JP7007576B2 - レーザ加工装置 - Google Patents
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Description
このようなレーザ加工装置では、上記第1、第2回転体を回転させることにより上記ノズルを任意の方向に向けるとともに、上記ノズルを被加工物に対して相対移動させることで、被加工物を所要の形状に加工するようになっている。
しかしながら、上記支持枠には上記第1、第2回転体やノズル、並びに第1、第2モータといった複数の部材が設けられていることから、これらを加工の際やティーチングのために移動させると、上記ノズル等が何らかの物体に接触して破損する恐れがある。
そこで、上記第1、第2回転体やノズルなどを上記支持枠に対して揺動可能に設けた揺動フレームに設けて、上記ノズル等が物体に接触した場合には上記揺動フレームを揺動させて損傷を防止するものが知られている(特許文献1)。
このとき、上記揺動フレームが揺動すると当該揺動フレームの上方に突出した突出部分も揺動するため、当該突出部分が揺動する範囲には空間を確保して干渉を防止する必要がある。
このようなレーザ光照射手段を上記特許文献1のような揺動フレームを備えたレーザ加工装置に適用する場合、上記コリメータを上記揺動フレームによって揺動する第1回転体の先端に連結する構成が考えられる。
しかしながら、第1回転体の先端に上記コリメータを固定すると、上記揺動フレームからの突出部分がコリメータの先端までとなるため、揺動フレームが揺動した際の当該突出部分の振れ幅が大きくなることから、当該突出部分の干渉を防止するための空間を確保するため、装置が大型化するという問題が考えられる。
このような問題に鑑み、本発明は揺動フレームからの突出部分を小さくして、コンパクトに設計することが可能なレーザ加工装置を提供するものである。
上記レーザ光照射手段は、レーザ光を発振するレーザ発振器と、当該レーザ発振器に接続された光ファイバと、当該光ファイバの端部に接続されてレーザ光をコリメートしてから上記第1回転体に入射させるコリメータとを有し、
上記コリメータを上記支持枠に固定するととともに、上記コリメータと第1回転体との間に隙間を設けたことを特徴としている。
このため、揺動フレームが揺動した際における突出部分の振れ幅を小さくすることができ、干渉を防止するための空間を小さくできることから、装置を小型化することが可能となる。
上記移動手段5は、上記加工ヘッド4を鉛直方向並びに水平面内において往復動させるヘッド移動部5aと、上記加工テーブル3を上記加工ヘッド4の往復動方向に対して直交する方向に往復動させるテーブル移動部5bとから構成され、加工ヘッド4と被加工物Wとを相対移動させるようになっている。
なお、このような移動手段5は従来公知であり、上記加工テーブル3を固定し、加工ヘッド4を水平面内において縦横および鉛直方向に移動可能にすることも可能である。
レーザ発振器2aは移動しないように加工テーブル3の外部に設置することが可能であり、これに対し、コリメータ2cは上記加工ヘッド4と共に移動手段5のヘッド移動部5aによって移動可能となっている。
そして、上記レーザ発振器2aが発振したレーザ光Lは可撓性を有する上記光ファイバ2bによって上記コリメータ2cまで導光され、上記コリメータ2cはレーザ光Lをコリメート(平行光化)してから、上記加工ヘッド4に入射させるようになっている。
ただし、上記コリメータ2cより照射されたレーザ光Lは、依然として拡がろうという性質を有しているため、コリメータ2cから照射されたレーザ光Lが被加工物Wに照射されるまでの光路を極力短くすることが望ましい。
上記ハウジング11は、下方に設けられて上記揺動フレーム12を保持する底面11aと、底面11aの上方に設けられた天面11bと、これら底面11aおよび天面11bとの間に設けられた側面11cとによって構成され、その内部が外部より隔離されて塵等の進入を防止するようになっている。
上記レーザ光照射手段2のコリメータ2cは、上記天面11bの上部に固定されており、当該天面11bに穿設された貫通孔を介してレーザ光Lをハウジング11の内部に向けて鉛直方向下方に照射するようになっている。
図2に示すように、各保持手段19は、上記揺動フレーム12より上方に向けて突出する位置決めボルト21と、上記底面11aの上面に設けられた略L字形のブラケット22と、上記位置決めボルト21の上端部に装着された位置決めナット23と、上記揺動フレーム12とブラケット22との間に弾装されたばね24とから構成されている。
上記位置決めボルト21は上記揺動フレーム12を上下に貫通するように設けられ、その上端が上記ブラケット22に穿設されたテーパ穴22aを通過して上方に突出するように設けられている。
