JP6630763B2 - レーザ加工機におけるノズル芯出し装置及びノズル芯出し方法 - Google Patents

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Description

本開示は、レーザビームによって板金を加工するレーザ加工機におけるノズル芯出し装置及びノズル芯出し方法に関する。
レーザ発振器より射出されたレーザビームによって板金を切断して、所定の形状を有する製品を製作するレーザ加工機が普及している。板金を良好に加工するには、加工ヘッドの先端に装着されているノズルの円形の開口の中心点にレーザビームを位置させるよう調整することが必要である(特許文献1または2参照)。レーザビームを開口の中心点に位置させることをノズルの芯出しと称している。
特開2003−225787号公報 特開2011−115806号公報
ノズルの開口の中心点にレーザビームを位置させるよう調整する調整方法として、次のような方法が用いられている。集束レンズまたはノズルをレーザビームの光軸と直交する方向に移動させる調整機構が設けられる。オペレータは、レーザビームが開口の中心点に位置するように調整機構によって集束レンズまたはノズルを移動させる。一例として、オペレータは、ノズルの先端にテープを貼って低パワーのレーザビームを照射して、レーザビームが開口の中心点に位置しているか否かを確認する。
確認の結果、レーザビームが開口の中心点に位置していなければ、調整機構による集束レンズまたはノズルの移動を繰り返す。確認の結果、レーザビームが開口の中心点に位置していれば、ノズルの芯出しが完了する。
このような手作業によるノズルの芯出し作業、及び、レーザビームが開口の中心点に位置しているか否かの目視による確認作業は煩雑である。ノズルの芯出し作業を正確に行うにはオペレータの熟練度を高める必要があり、熟練度の低いオペレータにとっては容易ではない。ノズルの芯出しを自動化することが望まれる。
1またはそれ以上の実施形態は、ノズルの芯出しを自動化することができるレーザ加工機におけるノズル芯出し装置及びノズル芯出し方法を提供することを目的とする。
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様によれば、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出されるレーザビームを変位させるビーム変位機構と、前記開口より射出されたレーザビームが入射され、入射されるレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成する光センサと、前記ビーム変位機構によるレーザビームの変位を制御するビーム変位制御部と、前記ビーム変位制御部が前記ビーム変位機構によるレーザビームの変位を制御してレーザビームが前記ノズルの内周面に接する前記開口の端部の少なくとも点に照射されたとき、前記光センサが生成したセンサ出力値に基づいて前記少なくとも点の位置を検出し、検出した前記少なくとも点の位置に基づいて、前記開口の中心点を算出する中心算出部とを備え、前記ビーム変位制御部は、レーザビームを第1の方向に変位させるよう前記ビーム変位機構を制御し、前記中心算出部は、レーザビームが前記第1の方向に変位されたときの前記開口の端部の第1及び第2の点を検出して、前記第1及び第2の点を結ぶ第1の線の第1の中央位置を算出し、前記ビーム変位制御部は、レーザビームを前記第1の中央位置を通って前記第1の線と直交する第2の方向に変位させるよう前記ビーム変位機構を制御し、前記中心算出部は、レーザビームが前記第2の方向に変位されたときの前記開口の端部の第3及び第4の点を検出して、前記第3及び第4の点を結ぶ第2の線の第2の中央位置を前記中心点として算出し、前記ビーム変位制御部は、前記開口より射出されるレーザビームを、前記中心点に位置させるように前記ビーム変位機構を制御し、前記中心点に位置しているレーザビームを前記開口の半径だけ変位させ、前記中心点を中心として周回させるように前記ビーム変位機構を制御し、レーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かに基づいて、前記開口の形状が正常であるか否かを判定する形状判定部をさらに備えるレーザ加工機におけるノズル芯出し装置が提供される。
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様によれば、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出されるレーザビームを変位させるビーム変位機構と、前記開口より射出されたレーザビームが入射され、入射されるレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成する光センサと、前記開口内の任意の位置に位置しているレーザビームを前記開口の半径だけ変位させ、前記任意の位置を中心として周回させるように前記ビーム変位機構を制御するビーム変位制御部と、レーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かを判定し、前記センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定したとき、前記開口の中心点に対する前記任意の位置のずれの方向を算出し、前記センサ出力値が前記設定範囲内に収まっていると判定したとき、レーザビームは前記開口の中心点に位置していると判定するずれ方向算出部とを備えるレーザ加工機におけるノズル芯出し装置が提供される。
1またはそれ以上の実施形態の第3の態様によれば、ビーム変位制御部が、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出されるレーザビームを第1の方向に変位させるようビーム変位機構を制御し、前記ビーム変位機構がレーザビームを前記第1の方向に変位させたときに、光センサが、前記開口より射出されたレーザビームを受光して、受光したレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成し、中心算出部が、前記光センサが生成したセンサ出力値に基づいて、レーザビームが前記第1の方向に変位されたときの前記ノズルの内周面に接する前記開口の端部の第1及び第2の点を検出して、前記第1及び第2の点を結ぶ第1の線の第1の中央位置を算出し、前記ビーム変位制御部が、前記開口より射出されるレーザビームを前記第1の中央位置を通って前記第1の線と直交する第2の方向に変位させるよう前記ビーム変位機構を制御し、前記ビーム変位機構がレーザビームを前記第2の方向に変位させたときに、前記光センサが、前記開口より射出されたレーザビームを受光し、受光したレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成し、前記中心算出部が、前記光センサが生成したセンサ出力値に基づいて、レーザビームが前記第2の方向に変位されたときの前記開口の端部の第3及び第4の点を検出して、前記第3及び第4の点を結ぶ第2の線の第2の中央位置を前記開口の中心点として算出し、前記ビーム変位制御部が、前記開口より射出されるレーザビームを、前記中心点に位置させるよう前記ビーム変位機構を制御し、前記ビーム変位制御部が、前記中心点に位置しているレーザビームを前記開口の半径だけ変位させ、前記中心点を中心として周回させるよう前記ビーム変位機構を制御し、形状判定部が、レーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かに基づいて、前記開口の形状が正常であるか否かを判定するレーザ加工機におけるノズル芯出し方法が提供される。
1またはそれ以上の実施形態の第4の態様によれば、ビーム変位機構が、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口内の任意の位置に位置して前記開口より射出されるレーザビームを、前記開口の半径だけ変位させ、前記任意の位置を中心として周回させ、光センサが、前記開口より射出されたレーザビームを受光し、受光したレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成し、ずれ方向算出部が、レーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かを判定し、記センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定したとき、前記開口の中心点に対する前記任意の位置のずれの方向を算出し、記センサ出力値が前記設定範囲内に収まっていると判定したとき、レーザビームは前記開口の中心点に位置していると判定するレーザ加工機におけるノズル芯出し方法が提供される。
1またはそれ以上の実施形態のレーザ加工機におけるノズル芯出し装置及びノズル芯出し方法によれば、ノズルの芯出しを自動化することができる。
