以下、一実施形態のレーザ加工機及びレーザ加工方法について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、レーザ加工機100は、レーザビームを生成して射出するレーザ発振器10と、レーザ加工ユニット20と、レーザ発振器10より射出されたレーザビームをレーザ加工ユニット20へと伝送するプロセスファイバ12とを備える。
また、レーザ加工機100は、操作部40と、NC装置50と、加工プログラムデータベース60と、加工条件データベース70と、アシストガス供給装置80とを備える。NC装置50は、レーザ加工機100の各部(具体的にはレーザ発振器10、レーザ加工ユニット20、及び、アシストガス供給装置80)を制御する制御装置の一例である。
操作部40は、オペレータが操作部40を操作することにより、操作内容に応じた指示情報SFをNC装置50へ出力する。NC装置50は、指示情報SFに基づいて、加工プログラムデータベース60から加工プログラム(NCデータ)PPを読み出し、加工条件データベース70から加工条件CPを読み出す。
具体的には、NC装置50は、指示情報SFに基づく製品の設計モデルに対応する加工プログラムPPを加工プログラムデータベース60から読み出す。加工プログラムPPは、レーザ加工機100が板金Wの加工を実行するためのプログラムである。加工条件CPには、板金Wの材質及び厚さ等の材料パラメータが指定された加工対象情報が含まれている。また、加工条件CPには、レーザビームの出力、加工速度、後述するノズル36の開口部36aの直径(ノズル径)等の加工パラメータ、及び、アシストガス条件等の切削加工情報が含まれている。
NC装置50は、製品の設計モデルに適した加工条件CPを加工条件データベース70から読み出す。NC装置50は、加工プログラムPP及び加工条件CPに基づいて、レーザ発振器10、レーザ加工ユニット20、及び、アシストガス供給装置80を制御する。
レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、または、レーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。レーザ発振器10は、例えば、固体レーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)である。
レーザ発振器10は、波長900nm〜1100nmの1μm帯のレーザビームを射出する。ファイバレーザ発振器及びDDL発振器を例とすると、ファイバレーザ発振器は、波長1060nm〜1080nmのレーザビームを射出し、DDL発振器は、波長910nm〜950nmのレーザビームを射出する。
レーザ加工ユニット20は、加工対象物である板金Wを載せる加工テーブル21と、門型のX軸キャリッジ22と、Y軸キャリッジ23と、Y軸キャリッジ23に固定されたコリメータユニット30と、加工ヘッド35とを有する。板金Wは例えばステンレス鋼よりなる。板金Wの材料及び板厚は特に限定されない。
X軸キャリッジ22は、加工テーブル21上でX軸方向に移動自在に構成されている。Y軸キャリッジ23は、X軸キャリッジ22上でX軸に垂直なY軸方向に移動自在に構成されている。X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23は、加工ヘッド35を板金Wの面に沿って、X軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させる移動機構として機能する。
レーザ加工機100は、加工ヘッド35を板金Wの面に沿って移動させる代わりに、加工ヘッド35は位置が固定されていて、板金Wが移動するように構成されていてもよい。レーザ加工機100は、板金Wの面に対して加工ヘッド35を相対的に移動させる移動機構を備えていればよい。
加工ヘッド35には、先端部に円形の開口部36aを有し、開口部36aよりレーザビームLBを射出するノズル36が取り付けられている。ノズル36の開口部36aより射出されたレーザビームLBは板金Wに照射される。
アシストガス供給装置80は、アシストガスAGを加工ヘッド35に供給する。アシストガス供給装置80は、板金Wがステンレス鋼であれば窒素を、板金Wが軟鋼であれば酸素をアシストガスAGとして加工ヘッド35に供給する。アシストガスAGは、混合ガスでもよく、その目的が酸化抑制なのか、酸化反応熱を利用するのかによって、混合比を任意に設定できるものである。板金Wの加工時に、アシストガスAGは開口部36aより板金Wへと吹き付けられる。アシストガスAGは、板金Wが溶融したカーフ内の溶融金属を排出する。
