JP2009190904A - 固化材 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩素含有廃棄物等のクリンカー原料としての使用量を増加させることができるうえ、従来よりも低温で焼成することができるセメントクリンカーを使用した高含水土や高有機質土等の軟弱土の固化処理に適する固化材を提供する。
【解決手段】(A)フッ素の含有量が400〜2000mg/kg、SO3含有量が0.5〜2.5質量%で、塩素の含有量が50〜250mg/kgであるセメントクリンカーの粉砕物と、(B)石膏とを含有する固化材。前記固化材は、更に高炉スラグ粉末等を含有できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、廃棄物を原料として製造したセメントクリンカーを使用した地盤改良用の固化材に関し、特に、高含水土や高有機質土等の固化処理に適した固化材に関する。
従来、土木・建設の分野では、河川、湖沼、海等の近くの汚泥等よりなる軟弱地盤を有効利用するために、それらを固化材で固化することが行われている。また、河川、湖沼、海等で行われる土木建設工事の過程で生じる建設汚泥の再汚泥化を防止するためにも、固化材が使用されている。
近年、都市ゴミ焼却灰をはじめとする塩素含有廃棄物の著しい増加により、その処理が大きな社会問題になっている。すなわち、これら廃棄物の有効利用、再資源化は各方面で進められているが、決定的な方法はなく、多くは投棄されているが現状であり、この投棄も投棄地の不足、投棄地で発生する二次公害などの問題を生じている。このため、これらの廃棄物を資源として再利用する方法を開発することが緊急課題となっている。
産業廃棄物等を原料として使用した固化材の一例として、800〜900℃で焼成した製紙スラッジ灰を原料として50〜70質量%、高炉スラグ微粉末10質量%と、石灰もしくは生石灰を10〜20質量%、無水石膏もしくは半水石膏10〜20重量%を混合してなる土壌固化材が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1記載の土壌固化材では、土の種類(例えば、高含水土や高有機質土等)によっては、多量に使用しても目標強度を得ることが困難な場合があった。また、固化処理した土の耐久性が低いことがあった。
特開2002−88362号公報
一方、セメント産業においても、産業廃棄物、一般廃棄物等の廃棄物・副産物を、原料として大量に使用したセメントクリンカーの開発が行われている。そして、該セメントクリンカーを使用した固化材も提案されている。
一般に、セメントクリンカーをキルンにて焼成する場合、セメント原料から持ち込まれる塩素は、キルン・プレヒータ系内で循環することにより次第に濃縮されて平衡状態に達し、セメント原料から持ち込まれる塩素量とセメントクリンカーにより系外へ持ち出される塩素量とが等しくなることが知られている。このため、セメント原料から持ち込まれる塩素量が多いと、セメントクリンカー中に含まれる塩素量も多くなり、製品としてのセメントの品質に悪影響を与えるおそれがある。また、系内の塩素量が多くなると、低融点化合物が形成されるためにプレヒータサイクロンが閉塞して、キルンの安定運転が損なわれるおそれがある。
そこで、従来、キルン排ガスをプローブにより抽気するとともに、プローブ内に外気を取り入れて一次冷却し、サイクロンで粗粉を分離した後、冷却器で二次冷却し、さらに集塵機で高塩素濃度の微粉ダストを回収する塩素バイパス設備により、キルン・プレヒータ系内の塩素量を低減することが行われている(特許文献2)。
しかしながら、近年の塩素含有廃棄物の著しい増加に対処するため、このような塩素含有廃棄物の原料としての使用量を増加させる場合には、キルン排ガスの抽気量を増やす必要があり、熱損失が大きくなるとともに、大量に発生するダスト(以降、「塩素バイパスダスト」と称する)の処理を行う必要があり、効率が悪くなるという問題があった。
また、一般に、セメントクリンカーの焼成には大量のエネルギーが必要である。すなわち、セメントクリンカーの焼成に必要とされる温度は1450〜1470℃であり、このような高温を維持するために大量の燃料が消費されている。そのため、焼成温度を低下させ、燃料使用量を削減することも求められている。