図1は、1またはそれ以上の実施形態のノズル芯出し装置を備えるレーザ加工機の全体的な構成例を示す図である。 図2は、レーザ加工機が備えるコリメータユニット及び加工ヘッドの詳細な構成例を示す斜視図である。 図3は、レーザ加工機が備えるビーム変位機構によるレーザビームの板金への照射位置の変位を説明するための図である。 図4は、レーザ加工機が備える光センサユニットの構成例を示す断面図である。 図5は、実施例1によるノズル芯出し方法の第1の手順を示す概念図である。 図6は、図5に示す第1の手順によるレーザビームの変位及び光センサが生成するセンサ出力値を示す波形図である。 図7は、実施例1の第2の手順を示す概念図である。 図8は、実施例1の第3の手順を示す概念図である。 図9は、実施例1を示すフローチャートである。 図10は、実施例2によるノズル芯出し方法の手順を示す概念図である。 図11は、実施例3によるノズル芯出し方法の手順を示す概念図である。 図12は、実施例4によるノズル芯出し方法の手順を示す概念図である。 図13は、ノズルの開口の形状異常の例を示す概念図である。 図14は、図13に示すノズルの開口の端部に沿ってレーザビームを周回させている状態を示す概念図である。 図15Aは、開口の形状が正常なノズルの開口の端部に沿ってレーザビームを周回させたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図15Bは、図13に示すノズルの開口の端部に沿ってレーザビームを周回させたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図16は、実施例5によるノズル芯出し方法を示すフローチャートである。 図17は、実施例6によるノズル芯出し方法において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点と一致している状態で、開口の端部に沿ってレーザビームを周回させている状態を示す概念図である。 図18は、図17に示すレーザビームの変位及び図17に示すようにレーザビームを変位させたときに光センサが生成するセンサ出力値を示す波形図である。 図19は、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点と一致していない状態で、開口の端部に沿ってレーザビームを周回させている状態を示す概念図である。 図20は、図19に示すレーザビームの変位及び図19に示すようにレーザビームを変位させたときに光センサが生成するセンサ出力値を示す波形図である。 図21Aは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して+X方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図21Bは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して−X方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図21Cは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して+Y方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図21Dは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して−Y方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図21Eは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して+X及び+Y方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図21Fは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して+X及び−Y方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図21Gは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して−X及び+Y方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図21Hは、実施例6において、レーザビームの位置がノズルの開口の中心点に対して−X及び−Y方向にずれたときに生成されるセンサ出力値を示す波形図である。 図22は、実施例6によるノズル芯出し方法を示すフローチャートである。 図23は、実施例6によって設定範囲内に収まっていないセンサ出力値が設定範囲内に収まっていく波形の変化の例を示す波形図である。 図24は、実施例7によるノズル芯出し方法のを示すフローチャートである。 図25は、実施例7によるノズル芯出し方法の一部の手順を示す概念図である。 図26は、実施例8によるノズル芯出し方法を示すフローチャートである。 図27は、実施例8によるノズル芯出し方法の一部の手順を示す概念図である。 図28は、加工ヘッドに取り付けられているノズルのノズル径が加工条件で設定されているノズル径と異なる場合の実施例8によるノズル芯出し方法の一部の手順を示す概念図である。 図29は、実施例9によるノズル芯出し方法を示す概念図である。 図30は、実施例10によるノズル芯出し方法を示す概念図である。 図31は、実施例1〜5、9及び10によるノズル芯出し方法を実行するNC装置の機能的な内部構成例を示すブロック図である。 図32は、実施例6〜8によるノズル芯出し方法を実行するNC装置の機能的な内部構成例を示すブロック図である。 図33は、レーザビームの平行振動パターンを示す図である。 図34は、レーザビームの直交振動パターンを示す図である。
以下、1またはそれ以上の実施形態のレーザ加工機におけるノズル芯出し装置及びノズル芯出し方法について、添付図面を参照して説明する。図1を用いて、1またはそれ以上の実施形態のノズル芯出し装置を備え、1またはそれ以上の実施形態のノズル芯出し方法を実行するレーザ加工機100の全体的な構成及び動作を説明する。
図1において、レーザ加工機100は、レーザビームを生成して射出するレーザ発振器10と、レーザ加工ユニット20と、レーザ発振器10より射出されたレーザビームをレーザ加工ユニット20へと伝送するプロセスファイバ12とを備える。
また、レーザ加工機100は、操作部40と、表示部42と、NC装置50と、加工プログラムデータベース60と、加工条件データベース70と、アシストガス供給装置80と、光センサユニット90とを備える。NC装置50は、レーザ加工機100の各部を制御する制御装置の一例である。
光センサユニット90は、レーザ加工ユニット20における加工テーブル21の端部に隣接した位置に配置されている。光センサユニット90は、後述するノズル36を自動的に交換するノズルチェンジャに設けられていてもよいし、ノズルチェンジャとは独立して設けられていてもよい。光センサユニット90及びNC装置50は、ノズル芯出し装置の一部を構成する。
レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、またはレーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。レーザ発振器10は、例えば、固体レーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)である。
レーザ発振器10は、波長900nm〜1100nmの1μm帯のレーザビームを射出する。ファイバレーザ発振器及びDDL発振器を例とすると、ファイバレーザ発振器は、波長1060nm〜1080nmのレーザビームを射出し、DDL発振器は、波長910nm〜950nmのレーザビームを射出する。
レーザ加工ユニット20は、加工対象の板金Wを載せる加工テーブル21と、門型のX軸キャリッジ22と、Y軸キャリッジ23と、Y軸キャリッジ23に固定されたコリメータユニット30と、加工ヘッド35とを有する。板金Wはステンレス鋼であっても、軟鋼であってもよく、材料は限定されない。
X軸キャリッジ22は、加工テーブル21上でX軸方向に移動自在に構成されている。Y軸キャリッジ23は、X軸キャリッジ22上でX軸に垂直なY軸方向に移動自在に構成されている。X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23は、加工ヘッド35を板金Wの面に沿って、X軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させる移動機構として機能する。
加工ヘッド35を板金Wの面に沿って移動させる代わりに、加工ヘッド35は位置が固定されていて、板金Wが移動するように構成されていてもよい。レーザ加工機100は、板金Wの面に対する加工ヘッド35の相対的な位置を移動させる移動機構を備えていればよい。