図2に示すように、コリメータユニット30は、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームLBを平行光(コリメート光)に変換するコリメーションレンズ31を備える。また、コリメータユニット30は、ガルバノスキャナユニット32と、ガルバノスキャナユニット32より射出されたレーザビームLBをX軸及びY軸に対して垂直なZ軸方向下方に向けて反射させるベンドミラー33とを備える。加工ヘッド35は、ベンドミラー33で反射したレーザビームLBを集束して、板金Wに照射する集束レンズ34を備える。
ガルバノスキャナユニット32は、コリメーションレンズ31より射出されたレーザビームLBを反射するスキャンミラー321と、スキャンミラー321を所定の角度となるように回転させる駆動部322とを有する。また、ガルバノスキャナユニット32は、スキャンミラー321より射出されたレーザビームLBを反射するスキャンミラー323と、スキャンミラー323を所定の角度となるように回転させる駆動部324とを有する。
図3は、基準状態におけるレーザビームLBとノズル36の開口部36aとの位置関係を示している。符号BSは、レーザビームLBが板金Wに照射されたときの照射位置におけるビームスポットを示す。符号BCは、ビームスポットBSの中心を示す。以下、ビームスポットBSの中心BCをビーム中心BCとする。
レーザ加工機100は、ノズル36の開口部36aより射出されるレーザビームLBが開口部36aの中心に位置するように芯出しされている。開口部36aの中心とノズル36の中心とは一致している。以下、開口部36aの中心とノズル36の中心とを総称して、ノズル中心NCとする。基準の状態では、ビーム中心BCはノズル中心NCと一致している。従って、基準状態では、レーザビームLBは、ノズル中心NCより射出する。ガルバノスキャナユニット32は、加工ヘッド35内を進行して開口部36aより射出されるレーザビームLBの開口部36a内での位置を変位させるビーム変位機構として機能する。
駆動部322及び324は、NC装置50による制御に基づき、それぞれ、スキャンミラー321及び323を所定の角度範囲で往復振動させることもできる。スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方を往復振動させることによって、ガルバノスキャナユニット32は、板金Wに照射されるレーザビームLBを振動させることができる。即ち、NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32を、加工ヘッド35内を進行して開口部36aより射出されるレーザビームLBを、開口部36a内で振動させるビーム振動機構として機能させることもできる。
NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32の駆動部322及び324を制御することによって、レーザビームLBが板金Wの面上に照射されることにより形成されるビームスポットBSを変位させることができる。また、NC装置50は、レーザビームLBを板金Wの面内の所定の方向に振動させて、板金Wの面上に形成されるビームスポットを振動させることができる。ガルバノスキャナユニット32はビーム変位機構及びビーム振動機構の一例であり、ビーム変位機構及びビーム振動機構はガルバノスキャナユニット32に限定されない。
図4は、図2に示すスキャンミラー321及びスキャンミラー323のいずれか一方または双方が傾けられて、板金Wに照射されるレーザビームLBの位置が変位した状態を示している。図4において、ベンドミラー33で折り曲げられて集束レンズ34を通過する細実線は、レーザ加工機100が基準の状態であるときのレーザビームLBの光軸を示している。
なお、詳細には、ベンドミラー33の手前に位置しているガルバノスキャナユニット32の作動により、ベンドミラー33に入射するレーザビームLBの光軸の角度が変化し、光軸がベンドミラー33の中心から外れる。図4では、簡略化のため、ガルバノスキャナユニット32の作動前後でベンドミラー33へのレーザビームLBの入射位置を同じ位置としている。
ガルバノスキャナユニット32による作用によって、レーザビームLBの光軸が細実線で示す位置から太実線で示す位置へと変位したとする。ベンドミラー33で反射するレーザビームLBが角度θで傾斜したとすると、板金WへのレーザビームLBの照射位置は距離Δsだけ変位する。集束レンズ34の焦点距離をEFL(Effective Focal Length)とすると、距離Δsは、関係式Δs=EFL×sinθにより算出することができる。
ガルバノスキャナユニット32がレーザビームLBを図4に示す方向とは逆方向に角度θだけ傾ければ、板金WへのレーザビームLBの照射位置を図4に示す方向とは逆方向に距離Δsだけ変位させることができる。
