JP7007606B2 - 発光装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
特に液晶テレビに使用されるバックライトや一般照明器具等では、デザイン製が重要視され、薄型化の要望が高い。
また、金型を用いることなく製造可能であり、かつバットウイング配光を可能とする発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、本実施形態に係る発光装置の製造方法は、光源が配置された基板を準備する工程と、ノズルから樹脂を吐出させながら光源を略中心とする円または矩形を描くようにして基板上に前記樹脂を塗布する工程と、樹脂を硬化させ、光源の直上に凹部または貫通孔を有する被覆部材を形成する工程と、を有する。
さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図1は、第1実施形態の発光装置の概略構造を示す上面図および断面図である。図1(a)は上面図であり、図1(b)は図1(a)のI-I断面を示す断面図である。
図1に示すように、発光装置100は、基板120と、基板120の上に設けられた発光素子105と、発光素子105を被覆する被覆部材108と、を有する。被覆部材108は、発光素子105の直上に凹部122を有し、平面視において凹部122の外側に凸部124を有している。ここで、凸部124の最上部となる峰部111は、上面視で略円形になるように形成されている。
基板120は、発光素子105を載置するための部材であり、図1に示されるように、発光素子105に電力を供給するための導電配線102と、導電配線102を配置し絶縁分離するための基体101とを備える。
基体101の材料としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂やセラミックスが挙げられる。なかでも、低コストと、成型容易性の点から、樹脂を絶縁性材料に選択することが好ましい。あるいは、耐熱性及び耐光性に優れた発光装置とするためには、セラミックスを基体101の材料として選択することが好ましい。セラミックスとしては、例えば、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ガラスセラミックス、窒化物系(例えば、AlN)、炭化物系(例えば、SiC)等が挙げられる。なかでも、アルミナからなる又はアルミナを主成分とするセラミックスが好ましい。
また、基体101を構成する材料に樹脂を用いる場合は、ガラス繊維や、SiO2、TiO2、Al2O3等の無機フィラーを樹脂に混合し、機械的強度の向上、熱膨張率の低減、光反射率の向上等を図ることもできる。また、基板120は、金属部材に絶縁部分を形成しているものであってもよい。
導電配線102は、発光素子105の載置面となる、基板120の少なくとも上面に形成される。導電配線102の材料は、基体101として用いられる材料や製造方法等によって適宜選択することができる。例えば、基体101の材料としてセラミックスを用いる場合は、導電配線102の材料は、セラミックスシートの焼成温度にも耐え得る高融点を有する材料が好ましく、例えば、タングステン、モリブデンのような高融点の金属を用いるのが好ましい。さらに、その上に鍍金やスパッタリング、蒸着などにより、ニッケル、金、銀など他の金属材料にて被覆してもよい。
基板120は、図1(b)に示すように、任意で絶縁材料104を有していてもよい。絶縁材料104は、導電配線102上の、発光素子105や他材料と電気的に接続する部分以外を被覆する事が好ましい。すなわち、図1(b)に示されるように、基板上には、導電配線102を絶縁被覆するためのレジストが配置されていても良い。
絶縁材料104を配置させる場合には、導電配線の絶縁を行う目的だけでなく、以下に述べるアンダーフィル材料と同様な白色系のフィラーを含有させることにより、光の漏れや吸収を防いで、発光装置100の光取り出し効率を上げることもできる。
基板に搭載される発光素子105は、特に限定されず、公知のものを利用できるが、本形態においては、発光素子105として発光ダイオードを用いるのが好ましい。
発光素子105は、任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaP等を用いたものを用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどを用いることができる。さらに、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。用いる発光素子の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
これらの発光素子105の電極は、図1(b)に示すように、接続材料103を介して基板の表面の導電配線102にフリップチップ実装されており、電極の形成された面と対向する面、すなわち透光性のサファイア基板の主面を光取り出し面としている。発光素子105は、正と負に絶縁分離された2つの導電配線102に跨るように配置されて、導電性の接続材料103によって接合されている。この発光素子105の実装方法は、半田ペーストを用いた実装方法の他、例えばバンプを用いた実装方法とすることができる。
本明細書において、「光源」とは光を発する部分のことをいう。例えば、上述した発光素子105や、発光素子105と波長変換部材を組み合わせたもの、発光素子を内蔵するパッケージ品(例えばSMDの発光装置やパッケージ型白色LEDと呼ばれるもの)等が挙げられ、特に形状や構造を限定するものでは無い。