後述するノズル36の芯出し作業時に、移動機構は、加工ヘッド35を光センサユニット90の上方へと移動させる。または、移動機構は、光センサユニット90を加工ヘッド35の下方へと移動させてもよい。
加工ヘッド35には、先端部に円形の開口36aを有し、開口36aよりレーザビームを射出するノズル36が取り付けられている。ノズル36の開口36aより射出されたレーザビームは板金Wに照射される。アシストガス供給装置80は、アシストガスとして、板金Wがステンレス鋼であれば窒素を、板金Wが軟鋼であれば酸素を加工ヘッド35に供給する。板金Wの加工時に、アシストガスは開口36aより板金Wへと吹き付けられる。なお、いずれの鋼種においても、加工意図に応じて窒素と酸素とを含む混合ガスをアシストガスとして用いることができる。
図2に示すように、コリメータユニット30は、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームを平行光(コリメート光)に変換するコリメーションレンズ31を備える。また、コリメータユニット30は、ガルバノスキャナユニット32と、ガルバノスキャナユニット32より射出されたレーザビームをX軸及びY軸に垂直なZ軸方向下方に向けて反射させるベンドミラー33を備える。加工ヘッド35は、ベンドミラー33で反射したレーザビームを集束して、板金Wに照射する集束レンズ34を備える。
集束レンズ34は、光軸方向の位置を調整可能とされている。集束レンズ34は、板金Wに照射されるレーザビームの集束点を調整する集束点調整機構として機能する。
後に詳述するノズル36の芯出し作業によって、レーザ加工機100は、ノズル36の開口36aより射出されるレーザビームが開口36aの中心点に位置するように芯出しされている。芯出し作業の完了後、基準の状態では、レーザビームは開口36aの中心点より射出される。
ガルバノスキャナユニット32は、コリメーションレンズ31より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー321と、スキャンミラー321を所定の角度となるように回転させる駆動部322とを有する。また、ガルバノスキャナユニット32は、スキャンミラー321より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー323と、スキャンミラー323を所定の角度となるように回転させる駆動部324とを有する。
ガルバノスキャナユニット32は、加工ヘッド35内を進行して開口36aより射出されるレーザビームの開口36a内での位置を変位させるビーム変位機構として機能する。ビーム変位機構は、ノズル芯出し装置の一部を構成する。
駆動部322及び324は、NC装置50による制御に基づき、それぞれ、スキャンミラー321及び323を所定の角度範囲で往復振動させることもできる。スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方を往復振動させることによって、ガルバノスキャナユニット32は、板金Wに照射されるレーザビームを振動させることができる。即ち、NC装置50は、板金Wの加工時に、ガルバノスキャナユニット32を、加工ヘッド35内を進行して開口36aより射出されるレーザビームを、開口36a内で振動させるビーム振動機構として機能させることもできる。
ガルバノスキャナユニット32はビーム変位機構及びビーム振動機構の一例であり、ビーム変位機構及びビーム振動機構はガルバノスキャナユニット32に限定されない。
図3は、スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方が傾けられて、板金Wに照射されるレーザビームの位置が変位した状態を示している。ここでは、レーザビームを板金Wに照射した場合を示すが、レーザビームを光センサユニット90に照射した場合も同様である。図3において、ベンドミラー33で折り曲げられて集束レンズ34を通過する細実線は、レーザ加工機100が基準の状態であるときのレーザビームの光軸を示している。
なお、詳細には、ベンドミラー33の手前に位置しているガルバノスキャナユニット32の作動により、ベンドミラー33に入射するレーザビームの光軸の角度が変化し、光軸がベンドミラー33の中心から外れる。図3では、簡略化のため、ガルバノスキャナユニット32の作動前後でベンドミラー33へのレーザビームの入射位置を同じ位置としている。
ガルバノスキャナユニット32による作用によって、レーザビームの光軸が細実線で示す位置から太実線で示す位置へと変位したとする。ベンドミラー33で反射するレーザビームが角度θで傾斜したとすると、板金Wへのレーザビームの照射位置は距離Δsだけ変位する。集束レンズ34の焦点距離をEFL(Effective Focal Length)とすると、距離Δsは、EFL×sinθで計算される。
ガルバノスキャナユニット32がレーザビームを図3に示す方向とは逆方向に角度θだけ傾ければ、板金Wへのレーザビームの照射位置を図3に示す方向とは逆方向に距離Δsだけ変位させることができる。距離Δsは開口36aの半径より長い距離とすることができる。
図4に示すように、光センサユニット90は、保護ガラス91と、フィルタ92と、光センサ93とを備える。保護ガラス91と、フィルタ92と、光センサ93とは、一点鎖線にて示すレーザビームの進行方向に、互いに所定の間隔を有して配置されている。
保護ガラス91は、光センサ93の汚れを防止するために設けられている。保護ガラス91の表面には反射防止コーティングが施されていることが好ましい。フィルタ92は、光センサ93が検出する測定光を透過させて、それ以外を遮断するバンドパスフィルタとして機能する。また、フィルタ92は、測定光を減衰させる減衰フィルタとして機能する。フィルタ92は、入射した測定光のうち、フィルタ92の面にほぼ直交して進行する成分のみを光センサ93に入射させる機能を有していてもよい。また、フィルタ92は、レーザビームの波長を可視光の波長に波長変換して光センサ93に入射させる機能を有していてもよい。
光センサ93は、ノズル36の開口36aの面積よりも大きい面積を有する受光面を備える。光センサ93は、入射するレーザビームの位置(座標)を検出する。光センサ93にレーザビームが入射されると、光センサ93は射されるレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成する。光センサ93は、フォトダイオードで構成することができる。
フィルタ92と光センサ93との間に、拡散板を配置してもよい。光センサユニット90内にベンドミラーを配置して、進行方向を曲げたレーザビームを光センサ93に入射してもよい。光センサユニット90の構成は、図4に示す構成に限定されない。
オペレータが操作部40によって芯出し作業の開始を指示すると、NC装置50は、加工ヘッド35を光センサユニット90の上方へと移動させる。ノズル36の芯出し作業時に、NC装置50は、板金Wの加工時に板金Wに照射するレーザビームのパワーよりも低いパワーのレーザビームを射出するようレーザ発振器10を制御する。
加工ヘッド35は、低パワーのレーザビームを測定光として光センサユニット90に照射する。NC装置50は、光センサユニット90が測定光を検出したセンサ出力値を用いてノズル36の芯出し作業を実行する。光センサユニット90からのセンサ出力値は、必要に応じて、NC装置50内で、または、外部のA/D変換器によってデジタル値に変換されて、芯出し作業を実行するために利用される。以下、芯出し作業の具体的な実施例を説明する。
図5は、ノズル36の内部から開口36a側を見て、レーザビームがノズル36の開口36aを通過する状態を概念的に示している。図7以降のノズル36を示す図においても同様である。図5において、符号LBaは、ノズル36内を進行するレーザビームの開口36aを含む平面におけるビーム断面を示す。レーザビームの位置は、開口36aの中心点36ctrに対して、+X方向及び−Y方向にずれているとする。
NC装置50は、図5に右向き矢印で示すように、レーザビームを例えば+X方向に変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。図6の(a)は、レーザビームの+Xまたは−X方向の位置を示している。図6の(b)は、レーザビームを変位させたときに生成されるセンサ出力値の波形を示している。
図5において、レーザビームが+X方向に変位してノズル36の内周面に到達すると、光センサ93にほとんどレーザビームが照射されなくなるので、図6の(b)に示すように、センサ出力値は0近くまで低下する。NC装置50は、センサ出力値が0近傍に設定した閾値Th以下となった時点の図6の(a)に示すX方向の位置X1が開口36aの一方の端部であると検出する。開口36aの端部とは、開口36aのうち、ノズル36の内周面に接している部分である。