図5は、レーザビームLBの光軸を変位させた状態におけるレーザビームLBとノズル36の開口部36aとの位置関係を示している。即ち、距離Δsは、板金WにレーザビームLBが照射される位置(以下、照射位置とする)におけるノズル中心NCとビーム中心BCとの距離であり、ノズル中心NCに対するビーム中心BCの変位量に相当する。以下、ノズル中心NCに対するビーム中心BCの変位量を、単に、ビーム中心BCの変位量とする。
ノズル36の開口部36aにおけるビーム中心BCの変位量と、板金WへのレーザビームLBの照射位置におけるビーム中心BCの変位量とは等しいものとする。即ち、ノズル36の開口部36aにおけるビーム中心BCがノズル中心NCに対して距離Δsだけ変位する場合に、板金WへのレーザビームLBの照射位置におけるビーム中心BCもノズル中心NCに対して距離Δsだけ変位するものとする。
図5に示すように、ビーム中心BCの変位量(レーザビームLBの変位量)に相当する距離Δsが開口部36aの半径未満であれば、レーザ加工機100は、ビームスポットBS(レーザビームLB)を変位させて板金Wを加工することができる。詳しくは、開口部36aの半径をraとし、ビームスポットBSの半径をrbとすると、距離Δsが関係式Δs+rb<raを満たせば、レーザ加工機100は、ビームスポットBS(レーザビームLB)を変位させて板金Wを加工することができる。なお、距離Δsが開口部36aの半径未満でなければ、レーザ加工機100は、ビーム中心BCをノズル中心NCと一致させた状態で板金Wを加工する。
板金Wの加工時に、アシストガスは開口部36aより板金Wへと吹き付けられる。アシストガスは、開口部36aの中心部に対して内周付近ではガス圧及び流量が弱くなる。そのため、開口部36aの半径raから所定の距離Laだけ減算した距離を最大距離としたとき、距離Δsは最大距離以下の値であることが好ましい。詳しくは、距離Δsは、関係式Δs+rb<ra−Laを満たす値であることが好ましい。
図5に一点鎖線で示す円は、ビームスポットBSを変位させることができるビーム移動範囲を示している。レーザ加工機100は、一点鎖線で示すビーム移動範囲内でビームスポットBSを変位させることにより、目的のガス圧及び流量のアシストガスを板金Wへと吹き付けながら、板金Wを切断加工することができる。
図6に示すように、NC装置50は、移動制御部501、移動指令分割部503、移動機構制御部505、及び、変位制御部506を備える。移動指令分割部503は、遅延器5031、ローパスフィルタ(以下、LPF)5032、及び、減算器5033を有する。
図6〜図7B、図8A〜図8Dに示すフローチャート、及び、図9A〜図13Gを用いて、レーザ加工機100による加工方法の一例を説明する。
具体的には、図7Aに示すように、板金Wを切り欠き部NSを有する加工形状に切断する加工方法の一例を説明する。図7Bは、図7Aにおける切り欠き部NSの各座標点Pa、Pb、Pc、Pd、及び、Peを示している。即ち、図7Bは、板金Wの加工形状における各座標点を示している。図9A〜図9C、及び、図10A〜図10Cに示す時点tb、tf、tg、及び、thは、それぞれ、図7Bに示す座標点Pb、Pc、Pd、及び、Peを加工する時点に相当する。
図8Aにおいて、オペレータが操作部40を操作することにより、操作部40は、ステップS1にて、操作内容に基づいた指示情報SFをNC装置50へ出力する。移動制御部501は、ステップS2にて、指示情報SFに基づいて、加工プログラムデータベース60から加工プログラムPPを読み出し、加工条件データベース70から加工条件CPを読み出す。
移動制御部501は、ステップS3にて、加工プログラムPP、及び、加工条件CPに基づいて、図9A及び図10Aに示すような速度制御情報を含む移動指令信号CSを生成する。図9Aは、移動指令信号CSにおける各時点のX軸方向の加工速度を示している。図10Aは、移動指令信号CSにおける各時点のY軸方向の加工速度を示している。
移動指令信号CSは、時点tbまでの期間、及び、時点tdから時点tgまでの期間において、Y軸方向の加工速度を0とし、X軸方向の加工速度を加工条件CPに基づく所定の速度Vxaとして、加工位置をX軸方向に移動させる等速移動指令を含む。また、移動指令信号CSは、時点tbから時点tdまでの期間において、X軸方向の加工速度を0とし、Y軸方向の加工速度を加工条件CPに基づく所定の速度Vyaとして、加工位置をY軸方向に移動させる等速移動指令を含む。
即ち、移動指令信号CSは、板金Wを切断加工する方向(加工方向)及び速度(加工速度)を制御するための移動指令信号である。さらに、移動制御部501は、移動指令信号CSを移動指令分割部503へ出力する。
移動制御部501は、ステップS4にて、加工プログラムPPから加工形状の座標情報CFを取得する。例えば、図7Aに示すように、板金Wの加工形状(製品の形状)が切り欠き部NSを有する場合、移動制御部501は、図7Bに示すように、切り欠き部NSにおける座標点Pa、Pb、Pc、Pd、及び、Peを含む座標情報CFを取得する。座標点Pa、Pb、Pc、Pd、及び、Peは、例えば、切断を開始する座標点、及び、切断方向を切り替える座標点である。座標情報CFは、上記の座標点以外の1またはそれ以上の座標点を含んでいてもよい。
