以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るレーザ溶接装置Tの概略構成について説明する。図1は、そのレーザ溶接装置Tの構成を概略的に示す概略図である。
レーザ溶接装置Tは、例えば、電池ケースの開口部に蓋体をレーザ溶接によって接合し、電池を封缶する等、溶接対象物(以下、単に「ワーク」と称す)Wに対し、溶接線Lに沿ってレーザ光Cを照射しながら、ワークWの溶接を行う装置である。このレーザ溶接装置Tは、レーザ溶接されたワークWに対し、そのレーザ溶接に伴って突起物が形成されていなかい否かを判定し、突起物が形成されたと判定される場合は外観不良として検出する溶接外観不良検出装置を含む。なお、ワークWは、電池に限られず、各種溶接継手等、レーザ溶接可能なものであれば全てのものが含まれる。
図1に示す通り、レーザ溶接装置Tは、少なくとも、レーザ光Cを発振するレーザ発振器10と、レーザ照射装置であるガルバノスキャナG及びシームトラッキングヘッドSと、移動装置である多軸ロボットRとによって構成される。
レーザ発振器10により発振されたレーザ光Cは、光ファイバ11により伝送され、光ファイバ11の一端に設けられたファイバアダプタ12から、ガルバノスキャナGに取り込まれる。ガルバノスキャナGは、取り込んだレーザ光CをワークWに向けて照射する場合に、その照射位置を、2軸D2にて示される方向で調整するものである。
シームトラッキングヘッドSは、ガルバノスキャナGに取り付けられている。シームトラッキングヘッドSは、溶接線Lに対する、ワークWに照射されたレーザ光Cの照射位置のずれを判断し、ガルバノスキャナGを制御して、レーザ光Cの照射位置が溶接線L上となるように位置補正をするための装置である。また、シームトラッキングヘッドSは、後述する通り撮像素子17(図2参照)を有しており、撮像素子17にて撮像した溶接後のワークW及び/又はワークWの周辺の画像から、外観不良を検出する機能を有している。このシームトラッキングヘッドSが、本発明の溶接外観不良検出装置に相当する。
ガルバノスキャナGは、多軸ロボットRの先端に取り付けられている。多軸ロボットRは、例えば3軸D1の各軸を中心として、先端に取り付けられたガルバノスキャナGを回動可能にしている。これにより、1回のレーザ溶接で広範囲にわたってワークWの溶接を行うことができ、また、溶接線Lの形状やワークWの形状が複雑なものであっても、容易にレーザ溶接を行うことができる。なお、多軸ロボットRは、回動の中心が必ずしも3軸である必要はなく、1又は複数の軸を中心にガルバノスキャナGを回動できるものであればよい。
多軸ロボットRには、ティーチペンダント23が接続される。ティーチペンダント23は、多軸ロボットRを制御するロボットコントローラ40(図2参照)に対して、レーザ溶接装置Tの動作に関する設定や、ワークWの溶接線Lの教示(プログラム)等をするための入力手段としての役割を担うと共に、レーザ溶接装置Tの運転状態を表示する表示手段としての役割を担うものである。多軸ロボットRは、ロボットコントローラ40の制御によって、ティーチペンダント23により教示された溶接線Lに沿ってレーザ光CがワークWに照射されるように、ガルバノスキャナGを移動させる。なお、ロボットコントローラ40は、多軸ロボットRに内蔵される。
また、詳細については後述するが、レーザ溶接装置T上におけるワークWの位置の設定や、ワークWに対してレーザ溶接後に行う外観不良検出におけるその検出対象領域(以下「外観不良検出領域」と称す)の設定が、ワークWの溶接線Lの教示とあわせてティーチペンダント23によって行えるように構成されている。
次いで、図2を参照して、ガルバノスキャナG及びシームトラッキングヘッドSの内部構成について説明する。図2は、ガルバノスキャナG及びシームトラッキングヘッドSの内部構成を概略的に示した概略図である。
ガルバノスキャナGは、コリメートレンズ13、反射ミラー14、ダイクロイックミラー15、フォーカシングレンズ16、ガルバノミラー部20、X軸変位モータ20a、Y軸変位モータ20b、fθレンズ21、ガルバノスキャナコントローラ18を有している。また、シームトラッキングヘッドSは、撮像素子17、シームトラッキングコントローラ30を有している。
具体的には、ガルバノスキャナGは、ファイバアダプタ12の出力側に、コリメートレンズ13が配置されている。レーザ発振器10により発振され、光ファイバ11を伝送してファイバアダプタ12から照射されたレーザ光Cは、コリメートレンズ13によって平行光とされる。コリメートレンズ13により平行光とされたレーザ光Cは、反射ミラー14によってガルバノミラー部20に向けて反射され、反射ミラー14とガルバノミラー部20との間に設けられたダイクロイックミラー15を透過して、ガルバノミラー部20に入力される。
ガルバノミラー部20は、ワークWに向けてレーザ光Cを照射する場合に、その照射位置を調整するものであり、図示しない一対の反射ミラー(ガルバノミラー)によって構成される。
