JP7007213B2 - セメント組成物及びセメント組成物の製造方法 - Google Patents

セメント組成物及びセメント組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、産業廃棄物、一般廃棄物、建設発生土等の廃棄物を原料として多量に使用しても水和熱が抑制されたセメント組成物、及び水和熱が抑制されたセメント組成物の製造方法に関する。
近年、セメント業界における各種廃棄物及び副産物の受け入れ拡大に伴い、ポルトランドセメントの鉱物組成は、従来よりも間隙相(アルミネート相:CA+フェライト相:CAF)量が増大している傾向にある。特に、CA量の増大は、セメントの水和熱量の増大に直接的に結びつくため、非常に厳しいセメントの品質管理が必要となっている。
最も一般的なセメントである、普通ポルトランドセメントについては、その品質に関する公定規格として、JIS R 5210「ポルトランドセメント」が知られている。ここに水和熱に関する規格は制定されてはいないが、別途1990年2月に旧建設省から「コンクリート構造物に使用する普通ポルトランドセメントについて」が通達されている。この通達では、普通ポルトランドセメントの水和熱に関し、7日材齢では350J/g以下、28日材齢では400J/g以下の管理目標値が示されており、かかる値はその後の地方整備局の土木工事共通仕様書にも適用される等の状況に転じたことから、汎用セメントである普通ポルトランドセメントについても水和熱の管理が強く求められつつある。
こうしたなか、廃棄物類を多量使用した普通ポルトランドセメントの水和熱の抑制方法に関する技術開発が進められている。例えば、特許文献1には、エーライト相の結晶格子の格子体積の値に基づいてセメントクリンカーの原料原単位又は冷却速度を調整するセメント組成物の水和熱低減方法が、特許文献2には、セメントクリンカーの原料原単位を、セメント組成物の色調b値に基づいて調整するセメント組成物の水和熱低減方法が、特許文献3には、Sr含有量が0.02~0.04質量%であるセメント組成物が、特許文献4及び5には、廃棄物類を多量使用して得られるCSやCAS等の低発熱型鉱物相からなるセメント混和材を混合したセメント組成物が開示されている。
特開2011-20890号公報 特開2011-132045号公報 特開2011-140424号公報 特開2004-2155号公報 特開2008-222464号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載されている方法は、セメント組成物の水和熱抑制効果が十分でなく、また、特許文献4及び5に記載されている方法では、特殊なセメント混和材を別途製造する必要があり、現実的なものではない。
セメント組成物は、水との接触により水和反応を生じ、水和物を生成することによってセメント硬化体の強度を発現していく。この水和反応において生じる反応熱が水和熱であるので、一般的に強度発現の早いセメント組成物ほど水和発熱量も大きくなる。すなわち、水和熱が抑制されたセメント組成物には、強度発現性が低くなり易いという問題点もある。
したがって、本発明の課題は、各種廃棄物類を多量に使用しても水和熱が十分に抑制され、且つ適正な強度発現性を有するセメント組成物を、特殊なセメント混和材を用いることなく提供することである。
そこで本発明者は、種々検討したところ、セメントクリンカー中のCAに固溶するKO量を調整することにより、間隙相量が増大しても水和熱が十分に抑制されたセメント組成物が得られること、そして、かかるセメント組成物は適正な強度発現性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、X線回折-リートベルト解析法による鉱物組成が、CS量が50質量%~65質量%、CS量が10質量%~25質量%、CA量が6質量%~11質量%、CAF量が9質量%~12質量%であって、CAに固溶するKO量が0.3質量%以下であることを特徴とするセメント組成物を提供するものである。
また、本発明は、セメントクリンカー中のCAに固溶するKO量が0.3質量%以下となるようにセメントクリンカーを製造する工程(I)、及び
工程(I)で得られたセメントクリンカーに、石膏及び少量混合成分を混合して粉砕する工程(II)を含む、上記セメント組成物の製造方法を提供するものである。