移動制御部501は、ステップS5にて、加工プログラムPPに基づいて板金Wを加工するときに、レーザビームLBがノズル36の開口部36aの領域内で変位するか否かを、座標情報CFに基づいて判定する。図8Bを用いて、ステップS5における具体的な判定方法の一例を説明する。
図7Aに示すように加工形状が切り欠き部NSを有する場合、図8Bにおいて、移動制御部501は、ステップS51にて、座標情報CFに基づいて、座標点間の距離Dを算出する。例えば、移動制御部501は、図7Bに示すように座標点Pbから座標点Pcまでの距離Dbcを算出する。距離Dbcは切り欠き部NSの段差に相当する。移動制御部501は、ステップS52にて、座標点間の距離D(具体的には距離Dbc)が開口部36aの領域内に収まるか否かを判定する。
ステップS52にて距離Dbcが開口部36aの領域内に収まる(YES)と判定された場合、移動制御部501は、ステップS53にて、距離Dbc、加工速度、加工ヘッド35の加速度(減速度)、及び、座標点Pbから座標点Pcまでの区間においてビームスポットBSの変位量(Δs)が変化した量(距離)に基づいて、ビーム復帰距離BRDを算出する。即ち、移動制御部501は、所定の加工区間における距離(座標点間の距離)、加工速度、加工ヘッド35の加速度(減速度)、及び、ビームスポットBSの変位量が変化した量に基づいて、ビーム復帰距離BRDを算出する。よって、移動制御部501は、ステップS53にて、ビーム復帰距離BRDを取得する。ビーム復帰距離BRDの具体的な算出方法については後述する。
ビーム復帰距離BRDとは、所定の加工速度で板金Wを加工し、かつ、変位したビームスポットBSが所定の位置(例えば初期設定位置)に戻るまでに必要な距離である。言い換えれば、ビーム復帰距離BRDとは、加工速度を減速させずに加工ヘッド35を移動させ、かつ、ビームスポットBSが変位したときに、ビームスポットBSと加工ヘッド35との位置関係(ビーム中心BCとノズル中心NCとの位置関係)が所定の状態(例えば初期設定状態)に戻るまでに必要な距離である。
加工時において、ビームスポットBSの変位量は加工位置に応じて変化する。ビームスポットBSの変位量が変化した量とは、加工時(例えば座標点Pbから座標点Pcまでの区間)においてビームスポットBSの変位量が加工位置に応じて変化した差分である。即ち、ビームスポットBSの変位量が変化した量とは、加工時においてノズル中心NCからビーム中心BCまでの距離が加工位置に応じて変化した差分の距離である。
従って、レーザ加工機100は、加工時にビームスポットBSをビーム復帰距離BRD以下となるように変位させることにより、加工途中であってもビームスポットBSを初期設定状態に復帰させることができる。
ビーム復帰距離BRDは加工条件CPに予め設定されていてもよい。ビーム復帰距離BRDが加工条件CPに予め設定されている場合、移動制御部501は、ステップS53にて、加工条件CPからビーム復帰距離BRDを取得する。
移動制御部501は、ステップS54にて、座標情報CFに基づいて、図7Bに示すように次の座標点Pcから座標点Pdまでの距離Dcdを算出する。移動制御部501は、ステップS55にて、距離Dcdがビーム復帰距離BRD以上であるか否かを判定する。
ステップS54にて距離Dcdがビーム復帰距離BRD以上である(YES)と判定された場合、移動指令分割部503は、移動指令信号CSを遅延器5031とLPF5032とに出力する。ステップS54にて距離Dcdがビーム復帰距離BRD以上である(YES)と判定された場合、移動制御部501は、ステップS54に戻り、座標情報CFに基づいて、次の座標点間の距離D(例えば座標点Pdから座標点Peまでの距離Dde)を算出する。さらに、移動制御部501は、ステップS55にて、距離Ddeがビーム復帰距離BRD以上か否かを判定する。
図8Aにおいて、遅延器5031は、ステップS6にて、移動指令信号CSを所定の時間だけ遅延させる遅延移動指令信号DCSを生成し、減算器5033へ出力する。
図8Cにおいて、LPF5032は、ステップS7にて、移動指令信号CSにおける低域周波数成分のみを通過させるフィルタリング処理(ベッセルフィルタ処理)を実行することにより、図9B及び図10Bに示すような速度制御情報を含む主移動指令信号MCSを生成する。図9Bは、主移動指令信号MCSにおける各時点のX軸方向の速度を示している。図10Bは、主移動指令信号MCSにおける各時点のY軸方向の速度を示している。主移動指令信号MCSは、加工ヘッド35(ノズル中心NC)の移動方向及び移動速度を制御するための移動指令信号である。
