JP7006589B2 - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7006589B2
JP7006589B2 JP2018518186A JP2018518186A JP7006589B2 JP 7006589 B2 JP7006589 B2 JP 7006589B2 JP 2018518186 A JP2018518186 A JP 2018518186A JP 2018518186 A JP2018518186 A JP 2018518186A JP 7006589 B2 JP7006589 B2 JP 7006589B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
etching
sections
resin
section
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018518186A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017199705A1 (ja
Inventor
一成 多田
直紀 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JPWO2017199705A1 publication Critical patent/JPWO2017199705A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7006589B2 publication Critical patent/JP7006589B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/08Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies
    • H10N30/085Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies by machining
    • H10N30/088Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies by machining by cutting or dicing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/08Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies
    • H10N30/082Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies by etching, e.g. lithography
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/306Chemical or electrical treatment, e.g. electrolytic etching
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/306Chemical or electrical treatment, e.g. electrolytic etching
    • H01L21/308Chemical or electrical treatment, e.g. electrolytic etching using masks
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/09Forming piezoelectric or electrostrictive materials
    • H10N30/092Forming composite materials
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials
    • H10N30/852Composite materials, e.g. having 1-3 or 2-2 type connectivity

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Weting (AREA)

Description

本発明は、圧電素子の製造方法に関する。
