JP2022110864A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ処理の負荷を低減しつつ正確にワークの特徴点を抽出できるレーザ加工装置を提供する。【解決手段】本発明による、加工ヘッドと加工ヘッド搬送機構と制御機構とを備え、加工用レーザ光と測長用レーザ光とを同一の光学系からワークに対して照射するレーザ加工装置は、上記加工ヘッドが、測長用レーザ光の光軸を走査する副レーザ走査機構と、加工用レーザ光及び測長用レーザ光を重畳する重畳光学ユニットと、加工用レーザ光及び測長用レーザ光の光軸を所定の走査領域内で走査する主レーザ走査機構と、を含み、制御機構が、加工経路上の加工点に加工用レーザ光を照射する動作を制御する主制御部と、走査領域内で測長用レーザ光を所定の走査線上で走査した際の特徴点を検出する特徴点検出部と、上記特徴点に基づいて加工経路の位置補正を行う経路補正部と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ加工装置に関し、特に、加工用レーザ光と測長用レーザ光とを同一の光学系からワークに対して照射する加工ヘッドを備えたレーザ加工装置に関する。
レーザ切断機やレーザ溶接機あるいはレーザマーキング装置等のレーザ加工装置は、レーザ発振器から出力されたレーザ光を伝送してワークに照射し、当該レーザ光とワークとを相対移動させることにより、所定の加工を行うことができる。このようなレーザ加工装置におけるレーザ光とワークとの相対移動の一例として、レーザ加工装置の出射部(例えば加工ヘッド等)にガルバノミラーとこのガルバノミラーを所定の軸まわりに回転させる駆動装置とを備えたガルバノスキャナを用いて、ワークに対してレーザ光を走査するものが知られている。
このようなガルバノスキャナを用いて加工を行う場合、ガルバノスキャナによるレーザ光の走査領域(すなわちレーザ光の照射範囲)には限界があるため、ガルバノスキャナを含む加工ヘッドを例えばロボットアーム等の搬送手段に取り付けてレーザ光の照射範囲をより広くするレーザ加工装置が知られている。このようなレーザ加工装置によれば、ワークの形状が複雑になった場合でも加工ヘッドの取り回しを容易に行うことができるものの、搬送手段の移動精度によってはレーザ光の照射点が目標位置からずれてしまうという問題があった。
このような問題を解決することを意図したレーザ加工装置の一例として、例えば特許文献1には、溶接対象物へレーザ光を照射するレーザ照射装置と、そのレーザ照射装置を溶接対象物に対して移動させ得る移動装置と、を有し、その移動装置によりレーザ照射装置を溶接対象物に対して移動させながら、レーザ照射装置より溶接対象物へ照射されたレーザ光にて溶接対象物を溶接するレーザ溶接装置であって、移動装置は、予め設定された溶接対象物の溶接線に沿って、レーザ照射装置を移動させるように制御する移動装置制御手段を備え、レーザ照射装置は、レーザ光を集光して溶接対象物に向けて照射する照射手段と、その照射手段より照射されるレーザ光の溶接対象物における照射点を移動させる移動手段と、その移動手段による照射点の移動を制御するレーザ照射装置制御手段と、を備え、そのレーザ照射装置制御手段は、溶接対象物に照射されたレーザ光の照射点と溶接線との間にずれがあるかを判断する判断手段と、その判断手段によりずれがあると判断される場合に、照射点が前記溶接線へ移動するように移動手段を制御する第1移動制御手段と、判断手段によりずれがあると判断されない場合に、照射点が溶接線から所定範囲の中で移動するように移動手段を制御する第2移動制御手段と、を備えたものが知られている。このようなレーザ溶接装置によれば、ガルバノスキャナを多軸ロボットの先端に取り付けて溶接を行う際に、レーザ光を常に溶接線から所定範囲内に照射しつつ、レーザ光の照射点と溶接線とにずれが生じた場合は、レーザ光の照射を停止させることなく、レーザ光の照射点を溶接線に戻すことができるとされている。
特開2018-176164号公報
上記のようなレーザ光の照射点を加工経路(溶接線)に追従させつつ加工を行う技術では、レーザ光の照射点が想定されている加工経路(例えば加工プログラムで設定されている加工経路)からずれているかどうかの判別をカメラ等の撮像手段で取得した照射点近傍の画像を解析することにより行うものが多く知られている。例えば上記した特許文献1に示したレーザ加工装置においても、「溶接対象物に照射されたレーザ光の照射点と溶接線との間にずれがあるかを判断する判断手段」として、加工用のレーザ光と同軸に撮像素子を含むカメラ(例えばCCDカメラ)の視野を配置し、レーザ光の照射点からの反射光を撮像素子で2次元画像として取得して、当該2次元画像に基づいてワークあるいはレーザ光の照射点のずれを判別するシームトラッキングヘッドが適用されている。
このような判断手段を用いた場合、2次元画像のデータを画像処理することでワークの凹凸や端部等の「特徴点」を抽出し、当該特徴点に基づいてワークとレーザ光の照射点との位置関係を把握することになる。このとき、取得した2次元画像は画素データの集合であるため、2次元画像データの画像処理は複雑な演算等が必要となる。特に、より精細な判別を行うことを意図して2次元画像の画素数を増やした場合、画像処理の負荷が増大するとともに演算に係る処理時間も増加するため、加工中でのリアルタイムの判別を行う場合には大きな問題となっていた。
このような経緯から、データ処理の負荷を低減しつつ正確にワークの特徴点を抽出できるレーザ加工装置が求められている。
