに基づいて新たなロックパターンを別途、登録することができる。
一方、ステップS13bで(ii)リセットが選択された場合、カメラ制御部140は、例えば編集元のロックパターンを初期値のロックパターンにリセットして(S13c)、本フローに示す処理を終了する。又、ステップS13bで(iii)呼び出しが選択された場合、カメラ制御部140は、例えば図17(A)と同様に呼び出す対象のロックパターンを選択するユーザ操作を受け付けて、呼び出したロックパターンに基づきステップS11以降の処理を再び行う。
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ1において、カメラ制御部140は、フラッシュメモリ142等の記憶部に格納されたロックパターンから別のロックパターンを編集する操作、及び編集中のロックパターンを所定のパターンにリセットする操作を受け付ける。これにより、デジタルカメラ1において様々なロックパターンを設定し易くして、操作ロック機能を使い易くすることができる。
上記の各実施形態では、操作ロック機能における対象部材となる外部機器の一例として交換レンズ200を例示した。本実施形態のデジタルカメラ1において、操作ロック機能の対象部材となる外部機器は、交換レンズ200に限らず、例えば各種の外部アクセサリであってもよい。例えば、デジタルカメラ1に装着可能なバッテリグリップ、外部フラッシュ装置、外付けファインダ、及びXLR端子マイクユニットなどが、それぞれ対象部材として管理されてもよい。この場合のロックパターンは、上記の様な各種の外部機器に関して、外部機器の種別毎に、当該外部機器に含まれる操作部材を一括してロック状態に設定される対象か否かを示す。
上記の各実施形態では、操作ロック機能の対象部材の識別表示を示す位置マーカの一例としてロック対象マーカM1を例示した。本実施形態において、位置マーカは上記に限らず、例えば、デジタルカメラ1が表示モニタ120に表示するカメラ図M10において、操作ロック機能の対象部材を所定の色で強調表示することにより位置マーカが実現されてもよい。例えば、カメラ図M10において、ロック対象の操作部材とアンロック対象の操作部材とが互いに別の色で強調表示され、当該箇所のタッチ操作等によりロック/アンロック対象がトグルで切り替えられてもよい。
上記の各実施形態では、操作部材のロック状態をソフトウェア的に実現する例を説明した。本実施形態において、ロック状態は上記に限らず、例えば電気的又は機械的に実現されてもよく、例えばロック対象の操作部材に対する通電がオフされてもよい。
また、上記の各実施形態では、撮像装置の一例としてレンズ交換式のデジタルカメラについて説明したが、本実施形態の撮像装置は、特にレンズ交換式ではないデジタルカメラであってもよい。また、本開示の思想は、デジタルカメラのみならず、ムービーカメラであってもよいし、カメラ付きの携帯電話或いはPCのような種々の撮像機能を有する電子機器にも適用可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。