近年、高い性能を有する圧電素子の開発が盛んに行われている。このような圧電素子の一形態として、圧電体と樹脂とが交互に配列されている圧電部材(以下、「圧電体コンポジット」とも言う)を有する圧電素子が一般に知られている。そして、このような圧電体コンポジットのサイズを精密に制御するための方法には、Pb系圧電材料製の圧電体基体をエッチング液でエッチングして圧電体切片を作製する工程を含み、当該エッチング液に、硝酸およびフッ化アンモニウムを含有する液を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010-147088号公報
しかしながら、上記の従来の方法では、上記圧電体基体に林立する複数の圧電体切片のエッチングが均一に行われず、圧電体切片の先細りや圧電体基体の縁部における圧電体切片と圧電体基体の中央部における圧電体切片とのエッチング量に差が生じることがある。このような差が生じると、圧電体切片における圧電体コンポジットとして使用できる部分が限られ、圧電体コンポジットの生産性が低下する。このように、圧電体切片のエッチングによる精密なサイズの制御については、加工される圧電体切片全体のエッチングを均一に行う観点から検討の余地が残されている。
本発明は、複数の圧電体切片を均一にエッチングすることが可能な方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一側面を反映した圧電素子の製造方法は、Pb系圧電材料で構成された圧電体と樹脂とが交互に配列されている圧電体コンポジットを含む圧電素子の製造方法であって、ダイシングによって形成された並列する複数の圧電体切片をエッチング液でエッチングする工程を含む。上記エッチング液には、0.1~20質量%のヘキサフルオロケイ酸を含有する液を用いる。
図1Aは、圧電体切片の長さ、厚さおよび幅を説明するための図であり、図1Bは、圧電体基体のダイシングにより形成されるテーパの一例を模式的に示す図である。 図2は、本実施の形態に係る、圧電体基板から板状の圧電体を有する圧電素子を製造する工程の一例を模式的に示す図である。 図3Aは、第1のエッチング工程の様子を模式的に示す図であり、図3Bは、第1のエッチング工程によりエッチングされた圧電体切片の形状を模式的に示す図である。 図4Aは、第2のエッチング工程の様子を模式的に示す図であり、図4Bは、第2のエッチング工程によりエッチングされた圧電体切片の形状を模式的に示す図である。 図5は、本実施の形態に係る、圧電体基板から柱状の圧電体を有する圧電素子を製造する工程の一例の前半部を模式的に示す図である。 図6は、本実施の形態に係る、圧電体基板から柱状の圧電体を有する圧電素子を製造する工程の一例の後半部を模式的に示す図である。 エッチング後の圧電体切片を基板上に固定する様子の一例を模式的に示す図である。 図8Aは、実施例で作製した圧電素子の構造を模式的に示す平面図であり、図8Bは、図8Aに示される圧電素子の構造を模式的に示す側面図であり、図8Cは、図8Aに示される圧電素子をX方向に沿って切断したときの断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である 図9Aは、本実施の形態に係るエッチング加工基板Aにおける加工部を平面方向から70倍に拡大して撮影した顕微鏡写真であり、図9Bは、当該加工部を斜め方向から300倍に拡大して撮影した顕微鏡写真である。 図10Aは、ヘキサフルオロケイ酸を含有しないエッチング液が用いられたエッチング加工基板Bにおける加工部を平面方向から70倍に拡大して撮影した顕微鏡写真であり、図10Bは、当該加工部を斜め方向から300倍に拡大して撮影した顕微鏡写真である。 図11Aは、実施例における圧電体コンポジットにおける圧電体と樹脂との配置を水平方向から400倍に拡大して撮影した顕微鏡写真であり、図11Bは、比較例における圧電体コンポジットにおける圧電体と樹脂との配置を水平方向から500倍に拡大して撮影した顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[圧電薄膜の製造方法]
本実施の形態における圧電素子の製造方法は、鉛(Pb)系圧電材料で構成された圧電体と樹脂とが交互に配列されている圧電体コンポジットを含む圧電素子を製造する方法である。
