図1(a)は、本発明に係る撮像装置の一実施例であるデジタルカメラの背面斜視図を示し、図1(b)は前面斜視図を示す、図2は、本実施例の概略構成ブロック図を示す。
表示部28は、画像や各種情報を表示する。シャッタボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112には、接続ケーブル111を接続できる。操作部70は、ユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材からなる。コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。電源スイッチ72は、電源オンと電源オフを切り替えるのに使用される。記録媒体200は、メモリカード又はハードディスク等からなる。記録媒体スロット201に記録媒体200を格納し、蓋203で閉成する。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100の内部回路に電気的に接続する。
電子ダイヤル74(図1(b))は操作部70に含まれる回転操作部材であり、時計周りおよび反時計周りに回転操作可能なエンドレスロータリエンコーダからなる。電子ダイヤル74は、デジタルカメラ100の前面に、回転面の一部がデジタルカメラ100の筐体内に隠れ、一部が筐体の外に露出するように配置され、露出部を指等で操作可能となっている。デジタルカメラ100を右手だけで把持した場合に、モード切替スイッチ60及びコントローラホイール73を右手親指で、シャッタボタン61及び電子ダイヤル74を右手人指し指で操作可能なように配置されている。鏡筒80は、デジタルカメラ100の鏡筒に収納可能であり、撮影モードで起動した際に繰り出される。
撮影レンズ103は、鏡筒80に収納されているズームレンズ及びフォーカスレンズを含む。シャッタ101は絞り機能を備える。撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCD又はCMOSの撮像素子等で構成される。A/D変換部23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。バリア102は、撮影レンズ103を含む撮像部を覆うことにより、撮影レンズ103、シャッタ101及び撮像部22を含む撮像系を汚れや破損から保護する。
画像処理部24は、A/D変換部23からの画像データ又はメモリ制御部15からの画像データに対し所定の画素補間及び縮小といったリサイズ処理並びに色変換処理を行う。また、画像処理部24は、撮像した画像データに所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御及び測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理及びEF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24は更に、撮像した画像データに所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行う。
A/D変換部23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換部23によりデジタルデータ化された画像データ、及び表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
メモリ32は、画像表示用メモリ(ビデオメモリ)を兼ねる。D/A変換部13は、メモリ32に格納されている表示用画像データをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、表示部28は、メモリ32に書き込まれた表示用画像データの示す画像を表示する。撮像部22により撮像された画像新合意をA/D変換部23、メモリ32及びD/A変換部13を介して逐次、表示部28に供給することで、表示部28が電子ビューファインダとして機能する。表示部28は、いわゆるスルー画像を表示する。
不揮発性メモリ56は電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数及びプログラム等が記憶される。ここでいうプログラムは、以下にフローチャート等を参照して説明する動作をシステム制御部50に実現させるプログラムである。
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記録された制御プログラムを実行することで以下の各処理を実現する。システムメモリ52は、RAMからなる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数及び変数、並びに不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。システム制御部50は、メモリ32、D/A変換部13及び表示部28等を制御することにより、表示部28の表示を制御する。