ここで、測定光としてのレーザビームがノズル36の内周面に照射されると、レーザビームはノズル36に吸収されるか、または反射する。ノズル36の内周面で反射したレーザビームは散乱光となる。上記のようにフィルタ92が透過させる測定光の角度選択性を有すれば散乱光は光センサ93にほとんど入射されず、光センサ93が生成するセンサ出力値は0近くまで低下する。フィルタ92が測定光の角度選択性を有していなくても、光センサ93が検出する散乱光の強度は測定光の全光強度のうちのごく一部である。よって、散乱光が光センサ93に入射したときに生成されるセンサ出力値は、測定光が開口36aを通過して光センサ93に入射したときに生成されるセンサ出力値よりも大幅に低下する。
レーザビームがノズル36の内周面に到達したらレーザビームの変位を停止させた後、NC装置50は、図5に左向き矢印で示すように、レーザビームを−X方向に変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。
同様に、レーザビームが−X方向に変位してノズル36の内周面に到達すると、図6の(b)に示すように、センサ出力値は再び0近くまで低下する。NC装置50は、センサ出力値が閾値Th以下となった時点の図6の(a)に示すX方向の位置X2が開口36aの他方の端部であると検出する。
図7に示すように、NC装置50は、位置X1と位置X2とを結ぶ線の中央位置X0を算出し、レーザビームを中央位置X0に変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。図7において、ビーム断面LBaは二点鎖線で示す位置から実線で示す位置へと変位する。
NC装置50は、レーザビームが中央位置X0に位置している状態で、図7に上向き矢印で示すように、レーザビームを、位置X1と位置X2とを結ぶ線と直交する方向の例えば+Y方向に変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。同様に、NC装置50は、センサ出力値が閾値Th以下となった時点のY方向の位置Y1(図8参照)が開口36aの一方の端部であると検出する。
レーザビームがノズル36の内周面に到達したらレーザビームの変位を停止させた後、NC装置50は、図7に下向き矢印で示すように、レーザビームを−Y方向に変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。NC装置50は、センサ出力値が閾値Th以下となった時点のY方向の位置Y2(図8参照)が開口36aの他方の端部であると検出する。
図8に示すように、NC装置50は、位置Y1と位置Y2とを結ぶ線の中央位置Y0を算出する。中央位置Y0は、図5に示す中心点36ctrに相当する。NC装置50は、レーザビームを中央位置Y0に変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。これによって、ノズル36の芯出しが完了する。
図9に示すフローチャートを用いて、実施例1によるノズル芯出し方法を説明する。図9において、NC装置50は、操作部40によって芯出し作業の開始が指示されると、ステップS101にて、加工ヘッド35を光センサユニット90の上方へと移動させる。NC装置50は、ステップS102にて、レーザビーム(測定光)を光センサユニット90に照射する。
NC装置50は、ステップS103にて、レーザビームをガルバノスキャナユニット32によって+X方向へと変位させて、センサ出力値が閾値Th以下となったら、変位を停止させる。NC装置50は、変位を停止させたX方向の位置X1を保持する。NC装置50は、ステップS104にて、レーザビームをガルバノスキャナユニット32によって−X方向へと変位させて、センサ出力値が閾値Th以下となったら、変位を停止させる。NC装置50は、変位を停止させたX方向の位置X2を保持する。
NC装置50は、ステップS105にて、位置X1と位置X2とに基づいてX方向の中央位置X0を算出する。ステップS103とステップS104とは逆であってもよい。NC装置50は、ステップS106にて、レーザビームの位置がX方向の中央位置X0に位置するように、レーザビームをガルバノスキャナユニット32によって変位させる。
NC装置50は、ステップS107にて、レーザビームをガルバノスキャナユニット32によって+Y方向へと変位させて、センサ出力値が閾値Th以下となったら、変位を停止させる。NC装置50は、変位を停止させたY方向の位置Y1を保持する。NC装置50は、ステップS108にて、レーザビームをガルバノスキャナユニット32によって−Y方向へと変位させて、センサ出力値が閾値Th以下となったら、変位を停止させる。NC装置50は、変位を停止させたY方向の位置Y2を保持する。
NC装置50は、ステップS109にて、位置Y1と位置Y2とに基づいてY方向の中央位置Y0を算出する。ステップS107とステップS108とは逆であってもよい。NC装置50は、ステップS110にて、レーザビームの位置がY方向の中央位置Y0に位置するように、レーザビームをガルバノスキャナユニット32によって変位させる。以上の処理によってノズル36の芯出しが完了する。
NC装置50は、ステップS111にて、レーザビームの照射を停止させて、処理を終了させる。図9においては、X方向の中央位置X0を算出した後にY方向の中央位置Y0を算出しているが、Y方向の中央位置Y0を算出した後にX方向の中央位置X0を算出してもよい。NC装置50は、表示部42にノズル36の芯出しが完了した旨を表示して、オペレータに通知してもよい。
図9において、ステップS102からステップS111までの間、レーザビームを照射し続けている必要はない。センサ出力値が閾値Th以下となる位置を検出できればよく、ステップS102からステップS111までの間の適時のタイミングでレーザビームのオンとオフとを切り替えてもよい。
図10において、図示していないレーザビームは開口36a内の任意の位置(当初位置)に位置している。NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを任意の方向に、互いに異なる角度で2回、開口36aの両端部を検出するように変位させる。
図10に示すように、NC装置50は、1回目の変位によって位置P1及びP2を検出して保持し、2回目の変位によって位置P3及びP4を検出して保持する。NC装置50は、位置P1及びP2を結ぶ線の中央位置に直交する直線と、位置P3及びP4を結ぶ線の中央位置に直交する直線との交点P0を開口36aの中心点36ctrと検出する。
NC装置50は、当初位置に位置しているレーザビームを交点P0に位置させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。これによって、ノズル36の芯出しが完了する。
実施例2においては開口36aの端部の4点に基づいて中心点36ctrを検出しているが、図11に示すように、端部の3点に基づいて中心点36ctrを検出することができる。図11に示すように、NC装置50は、1回目の変位によって位置P5及びP6を検出して保持し、例えば位置P5を通る2回目の変位によって位置P7を検出して保持する。NC装置50は、位置P5及びP6を結ぶ線の中央位置に直交する直線と、位置P5及びP7を結ぶ線の中央位置に直交する直線との交点P0を開口36aの中心点36ctrと検出する。
NC装置50は、当初位置に位置しているレーザビームを交点P0に位置させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。これによって、ノズル36の芯出しが完了する。
図12に示すように、NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを任意の方向に、開口36aの端部の2点を検出するように変位させる。NC装置50は、1回目の変位によって位置P11及びP12を検出して保持する。1回目の変位はX方向であってもよいし、Y方向であってもよい。
NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを、位置P12を通り、位置P11及びP12を結ぶ線と直交する方向に、開口36aの端部を検出するように変位させる。NC装置50は、2回目の変位によって位置P13を検出して保持する。
NC装置50は、位置P11と位置P13とを結ぶ線の中央位置P0を算出して、開口36aの中心点36ctrを検出する。NC装置50は、当初位置に位置しているレーザビームを中央位置P0に変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。これによって、ノズル36の芯出しが完了する。
以上説明した実施例1〜4においては、ノズル36の芯出し作業のみを実行したが、ノズル36の芯出しを完了させた後に、ノズル36(開口36a)の形状の異常を検出するようにしてもよい。図13は、開口36aの形状の異常の例を示している。ノズル36の内周面に異物37が付着し、ノズル36の内周面の一部が欠けて窪み38が形成されている。例えば、異物37は板金Wの加工時に飛散した溶融金属が付着して固化したスパッタであり、窪み38は飛散した溶融金属がノズル36の内周面をえぐることによって形成される。