本発明の一態様によるレーザ加工装置は、加工用レーザ光と測長用レーザ光とを同一の光学系からワークに対して照射する加工ヘッドと、当該加工ヘッドをワークに対して相対移動させる加工ヘッド搬送機構と、加工用レーザ光及び測長用レーザ光をワークに照射する動作を制御する制御機構と、を備え、上記加工ヘッドは、測長用レーザ光の光軸を走査する副レーザ走査機構と、当該副レーザ走査機構の出射側に設けられて加工用レーザ光及び測長用レーザ光を重畳する重畳光学ユニットと、当該重畳光学ユニットの出射側に設けられて加工用レーザ光の光軸及び測長用レーザ光の光軸を所定の走査領域内で走査する主レーザ走査機構と、を含み、上記制御機構は、加工プログラムに基づいて加工経路上の加工点に加工用レーザ光を照射する動作を制御する主制御部と、走査領域内で測長用レーザ光を所定の走査線上で走査することによってワーク上の特徴点を検出する特徴点検出部と、検出された特徴点に基づいてワークにおける加工経路の位置補正を行う経路補正部と、を含むものとして構成される。
本発明の一態様によれば、制御機構が、主レーザ走査機構の走査領域内で測長用レーザ光を所定の走査線上で走査することによってワーク上の特徴点を検出するとともに、検出された特徴点に基づいてワークにおける加工経路の位置補正を行うことにより、データ処理の負荷を低減しつつ正確にワークの特徴点を抽出できる。
本発明の代表的な一例である第1の実施形態によるレーザ加工装置の構成を示す概略図である。 第1の実施形態による加工ヘッドの構成及び加工経路の設定動作の一例を示す概略図である。 第1の実施形態による特徴点の検出動作の一例を示す概略図である。 第1の実施形態によるレーザ加工装置の制御機構と他の構成要素との関係を示すブロック図である。 第1の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。 第1の実施形態の変形例による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。 第2の実施形態の変形例による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。 本発明の第4の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。 第4の実施形態の変形例による既加工領域における表面形状の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。
以下、本発明の代表的な一例によるレーザ加工装置の実施形態を図面と共に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の代表的な一例である第1の実施形態によるレーザ加工装置の構成を示す概略図である。また、図2は、第1の実施形態による加工ヘッドの構成及び加工経路の設定動作の一例を示す概略図である。また、図3は、第1の実施形態による特徴点の検出動作の一例を示す概略図である。さらに、図4は、第1の実施形態によるレーザ加工装置の制御機構と他の構成要素との関係を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態によるレーザ加工装置1は、その一例として、加工用レーザ光LPを発振する加工用レーザ光源(発振器)10と、測長用レーザ光LMを発振するとともに戻り光を用いてワークとの距離を演算するレーザ測長器20と、加工用レーザ光LP及び測長用レーザ光LMを走査しつつワークWに向けて照射する加工ヘッド30と、当該加工ヘッド30をワークWに対して相対移動させる加工ヘッド搬送機構40と、ワークWを保持するワーク保持機構50と、これらの構成要素と接続されて各々の動作を制御する制御機構100と、を備えている。そして、レーザ加工装置1は、ワーク保持機構50上に保持されたワークWの加工点FPに加工用レーザ光LPを集光させて走査することにより、例えば溶接や切断あるいは穴あけやマーキング等の所定の加工(リモート加工)を実施する。
加工用レーザ光源10は、ワークWを加工する加工用レーザ光LPを発振するものであって、例えば光ファイバ等の伝送路12及び光コネクタ14を介して加工用レーザ光LPを加工ヘッド30に出力する。また、加工用レーザ光源10はワークWへの吸収率等を考慮して波長や出力が決定される。このような発振器としては、YAGレーザ、YVOレーザ、ファイバレーザ、ディスクレーザ等のファイバ伝送が可能なものが例示できる。
レーザ測長器20は、ワークWの表面に照射される測長用レーザ光LMを発振するとともにワークWで反射した戻り光を用いてワークWとの距離を演算するものであって、例えば光ファイバ等の伝送路22及び光コネクタ24を介して測長用レーザ光LMを加工ヘッド30に出力する。このようなレーザ測長器20は、その一例として、発振器から発振された参照光とワークWから反射した戻り光とを重畳した際の干渉に基づいてワークWとの距離を演算するものや、測長用レーザ光LMの出射時刻から戻り時刻までの時間に基づいてワークWとの距離を演算するもの等が例示できる。また、測長用レーザ光LMとしては、半導体レーザ(LD)等のファイバ伝送が可能な可視光のものが例示できる。
加工ヘッド30は、図2(a)に示すように、測長用レーザ光LMの光軸を走査する副レーザ走査機構32と、この副レーザ走査機構32の出射側に設けられて加工用レーザ光LP及び測長用レーザ光LMを重畳する重畳光学ユニット34と、この重畳光学ユニット34の出射側に設けられて加工用レーザ光LPの光軸及び測長用レーザ光LMの光軸を所定の主走査領域SR内で走査する主レーザ走査機構36と、主レーザ走査機構36の出射側に配置されて加工用レーザ光LP及び測長用レーザ光LMをワークW上に照射する照射ユニット38と、含む。このような構成により、レーザ加工装置1は、図2(b)に示すように、所定の主走査領域SR内で加工用レーザ光LPの照射点(集光点)FPを任意の位置に動かすとともに、当該加工用レーザ光LPと独立して測長用レーザ光LMを加工用レーザ光LPの照射点FPの近傍に設定された測長走査領域MR内で任意に動かすことが可能となる。また、加工ヘッド30は、内蔵される種々の光学系を冷却する冷却機構等の公知の構成を備えてもよい。
