JP7007896B2 - 加硫ゴム用離型剤 - Google Patents

加硫ゴム用離型剤 Download PDF

Info

Publication number
JP7007896B2
JP7007896B2 JP2017246828A JP2017246828A JP7007896B2 JP 7007896 B2 JP7007896 B2 JP 7007896B2 JP 2017246828 A JP2017246828 A JP 2017246828A JP 2017246828 A JP2017246828 A JP 2017246828A JP 7007896 B2 JP7007896 B2 JP 7007896B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
moles
formula
added
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017246828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019111725A (ja
Inventor
順市 中島
徹也 宗石
アウグス セティワン ルディ
秀充 熊井
昌繁 杉本
武司 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nicca Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nicca Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nicca Chemical Co Ltd filed Critical Nicca Chemical Co Ltd
Priority to JP2017246828A priority Critical patent/JP7007896B2/ja
Publication of JP2019111725A publication Critical patent/JP2019111725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7007896B2 publication Critical patent/JP7007896B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Description

本発明は、加硫ゴム用離型剤に関する。
ゴムホース等のゴム製品は、自動車をはじめ、様々な機械の部品として広範に使用されている。ゴム製品の多くは、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリル・ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の原料ゴムに硫黄や架橋剤を添加してゴム分子同士を架橋させる加硫を行い、該原料ゴムに伸縮性や弾性を付与した加硫ゴムを、押出成型や金型成型等で成型したものである。例えば、ゴムホースは、主に、所定の形状に成型されたマンドレルなどの金型に加硫ゴムを挿入して成型した後に引き抜く方法、又は、前記金型に未加硫の原料ゴム組成物を挿入して加硫・成型した後に引き抜く方法によって製造されている。
このようなゴム製品の成型においては、成型後の加硫ゴム製品と金型とを離し易くするために離型剤が用いられており、かかる加硫ゴム用の離型剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、脂肪酸石鹸、ジメチルシリコーン、変性シリコーンオイル等が知られている。また、例えば、特開平7-292236号公報(特許文献1)には、特定の構造を有するジアミンのアルキレンオキサイド付加物からなる加硫ゴム用離型剤が記載されている。しかしながら、これらの加硫ゴム用離型剤では、成型後の加硫ゴム製品の引き抜き作業を容易にする特性(離型性)、及び成型後の加硫ゴム製品の表面に付着している離型剤の除去が容易である特性(洗浄性)が、未だ十分ではないという問題を有していた。
特開平7-292236号公報
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた離型性及び洗浄性をいずれも発揮することができる加硫ゴム用離型剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するダイマージカルボン酸のアルキレンオキサイド付加物、ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物、及びダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1種のダイマー系アルキレンオキサイド付加物を加硫ゴム用離型剤として用いることにより、離型性及び洗浄性のいずれにも優れた加硫ゴム用離型剤を得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の加硫ゴム用離型剤は、下記一般式(1):
Figure 0007007896000001
[式(1)中、Dはダイマージカルボン酸からカルボキシ基を除いた炭素数18~46の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~のアルキレンオキシ基を示し、a及びaは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示し、(OAa1で示される基及び(AO)a2で示される基は、それぞれ、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との共付加であり、かつ、式(1)中におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との平均付加モル数の比(エチレンオキシ基の平均付加モル数:プロピレンオキシ基の平均付加モル数)が10:90~80:20である。]
で表されるアルキレンオキサイド付加物、下記一般式(2):
Figure 0007007896000002
[式(2)中、Dはダイマージオールから水酸基を除いた炭素数20~48の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~のアルキレンオキシ基を示し、b及びbは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示し、(OAb1で示される基及び(AO)b2で示される基は、それぞれ、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との共付加であり、かつ、式(2)中におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との平均付加モル数の比(エチレンオキシ基の平均付加モル数:プロピレンオキシ基の平均付加モル数)が10:90~80:20である。]