システムタイマ53は、各種制御に用いる時間、及び、内蔵時計の時間を計測する計時部である。
モード切替えスイッチ60、第1シャッタスイッチ62、第2シャッタスイッチ64及び操作部70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
モード切替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード及び再生モード等のいずれかに切り替える。第1シャッタスイッチ62は、シャッタボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなって、第1シャッタスイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタスイッチ信号SW1により、システム制御部50は、AF処理、AE処理、AWB処理及びEF処理等の動作を開始する。
第2シャッタスイッチ64は、シャッタボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタスイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタスイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200への画像データの書き込みまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
操作部70は、上述した操作部材72,74以外に、十字型に別個に配置された上ボタン、下ボタン、左ボタン及び右ボタンからなる4方向ボタンを含む。この4方向ボタンは、単一の操作部材で構成しつつ十字の4方向に操作可能な構成であってもよい。操作部70はまた、セットボタン及びメニューボタンを有する。セットボタンは、各種設定操作において主に決定の指示に用いされる。メニューボタンは、通常再生モードや撮影モードにおいてスルー画像を表示している状態から、メニュー画面を呼び出すためと、各種設定操作において主に「戻る」指示に用いられる。その他にも操作部材を有していてもよいが、以下の説明においては不要であるので、説明を省略する。
操作部70の1又は幾つかの操作部材は、表示部28に種々の機能アイコンとして表示され、場面ごとに適宜の機能が割り当てられる機能ボタンとしても実現されうる。このような機能ボタンとしては、例えば、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン及び属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると、各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、4方向ボタン及びセットボタンを用いて、各種設定を行うことができる。
コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール73を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部50はデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、システム制御部50は、コントローラホイール73が回転操作された角度及び回転量などを判定できる。
なお、コントローラホイール73は、回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール73自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、いわゆるタッチホイールのように、タッチセンサよりなる操作部材としてユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい。電子ダイヤル74も、コントローラホイール73と同様の回転操作可能な操作部材である。
コントローラホイール73及び電子ダイヤル74には、後述するように、撮影モード毎にユーザ所望の機能を割り当てることができる。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、及び通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類及び電池残量を検出する。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部に供給する。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池又はACアダプタ等からなる。メモリカードやハードディスク等の記録媒体200は、インターフェース18に接続する。