主移動指令信号MCSは、時点tbまでの期間、及び、時点tfから時点tgまでの期間において、Y軸方向の移動速度を0とし、X軸方向の移動速度を加工条件CPに基づく所定の速度Vxaとして、加工ヘッド35(ノズル中心NC)をX軸方向に移動させる等速移動指令を含む。
主移動指令信号MCSは、図9Bに示すように、時点tbから時点tfまでの期間において、加工ヘッド35をX軸方向に対しては移動速度が加工条件CPに基づく所定の速度Vxaから、速度Vxaよりも遅い速度Vxbとなるように減速させる減速指令と、速度Vxbから速度Vxaとなるように加速させる加速指令とを含む。
主移動指令信号MCSは、図10Bに示すように、時点tbから時点tfまでの期間において、加工ヘッド35をY軸方向に対しては移動速度が0から加工条件CPに基づく所定の速度Vybとなるように加速させる加速指令と、速度Vybから0となるように減速させる減速指令とを含む。
X軸方向において、座標点Pbから座標点Pcまでの加工方向と座標点Pdから座標点Peまでの加工方向とは同じである。従って、図9Bに示すように、時点tbから時点tfまでの期間における速度プロファイルと時点tgから時点thまでの期間における速度プロファイルとは同じである。
Y軸方向において、座標点Pbから座標点Pcまでの加工方向と座標点Pdから座標点Peまでの加工方向とは互いに逆方向である。従って、図10Bに示すように、時点tbから時点tfまでの期間における速度プロファイルと時点tgから時点thまでの期間における速度プロファイルとは、正負が反転した関係を有する。
即ち、主移動指令信号MCSは、加工ヘッド35をX軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させ、かつ、座標点Pa〜Peにおける各区間の加工ヘッド35の移動速度を制御するための移動指令信号である。
さらに、LPF5032は、主移動指令信号MCSを減算器5033、及び、移動機構制御部505へ出力する。従って、減算器5033には、遅延器5031から遅延移動指令信号DCSが入力され、LPF5032から主移動指令信号MCSが入力される。
ビーム復帰距離BRDの具体的な算出方法について説明する。図9Bに示すように、移動制御部501は、時点tbから時点tdまでの時間、加工速度、及び、加工ヘッド35の減速度に基づいて、距離Saを算出する。移動制御部501は、距離Sa、加工速度、及び、加工ヘッド35の減速度及び加速度に基づいて、距離Saと距離Sbとが同じ(Sa=Sb)になる時点tfを求める。移動制御部501は、時点tdから時点tfまでの時間、加工速度、及び、加工ヘッド35の減速度及び加速度に基づいて、ビーム復帰距離BRDを算出する。よって、移動制御部501は、ビーム復帰距離BRDを取得する。
図8Cにおいて、減算器5033は、ステップS8にて、遅延移動指令信号DCSから主移動指令信号MCSを減算することにより、図9C及び図10Cに示すような速度制御情報を含む副移動指令信号SCSを生成する。図9Cは、副移動指令信号SCSにおける各時点のX軸方向の速度を示している。図10Cは、副移動指令信号SCSにおける各時点のY軸方向の速度を示している。なお、図9C及び図10Cでは、副移動指令信号SCSにおける各時点のX軸方向及びY軸方向の速度を、ノズル中心NCに対するビーム中心BCの相対速度として示している。
副移動指令信号SCSは、ビームスポットBS(ビーム中心BC)の移動方向及び移動速度を制御するための移動指令信号であり、ノズル中心NC(加工ヘッド35)に対するビーム中心BC(ビームスポットBS)の変位方向及び変位速度を制御するための移動指令信号である。
図9C及び図10Cに示すように、副移動指令信号SCSは、時点tbまでの期間、及び、時点tfから時点tgまでの期間において、ノズル中心NCに対するビーム中心BCの相対速度(変位速度)を0として、即ち、加工ヘッド35と同じ速度VxaでビームスポットBS(ビーム中心BC)をX軸方向に移動させる等速移動指令を含む。
副移動指令信号SCSは、時点tbにおいて、ビームスポットBSの相対速度をX軸方向に対しては速度0から速度Vxcに瞬時に切り替え、Y軸方向に対しては速度0から速度Vycに瞬時に切り替える速度切り替え指令を含む。速度VxcはX軸方向に対して負の速度であり、速度VycはY軸方向に対して正の速度である。
副移動指令信号SCSは、時点tbから時点tdまでの期間において、ビームスポットBSをX軸方向に対しては相対速度が速度Vxcから、速度Vxcよりも速い速度Vxdとなるように加速させる加速指令と、Y軸方向に対しては相対速度が速度Vycから、速度Vycよりも遅い速度Vydとなるように減速させる減速指令とを含む。速度VxdはX軸方向に対して負の速度であり、速度VydはY軸方向に対して正の速度である。