で表されるアルキレンオキサイド付加物、下記一般式(3):
Figure 0007007896000003
[式(3)中、Dはダイマージアミンからアミノ基を除いた炭素数20~48の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~のアルキレンオキシ基を示し、c及びcは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示し、d及びdはそれぞれ独立に1又は2を示し、e及びeはそれぞれ独立に0又は1を示し、d、d、e、及びeの合計は4であり、(OAc1で示される基及び(AO)c2で示される基は、それぞれ、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との共付加であり、かつ、式(3)中におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との平均付加モル数の比(エチレンオキシ基の平均付加モル数:プロピレンオキシ基の平均付加モル数)が10:90~80:20である。]
で表わされるアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1種のダイマー系アルキレンオキサイド付加物を含有することを特徴とするものである。
また、本発明の加硫ゴム用離型剤としては、式(1)中のDが炭素数30~42の残基であり、式(2)中のD及び式(3)中のDが、それぞれ独立に、炭素数32~44の残基であることが好ましい。さらに、本発明の加硫ゴム用離型剤としては、式(1)中のa及びa、式(2)中のb及びb、並びに、式(3)中のc及びcが、それぞれ独立に、5~80の数であることが好ましい。
なお、本発明の加硫ゴム用離型剤によって優れた離型性及び洗浄性がいずれも発揮される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の加硫ゴム用離型剤に含有されるダイマー系アルキレンオキサイド付加物は、ダイマージカルボン酸、ダイマージオール、又はダイマージアミンに由来するダイマー骨格という特異な化学構造を有するため、これを用いた本発明の加硫ゴム用離型剤においては、前記ダイマー骨格を有していない化合物を用いた従来の離型剤よりも同濃度における粘度が高くなって金型への付着量が多くなり、結果として、優れた離型性が発揮されるものと本発明者らは推察する。他方、前記ダイマー系アルキレンオキサイド付加物においては、前記ダイマー骨格という特異な化学構造により、水中での集合体(ミセル)形成が容易となって水分散性が高くなり、結果として、優れた洗浄性も発揮されるものと本発明者らは推察する。
優れた離型性及び洗浄性をいずれも発揮することができる加硫ゴム用離型剤を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の加硫ゴム用離型剤は、下記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド付加物、下記一般式(2)で表わされるアルキレンオキサイド付加物、及び下記一般式(3)で表わされるアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1種のダイマー系アルキレンオキサイド付加物を含有することを特徴とする。
本発明に係る一般式(1):
Figure 0007007896000004
[式(1)中、Dはダイマージカルボン酸からカルボキシ基を除いた炭素数18~46の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基を示し、a及びaは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示す。]
で表されるアルキレンオキサイド付加物は、ダイマージカルボン酸のアルキレンオキサイド付加物である。
また、本発明に係る一般式(2):
Figure 0007007896000005
[式(2)中、Dはダイマージオールから水酸基を除いた炭素数20~48の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基を示し、b及びbは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示す。]
で表されるアルキレンオキサイド付加物は、ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物である。
また、本発明に係る一般式(3):
Figure 0007007896000006
[式(3)中、Dはダイマージアミンからアミノ基を除いた炭素数20~48の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基を示し、c及びcは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示し、d及びdはそれぞれ独立に1又は2を示し、e及びeはそれぞれ独立に0又は1を示し、d、d、e、及びeの合計は4である。]
で表されるアルキレンオキサイド付加物は、ダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物である。
本発明において、ダイマージカルボン酸のアルキレンオキサイド付加物とは、ダイマージカルボン酸の2つのカルボキシ基の各水素原子に代えてそれぞれアルキレンオキサイド鎖(計2本/化合物)が付加された構造を有する化合物のことをいう。
前記ダイマージカルボン酸は、単にダイマー酸ともいい、高級不飽和脂肪酸の二量体酸である。本発明に係るダイマージカルボン酸としては、環式であることが好ましい。また、本発明に係るダイマージカルボン酸としては、炭素数(カルボキシ基の炭素数を含む)が20~48であることが必要であり、32~44であることが好ましく、36であることがより好ましい。