副レーザ走査機構32及び主レーザ走査機構36は、入射する加工用レーザ光LPあるいは測長用レーザ光LMを全反射するミラーを含み、当該ミラーを微小角度で揺動させることにより、これら加工用レーザ光LP及び/又は測長用レーザ光LMの光軸を動かす(走査する)機能を有する。このようなレーザ走査機構としては、図2(a)に示すような全反射ミラーを所定のガルバノモータ軸まわりに回動させて任意の角度に揺動するガルバノスキャナや、あるいは圧電膜を利用したアクチュエータに全反射ミラーを取り付けて通電により全反射ミラーの角度を微細に調整する圧電スキャナ等が例示できる。
重畳光学ユニット34は、その一例として、図2(a)に示すように、加工用レーザ光LPを全反射しつつ測長用レーザ光LMを透過させる重畳光学系34aと、その下流側に配置されて重畳された加工用レーザ光LP及び測長用レーザ光LMを所定のビーム径に集光する集光光学系34bと、により構成される。ここで、重畳光学系34aとしては、入射する光の波長に応じてこれを反射あるいは透過させる機能を備えたハーフミラーや、あるいはビームスプリッタ等が例示できる。
照射ユニット38は、主レーザ走査機構36で偏向された加工用レーザ光LP及び測長用レーザ光LMを、ワークW上の所定位置で焦点を結ぶように集光する光学系であって、例えば集光レンズやfθレンズ等を組合せたものとして構成される。また、照射ユニット38は、加工ヘッド30の内部を密閉する蓋としての機能も有している。もしくは、照射ユニット38を平板状のウィンドウとし、集光光学系34bのみでワークW上に焦点を結ぶように構成してもよい。
このような加工ヘッド30において、加工用レーザ光LPは、伝送路12から光コネクタ14を介して入射し、重畳光学ユニット34の重畳光学系34aで全反射された後に集光光学系34bで集光され、その後、主レーザ走査機構36で任意の角度(位置)に光軸が偏向されて、照射ユニット38を介して出射される。これにより、加工用レーザ光LPは、図2(b)に示すように、主レーザ走査機構36の2次元の主走査領域SRにおける任意の加工点FPに焦点を結ぶように照射される。
一方、測長用レーザ光LMは、伝送路22から光コネクタ24を介して入射し、副レーザ走査機構32で任意の角度(位置)に光軸が偏向された後、重畳光学系34aを透過して集光光学系34bで集光され、その後、主レーザ走査機構36でさらに任意の角度(位置)に光軸が偏向されて、照射ユニット38を介して出射される。これにより、測長用レーザ光LMは、図2(b)に示すように、加工用レーザ光LPの照射点FPの近傍に設定された2次元の測長走査領域MRにおいて、任意の測定点(図2(a)のFM1あるいはFM2参照)に焦点を結ぶように照射される。
そして、ワークWに照射された測長用レーザ光LMは、ワークWの表面で加工ヘッド30側に反射して、照射ユニット38から主レーザ走査機構36、重畳光学ユニット34、副レーザ走査機構32を経由して、加工ヘッド30からレーザ測長器20に戻る。その後、レーザ測長器20では、上記のとおり測長用レーザ光LMの戻り光を用いてワークWとの距離が演算される。これにより、レーザ加工装置1では、加工用レーザ光LPの照射点FPの近傍に位置する測長走査領域MR内における任意の位置でのワークWの表面(測長用レーザ光LMの照射点)までの距離を取得することができる。
加工ヘッド搬送機構40は、その一例として、少なくとも先端にロボットアーム42を備えた6軸又は7軸タイプの産業用ロボットとして構成される。そして、ロボットアーム42の先端に上記加工ヘッド30が取り付けられ、当該加工ヘッド30を旋回範囲内の任意の位置及び角度に移動させる。
ワーク保持機構50は、その一例として、ワークWを取り付けるチャック機構(図示せず)を備え、ワークWを把持固定する。また、ワーク保持機構50は、例えばワークWをXYZの3軸方向に移動させる機構だけでなく、回転機構を備えてもよい。
第1の実施形態によるレーザ加工装置1の動作を制御する制御機構100は、図4に示すように、加工プログラムに基づいて加工経路上の加工点FPに加工用レーザ光LPを照射する動作を制御する主制御部110と、測長走査領域MR内で測長用レーザ光LMを走査することによってワークW上の特徴点SP(図5等参照)を検出する特徴点検出部120と、検出された特徴点SPに基づいてワークWにおける加工経路PR(図5等参照)の位置補正を行う経路補正部130と、を含む。そして、制御機構100は、図1に示した加工用レーザ光源10、レーザ測長器20、加工ヘッド30、加工ヘッド搬送機構40、ワーク保持機構50と有線あるいは無線で接続されており、これらの周辺機器と信号のやり取りを行ってレーザ加工装置1の動作を制御する。
主制御部110は、その一例として、加工プログラムから加工経路の情報を抽出して、加工用レーザ光LPの照射点FPの位置等を指令する走査指令信号を加工ヘッド30及び加工ヘッド搬送機構40に発信するとともに、加工プログラムから加工条件を抽出して、加工用レーザ光LPの出力等を指令する出力指令信号を加工用レーザ光源10に発信する。また、主制御部110は、特徴点検出部120に指令し、測長用レーザ光LMを加工用レーザ光LPの照射点FPの近傍に位置する測長走査領域MR内で走査する測定プログラム(加工プログラムに含まれるサブプログラムでもよい。)を実行する。さらに、主制御部110は、後述する経路補正部130からの経路補正情報に基づいて、上記走査指令信号を変更する機能も有する。