「圧電体と樹脂とが交互に配列されている圧電体コンポジット」は、圧電体が少なくとも一方向に規則的に配列し、その圧電体間に樹脂が充填されている構造を有する。当該圧電体コンポジットの例には、板状の圧電体が一方向に一定の間隔で配列する板状の圧電体と、当該圧電体間に充填されている樹脂と、を有する構造、および、互いに直交する二方向のそれぞれに一定の間隔で配列する柱状の圧電体と、当該圧電体間に充填されている樹脂と、を有する構造、が含まれる。
上記圧電体は、圧電体コンポジットを構成可能な範囲において、適宜に選ぶことができる。たとえば、上記圧電体には、Pb系圧電材料で構成された圧電体を用いることができる。当該Pb系圧電材料とは、鉛(Pb)をその結晶格子に含む圧電材料であり、例えば、ペロブスカイト構造のPb系金属酸化物である。上記Pb系圧電材料の例には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、マグネシウムニオブ酸チタン酸鉛(PMN-PT)、亜鉛ニオブ酸チタン酸鉛(PZN-PT)、スカンジウムニオブ酸チタン酸鉛(PSN-PT)、インジウムニオブ酸チタン酸鉛(PIN-PT)およびインジウムマグネシウムニオブ酸チタン酸鉛(PIN-PMN-PT)が含まれる。
上記樹脂は、圧電体を特定の間隔で固定する。当該樹脂には、圧電素子における圧電体の固定に利用される公知の樹脂を用いることができる。当該樹脂の例には、エポキシ樹脂、UV硬化樹脂および熱硬化性樹脂が含まれる。上記エポキシ樹脂は、例えば二液性エポキシ樹脂であり、その例には、C-1001A/B、C-1163A/B(いずれも株式会社テスク製)、EP007(セメダイン株式会社製)、EP2240(EVONIK社製)、および、JER828(三菱化学株式会社製)が含まれる。
上記製造方法は、エッチング工程を含む。当該エッチング工程は、ダイシングによって形成された並列する複数の圧電体切片をエッチング液でエッチングする工程である。
上記圧電体切片は、上記圧電素子における上記圧電体の形状に応じて形成される。上記圧電体切片の形状は、例えば、板状であり、あるいは柱状である。
上記圧電体切片は、ダイシングによって圧電体基体から切り出されることによって得られる。上記圧電体切片は、それぞれが切り離されていてもよいが、並列する複数の上記圧電体切片のいずれもが上記圧電体基体から一体的に接続していることが、圧電体切片の取り扱いを容易にする観点から好ましい。このような圧電体切片群は、圧電体基体の深さ方向に切り込みを入れて上記圧電体切片を形成するようにダイシングすることによって得られる。
上記板状の圧電体切片であれば、上記圧電体切片の長さは、例えば図1AのLで表されるダイシングによる切り込み長さによって決めることができる。上記圧電体切片の長さは、生産性の観点から、1~50mmであることが好ましく、10~30mmであることがより好ましい。
板状の圧電体切片における上記圧電体切片の厚さは、圧電体切片における圧電体コンポジットの厚さとなる部分の長さであり、例えば図1AのTで表される。当該圧電体切片の厚さTは、圧電体コンポジットの厚さの設計値によって決めることができ、例えば圧電体基体のサイズ(厚さ)およびエッチング量によって調整することが可能である。また、板状の圧電体切片から形成される圧電体コンポジットの厚さは、最終的には研磨によって調整することができる。したがって、上記圧電体切片の長さ(厚さ)Tは、圧電体コンポジットの所期の厚さ以上であればよい。上記圧電体切片の厚さTは、10~700μmであることが好ましく、60~500μmであることがより好ましく、80~300μmであることがさらに好ましい。
板状の圧電体切片における上記圧電体切片の幅は、圧電体切片における圧電体コンポジットにおいて並列する方向の長さであり、板状の圧電体切片であれば、例えば図1AのWで表される。上記圧電体切片の幅は、ダイシングによる切り込みの間隔(ピッチ)によって決めることができ、例えばエッチング量によって調整することが可能である。たとえば、エッチング前の上記圧電体切片の幅は、上記圧電素子におけるそれぞれの上記圧電体の所期の幅よりもエッチングで溶ける深さ(エッチング量)分だけ厚い。圧電体コンポジットにおける圧電体の緻密な配置の実現と生産性との観点から、上記板状のエッチング後の圧電体切片の幅Wは、5~30μmであることが好ましく、8~15μmであることがより好ましい。