本発明は、セメントクリンカー原料として特別な化学成分の使用を必要とせず、製造工程に容易な操作を加えて得られるセメントクリンカーを使用するのみで、適正な強度発現性を有しつつ、効果的に水和熱が抑制されたセメント組成物を提供することができる。
実施例及び比較例で得られたセメント組成物の、CAに固溶するKO量と7日材齢の水和熱の関係を示すグラフである。 実施例及び比較例で得られたセメント組成物の、CAに固溶するKO量と28日材齢の水和熱の関係を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のセメント組成物は、X線回折-リートベルト解析法による鉱物組成が、適正な強度発現性を確保する観点から、CS量が50質量%~65質量%、CS量が10質量%~25質量%、CA量が6質量%~11質量%、CAF量が9質量%~12質量%である。すなわち、本発明のセメント組成物は、前掲JIS R 5210「ポルトランドセメント」に規定されるポルトランドセメントの種類上、普通ポルトランドセメント及び早強ポルトランドセメントに分類される鉱物組成を有するものである。
なお、セメントクリンカー又はセメント組成物中のセメントクリンカー鉱物量として、化学成分の定量分析結果を用いたボーグ式による算出値が一般的に用いられているが、特に、セメントクリンカーの冷却速度の影響が無視できないCA量やCAF量については、実際の鉱物量(例えば、ポイントカウンティング法による計測値、又は選択溶解、重液分離の組合せによって分離された各鉱物相の計量値。)とボーグ式からの算出値との乖離が大きいため、本発明におけるセメントクリンカー又はセメント組成物の鉱物組成(質量%)は、断りのない限り、より実際の鉱物量に近しいX線回折-リートベルト解析から得られた値を指す。
本発明のセメント組成物は、CAに固溶するKO量が0.3質量%以下であることを特徴とする。
Aは、1300℃以上の焼成温度で十分に焼成されたセメントクリンカーがセメントキルンの落ち口において急冷される際に、それまで液相(融液)として振る舞っていたセメントクリンカー中のCaO、Al、Fe、MgO、アルカリ(KO、NaO)、SO等の成分が、CSやCSの大型結晶の間隙に微小な結晶として析出するか非晶質として存在する、いわゆる間隙相を構成するセメントクリンカー鉱物の1つであって、セメントクリンカー鉱物中で最も大きな水和反応性を有している。
セメントクリンカー中のCA量は、セメントクリンカー原料中のAl量及びFe量、並びにセメントクリンカーの製造工程における冷却速度によって影響され、セメントクリンカー原料として廃棄物類が多量使用される現状においてはセメントクリンカー原料中のAl量が過剰傾向にあることから、9.0質量%以上のCAを含有するセメントクリンカーが一般的になっている。
Aの水和反応性は、非常に激しく、単純にCAと水が接触して水和反応が生じると直ちにこわばり(瞬結)を生じてしまうため、セメント組成物には石膏が混合され、CAの水和反応速度を抑制している。しかしながら、このようなCA-石膏の水和反応系を構成しても、CAが最も水和反応性に富むセメントクリンカー鉱物であることに変わりはなく、セメント組成物の水和熱を抑制するにはCAの水和反応性の制御が必要である。
Oは、セメント組成物に通常に含有される少量成分であり、前掲JIS R 5210「ポルトランドセメント」では、NaOとの合量としての総アルカリ量Naeq(=NaO(質量%)+0.658×KO(質量%))が0.75質量%以下に、低アルカリ形ポルトランドセメントについては0.60質量%以下に規制されている。
セメントクリンカー中のKOは、KSO、NaSO・3KSO、2CaSO・KSO等の硫酸塩として存在するか、セメントクリンカー鉱物に固溶して存在する。そして、CAはKOを多く固溶するセメントクリンカー鉱物の一つであり、その固溶量の上限は1.0質量%を超える。
本発明者は、このCAに固溶するKO量と、セメント組成物の水和熱とに相関関係があること、特に、CAにおけるKO固溶量が大きい程、セメント組成物の水和熱が大きくなることを見出した。本発明のセメント組成物は、CAに固溶するKO量を特定の値以下となるように制御することによって、セメント組成物硬化体の強度発現性を維持しつつ水和熱を低減することができる。