特徴点検出部120は、上記のレーザ測長器20で取得されたワークWまでの距離データに基づいて、所定の走査線L上でのワークWの形状的因子による特徴点SP(例えば、溶接における開先、ワークの稜線や谷線等の端部、ワークに形成された凸部等)を検出する。具体的には、図3に示すように、測長走査領域MR内において、測長用レーザ光LMの照射点FMを所定の走査線上で走査し、当該走査線に沿ったワークWまでの連続的な距離データに大きな変化が生じた位置を特徴点SP(すなわち加工線MLの位置)として検出する。このとき、加工用レーザ光LPの照射点FPが測長走査領域MRの走査方向の中央に位置するように設定しておけば、例えば図3(b)のようにMR内位置の略中央で特徴点SPが検出された場合、加工用レーザ光LPは加工線MLとほぼ同位置にあると判断することができ、例えば図3(a)や図3(c)のように走査線上で特徴点SPが中央からずれた位置で検出された場合、そのずれ量が加工線MLと加工用レーザ光LPの間隔に対応すると判断できる。
経路補正部130は、特徴点検出部120で検出された複数の特徴点(例えばSP1、SP2)に基づいて、ワークWに対して実行される予定のレーザ加工の加工経路PRの位置(例えば始点と終点の位置等)を補正する。具体的には、例えば主走査領域SR内で想定される加工経路PR’に対して、2本の走査線L1、L2上で検出されたワークWの加工線WLの位置を示す特徴点SP1及びSP2を通る線を実際の加工経路PRと決定する。そして、経路補正部130は、上記の特徴点に基づいて決定された加工経路PRの情報を主制御部110に送る。
特徴点検出部120による特徴点SPの検出動作は、図3に示すように、加工プログラムに基づいて、走査線L1上に測長走査領域MRを移動させる。このとき、測長走査領域MR内で走査線L1に沿って測長用レーザ光LMの照射点FMが走査されている。
ここで、測長用レーザ光LMによる測定の一例としては、例えば測長走査領域MRを100mm/sで移動させたときに、測長用レーザ光LMの照射点FMは5000mm/sと高速で往復走査される。そして、測長用レーザ光LMの走査線の長さを例えば5mmとすると、2msに一回データを取得することができる。よって、測長走査領域MRすなわち加工用レーザ光LPの照射点FPの走査速度からすれば、0.2mmに一回の割合で測長用レーザ光LMのデータを取得できることになる。
図3(a)は、加工線MLを測長走査領域MRの走査方向の前半部で検出した場合を示している。このとき、特徴点SPは測長走査領域MRの走査方向位置(図3(a)の横方向)の前半部分で、検出位置(高さ)の変化点として検出される。
図3(b)は、加工線MLが測長走査領域MRの走査方向の中間部で検出した場合を示している。このとき、特徴点SPは測長走査領域MRの走査方向位置の中央部分で、検出位置(高さ)の変化点として検出される。
図3(c)は、加工線MLを測長走査領域MRの走査方向の後半部で検出した場合を示している。このとき、特徴点SPは測長走査領域MRの走査方向位置の後半部分で、検出位置(高さ)の変化点として検出される。
これらのことから、測長走査領域MRと、その内部で検出された測長用レーザ光LMの特徴点SPとの位置関係から、精度よく加工線MLの位置を特定することができる。なお、図3(a)~図3(c)に示すような複数の測定データを用いれば、加工線MLの位置をさらに精度良く検出することが可能となる。
次に、図5及び図6を用いて、第1の実施形態によるレーザ加工装置1における制御機構100による経路補正動作の具体的な一例を説明する。図5は、第1の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。また、図6は、第1の実施形態の変形例による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。
第1の実施形態によるレーザ加工装置1では、2つの板状ワークW1及びW2を突合せ溶接する場合の開先(溶接線)の位置を検出して補正することができる。例えば図5(a)に示すように、加工プログラムで想定されているワークW1’、W2’に対して実際のワークW1、W2の位置がずれて配置された場合、主制御部110が当該開先を横切る2本の走査線L1及びL2に沿って測長用レーザ光LMを走査する指令を発して、それぞれの走査線における戻り光に基づくワークWとの距離を検出する。
測定されたワークWとの距離データは、その一例として、図5(b)に示すような態様で測定される。ここで、横軸が走査線L1、L2上の位置を示し、縦軸が測定されたワークWまでの距離を示しており、例えば平らな板材の上を測長用レーザ光LMで走査した場合、同一の距離として測定される。
すなわち、特徴点検出部120では、ワークW1、W2による加工線(開先)WLの位置は、周囲の位置より検出値(図示上で上部からの距離)が変化して検出される。これにより、特徴点検出部120は、走査線L1あるいはL2上で連続的に取得した測定データに基づいて、ワークW1、W2の表面形状を検出する機能をも有する。
続いて、特徴点検出部120は、走査線L1及びL2のそれぞれにおいて、想定されたワークW1’及びW2’の位置によって想定される仮想特徴点SP1’、SP2’(すなわち開先上の2点)に対して、実際に測定されたワークWとの距離の変化点を特徴点SP1、SP2として検出する。これにより、特徴点SP1、SP2は、走査線L1及びL2上で想定された仮想特徴点SP1’、SP2’からそれぞれD1、D2だけずれた位置として特定できる。
そして、経路補正部130は、図5(c)に示すように、上記した走査線L1及びL2上のずれ量D1及びD2に基づいて、実際のワークW1、W2が図示上の実線の位置に配置されているものとして、上記2つの特徴点SP1、SP2を結ぶ線分を開先とする経路補正を行う。なお、図5では2本の走査線L1、L2上で測長用レーザ光LMを走査して2つの特徴点SP1、SP2を検出する場合を例示したが、ワークWの代表点のずれのみを抽出できれば良い場合には、1本の走査線で1つの特徴点を検出してそのずれ量に基づいて加工経路の補正を行うようにしてもよい。
