JP6985622B2 - 発光装置および集積型発光装置 - Google Patents
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液晶テレビに使用されるバックライトや一般照明器具等では、デザイン製が重要視され、薄型化の要望が高い。
前記封止部材の幅(W)に対する高さ(H)の比(H/W)が0.5より小さい。
さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図1Aは、第1実施形態の発光装置(発光装置100)の構成を示す概略断面図である。
図1Aに示されるように、本実施形態は、表面に導体配線102が設けられた基体101と、基体101に載置される発光素子105を有する。発光素子105は、基体101の表面に設けられた少なくとも一対の導体配線102に跨がるように、接続部材103を介してフリップチップ実装されている。発光素子105の光取り出し面側(発光素子105の上面)には発光素子105より一回り大きい波長変換部材106が設けられており、その光取り出し面側に光反射膜107が形成されている。具体的には、波長変換部材106の発光素子105に対向する底面の面積は、発光素子105の上面の面積よりも大きくなっており、発光素子105の上面の外周端が波長変換部材106の底面の外周端の内側に位置するように、波長変換部材106が発光素子105上に設けられている。また、光反射膜107は、波長変換部材106の光取り出し面のほぼ全面に設けられている。
また、第1実施形態の発光装置100は、発光素子105および波長変換部材106を覆う透光性の封止部材110を備えている。導体配線102の上には、少なくとも発光素子105が電気的に接続される領域を除いて、絶縁部材104が設けられていてもよい。尚、図1Aにおいて、112の符号を付して示すものは、必要に応じて設けられる光反射部材であり、後述の第4実施形態で説明するように構成してもよいし、パッケージの側壁により構成されていてもよい。
これにより、発光素子105や波長変換部材106から放射される光の内、基体101の垂直方向(発光素子105の上面)の成分の多くは光反射膜107により反射され、基体101の水平方向の成分が増加する。
この様な構成とすることで、バットウイング配光特性を実現することが出来る。
ここで、バットウイング配光特性とは、配光角が90°以下の第1領域に配光角が90°のときの強度より大きい強度の第1ピークを有し、配光角が90°以上の第2領域に配光角が90°のときの強度より大きい強度の第2ピークを有するような配光特性を言う。
これにより、発光装置100から出射する光はほぼ全て波長変換部材106からの出射となり、配向角による色ムラを抑制することが出来る。発光素子105の側面が白樹脂で覆われていない場合は広配向角から発光装置100を観測すると発光素子105の発光色がダイレクトに見えてしまい、上段の波長変換部材106との色差が目立ってしまう。
発光素子105および波長変換部材106は、透光性の封止部材110により被覆される。封止部材110は、発光素子105等を外部環境から保護するとともに、波長変換部材106等から出力される光を光学的に制御するため、発光素子105および波長変換部材106を被覆するように基体上に配置される部材である。封止部材110は略ドーム状に形成されており、本実施形態においては、波長変換部材106は封止部材110で直接被覆されている。
この様な構成とすることで、波長変換部材106から出た光は、封止部材110と空気の界面で屈折し、より広配光化させることが可能となる。
ここで、封止部材の高さ(H)は、図1Aに示すように、発光素子105の実装面からの最大の高さを指すものとする。また、封止部材の幅(W)とは、封止部材の底面の形状が円形の場合は上述のように径を指すものとし、その他の形状の場合は、もっとも長さの短いところのことを指すものとする。
図1Aに示す第1実施形態の発光装置100では、封止部材110の表面を凸状の曲面としたが、より広配光とするためには、封止部材110の光軸方向の中央部を平坦又は凹状にするのが望ましい。特に、図1Bに示すように、封止部材110の光軸方向の中央部を凹形状にすることでレンズ効果により光軸方向への光量を少なくすることが出来、より広配光のバットウイング配向が実現できる。
(基体101)
基体101は、発光素子105を載置するための部材である。基体101はその表面に、発光素子105に電力を供給するための導体配線102を有している。
基体101の材料としては、例えば、セラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂が挙げられる。なかでも、低コストと、成型容易性の点から、樹脂を材料として選択することが好ましい。基板の厚みは適宜選択することができ、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブル基板、あるいはリジット基板のいずれであってもよい。リジット基板は湾曲可能な薄型リジット基板であってもよい。
導体配線102は、発光素子105の電極と電気的に接続され、外部からの電流(電力)を供給するための部材である。すなわち、外部から通電させるための電極またはその一部としての役割を担うものである。通常、正と負の少なくとも2つに離間して形成される。