一対の反射ミラーのうち、一方の反射ミラーはX軸変位モータ20aに接続されている。このX軸変位モータ20aを駆動することにより、接続する反射ミラーの反射角が変更され、ワークWに対するレーザ光Cの照射位置が、X軸方向に変位可能とされる。また、一対の反射ミラーのうち、他方の反射ミラーはY軸変位モータ20bに接続されている。このY軸変位モータ20bを駆動することにより、接続する反射ミラーの反射角が変更され、ワークWに対するレーザ光Cの照射位置が、Y軸方向に変位可能とされる。よって、X軸変位モータ20a及びY軸変位モータ20bを駆動することで、ガルバノスキャナGは、ワークWに対して照射するレーザ光Cの照射位置を調整することができる。
ガルバノミラー部20の出力側にはfθレンズ21が配置されている。ガルバノミラー部20によって所望の照射位置に向けられたレーザ光Cは、fθレンズ21によってワークWの照射位置に集光される。なお、fθレンズ21に代えて、X軸変位モータ20a、Y軸変位モータ20bの前にZ軸変位モータによりZ軸方向に移動するレンズを設置し、ワークWの照射位置に集光するようにしてもよい。
レーザ光Cやその他の光によりワークWから反射された光Iは、レーザ光Cとは逆向きに、fθレンズ21を通過及びガルバノミラー部20を反射して進む。そして、光Iは、ダイクロイックミラー15によって反射されて、シームトラッキングヘッドSの撮像素子17に入力される。ダイクロイックミラー15と撮像素子17との間には、フォーカシングレンズ16が配置されており、フォーカシングレンズ16によって、ワークWより反射された光Iが、ワークWの溶接面を表す画像として撮像素子17に結像される。
撮像素子17は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等によって構成される。撮像素子17に結像された画像は、その撮像素子17において2次元に並べられた画素に分解され、画素毎に、入力された光の強度が電気信号に変換されることで、撮像が行われる。撮像素子17によって画素毎に変換された電気信号は、ラスタスキャンによりシームトラッキングコントローラ30へ出力される。
シームトラッキングコントローラ30は、多軸ロボットRに設けられたロボットコントローラ40と協働して、レーザ溶接装置Tの全体の制御を行うものである。シームトラッキングコントローラ30は、ガルバノスキャナGのガルバノスキャナコントローラ18を介して、ロボットコントローラ40との間で通信を行う。
ロボットコントローラ40に接続されたティーチペンダント23により、ワークWの溶接線Lの教示(プログラム)が行われる場合、シームトラッキングコントローラ30に設けられ又は接続された表示装置(図示せず)、若しくは、ティーチペンダント23に設けられた表示装置(図示せず)に、撮像素子17によって撮像されたワークWの溶接面が表示される。使用者は、表示装置に表示されたワークWの溶接面を見ながら、ワークWにおける溶接線Lを設定することで、溶接線Lの教示を行う。
このとき、シームトラッキングコントローラ30は、撮像素子17により撮像されたワークWの画像から特徴点を検出し、その特徴点に基づいて、ワークWにおける溶接線Lが設定されるよう、表示装置に表示される画像を通して使用者を支援し、また、ティーチペンダント23の操作の受付の可否を判断する。
また、使用者は、表示装置の表示を見ながら、ワークWの位置を設定すると共に、ワークWに対してレーザ溶接後に行う外観不良検出の検出対象領域である外観不良検出領域51を設定する。
ここで、図3を参照してワークWに対して設定される外観不良検出領域51について説明する。図3は、外観不良検出領域51を説明するための説明図である。第1実施形態では、この外観不良検出領域51として、ワークWの外縁に沿って所定幅wを有する平面領域が、使用者によって設定されるようになっている。シームトラッキングコントローラ30は、この外観不良検出領域51に対して、ワークWから外縁へ飛び出すように形成された突起物Bが存在するか否かを判別し、外観不良の検出を行う。例えば、図3の例では、突起物Bが外観不良検出領域51に存在する。このような場合に、シームトラッキングコントローラ30は、ワークWが外観不良として判断する。
なお、ワークWは、レーザ溶接を行っている間に、そのレーザ溶接によりワークWに加わる力や各種振動等によってワークWの位置がずれてしまうおそれがある。そこで、シームトラッキングコントローラ30は、ワークWの溶接前と溶接後の位置のずれを特定し、ティーチペンダント23より設定された外観不良検出領域51の位置を、そのワークWにずれに応じて外観不良検出を行う前に補正する処理を行う。
ここで、図4を参照して、外観不良検出領域51の位置補正について説明する。図4は、その外観不良検出領域51の位置補正を説明するための説明図である。図4において、破線51aがティーチペンダント23より設定された外観不良検出領域51の位置を示している。