本発明において、前記高級不飽和脂肪酸としては、炭素数が10~24であることが好ましく、16~22であることがより好ましく、18であることがさらに好ましい。このような高級不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、又はこれらの脂肪酸の低級モノアルコール(好ましくは炭素数1~3)エステル;天然油脂(例えば、ひまわり油、大豆油、オリーブ油、菜種油、綿実油、トール油)の加水分解物である脂肪酸混合物;が挙げられ、これらの中でも、オレイン酸、リノール酸等の炭素数18の不飽和脂肪酸、又はこれらの脂肪酸の低級モノアルコールエステルが好ましい。前記ダイマージカルボン酸は、例えば、これらの高級不飽和脂肪酸をディールス・アルダー反応などによって熱重合させて二量体化させることにより得ることができる。
本発明に係るダイマージカルボン酸としては、水素添加された水添ダイマージカルボン酸であってもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲内において、未反応の前記高級不飽和脂肪酸が残存していてもよく、例えば、ダイマー酸70~98質量%等を用いてもよい。さらに、本発明に係るダイマージカルボン酸としては、市販のものを適宜用いてもよく、市販のダイマージカルボン酸としては、例えば、ハリダイマー200、ハリダイマー270S(ハリマ化成株式会社製);Td-205(W)、Td-395(築野食品工業株式会社製);プリポール 1006、プリポール 1013、プリポール 1017、プリポール 1040(クローダ社製)が挙げられ、市販の水添ダイマージカルボン酸としては、例えば、プリポール 1009、プリポール 1004(クローダ社製)が挙げられる。
本発明において、ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物とは、ダイマージオールの2つの水酸基の各水素原子に代えてそれぞれアルキレンオキサイド鎖(計2本/化合物)が付加された構造を有する化合物のことをいう。
前記ダイマージオールは、定法に従って前記ダイマージカルボン酸を還元することによって得ることができる。なお、このような還元方法において、反応の順序や原料の添加順序等は適宜変更することができる。本発明に係るダイマージオールとしては、前記ダイマージカルボン酸と同様に、環式であることが好ましい。また、本発明に係るダイマージオールとしては、炭素数が20~48であることが必要であり、32~44であることが好ましく、36であることがより好ましい。本発明に係るダイマージオールとしては、市販のものを適宜用いてもよく、市販のダイマージオールとしては、例えば、ペスポールHP-1000(東亜合成株式会社製)、プリポール 2033(クローダ社製)が挙げられる。
本発明において、ダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物とは、ダイマージアミンの2つのアミノ基の各水素原子に代えて少なくとも化合物あたり合計で2本(好ましくは1アミノ基あたり少なくとも1本)のアルキレンオキサイド鎖が付加された構造を有する化合物のことをいう。
前記ダイマージアミンは、前記ダイマージカルボン酸又は前記ダイマージオールから定法の還元的アミン化反応によって得ることができる。なお、このような還元的アミン化反応において、反応の順序や原料の添加順序等は適宜変更することができる。本発明に係るダイマージアミンとしては、前記ダイマージカルボン酸及び前記ダイマージオールと同様に、環式であることが好ましい。また、本発明に係るダイマージアミンとしては、炭素数が20~48であることが必要であり、32~44であることが好ましく、36であることがより好ましい。本発明に係るダイマージアミンとしては、市販のものを適宜用いてもよく、市販のダイマージアミンとしては、例えば、プリポール 1073、プリポール 1074、プリポール 1075(クローダ社製)が挙げられる。
したがって、一般式(1)中のDはダイマージカルボン酸からカルボキシ基を除いた炭素数18~46の残基を示し、一般式(2)中のDはダイマージオールから水酸基を除いた炭素数20~48の残基を示し、一般式(3)中のDはダイマージアミンからアミノ基を除いた炭素数20~48の残基を示す。これらの残基の炭素数としては、Dでは30~42であることが好ましく、34であることがより好ましく、D及びDでは32~44であることが好ましく、36であることがより好ましい。前記炭素数が前記下限未満であると、離型性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、洗浄性が低下したり、粘度が高くなりすぎて取り扱い性が低下したりする傾向にある。
前記ダイマージカルボン酸のアルキレンオキサイド付加物、前記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物、及び前記ダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物において、前記アルキレンオキサイド鎖は、アルキレンオキシ基が付加してなる鎖であって、末端が水素原子の鎖である。これらのアルキレンオキサイド付加物は、例えば、常法に従って、前記ダイマージカルボン酸、前記ダイマージオール、又は前記ダイマージアミンンに前記アルキレンオキシ基を付加重合させて得ることができる。なお、このような方法において、反応の順序や原料の添加順序等は適宜変更することができる。
本発明において、前記アルキレンオキシ基は、一般式(1)中のAO及びAO、一般式(2)中のAO及びAO、並びに、一般式(3)中のAO及びAOで示され、これらは互いに同一であっても異なっていてもよく、さらに、それぞれ複数あるAO、AO、AO、AO、AO、及びAO内においても、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。前記アルキレンオキシ基としては、それぞれ独立に、炭素数が2~4、すなわち、炭素数2のエチレンオキシ基(以下、場合により「EO」と示す。)、炭素数3のプロピレンオキシ基(以下、場合により「PO」と示す。)、又は炭素数4のブチレンオキシ基(以下、場合により「BO」と示す。)であることが必要である。前記アルキレンオキシ基の炭素数としては、2~3であることがより好ましい。前記炭素数が前記範囲内にあると、離型性及び洗浄性が良好となる。
