JP6820358B2 - レーザ加工機及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工機及びレーザ加工方法に関する。
レーザ発振器より射出されたレーザビームによって板金を切断して、所定の形状を有する製品を製作するレーザ加工機が普及している。特許文献1には、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口から射出されるレーザビームを、開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させて、板金を切断することが記載されている。
国際公開第2015/156119号
レーザ加工機がレーザビームをノズルの開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させて板金を切断して製品を製作するとき、製品の端部に沿って高精度に板金を切断することが求められる。本発明は、レーザビームをノズルの開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させて、製品の端部に沿って高精度に板金を切断することができるレーザ加工機及びレーザ加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、レーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、前記加工ヘッドを板金の面に沿って前記板金に対して相対的に移動させる移動機構と、前記開口より射出されるレーザビームの前記開口内での位置を変位させるビーム変位機構と、前記加工ヘッドを第1の制御周期で相対的に移動させるよう前記移動機構を制御する移動機構制御部と、前記板金にレーザビームを照射して曲線状の端部を有する製品を製作するために、前記移動機構制御部が、前記製品を製作する加工プログラムに従ったベクトル情報に基づいて前記移動機構を制御して、前記加工ヘッドを前記第1の制御周期における1周期の第1の時刻から第2の時刻まで相対的に円弧状に移動させて、前記製品の端部に沿って前記板金を切断するときに、前記1周期における前記第1の制御周期より短い第2の制御周期の各時刻でのベクトル情報に基づいて、レーザビームの前記開口内の位置を、前記各時刻における前記製品の端部の接線方向であって前記開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させる方向を決定し、決定した前記各時刻における変位の方向にレーザビームを変位させるよう前記ビーム変位機構を制御するビーム変位制御部とを備えレーザ加工機を提供する。
本発明は、板金にレーザビームを照射して曲線状の端部を有する製品を製作するために、移動機構制御部が、前記製品を製作する加工プログラムに従ったベクトル情報に基づいて移動機構を制御して、レーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドを第1の制御周期における1周期の第1の時刻から第2の時刻まで相対的に円弧状に移動させ、前記加工ヘッドを相対的に円弧状に移動させることによって前記製品の端部に沿って前記板金を切断するときに、ビーム変位制御部が、前記1周期における前記第1の制御周期より短い第2の制御周期の各時刻でのベクトル情報に基づいて、レーザビームの前記開口内の位置を、前記各時刻における前記製品の端部の接線方向であって前記開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させる方向を決定し、前記ビーム変位制御部が、決定した前記各時刻における変位の方向にレーザビームを変位させるよう、前記開口より射出されるレーザビームの前記開口内での位置を変位させるビーム変位機構を制御するレーザ加工方法を提供する。
本発明のレーザ加工機及びレーザ加工方法によれば、レーザビームをノズルの開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させて、製品の端部に沿って高精度に板金を切断することができる。
図1は、一実施形態のレーザ加工機の全体的な構成例を示す図である。 図2は、一実施形態のレーザ加工機におけるコリメータユニット及び加工ヘッドの詳細な構成例を示す斜視図である。 図3は、ビーム変位機構によるレーザビームの板金への照射位置の変位を説明するための図である。 図4は、ビーム変位機構によってレーザビームの板金への照射位置を切断進行方向の前方側に変位させたときのアシストガスの流れを概念的に示す一部破断の側面図である。 図5は、一実施形態のレーザ加工機が備えるNC装置の機能的な構成例を示すブロック図である。 図6は、移動機構が加工ヘッドを移動させる際の第1の制御周期と、ビーム振動機構がレーザビームを振動させるときの第2の制御周期との関係を示す図である。 図7は、比較例であり、第1の制御周期でレーザビームの変位を制御する場合の動作を概念的に示す図である。 図8は、第2の制御周期でレーザビームの変位を制御する場合の動作を概念的に示す図である。 図9は、レーザ加工機が製品のコーナ周辺を切断する際に好適なレーザビームの変位の制御動作を概念的に示す図である。