図14に示すように、NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、開口36aの中心点36ctrに位置しているレーザビームを開口36aの半径rだけ例えば+X方向に変位させる。ここでの半径rの距離とは、ビーム断面LBaが位置している開口36aを含む平面における距離である。レーザビームを開口36aの半径rだけ変位させると、レーザビームのほぼ半分の光がノズル36の内周面で遮られる状態となる。
半径rの距離とは厳密な半径rの距離に限定されるものではなく、半径rに相当するある幅を持った距離のうち、選択された距離であってもよい。ノズル36の形状に応じて、最適な半径rが異なっていてもよい。
NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを、中心点36ctrを中心として少なくとも1周、周回させた後に、中心点36ctrに戻す。
なお、レーザビームをガルバノスキャナユニット32によって変位させると、レーザビームは開口36aを含む平面に対して直角ではない所定の角度を有して光センサユニット90に向けて進行していく。よって、レーザビームが開口36aの半径rだけ変位した位置は、光センサ93によって、レーザビームが半径rにわずかな距離を加算した距離だけ変位した位置として検出される。
図15Aに示すように、ノズル36の内周面に異物37または窪み38がなく、開口36aの形状が正常であれば、レーザビームを周回させる時刻t1から時刻t2までの時間において、センサ出力値はほぼ一定となる。NC装置50は、センサ出力値が閾値Th1〜Th2の設定範囲内であれば、ノズル36は正常であると判定する。
図15Bに示すように、ノズル36の内周面に異物37または窪み38が存在して、開口36aの形状が異常であれば、時刻t1から時刻t2までの時間において、センサ出力値はほぼ一定とならず、閾値Th1を超えたり、閾値Th2を下回ったりすることがある。異物37が存在すると遮られるレーザビームが多くなるので、センサ出力値に閾値Th2を下回る凹部370が生じ、窪み38が存在すると遮られるレーザビームが少なくなるので、センサ出力値に閾値Th1を超える凸部380が生じる。
NC装置50は、センサ出力値が閾値Th1〜Th2の設定範囲内になければ、ノズル36は異常であると判定する。
図16に示すフローチャートを用いて、実施例5によるノズル36の形状異常の検出方法を説明する。形状異常の検出開始が指示される前に、実施例1〜4のいずれかによってノズル36の芯出しが完了しているとする。図16において、NC装置50は、操作部40によって形状異常の検出開始が指示されると、ステップS501にて、ノズル径(開口36aの直径)を取得する。NC装置50は、加工条件データベース70に記憶されていて操作部40によって選択された加工条件によって、ノズル径を取得することができる。
NC装置50は、ステップS502にて、加工ヘッド35を光センサユニット90の上方へと移動させる。NC装置50は、ステップS503にて、レーザビーム(測定光)を光センサユニット90に照射する。ノズル36の芯出し作業に続けてノズル36の形状異常を検出する場合には、ステップS502(またはステップS502及びS503)は省略される。
NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、ステップS504にて、レーザビームを開口36aの半径rだけ+X方向に変位させ、ステップS505にて、レーザビームを周回させてセンサ出力値を取得する。ステップS504にてレーザビームを半径r分の距離変位させる方向は+X方向に限定されず、任意の方向でよい。
NC装置50は、ステップS506にて、センサ出力値が設定範囲内にあるか否かを判定する。センサ出力値が設定範囲内にあれば(YES)、NC装置50は、ステップS507にて、ノズル36は正常であることを通知して、処理をステップS509に移行させる。センサ出力値が所定の範囲内になければ(NO)、NC装置50は、ステップS508にて、ノズル36は異常であることを通知して、処理をステップS509に移行させる。一例として、NC装置50は、表示部42にノズル36が正常であるか異常であるかの判定結果を表示すればよい。
NC装置50は、ステップS509にて、レーザビームをノズル36の中心点36ctrに戻し、ステップS510にて、レーザビームの照射を停止して、処理を終了させる。
図17に示すように、ノズル36の芯出しが完了しており、レーザビームが開口36aの中心点36ctrに位置しているとする。図18の(a)に示すように、NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを開口36aの半径だけ+X方向に変位させて周回させた後に中心点36ctrに戻す。すると、図18の(b)に示すように、レーザビームを周回させる時刻t1から時刻t2までの時間において、センサ出力値は閾値Th1〜Th2の設定範囲内のほぼ一定値Vmとなる。ここでは、ノズル36の内周面に異物37または窪み38はなく、ノズル36の形状は正常であるとする。
図19は、ノズル36の芯出し前の状態で、レーザビームが開口36aの中心点36ctrに位置していない状態の一例を示している。図19は、レーザビームが中心点36ctrに対して+X及び+Y方向に変位した状態を示している。図17と同様に、図20の(a)に示すようにレーザビームを周回させると、時刻t1から時刻t2までの時間においてセンサ出力値は一定値Vmとはならず、ノズル36の内周面によって遮られてセンサ出力値が小さくなる範囲と、遮られずにセンサ出力値が大きくなる範囲が発生する。
光センサユニット90におけるフィルタ92を、測定光における特定の波長のみを透過させ、直進する光のみを光センサ93に入射させるように構成する。すると、図20の(b)に示すように、センサ出力値を最大値Vmaxと最小値Vminとが明確な波形とすることができる。レーザビームが開口36aの中心点36ctrに位置していないとき、センサ出力値は閾値Th1〜Th2の設定範囲内に収まらない。
レーザビームが中心点36ctrからずれる方向によって、センサ出力値が小さくなる範囲と大きくなる範囲が変化するから、最大値Vmaxと最小値Vminの位置に基づいてレーザビームのずれの方向を判別できる。
図21A〜図21Dは、それぞれ、レーザビームが、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向にずれたときのセンサ出力値の波形を示している。図21E〜図21Hは、それぞれ、レーザビームが、+X及び+Y方向、+X及び−Y方向、−X及び+Y方向、−X及び−Y方向にずれたときのセンサ出力値の波形を示している。図21Eは、図20の(b)と同じである。
NC装置50は、図21A〜図21Hに示すようなセンサ出力値の波形に基づいて、レーザビームのずれの方向を算出することができる。仮に、センサ出力値に最大値Vmaxと最小値Vminの位置が明確に現れない場合であっても、センサ出力値が小さくなる範囲の中央位置をずれの方向とすることができる。
図22に示すフローチャートを用いて、実施例6によるノズル36のノズル芯出し方法を説明する。レーザビームは開口36a内の任意の位置である当初位置に位置している。NC装置50は、芯出し作業の開始が指示されると、ステップS601にて、ノズル径を取得する。NC装置50は、ステップS602にて、加工ヘッド35を光センサユニット90の上方へと移動させる。NC装置50は、ステップS603にて、レーザビーム(測定光)を光センサユニット90に照射する。
NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、ステップS604にて、当初位置に位置しているレーザビームを開口36aの半径rだけ+X方向に変位させ、ステップS605にて、レーザビームを周回させてセンサ出力値を取得する。ステップS604にてレーザビームを半径r分の距離変位させる方向は+X方向に限定されず、任意の方向でよい。
NC装置50は、ステップS606にて、センサ出力値が設定範囲内にあるか否かを判定する。センサ出力値が設定範囲内にあれば、当初位置は開口36aの中心点36ctrということであり、センサ出力値が設定範囲内になければ、当初位置は開口36aの中心点36ctrとずれているということである。センサ出力値が設定範囲内にあれば(YES)、NC装置50は、ステップS609にて、レーザビームをノズル36の中心点36ctrに戻し、ステップS610にて、レーザビームの照射を停止して、処理を終了させる。