デジタルカメラ100は、静止画を撮影するための撮影モードとして以下の撮影モードを設定可能である。マニュアルモードは、シャッタスピードと絞り値をそれぞれユーザ指示に基づいて個別に設定して撮影するモードであり、ユーザの任意の露出で撮影できる。Tv優先モードは、シャッタ速度をユーザが指示した値に設定して撮影するモードであり、設定したシャッタ速度に応じて、カメラ100が自動的に絞り値を設定する。Av優先モードは、絞り値をユーザが指示した値に設定して撮影するモードであり、設定した絞り値に応じて、カメラ100が自動的にシャッタスピードを設定する。プログラムAEモード(Pモード)は、被写体の明るさに応じて絞り値とシャッタ速度の両方をカメラ100が自動的に決定して撮影するモードである。プログラムAEモード(Pモード)では、露出補正、ISO感度及びWB設定等をユーザが手動で設定することができる。オートモードは、被写体の明るさに応じて、絞り値とシャッタ速度の両方をカメラ100が自動的に決定して撮影するモードであり、ISO感度及びWB設定等も自動的に決定される。
デジタルカメラ100は、アスペクト切替え機能、ホワイトバランス補正機能、及びコントラスト補正機能を具備する。アスペクト切替え機能では、アスペクトを切り替えできる。すなわち、撮影される画像のアスペクト比(縦横比)を、16:9、4:3、3:2及び1:1などの中から選択できる。ホワイトバランス補正機能では、ホワイトバランスの補正値を設定でき、ユーザは、標準のホワイトバランス設定よりも特定の色の方向に任意の値だけ補正できる。これにより、市販の色温度変換フィルタや色補正フィルタを適用したのと同様の効果を得ることができる。コントラスト補正機能を「入」に設定すると、人の顔や背景などの明るさを自動判別し、明るい部分の白とびを抑えたり、暗い部分を適切な明るさに自動補正する。また、画面全体で明暗差が小さい時には、くっきりした印象となるように自動補正して撮影することができる。
本実施例では、コントローラホイール73と電子ダイヤル74の何れか一方を各撮影モードに共通の優先操作部材として割り当て、他方を撮影モードに固有の機能を割り当てることができる。
コントローラホイール73と電子ダイヤル74にユーザが機能を割り当てる際の画面遷移を説明する。いずれかの撮影モードにおいて、操作部70に含まれるメニューボタンを押下すると、表示部28に図3(a)に示すようなメニュー画面が表示される。メニュー画面において、「機能登録」の項目を選択してセットボタンを押下すると、表示部28に図3(b)に示すような、複数の撮影モードでの機能割り当て状況を同時に識別できる機能登録画面が表示される。図3(b)において、プリセットパターン切替え行301は、優先操作部材としてどの操作部材を割り当てるかをユーザが設定するための表示領域である。行301に選択枠をあてた状態で左右ボタンを押下することにより、優先操作部材としてどの操作部材を割り当てるかを選択できる。
優先操作部材とは、Av値とTv値のうち、各撮影モードで優先して変更すべき値の変更を指示する操作部材である。Av値とTv値のうち、各撮影モードで優先して変更すべき値は、Av優先モードであればAv値、Tv優先モードであればTv値である。マニュアルモードではどちらかが優先ということはなく、均等な関係である。PモードではAv値とTv値は個別に設定することはできないので、いずれも優先ではなく、優先操作部材にAv値の変更又はTv値の変更機能が割り当てられることはない。
以上の前提に基づいて、優先操作部材にどの操作部材を割り当てたかに応じた、以下の3パターンのプリセットパターンを有している。
「電子ダイヤル優先1」は、電子ダイヤル74を優先操作部材に割り当てた場合のプリセットパターンである。電子ダイヤル74の機能を、マニュアルモードにおいてはTv値の変更、Av優先モードにおいてはAv値の変更、Tv優先モードにおいてはTv値の変更とするプリセットである。
「電子ダイヤル優先2」は、電子ダイヤル74を優先操作部材に割り当てた場合のプリセットパターンである。電子ダイヤル74の機能を、マニュアルモードではAv値の変更(これが電子ダイヤル1との違い)、Av優先モードではAv値の変更、Tv優先モードではTv値の変更とするプリセットである。