これらのアルキレンオキシ基が付加してなる前記アルキレンオキサイド鎖としては、前記アルキレンオキシ基のうちの1種の基の単独付加からなる鎖であっても2種以上の基の共付加からなる鎖であってもよく、共付加である場合にはブロック付加であってもランダム付加であってもよい。これらの中でも、前記アルキレンオキシ基の付加形態としては、水中での分散性及び金型への付着性がより向上し、また、洗浄性により優れる傾向にある観点から、共付加(ランダム付加又はブロック付加)であることが好ましく、EOとPOとの共付加であることがより好ましく、EOとPOとのランダム付加であることがさらに好ましい。また、前記アルキレンオキシ基の付加形態がEOとPOとの共付加である場合、一般式(1)中、一般式(2)中、及び一般式(3)中におけるEOとPOとの平均付加モル数の比(EOの平均付加モル数:POの平均付加モル数)としては、10:90~80:20であることが好ましく、20:80~75:25であることがより好ましい。POの平均付加モル数に対するEOの平均付加モル数が前記炭素数が前記下限未満であると、ダイマー系アルキレンオキサイド付加物の親水性が低下して洗浄性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粘度が高くなって洗浄性が低下する傾向にある。
本発明において、アルキレンオキサイド鎖1本あたりのアルキレンオキシ基の平均付加モル数は、一般式(1)中のa及びa、一般式(2)中のb及びb、並びに、一般式(3)中のc及びcで示され、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。前記平均付加モル数としては、それぞれ独立に、2~100であることが必要であり、5~80であることが好ましく、10~50であることがより好ましい。前記平均付加モル数が前記下限未満であると、離型性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、洗浄性が低下する傾向にある。
また、一般式(1)中におけるアルキレンオキシ基の平均付加モル数の総和(a+a)、及び一般式(2)中におけるアルキレンオキシ基の平均付加モル数の総和(b+b)は、それぞれ独立に、4~200であることが好ましく、10~160であることがより好ましい。さらに、一般式(3)中におけるアルキレンオキシ基の平均付加モル数の総和(c×d+c×d)は、8~400であることが好ましく、20~320であることがより好ましい。前記平均付加モル数の総和が前記下限未満であると、離型性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、洗浄性が低下する傾向にある。
本発明に係るダイマー系アルキレンオキサイド付加物が前記ダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物である場合、ダイマージアミンの各アミノ基においては、それぞれ2つの水素原子のうち、少なくとも1つに代えて前記アルキレンオキサイド鎖が付加していればよい。したがって、一般式(3)中、d及びdはそれぞれ独立に1又は2を示し、e及びeはそれぞれ独立に0又は1を示し、d、d、e、及びeの合計は4である。本発明に係るダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物としては、アルキレンオキシ基の含有量をより多くすることができて離型剤の離型性がより向上する傾向にある観点から、d及びdがいずれも2であり、e及びeがいずれも0であることがより好ましい。
本発明の加硫ゴム用離型剤において、前記ダイマー系アルキレンオキサイド付加物としては、1種が単独で含有されていても2種以上が組み合わせて含有されていてもよいが、前記ダイマージオールのアルキレンオキサイド付加物又は前記ダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物であることが好ましく、アルキレンオキシ基の含有量をより多くすることができて離型性がより向上する傾向にある観点から、前記ダイマージアミンのアルキレンオキサイド付加物であることがより好ましい。
また、本発明の加硫ゴム用離型剤において、前記ダイマー系アルキレンオキサイド付加物の含有量(2種以上である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、加硫ゴム用離型剤の全質量に対して3~100質量%であることが好ましく、5~80質量%であることがより好ましく、10~50質量%であることがさらに好ましい。前記ダイマー系アルキレンオキサイド付加物の含有量が前記範囲内にあると、離型性及び洗浄性のバランスが良好となる。
本発明の加硫ゴム用離型剤としては、水をさらに含有していてもよい。前記水としては特に制限されず、精製水、滅菌水、天然水、及びこれらの混合物等が挙げられる。本発明の加硫ゴム用離型剤は、下記のように、使用時に必要に応じて水で適宜希釈して用いることができる。本発明において、加硫ゴム用離型剤が前記水をさらに含有する場合、前記加硫ゴム用離型剤に含有される水の含有量としては、加硫ゴム用離型剤の全質量に対して0~97質量%であることが好ましく、20~95質量%であることがより好ましく、50~90質量%であることがさらに好ましい。
本発明の加硫ゴム用離型剤としては、前記ダイマー系アルキレンオキサイド付加物に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲内において、他の成分をさらに含有していてもよい。このような他の成分としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール等の防錆剤;炭素数1~8のアルコールやグリコールエーテル、炭素数1~8のアルコールのアルキレン(炭素数2~3)オキサイド付加物(平均付加モル数1~5)、酸化防止剤等の安定剤;多糖類(例えば、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、ポリカルボン酸等の増粘剤;イソチアゾリノン、パラベン等の防腐剤;シリコーン;粘度鉱物等の添加剤や、従来公知の離型剤成分等が挙げられる。本発明において、加硫ゴム用離型剤がこれらの他の成分をさらに含有する場合、その含有量(2種以上の場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、前記ダイマー系アルキレンオキサイド付加物の含有量1質量部に対して15質量部以下であることが好ましく、0.01~10質量部であることがより好ましい。
本発明においては、前記ダイマー系アルキレンオキサイド付加物をそのまま本発明の加硫ゴム用離型剤としてもよく、前記水及び必要に応じて前記他の成分をさらに混合して本発明の加硫ゴム用離型剤としてもよい。このような混合方法としては特に限定されない。
本発明の加硫ゴム用離型剤はまた、必要に応じて、使用時に低濃度となるように水で希釈し、離型剤溶液として用いることができる。本発明の加硫ゴム用離型剤は水に容易に溶解し、また、金型への付着性に優れるため、低濃度であっても優れた離型性及び洗浄性をいずれも発揮することができる。