ステップS606にてセンサ出力値が設定範囲内になければ(NO)、NC装置50は、ステップS607にて、ずれの方向としての角度θaを算出する。NC装置50は、ステップS608にて、ガルバノスキャナユニット32によって、当初位置に位置しているレーザビームを所定の距離だけずれを低減させる方向に変位させて、処理をステップS604に戻す。具体的には、NC装置50は、レーザビームを、算出されたずれの方向とは反対方向である角度(θa+180)の方向に変位させればよい。ステップS608における所定の距離は例えば0.02mmである。
NC装置50がステップS604〜S608の処理を繰り返すことにより、レーザビームの回転中心位置は開口36aの中心点36ctrにほぼ一致し、センサ出力値は設定範囲内となる。これにより、ステップS606にてセンサ出力値が設定範囲内にあると判定され、ステップS609及びS610を経て、ノズル36の芯出しが完了する。
図23は、レーザビームの当初位置が開口36aの中心点36ctrとずれていて、NC装置50がステップS604〜S608の処理を繰り返すことにより、設定範囲内に収まっていないセンサ出力値が設定範囲内に収まっていく波形の変化の例を示している。図23の(a)は、図21Gに示す−X及び+Y方向にずれたときのセンサ出力値の波形を例としている。
NC装置50がステップS604〜S608の処理を繰り返すことにより、図23の(a)に示す波形は図23の(b)に示すように振幅が小さくなっていく。NC装置50がさらにステップS604〜S608の処理を繰り返すことにより、図23の(b)に示す波形は図23の(c)に示すように振幅がさらに小さくなって設定範囲内に収まる。
図24に示すフローチャートを用いて、実施例7によるノズル36のノズル芯出し方法を説明する。レーザビームは開口36a内の任意の位置である当初位置に位置している。図24に示すステップS701〜S707は、図22に示すステップS601〜S607と同じであり、説明を省略する。
NC装置50は、ステップS708にて、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームをセンサ出力値が設定範囲内の値となるまで角度θaの方向に変位させて、距離L1を算出する。NC装置50は、距離L1を算出したらレーザビームを元の位置に戻す。NC装置50は、ステップS709にて、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームをセンサ出力値が設定範囲内の値となるまで角度θaとは反対方向に変位させて、距離L2を算出する。NC装置50は、距離L2を算出したらレーザビームを元の位置に戻す。
図25は、ステップS708及びS709におけるレーザビームの変位、及び、距離L1及びL2の算出の処理の一例を示している。
NC装置50は、ステップS710にて、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを角度θaの方向に距離(L1−L2)/2だけ変位させる。距離(L1−L2)/2は負の値となるので、レーザビームの位置は角度θaとは反対方向に変位される。これによって、レーザビームは開口36aの中心点36ctrへと近付く。
NC装置50は、ステップS711にて、ガルバノスキャナユニット32によってレーザビームを半径(L1+L2)/2で周回させて、センサ出力値を取得する。NC装置50は、ステップS712にて、センサ出力値が設定範囲内にあるか否かを判定する。センサ出力値が設定範囲内にあれば、ステップS707〜S710の処理によってレーザビームが当初位置から中心点36ctrへと変位したということであり、センサ出力値が設定範囲内になければ、レーザビームの変位が不足しているということである。
ステップS712にてセンサ出力値が設定範囲内にあれば(YES)、NC装置50は、ステップS713にて、レーザビームをノズル36の中心点36ctrに戻し、ステップS714にて、レーザビームの照射を停止して、処理を終了させる。
ステップS712にてセンサ出力値が設定範囲内になければ(NO)、NC装置50は処理をステップS707に戻して、ステップS707〜S712の処理を繰り返す。テップS707〜S712の処理を繰り返すことにより、レーザビームは当初位置から中心点36ctrへと変位し、ステップS713及びS714を経て、ノズル36の芯出しが完了する。
図26に示すフローチャートを用いて、実施例8によるノズル36のノズル芯出し方法を説明する。レーザビームは開口36a内の任意の位置である当初位置に位置している。図26に示すステップS801〜S807は、図22に示すステップS601〜S607と同じであり、説明を省略する。
NC装置50は、ステップS808にて、センサ出力値の最大値Vmaxと最小値Vminとの平均値Vaを算出する。NC装置50は、ステップS809にて、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームをセンサ出力値が平均値Vaとなるまで角度θaの方向に変位させる。レーザビームの位置をセンサ出力値が平均値Vaとなるまで角度θaの方向に変位させると、レーザビームはほぼノズル36の内周面に到達する。
NC装置50は、ステップS810にて、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを、ステップS809で変位させた位置から、角度θaとは反対方向に開口36aの半径rだけ変位させる。図27は、ステップS809及びS810におけるレーザビームを変位させる処理の一例を示している。
NC装置50は、ステップS811にて、ガルバノスキャナユニット32によってレーザビームを周回させてセンサ出力値を取得する。NC装置50は、ステップS812にて、センサ出力値が設定範囲内にあるか否かを判定する。センサ出力値が設定範囲内にあれば、レーザビームは当初位置から中心点36ctrへと変位したということであり、センサ出力値が設定範囲内になければ、レーザビームは中心点36ctrへと変位していないということである。
ステップS812にてセンサ出力値が設定範囲内にあれば(YES)、NC装置50は、ステップS813にて、レーザビームをノズル36の中心点36ctrに戻し、ステップS814にて、レーザビームの照射を停止して、処理を終了させる。
ステップS812にてセンサ出力値が設定範囲内になければ(NO)、NC装置50は、ステップS815にて、センサ出力値が設定範囲外の状態を所定回数繰り返したか否かを判定する。所定回数繰り返していなければ(NO)、NC装置50は、処理をステップS807に戻して、ステップS807〜S812の処理を繰り返す。
加工ヘッド35に取り付けられているノズル36のノズル径が加工条件で設定されているノズル径と同じであれば、NC装置50がテップS807〜S812の処理を繰り返すことにより、レーザビームは中心点36ctrへと変位する。よって、ステップS812にてセンサ出力値が設定範囲内にあると判定され、ステップS713及びS714を経て、ノズル36の芯出しが完了する。
しかしながら、図28に示すように、加工ヘッド35に取り付けられているノズル36のノズル径が加工条件で設定されているノズル径と異なると、NC装置50がステップS807〜S812の処理を繰り返してもレーザビームは中心点36ctrへと変位しない。図28は、加工ヘッド35に取り付けられているノズル36のノズル径が加工条件で設定されているノズル径よりも大きい場合を示しており、大小関係が逆の場合も同様である。加工ヘッド35に取り付けられているノズル36のノズル径が加工条件で設定されているノズル径と異なると、センサ出力値が設定範囲外の状態が繰り返される。
そこで、ステップS815にてセンサ出力値が設定範囲外の状態を所定回数繰り返していれば(YES)、NC装置50は、ステップS816にて、ノズル径が異なることを通知して、処理をステップS813に移行させる。このとき、ステップS813においては、レーザビームを中心点36ctrに戻すのではなく、当初位置または当初位置をわずかに補正した程度の位置に戻せばよい。
実施例8によれば、加工ヘッド35に取り付けられているノズル36のノズル径が加工条件で設定されているノズル径と同じであれば、ノズル36の芯出しを完了させることができる。実施例8によれば、加工ヘッド35に取り付けられているノズル36のノズル径が加工条件で設定されているノズル径と異なれば、オペレータにノズル径が異なることを通知することができる。
図29に示すように、NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、ノズル36の内周面の全体を走査するようにレーザビームを変位させる。これによって、NC装置50は、開口36aの形状、大きさ、及び中心点36ctrを検出することができる。
図30に示すように、NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、ノズル36の内周面の全体を複数の径で円形に走査するようにレーザビームを変位させる。これによって、NC装置50は、開口36aの形状、大きさ、及び中心点36ctrを検出することができる。