シームトラッキングコントローラ30は、ワークWのレーザ溶接完了後、外観不良検出を行う前に、ワークWを撮像素子17にて撮像し、その時点でのワークWの位置を特定する。図4では、実線がレーザ溶接完了後のワークWの位置を示している。シームトラッキングコントローラ30は、このレーザ溶接完了後のワークWの位置と、ティーチペンダント23により設定されたワークWの位置(レーザ溶接前のワークWの位置)とのずれ量を算出する。
そして、シームトラッキングコントローラ30は、ティーチペンダント23により設定された外観不良検出領域51の位置51aも、レーザ溶接後に、算出したワークWのずれ量だけずれたものとして、このずれ量分だけずらす補正を行う。図4において、二点鎖線51bが、補正後の外観不良検出領域51を示す。シームトラッキングコントローラ30は、この補正後の外観不良検出領域51(51b)に対して外観不良の有無を判断する。
このように、レーザ溶接中にワークWが何らかの要因でずれてしまったとしても、そのずれを反映させて外観不良検出領域51の位置を補正し、その補正後の外観不良検出領域51において、外観不良の有無を判断するので、より精度の高い外観不良の検出を行うことができる。
なお、ティーチペンダント23により教示されたワークWの溶接線Lの位置を示す情報、ワークWの位置を示す情報、外観不良検出領域51の位置を示す情報は、ロボットコントローラ40から、ガルバノスキャナコントローラ18を介してシームトラッキングコントローラ30に送信され、シームトラッキングコントローラ30に設けられたRAM(Random Access Memory)33(図5参照)に記憶される。
図2に戻り、説明を続ける。シームトラッキングコントローラ30は、ワークWの溶接を行っている期間中、撮像素子17により撮像されたワークWの画像から検出される特徴点の位置(即ち、実際のワークWの溶接線Lの位置)と教示されたワークWの溶接線Lの位置(ワークWに照射されるレーザ光Cの位置)とのずれ量を検出する。そして、シームトラッキングコントローラ30は、その検出されたずれ量に基づいて、ワークWに照射されるレーザ光Cと、実際のワークWにおける溶接線Lとにずれがあるか否かを判断する。
シームトラッキングコントローラ30は、ワークWに照射されるレーザ光Cと、実際のワークWにおける溶接線Lとにずれがあると判断すると、撮像素子17により撮像されたワークWの画像から検出される特徴点の位置と教示されたワークWの溶接線Lの位置とのずれ量に基づいて、検出されたワークWの特徴点の位置(実際のワークWの溶接線L)にレーザ光Cの照射位置が移動するように、レーザ光Cの照射位置の位置補正量(位置補正のための移動量)を算出する。算出された位置補正量は、レーザ光Cの照射位置の移動命令に含められてガルバノスキャナGのガルバノスキャナコントローラ18に送信される。
一方、シームトラッキングコントローラ30は、ワークWに照射されるレーザ光Cと、実際のワークWにおける溶接線Lとにずれがあると判断されない場合は、ワークWに照射されるレーザ光Cの照射位置が、ワークWの溶接線Lから所定範囲の中で移動するように、その移動量を、レーザ光Cの照射位置の移動命令に含めてガルバノスキャナコントローラ18に対して送信する。
ガルバノスキャナコントローラ18は、ワークWの溶接面上の所望の位置に、レーザ光Cが照射されるように、ガルバノミラー部20に接続されたX軸変位モータ20a及びY軸変位モータ20bを駆動するものである。
ガルバノスキャナコントローラ18は、シームトラッキングコントローラ30より、ワークWに照射されるレーザ光Cと、実際のワークWにおける溶接線Lとにずれがあると判断された場合に送信されるレーザ光Cの照射位置の移動命令を受信すると、その移動命令に含まれる位置補正量に基づいてX軸変位モータ20a及びY軸変位モータ20bを駆動し、検出されたワークWの特徴点の位置(実際のワークWの溶接線L)にレーザ光Cが照射されるよう、レーザ光Cの照射位置を調整する。これにより、レーザ光Cの照射位置が、実際のワークWの溶接線L上となるように補正される。
また、ガルバノスキャナコントローラ18は、シームトラッキングコントローラ30より、ワークWに照射されるレーザ光Cと、実際のワークWにおける溶接線Lとにずれがあると判断されない場合に送信されるレーザ光Cの照射位置の移動命令を受信すると、その移動命令に含まれる移動量に基づいてX軸変位モータ20a及びY軸変位モータ20bを駆動する。
ガルバノスキャナコントローラ18は、レーザ発振器10と接続されており、シームトラッキングコントローラ30からの指示に基づいて、レーザ光Cの発振のオン/オフを、レーザ発振器10に対して指示する。
例えば、ガルバノスキャナコントローラ18は、シームトラッキングコントローラ30から、レーザ光Cの照射位置の移動命令を受信すると、ガルバノミラー部20を駆動してレーザ光Cの照射位置を移動させている間、レーザ光CをワークWへ照射すべく、レーザ発振器10にレーザ光Cの発振をオンさせる。このとき、ガルバノスキャナコントローラ18は、移動命令に基づいてレーザ光Cの照射位置が所望の位置に移動された後も、継続してレーザ光Cが出力されるように、レーザ発振器10に対してレーザ光Cの発振をオンさせ続ける。