上記ブラケット22は上記底面11aに固定されており、当該ブラケットに穿設された上記テーパ穴22aには、上方に向けて拡径するように形成された略半球状のテーパ面が形成されている。
上記位置決めナット23は、上記ブラケット22のテーパ穴22aより上方に突出した上記位置決めボルト21の先端に螺着され、当該位置決めナット23の下部には半球状のテーパ形状23aが形成されている。
さらに、上記ばね24は上記揺動フレーム12の上面と上記ブラケット22の底面11aとの間に弾装されるとともに、上記位置決めボルト21を囲繞するように設けられ、当該ばね25により揺動フレーム12を下方へと付勢するようになっている。
この状態では、ばね24が揺動フレーム12を下方に向けて付勢しているため、加工ヘッド4が移動手段5によって移動しても、振動による揺動フレーム12の揺動が防止されるようになっている。
しかしながら、上記加工ヘッド4における上記揺動フレーム12よりも下方に突出した部分、例えば上記ノズル17が何らかの物体に接触すると、揺動フレーム12が所要の部分を支点にして他の部分が浮き上がるように揺動し、上記ばね24の付勢力に抗して位置決めボルト21が上記ブラケット22のテーパ穴22aより離脱することとなる。
このようにして上記揺動フレーム12が揺動することで、上記ノズル17等が物体に衝突した衝撃を逃がすことができ、加工ヘッド4および物体の損傷を防止することができる。
一方、揺動した揺動フレーム12は作業者の手作業によって原位置へと復帰されるようになっているが、その際の位置決めは上記位置決めナット23のテーパ形状23aがブラケット22のテーパ穴22aのテーパ面に密着することにより、高精度に行うことが可能となっている。
上記揺動フレーム12が揺動していない状態では、上記検出片20bは上記センサ20aの下方に位置しており、この状態から揺動フレーム12が揺動して傾斜し、位置決めナット23がブラケット22に対して上方に離脱すると、上記検出片20bがセンサ20aの前方に位置してセンサ20aがこれを検出するようになっている。
センサ20aが検出信号を制御手段に送信すると、制御手段は揺動フレーム12が揺動したものと判断して、直ちに上記レーザ光照射手段2によるレーザ光Lの照射を停止させ、またレーザ加工装置1を緊急停止させるようになっている。
なお、上記センサ20aとしては、近接センサの他、光や超音波を用いるセンサであってもよい。
上記保持手段19によって上記揺動フレーム12が保持されている状態では、当該揺動フレーム12は上記リング状ブラケット25に接触せず、その外周縁が上記シール材26に密着するようになっている。
これにより、上記底面11aと揺動フレーム12との隙間から上記ハウジング11の内部に形成された空間への塵等の侵入が防止されるようになっている。
上記スリップリング32の上端は上記ハウジング11の天面11bに接近するように設けられ、また天面11bに固定されたレーザ光照射手段2のコリメータ2cの真下に位置し、第1回転体13の回転軸がコリメータ2cより照射されるレーザ光Lの光軸に一致するように設けられている。
上記第1モータ14は揺動フレーム12を上下に貫通するように設けられ、揺動フレーム12の上方側に設けられた駆動軸には第1ギヤ34と噛合するギヤが設けられている。
一方、上記第1モータ14のケース14aは揺動フレーム12の下方に突出しており、当該ケース14aは上記第1回転体13の筒状体31とともに、揺動フレーム12の下面に固定されたケーシング35の内部に収容されるようになっている。
このような構成により、上記外筒32aが内筒32bに対して回転するのを許容しつつ、上記電極およびブラシを介して上記内筒32bと外筒32aとの間で電気を流通させることが可能となっている。
本実施例において、上記外筒32aは上記揺動フレーム12に固定された保持部材12aに固定されており、当該外筒32aにはハウジング11の外部より電力を供給する導線36が接続されている。
上記内筒32bは上記筒状体31の上端部に連結固定され、内筒32bと筒状体31とが一体的に回転するようになっており、また上記内筒32bには図示しない導線を介して第1回転体13とともに回転する上記第2モータ16や図示しないセンサが接続されており、第1回転体13が回転しても電力を供給するようになっている。
上記第1回転体13の筒状体31の下端部には上記第2モータ16が固定されており、上述したように上記第1回転体13のスリップリング32を介して供給された電力によって駆動するようになっている。
そして上記第2回転体15には上記第2モータ16によって駆動される第2ギヤ38が設けられており、これにより第2回転体15は水平方向を向いた回転軸を中心に回転するようになっている。