接続部材103は、発光素子105を基体101または導体配線102に固定するための部材である。本実施形態のようにフリップチップ実装の場合は導電性の部材が用いられる。具体的にはAu含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb−Pd含有合金、Au−Ga含有合金、Au−Sn含有合金、Sn含有合金、Sn−Cu含有合金、Sn−Cu−Ag含有合金、Au−Ge含有合金、Au−Si含有合金、Al含有合金、Cu−In含有合金、金属とフラックスの混合物等を挙げることができる。
導体配線102は、発光素子105や他材料と電気的に接続する部分以外は絶縁部材104で被覆されている事が好ましい。すなわち、各図に示されるように、基体上には、導体配線102を絶縁被覆するためのレジストが配置されていても良く、絶縁部材104はレジストとして機能させることができる。
絶縁部材104の材料は、発光素子からの光の吸収が少ない材料であり、絶縁性であれば特に限定されない。例えば、エポキシ、シリコーン、変性シリコーン、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、アクリル、ポリカーボネート、ポリイミド等を用いることができる。
基体に搭載される発光素子105は、公知のものを利用できる。本実施形態においては、発光素子105として発光ダイオードを用いるのが好ましい。
発光素子105は、任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InxAlyGa1−x−yN、0≦X
、0≦Y、X+Y≦1)、GaPを用いたものを用いることができる。成長基板として透光性のサファイア基板等を用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどを用いることができる。さらに、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。用いる発光素子の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
光反射膜107は波長変換部材106の主面である光取り出し面側に成膜される。
材料としては、金属や白色フィラー含有樹脂でも良く、少なくとも発光素子105が発光する光(第1の光)と波長変換部材106が発光する光(第2の光)を反射する材料であれば特に材料は規定されない。
また、誘電体多層膜を用いることで、吸収の少ない反射膜を得ることが出来る。
誘電体多層膜の材料としては金属酸化膜材料や金属窒化膜または酸窒化膜等を用いることが出来る。また、シリコーン樹脂やフッ素樹脂等の有機材を使用する事もでき、特に材料を規定する物では無い。
波長変換部材106は、発光素子105が発光する第1の光の少なくとも一部を吸収して第1の光より長波長の光を発光する部材であり、例えば、蛍光体と透光性材料とを含む板状又はシート状部材である。
透光性材料としては、透光性樹脂、ガラス等の無機材料が使用できる。透光性樹脂としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。透光性樹脂としては、特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。無機材料としては、例えば、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、サファイアガラス、フッ化カルシウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、オキシナイトライドガラス、カルコゲナイドガラス等が挙げられる。
また、その蛍光体材料等は、単独で使用しても良く、組み合わせて使用しても良い。
封止部材110の材料としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂あるいはそれらを混合させた樹脂や、ガラスなどの透光性材料を用いることができる。これらのうち、耐光性および成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を選択することが好ましい。
封止部材110にこれらの部材を含有させる場合、配光特性になるべく影響の与えないものを用いることが好ましい。たとえば、含有させる部材の粒径が0.2μm以下のものであれば、配光特性に与える影響が少ないため好ましい。なお、本明細書中において粒径とは平均粒径のことをいうものとし、平均粒径の値は、空気透過法を利用したF.S.S.S.No(Fisher−SubSieve−Sizers−No.)によるものとする。
図2は、第2実施形態の発光装置200の断面図である。
第2実施形態の発光装置200は、発光素子105側面に透光性部材109が逆テーパー状に形成されているおり、その外側に白色部材108が形成されている点で第1実施形態とは異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
透光性部材109は発光素子105と波長変換部材106の界面にも形成して接着剤としての機能を果たすようにしても良い。
ここで、透光性部材109は、透光性樹脂、ガラス等の透光性材料から形成することができる。透光性樹脂としては、特に、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性の透光性樹脂であるのが好ましい。透光性部材109は発光素子105の側面と接触しているので、点灯時に発光素子105で発生する熱の影響を受けやすい。熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れているので、透光性部材109に適している。なお、透光性部材109は、光の透過率が高いことが好ましい。そのため、通常は、透光性部材109に、光を反射、吸収又は散乱する添加物は添加されないことが好ましい。しかし、望ましい特性を付与するために、透光性部材109に添加物を添加するのが好ましい場合もある。例えば、透光性部材109の屈折率を調整するため、または硬化前の透光性部材の粘度を調整するために、各種フィラーを添加してもよい。