ここで、ガルバノミラー部を駆動していない状態(ガルバノスキャナによるレーザ光の照射位置の変更を行っていない状態)から、ガルバノミラー部を駆動してレーザ光の照射位置の移動を開始させる場合、一旦、レーザ光の照射を停止させなければならないものがあり、この場合、レーザ光が十分に照射されない箇所が生じて、レーザ溶接の品質を低下させてしまう問題があった。
これに対し、レーザ溶接装置Tでは、シームトラッキングコントローラ30からの移動命令によって、レーザ光Cを常に溶接線Lから所定範囲内で移動させながら照射するよう制御しつつ、レーザ光Cの照射位置と溶接線Lとにずれが生じた場合は、レーザ光Cの照射を停止させることなく、レーザ光Cの照射位置を溶接線Lに戻すことができる。よって、品質の良いレーザ溶接を行うことができる。
図5は、シームトラッキングコントローラ30の電気的構成を示したブロック図である。シームトラッキングコントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM33を有しており、それらはバスライン34を介して接続されている。また、バスライン34には、撮像素子17と、ガルバノスキャナコントローラ18が接続される他、図示しない表示装置が接続されている。なお、上記した通り、ガルバノスキャナコントローラ18には、ロボットコントローラ40が接続され、ロボットコントローラ40には、ティーチペンダント23が接続される。
CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムに従って、レーザ溶接装置Tを制御する演算装置である。ROM32は、CPU31によって実行されるプログラムや固定値データ等を記憶するための書き換え不能な不揮発性のメモリである。ROM32に記憶されるプログラムとして、例えば、図6を参照して後述する外観不良検出処理を実行するプログラム等が含まれる。RAM33は、書き換え可能な揮発性のメモリであり、CPU31によるプログラムの実行時に各種のデータを一時的に記憶する。
ここで、図6を参照して、シームトラッキングコントローラ30のCPU31により実行される外観不良検出処理について説明する。図6は、その外観不良検出処理を示すフローチャートである。外観不良検出処理は、ワークWに対するレーザ溶接終了後に実行され、レーザ溶接したワークWにおいて外観不良の存在の有無を検出する処理である。
この外観不良検出処理では、まず、ワークWのずれ量を検出する(S1)。具体的には、図4を参照して説明した通り、ワークWを撮像素子17にて撮像してワークWの位置(レーザ溶接後のワークWの位置)を特定する。そして、ティーチペンダント23により設定されたワークWの位置(レーザ溶接前のワークWの位置)をRAM33より読み出し、レーザ溶接前のワークWの位置から、レーザ溶接後のワークWの位置へのずれ量を算出する。
次いで、外観不良検出領域51の位置を補正する(S2)。具体的には、レーザ溶接前にティーチペンダント23により設定された外観不良検出領域51の位置51aを、S1の処理にて検出したワークWのずれ量だけずらす補正を行う。
次いで、S2の処理により補正された外観不良検出領域51を含む領域を、撮像素子17にて撮像する(S3)。そして、S2の処理により補正された外観不良検出領域51の中に、画像データに関する特異点があるか否かを判別する(S4)。ここで画像データに関する特異点の有無の判別は、撮像した画像において、外観不良検出領域51内の画素の中に、その外観不良検出領域51内の他の画素における画像データと大きく異なる画像データを有する画素が存在するか否かを判別することによって行われる。即ち、外観不良検出領域51内の画素の中に、その外観不良検出領域51内の他の画素における画像データと大きく異なる画像データがあれば、画像データに関する特異点が外観不良検出領域51の中に存在すると判別する。なお、この判別によって使用される画像データとしては、明度、輝度、彩度などが例示される。
ここで、レーザ溶接によってワークWに突起物Bが発生し、それが撮像素子17にて撮像された画像に含まれていた場合、その突起物Bの位置における画像データがその他の位置における画像データと大きく異なる特異点として現れることが多い。そこで、S4の判別の結果、外観不良検出領域51の中に画像データに関する特異点があると判別される場合は(S4:Yes)、外観不良があると判断し、外観不良の存在を報知するために、不良と判定されたデータ(不良データ)をシームトラッキングコントローラ30に設けられ又は接続された表示装置(図示せず)、若しくは、ティーチペンダント23に設けられた表示装置等、何らかの表示装置に対して出力する(S6)。この表示装置に表示された不良データによって、使用者は外観不良を把握できる。なお、表示装置への不良データの出力に代えて、又は、その出力と合わせて、ランプの点灯・点滅や音の出力等により、外観不良を報知してもよい。S6の処理の後、S7の処理へ移行する。