実施例1〜5、9及び10によるノズル36の芯出し方法(及び形状異常の判定方法)は、NC装置50を図31に示すように構成することによって実行できる。NC装置50は、機能的な内部構成として、A/D変換器501、データ保持部502、中心算出部503、ビーム変位制御部504、移動機構制御部505、形状判定部506、表示制御部507を有する。
図31において、オペレータが操作部40によって芯出し作業の開始を指示すると、移動機構制御部505は、移動機構であるX軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23の駆動部220及び230を制御して、加工ヘッド35を光センサユニット90の上方へと移動させる。NC装置50は、低パワーのレーザビームを射出するようレーザ発振器10を制御する。移動機構制御部505は、ビーム変位制御部504に加工ヘッド35の移動が完了したことを通知する。
加工ヘッド35が光センサユニット90の上方へと移動してレーザビームが光センサユニット90に照射されると、ビーム変位制御部504は、実施例1〜5、9及び10で説明したように、ノズル36の開口36aより射出されるレーザビームを変位させる。
A/D変換器501は、光センサ93から供給されたセンサ出力値をデジタル信号に変換する。データ保持部502は、デジタル信号に変換されたセンサ出力値を保持する。中心算出部503は、レーザビームが開口36aの端部の少なくとも3点に照射されたとき、データ保持部502に保持されたセンサ出力値に基づいて少なくとも3点の位置を検出し、検出した少なくとも3点の位置に基づいて、開口36aの中心点36ctrを算出する。
また、データ保持部502は、中心点36ctrを算出する過程で必要な位置情報を保持する。実施例1においては、データ保持部502は、位置X0、X1、X2、Y1、Y2を示す情報を保持する。実施例2においては、データ保持部502は、位置P1〜P4を示す情報を保持する。実施例3においては、データ保持部502は、位置P5〜P7を示す情報を保持する。実施例9及び10においては、データ保持部502は、開口36aの端部の複数の点の位置情報を保持する。
ビーム変位制御部504は、開口36aより射出されるレーザビームを、中心算出部503が算出した中心点36ctrに位置させるようにビーム変位機構であるガルバノスキャナユニット32の駆動部322及び324を制御する。これによって、ノズル36の芯出しが完了する。
実施例5のようにノズル36(開口36a)の形状が正常であるか否かを判定する場合には、ビーム変位制御部504は、中心点36ctrに位置しているレーザビームを開口36aの半径rだけ変位させ、中心点36ctrを中心として周回させるように駆動部322及び324を制御する。ビーム変位制御部504には、加工条件データベース70からノズル径を示す情報を取得する。
形状判定部506は、レーザビームが周回しているときに生成されて、データ保持部502から供給されたセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かに基づいて、ノズル36の形状が正常であるか否かを判定する。
表示制御部507は、ノズル36の芯出しが完了したら、表示部42に芯出しが完了したことを示す文字または画像を表示するよう制御してもよい。表示制御部507は、表示部42に形状判定部506による判定結果を示す文字または画像を表示するよう制御してもよい。
実施例6〜8によるノズル36の芯出し方法は、NC装置50を図32に示すように構成することによって実行できる。NC装置50は、機能的な内部構成として、A/D変換器501、データ保持部502、ずれ方向算出部508、ビーム変位制御部504、移動機構制御部505、表示制御部507を有する。図32において、図31と共通部分の説明を省略することがある。
ビーム変位制御部504は、開口36a内の任意の当初位置に位置しているレーザビームを半径rだけ変位させ、その当初位置を中心として周回させるように駆動部322及び324を制御する。ずれ方向算出部508は、レーザビームが周回しているときに生成されて、データ保持部502から供給されたセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かを判定する。ずれ方向算出部508は、センサ出力値が設定範囲内に収まっていると判定すれば、レーザビームは中心点36ctrに位置していると判定する。
ずれ方向算出部508は、センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定すれば、中心点36ctrに対する当初位置のずれの方向を算出する。ビーム変位制御部504は、当初位置に位置しているレーザビームを当初位置からずれの方向とは反対方向へと所定の距離だけ変位させるように駆動部322及び324を制御する。これによって、レーザビームは当初位置から補正位置へと変位する。
同様に、ビーム変位制御部504は、補正位置に位置しているレーザビームを半径rだけ変位させ、その補正位置を中心として周回させるように駆動部322及び324を制御する。ずれ方向算出部508は、センサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かを判定する。ずれ方向算出部508は、センサ出力値が設定範囲内に収まっていると判定すれば、レーザビームは中心点36ctrに位置していると判定する。
ずれ方向算出部508は、センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定すれば、中心点36ctrに対する補正位置のずれの方向を算出する。ビーム変位制御部504は、ずれを低減させる方向に補正位置をさらに変位させるように駆動部322及び324を制御する。ビーム変位制御部504は、ずれ方向算出部508が、センサ出力値が設定範囲内に収まっていると判定するまで、ずれの方向とは反対方向へと補正位置を変位させる制御を繰り返す。これによってレーザビームは当初位置から中心点36ctrへと変位して、ノズル36の芯出しが完了する。
以上のようにノズル36の芯出しが完了した後、レーザ加工機100は、レーザビームによって板金を切断する。前述のように、ガルバノスキャナユニット32は、レーザビームを振動させるビーム振動機構としても機能する。レーザ加工機100は、ガルバノスキャナユニット32によってレーザビームを振動させながら、板金を切断することができる。
図33及び図34は、レーザビームを振動させる振動パターンの例を示している。板金Wの切断進行方向をx方向、板金Wの面内でx方向と直交する方向をy方向とする。図33及び図34は、振動パターンを理解しやすいよう、加工ヘッド35をx方向に移動させない状態での振動パターンを示している。
図33に示すように、ガルバノスキャナユニット32は、NC装置50による制御に基づいて、振動パターンの第1の例として、ビームスポットBsをビームスポットBsの進行によって形成された溝Wk内でx方向に振動させる。この振動パターンを平行振動パターンと称することとする。
レーザビームを振動させない状態で板金Wに形成される溝Wkはカーフ幅K1を有する。レーザビームを平行振動パターンで振動させると、ビームスポットBsは溝Wk内で振動するので、カーフ幅K1は変化しない。
図34に示すように、ガルバノスキャナユニット32は、NC装置50による制御に基づいて、振動パターンの第2の例として、ビームスポットBsをy方向に振動させる。この振動パターンを直交振動パターンと称することとする。直交振動パターンを用いると、溝Wkはカーフ幅K1よりも広いカーフ幅K2となる。
なお、図33に示す平行振動パターン、図34に示す直交振動パターンのいずれも、実際には、加工ヘッド35が切断進行方向に移動しながらレーザビームが振動するので、図33または図34に示す振動パターンに切断進行方向(x方向)の変位を加えた振動パターンとなる。
レーザ加工機100が板金Wを切断する際に、ガルバノスキャナユニット32がレーザビームを振動させるときの図3に示す距離Δsは開口36aの半径r未満の距離であり、好ましくは、開口36aの半径rから所定の余裕量だけ引いた距離を最大距離とした最大距離以下の距離である。
レーザ加工機100が板金Wを切断する際にガルバノスキャナユニット32によって平行振動パターンでレーザビームを振動させると、板金Wを高速に切断することができる。レーザ加工機100が板金を切断する際にガルバノスキャナユニット32によって直交振動パターンでレーザビームを振動させると、板厚が厚くても板金Wを高速に切断面の品質がよく切断することができる。
このように、レーザ加工機100は、板金Wの切断速度を速くしたり、切断面の品質を向上させたりするために、ガルバノスキャナユニット32を備えることがある。この場合、ノズル36の芯出しを実行するため専用にガルバノスキャナユニット32を設ける必要がない。レーザ加工機100がガルバノスキャナユニット32を備える場合には、光センサユニット90を設けて、ソフトウェア(コンピュータプログラム)によってNC装置50に実施例1〜10のいずれかのノズル芯出し方法を実行させればよいため、コストアップはわずかである。