本発明の加硫ゴム用離型剤は、例えば、金型の加硫ゴム又は未加硫ゴムと接する部分に予め前記離型剤溶液を塗布する方法;未加硫ゴムホースの末端に前記離型剤溶液を塗布する方法;及びこれらの方法を組み合わせた方法等で使用することができる。本発明の加硫ゴム用離型剤においては、加硫中にゴムから滲み出る成分と混合されても優れた離型性及び洗浄性をいずれも発揮することができるため、金型に加硫ゴムを挿入して成型した後に引き抜く方法にも、前記金型に未加硫の原料ゴム組成物を挿入して加硫・成型した後に引き抜く方法にも、好適に用いることができる。
前記金型としては、鉄製、ステンレス製、ジェラルミン製等の金型が挙げられ、形状は特に制限されないが、本発明の加硫ゴム用離型剤は、加硫ゴムホースの成型に用いるマンドレルに適用する離型剤として好適に用いることができる。前記塗布の方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を採用することができ、スプレーガンを用いて吹き付ける方法(スプレー塗布)や刷毛で塗布する方法等が挙げられる。塗布量は、前記離型剤溶液の濃度、加硫ゴム又は未加硫ゴムの種類や挿入速度、金型の温度等によって適宜調整することができる。
前記加硫ゴムとしては、特に制限されず、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリル・ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を加硫したものが挙げられる。本発明の加硫ゴム用離型剤は、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴムを加硫した加硫ゴムに対して好適に用いることができる。
以下、合成例、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
(a)C36ダイマージカルボン酸-4PO付加物
オートクレーブに原料ダイマーとして炭素数36のダイマージカルボン酸(プリポール1006、クローダ社製)を350gと水酸化カリウム13.9gとを仕込み、反応装置内を窒素で十分に置換した後に昇温し、減圧脱水した。130℃に達した後にプロピレンオキサイド140.4gを滴下し、温度を130~155℃に保ちながら圧力:0.5MPa未満で反応を行った。プロピレンオキサイドを全量滴下した後、圧力の低下がなくなるまで熟成させた。圧力の低下が完了した後60℃に冷却して取り出し、490.4gの表題化合物、すなわち、炭素数36のダイマージカルボン酸の2つのカルボキシ基の水素原子に代えて化合物あたり計2本のプロピレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(プロピレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:2モル/鎖)-水素原子)を得た。
(b)C36ダイマージカルボン酸-4PO-(20PO/60EO)付加物
オートクレーブに合成例1の(a)で得られたC36ダイマージカルボン酸-4PO付加物100gを仕込み、反応装置内を窒素で十分に置換した後に昇温し、減圧脱水した。120℃に達した後にプロピレンオキサイド143.1gとエチレンオキサイド325.8gとの均一アルキレンオキサイド混合物を滴下し、温度を115~125℃に保ちながら圧力:0.5MPa未満で反応を行った。前記アルキレンオキサイド混合物を全量滴下した後、圧力の低下がなくなるまで熟成させた。圧力の低下が完了した後に冷却し、80℃以下にて酢酸を3.1g添加して中和させ、568.9gの表題化合物、すなわち、C36ダイマージカルボン酸-4PO付加物の各プロピレンオキサイド鎖にさらに、アルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:POとEOとのランダム共付加(PO平均付加モル数:10モル/鎖、EO平均付加モル数:30モル/鎖)-水素原子)を得た。
(合成例2)
(a)C44ダイマージカルボン酸-4PO付加物
原料ダイマーとして炭素数44のダイマージカルボン酸(プリポール1004、クローダ社製)を用い、水酸化カリウムの仕込み量を11.9g、プロピレンオキサイドの仕込み量を117.4gにしたこと以外は合成例1の(a)と同様にして、467.4gの表題化合物、すなわち、炭素数44のダイマージカルボン酸の2つのカルボキシ基の水素原子に代えて化合物あたり計2本のプロピレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(プロピレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:2モル/鎖)-水素原子)を得た。
(b)C44ダイマージカルボン酸-4PO-(20PO/60EO)付加物
C36ダイマージカルボン酸-4PO付加物に代えて合成例2の(a)で得られたC44ダイマージカルボン酸-4PO付加物を用い、アルキレンオキサイド混合物としてプロピレンオキサイド125.6gとエチレンオキサイド285.6gとの均一混合物を用い、酢酸の仕込み量を2.8gとしたこと以外は合成例1の(b)と同様にして、511.5gの表題化合物、すなわち、C44ダイマージカルボン酸-4PO付加物の各プロピレンオキサイド鎖にさらに、アルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:POとEOとのランダム共付加(PO平均付加モル数:10モル/鎖、EO平均付加モル数:30モル/鎖)-水素原子)を得た。
(合成例3)
(a)C36ダイマージオール-4PO付加物
原料ダイマーとして炭素数36のダイマージオール(プリポール2033、クローダ社製)550gを用い、水酸化カリウムの仕込み量を11.6g、プロピレンオキサイドの仕込み量を235.4gにしたこと以外は合成例1の(a)と同様にして、785.4gの表題化合物、すなわち、炭素数36のダイマージオールの2つの水酸基の水素原子に代えて化合物あたり計2本のプロピレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(プロピレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:2モル/鎖)-水素原子)を得た。
(b)C36ダイマージオール-4PO-(44PO/16EO)付加物
C36ダイマージカルボン酸-4PO付加物に代えて合成例3の(a)で得られたC36ダイマージオール-4PO付加物を用い、アルキレンオキサイド混合物としてプロピレンオキサイド329.8gとエチレンオキサイド91gとの均一混合物を用い、酢酸の仕込み量を1.6gとしたこと以外は合成例1の(b)と同様にして、490.7gの表題化合物、すなわち、C36ダイマージオール-4PO付加物の各プロピレンオキサイド鎖にさらに、アルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:POとEOとのランダム共付加(PO平均付加モル数:22モル/鎖、EO平均付加モル数:8モル/鎖)-水素原子)を得た。