また、第1の実施形態によるレーザ加工装置1の経路補正動作は、その変形例として、2枚の板状のワークW1、W2を重ね合わせた加工線(重ね合わせ部)WLに沿う重ね隅肉部のステッチ溶接(部分的な溶接)における制御動作にも適用できる。例えば図6(a)に示すように、まず主制御部110は、加工プログラムに基づいて仮想加工線WL’とこれに沿う仮想加工経路PR’のデータを取得し、当該仮想加工線WL’が略中央にくるように主走査領域SRを設定する。続いて、主制御部110は、仮想加工線WL’を横切る2本の走査線L1及びL2に沿って測長走査領域MRを走査する指令を発して、それぞれの走査線における戻り光に基づくワークWとの距離データを測定する。
測定されたワークWとの距離データは、その一例として、図6(b)に示すような態様で測定され、特徴点検出部120に送られる。そして、特徴点検出部120が、走査線L1及びL2のそれぞれにおいて、実際に測定されたワークWとの距離の変化点を特徴点SP1、SP2として検出し、その検出結果を経路補正部130に送る。
経路補正部130は、予め主制御部110から仮想加工線WL’のデータを受け取って、当該仮想加工線WL’と走査線L1、L2との交点として仮想特徴点SP1’、SP2’を設定する。そして、経路補正部130は、特徴点検出部120で検出された特徴点SP1、SP2と仮想特徴点SP1’、SP2’との走査線L1、L2上での差分D1、D2を算出する。これにより、特徴点SP1、SP2は、走査線L1及びL2上で仮想加工線WL’からそれぞれD1、D2だけずれた位置として特定できる。
続いて、経路補正部130は、図6(c)に示すように、上記した走査線L1及びL2上のずれ量D1及びD2に基づいて、実際の加工線WLが上記2つの特徴点SP1、SP2を結ぶ線分であると判断する。そして、経路補正部130は、予め想定していた重ね隅肉溶接の仮想加工経路(溶接線)PR’を、実際に検出された加工線WLに沿った加工経路PRとする経路補正を行う。
このとき、その一例として、仮想特徴点SP1’及びSP2’を結ぶ線分と検出された特徴点SP1及びSP2を結ぶ線分とからそれらのなす角度あるいは回転角度を演算し、その角度に基づいて仮想加工経路PR’から回転した加工経路PRを求めることができる。なお、図6に示した具体例では、平行する2本の走査線L1、L2に沿って2つの特徴点SP1、SP2を検出して経路補正する場合を例示したが、加工経路PRの始点や終点等の1点のみを抽出して大まかな補正を行うことで十分な場合には、加工経路PRの始点あるいは終点を通る走査線L1上の特徴点SP1を検出して始点あるいは終点の位置を補正する手法を用いてもよい。
このような制御動作により、本発明の第1の実施形態によるレーザ加工装置1では、主レーザ走査機構36の主走査領域SR内で、測長用レーザ光LMが照射される測長走査領域MRを所定の走査線L1、L2上で走査して、その戻り光に基づくワークWとの距離データを取得することにより、容易かつ正確にワークWにおける特徴点SP1、SP2を検出することができる。これにより、従来の2次元画像によりワークの特徴点の検出動作に比べて取り扱うデータ量が少なくて済むことになる。
上記のような構成を備えることにより、第1の実施形態によるレーザ加工装置は、制御機構が、主レーザ走査機構の走査領域内で測長用レーザ光を走査することによってワーク上の特徴点を検出するとともに、検出された特徴点に基づいてワークにおける加工経路の位置補正を行うことにより、データ処理の負荷を低減しつつ正確にワークの特徴点を抽出できる。
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。また、図8は、本発明の第2の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態においては、図1~図6に示した概略図等において、第1の実施形態と同一あるいは共通の構成を採用し得るものについては、同一の符号を付してこれらの繰り返しの説明は省略する。
第2の実施形態によるレーザ加工装置1の経路補正動作は、その一例として、互いに交差する複数の走査線で検出された複数の特徴点に基づいて、加工経路の位置補正を行う場合に適用される。例えば、図7は、矩形のワークW1の端部近傍のそれぞれの辺に加工経路PR1及びPR2が設定された場合を示している。
このとき、図7(a)に示すように、例えば仮想加工経路PR’の始点を通る走査線L1上に測長走査領域MRを走査して測定を行うことにより、第1の実施形態と同様に、当該走査線L1上で仮想特徴点SP1’及び特徴点SP1の位置を特定することができる、そこで、これらの仮想特徴点SP1’及び特徴点SP1からそれらの差分D1を演算することにより、仮想加工経路PR’は走査線L1に沿って平行移動した加工経路PRに位置補正される。
また、図7(b)に示すように、例えば仮想加工経路PR’の始点及び終点を通る2本の走査線L1、L2上に測長走査領域MRを走査して測定を行うことにより、走査線L1及びL2上で仮想特徴点SP1’及びSP2’の位置と特徴点SP1及びSP2の位置とをそれぞれ特定することができる、そこで、これらの仮想特徴点SP1’、SP2’と特徴点SP1、SP2とからそれぞれの差分D1、D2を演算することにより、仮想加工経路PR’はその始点と終点とがワークW1外縁に沿って移動した加工経路PRに位置補正され、より精度の高い加工を行うことができる。
一方、図7(c)に示すように、例えば上記した走査線L1、L2及びこれに直交する走査線L3上に測長走査領域MRを走査して測定を行うことにより、走査線L1~L3上で仮想特徴点SP1’~SP3’の位置と特徴点SP1~SP3の位置とがそれぞれ特定される、このとき、走査線L3がL1あるいはL2と直交していることから、これらの走査線上での差分D1~D3に基づいてワークW1の回転角度を演算することができる。そして、経路補正部130は、演算したワークW1の回転角度に基づいて加工経路PR1だけでなく走査線と接触しない加工経路PR2についても位置補正を行うことが可能となる。