一方、S4の判別の結果、外観不良検出領域51の中に、画像データに関する特異点がないと判別される場合は(S4:No)、次いで、S2の処理により補正された外観不良検出領域51の中に、明度が所定閾値より大きい点(画素)が存在するか否かを判別する(S5)。ここで、レーザ溶接によってワークWに突起物Bが発生し、それが撮像素子17にて撮像された画像に含まれていた場合、その外観不良の位置(画素)における明度が大きく現れることが多い。そこで、S5の処理の結果、外観不良検出領域51の中に、明度が所定閾値より大きい点(画素)が存在すると判別された場合は(S5:Yes)、外観不良があると判断し、上述したS6の処理を実行して、S7の処理へ移行する。一方、S5の判別の結果、外観不良検出領域51の中に、明度が所定閾値より大きい点(画素)が存在しないと判別された場合は(S5:No)、S6の処理を行わずに、即ち、外観不良を報知せずに、S7の処理へ移行する。S7の処理では、外観不良と判断したか否かにかかわらず、S4及びS5の処理により得られたデータをデータログとしてRAM33(又は、シームトラッキングコントローラ30に別途設けられたフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ)に保存する。ここで保存されたデータログは、外部PCから読み取り可能に構成されており、後に外観不良が発見された場合等にトレーサビリティを可能としている。S7の処理の後、本外観不良検出処理を終了する。
以上、第1実施形態に係るレーザ溶接装置Tによれば、シームトラッキングコントローラ30がワークWのレーザ溶接後に外観不良検出処理を実行することにより、以下の効果を奏する。即ち、撮像素子17により撮像された画像に基づいて、ワークWに対して設定された外観不良検出領域51に画像データに関する特異点が存在するかが判別され、特異点が存在すると判別された場合に、外観不良があると判断される。このように、ワークWに対して設定された外観不良検出領域51に画像データに関する特異点の存在を判別するだけで外観不良を判断するので、レーザ溶接における外観不良を高速かつ精度よく検出できる。
また、撮像素子17により撮像された画像に基づいて、ワークWに対して設定された外観不良検出領域51に明度が所定閾値よりも大きい点が存在するかが判別され、明度が所定閾値よりも大きい点が存在すると判別された場合に、外観不良があると判断される。このように、ワークWに対して設定された外観不良検出領域51に明度の大きな点の存在を判別するだけで外観不良を判断するので、レーザ溶接における外観不良を高速かつ精度よく検出できる。
また、外観不良の判断を、画像データに関する特異点の有無と、明度の大きな点の有無との両方より判断するので、外観不良をより精度よく検出できる一方、各々の有無の判別に必要な処理量は大きくないため、高速に外観不良を検出できる。
また、外観不良検出領域51として、ワークWの外縁に沿って所定幅wを有する平面領域が設定されるので、ワークWから外縁へ飛び出すように形成された突起物Bが存在する場合に、それを外観不良として高速かつ精度よく検出できる。
また、この外観不良検出処理は、レーザ溶接装置Tに設けられたシームトラッキングコントローラ30により実行される。つまり、レーザ溶接装置Tによってレーザ溶接されたワークWに対し、そのレーザ溶接によって突起物Bが形成されたとしても、それを外観不良として高速かつ精度よく検出できる。
また、外観不良検出処理は、レーザ溶接装置Tによるレーザ溶接後にシームトラッキングコントローラ30により実行される。よって、この外観不良検出処理を実行するときには、撮像素子17により撮像される画像に、レーザ溶接で用いられるレーザ光Cが写り込むことを抑制できる。よって、画像データに関する特異点の判別又は明度が所定閾値より大きい点の判別において、レーザ光Cの影響を排除できるので、外観不良の検出を精度よく行うことができる。
また、ワークWに対する外観不良検出領域51が、使用者によりレーザ溶接前に設定される一方、ワークWに対するレーザ溶接後、外観不良検出を行う前に、レーザ溶接前のワークWの位置とレーザ溶接後のワークWの位置とのずれ量を検出し、その検出されたずれ量に基づいて、外観不良検出領域51の位置が補正される。そして、その補正された外観不良検出領域51に、画像データに関する特異点が存在するか、又は、明度が所定閾値より大きい点が存在するかが判別される。このように、レーザ光の溶接中にワークWが何らかの要因でずれてしまったとしても、そのずれ量を反映させて画像データに関する特異点の判別又は明度が所定閾値より大きい点の判別が行われる外観不良検出領域51が補正されるので、より精度の高い外観不良の検出を行うことができる。