そして上記導光手段18は、上記第1回転体13の先端および第2回転体15の先端に装着された反射ミラー18a、18bによって構成され、それぞれレーザ光Lを直角に反射させるようになっている。
上述したように上記レーザ光照射手段2のコリメータ2cは第1回転体13のスリップリング32の上方に固定されており、当該コリメータ2cから照射されたレーザ光Lは、上記第1回転体13のスリップリング32に入射した後、反射ミラー18a、18bによって反射しながら第1、第2回転体13、15を通過し、その後上記ノズル17の集光レンズ17aによって集光されて、被加工物Wに照射されるようになっている。
このため、コリメータ2cと第1回転体13におけるスリップリング32との間には隙間gが形成され、上記揺動フレーム12の揺動による第1回転体13とコリメータ2cとの相対移動を許容するようになっている。
一方、上記隙間gには塵を含んだ外気が流通し、レーザ光Lを減衰させる恐れがあることから、上記ハウジング11の天面11bの下面と、上記スリップリング32の内筒32bの上端部との間に、ゴムやシリコン樹脂などの可撓性材料からなる筒状の接続部材41を設けて、上記隙間gを外部より遮断するようになっている。
上記接続部材41は蛇腹状を有しており、上記第1回転体13が移動してもこれに伴って変形し、コリメータ2cと第1回転体13との接続状態を維持するようになっている。
このため、ハウジング11の内部には上記揺動フレーム12の揺動に伴って上記突出部分が移動すると想定される範囲には、これら突出部分が干渉しないような空間を形成する必要がある。
本実施例において、最大の振れ幅を示すのは当該突出部分の上端部、すなわち第1回転体13を構成するスリップリング32の頂部となるため、ハウジング11の内部には少なくともスリップリング32の振れ幅に合わせて空間を設ける必要がある。
これに対し、上記コリメータ2cを上記第1回転体13のスリップリング32の外筒32aに固定した場合、上記揺動フレーム12から突出部分の先端までの距離は、上記コリメータ2cの頂部ないし当該コリメータ2cに接続された光ファイバまでの距離D’となり(実際には図示D’よりも上記接続部材41の長さを除いた距離)、本実施例の構成に対して長くなる。
このように揺動フレーム12からの突出部分の距離が長くなると、揺動フレーム12が揺動した場合における振れ幅が大きくなってしまい、干渉を避けるためにハウジング11の内部に大きな空間を設けなければならず、加工ヘッド4が大型化するという問題が生じる。
つまり、本実施例のレーザ加工装置1は、コリメータ2cをハウジング11に固定することで、コリメータ2cを第1回転体13に接続した場合に比べて加工ヘッド4をコンパクトに設計することが可能となっている。
また、上記コリメータ2cと第1回転体13との間に接続部材41を設けたことで、通常の加工時にはレーザ光Lの光路を上記接続部材41によって外部から遮蔽することができ、また揺動フレーム12が揺動してもコリメータ2cと第1回転体13との相対移動を許容することができる。
2c コリメータ 4 加工ヘッド
11 ハウジング(支持枠) 12 揺動フレーム
13 第1回転体 15 第2回転体
17 ノズル 19 保持手段
L レーザ光 g 隙間
Claims (2)
- レーザ光を照射するレーザ光照射手段と、支持枠と被加工物とを相対移動させる移動手段と、上記支持枠に対して揺動可能に設けられた揺動フレームと、上記揺動フレームに回転自在に軸支された中空状の第1回転体と、上記揺動フレームに設けられて上記第1回転体を回転駆動する第1モータと、上記第1回転体の先端に回転自在に軸支された中空状の第2回転体と、上記第2回転体を回転駆動する第2モータと、上記第2回転体の先端に設けられたノズルと、上記レーザ光照射手段が照射したレーザ光を上記第1回転体および第2回転体の内部を通過させて上記ノズルまで導光する導光手段と、上記揺動フレームを上記支持枠に保持する保持手段と、上記揺動フレームの揺動を検出する検出手段とを備えたレーザ加工装置において、
上記レーザ光照射手段は、レーザ光を発振するレーザ発振器と、当該レーザ発振器に接続された光ファイバと、当該光ファイバの端部に接続されてレーザ光をコリメートしてから上記第1回転体に入射させるコリメータとを有し、
上記コリメータを上記支持枠に固定するととともに、上記コリメータと第1回転体との間に隙間を設けたことを特徴とするレーザ加工装置。 - 上記コリメータと上記第1回転体との隙間に、可撓性材料からなる筒状の接続部材を設けて、当該接続部材により上記コリメータと第1回転体とを外気を遮断した状態で接続することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
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