副移動指令信号SCSは、時点tdにおいて、ビームスポットBSの相対速度をX軸方向に対しては速度Vxdから速度Vxeに瞬時に切り替え、Y軸方向に対しては速度Vydから速度Vyeに瞬時に切り替える速度切り替え指令を含む。速度VxeはX軸方向に対して正の速度であり、速度VyeはY軸方向に対して負の速度である。
なお、ガルバノスキャナユニット32によるビームスポットBS(ビーム中心BC)の加速度(減速度)は、加工ヘッド35(ノズル中心NC)の加速度(減速度)と比較して桁違いに大きい。従って、ビームスポットBSが加速または減速する時間は、加工ヘッド35が加速または減速する時間と比較して無視できる程度に短い。
そこで、説明をわかりやすくするために、図9C及び図10Cでは、時点tb及びtdにおいて速度(相対速度)が瞬間的に切り替わるように示している。上記の理由と同様の理由により、移動指令信号CSに対する遅延移動指令信号DCSの遅延時間は無視できる程度に短いため、図9A及び図10Aでは、移動指令信号CS及び遅延移動指令信号DCSを同じ速度プロファイルで示している。
図9Cに示すように、副移動指令信号SCSは、時点tdから時点tfまでの期間において、ビームスポットBSをX軸方向に対しては相対速度が速度Vxeから速度Vxeよりも速い速度Vxfとなるように加速させる加速指令と、速度Vxfから0となるように減速させる減速指令とを含む。速度VxfはX軸方向に対して正の速度である。
X軸方向において、座標点Pbから座標点Pcまでの加工方向と座標点Pdから座標点Peまでの加工方向とは同じである。従って、図9Cに示すように、時点tbから時点tfまでの期間における速度プロファイルと時点tgから時点thまでの期間における速度プロファイルとは同じである。
図10Cに示すように、副移動指令信号SCSは、時点tdから時点tfまでの期間において、ビームスポットBSをY軸方向に対しては相対速度が速度Vyeから速度Vyeよりも遅い速度Vyfとなるように減速させる減速指令と、速度Vyfから0となるように加速させる加速指令とを含む。速度VyfはY軸方向に対して負の速度である。
Y軸方向において、座標点Pbから座標点Pcまでの加工方向と座標点Pdから座標点Peまでの加工方向とは互いに逆方向である。従って、図10Cに示すように、時点tbから時点tfまでの期間における速度プロファイルと時点tgから時点thまでの期間における速度プロファイルとは、正負が反転した関係を有する。
図9Cに示す距離Scは、座標点Pbから座標点Pcまでの区間においてビームスポットBSの変位量が変化した量であり、座標点PbにおけるビームスポットBSの変位量と座標点PcにおけるビームスポットBSの変位量との差分に相当する。言い換えれば、距離Scは、座標点Pbにおけるノズル中心NCからビーム中心BCまでの距離と、座標点Pcにおけるノズル中心NCからビーム中心BCまでの距離との差分の距離に相当する。
距離Sdは、座標点PcからビームスポットBSが所定の状態(例えば初期設定状態)に復帰する時点tfに対応する座標点までの区間においてビームスポットBSの変位量が変化した量である。図9Bに示す距離Saと、図10Bに示す距離Seと、図10Cに示す距離Sgは、図9Cに示す距離Scと等しい。図9Bに示す距離Sbと、図10Bに示す距離Sfと、図10Cに示す距離Shは、図9Cに示す距離Sdと等しい。さらに、減算器5033は、副移動指令信号SCSを変位制御部506へ出力する。
図11及び図12は、それぞれ、X軸方向及びY軸方向における各時点のノズル中心NCとビーム中心BCとの距離(ビーム中心BCの変位量)を示している。図11に示す符号DDxは、ノズル中心NCとビーム中心BCとのX軸方向における距離の最大変化量、即ち、ビーム中心BCの変位量のX軸方向における最大変化量を示している。図12に示す符号DDyは、ノズル中心NCとビーム中心BCとのY軸方向における距離の最大変化量、即ち、ビーム中心BCの変位量のY軸方向における最大変化量を示している。
図11及び図12に示す符号DDmaxは、図5に一点鎖線で示すビーム移動範囲(距離)を示している。即ち、距離DDmaxは、DDmax=Ra、または、DDmax=Ra−Laで示される関係を有する。
図6に示すように、X軸キャリッジ22とY軸キャリッジ23とにより構成される移動機構は、X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23をそれぞれ駆動する駆動部220及び230を有する。図8Cにおいて、移動機構制御部505は、ステップS9にて、主移動指令信号MCSに基づいて駆動部220及び230を制御することにより、加工ヘッド35を移動させる。変位制御部506は、ステップS10にて、副移動指令信号SCSに基づいてガルバノスキャナユニット32の駆動部322及び324を駆動して、ビームスポットBSを変位させる。