次いで、図7及び図8を参照して、第2実施形態に係るレーザ溶接装置Tについて説明する。第1実施形態に係るレーザ溶接装置Tでは、外観不良検出領域51として、ワークWの外縁に沿って所定幅wを有する平面領域を設定し、撮像素子17にてその外観不良検出領域51を含む領域を撮像して、その外観不良検出領域51に外観不良が存在するか否かを検出する場合について説明した。これに対し、第2実施形態に係るレーザ溶接装置Tでは、外観不良検出領域として「線」を設定し、その「線」に沿ってスキャンしながら撮像素子17にてワークW及び/又はワークW周辺を撮像しつつ、その「線」上に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値より大きい点が存在するか否かを判別して、外観不良が存在するか否かを検出する。
以下、第2実施形態に係るレーザ溶接装置Tについて、第1実施形態に係るレーザ溶接装置Tと相違する点を中心に説明する。第1実施形態に係るレーザ溶接装置Tと同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7(a)は、第2実施形態に係る外観不良検出領域の一例を説明するための説明図であり、図7(b)は、第2実施形態に係る外観不良検出領域の別例を説明するための説明図である。
図7(a)に示す例では、外観不良検出領域52として、ワークWの外縁から第1距離d1だけ離れた線が、使用者によって設定されるようになっている。シームトラッキングコントローラ30は、この外観不良検出領域52に沿って撮像素子17の撮像領域をスキャンしながらワークW及び/又はワークW周辺を撮像し、その外観不良検出領域52上に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値より大きい点が存在するか否かを判別する。そして、図7(a)のように、突起物BがワークWの外縁から飛び出すように形成されている場合、外観不良検出領域52上に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値より大きい点が存在することになるので、それを外観不良として検出する。
図7(b)に示す例では、外観不良検出領域53として、溶接線Lから第2距離d2だけ離れた線が、使用者によって設定されるようになっている。シームトラッキングコントローラ30は、この外観不良検出領域53に沿って撮像素子17の撮像領域をスキャンしながらワークW及び/又はワークW周辺を撮像し、その外観不良検出領域53上に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値より大きい点が存在するか否かを判別する。そして、図7(b)のように、レーザ溶接によって溶接線L近傍に突起物Bが形成された場合、外観不良検出領域53上に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値より大きい点が存在することになるので、それを外観不良として検出する。
次いで、図8を参照して、第2実施形態に係るレーザ溶接装置Tのシームトラッキングコントローラ30のCPU31により実行される外観不良検出処理について説明する。図8は、その外観不良検出処理を示すフローチャートである。この外観不良検出処理は、第1実施形態と同様に、ワークWに対するレーザ溶接終了後に実行され、レーザ溶接したワークWにおいて外観不良の存在の有無を検出する。
なお、以下の説明において、外観不良検出領域として、図7(a)に示す外観不良検出領域52が設定された場合について説明する。外観不良検出領域として、図7(b)に示す外観不良検出領域53が設定された場合は、以下の説明の中で、外観不良検出領域52を外観不良検出領域53に読み替えればよい。
この外観不良検出処理では、まず、第1実施形態の外観不良検出処理のS1の処理と同様に、レーザ溶接前のワークWの位置からレーザ溶接後のワークWの位置へのずれ量を検出する(S11)。次いで、外観不良検出領域52の位置を補正する(S12)。具体的には、レーザ溶接前にティーチペンダント23により設定された外観不良検出領域52の位置を、S1の処理にて検出したワークWのずれ量だけずらす補正を行う。
次いで、S12の処理により補正された外観不良検出領域52に沿って撮像素子17の撮像領域をスキャンするよう、ガルバノスキャナGを駆動する(S13)。具体的には、ガルバノスキャナGを駆動するための命令を、ガルバノスキャナコントローラ18に対して送信する。
なお、本実施形態では、ガルバノスキャナGを駆動させることで、S12の処理により補正された外観不良検出領域52に沿って撮像素子17の撮像領域をスキャンさせるが、多軸ロボットRを駆動して、又は、ガルバノスキャナGと多軸ロボットとの両方を駆動して協働させることにより、外観不良検出領域52に沿って撮像素子17の撮像領域をスキャンするようにしてもよい。