(合成例4)
(a)C36ダイマージアミン-4PO付加物
オートクレーブに原料ダイマーとして炭素数36のダイマージアミン(プリポール1075、クローダ社製)350gを仕込み、反応装置内を窒素で十分に置換した後に昇温し、減圧脱水した。130℃に達した後にプロピレンオキサイド147.6gを滴下し、温度を130~155℃に保ちながら圧力:0.5MPa未満で反応を行った。プロピレンオキサイドを全量滴下した後、圧力の低下がなくなるまで熟成させた。圧力の低下が完了した後60℃に冷却して取り出し、497.6gの表題化合物、すなわち、炭素数36のダイマージアミンのアミノ基の4つの水素原子に代えて化合物あたり計4個のプロピレンオキシ基が付加してなる化合物を得た。
(b)C36ダイマージアミン-48PO-16EO付加物
オートクレーブに合成例4の(a)で得られたC36ダイマージアミン-4PO付加物100gと水酸化カリウム6.7gとを仕込み、反応装置内を窒素で十分に置換した後に昇温し、減圧脱水した。120℃に達した後にプロピレンオキサイド326.3gを滴下し、温度を115~125℃に保ちながら圧力:0.5MPa未満で反応を行った。プロピレンオキサイドを全量滴下した後、150℃に昇温してエチレンオキサイド90gを滴下し、温度を145~155℃に保ちながら圧力:0.5MPa未満で反応を行った。エチレンオキサイドを全量滴下した後、圧力の低下がなくなるまで熟成させた。圧力の低下が完了した後に冷却し、80℃以下にて酢酸を7.3g添加して中和させ、516.4gの表題化合物、すなわち、炭素数が36のダイマージアミンのアミノ基の4つの水素原子に代えて化合物あたり計4本のアルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:12モル/鎖)-EO単独付加(EO平均付加モル数:4モル/鎖)-水素原子)を得た。
(c)C36ダイマージアミン-44PO-60EO付加物
C36ダイマージアミン-4PO付加物の仕込み量を87.17g、水酸化カリウムの仕込み量を4g、プロピレンオキサイドの仕込み量を258.6g、エチレンオキサイドの仕込み量を294.3g、酢酸の仕込み量を4.3gとしたこと以外は合成例4の(b)と同様にして、640.1gの表題化合物、すなわち、炭素数が36のダイマージアミンのアミノ基の4つの水素原子に代えて化合物あたり計4本のアルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:11モル/鎖)-EO単独付加(EO平均付加モル数:15モル/鎖)-水素原子)を得た。
(d)C36ダイマージアミン-4PO-(44PO/16EO)付加物
オートクレーブに合成例4の(a)で得られたC36ダイマージアミン-4PO付加物100gと水酸化カリウム6.7gとを仕込み、反応装置内を窒素で十分に置換した後に昇温し、減圧脱水した。120℃に達した後にプロピレンオキサイド326.3gとエチレンオキサイド90gとの均一アルキレンオキサイド混合物を滴下し、温度を115~125℃に保ちながら圧力:0.5MPa未満で反応を行った。前記アルキレンオキサイド混合物を全量滴下した後、圧力の低下がなくなるまで熟成させた。圧力の低下が完了した後に冷却し、80℃以下にて酢酸を7.3g添加して中和させ、516.4gの表題化合物、すなわち、炭素数が36のダイマージアミンのアミノ基の4つの水素原子に代えて化合物あたり計4本のアルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:1モル/鎖)-POとEOとのランダム共付加(PO平均付加モル数:11モル/鎖、EO平均付加モル数:4モル/鎖)-水素原子)を得た。
(e)C36ダイマージアミン-4PO-(40PO/60EO)付加物
C36ダイマージアミン-4PO付加物の仕込み量を87.17g、水酸化カリウムの仕込み量を4g、酢酸の仕込み量を4.3gとし、アルキレンオキサイド混合物としてプロピレンオキサイド258.6gとエチレンオキサイド294.3gとの均一混合物を用いたこと以外は合成例4の(d)と同様にして、640.1gの表題化合物、すなわち、炭素数が36のダイマージアミンのアミノ基の4つの水素原子に代えて化合物あたり計4本のアルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:1モル/鎖)-POとEOとのランダム共付加(PO平均付加モル数:10モル/鎖、EO平均付加モル数:15モル/鎖)-水素原子)を得た。
(合成例5)
上記合成例1~4に記載の方法及びその応用による方法、並びに、文献既知の方法及びその応用による方法を利用して、
エチレンジアミン-44PO-8EO付加物:エチレンジアミンのアミノ基の4つの水素原子に代えて化合物あたり計4本のアルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:11モル/鎖)-EO単独付加(EO平均付加モル数:2モル/鎖)-水素原子;
エチレンジアミン-52PO-48EO付加物;エチレンジアミンのアミノ基の4つの水素原子に代えて化合物あたり計4本のアルキレンオキサイド鎖が付加してなる化合物(アルキレンオキサイド鎖:PO単独付加(PO平均付加モル数:13モル/鎖)-EO単独付加(EO平均付加モル数:12モル/鎖)-水素原子;及び
グリセリンC16,18モノ脂肪酸エステル-20EO-30PO付加物:次式:
Figure 0007007896000007
[式中、Rはペンタデシル基又はヘプタデシル基を示す。]
で表わされる化合物;をそれぞれ得た。
(実施例1)
ダイマージカルボン酸アルキレンオキサイド(AO)付加物として合成例1の(b)で得られたC36ダイマージカルボン酸-4PO-(20PO/60EO)付加物15質量部を用い、これを水85質量部に添加して撹拌・混合し、加硫ゴム用離型剤を得た。
(実施例2~9、比較例1~3)
加硫ゴム用離型剤の組成を、それぞれ下記の表1に示す組成としたこと以外は実施例1と同様にして、各加硫ゴム用離型剤を得た。なお、表1中、各アルキレンオキサイド付加物は、それぞれ上記合成例2の(b)、合成例3の(b)、合成例4の(b)~(e)、合成例5で得られた化合物を示す。
<離型剤の評価>
実施例及び比較例で得られた加硫ゴム用離型剤を用いて、それぞれ、以下の方法で、離型性及び洗浄性を評価した。結果をそれぞれ各加硫ゴム用離型剤の組成と併せて下記の表1に示す。
(離型性)