図3は、第3実施形態の発光装置300の断面図である。
第3実施形態の発光装置300は、波長変換部材106の下面の外周底面に撥油材111を形成した点で第2実施形態とは異なり、その他の構成は第2実施形態と同様である。
以下、第2実施形態と異なる点について説明する。
加えて、透光性部材109を発光素子105と波長変換部材106の接着剤として使用するときに、透光性部材109の広がりを抑制し発光素子105を波長変換部材106の中心に位置合わせしやすくなり、さらには透光性部材109の逆テーパー形状の形成時の形状バラツキを抑えることができる。
尚、撥油材としては特に限定する物では無いが、フッ素系材料等が利用可能である。
また、第1〜第3実施形態の発光装置において、発光素子105及び波長変換部材106に含有させる蛍光体を種々組み合わせることにより、各種発光色を発光させることができる発光装置を提供することができる。
したがって、第1〜第3実施形態の発光装置によれば、広配光でかつ各種発光色の発光が可能な発光装置を提供することができる。
図5は、第4実施形態の発光モジュール400の断面図である。
第4実施形態の発光モジュール400は、基体401上に第1実施形態と同様に構成された発光装置100が複数設けられ、各発光装置100の間に光反射部材410が配置された集積型発光装置である。また、発光装置100及び光反射部材410の上方には、発光素子105の上面と略平行になるように発光素子105からの光を拡散するための光拡散板411が配置されている。
しかしながら、第4実施形態の発光モジュール400は、バットウイング配光特性を有する複数の発光装置100と、隣接する発光装置100間に配置された光反射部材410を備えることにより、発光素子間の光量を光反射部材410による反射光で補うことができるので、より小さなOD/Pitchであっても光拡散板411の面上での輝度ムラを小さくできる。
光反射部材410は、上述したように、隣接する発光装置100の間に設置される。
材料としては、少なくとも発光装置100からの光を反射する材料であれば特に材料は限定されない。たとえば金属板や白色フィラー含有樹脂を好適に用いることができる。
また、光反射部材の反射面として誘電体多層膜を用いることで、吸収の少ない反射面を得ることも出来る。加えて、膜の設計で反射率を任意に調整出来、また、角度により反射率を制御することも可能となる。
101 基体
102 導体配線
103 接続部材
104 絶縁部材
105 発光素子
106 波長変換部材
107 光反射膜
108 白色部材
109 透光性部材
110 封止部材
111 撥油材
Claims (13)
- 導体配線を有する基体と、
前記基体に実装され、第1の光を発光する発光素子と、
前記発光素子の上面に設けられ、該上面の面積よりも大きい底面を有し、該底面が前記発光素子の上面に対向する内側底面と該内側底面の周りを囲む外周底面とを有し、前記第1の光の少なくとも一部を吸収して前記第1の光より長波長の光を発光する波長変換部材と、
前記波長変換部材の上面に設けられた光反射膜と、
前記発光素子、前記波長変換部材及び光反射膜を被覆する封止部材と、
前記外周底面の下に設けられ前記発光素子の側面を覆う透光性部材と、
前記透光性部材の外側で前記発光素子の側面を覆う白色部材と、
を含む発光装置。 - 前記透光性部材の表面は、前記波長変換部材から離れるにしたがって前記発光素子の側面に近づくように傾斜した傾斜面である請求項1に記載の発光装置。
- 前記傾斜面を覆いかつ前記透光性部材より低い屈折率を有する部材を有する請求項2に記載の発光装置。
- 前記封止部材の幅(W)に対する高さ(H)の比(H/W)が0.5より小さい請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記封止部材の表面は凸状の曲面で形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記光反射膜が、誘電体多層膜で形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光装置が出射する光の全光量の30%以上が、前記基体の上面に対して仰角20゜未満の方向に出射される請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光装置が出射する光の全光量の40%以上が、前記基体の上面に対して仰角20゜未満の方向に出射される請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記封止部材の幅(W)に対する高さ(H)の比(H/W)が0.3以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子はフリップチップ実装されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光装置を複数備え、前記発光装置間にそれぞれ光反射部材が配置されている集積型発光装置。
- 前記光反射部材の高さが、前記発光装置間の距離の0.3倍以下である請求項11に記載の集積型発光装置。
- 前記光反射部材の高さが、前記発光装置間の距離の0.2倍以下である請求項11に記載の集積型発光装置。
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