また、第2の実施形態によるレーザ加工装置1の変形例として、曲面を有するワークにおける複数の加工位置(加工経路)の制御動作にも適用できる。例えば図8(a)に示すように、上面視円形のワークW1の上面における2か所の加工位置でマーキング加工を行うような場合、主制御部110は、ワークW1の中心が略中央にくるように主走査領域SRを設定し、ワークW1の外周を横切る3本の走査線L1~L3に沿って測長走査領域MRを走査する指令を発して、それぞれの走査線上における戻り光に基づくワークWとの距離を連続的に測定する。
測定されたワークW1との距離データは、その一例として、図8(b)に示すような態様で測定され、これらの測定データに基づいて、特徴点検出部120が、走査線L1及びL2のそれぞれにおいて、実際に測定されたワークWとの距離の変化点を特徴点SP1~SP3として検出する。これにより、ワークW1の外周の位置は加工プログラムで設定されているため、特徴点SP1~SP3は、走査線L1~L3上で想定される仮想ワークW1’上の仮想特徴点SP1’~SP3’からそれぞれD1~D3だけずれた位置として特定できる。
このとき、異なる3点を通る円は1つに決定できるため、経路補正部130は、図8(c)に示すように、上記した走査線L1~L3上のずれ量D1~D3に基づいて、実際のワークW1の外周が上記3つの特徴点SP1~SP3を通る円であると特定する。そして、経路補正部130は、特定されたワークW1の上面の複数の加工位置PR1、PR2にそれぞれ加工用レーザ光LPによるマーキング加工の加工経路を設定する経路補正を行う。
上記のような制御動作により、第2の実施形態によるレーザ加工装置は、第1の実施形態で説明した効果に加えて、互いに交差する複数の走査線上で検出された特徴点に基づいて加工経路の補正を行うことにより、仮想上のワーク位置に対して実際のワーク位置を正確に把握できるため、例えば曲面を有するような形状のワークに対しても加工経路に経路補正を行うことが可能となる。また、ワークにおける複数の加工位置に対する経路補正も実行し得る。
<第3の実施形態>
図9は、第3の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。なお、第3の実施形態においても、図1~図6に示した概略図等において、第1の実施形態と同一あるいは共通の構成を採用し得るものについては、同一の符号を付してこれらの繰り返しの説明は省略する。
第3の実施形態によるレーザ加工装置1では、特徴点検出部が、加工されるワークの表面に何らかの異常があって特徴点の検出ができない場合であっても、経路補正を行うことができる機能を追加することもできる。例えば図9(a)に示すように、主制御部110は、重ね合わされた2枚の板状のワークW1、W2の加工線(重ね合わせ部)WLが略中央にくるように主走査領域SRを設定し、加工線WLを横切る2本の走査線L1及びL2に沿って測長走査領域MRを走査する指令を発して、それぞれの走査線における戻り光に基づくワークWとの距離を連続的に測定する。
このとき、走査線L2上に位置するワークW1、W2の表面に何らかの異常(例えば表面の汚れや大きな変形等)による異常領域ARが存在する場合、測定されたワークWとの距離データは、図9(b)に示すような態様で測定される。すなわち、走査線L1では正常に特徴点SP1を検出できるものの、走査線L2上では、ワークW1、W2の表面に何らかの異常があることにより測長走査領域MRにおいて測長用レーザ光LMが正常に反射できないため、ワークW1、W2との距離データが上記異常領域ARに対応する範囲において不連続となる(あるいはゼロとなる)。
そこで、第3の実施形態によるレーザ加工装置1では、特徴点検出部120は、測長用レーザ光LMの戻り光に基づくワークW1、W2との測定データが異常領域ARを含む場合に、正常に検出できた走査線L1での特徴点SP1の情報のみを経路補正部130に送る。そして、経路補正部130は、図9(c)に示すように、検出できた走査線L1上のずれ量D1に基づいて、実際の加工線WLが少なくとも上記特徴点SP1を通るものと判断し、加工プログラムで想定された重ね隅肉溶接の想定加工経路(溶接線)PR’における走査線L1側のみ変更した加工経路PRとする経路補正を行う。この経路補正動作は、走査線L2側のみで特徴点が検出できた場合についても同様である。
上記のような制御動作により、第3の実施形態によるレーザ加工装置は、第1の実施形態で説明した効果に加えて、測長用レーザ光による測定データが正常に取得できなかったと判別された場合に、正常に取得できた測定データのみ反映した経路補正を行うことが可能となる。
<第4の実施形態>
図10は、本発明の第4の実施形態による特徴点の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。また、図11は、第4の実施形態の変形例による既加工領域における表面形状の検出及び経路補正動作の一例を示す概略図である。なお、第4の実施形態においても、図1~図6に示した概略図等において、第1の実施形態と同一あるいは共通の構成を採用し得るものについては、同一の符号を付してこれらの繰り返しの説明は省略する。
上記した第1の実施形態において、レーザ加工装置1が加工用レーザ光LPの照射前(すなわちレーザ加工前)に加工経路の補正動作を実施する場合を例示したが、第4の実施形態によるレーザ加工装置1の経路補正動作では、その一例として、加工用レーザ光LPの照射中(すなわちレーザ加工中)に測長走査領域MR内で測長用レーザ光LMを用いた特徴点の検出を行うことにより、照射中の加工用レーザ光LPの照射点の指令位置を補正する制御動作にも適用できる。すなわち、本発明のレーザ加工装置1による経路補正動作は、レーザ加工中にフィードバック制御として実施し得る。