図8Aに示すステップS5にて、レーザビームLBがノズル36の開口部36aの領域内で変位しない(NO)と判定された場合について説明する。レーザビームLBがノズル36の開口部36aの領域内で変位しない(NO)と判定された場合とは、具体的には図8Bに示すステップS52にて、座標点間の距離Dが開口部36aの領域内に収まらない(No)と判定された場合、または、ステップS55にて、座標点P間の距離Dがビーム復帰距離BRD以上ではない(No)と判定された場合である。
図8Aに示すステップS5にて、レーザビームLBがノズル36の開口部36aの領域内で変位しない(NO)と判定された場合、図8Dにおいて、LPF5032は、ステップS17にて、移動指令信号CSにおける低域周波数成分のみを通過させるフィルタリング処理(ベッセルフィルタ処理)を実行する。
LPF5032は、上記のフィルタリング処理により、図9B及び図10Bに示すような速度制御情報を含む主移動指令信号MCSを生成する。ステップS17はステップS7に相当する。レーザ加工機100は、ステップS19にて、ビーム中心BCをノズル中心NCと一致させた状態で、加工プログラムPP及び加工条件CPに基づいて加工ヘッド35を移動させ、板金Wを加工する。
図9A〜図9C、図10A〜図10C、及び、図13A〜図13Gを用いて、図7Aに示すように板金Wを切り欠き部NSを有して切断するときの加工ヘッド35とビームスポットBSとの位置関係について説明する。
図13A〜図13Gは、それぞれ、図9A〜図9C、及び、図10A〜図10Cの時点ta〜時点tgにおけるノズル中心NC(加工ヘッド35)とビーム中心BC(ビームスポットBS)との位置関係を示している。具体的には、図13Aは時点ta、図13Bは時点tb、図13Cは時点tc、図13Dは時点td、図13Eは時点te、図13Fは時点tf、図13Gは時点tgにおける板金Wの加工位置を示している。
図13Aに示すように、ビームスポットBS(レーザビームLB)は、ビーム中心BCがノズル中心NCに対して所定の変位量DAxだけX軸方向に変位する位置が初期設定位置となるように設定されている。時点taでは、加工ヘッド35は、ビームスポットBSが変位量DAxだけX軸方向に変位した状態で、速度VxaでX軸方向に移動している。
図13Bに示すように、時点tbでは、ビーム中心BCは座標点Pbに到達する。加工ヘッド35は、時点tbで移動方向をX軸方向からX軸とY軸との合成方向に変更し、かつ、X軸方向に対しては減速を開始し、Y軸方向に対しては加速を開始する。ビームスポットBSは、時点tbで移動方向を、X軸方向からY軸方向に変更する。ノズル中心NCに対するビーム中心BCの相対速度は、X軸方向に対しては速度0から速度Vxcに変更され、Y軸方向に対しては速度0から速度Vycに変更される。
ビームスポットBSは、時点tbで初期設定位置に対して変位を開始する。図11及び図12に示すように、ビーム中心BCとノズル中心NCとの距離は、時点tbでX軸方向に対しては短くなるように変更され、Y軸方向に対しては長くなるように変更される。即ち、時点tbでは、ビーム中心BCは、X軸方向に対してはノズル中心NCに接近する方向に変位を開始し、Y軸方向に対してはノズル中心NCから離隔する方向に変位を開始する。
図13Cに示すように、時点tcでは、加工ヘッド35は、移動方向を加工位置に応じてX軸とY軸との合成方向に変更し、かつ、X軸方向に対しては減速を継続し、Y軸方向に対しては加速を継続する。時点tcでは、ビームスポットBSは座標点Pbから座標点Pcに向かってY軸方向に移動中であり、かつ、加工位置に応じて変位量が変更される。
図13Dに示すように、時点tdでは、ビーム中心BCは座標点Pcに到達する。時点tdでは、加工ヘッド35は、移動方向を加工位置に応じてX軸とY軸との合成方向に変更し、かつ、X軸方向に対しては減速を継続し、Y軸方向に対しては加速を継続する。ビームスポットBSは、時点tcで移動方向を、Y軸方向からX軸方向に変更し、かつ、加工位置に応じて変位量が変更される。ノズル中心NCに対するビーム中心BCの相対速度は、X軸方向に対しては速度Vxdから速度Vxeに変更され、Y軸方向に対しては速度Vydから速度Vyeに変更される。
図11及び図12に示すように、時点tdでは、ビームスポットBSの変位量が初期設定位置に対して最大となる。即ち、ビームスポットBSの変位量は、時点tdで、ビーム中心BCのX軸方向及びY軸方向における最大変化量DDx及びDDyとなる。レーザビームLB(ビームスポットBS)は、距離DDmaxで示されるビーム移動範囲内において変位することができる。