本発明は以上説明した1またはそれ以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。ノズル36の芯出しを、NC装置50とは別のNC装置50と連携する制御装置で実行してもよい。ノズル芯出し装置を構成する際のハードウェアとソフトウェアとの使い分けは任意である。図31または図32に示すNC装置50内の構成を回路(集積回路)で構成してもよい。
10 レーザ発振器
12 プロセスファイバ
20 レーザ加工ユニット
30 コリメータユニット
31 コリメーションレンズ
32 ガルバノスキャナユニット
33 ベンドミラー
34 集束レンズ
35 加工ヘッド
36 ノズル
36a 開口
40 操作部
42 表示部
50 NC装置
60 加工プログラムデータベース
70 加工条件データベース
80 アシストガス供給装置
90 光センサユニット
91 保護ガラス
92 フィルタ
93 光センサ
100 レーザ加工機
321,323 スキャンミラー
322,324 駆動部
W 板金

Claims (6)

  1. 加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出されるレーザビームを変位させるビーム変位機構と、
    前記開口より射出されたレーザビームが入射され、入射されるレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成する光センサと、
    前記ビーム変位機構によるレーザビームの変位を制御するビーム変位制御部と、
    前記ビーム変位制御部が前記ビーム変位機構によるレーザビームの変位を制御してレーザビームが前記ノズルの内周面に接する前記開口の端部の少なくとも点に照射されたとき、前記光センサが生成したセンサ出力値に基づいて前記少なくとも点の位置を検出し、検出した前記少なくとも点の位置に基づいて、前記開口の中心点を算出する中心算出部と、
    を備え、
    前記ビーム変位制御部は、レーザビームを第1の方向に変位させるよう前記ビーム変位機構を制御し、
    前記中心算出部は、レーザビームが前記第1の方向に変位されたときの前記開口の端部の第1及び第2の点を検出して、前記第1及び第2の点を結ぶ第1の線の第1の中央位置を算出し、
    前記ビーム変位制御部は、レーザビームを前記第1の中央位置を通って前記第1の線と直交する第2の方向に変位させるよう前記ビーム変位機構を制御し、
    前記中心算出部は、レーザビームが前記第2の方向に変位されたときの前記開口の端部の第3及び第4の点を検出して、前記第3及び第4の点を結ぶ第2の線の第2の中央位置を前記中心点として算出し、
    前記ビーム変位制御部は、
    前記開口より射出されるレーザビームを、前記中心点に位置させるように前記ビーム変位機構を制御し、
    前記中心点に位置しているレーザビームを前記開口の半径だけ変位させ、前記中心点を中心として周回させるように前記ビーム変位機構を制御し、
    レーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かに基づいて、前記開口の形状が正常であるか否かを判定する形状判定部をさらに備える
    ーザ加工機におけるノズル芯出し装置。
  2. 加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出されるレーザビームを変位させるビーム変位機構と、
    前記開口より射出されたレーザビームが入射され、入射されるレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成する光センサと、
    前記開口内の任意の位置に位置しているレーザビームを前記開口の半径だけ変位させ、前記任意の位置を中心として周回させるように前記ビーム変位機構を制御するビーム変位制御部と、
    レーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かを判定し、前記センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定したとき、前記開口の中心点に対する前記任意の位置のずれの方向を算出し、前記センサ出力値が前記設定範囲内に収まっていると判定したとき、レーザビームは前記開口の中心点に位置していると判定するずれ方向算出部と、
    を備えるレーザ加工機におけるノズル芯出し装置。
  3. 前記ずれ方向算出部が、前記センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定したとき、前記センサ出力値が前記設定範囲内に収まっていると判定するまで、前記ビーム変位制御部は、前記開口内のレーザビームを前記任意の位置から前記ずれ方向算出部によって算出されたずれの方向とは反対方向へと変位させるように前記ビーム変位機構を制御する請求項に記載のレーザ加工機におけるノズル芯出し装置。
  4. ビーム変位制御部が、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出されるレーザビームを第1の方向に変位させるようビーム変位機構を制御し、
    前記ビーム変位機構がレーザビームを前記第1の方向に変位させたときに、光センサが、前記開口より射出されたレーザビームを受光して、受光したレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成し、
    中心算出部が、前記光センサが生成したセンサ出力値に基づいて、レーザビームが前記第1の方向に変位されたときの前記ノズルの内周面に接する前記開口の端部の第1及び第2の点を検出して、前記第1及び第2の点を結ぶ第1の線の第1の中央位置を算出し、
    前記ビーム変位制御部が、前記開口より射出されるレーザビームを前記第1の中央位置を通って前記第1の線と直交する第2の方向に変位させるよう前記ビーム変位機構を制御し、
    前記ビーム変位機構がレーザビームを前記第2の方向に変位させたときに、前記光センサが、前記開口より射出されたレーザビームを受光し、受光したレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成し、
    前記中心算出部が、前記光センサが生成したセンサ出力値に基づいて、レーザビームが前記第2の方向に変位されたときの前記開口の端部の第3及び第4の点を検出して、前記第3及び第4の点を結ぶ第2の線の第2の中央位置を前記開口の中心点として算出し、
    前記ビーム変位制御部が、前記開口より射出されるレーザビームを、前記中心点に位置させるよう前記ビーム変位機構を制御し、
    前記ビーム変位制御部が、前記中心点に位置しているレーザビームを前記開口の半径だけ変位させ、前記中心点を中心として周回させるよう前記ビーム変位機構を制御し、
    形状判定部が、レーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かに基づいて、前記開口の形状が正常であるか否かを判定する
    レーザ加工機におけるノズル芯出し方法。
  5. ビーム変位機構が、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口内の任意の位置に位置して前記開口より射出されるレーザビームを、前記開口の半径だけ変位させ、前記任意の位置を中心として周回させ、
    光センサが、前記開口より射出されたレーザビームを受光し、受光したレーザビームの強度に応じたセンサ出力値を生成し、
    ずれ方向算出部が
    ーザビームが周回しているときに前記光センサが生成したセンサ出力値が設定範囲内に収まっているか否かを判定し、
    記センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定したとき、前記開口の中心点に対する前記任意の位置のずれの方向を算出し、
    記センサ出力値が前記設定範囲内に収まっていると判定したとき、レーザビームは前記開口の中心点に位置していると判定する
    ーザ加工機におけるノズル芯出し方法。
  6. 前記ずれ方向算出部が、前記センサ出力値が設定範囲内に収まっていないと判定したとき、前記センサ出力値が前記設定範囲内に収まっていると判定するまで、ビーム変位制御部が、前記開口内のレーザビームを前記任意の位置から前記ずれ方向算出部によって算出されたずれの方向とは反対方向へと変位させるように前記ビーム変位機構を制御する請求項に記載のレーザ加工機におけるノズル芯出し方法。
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