ここで、CAに固溶するKO量は、走査型電子顕微鏡におけるエネルギー分散X線分光法(以下「SEM-EDS」という。)によって得られる値であり、この測定を、5個以上の異なるセメントクリンカー粒内のCAについて、合計15点以上測定した値の平均値として得られたものであって、CA粒子の化学成分の総和100質量%に対する割合(質量%)を示す。
本発明のセメント組成物中のCAに固溶するKO量は、0.3質量%以下であり、好ましくは0.25質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下である。このCAに固溶するKO量の下限に、特に制限はない。セメント組成物中のCAに固溶するKO量が0.3質量%を超える場合、水和熱を抑制する効果が小さくなる。
上記のCAに固溶するKO量の適正範囲の確保は、セメントクリンカーのSO含有量を調整することで行うことができる。すなわち、前述の通り、セメントクリンカー中のKOのほとんどは、硫酸塩か、又はCAに固溶して存在するが、優先的には硫酸塩の形態をとる。したがって、セメントクリンカー原料中のKO量に対して、Sの混入量を制御することによって硫酸塩となるKO量を調整することができ、その結果として、CAに固溶するKO量を調整することが可能となる。
セメントクリンカーに含まれるSは、セメントクリンカー原料としてセメントキルン中に持ち込まれるか、またはセメントクリンカーの焼成用燃料中の夾雑成分としてセメントキルン中に持ち込まれたSが由来である。
セメントクリンカー原料由来のSは、天然原料又はリサイクル活用された各種廃棄物類が含有するものであったり、又は、意図的に石膏等のS源をセメントキルンに投入したものである。
具体的には、原料工程において石膏や廃石膏ボード等を添加して、通常のセメントクリンカー原料としてセメントキルンの窯尻部から投入することもできるが、この方法では、セメントキルン内のクリンカ焼成帯の温度低下を生じさせる場合があり、セメントクリンカー中のフリーライム量の増加やSの揮発・濃縮によるドラフト障害を生じさせて、セメントクリンカーの品質の低下やセメントキルンの安定操業の障害となる虞がある。
そのため、セメントクリンカー原料としてSを持ち込む場合は、例えば、特開2011-26174号公報、特開2013-177314号公報等に記載されているように、セメントキルンの窯前部から石膏や廃石膏ボード等を吹き込むのが好ましい。
セメントクリンカーの焼成用燃料としてSを持ち込む場合は、燃料にオイルコークスなどのSO含有量の高いものや、亜瀝青炭のように相対的にS含有量の高い石炭を使用するといった方法がある。しかしながら、近年の燃料事情では、オイルコークスのようなSO含有量の高い燃料は次第に入手が困難になりつつある。
本発明のセメント組成物に用いられるセメントクリンカーのSO含有量は、好ましくは0.18質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.22質量%以上である。セメントクリンカーのSO含有量が、上記範囲内であると、CAに固溶するKO量が上記の適正な範囲となり、セメント組成物の水和熱を十分に抑制することができる。ここで、セメントクリンカーのSO含有量は、セメントクリンカーの全体質量(100質量%)に対する含有割合(質量%)であり、JIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」又はJIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準じて測定することができる。
さらに、本発明のセメント組成物は、適正な強度発現性を確保する観点から、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定されるブレーン比表面積が、好ましくは3100cm/g~3500cm/g、より好ましくは3150cm/g~3400cm/g、特に好ましくは3200cm/g~3300cm/gである。
また、本発明のセメント組成物は、水和熱を抑制する観点、及び適正な強度発現性を確保する観点から、石膏を含むのが好ましい。セメント組成物100質量%中の石膏の割合は、SO換算で1.2質量%以上、好ましくは1.3質量%~5質量%、より好ましくは1.4質量%~4質量%である。石膏量が1.2質量%未満の場合、本発明のセメント組成物は、水和熱が高くなるか、又は強度発現性が低くなる場合がある。