接続材料103としては、導電性の部材であり、具体的にはAu含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb-Pd含有合金、Au-Ga含有合金、Au-Sn含有合金、Sn含有合金、Sn-Cu含有合金、Sn-Cu-Ag含有合金、Au-Ge含有合金、Au-Si含有合金、Al含有合金、Cu-In含有合金、金属とフラックスの混合物等を挙げることができる。
接続材料103としては、液状、ペースト状、固体状(シート状、ブロック状、粉末状、ワイヤー状)のものを用いることができ、組成や支持体の形状等に応じて、適宜選択することができる。また、これらの接続材料103は、単一部材で形成してもよく、あるいは、数種のものを組み合わせて用いてもよい。
図1(b)に示すように、発光素子105と基板120の間にアンダーフィル材料106が形成されていることが好ましい。アンダーフィル材料106は、発光素子105からの光を効率よく反射できるようにすること、熱膨張率を発光素子105に近づけること等を目的として、フィラーを含有している。
アンダーフィル材料106に含有するフィラーとしては、白色系のフィラーであれば、光がより反射され易くなり、光の取り出し効率の向上を図ることができる。また、フィラーとしては、無機化合物を用いるのが好ましい。ここでの白色とは、フィラー自体が透明であった場合でもフィラーの周りの材料と屈折率差がある場合に散乱で白色に見えるものも含む。
被覆部材108は、発光素子105を外部環境から保護するとともに、発光素子105から出力される光を光学的に制御するため、発光素子105を被覆するように基板上に配置される部材である。
被覆部材108の材料としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂あるいはそれらを混合させた樹脂などの透光性樹脂や、ガラスなどを用いることができる。これらのうち、耐光性および成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を選択することが好ましい。
次に、発光装置100の製造方法について図7を用いて説明する。
まず、発光素子105が配置された基板120を準備する。なお、ここでは一例として1つの発光装置100に対応する部分を示すが、1つの基板に複数の発光素子105が載置された基板を用い、それぞれの発光素子105に対して1つの被覆部材108を形成するようにしてもよい。また、1つの被覆部材108によって被覆される発光素子105の数は1つに限られず、複数であってもよい。
第2実施形態に係る発光装置200は、図2に示すように、光源130として発光素子105と発光素子105を被覆する波長変換部材109を備えている点において第1実施形態の発光装置100と異なっている。その他の部分においては第1実施形態の発光装置100と同様の部材を用い、同様に構成することができる。
波長変換部材としては、発光素子105からの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであればよい。
例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO-Al2O3-SiO2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)2SiO4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K2SiF6:Mn)、硫化物系蛍光体などが挙げられる。さらに、前記した蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、作用、効果を有する蛍光体も使用することができる。
発光装置200は、発光装置100と同様に形成することができる。発光装置100では、発光素子105が光源となるのに対し、発光装置200は発光素子105および波長変換部材109が光源となる。
波長変換部材109は、例えば蛍光体や量子ドットを含有する透光性樹脂をポッティングなどで凸状に形成してもよいし、印刷法や電気泳動法を用いてもよいし、シート状に成形された波長変換部材を発光素子の上に貼る方法などを利用することができる。
また、発光装置200は、発光素子105の周囲に波長変換部材109を形成して光源130とし、実質的に波長変換部材109を含有しない被覆部材108により光源130を被覆する構成としているため、被覆部材108の全体で波長変換する場合に比べてバットウイング配光特性の制御がしやすくなる。
第3実施形態に係る発光装置300は、図3(a)に示すように、光源として小型のパッケージ型白色LED201を使用した方式であり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって発光装置300は、第1実施形態と同様の効果を奏する。パッケージ型白色LED201は、接続材料103を介して基板120と電気的に接続される。このような構成とすることで予め白色色度を選別した光源を使用することができるため、製品の色度歩留まりを向上することが可能である。
パッケージ型白色LEDは、発光素子105と波長変換部材109とがパッケージングされたものであり、外部接続端子を備えるものであればよい。