以下、一実施形態のレーザ加工機及びレーザ加工方法について、添付図面を参照して説明する。図1において、レーザ加工機100は、レーザビームを生成して射出するレーザ発振器10と、レーザ加工ユニット20と、レーザ発振器10より射出されたレーザビームをレーザ加工ユニット20へと伝送するプロセスファイバ12とを備える。
また、レーザ加工機100は、操作部40と、NC装置50と、加工プログラムデータベース60と、加工条件データベース70と、アシストガス供給装置80とを備える。NC装置50は、レーザ加工機100の各部を制御する制御装置の一例である。
レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、またはレーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。レーザ発振器10は、例えば、固体レーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)である。
レーザ発振器10は、波長900nm〜1100nmの1μm帯のレーザビームを射出する。ファイバレーザ発振器及びDDL発振器を例とすると、ファイバレーザ発振器は、波長1060nm〜1080nmのレーザビームを射出し、DDL発振器は、波長910nm〜950nmのレーザビームを射出する。
レーザ加工ユニット20は、加工対象の板金Wを載せる加工テーブル21と、門型のX軸キャリッジ22と、Y軸キャリッジ23と、Y軸キャリッジ23に固定されたコリメータユニット30と、加工ヘッド35とを有する。X軸キャリッジ22は、加工テーブル21上でX軸方向に移動自在に構成されている。Y軸キャリッジ23は、X軸キャリッジ22上でX軸に垂直なY軸方向に移動自在に構成されている。X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23は、加工ヘッド35を板金Wの面に沿って、X軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させる移動機構として機能する。
加工ヘッド35を板金Wの面に沿って移動させる代わりに、加工ヘッド35は位置が固定されていて、板金Wが移動するように構成されていてもよい。レーザ加工機100は、板金Wの面に対して加工ヘッド35を相対的に移動させる移動機構を備えていればよい。
加工ヘッド35には、先端部に円形の開口36aを有し、開口36aよりレーザビームを射出するノズル36が取り付けられている。ノズル36の開口36aより射出されたレーザビームは板金Wに照射される。アシストガス供給装置80は、アシストガスとして窒素、酸素、窒素と酸素との混合気体、または空気を加工ヘッド35に供給する。板金Wの加工時に、アシストガスは開口36aより板金Wへと吹き付けられる。アシストガスは、板金Wが溶融したカーフ幅内の溶融金属を排出する。
図2に示すように、コリメータユニット30は、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームを平行光(コリメート光)に変換するコリメーションレンズ31を備える。また、コリメータユニット30は、ガルバノスキャナユニット32と、ガルバノスキャナユニット32より射出されたレーザビームをX軸及びY軸に垂直なZ軸方向下方に向けて反射させるベンドミラー33を備える。加工ヘッド35は、ベンドミラー33で反射したレーザビームを集束して、板金Wに照射する集束レンズ34を備える。
レーザビームの焦点位置を調整するために、集束レンズ34は図示していない駆動部及び移動機構によって、板金Wに近付く方向及び板金Wより離隔する方向に移動自在に構成されている。
レーザ加工機100は、ノズル36の開口36aより射出されるレーザビームが開口36aの中心に位置するように芯出しされている。基準の状態では、レーザビームは、開口36aの中心より射出する。ガルバノスキャナユニット32は、加工ヘッド35内を進行して開口36aより射出されるレーザビームの開口36a内での位置を変位させるビーム変位機構として機能する。ガルバノスキャナユニット32は、レーザビームを板金Wに照射する位置を、開口36aの中心直下の位置から所定距離だけ離隔した位置へと変位させる。
ガルバノスキャナユニット32は、コリメーションレンズ31より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー321と、スキャンミラー321を所定の角度となるように回転させる駆動部322とを有する。また、ガルバノスキャナユニット32は、スキャンミラー321より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー323と、スキャンミラー323を所定の角度となるように回転させる駆動部324とを有する。
ガルバノスキャナユニット32はビーム変位機構の一例であり、ビーム変位機構は一対のスキャンミラーを有するガルバノスキャナユニット32に限定されない。