特開平11−35354号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、塩素含有廃棄物等のクリンカー原料としての使用量を増加させることができるうえ、従来よりも低温で焼成することができるセメントクリンカーを使用した高含水土や高有機質土等の軟弱土の固化処理に適する固化材を提供することにある。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定量のフッ素、SO3及び塩素を含有するセメントクリンカーの粉砕物と石膏を組み合わせることにより、また、さらに特定の鉱物組成を有する焼成物の粉砕物や高炉スラグ等を組み合わせることにより、上記課題を解決することができることを見いだし、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、(A)フッ素の含有量が400〜2000mg/kg、SO3含有量が0.5〜2.5質量%で、塩素の含有量が50〜250mg/kgであるセメントクリンカーの粉砕物と、(B)石膏とを含有することを特徴とする固化材を提供するものである。
本発明の固化材では、高含水土や高有機質土等の軟弱土に使用した場合でも、高い強度を得ることができる。また、固化処理した土も耐久性に優れるものとすることができる。
また、高炉スラグ粉末等の無機粉末を含むことにより、固化処理した土からのCr6+の溶出量を低減させることができる。
さらに、本発明の固化材では、産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる一種以上を原料として製造したセメントクリンカーや焼成物を用いることができるので、廃棄物の有効利用を促進させることができる。
さらに、本発明で使用するセメントクリンカーは、従来より低温で焼成して製造することができるので、燃料使用量を削減することもできる。
本発明で使用するセメントクリンカーは、フッ素の含有量は400〜2000mg/kg、好ましくは450〜1800mg/kg、特に好ましくは500〜1500mg/kgである。フッ素の含有量が400mg/kg未満では、焼成温度を低下させることが困難である上、塩素含有廃棄物等のクリンカー原料としての使用量を増加させようとした場合、キルン排ガスの抽気量を増やす必要があり、熱損失も大きくなる。一方、フッ素の含有量が2000mg/kgを超えると、固化処理した土の強度や耐久性が低いことがある。
また、本発明のセメントクリンカーは、SO3含有量が0.5〜2.5質量%、好ましくは0.6〜2.0質量%、特に好ましくは0.7〜1.5質量%である。SO3含有量が0.5質量%未満では、焼成温度を低下させることが困難である上、塩素含有廃棄物等のクリンカー原料としての使用量を増加させようとした場合、キルン排ガスの抽気量を増やす必要があり、熱損失も大きくなる。一方、SO3含有量が2.5質量%を超えると、プレヒータサイクロンが閉塞してキルンの安定運転が損なわれるおそれがある上、固化処理した土の強度や耐久性が低いことがある。
さらに、本発明のセメントクリンカーは、塩素の含有量が50〜250mg/kg、好ましくは70〜200mg/kg、特に好ましくは80〜150mg/kgである。塩素の含有量が50mg/kg未満では、塩素含有廃棄物等のクリンカー原料としての使用量を増加させることが困難であり、焼成温度を低下させることもできない。一方、塩素の含有量が250mg/kgを超えると、キルン排ガスの抽気量を増やす必要があり、熱損失が大きくなる。
なお、本発明において、セメントクリンカー中のフッ素、SO3及び塩素の含有量は、JIS R 5202(ポルトランドセメントの化学分析方法)により測定される。
本発明のセメントクリンカーは、塩素含有廃棄物を原料として製造される。塩素含有廃棄物としては、例えば、各種汚泥(例えば、下水汚泥、浄水汚泥、建設汚泥、製鉄汚泥等)、各種焼却灰(例えば、石炭灰、焼却飛灰、溶融飛灰等)、下水汚泥乾粉、都市ゴミ焼却灰などが挙げられる。
また、塩素含有廃棄物以外の原料として、例えば、生コンスラッジ、建設廃材、コンクリート廃材、ボーリング廃土、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰、貝殻等の廃棄物や、例えば、建設現場や工事現場等から発生する土壌や残土、廃土壌等の発生土を使用することもできる。
さらに、一般のポルトランドセメントクリンカー原料、例えば、石灰石、生石灰、消石灰等のCaO原料;珪石、粘土等のSiO2原料;粘土等のAl2O3原料;鉄滓、鉄ケーキ等のFe2O3原料を使用することができる。
これらの原料を使用し、フッ素及びSO3の含有量を前記特定量に調整できない場合には、フッ素原料として、蛍石のほか、フッ素汚泥等を使用することができ、SO3原料として、石膏、廃石膏ボード、ぺトコークス、廃硫酸、硫黄(石油回収硫黄等)などを使用することができる。