特に、搭載される発光素子のサイズに近い、いわゆるCSPタイプのものが好ましい。また、光取り出し効率を高めるために、光反射部材を備えているものが好ましい。
第4実施形態に係る発光装置400は、図4に示すように、発光素子105および波長変換部材109からなる光源130の表面の一部が、被覆部材108から露出している点が第2実施形態と異なっている。すなわち、被覆部材108は光源130が露出する貫通孔140を有し、平面視において貫通孔140の外側に凸部を有している。波長変換部材109の外周縁部は被覆部材108に被覆されている。その他の部分においては第2実施形態の発光装置200と同様の部材を用い、同様に構成することができる。
被覆部材108は、上面視において円状に形成されていることが好ましいが、例えば上面視においてC字状など、途中で途切れていてもよい。
また、C字状(図7(e))や、数ヵ所が途切れた円状(図7(f))に塗布し、途切れたまま硬化させてもよい。
このとき、これまでの実施形態で述べてきたとおり、被覆部材108の底面の幅が、被覆部材108の最大幅よりも小さくなるように形成してもよいし、図4に示すように被覆部材108の底面の幅が被覆部材108の最大幅となるように形成してもよい。
第5実施形態に係る発光装置500は、図5に示すように、発光素子105上の被覆部材108上に光を反射および/または拡散する光反射/拡散領域113を形成した以外は第1実施形態と同様であり、同様の効果を奏する。
この様にすることで、光軸L上に出射する光が横方向に曲げられ、第1実施形態の発光装置100に比べて光軸Lの光強度を下げることができる。
第6実施形態に係る発光装置600は、図6に示すように、発光素子105上に気泡を含んだ被覆部材108が形成されている以外は第1実施形態と同様である。なお、この様な構成を取る場合、必ずしも被覆部材108の形状が円状の峰部を持つ必要が無く、一般的なドーム形状でもバットウイング配光を実現することが可能となる。また、気泡の形状も球状、涙状、ピラミッド状等、種々の形状が考えられる。
例えば図6に示すように、気泡112の形状を、発光素子の上面形状を略底面形状とする錐形状とすることで、光軸L上に出射する光が気泡112の界面で全反射や屈折、散乱し光軸Lの光強度を下げることができる。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
図1は、本実施例にかかる発光装置100の上面図および断面図を示す。本実施例における基体101は、基体に設けられた正負一対の導電配線102に跨がるように、接続材料103を介して発光素子105が実装されている。なお、電気的な接続を行わない領域には絶縁材料104を形成している。
101 基体
102 導電配線
103 接続材料
104 絶縁材料
105 発光素子
106 アンダーフィル材料
108 被覆部材
109 波長変換部材
111 峰部
112 気泡
113 光反射/拡散領域
120 基板
122 凹部
124 凸部
126 反射部材
130 光源
140 貫通孔
201 パッケージ型白色LED
204 外部接続端子
Claims (10)
- 基板と、
前記基板上に設けられた光源と、
前記光源を被覆する被覆部材と、を備え、
前記被覆部材は、前記光源の直上に凹部を有しており、平面視において前記凹部の外側に凸部を有しており、前記凸部の最上部となる峰部は、上面視で略円形になるように形成されており、さらに前記基板と接触している底面の幅が、最大幅よりも小さくなるように形成されており、
前記光源は、発光素子と、前記発光素子の上面を覆う波長変換部材と、前記発光素子の下面に有する外部接続端子と、前記発光素子の側面および前記外部接続端子を有する領域を除く下面に光反射部材と、を有する発光装置。 - 前記被覆部材は、光軸高さが幅よりも短い請求項1に記載の発光装置。
- 前記波長変換部材の光軸方向の高さが、前記被覆部材の最大幅の4/5以下である請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記被覆部材は前記光源の上方に気泡を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記被覆部材は前記光源の上方に光を反射または拡散させる領域を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記光源が複数形成され、そのそれぞれに前記被覆部材が形成されており、前記光源の間隔が20mm以上離間して配置される請求項1~5のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、透光性のサファイア基板と、窒化物半導体とを有する請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記光源と前記基板との間には、白色系のフィラーを含有するアンダーフィル材料が配置されている請求項1~7のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記基板上には、白色系のフィラーを含有する絶縁材料が配置されている請求項1~8のいずか1項に記載の発光装置。
- それぞれの前記被覆部材は、それぞれの前記発光素子の発光色に対応した着色剤を含有することを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
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