次いで、S13の処理により、補正された外観不良検出領域52に沿ってスキャン中の撮像領域を撮像素子17にて撮像する(S14)。そして、外観不良検出領域52上に、画像データに関する特異点があるか否かを判別する(S15)。ここで画像データに関する特異点の有無の判別は、撮像した画像において、外観不良検出領域52上の画素の中に、その外観不良検出領域52上の他の画素における画像データと大きく異なる画像データを有する画素が存在するか否かを判別することによって行われる。即ち、外観不良検出領域52上の画素の中に、その外観不良検出領域52上の他の画素における画像データと大きく異なる画像データがあれば、画像データに関する特異点が外観不良検出領域52上に存在すると判別する。なお、この判別によって使用される画像データとしては、明度、輝度、彩度などが例示される。
ここで、レーザ溶接によってワークWに突起物Bが発生し、それが撮像素子17にて撮像された画像に含まれていた場合、その突起物Bの位置における画像データがその他の位置における画像データと大きく異なる特異点として現れることが多い。そこで、S15の判別の結果、外観不良検出領域52上に、画像データに関する特異点があると判別される場合は(S15:Yes)、外観不良があると判断し、不良と判定されたデータ(不良データ)をデータログとしてRAM33(又は、シームトラッキングコントローラ30に別途設けられたフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ)に保存する(S17)。そして、S19の処理へ移行する。
一方、S15の判別の結果、外観不良検出領域52上に、画像データに関する特異点がないと判別される場合は(S15:No)、次いで、外観不良検出領域52上に、明度が所定閾値より大きい点(画素)が存在するか否かを判別する(S16)。ここで、レーザ溶接によってワークWに突起物Bが発生し、それが撮像素子17にて撮像された画像に含まれていた場合、その外観不良の位置(画素)における明度が大きく現れることが多い。そこで、S16の処理の結果、外観不良検出領域52上に、明度が所定閾値より大きい点(画素)が存在すると判別された場合は(S16:Yes)、上述したS17の処理を実行し、S19の処理へ移行する。
一方、S16の判別の結果、外観不良検出領域52上に、明度が所定閾値より大きい点(画素)が存在しないと判別された場合は(S16:No)、S15及びS16の処理により不良と判定されなかったデータ(通常データ)をデータログとしてRAM33(又は、シームトラッキングコントローラ30に別途設けられたフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ)に保存する(S18)。そして、S19の処理へ移行する。S19の処理では、外観不良検出領域52に沿った撮像素子17の撮像領域のスキャンを終了させるか否かを判断する(S19)。具体的には、全ての外観不良検出領域52に対して、撮像素子17の撮像領域をスキャンしたか否かを判断し、全ての外観不良検出領域52に対して、撮像素子17の撮像領域をスキャンした場合に、外観不良検出領域52に沿った撮像素子17の撮像領域のスキャンを終了させると判断する。
そして、外観不良検出領域52に沿った撮像素子17の撮像領域のスキャンを終了させない場合には(S19:No)、S13の処理に戻り、S13~S19の処理を再び実行する。これにより、S19の処理において、外観不良検出領域52に沿った撮像素子17の撮像領域のスキャンを終了させると判断されるまで、S13~S19の処理が繰り返される。つまり、外観不良検出領域52に沿って撮像素子17の撮像領域がスキャンされながら、外観不良の有無が判断される。
一方、S19の処理の結果、外観不良検出領域52に沿った撮像素子17の撮像領域のスキャンを終了させる場合は(S19:Yes)、次いで、スキャン中に不良データがあったか否かを判断し(S20)、不良データがあった場合は(S20:Yes)、不良データをシームトラッキングコントローラ30に設けられ又は接続された表示装置(図示せず)、若しくは、ティーチペンダント23に設けられた表示装置等、何らかの表示装置に対して出力する(S21)。この表示装置に表示された不良データによって、使用者は外観不良を把握できる。なお、表示装置への不良データの出力に代えて、又は、その出力と合わせて、ランプの点灯・点滅や音の出力等により、外観不良を報知してもよい。そして、S21の処理の後、又は、S20の処理の結果、スキャン中に不良データがなかった場合は(S20:No)、本外観不良検出処理を終了する。なお、S18及びS19の処理により保存されたデータログは、外部PCから読み取り可能に構成されており、後に外観不良が発見された場合等にトレーサビリティを可能としている。
以上、第2実施形態に係るレーザ溶接装置Tによれば、シームトラッキングコントローラ30がワークWのレーザ溶接後に外観不良検出処理を実行することにより、以下の効果を奏する。即ち、外観不良検出領域52として、ワークWの外縁から第1距離d1離れて設定された線が設定され、この外観不良検出領域52に沿って撮像素子17の撮像領域をスキャンしながらワークW及び/又はワークW周辺を撮像し、その外観不良検出領域52上に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値より大きい点が存在するか否かを判別する。これにより、ワークWの外縁から少なくとも第1距離d1以上飛び出して形成された突起物Bを、外観不良として高速かつ精度よく検出できる。