図3は、スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方が傾けられて、板金Wに照射されるレーザビームの位置が変位した状態を示している。図3において、ベンドミラー33で折り曲げられて集束レンズ34を通過する細実線は、レーザ加工機100が基準の状態であるときのレーザビームの光軸を示している。
なお、詳細には、ベンドミラー33の手前に位置しているガルバノスキャナユニット32の作動により、ベンドミラー33に入射するレーザビームの光軸の角度が変化し、光軸がベンドミラー33の中心から外れる。図3では、簡略化のため、ガルバノスキャナユニット32の作動前後でベンドミラー33へのレーザビームの入射位置を同じ位置としている。
ガルバノスキャナユニット32による作用によって、レーザビームの光軸が細実線で示す位置から太実線で示す位置へと変位したとする。ベンドミラー33で反射するレーザビームが角度θで傾斜したとすると、板金Wへのレーザビームの照射位置は距離Δsだけ変位する。集束レンズ34の焦点距離をEFL(Effective Focal Length)とすると、距離Δsは、EFL×sinθで計算される。
ガルバノスキャナユニット32がレーザビームを図3に示す方向とは逆方向に角度θだけ傾ければ、板金Wへのレーザビームの照射位置を図3に示す方向とは逆方向に距離Δsだけ変位させることができる。距離Δsは開口36aの半径未満の距離であり、好ましくは、開口36aの半径から所定の余裕量だけ引いた距離を最大距離とした最大距離以下の距離である。
以上のように構成されるレーザ加工機100は、レーザ発振器10より射出されたレーザビームによって板金Wを切断して所定の形状を有する製品を製作する。レーザ加工機100は、レーザビームの焦点を、板金Wの上面、上面より所定の距離だけ上方、または上面より所定の距離だけ下方で板金Wの板厚内のいずれかの適宜の位置に位置させて、板金を切断する。
図4に示すように、NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって、レーザビームを開口36aの中心36ctrよりも切断進行方向の前方側に変位させる。NC装置50は、レーザビームを切断進行方向の前方側に変位させた状態で、移動機構によって加工ヘッド35の相対的な位置を移動させて板金Wを切断する。
図4は、ビームウエスト(レーザビームの集束点)の位置を板金Wの表面よりも下方に位置させたデフォーカスの状態で板金Wを切断する状態を示している。図4においては、ビームウエストは板金Wの板厚方向の中央またはその近傍に位置している。NC装置50は、ビームウエストが、板金Wの板厚方向の中央もしくはその近傍、または、板金Wの表面よりも下方であって、板厚方向の中央よりも上方に位置するように、集束レンズ34の光軸方向の位置を調整することが好ましい。
さらに、図4に示すように、NC装置50は、開口36aの中心36ctrが、カッティングフロントCFにおける板金Wの板厚方向の中央よりも下方側に位置するように、加工ヘッド35を位置させるのがよい。
なお、酸素をアシストガスとして用いて板金Wを加工する場合、ビームウエストが板金Wの表面または表面より上方に位置するように、集束レンズ34の光軸方向の位置を調整してもよい。
図4において、アシストガス供給装置80によって加工ヘッド35へと供給されたアシストガスAGは、開口36aを通って板金Wに吹き付けられる。レーザビームを切断進行方向の前方側に変位させると、切断進行方向の後方側に生成される溶融金属Wmeltに作用するアシストガスAGの量を増やすことができる。つまり、アシストガスAGの流速の早いノズル36の中心位置直下に溶融金属Wmeltが多く存在するカッティングフロントCFの中央付近を設定することによって、溶融金属Wmeltの排出性を向上させることができるので、加工不良の発生を低減させることができる。
図5を用いて、NC装置50の機能的な構成例及びその動作を説明する。図5にいて、加工プログラムデータベース60には、板金Wを切断するための加工プログラムが記憶されている。加工条件データベース70には、板金Wを切断するときの各種の加工条件を記述した複数の加工条件ファイルが記憶されている。
NC装置50は、加工プログラムデータベース60より加工プログラムを読み出し、加工条件データベース70に記憶されている複数の加工条件ファイルのうちのいずれかの加工条件ファイルを選択する。NC装置50は、読み出した加工プログラム及び選択した加工条件ファイルで設定されている加工条件に基づいて板金Wを切断するようレーザ加工機100を制御する。
NC装置50は、機能的な構成として、NC制御部501、ビーム変位制御部504、移動機構制御部505、発振器制御部506を有する。NC制御部501は、加工プログラム及び加工条件ファイルで設定されている加工条件に基づいて、ビーム変位制御部504、移動機構制御部505、発振器制御部506を制御する。
ビーム変位制御部504には、移動機構制御部505が加工プログラムに従って加工ヘッド35を移動させるときのベクトル情報が供給される。ビーム変位制御部504は、ベクトル情報に基づき、レーザビームを開口36aの中心36ctrよりも切断進行方向の前方側に変位させるようガルバノスキャナユニット32の駆動部322及び324を制御する。