また、上記柱状の圧電体切片であれば、上記圧電体切片の長さは、圧電体切片における図5中のZ方向の長さで示され、例えばダイシングによる切り込み深さによって決めることができる。柱状の圧電体切片から形成される圧電体コンポジットの厚さは、最終的には研磨によって調整することができ、したがって、上記圧電体切片の長さは、圧電体コンポジットの所期の厚さ以上であればよい。上記柱状の圧電体切片の長さは、圧電体切片の折れの防止と生産性との観点から、10~1000μmであることが好ましく、50~500μmであることがより好ましく、80~300μmであることがさらに好ましい。
柱状の圧電体切片における上記圧電体切片の幅は、圧電体切片における図5中のX、Yのそれぞれの方向の長さで示され、板状の圧電体切片のそれと同様に、ダイシングによる切り込みの間隔(ピッチ)によって決めることができ、例えばエッチング量によって調整することが可能である。圧電体コンポジットにおける圧電体の緻密な配置の実現と生産性との観点から、上記柱状の圧電体切片のエッチング後の幅は、5~30μmであることが好ましく、8~15μmであることがより好ましい。
なお、上記の「柱状」の断面の形状は、一般に矩形であり、正方形であってもよいし、長方形であってもよい。当該断面の形状における縦横比は、1:7~1:1であることが好ましく、1:3~1:1であることがより好ましい。
上記圧電体切片は、ダイシングによって圧電体基体から切り出されることによって得ることができる。上記圧電体切片は、それぞれが切り離されていてもよいが、並列する複数の上記圧電体切片のいずれもが上記圧電体基体から一体的に接続していることが、圧電体切片の取り扱いを容易にする観点から好ましい。このような圧電体切片群は、圧電体基体の深さ方向に切り込みを入れて上記圧電体切片を形成するようにダイシングすることによって得られる。
上記エッチング液は、上記圧電体のウェットエッチングに使用可能な範囲において、適宜に選ぶことができる。たとえば、上記エッチング液には、ヘキサフルオロケイ酸を含有する液を用いることができる。上記エッチング液の濃度は、圧電体切片のエッチング工程前後の大きさや、所望のエッチング速度などに応じて適宜に決めることが可能である。
たとえば、上記エッチング液は、0.1~20質量%のヘキサフルオロケイ酸を含有する。上記エッチング液の残りの成分は、通常、水である。ヘキサフルオロケイ酸は、主に、複数の圧電体切片間のエッチング速度を均一にする作用を呈する。
上記エッチング液におけるヘキサフルオロケイ酸の含有量が0.1質量%未満であると、圧電体切片間でのエッチング速度の均一化効果が不十分となることがあり、20質量%超であると、遅いエッチング速度のために圧電素子の生産性が低くなることがある。エッチング速度の均一化の観点から、上記エッチング液におけるヘキサフルオロケイ酸の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、圧電素子の生産性の観点から、上記エッチング液におけるヘキサフルオロケイ酸の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
上記エッチング液は、本実施の形態の効果を奏する範囲において、ヘキサフルオロケイ酸以外の他の成分をさらに含有していてもよい。たとえば、上記エッチング液は、当該エッチングを促進させるための、硝酸、フッ化アンモニウムおよびフッ化ナトリウムからなる群から選ばれる一以上の化合物(以下、「エッチング促進剤」とも言う)を、それぞれ1~10質量%の含有量でさらに含有してもよい。当該エッチング促進剤は、上記の群の内の一種でもよいしそれ以上であってもよい。
上記エッチング液における上記のエッチング促進剤群の各化合物の含有量は、例えば1~10質量%である。よって、上記エッチング促進剤が上記群の一種の化合物である場合には、エッチング促進剤の含有量は1~10質量%であり、上記エッチング促進剤が上記群の三種の化合物全てを含む場合には、エッチング促進剤の含有量は、総量で3~30質量%である。
上記エッチング促進剤の一化合物当たりの上記含有量が1質量%未満であると、エッチング速度が低いために圧電素子の生産性が低くなることがあり、10質量%超であると複数の圧電体切片間でのエッチングの進み方にばらつきが発生することがある。エッチングの適度な促進の観点から、上記エッチング促進剤の一種の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、エッチング量のばらつきを適度に抑制する観点から、上記エッチング液における上記エッチング促進剤の一種の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。