「コントローラホイール優先」は、コントローラホイール73を優先操作部材に割り当てた場合のプリセットパターンである。コントローラホイール73の機能を、マニュアルモードではAv値及びTv値の変更、Av優先モードではAv値の変更、Tv優先モードではTv値の変更とするプリセットである。
優先操作部材となった操作部材の各撮影モードにおける機能は、この3つのプリセットパターンのいずれかで定義される機能に設定される。また、優先操作部材のうちプリセットパターンで定義されない撮影モードでの機能(Pモードでの優先操作部材の機能)と、優先操作部材でない方の操作部材の機能は、ユーザが撮影モード毎に任意に設定できる。
このように、各撮影モードに共通の優先操作部材を設定し、その操作部材を操作することで各撮影モードにおいて優先される機能を実行できる。従って、ユーザは、優先操作部材がどれであるかさえ覚えておき、それを操作することで、各撮影モードでの優先機能を実行させることができる。直感的でわかり易い操作を実現できる。
特に、Av優先モードで優先される機能がAv値の設定で、Tv優先モードで優先される機能がTv値であるということは、その撮影モードを定義付ける特徴的な事項である。これは、Av優先モードとTv優先モードをよく利用するユーザにとっては自明な事項である。優先操作部材の操作で、Av優先撮影モードではAv値を調整でき、Tv優先撮影モードではTv値を調整できれば、直感的でわかり易い操作感を提供できる。
図3(b)で、個別機能領域302は、各操作部材の機能を各撮影モード別に個別に設定するための領域である。個別機能領域302は、電子ダイヤル74の行303、コントローラホイール73の行304、マニュアルモードの列305、Av優先モードの列306、Tv優先モードの列307及びPモードの列308の2行4列のセルよりなる。いずれかのセルに選択枠をあてた状態で電子ダイヤル74を操作することにより、選択枠があたっているセルの列の撮影モードでの、選択枠があたっているセルの行の操作部材の機能を設定できる。
個別機能領域302外の電子ダイヤル74の行303の先頭には、電子ダイヤル74の行であることを示す電子ダイヤル74を模したアイコンが表示される。コントローラホイール73の行304の先頭には、コントローラホイール73の行であることを示すコントローラホイール73を模したアイコンが表示される。
個別機能領域302外で行303より上に表示されている「M」、「Av」、「Tv」及び「P」のアイコンは、それぞれの列が、それぞれマニュアルモードの列、Av優先モードの列、Tv優先モードの列及びPモードの列であることを示す。個別機能領域302内の各セル、すなわち、電子ダイヤル74の行303とコントローラホイール73の行304のセル内の表示は、各セルに対して割り当てられる機能を示す。ここでの「Av」及び「Tv」はそれぞれ、Av値(絞り値)を変更する機能及びTv値を変更する機能を示す。すなわち、上段に表示されている各撮影モードを示す「Av」及び「Tv」とは意味が異なる。
機能登録画面は、以上のように構成されており、図3(b)に示す画面例では、以下のように設定されていることになる。すなわち、優先操作部材は電子ダイヤル74である。マニュアルモードにおいては、電子ダイヤル74でTv値を変更する操作が行え、コントローラホイール73でAv値を変更する操作が行える。Av優先モードでは、電子ダイヤル74でAv値を変更する操作が行え、コントローラホイール73でアスペクト比を切り替える操作が行える。Tv優先モードでは、電子ダイヤル74でTv値を変更する操作が行え、コントローラホイール73でホワイトバランスをプラス側又はマイナス側に補正する操作(ホワイトバランス補正機能)が行える。Pモードでは、電子ダイヤル74、コントローラホイール73ともに無効となっており、いずれを操作しても何の機能も発動しない。
図3(c)及び図3(d)は、図3(b)に示す状態から左右ボタンを押下してプリセットパターンを切り替えた場合の機能登録画面の表示例を示す。図3(b)〜図3(d)はいずれも、プリセットパターン切り替えの行301に選択枠があたった状態である。図3(b)、図3(c)及び図3(d)により、優先操作部材の各撮影モードにおける機能が、切り替えられたプリセットパターンで定義される機能に設定されていることがわかる。優先操作部材のうちプリセットパターンで定義されない撮影モードでの機能(Pモードでの優先操作部材の機能)と、優先操作部材でない方の操作部材の機能は、設定済みの内容がプリセットパターンの切り替えに関わらず引き継がれる。
図3(b)に示す機能登録画面を表示した際の現在の撮影モードがAv優先モードであったとする。すなわち、メニューボタンを押下して図3(a)に示すメニュー画面を表示する前での撮影モードが、Av優先モードであったとする。このときに、上ボタンを押下すると、図4(a)又は図4(b)に示す画面に遷移する。