なお、セメント組成物中のSO量の定量は、JIS R 5202「セメントの化学分析方法」、又はJIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠して行い、かかる定量値から、使用したセメントクリンカーのSO量について原単位を考慮したセメント組成物中のセメントクリンカー由来のSO量を差し引くことで、石膏由来のSO量を求めることができる。
なお、より簡便には、セメント組成物に関するX線回折-リートベルト解析から、石膏量を直接的に求めることができる。
石膏としては、二水石膏、α型又はβ型半水石膏、無水石膏等が挙げられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のセメント組成物中の二水石膏及び半水石膏の合計量100質量%に対する半水石膏の割合は、SO量換算で30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。該割合が30質量%以上であると、本発明のセメント組成物の流動性を向上させることができる。
なお、二水石膏及び半水石膏の定量は、上記のX線回折-リートベルト解析の他に、例えば、特開平6-242035号公報に記載される方法により行うことができる。
さらに、本発明のセメント組成物は、前掲JIS R 5210「ポルトランドセメント」に規定される少量混合成分(高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュI種又はII種、炭酸カルシウム)を、セメント組成物100質量%中5質量%まで含んでいても構わない。
次に、本発明のセメント組成物の製造方法について説明する。
本発明のセメント組成物は、例えば、セメントクリンカー中のCAに固溶するKO量が0.3質量%以下となるようにセメントクリンカーを製造する工程(I)、及び
工程(I)で得られたセメントクリンカーに、石膏及び少量混合成分を混合して粉砕する工程(II)を含む方法により、製造することができる。
より具体的には、工程(I)においては、セメント組成物の鉱物組成が、CS量が50質量%~65質量%、CS量が10質量%~25質量%、CA量が6質量%~11質量%、CAF量が9質量%~12質量%となるような適当な鉱物組成を有するセメントクリンカーとなるように、天然原料、産業廃棄物、一般廃棄物、及び建設発生土からなる群より選ばれる1種又は2種以上の各種原料の原料原単位を調整して調合し、調合したこれらの原料を焼成してセメントクリンカーを製造するに際し、上記調合原料中のS量、又はキルン窯前部から吹き込まれる原料中のS量、さらには焼成用燃料が含有するS量を調整することによって、得られるセメントクリンカー中のCAに固溶するKO量が0.3質量%以下となるように、セメントクリンカーを製造する。
工程(I)における、セメントクリンカーの調合原料に用いられる原料としては、天然原料として石灰石、硅石、粘土、石膏が、産業廃棄物として石炭灰、廃石膏ボード、製鉄汚泥、銅からみ、高炉ダスト、その他汚泥類等が、一般廃棄物として下水汚泥等が、並びに建設発生土が挙げられる。
また、キルン窯前部から吹き込まれる原料としては、石膏及び廃石膏ボード等の高S原料が挙げられる。前述のように、石膏又は廃石膏ボードを窯前部から吹き込むことにより、硫酸アルカリ量を調整することができる。
Aに固溶するKO量が0.3質量%以下となるようにS量を調整する方法は、セメントクリンカー原料中のKO量に対するS量を調整することになるが、セメントキルン内のSには硫黄酸化物として排ガスとなって系外に排出されるものも含まれるので、セメントキルンへの送入量のバランスを調整するだけでは、CAに固溶するKO量の制御は困難である。
簡便且つ実際的な方法は、セメントキルンから排出されたセメントクリンカー中のKO量(K、質量%)、硫酸アルカリ(水溶性アルカリ)中のKO量(Ks、質量%)、及びセメントクリンカー中のCA量(CA、質量%)を測定し、硫酸アルカリとならなかったKO量((K-Ks)、質量%)が全てCAに固溶したとした場合のKO固溶量(((K-Ks)/CA)×100(質量%))を算出し、この算出値が所定の値となるように、調合原料、窯前吹き込み原料及び/又は燃料の、種類及び/又は使用量を調整すればよい。