また、上記エッチング液における上記エッチング促進剤に対するヘキサフルオロケイ酸の含有量比は、低すぎるとヘキサフルオロケイ酸によるエッチング速度の均一化効果が不十分となることがあり、高すぎるとエッチング促進剤によるエッチング促進効果が不十分となることがある。両者の効果を十分に発現させる観点から、上記含有量比は、0.01~1であることが好ましく、0.1~0.5であることがより好ましい。
なお、上記エッチング液における上記エッチング促進剤以外の上記他の成分の例には、界面活性剤が含まれる。
上記エッチング工程は、上記圧電体切片の表面を上記エッチング液に十分に接触させることによって行うことができる。たとえば、上記エッチング工程は、適度に撹拌されている上記エッチング液に上記圧電体切片を浸漬させることによって行うことができる。「適度な撹拌」とは、例えば、圧電体切片の表面近傍におけるエッチング液の滞留を防止する(圧電体切片の表面にエッチング液が供給され続ける)のに十分な撹拌速度での撹拌である。
前記エッチングする工程におけるエッチング速度は、速すぎると複数の圧電体切片間でのエッチングの進行が不均一となることがある。圧電体切片同士の均一なエッチングとの観点から、上記エッチング速度は2μm/分未満であることが好ましい。なお、上記エッチング速度の下限は、圧電素子の生産性の観点から決めることができ、このような観点から、上記エッチング速度は、0.2μm/分以上であることが好ましい。
上記エッチング速度は、エッチング液中の上記エッチング促進剤の含有量によって調整することが可能であり、例えば、当該含有量を多くすることによって上記エッチング速度を高めることができる。
また、上記エッチング速度は、エッチング液の温度によって調整することが可能であり、例えば、エッチング液の温度を高くすることによって上記エッチング速度を高めることができる。エッチング液の温度は、上記のエッチング速度(1μm/分)を実現する観点から35℃以下であることが好ましい。エッチング液の温度の下限は、エッチング液が液体の状態を保てる範囲であればよいが、温度制御の簡略化の観点から常温(例えば25℃)であってよい。
さらに、上記エッチング速度は、エッチング液の撹拌の有無または撹拌速度によって調整することが可能であり、例えば、エッチング液の撹拌を強くすることによって上記エッチング速度を高めることができる。エッチング液の撹拌速度は、前述したように、圧電体切片の表面近傍でのエッチング液の滞留を防止することができ、かつ、エッチング工程中に圧電体切片のそれぞれが折れない程度であればよく、例えば、50mLのトールビーカーに収容されたエッチング液でエッチング工程を行う場合には、マグネティックスターラーで200~300rpmとすることができる。
上記エッチング工程は、圧電体の形状および配置の精密な制御に適している。たとえば、上記エッチング工程は、30μm以下の幅と80μm以上の厚さとを有する圧電体切片の形成に適している。
上記ダイシングでは、圧電体切片に、その一端縁から他端縁に向かうテーパが形成されることがある。上記圧電体切片におけるテーパの向きは、限定されない。上記テーパは、両テーパでもよいし片テーパでもよい。また、上記テーパは、圧電体切片における上記一端縁から他端縁の全てに亘って形成されていてもよいし、他端縁側の部分のみに形成されていてもよい。
上記のダイシングでは、図1Aに示されるように、切断用の刃であるダイサーブレード(ダイシングブレード)DBが用いることができる。ダイサーブレードDBには、例えば、ダイシングによって形成された圧電体切片2の破損を防止するために、その先端縁に向けてテーパが形成されている。したがって、このようなダイサーブレードDBを用いるダイシングでは、図1Bに示されるように、圧電体基体1における切れ目、すなわち圧電体切片2の切断面には、ダイサーブレードDBの上記テーパが転写される。
このため、圧電体切片2の並列方向における端面には、ダイサーブレードDBの先端縁側(上記の一端)から中央側(上記の他端)に向かうテーパが形成される。よって、圧電体切片2の幅は、ダイシングによる切り込み方向(圧電体基体1の厚さ方向)の一端面側でW1となり、他端面側でそれよりも小さいW2となる。このテーパの大きさについては、例えば、W1を約51μmとすると、W2は約50μmである。
上記エッチング工程は、互いに間隔を有して並列しているとともに、それぞれにおいて、一端縁から他端縁に向かうテーパが形成されている複数の圧電体切片をエッチング液中でエッチングする工程であってもよく、当該エッチング工程は、以下の第1のエッチング工程および第2のエッチング工程を含んでもよい。これらのエッチング工程は、圧電体の公知のウェットエッチング技術を利用して行うことができる。