メニュー画面から機能選択画面に遷移してから初めて上ボタンを押下した場合には、図4(a)に示す画面に遷移し、現在の撮影モードであるAv優先モードの列のセルに選択枠が移動する。これによって、現在の撮影モードで操作部材に割り当てられる機能をすばやく設定可能となる。本実施例は、このような設定機能及び編集機能などの制御機能をシステム制御部50を構成するCPUに実現させる。
一方、メニュー画面から機能選択画面に遷移してから、一回以上、個別機能領域302の何れかのセルに選択枠を移動させたことがあったとする。それから機能選択画面を終了することなく、再度プリセットパターン切り替えの行301に選択枠があたった状態で上ボタンを押下した場合、直前に選択していたセルの行に選択枠が移動する。これによって、直前に設定した操作部材の割り当て機能をすばやく修正可能となる。図4(b)は、直前にPモードの列のセルを選択していたためにPモードの列のセルに選択枠が移動した例である。
図4(b)に示すように、個別機能領域302のセルに選択枠があたっている状態で電子ダイヤル74を操作すると、そのセルが示す撮影モードでの操作部材に割り当たっている機能を変更できる。図4(b)、図4(c)及び図4(d)は、個別機能領域302のセルに選択枠が当たっている状態で電子ダイヤルを回した場合の画面表示例を示す。図4(b)に示すようにPモードでのコントローラホイール73の機能のセルに選択枠が当たっている状態で電子ダイヤルを回すと、そのセルの機能が、無効(図4(b))、アスペクト切り替え(図4(c))及びi−コントラスト(図4(d))と順に切り替わる。
このように、優先操作部材に割り当てられていない操作機能を各撮影モードで別個に設定する際に、現在の撮影モードだけでなく、他の撮影モードでの機能割り当て状況も同時に表示して設定可能である。このようにすることで、他の撮影モードで割り当てられている機能との関係を認識しながら機能設定(機能登録)が行え、複数の撮影モードで別個に機能を設定できることに伴う煩雑さを低減できる。例えば、現在の撮影モードにおける優先操作部材でない操作部材に機能を割り当てる際、他の撮影モードの割り当て状況を見ることで、他の撮影モードと同じ操作部材で同じ機能を割り当てたり、意識的に異なる機能を割り当てることができる。また、他の撮影モードで既に割り当てられている機能を、現在の撮影モードでの機能割り当てに伴って、撮影モード間の関係や撮影意図を意識しながらあえて他の機能に変更することも容易に行える。これによって、ユーザがどの操作部材にどの機能を割り当てたかを覚え易くなることも期待できる。
図5〜図9は、上記の機能登録画面における処理手順を示すフローチャートである。図5〜図9に示すフローチャートは、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを、システム制御部50がシステムメモリ52に展開して実行することで実現される。
図3(a)に示すメニュー画面において「機能登録」の項目を選択してセットボタンを押下すると、図5に示す機能登録処理を開始する。
S501ではまず、システム制御部50はシステムメモリ52から現在の撮影モードが何モードであるかの記憶情報を取得する。
S502では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から現在のシャッタ速度と絞り数値の優先操作部材のプリセットパターン情報を取得する。このプリセットパターンは、上述のように、優先した同一の操作部材に、各撮影モードで優先される機能(例えば、Tv優先モードにおけるシャッタ速度や、Av優先モードにおける絞り数値等)の割り当てを示すパターンである。
S503で、システム制御部50は、選択定義情報を初期値に戻す。選択定義情報は、プリセットパターン切り替えの行301に選択枠があたっている状態から、個別機能領域302に選択枠を移動する際にどのセルに選択枠を移動すべきかを示す。選択定義情報が初期値の場合、選択枠は、現在の撮影モードの列を示す。初期値以外の場合は、選択枠は、個別機能領域302における前回選択枠があったセルを示す。
S504では、システム制御部50は、個別機能領域302の各列に配列される複数の撮影モードにおける操作部材に割り当てられた機能を示す情報を不揮発性メモリ56からシステムメモリ52に取得する。
S505で、システム制御部50は、プリセットパターン切り替えの行301に選択枠をあてる処理する。
S506で、システム制御部50は、S501〜S505の処理に基づいた機能登録画面の描画処理を実施する。これにより、例えば図3(b)に示したような画面が表示部28に表示される。