本発明のセメントクリンカーの具体例としては、各種ポルトランドセメントクリンカーのほか、水硬率(H.M.)を1.8〜2.3、ケイ酸率(S.M.)を1.3〜3.0、鉄率(I.M.)を1.3〜2.8に調整したセメントクリンカー等が挙げられる。特に、廃棄物の有効利用を促進する観点から、普通ポルトランドセメントクリンカー又は早強ポルトランドセメントクリンカーであるのが好ましい。
本発明のセメントクリンカーは、上記のような原料を、目的とするセメントクリンカーが得られるような組成で混合した後、ロータリーキルンを用いて焼成し、冷却することにより製造することができる。
各原料を混合する方法は特に制限されず、慣用の装置等を用いて行うことができる。
燃料は、主原料である石炭のほか、燃料代替廃棄物、例えば、廃油、廃タイヤ、廃プラスチック、木屑、ゴミ固形化燃料等を使用することができる。なお、これらの燃料には、フッ素、SO3や塩素が含まれているものもあり、これらの燃料を、フッ素源、SO3源、塩素源として使用することができる。
なお、本発明においては、廃棄物の有効利用を促進する観点から、塩素含有廃棄物等の廃棄物原料(発生土を含む)や燃料代替廃棄物を、セメントクリンカー1tonあたり、300〜600kg使用するのが好ましい。
焼成温度は、1250〜1400℃、特に1300〜1400℃が好ましい。焼成温度が1250℃未満では、十分な焼成が困難であり、1400℃を超えると、塩素の含有量を50〜250mg/kgとすることが困難となり、塩素含有廃棄物の使用量を増加することができない。また、この範囲内であれば、焼成温度を低下させるという本発明の目的を達成することができる。
焼成時間は、30〜120分、特に40〜60分であるのが好ましい。
また、セメントクリンカーを冷却する方法は特に制限されず、慣用の装置等を用いて行うことができる。
セメントクリンカーの製造においては、塩素バイパス設備により、キルン排ガスの一部を抽気するのが好ましい。キルン排ガスの一部を抽気することにより、塩素含有廃棄物の使用量をより増加させることができる。キルン排ガスの抽気率(キルン窯尻排ガス量に対する抽気割合)は、10%以下、特に2〜8%であるのが好ましい。キルン排ガスの抽気率が10%を超えると、熱損失が大きくなるとともに、大量の塩素バイパスダストが発生するので、その処理に手間がかかるので好ましくない。
本発明で用いる石膏としては、特に制限されず、ニ水石膏、α型又はβ型半水石膏、無水石膏等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、固化処理した土の強度発現性や耐久性等から、無水石膏を用いることが好ましい。
本発明の固化材において、石膏の含有量は、固化処理した土の強度発現性や耐久性等から、セメントクリンカー粉砕物100質量部に対して、SO3換算で1〜17質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることがより好ましい。
石膏のブレーン比表面積は、固化処理した土の強度発現性や耐久性、さらにはコスト等から、2000〜10000cm2/gであることが好ましく、2500〜8000cm2/gであることがより好ましい。
本発明の固化材は、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、石灰石粉末、珪石粉末及びシリカフュームから選ばれる1種以上の無機粉末を含有することができる。これらの無機粉末を含有することにより、固化処理した土の長期強度を増大させることができうえ、Cr6+の溶出量を低減させることができる。
本発明において、固化材中の無機粉末量は、該無機粉末の種類により異なる。例えば、高炉スラグ粉末であれば、固化処理した土の強度発現性や耐久性等から、ポルトランドセメントクリンカー粉砕物100質量部に対して、5〜150質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。フライアッシュ、石灰石粉末や珪石粉末であれば、ポルトランドセメントクリンカー粉砕物100質量部に対して、それぞれ1〜100質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましい。シリカフュームであれば、ポルトランドセメントクリンカー粉砕物100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。