あるいは、外観不良検出領域53として、ワークWの外縁から第2距離d2離れて設定された線が設定され、この外観不良検出領域53に沿って撮像素子17の撮像領域をスキャンしながらワークW及び/又はワークW周辺を撮像し、その外観不良検出領域53上に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値より大きい点が存在するか否かを判別する。これにより、レーザ溶接によって溶接線L近傍に形成された突起物Bを、外観不良として高速かつ精度よく検出できるという効果がある。
また、外観不良の判断を線に対して行うので、より高速に検出できる。
その他、第1実施形態に係るレーザ溶接装置Tと同一の構成によって、同一の効果を奏する。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、以下に説明する変形例を含めて、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部又は複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部又は複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
例えば、図2に、ガルバノスキャナG及びシームトラッキングヘッドSの内部構成を示したが、そのレンズやミラーの配置は、ガルバノスキャナG及びシームトラッキングヘッドSによって適宜変更されてよい。また、図5に、本発明の一実施形態であるシームトラッキングコントローラ30の電気的構成を示したが、図6又は図8に示した処理を実現できるものであれば、その電気的構成は図5に示したものに何ら限定されるものではない。
また、上記第1実施形態では、外観不良検出領域51が設定され、上記第2実施委携帯では、外観不良検出領域52又は53が設定される場合いについて説明したが、外観不良検出領域51、外観不良検出領域52及び外観不良検出領域53の少なくとも2以上が組み合わされて、外観不良検出領域が設定されてもよい。
上記各実施形態では、外観不良検出領域における外観不良の判断を、画像データに関する特異点の有無と、明度の大きな点の有無との両方より判断する場合について説明したが、いずれか一方で判断してもよい。即ち、外観不良検出領域における外観不良の判断を、画像データに関する特異点の有無だけで判断してもよいし、明度の大きな点の有無だけで判断してもよい。
上記実施形態では、ワークWのレーザ溶接後に、図6又は図8に示す外観不良検出処理を実行して、外観不良を検出する場合について説明したが、ワークWのレーザ溶接中に、レーザ溶接が完了した位置付近において設定された外観不良検出領域に、画像データに関する特異点又は明度が所定閾値よりも大きい点が存在するか否かを判別して、外観不良の有無を検出してもよい。これにより、レーザ溶接装置Tによるレーザ溶接中に、ワークWにおける外観不良が検出できるので、外観不良の検出をより高速に行うことができるという効果がある。
上記実施形態では、外観不良検出領域51,52,53を使用者がティーチペンダント23を使用して設定する場合について説明したが、撮像素子17にて撮像された画像から、シームトラッキングコントローラ30がワークWの位置を認識し、そのワークWの位置に基づいて、シームトラッキングコントローラ30が外観不良検出領域51,52を設定してもよい。また、ティーチペンダント23から使用者により設定又は教示されたワークWの位置や溶接線Lの位置に基づいて、シームトラッキングコントローラ30が外観不良検出領域51,52,53を設定してもよい。
また、上記実施形態では、X-Y2軸のガルバノミラー部20を用いて、ワークWに照射されるレーザ光Cの照射位置を変位させるレーザ溶接装置Tについて説明したが、X-Y-Z3軸のガルバノスキャナを用いて、ワークWに照射されるレーザ光の照射位置を変位させるレーザ溶接装置に対して、本発明を適用してもよい。また、多関節ロボットにレーザ光を照射する単眼ヘッドを搭載し、多関節ロボットを移動させることで、ワークWに照射されるレーザ光Cの照射位置を変位させるレーザ溶接装置に対して、本発明を適用してもよい。また、レーザ光Cを変位させるのではなく、ワークWが設置されるテーブルをX-Y2軸、X-Y-Z3軸又は5軸に移動させることで、ワークWに照射されるレーザ光Cの照射位置を変位させるレーザ溶接装置Tに対して、本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、ワークWに照射されるレーザ光Cの照射位置を2次元に変位可能としたレーザ溶接装置に対して、本発明を適用した場合について説明したが、単眼ヘッドからワークWに対してレーザ光Cを照射し、その単眼ヘッド又はワークWが設置されるテーブルを一方向に移動させてレーザ溶接を行うレーザ溶接装置に対しても、本発明は適用可能である。