例えば図10(a)に示すように、主制御部110は、重ね合わされた2枚の板状のワークW1、W2の加工線(重ね合わせ部)WLが略中央にくるように主走査領域SRを設定するとともに、加工プログラムに基づいて加工経路PRに沿って加工用レーザ光LPの照射点FPを走査する指令を発する。これと同時に、主制御部110は、加工用レーザ光LPの照射点FPの近傍に設定された測長走査領域MR内で、上記加工経路PRと交差する方向に測長用レーザ光LMの照射点FMを走査する指令を発して、それぞれの走査線における戻り光に基づくワークW1、W2との距離を連続的に測定する。
このとき、加工経路PRの所定位置における測長用レーザ光LMによる距離の測定データは、例えば図10(b)~図10(d)の右側に示す態様で取得される。すなわち、グラフの横軸は、加工用レーザ光LP(測長走査領域MR)の進行方向に交差する左右方向の位置を示しており、縦軸は当該左右方向にわたるワーク表面高さを示している。
このような構成を用いて、第4の実施形態によるレーザ加工装置1は、例えば図10(b)のように、仮想加工経路PR’に対して実際の加工線MLが図示上で右斜め上がりに交差する場合、測長用レーザ光LMによる距離の測定データにおいて加工線MLの位置(検出高さの変化点)が図示上左側に検出される。そこで、その検出された加工線MLの位置(測長用レーザ光LMの走査方向における差分)に対応する方向(現在の移動方向より左方向)に実際の加工経路PRの進路を変更する。
また、例えば図10(c)のように、仮想加工経路PR’に対して実際の加工線MLが略同一方向である(一致する)場合、測長用レーザ光LMによる距離の測定データにおいて加工線MLの位置(検出高さの変化点)が図示上の略中央に検出される。そこで、現在の仮想加工経路PR’の加工方向は検出された加工線MLの方向と一致するとして、実際の加工経路PRの進路をそのまま維持して加工を継続する。
さらに、例えば図10(d)のように、仮想加工経路PR’に対して実際の加工線MLが図示上で右斜め下がりに交差する場合、測長用レーザ光LMによる距離の測定データにおいて加工線MLの位置(検出高さの変化点)が図示上右側に検出される。そこで、その検出された加工線MLの位置(測長用レーザ光LMの走査方向における差分)に対応する方向(現在の移動方向より右方向)に実際の加工経路PRの進路を変更する。
上記した動作をレーザ加工中に繰り返し実施することにより、現在の加工用レーザ光LPの照射点FPを加工線WLに追従するように経路補正する動作をフィードバック制御として実施することができる。
また、第4の実施形態の変形例によるレーザ加工装置1では、特徴点検出部が、主走査領域内SRに位置する既に加工が終わった既加工領域の表面形状を検出しつつ加工条件を変更する機能をさらに追加することもできる。例えば図11(a)に示すように、主制御部110は、重ね合わされた2枚の板状のワークW1、W2の加工線(重ね合わせ部)WLが略中央にくるように設定された主走査領域SR内において、加工プログラムに基づいて照射点FPに加工用レーザ光LPを照射しつつ加工方向PDに移動させて所定の加工を行う指令を発する。
これと同時に、主制御部110は、加工用レーザ光LPの照射点FPの近傍に設定された測長走査領域MR内で、上記加工経路PRと交差する方向に測長用レーザ光LMの照射点FMを走査する指令を発して、それぞれの走査線における戻り光に基づくワークW1、W2との距離を連続的に測定する。そして、制御機構100は、上記図10で示した動作と同様の加工制御を実行する。
このような構成で得られた加工経路PRの所定位置における測長用レーザ光LMによる距離の測定データは、例えば図11(b)に示す態様で取得される。すなわち、図示上横方向は、加工用レーザ光LP(測長走査領域MR)の進行方向に交差する左右方向の位置を示しており、縦方向は当該左右方向にわたるワーク表面高さを示している。これらの測定データによれば、測長用レーザ光LMの走査線に沿った既加工領域WBを含むワークW1、W2の表面形状(あるいは表面性状)を把握することができる。
そして、図11(b)に示すように取得されたワークWとの距離データを用いて把握した既加工領域の表面形状に基づいて、主制御部110が加工用レーザ光LPの出力や加工速度等の加工条件を変更する。すなわち、予め図11(b)の上段に示すような正常時の測長用レーザ光LMの戻り光に基づくワークW1、W2との距離データ(表面形状)を取得しておき、これを実測したワークW1、W2との距離データと比較する。
例えば、図11(b)の2段目に示すような距離データが取得された場合、既加工領域WBが正常状態に比べて幅広となっているため、溶接時に過剰な入熱があったものと判別できる。このような場合、主制御部110は、加工経路の補正とともに、例えば加工用レーザ光LPの出力を低下させる、溶接速度を速くする、あるいは溶加材(溶接ワイヤ)の添加量を増やす等の加工条件の変更を行うことで、適切な溶接部がされるように対応できる。
これに対して、図11(b)の3段目に示すような距離データが取得された場合、既加工領域WBが正常状態に比べて幅狭となっているため、溶接時の入熱が不足していたものと判別できる。このような場合、主制御部110は、加工経路の補正とともに、例えば加工用レーザ光LPの出力を増加させる、あるいは溶接速度を遅くする等の加工条件の変更を行うことができる。また、図9の場合と同様に、既加工領域WBの表面形状が著しく乱れていたり、正常に表面形状の測定ができない場合には、経路補正あるいは加工自体を停止するように構成してもよい。
さらに、例えばレーザ溶接のようにワークW1、W2を溶融させつつ加工を行うような場合、測長用レーザ光LMを加工用レーザ光LPの通過直後の領域(いわゆる溶融池)で走査することにより、図11(b)の4段目(最下段)に示すような距離データが取得される。このとき、例えばキーホール溶接による加工を行う場合は、既加工領域WBにおいてキーホール(図示上の凹部)KHが表面形状として取得できる。そこで、主制御部110は、加工経路の補正とともに、当該キーホールKHの形状や大きさに応じて加工用レーザ光LPの出力や溶接速度等の加工条件の変更を行うことが可能となる。