図9B及び図10Bに示すように、時点tdから時点teまでの期間において、加工ヘッド35は、X軸方向に対しては減速後に加速を開始し、Y軸方向に対しては加速後に減速を開始する。図13Eに示すように、時点teでは、加工ヘッド35は、移動方向を加工位置に応じてX軸とY軸との合成方向に変更し、かつ、X軸方向に対しては加速を継続し、Y軸方向に対しては減速を継続する。時点teでは、ビームスポットBSは座標点Pcから座標点Pdに向かってX軸方向に移動中であり、かつ、加工位置に応じて変位量が変更される。
図13Fに示すように、時点tfでは、加工ヘッド35はX軸とY軸との合成方向に移動し、かつ、ビームスポットBS(レーザビームLB)はビーム中心BCが座標点Pcと座標点Pdとを結ぶ線上を移動し、かつ、初期設定位置に復帰する。ノズル中心NCに対するビーム中心BCの相対速度は、X軸方向及びY軸方向に対して0となる。時点tf以降では、加工ヘッド35及びビームスポットBSは、ビーム中心BCがノズル中心NCに対して変位量DAxだけX軸方向に変位した状態で、座標点Paと座標点Pbとを結ぶ線上を同じ軌跡で移動する。
従って、時点tbまでの期間は、加工ヘッド35及びビームスポットBSは、ビーム中心BCがノズル中心NCに対して変位量DAxだけX軸方向に変位した状態を維持して、座標点Paと座標点Pbとを結ぶ線上を同じ軌跡で移動する。時点tbまでの期間は座標点Pbまでの区間に相当する。
時点tbから時点tfまでの期間では、加工ヘッド35は、加工位置に応じてX軸とY軸との合成方向に移動することにより、切り欠き部NSの頂点(座標点Pc)よりも内側を通過する軌跡上を移動する。時点tbから時点tfまでの期間では、ビームスポットBSは、加工位置に応じて、初期設定位置に対して変位量を変更させながら変位し、座標点Paと座標点Pbとを結ぶ線上、座標点Pbと座標点Pcとを結ぶ線上、及び、座標点Pcと座標点Pdとを結ぶ線上を順次移動する。
図13Gに示すように、時点tgでは、ビーム中心BCは座標点Pdに到達する。加工ヘッド35は、時点tgで移動方向をX軸方向からX軸とY軸との合成方向に変更し、かつ、X軸方向に対しては減速を開始し、Y軸方向に対しては加速を開始する。ビームスポットBSは、時点tbで移動方向を、X軸方向からY軸方向(具体的には−Y軸方向)に変更する。時点tb以降の加工方向と時点tg以降の加工方向とは互いに逆方向である。
従って、図10Bに示すように、時点tbから時点tfまでの期間における加工ヘッド35の速度プロファイルと、時点tgから時点thまでの期間における加工ヘッド35の速度プロファイルとは、互いに正負が反対の関係になる。同様に、図10Cに示すように、時点tbから時点tfまでの期間におけるビームスポットBSの速度プロファイルと、時点tgから時点thまでの期間におけるビームスポットBSの速度プロファイルとは、互いに正負が反対の関係になる。
レーザ加工機100及びそのレーザ加工方法では、板金Wを加工するときに、レーザビームLBがノズル36の開口部36aの領域内で変位するか否かを判定する。レーザ加工機100及びそのレーザ加工方法では、レーザビームLBがノズル36の開口部36aの領域内で変位すると判定された場合、座標点Pb及びPcにおける加工ヘッド35の移動方向を連続的に変更し、かつ、加工ヘッド35の移動速度の変化量を抑制し、かつ、加工速度を変更(減速)することなく、板金Wを精度良く加工することができる。
従って、レーザ加工機100及びレーザ加工方法によれば、切断進行方向を所定の角度以下の角部で曲げて板金Wを切断したり、切断進行方向を急激に変更して板金Wを曲線状に切断したりする場合でも、従来よりも板金Wを高速に切断することができ、加工時間を短くすることができる。
レーザ加工機100及びそのレーザ加工方法では、板金Wを加工するときに、座標点間の距離がビーム復帰距離BRD以上か否かを判定する。レーザ加工機100及びそのレーザ加工方法では、板金Wを加工中にビームスポットBSが初期設定位置に復帰できるか否かを判定する。そのため、レーザ加工機100は、ビームスポットBSが初期設定位置に復帰できる場合にはビームスポットBSを初期設定位置に対して変位させて板金Wを加工することができる。
レーザ加工機100は、レーザビームLBがノズル36の開口部36aの領域内で変位しない場合、または、ビームスポットBSが初期設定位置に復帰できない場合には、ビームスポットBSを初期設定位置に固定した状態で板金Wを加工する。即ち、レーザ加工機100及びそのレーザ加工方法によれば、板金Wの加工中におけるビームスポットBSの変位状態に応じて加工方法を変更することができる。
レーザ加工機100及びそのレーザ加工方法では、座標点間の距離がビーム復帰距離BRD以上でない場合、次の座標点間の距離がビーム復帰距離BRD以上であるか否かを判定してもよい。次の座標点間の距離がビーム復帰距離BRD以上である場合、レーザ加工機100は、ステップS5からステップS6へ処理を進めることができる。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。