S506では、システム制御部50は、操作部70に含まれる4方向ボタンのうち、左ボタン又は右ボタンが押下されたか否かを判定する。左ボタン又は右ボタン(以下、左右ボタン)が押下されたと判定すると、システム制御部50は、S508に進み、プリセットパターン切り替え処理を行う。プリセットパターン切り替え処理については、図6(a)を用いて後述する。左ボタンも右ボタンも押下されていない場合、S509に進む。
S509では、システム制御部50は、操作部70に含まれる4方向ボタンのうち上ボタン又は下ボタン(以下、上下ボタン)が押下されたか否かを判定する。システム制御部50は、上ボタン又は下ボタンが押下されたと判定すると、S510に進み、個別機能領域への選択枠移動処理を行う。個別機能領域への選択枠移動処理については、図7(a)を用いて後述する。上ボタンも下ボタンも押下されていない場合、S511に進む。
S511では、システム制御部50は、終了操作が行われたか否かを判定する。システム制御部50は、終了操作があったと判定するとS512に進み、終了操作がないと判定するとS507に戻り処理を繰り返す。
終了操作は、例えば、操作部70に含まれるメニューボタンの押下(これが行われるとS512の処理を経て図3(a)に示したメニュー画面に遷移する)である。電源スイッチ72の操作等による電源をOFFとする操作も終了操作となる。操作部70に含まれる再生ボタンの押下による再生モードへ移行する操作も、ここでの終了操作に該当する。シャッタボタン61の半押し操作も秀良操作となる。この半押し操作で、第1シャッタスイッチ信号SW1がONとなり、S512の処理を経て現在の撮影モードにおける撮影待機状態に移行し、スルー画像表示がされる。
後述する図6〜図9の処理におけるどの段階でも、シャッタボタン61の半押しがあった場合には、割り込み処理により機能登録画面を終了して現在の撮影モードにおける撮影待機状態に移行し、スルー画像が表示される。
S512では、システム制御部50は、機能登録画面を閉じ(機能登録画面の表示を消去し)、機能登録処理を終了する。
図6(a)は、図5のS508におけるプリセットパターン切り替え処理のフローチャートを示す。
S601で、システム制御部50は、次のプリセットパターンの候補を取得する。プリセットパターンは、図6(b)に示す通り3つある。S507での操作が右ボタン押下の場合、システム制御部50は、図6(b)のプリセットパターンのうち現在のプリセットパターン番号よりも一つ大きい番号のプリセットパターンを次のプリセットパターンとしてシステムメモリ52に取得する。左ボタン押下の場合、現在のプリセットパターン番号よりも一つ小さい番号のプリセットパターンが、次のプリセットパターンとしてシステムメモリ52に取得される。
S602で、システム制御部50は、システムメモリ52に保持されている選択定義情報を初期値にセットする。
S603で、システム制御部50は、優先操作部材の変更があったか否かを判定する。優先操作部材の変更があった場合とは、S601で取得した次のプリセットパターンの優先操作部材が、現在のプリセットパターンの優先操作部材と異なっている場合である。各プリセットパターンの優先操作部材は、図6(b)に示す表に示す通りである。優先操作部材の変更があった場合、S604に進み、優先操作部材の変更がなかった場合、S605に進む。
S604では、システム制御部50は、優先操作部材を変更する。優先操作部材の変更により、プリセットパターンによって機能が割り当てられる操作部材が、変更前の優先操作部材から変更後の優先操作部材に変更される。また、コントローラホイール73と電子ダイヤル74のうち、優先操作部材の変更前に優先操作部材でない操作部材に割り当てられていた機能が、他方の操作部材(優先操作部材の変更後に優先操作部材でなくなる操作部材)に割り当てられる。
優先操作部材の入れ替えに連動して他方の操作部材に事前に割り当ててあった機能を入れ替える理由は、他方の操作部材に事前に割り当てられた機能がユーザの意思に基づいて登録された機能であることを考慮してのものである。これらの機能は、他の機能に比べてユーザの使う頻度が高い、又はお気に入りの機能であると考えることができる。そこで、優先操作部材が変更された際に、デフォルト設定(例えば無効など)に戻ってしまうのでは、再度の登録作業が必要となり使い勝手がよくない。従って、優先操作部材が変更された際でもユーザが登録した割り当て機能は優先操作部材でない方の操作部材に引き継ぐこととした。
S605で、システム制御部50は、S601で取得した次のプリセットパターンによる各撮影モードでの優先操作部材の機能と、現在優先操作部材でない操作部材に割り当てられている各撮影モードでの機能を取得する。そして、取得した各機能を、プリセットパターン切替えに応じた優先操作部材と優先操作部材でない操作部材に適用する。システム制御部50は、適用した機能を不揮発性メモリ56に記録する。