上記のような制御動作により、第4の実施形態によるレーザ加工装置は、第1の実施形態で説明した効果に加えて、加工用レーザ光の照射中(すなわち加工中)に測長用レーザ光による検出動作を実行することにより、レーザ加工の進行中に加工経路の補正動作を実行することが可能となる。また、加工中のワーク表面の状態や既加工領域の表面形状も把握することができるため、ワーク表面に何らかの異常があっても経路補正が可能となり、さらには加工条件のフィードバック制御を行うこともできる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
例えば、図1及び図2において、レーザ測長器を加工ヘッドと別体に構成し、測長用レーザ光が伝送路を介して加工ヘッドに伝送される場合を例示したが、例えば公知の小型レーザセンサ等を利用して、加工ヘッドに直接レーザ測長器を取り付ける構成を採用してもよい。
また、第1の実施形態から第4の実施形態で示した具体例は、それぞれの特徴を組合せて適用してもよい。例えば、第2の実施形態で示した曲面を有するワークに対する経路補正動作と、第4の実施形態で示した加工用レーザ光を照射中のフィードバック技術とを組合せて構成することも可能である。
さらに、第1の実施形態から第4の実施形態で説明した測長用レーザ光LMの照射及び検出の動作は、主制御部110による測長走査領域MR内で測長用レーザ光LMを走査させる測定プログラムの設定次第では、同時進行的に実行することができる。その一例として、例えば測長用レーザ光LMを5000mm/s程度の走査速度で走査すれば、2本あるいは3本以上の走査線上の測定を約10ms内で完了させることができる。
1 レーザ加工装置
10 加工用レーザ光源
12 伝送路
14 光コネクタ
20 レーザ測長器
22 伝送路
24 光コネクタ
30 加工ヘッド
32 副レーザ走査機構
34 重畳光学ユニット
34a 重畳光学系
34b 集光光学系
36 主レーザ走査機構
38 照射ユニット
40 加工ヘッド搬送機構
42 ロボットアーム
50 ワーク保持機構
100 制御機構
110 主制御部
120 特徴点検出部
130 経路補正部

Claims (9)

  1. 加工用レーザ光と測長用レーザ光とを同一の光学系からワークに対して照射する加工ヘッドと、前記加工ヘッドを前記ワークに対して相対移動させる加工ヘッド搬送機構と、前記加工用レーザ光及び前記測長用レーザ光を前記ワークに照射する動作を制御する制御機構と、を備えたレーザ加工装置であって、
    前記加工ヘッドは、前記測長用レーザ光の光軸を走査する副レーザ走査機構と、前記副レーザ走査機構の出射側に設けられて前記加工用レーザ光及び前記測長用レーザ光を重畳する重畳光学ユニットと、前記重畳光学ユニットの出射側に設けられて前記加工用レーザ光の光軸及び前記測長用レーザ光の光軸を所定の走査領域内で走査する主レーザ走査機構と、を含み、
    前記制御機構は、加工プログラムに基づいて加工経路上の加工点に前記加工用レーザ光を照射する動作を制御する主制御部と、前記走査領域内で前記測長用レーザ光を所定の走査線上で走査することによって前記ワーク上の特徴点を検出する特徴点検出部と、検出された前記特徴点に基づいて前記ワークにおける前記加工経路の位置補正を行う経路補正部と、を含む
    レーザ加工装置。
  2. 前記特徴点検出部は、前記走査線上で連続的に取得した測定データに基づいて前記ワークの表面形状を検出する機能をさらに有する
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記経路補正部は、前記加工プログラムに基づく仮想特徴点と検出された前記特徴点との差分に基づいて前記加工経路の位置補正を行う機能をさらに有する
    請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記経路補正部は、複数の走査線で検出された前記特徴点に基づいて前記加工経路の位置補正を行う
    請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記特徴点検出部は、複数の走査線上で前記特徴点の検出を行うとともに、前記経路補正部に正常に検出できた特徴点の情報のみを送る機能をさらに有し、
    前記経路補正部は、前記正常に検出できた特徴点に基づいて前記加工経路の位置補正を行う機能をさらに有する
    請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記特徴点検出部は、前記加工用レーザ光の照射中に前記特徴点の検出を行い、
    前記経路補正部は、前記加工用レーザ光の照射中に前記加工経路の位置補正を行う
    請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記特徴点検出部は、前記加工用レーザ光によって既に加工が終わった既加工領域で前記測長用レーザ光を走査することにより、前記既加工領域の表面形状を検出する機能をさらに有する
    請求項6に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記主制御部は、前記特徴点検出部で検出した前記既加工領域の表面形状に基づいて前記加工用レーザ光による加工条件を変更する機能をさらに有する
    請求項7に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記特徴点検出部は、前記特徴点が正常に検出できなかった場合に、前記主制御部に前記特徴点を正常に検出できなかった旨の情報を送る機能をさらに有し、
    前記主制御部は、前記加工用レーザ光の照射を停止する機能をさらに有する
    請求項6又は7に記載のレーザ加工装置。
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