上記エッチング工程における上記第1のエッチング工程および第2のエッチング工程の順序および回数は、本実施の形態の効果が得られる範囲において適宜に決めることが可能である。たとえば、第1のエッチング工程の後に第2のエッチング工程を行ってもよいし、第2のエッチング工程の後に第1のエッチング工程を行ってもよい。また、両者を交互に行ってもよいし、両者を無作為な順序で行ってもよい。
上記第1のエッチング工程は、上記エッチング液の濃度が上記圧電体切片の一端側および他端側で同じとなるように上記エッチング液を上記圧電体切片に対して相対的に流動させて上記複数の圧電体切片をエッチングする工程である。ここで、エッチング液の濃度が「同じ」とは、第1のエッチング工程において圧電体切片のエッチングが一様に進行する程度に同じ(実質的に同じ)であることを意味する。
上記第1のエッチング工程は、上記圧電体切片の表面を上記エッチング液に十分に接触させることによって行うことができる。この第1のエッチング工程により、上記圧電体切片は、上記エッチング液に接触している部分において、実質的に均等にエッチングされる。第1のエッチング工程の合計の時間は、圧電体切片の所望の厚さに応じて適宜に決めることが可能である。
なお、エッチング液の濃度とは、エッチング液中の有効成分の濃度である。当該有効成分は、圧電体切片を溶かす作用を有する成分であり、例えば前述したヘキサフルオロケイ酸であり、前述したエッチング促進剤であり、あるいはこれらの両方である。
たとえば、上記第1のエッチング工程は、適度に撹拌されている上記エッチング液に上記圧電体切片を浸漬させることによって行うことができる。「適度な撹拌」とは、例えば、圧電体切片の表面近傍におけるエッチング液の滞留を防止する(圧電体切片の表面にエッチング液が供給され続ける)のに十分な撹拌速度での撹拌である。
このような第1のエッチング工程では、複数の圧電体切片間の隙間を上記圧電体切片に遮られずに通過する向きに上記エッチング液を流動させることは、圧電体切片の表面に接触するエッチング液を撹拌流によって常時入れ替わらせ、その結果、上記表面に接触するエッチング液の濃度を上記圧電体切片の一端側および他端側で実質的に同じにする観点から好ましい。
また、上記第1のエッチング工程は、その他にも、上記エッチング液中で前記圧電体切片を揺り動かすことによって行うことができる。このような第1のエッチング工程によっても、圧電体切片の表面に接しているエッチング液の濃度を上記圧電体切片の一端側および他端側で実質的に同じにすることが可能である。上記第1のエッチング工程において圧電体切片を揺り動かす速度は、圧電体切片の表面のエッチング液に浸漬されている部分に接するエッチング液が当該表面およびその近傍において入れ替わり、かつ撹拌や揺り動かしによる圧電体切片の破損が防止される範囲において適宜に決めることが可能である。
上記第1のエッチング工程におけるエッチング速度は、速すぎると複数の圧電体切片間でのエッチングの進行が不均一となることがある。たとえば、圧電体切片同士の均一なエッチングとの観点から、上記エッチング速度は2μm/分未満であることが好ましい。なお、上記エッチング速度の下限は、圧電素子の生産性の観点から決めることができ、このような観点から、上記エッチング速度は、0.2μm/分以上であることが好ましい。
上記第2のエッチング工程は、上記エッチング液中の濃度が、上記圧電体切片の他端側(上記テーパの先端側)に比べて上記圧電体切片の一端側(上記テーパの基端側)で高くなる条件で上記複数の圧電体切片をエッチングする工程である。ここで、エッチング液の濃度が「高い」とは、第2のエッチング工程において圧電体切片のエッチングが、その他端側に比べてその一端側で十分に速くに進行する程度の濃度差で、一端側におけるエッチング液の濃度がより高い(実質的に高い)ことを意味する。
上記エッチング液の濃度が上記他端側に比べて上記一端側で高くなる条件は、例えば、(1)上記エッチング液の撹拌速度を上記他端側に比べて上記一端側でより速くすること、(2)圧電体切片を収容したときに上記一端側の容積が比べて上記他端側の容積よりも狭い形状のエッチング槽を用いること、(3)上記圧電体切片を上記エッチング液内においてその他端側が接するように支持面部上に配置すること、(4)圧電体切片をエッチング液内においてその並列方向がエッチング液の流動方向に沿う向きに配置すること、および、これらの方法のうちの二以上の組み合わせ、によって満たすことが可能である。