先ず、実施例及び比較例で得られた各加硫ゴム用離型剤に、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム)の未加硫のゴムホース(直径:7.5mm×長さ:80mm)を、その先端から40mmの部位まで浸漬して取り出した。次いで、加硫ゴム用離型剤に浸漬した側の先端から40mmの部位まで前記ゴムホースの内側に円柱状のステンレス棒(SUS304製、直径:8.0mm×長さ:300mm)を挿し込んで試料とした。これを乾燥機に入れて180℃で14分間加熱して加硫処理を行い、その後、乾燥機の温度を100℃に降温して、100℃で5分間冷却した。冷却後の試料を乾燥機より取り出した後、ステンレス棒の表面温度が100℃以下であることを表面温度計で確認し、ゴムホースを固定してステンレス棒を回転させた。その際のゴムホースとステンレス棒との抵抗を、下記の基準:
4:スムーズに回転できる
3:回転できる
2:抵抗はあるが回転できる
1:回転できない
に従って評価した。
(洗浄性)
先ず、ステンレス製(SUS304製)のカップ内に、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム)の未加硫のゴム片と、前記ゴム片が浸る量の実施例及び比較例で得られた各加硫ゴム用離型剤(10g)とを入れ、180℃において30分間加熱して加硫想定処理を行い、前記加硫ゴム用離型剤を加硫後の加硫ゴム用離型剤に相当する溶液とした。次いで、得られた溶液をデシケーター内で室温(25℃)まで放冷し、予め質量を測定しておいたEPDMの加硫済みゴムシート(60mm×120mm、厚さ:2.0mm)の一方の面の表面の半分の面積に該溶液を0.3g塗布して試料とした。次いで、500mLビーカーに25℃の水道水を500mL入れ、これに前記試料を1分間浸漬してすすぎ処理を行った。その後、試料を水道水から取り出し、100℃において70分間加熱して乾燥させた。乾燥後の試料の質量を測定し、同試料の質量と前記溶液を塗布する前のシートの質量とから、すすぎ後に残留した加硫ゴム用離型剤の質量を算出し、次式:
洗浄率(%)=(塗布した加硫ゴム用離型剤の質量-すすぎ後に残留した加硫ゴム用離型剤の質量)÷塗布した加硫ゴム用離型剤の質量×100
により洗浄率を算出した。得られた洗浄率について下記の基準:
4:非常に良好(洗浄率:80%以上)
3:良好(洗浄率:60%以上80%未満)
2:使用可(洗浄率:40%以上60%未満)
1:不良(洗浄率:40%未満)
に従って評価した。
Figure 0007007896000008
以上説明したように、本発明によれば、優れた離型性及び洗浄性をいずれも発揮することができる加硫ゴム用離型剤を提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0007007896000009
    [式(1)中、Dはダイマージカルボン酸からカルボキシ基を除いた炭素数18~46の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~3のアルキレンオキシ基を示し、a及びaは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示し、(OAa1で示される基及び(AO)a2で示される基は、それぞれ、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との共付加であり、かつ、式(1)中におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との平均付加モル数の比(エチレンオキシ基の平均付加モル数:プロピレンオキシ基の平均付加モル数)が10:90~80:20である。]
    で表されるアルキレンオキサイド付加物、下記一般式(2):
    Figure 0007007896000010
    [式(2)中、Dはダイマージオールから水酸基を除いた炭素数20~48の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~のアルキレンオキシ基を示し、b及びbは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示し、(OAb1で示される基及び(AO)b2で示される基は、それぞれ、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との共付加であり、かつ、式(2)中におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との平均付加モル数の比(エチレンオキシ基の平均付加モル数:プロピレンオキシ基の平均付加モル数)が10:90~80:20である。]
    で表されるアルキレンオキサイド付加物、及び下記一般式(3):
    Figure 0007007896000011
    [式(3)中、Dはダイマージアミンからアミノ基を除いた炭素数20~48の残基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立に炭素数2~のアルキレンオキシ基を示し、c及びcは前記アルキレンオキシ基の平均付加モル数であってそれぞれ独立に2~100の数を示し、d及びdはそれぞれ独立に1又は2を示し、e及びeはそれぞれ独立に0又は1を示し、d、d、e、及びeの合計は4であり、(OAc1で示される基及び(AO)c2で示される基は、それぞれ、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との共付加であり、かつ、式(3)中におけるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との平均付加モル数の比(エチレンオキシ基の平均付加モル数:プロピレンオキシ基の平均付加モル数)が10:90~80:20である。]
    で表わされるアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1種のダイマー系アルキレンオキサイド付加物を含有することを特徴とする加硫ゴム用離型剤。
  2. 式(1)中のDが炭素数30~42の残基であり、式(2)中のD及び式(3)中のDが、それぞれ独立に、炭素数32~44の残基であることを特徴とする請求項1に記載の加硫ゴム用離型剤。
  3. 式(1)中のa及びa、式(2)中のb及びb、並びに、式(3)中のc及びcが、それぞれ独立に、5~80の数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加硫ゴム用離型剤。