無機粉末の比表面積は、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、石灰石粉末、珪石粉末では、固化処理した土の強度発現性や耐久性、更には固化材のコスト等から、ブレーン比表面積が2500〜10000cm2/gが好ましく、3000〜9000cm2/gがより好ましい。シリカフュームでは、BET比表面積が5〜25m2/gが好ましく、5〜20m2/gであるのがより好ましい。
本発明の固化材は、2CaO・SiO2(以降、C2Sと称す)及び2CaO・Al2O3・SiO2(以降、C2ASと称す)を必須成分とし、C2S100質量部に対して、C2AS+4CaO・Al2O3・Fe2O3(以降、C4AFと称す)を10〜100質量部(好ましくは15〜90質量部)含有し、かつ、3CaO・Al2O3(以降、C3Aと称す)の含有量が20質量部以下である焼成物の粉砕物を含有することができる。該焼成物の粉砕物を含有することにより、固化処理した土の強度や耐久性を増大させることができる。
上記焼成物において、C2S100質量部に対して、C2AS+C4AF含有量が10重量部未満では、焼成時に焼成温度を上げてもフリーライム量(未反応CaO量)が低下しにくく、焼成が困難になり、また、生成するC2Sも水和活性のないγ型C2Sである可能性が高くなり、固化処理した土の強度発現性が低下することがある。一方、C2AS+C4AF含有量が100質量部を超えると、高温における融液が増加するため、焼成可能温度が狭まり、またC2Sが少ないため、固化処理した土の強度発現性が低下することがある。
なお、本発明においては、C2AS+C4AF質量の70質量%以下がC4AFであるのが好ましい。
C4AF量がこの範囲を超えると、焼成の温度範囲が狭くなり、焼成物の製造の管理が難しくなる。
上記焼成物は、C2S100質量部に対するC3Aの含有量が20質量部以下、好ましくは10質量部以下である。C3Aの含有量が20質量部を超えると、固化処理した土の強度発現性が低下する。また、本発明の固化材をスラリー添加する際、該スラリーの作業性が低下し、可使時間を長時間確保することも困難となる。
上記焼成物においては、P2O5を0.2〜8.0質量%(より好ましくは0.5〜6.0質量%)、アルカリ(Na2O+K2O)を0.4〜4.0質量%(より好ましくは0.5〜3.5質量%)含有することが好ましい。P2O5やアルカリを前記範囲で含有した場合、固化処理した土の強度発現性や耐久性を増大させることができる。
焼成物の粉砕物のブレーン比表面積は、固化処理した土の強度発現性や耐久性、さらにはコスト等から、2500〜5000cm2/gであることが好ましく、3000〜4500cm2/gであることがより好ましい。
上記焼成物の原料としては、一般のポルトランドセメントクリンカー原料、例えば、石灰石、生石灰、消石灰等のCaO原料、珪石、粘土等のSiO2原料、粘土等のAl2O3原料、鉄滓、鉄ケーキ等のFe2O3原料を使用することができる。
また、産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる1種以上を原料とし、これを焼成することにより製造することができる。産業廃棄物としては、例えば、生コンスラッジ、各種汚泥(例えば、下水汚泥、浄水汚泥、建設汚泥、製鉄汚泥等)、建設廃材、コンクリート廃材、ボーリング廃土、各種焼却灰(例えば、石炭灰、焼却飛灰、溶融飛灰等)、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰等が挙げられる。一般廃棄物としては、例えば、下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻等が挙げられる。建設発生土としては、例えば、建設現場や工事現場等から発生する土壌や残土、更に廃土壌等が挙げられる。
焼成物の鉱物組成は、使用原料中のCaO、SiO2、Al2O3、Fe2O3の各含有量(質量%)から、次式により求めることができる。
C4AF=3.04×Fe2O3
C3A=1.61×CaO−3.00×SiO2−2.26×Fe2O3
C2AS=−1.63×CaO+3.04×SiO2+2.69×Al2O3+0.57×Fe2O3
C2S=1.02×CaO+0.95×SiO2−1.69×Al2O3−0.36×Fe2O3
従って、例えば、廃棄物原料中にカルシウムが不足する場合には、その不足分を調整するために、石灰石等を混合して用いることができる。混合割合は、廃棄物原料の組成に応じて、得られる焼成物の組成が、本発明の範囲内になるよう、適宜決定すれば良い。
焼成物の焼成温度は、好ましくは1000〜1350℃で、より好ましくは1150〜1350℃である。
焼成に用いる装置は特に限定されず、例えばロータリーキルン等を用いることができる。また、ロータリーキルンで焼成する際には、燃料代替廃棄物、例えば廃油、廃タイヤ、廃プラスチック等を使用することができる。