S606で、システム制御部50は、S605で適用した各操作部材の各撮影モードにおける機能を示すように機能登録画面を更新する。この更新により、例えば図3(b)に示す機能登録画面が、図3(c)に示す内容に更新される。また、図3(b)に示す機能登録画面が、図3(d)に示す内容に更新される。S606の処理を終えると、システム制御部50は、図5のS507に戻る。
図7(a)は、図5のS510における個別機能領域への選択枠移動処理のフローチャートを示す。
S701で、システム制御部50は、システムメモリ52に記憶されている選択定義情報を読み込み、初期値となっているか否かを判定する。選択定義情報とは、前述のとおり、初期値の場合は、現在の撮影モードの列に選択枠をあて、初期値でない場合は、前回選択枠があたっていた撮影モードの列に選択枠をあてるための情報である。選択定義情報が初期値であった場合、システム制御部50は、S702に進み、選択枠が移動する対象(選択対象)の列を現在の撮影モードの列に決定する。選択定義情報が初期値でないと判定した場合は、システム制御部50は、S703に進み、選択対象の列を選択定義情報に従った撮影モードの列に決定する。
S704で、システム制御部50は、選択対象列におけるプリセットパターン切り替えの行の次の行のセルが、選択枠を移動させる対象として有効か否かを判定する。有効であると判定した場合、システム制御部50は、S705に進み、有効でない(無効である)と判定した場合、S706に進む。選択対象列におけるプリセットパターン切り替えの行の次の行は、図5のS509で判定された操作が上ボタンの押下であった場合、個別機能領域のコントローラホイールの行である。図5のS509で判定された操作が下ボタンの押下の場合、個別機能領域の電子ダイヤルの行である。これは、図7(b)に示す選択対象行の選択順番に基づく。すなわち、上ボタンの操作に応じて、図7(b)において現在の選択対象行よりも番号の一つ少ない行が選択対象行となる。また、下ボタンの操作に応じて、図7(b)において現在の選択対象行よりも番号が一つ多い行が選択対象行となる。選択枠を移動させる対象として有効な行とは、プリセットパターンで機能が割り当てられるセル以外のセルのことであり、ユーザが撮影モード毎に個別に機能を設定できるセルである。マニュアルモード、Av優先モード及びTvモードでは、現在優先操作部材となっていない方の操作部材の行のセルが有効である。他方、Pモードでは、電子ダイヤルの行とコントローラホイールの行の双方のセルが有効である。
S705で、システム制御部50は、選択対象行をS702又はS703で決めた選択対象行に決定し、決定された選択対象行(次の行)のセルに選択枠を移動するように表示を更新する。これによって、例えば図3(b)に示す画面を表示した際の現在の撮影モードがAv優先モードであった状況での上ボタンの押下に応じて、図4(a)又は図4(b)に示す表示となる。
S706で、システム制御部50は、選択対象行をS702又はS703で決めた選択対象行より1つ進めた行(さらに次の行)に決定し、決定された選択対象行のセルに選択枠を移動するように表示を更新する。
S707で、システム制御部50は、上下ボタン又は左右ボタンが押下されたか否かを判定する。上下ボタン又は左右ボタンが押下されたと判定すると、システム制御部50は、S708に進み、選択枠移動処理を行う。選択枠移動処理の詳細は、図8を用いて後述する。上下ボタン又は左右ボタンのいずれも押下されていないと判定すると、システム制御部50は、S709に進む。
S709で、システム制御部50は、電子ダイヤル74が操作されたか否かを判定する。電子ダイヤル74が操作されたと判定すると、システム制御部50は、S710に進む。S710では、システム制御部50は、割り当て機能変更処理を行う。割り当て機能変更処理の詳細は、図9を用いて後述する。電子ダイヤルが操作されていないと判定すると、システム制御部50は、S711に進む。S711では、システム制御部50は、終了操作が行われたか否かを判定する。終了操作は、図5のS511で説明した操作と同様の操作である。終了操作が行われていないと判定すると、システム制御部50は、S707に戻り、処理を繰り返す。終了操作が行われたと判定すると、システム制御部50は、S712に進む。S712では、システム制御部50は、機能登録画面を閉じ(機能登録画面の表示を消去し)、個別機能領域への選択枠移動処理および機能登録処理を終了する。
図8は、図7(a)のS708における選択枠移動処理のフローチャートを示す。
S801で、システム制御部50は、S707で判定された操作されたボタンがなんであるかを判定する。上下ボタンであると判定した場合は、システム制御部50は、S802に進み、左右ボタンであると判定した場合、S803に進む。