X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23よりなる移動機構(以下、移動機構22及び23)は、移動機構22及び23をそれぞれ駆動する駆動部220及び230を有する。移動機構制御部505は、駆動部220及び230を制御して加工ヘッド35を移動させる。発振器制御部506は、加工条件に基づいてレーザ発振器10を制御する。
移動機構制御部505は、例えば1msごとに駆動部220及び230を制御して加工ヘッド35を移動させる。よって、レーザビームが板金Wを切断する切断進行方向は1msの制御周期(第1の制御周期)で制御される。ビーム変位制御部504は、1msより短い制御周期で駆動部322及び324を制御して、1msより短い制御周期でレーザビームの振動を制御するのがよい。ビーム変位制御部504は、例えば1msを1/100した10μsの制御周期(第2の制御周期)でレーザビームの変位を制御する。
なお、NC制御部501は、移動機構制御部505とビーム変位制御部504に上記の1ms単位の指令を複数まとめて供給してもよい。この場合、ビーム変位制御部504は、次の1msにおける10μsの制御周期でレーザビームを変位させる方向と、さらに少なくともその次の1msにおける10μsの制御周期でレーザビームを変位させる方向とを同時に決定してもよい。
図6は、移動機構制御部505が1msの制御周期で加工ヘッド35(レーザビーム)を円弧状に移動させる状態を概念的に示している。ビーム変位制御部504が10μsごとに切断進行方向の前方側へのレーザビームの変位を制御することにより、レーザビームを高精度に変位させることができる。
なお、NC装置50、移動機構22及び23のモータアンプまたはモータの都合で、第1の制御周期と第2の制御周期における周期は任意に設定できる。また、第1の制御周期をさらに細分化するために、第1の制御周期と第2の制御周期との中間に別の制御周期を設定することも可能である。
図7及び図8を用いて、ビーム変位制御部504が移動機構制御部505による第1の制御周期よりも短い第2の制御周期でレーザビームの変位を制御することによる作用効果を具体的に説明する。図7は比較例であって、ビーム変位制御部504が第1の制御周期でレーザビームの変位を制御する場合の動作を概念的に示している。図8は、ビーム変位制御部504が第2の制御周期でレーザビームの変位を制御する場合の動作を概念的に示している。
図7は、移動機構制御部505が、製品の円弧状の端部E0に沿って加工ヘッド35を移動させる場合を示している。時刻t0〜t100が1msであるとする。図7及び図8において、開口36aの中心36ctrを黒丸で示し、レーザビーム(ビームスポットBs)を変位させる方向を黒丸からの矢印で示している。
ビーム変位制御部504には、時刻t0よりも前に、移動機構制御部505が時刻t0以降に加工ヘッド35を移動させるベクトル情報が供給されている。ビーム変位制御部504は、時刻t0においてビームスポットBsを切断進行方向の前方側に変位させる方向を決定する。時刻t0における切断進行方向の前方側とは、時刻t0における端部E0の接線方向を切断進行方向としたときの前方側ということである。ビーム変位制御部504が第1の制御周期でビームスポットBsの変位を制御する場合には、ビーム変位制御部504は、時刻t0〜t099の全ての時刻においてビームスポットBsを同じ方向に変位させる。
ビーム変位制御部504には、時刻t100よりも前に、移動機構制御部505が時刻t100以降に加工ヘッド35を移動させるベクトル情報が供給されている。ビーム変位制御部504は、時刻t100においてビームスポットBsを切断進行方向の前方側に変位させる方向を決定する。
このように、ビーム変位制御部504が第1の制御周期でレーザビームの変位を制御すると、第1の制御周期の全期間中、ビーム変位制御部504は、レーザビームを同じ方向に変位させることになる。レーザビームを変位させる方向は1msごとにしか更新されない。よって、レーザ加工機100は、製品の端部E0が例えば円弧のように曲線状であれば、端部E0を高精度に切断することはできない。
これに対して、ビーム変位制御部504が第2の制御周期でレーザビームの変位を制御すれば、ビーム変位制御部504は、時刻t0〜t099の各時点でのベクトル情報に基づいて切断進行方向の前方側に変位させる方向を決定することができる。時刻t0〜t099における切断進行方向の前方側とは、各時点での端部E0の接線方向を切断進行方向としたときの前方側ということである。
よって、図8に示すように、ビーム変位制御部504は、レーザビームを時刻t0〜t099の各時点における切断進行方向の最適な方向の前方側に変位させることができる。ビーム変位制御部504は、時刻t100以降も同様に、10μsごとにレーザビームを切断進行方向の最適な方向の前方側に変位させることができる。
よって、レーザ加工機100は、製品の端部が曲線状であっても、レーザビームをノズル36の開口36aの中心から切断進行方向の前方側に変位させて、製品の端部に沿って高精度に板金Wを切断することができる。