このような焼成により、C2ASが生成し、その分C3A量がBogue式から導かれる量よりも少なくなり、本発明のような組成の焼成物を得ることができる。
なお、本発明においては、焼成物中のフリーライム量は、固化処理した土の強度発現性や、スラリー添加する際のスラリーの作業性や可使時間等から、1.5質量%以下、特に1.0質量%以下であることが好ましい。
焼成物の粉砕物の量は、固化処理した土の強度発現性や耐久性等から、セメントクリンカー粉砕物100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、5〜60質量部であることがより好ましい。
本発明の固化材は、塩素含有物を含有することができる。塩素含有物を含有することにより、固化処理した土の初期強度等を増大させることができる。塩素含有物としては、塩素を0.5質量%以上含有するものが好ましい。塩素含有物中の塩素量が0.5質量%未満では、固化材中の塩素含有物の配合量を多くする必要があり、その結果、固化処理した土の強度発現性や耐久性等が低下することがある。具体的な塩素含有物としては、塩化カルシウムや塩化カリウム等の塩化物、JIS R 5214に規定される速硬エコセメントや速硬エコセメントクリンカーの粉砕物、塩素バイパスダストや塩素バイパスダストの水洗物等が挙げられる。
本発明においては、廃棄物の有効利用の促進やセメント組成物の強度発現性等の観点から、塩素含有物として、速硬エコセメントや速硬エコセメントクリンカーの粉砕物、塩素バイパスダストや塩素バイパスダストの水洗物を使用することが好ましい。
これらの塩素含有物のブレーン比表面積は、固化処理した土の強度発現性等から、2500〜10000cm2/gであることが好ましく、3000〜7000cm2/gであることがより好ましい。
塩素含有物は、固化材中の塩素量が0.01〜1.0質量%、好ましくは0.01〜0.6質量%、より好ましくは0.01〜0.4質量%となるように添加する。塩素量が0.01質量%未満では、固化処理した土の強度発現性や耐久性等が低下することがある。塩素量が1.0質量%を越えると、スラリー添加する際、該スラリーの作業性が低下し、可使時間を長時間確保することも困難となる。
固化材の製造方法としては、例えば、
(1)セメントクリンカーと石膏を同時に粉砕する方法、
(2)セメントクリンカーと焼成物と石膏を同時に粉砕する方法、
(3)セメントクリンカーと石膏の同時粉砕物に焼成物の粉砕物を混合する方法、
(4)上記(1)、(2)又は(3)の固化材に無機粉末や塩素含有物を混合する方法
等が挙げられる。
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサなどの使用が可能である。
本発明の固化材のブレーン比表面積は、固化処理した土の強度発現性や耐久性、スラリー添加する際のスラリーの作業性や可使時間、さらにはコスト等から、ブレーン比表面積2500〜6000cm2/gであることが好ましく、3000〜5000cm2/gであることがより好ましい。
本発明の固化材においては、固化処理した土の強度発現性や耐久性の向上、また、本発明の固化材をスラリー添加する際のスラリーの作業性の向上や可使時間の確保のために、減水剤(AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤も含む)等の混和剤を使用することができる。減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤を使用できる。
本発明の固化材を用いて地盤を固化処理する際の添加量は、対象土の性状や施工条件、固化処理した土の要求強度にもよるが、一般には、対象土1m3当り50〜350kgが好ましく、100〜250kgがより好ましい。
本発明の固化材は、例えば1)対象土に固化材を粉体のまま添加・混合するドライ添加、2)水を加えてスラリーとして添加・混合するスラリー添加、により使用することができる。スラリー添加の場合には、水/固化材(質量)比は、0.5〜1.5が好ましく、0.6〜1.0がより好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
実施例1
(1)セメントクリンカーの製造と粉砕:
表1に示す組成の各原料を使用して、表2に示す鉱物組成、フッ素、SO3及び塩素含有量の普通ポルトランドセメントクリンカーを製造した。該セメントクリンカーをブレーン比表面積3230cm2/gとなるように粉砕した。