S802で、システム制御部50は、上下ボタンの操作による選択枠の移動先(選択対象行)がプリセットパターン切替えの行であるか否かを判定する。上下ボタンの操作による選択枠の移動ルールは、図7(b)に示す表を用いて説明した通りである。選択枠の移動先がプリセットパターン切替えの行であると判定した場合、システム制御部50は、図5のS507に戻り、プリセットパターン切替えの行でないと判定した場合、S803に進む。
S803で、システム制御部50は、S707で判定された上下ボタン又は左右ボタンの押下に応じて、個別機能領域の有効なセルに選択枠を移動する。上下ボタンの操作による選択枠の移動ルールは、図7(b)の表を用いて説明したとおりである。左右ボタンの操作に対しては、左ボタンの押下に応じて個別機能領域でのひとつ左の列のセルに選択枠を移動し、右ボタンの押下に応じて個別機能領域でのひとつ右の列のセルに選択枠を移動する。
S804で、システム制御部50は、S803での選択枠の移動の前後で、選択枠のある列が異なるか否かを判定する。異なると判定した場合は、システム制御部50は、S805に進む。異ならない(同一である)と判定した場合、システム制御部50は、選択枠移動処理を終了して、図7(a)のS707に戻る。
S805で、システム制御部50は、システムメモリに保持されている選択定義情報として、S803での選択枠移動後の列を記憶する。S805での処理を終えると、システム制御部50は、選択枠移動処理を終了して図7(a)のS707に戻る。
図9(a)は、図7(a)のS710における割り当て機能変更処理のフローチャートを示す。
割り当て機能変更処理では、個別機能領域のセルに選択枠が当たった状態で電子ダイヤル74を回転操作することにより、該当するセルの機能を変更できる。図9(b)は、割り当て可能な機能とその機能番号の表を示す。この表の内容と特定可能な情報は、不揮発性メモリ56に記憶されている。電子ダイヤル74を時計方向に回転させる操作を行うことによって、現在割り当てられている機能よりも機能番号の多い機能に割り当て機能を変更できる。電子ダイヤル74を反時計方向に回転させる操作を行うことによって、現在割り当てられている機能よりも機能番号の少ない機能に割り当て機能を変更できる。
S901では、システム制御部50は、図7のS709で判定した電子ダイヤル74の操作方向が機能番号を増やす方向(時計方向)か、減らす方向(反時計方向)かを判定する。減らす方向であると判定すると、システム制御部50は、S902に進み、電子ダイヤル74の操作量に応じて現在割り当てられている機能よりも機能番号の少ない機能を機能候補としてシステムメモリ52に取得する。なお、機能番号0より減る場合、機能番号0から機能番号3に遷移する。増やす方向であると判定すると、システム制御部50は、S903に進み、電子ダイヤル74の操作量に応じて現在割り当てられている機能よりも機能番号の多い機能を機能候補としてシステムメモリ52に取得する。なお、機能番号3より増加する場合は、機能番号3から機能番号0に遷移する。
S904で、システム制御部50は、S903で取得した機能候補が優先操作部材に対し同一撮影モード内(同一の列内)で割り当てられている機能と重複するか否か(即ち、その機能が他方の操作部材に登録済みか否か)を判定する。重複していると判定した場合、システム制御部50は、S904に進み、重複していないと判定した場合は、S907へ進む。
S905で、システム制御部50は、S903で取得した機能候補をスキップして、機能番号をS901で判定した方向の一つ隣の機能番号に進める。S906で、システム制御部50は、その機能番号の機能(次の機能候補)をシステムメモリ52に取得する。電子ダイヤル74とコントローラホイール73との双方に同じ機能を割り当てると、ユーザが混乱する恐れがあるのと、同時に実行可能な機能が減るので、割り当て機能を排他的に異なるものにしている。ただし電子ダイヤル74とコントローラホイール73との双方に同じ機能を割り当てるように制御すること自体は可能であり、許容してもよい。
S907で、システム制御部50は、S903又はS906で取得した機能候補のうち新しい方の機能を、現在選択枠があたっているセルの行の操作部材の、当該セルの列の撮影モードの機能として、不揮発性メモリ56に記憶する。
S908で、システム制御部50は、S907で記憶した機能を表すアイコンが選択枠のあるセルに表示されるように、表示を更新する。これによって、電子ダイヤル74の操作に応じた画面に切り替えられ、例えば、図4(b)、図4(c)又は図4(d)に図示したように、選択枠のあるセルの機能が切り替わって表示される。S908の処理を終えると、システム制御部50は、図7(a)のS707に戻る。