ここで、セメントクリンカーに含まれる硫酸アルカリ中のKO量の定量分析は、セメント協会標準試験方法 JCAS I-04:2004「セメントの水溶性成分の分析方法」に準拠して行えばよい。
工程(I)においては、このようにして調整された原料を用い、通常の方法により、キルンで焼成することにより、目的とするセメントクリンカーを得ることができる。
工程(II)において、工程(I)で得られたセメントクリンカーに、石膏及び少量混合成分を混合して粉砕するには、汎用のセメント粉砕方法が使用でき、具体的には、ボールミル等の粉砕機とセパレータ等の分級機で構成される閉回路ミルを用いる方法等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.セメント組成物:
セメントクリンカーの原料として、石灰石、粘土、珪石、鉄原料等を主体とし、さらに必要に応じてS源として排脱二水石膏を添加した調合原料を、NSPキルンで焼成して9種類のセメントクリンカーを採取した後、全てのセメントクリンカーに排脱二水石膏を添加して、表1に示す化学組成を有する9種類のセメント組成物を得た。表1中の化学組成において、「SO」は、添加した石膏由来のSO量を含む値である。
なお、セメント組成物の化学組成の分析は、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠した。
得られた全てのセメント組成物について、鉱物組成(X線回折-リートベルト解析)、ブレーン比表面積(JIS R 5201「セメントの物理試験方法」準拠)、フリーライム量(セメント協会標準試験方法 JCAS I-01:1997「遊離酸化カルシウムの定量方法」準拠)、硫酸アルカリ量(JCAS I-04:2004「セメントの水溶性成分の分析方法」準拠)、及びCAに固溶するKO量(SEM-EDS)を測定した。
得られた結果を表1に示す。
また、得られた全てのセメント組成物について、水和熱(JIS R 5203「セメントの水和熱測定方法(溶解熱方法)」準拠)、及びモルタル圧縮強さ(JIS R 5201「セメントの物理試験方法」準拠)を測定した。
得られた結果を表1に示す。
また、CAに固溶するKO量と7日材齢の水和熱の関係を示すグラフを図1に、CAに固溶するKO量と28日材齢の水和熱の関係を示すグラフを図2に示す。
Figure 0007007213000001
図1、2より、CAに固溶するKO量が0.3質量%以下である本発明のセメント組成物は、7日材齢及び28日材齢の両材齢で、十分に水和熱が抑制されていることがわかる。
さらに、表1より、本発明のセメント組成物のモルタル圧縮強さは、7日材齢及び28日材齢の両材齢で、適正な強さを発現している。

Claims (5)

  1. X線回折-リートベルト解析法による鉱物組成が、CS量が50質量%~65質量%、CS量が10質量%~25質量%、CA量が6質量%~11質量%、CAF量が9質量%~12質量%であって、CAに固溶するKO量が0.3質量%以下であることを特徴とするセメント組成物。
  2. ブレーン比表面積が、3100cm/g~3500cm/gである、請求項1に記載のセメント組成物。
  3. セメントクリンカー中のCAに固溶するKO量が0.3質量%以下となるようにセメントクリンカーを製造する工程(I)、及び
    工程(I)で得られたセメントクリンカーに、石膏及び少量混合成分を混合して粉砕する工程(II)を含む、請求項1又は2に記載のセメント組成物の製造方法。
  4. 前記工程(I)が、セメントクリンカー中のKO量、硫酸アルカリ中のKO量、及びセメントクリンカー中のCA量を測定して、CAに固溶するKO量を算出する方法を用い、CAに固溶するKO量が0.3質量%以下となるように原料を調整する、請求項3に記載のセメント組成物の製造方法。
  5. 前記工程(I)における、硫酸アルカリ量の調整を、石膏又は廃石膏ボードを窯前部から吹き込んで行うことを特徴とする、請求項3又は4に記載のセメント組成物の製造方法。
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