JP2017246828A 2017-12-22 2017-12-22 加硫ゴム用離型剤 Active JP7007896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017246828A JP7007896B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 加硫ゴム用離型剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017246828A JP7007896B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 加硫ゴム用離型剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019111725A JP2019111725A (ja) 2019-07-11
JP7007896B2 true JP7007896B2 (ja) 2022-01-25

Family

ID=67221983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017246828A Active JP7007896B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 加硫ゴム用離型剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7007896B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7466818B1 (ja) 2022-10-13 2024-04-12 日本発條株式会社 積層体の製造装置及び積層体の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016165857A (ja) 2015-03-10 2016-09-15 第一工業製薬株式会社 加硫ゴムホース成形用離型剤

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3500459B2 (ja) * 1994-04-26 2004-02-23 一方社油脂工業株式会社 加硫ゴム用離型剤
DE19515314C1 (de) * 1995-04-19 1996-07-25 Schill & Seilacher Gleit- und Trennmittel für Kautschuk und Gummi

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016165857A (ja) 2015-03-10 2016-09-15 第一工業製薬株式会社 加硫ゴムホース成形用離型剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7466818B1 (ja) 2022-10-13 2024-04-12 日本発條株式会社 積層体の製造装置及び積層体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019111725A (ja) 2019-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7007896B2 (ja) 加硫ゴム用離型剤
CN1124259A (zh) 两亲性非离子型接枝共聚物和减粘添加剂的低粘度混合物
RU2013137337A (ru) Гидрогели на основе сложных эфиров полиизобутенянтарной кислоты
JP2008201010A (ja) 加硫ゴム用離型剤
JP5885402B2 (ja) 加硫ゴム用離型剤およびそれを用いる加硫ゴム成型品の製造方法
JP2017177717A (ja) 加硫ゴム用離型剤
JP6966048B2 (ja) 加硫ゴム用離型剤
JP3791117B2 (ja) 柔軟剤組成物
DE2928810C2 (de) Gleit- und Trennmittel für Gummiformkörper
JP4321030B2 (ja) 加硫ゴム用離型剤
JP7045272B2 (ja) 加硫ゴム用離型剤
JP6479510B2 (ja) 加硫ゴムホース成形用離型剤
JP2019093640A (ja) 加硫ゴム用離型剤、水希釈液および加硫ゴム成形品の製造方法
JP2023094406A (ja) 加硫ゴム用離型剤及びそれを用いた加硫ゴム成型品の製造方法
EP3062980A1 (de) Trennmittel, insbesondere entformungshilfsmittel, verfahren zur herstellung des trennmittels und verwendung des trennmittels
EP0520261B1 (de) Trenn- und Gleitmittel für Gummiformkörper
JP2021100801A (ja) 加硫ゴム用離型剤
EP1297938B1 (de) Verwendung von Polyestern als Gleit- und Trennmittel für Gummiformkörper
JP5760933B2 (ja) 衛生紙用柔軟剤
JP2009144260A (ja) 抄紙用合成繊維処理剤、抄紙の製造方法及び抄紙
WO2023084909A1 (ja) 加硫ゴム成形用離型剤、水希釈液、加硫ゴム成形品の製造方法及び加硫ゴム成形品
EP0903397B1 (de) Verwendung von Polyether-Ethoxylaten als Gleit- und Trennmittel für Gummiformkörper
CN107446665A (zh) 一种食品级抑菌防腐润滑脂及其制备方法
JP2004359813A (ja) 水溶性潤滑皮膜剤及び成形加工方法
JP2013028685A (ja) オルガノ変性シリコーンの製造方法、オルガノ変性シリコーンを含有する金型鋳造用離型剤、及び金型鋳造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210714

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20211110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7007896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150