図9に示すような形状を有する製品の端部E0に沿って板金Wを切断する場合には、ビーム変位制御部504は次のようにレーザビームを変位させるようガルバノスキャナユニット32を制御するのがよい。レーザ加工機100は、製品の端部E01に沿って端部E01と端部E02との接続点であるコーナE0cまで板金Wを切断する。続けて、レーザ加工機100は、コーナE0cから製品の端部E02に沿って板金Wを切断する。
ビーム変位制御部504は、端部E01に沿って板金Wを切断して加工ヘッド35(ノズル36)がコーナE0cに到達した時点で、レーザビームの切断進行方向の前方側への変位量を0としてビームスポットBsを中心36ctrに位置させる。ビームスポットBsはコーナE0cに隣接する。よって、レーザ加工機100は、コーナE0cを有する形状の製品の端部E0(E01及びE02)に沿って、板金Wを切断することができる。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。図6に示すNC装置50内の機能的な構成は、非一時的な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムをNC装置50の中央処理装置が実行することによって実現してもよい。
10 レーザ発振器
20 レーザ加工ユニット
22 X軸キャリッジ(移動機構)
23 Y軸キャリッジ(移動機構)
30 コリメータユニット
31 コリメーションレンズ
32 ガルバノスキャナユニット(ビーム変位機構)
33 ベンドミラー
34 集束レンズ
35 加工ヘッド
36 ノズル
40 操作部
50 NC装置
60 加工プログラムデータベース
70 加工条件データベース
80 アシストガス供給装置
100 レーザ加工機
321,323 スキャンミラー
220,230,322,324 駆動部
501 NC制御部
504 ビーム変位制御部
505 移動機構制御部
506 発振器制御部
W 板金

Claims (6)

  1. レーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、
    前記加工ヘッドを板金の面に沿って前記板金に対して相対的に移動させる移動機構と、
    前記開口より射出されるレーザビームの前記開口内での位置を変位させるビーム変位機構と、
    前記加工ヘッドを第1の制御周期で相対的に移動させるよう前記移動機構を制御する移動機構制御部と、
    前記板金にレーザビームを照射して曲線状の端部を有する製品を製作するために、前記移動機構制御部が、前記製品を製作する加工プログラムに従ったベクトル情報に基づいて前記移動機構を制御して、前記加工ヘッドを前記第1の制御周期における1周期の第1の時刻から第2の時刻まで相対的に円弧状に移動させて、前記製品の端部に沿って前記板金を切断するときに、前記1周期における前記第1の制御周期より短い第2の制御周期の各時刻でのベクトル情報に基づいて、レーザビームの前記開口内の位置を、前記各時刻における前記製品の端部の接線方向であって前記開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させる方向を決定し、決定した前記各時刻における変位の方向にレーザビームを変位させるよう前記ビーム変位機構を制御するビーム変位制御部と、
    を備えるレーザ加工機。
  2. レーザビームのビームウエストの位置を前記板金の板厚内に位置させている請求項1に記載のレーザ加工機。
  3. 前記板金の表面におけるカッティングフロントの位置を前記切断進行方向の前方側に変位させ、前記開口の中心を前記カッティングフロントの板厚方向の中央よりも裏面側に位置させている請求項1または2に記載のレーザ加工機。
  4. 板金にレーザビームを照射して曲線状の端部を有する製品を製作するために、移動機構制御部が、前記製品を製作する加工プログラムに従ったベクトル情報に基づいて移動機構を制御して、レーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドを第1の制御周期における1周期の第1の時刻から第2の時刻まで相対的に円弧状に移動させ、
    前記加工ヘッドを相対的に円弧状に移動させることによって前記製品の端部に沿って前記板金を切断するときに、ビーム変位制御部が、前記1周期における前記第1の制御周期より短い第2の制御周期の各時刻でのベクトル情報に基づいて、レーザビームの前記開口内の位置を、前記各時刻における前記製品の端部の接線方向であって前記開口の中心から切断進行方向の前方側に変位させる方向を決定し、
    前記ビーム変位制御部が、決定した前記各時刻における変位の方向にレーザビームを変位させるよう、前記開口より射出されるレーザビームの前記開口内での位置を変位させるビーム変位機構を制御する
    レーザ加工方法。
  5. レーザビームのビームウエストの位置を前記板金の板厚内に位置させる請求項4に記載のレーザ加工方法。
  6. 前記板金の表面におけるカッティングフロントの位置を前記切断進行方向の前方側に変位させ、前記開口の中心を前記カッティングフロントの板厚方向の中央よりも裏面側に位置させる請求項4または5に記載のレーザ加工方法。
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