なお、焼成はロータリーキルンを用い、燃料の一部に、木屑、廃プラスチックを使用した。また、塩素バイパス設備により、キルン排ガスの一部を抽気しながら行った。キルン排ガスの抽気率は4%である。また、焼成温度及びクリンカー1tonあたりの廃棄物の使用量を表2に併記する。
Figure 2009190904
Figure 2009190904
(2)焼成物の製造:
表3に示す化学組成の石灰石、下水汚泥、石炭灰を原料として、C2S100質量部に対して、C2AS32質量部、C4AF15質量部、C3A0質量部の焼成物(フリーライム量0.1質量%)を製造した。焼成は、ロータリーキルンを用い1350℃で行った。焼成物1トン製造する際に使用した下水汚泥及び石炭灰の総量(廃棄物等の総量)は528kg/トンであった。
該焼成物を粉砕して、ブレーン比表面積3250cm2/gの粉砕物を調製した。
Figure 2009190904
(3)上記以外の材料:
以下の材料を使用した。
・石膏:ブレーン比表面積5800cm2/gの無水石膏。
・高炉スラグ粉末:ブレーン比表面積4500cm2/gの高炉スラグ粉末。
・石灰石粉末:ブレーン比表面積4000cm2/gの石灰石粉末。
・塩素含有物:塩素バイパスダスト(塩素含有量20質量%、ブレーン比表面積2500cm2/g)
(4)固化材の製造
上記各材料を表4に示す割合で混合して、固化材を製造した。
Figure 2009190904
(5)評価試験1
表4のNo.1、2の固化材を添加した、含水率60%の粘性土又は含水率115%の関東ロームの一軸圧縮強さ(7日および28日)とCr6+の溶出量(7日および28日)を測定した。一軸圧縮強さは、「JGS 0821(安定処理土の締固めをしない供試体作製方法)」に準拠して作製した供試体を、「JIS A 1216(土の一軸圧縮試験方法)」に準じて測定した。Cr6+の溶出量は、環境庁告示第46号法に準じてジフェニルカルバジト吸光光度法を用いて測定した。その結果を表5〜6に示す。
なお、固化材の添加量は、粘性土に対しては1m3当り250kg、関東ロームに対しては1m3当り300kgとした。
また、比較として、市販普通ポルトランドセメント(C3S:55%、C2S:26%、 C3A:9%、C4AF:9%、f-CaO:0.4%、フッ素量:300mg/kg、SO3量:0.5%、塩素量:20mg/kg)も使用した。
Figure 2009190904
Figure 2009190904
表5〜6から、本発明の固化材では、市販普通ポルトランドセメントと比べて強度発現性に優れることが分かる。また、Cr6+溶出量も少ないことが分かる。
(6)評価試験2
表4のNo.3の固化材を添加した、含水率75%の関東ローム又は含水率200%の有機質土の一軸圧縮強さ(7日および28日)とCr6+の溶出量(7日および28日)を測定した。一軸圧縮強さとCr6+の溶出量は、評価試験1と同じ方法で測定した。その結果を表7〜8に示す。
なお、固化材の添加量は、関東ロームに対しては1m3当り350kg、有機質土に対しては1m3当り250kgとした。
また、比較として、上記市販普通ポルトランドセメントに高炉スラグ粉末を40質量%内割りで添加した試製高炉セメントB種も使用した。
Figure 2009190904
Figure 2009190904
表7〜8から、本発明の固化材では、試製高炉セメントB種と同等の一軸圧縮強さを発現することが分かる。また、本発明の固化材では、Cr6+溶出量が少なく、特に有機質土の材齢7日でのCr6+の溶出量が少ないことが分かる。

Claims (4)

  1. (A)フッ素の含有量が400〜2000mg/kg、SO3含有量が0.5〜2.5質量%で、塩素の含有量が50〜250mg/kgであるセメントクリンカーの粉砕物と、(B)石膏とを含有することを特徴とする固化材。
  2. (C)高炉スラグ粉末、フライアッシュ、石灰石粉末、珪石粉末及びシリカフュームから選ばれる1種以上の無機粉末を含有する請求項1記載の固化材。
  3. (D)2CaO・SiO2及び2CaO・Al2O3・SiO2を必須成分とし、2CaO・SiO2100質量部に対して、2CaO・Al2O3・SiO2+4CaO・Al2O3・Fe2O3を10〜100質量部含有し、かつ、3CaO・Al2O3の含有量が20質量部以下である焼成物の粉砕物を含有する請求項1又は2に記載の固化材。
  4. (E)塩素含有物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の固化材。
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