上記エッチング液は、上記圧電体切片の溶出によって消費される。上記(1)の方法によれば、圧電体切片の表面近傍に存在する、エッチングに供されてその有効濃度が低くなったエッチング液が、圧電体切片の一端側で、その他端側よりも速くに入れ替わる。よって、上記エッチング液の濃度が上記他端側に比べて上記一端側で高くなる。
上記(2)の方法によれば、エッチング槽内におけるエッチング液の撹拌による対流または自然対流が圧電体切片の他端側で、その一端側よりも抑制される。よって、エッチングに供されてその有効濃度が低くなったエッチング液が、上記他端側において上記一端側よりも滞留し、その結果、上記エッチング液の濃度が上記他端側に比べて上記一端側で高くなる。
上記(3)または(4)の方法によれば、圧電体切片間の隙間における圧電体切片の他端側で、エッチングに供されてその有効濃度が低くなったエッチング液が滞留する。よって、上記エッチング液の濃度が上記他端側に比べて上記一端側で高くなる。
上記支持面部は、複数の上記圧電体切片の他端側が接触するように上記圧電体切片を配置可能な面を有する範囲において、適宜に選ぶことができる。たとえば、上記支持面部は、前述のトールビーカーなどのエッチング槽の底面の部分であってもよいし、エッチング槽の側壁の部分であってもよいし、エッチング槽以外の部分、例えば、エッチング液中に配置される平板、であってもよい。なお、複数の圧電体切片における全ての圧電体切片がその他端縁で支持面部に接していてもよいが、一部の圧電体切片の他端縁のみが支持面部に接していてもよいし、上記他端縁の一部のみが支持面部に接していてもよい。
上記支持面部の材質は、限定されないが、上記支持面部が、上記エッチング液に溶出する材料で構成されていることは、圧電体切片の他端側に比べて一端側においてエッチング液の濃度を高める観点からより好ましい。このような材料の支持面部に圧電体切片の他端が接していると、圧電体切片の他端側のエッチング液は、圧電体切片のみならず支持面部の溶出にも消費され、かつこのように消費されたエッチング液が圧電体切片の他端側に滞留する。よって、圧電体切片の他端側でのエッチング液の濃度を、一端側のそれに比べて相対的により一層低くすることが可能となる。上記支持面部の材料の例には、ガラスなどの無機酸化物が含まれる。
なお、上記第2のエッチング工程におけるエッチング液の濃度、温度および撹拌速度は、適宜に決めることが可能であり、例えば、第1のエッチング工程におけるそれらと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第2のエッチング工程において、これらは一定であってもよいし、これらを適宜に変更させてもよい。
上記製造方法は、本実施の形態の効果を奏する範囲において、上記エッチング工程以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。たとえば、上記製造方法は、圧電素子における圧電体の所望の形状に応じた他の工程をさらに含んでいてもよい。
たとえば、上記圧電体切片の形状が板状である場合では、上記製造方法は、エッチングされた隣り合う圧電体切片間の間隔を一定に調整するギャップ調整工程と、間隔が調整された隣り合う上記圧電体切片の間に樹脂を充填する樹脂充填工程とをさらに含んでもよい。
上記ギャップ調整工程は、圧電素子の製造における圧電体間の間隔を調整する公知の技術を利用するによって行うことができる。たとえば、上記ギャップ調整工程は、その粒径が整えられている樹脂粒子のスラリー中にエッチング工程後の圧電体切片群を浸漬し、引き上げることによって行うことができる。このような方法によれば、上記圧電体切片間に上記樹脂粒子が、隣り合う圧電体切片によって挟持されるように配置され、隣り合う圧電体切片間の間隔は、当該樹脂粒子の粒径と同じ大きさの間隔に調整される。
このとき調整される間隔は、小さすぎると圧電素子において隣り合う圧電体が互いに干渉することがあり、大きすぎると圧電体の緻密な配置による所期の圧電特性が達成されないことがある。このような観点から、上記間隔は、エッチング後の圧電体切片の幅に対して0.3~2倍であることが好ましい。
上記樹脂充填工程は、間隔が調整された圧電体切片間に、毛管現象を利用して液状の樹脂を導入することによって行うことができる。
なお、液状の樹脂の粘度によっては、上記ギャップ調整工程と上記樹脂充填工程とを一度に行うことができる。このような方法は、例えば、上記圧電体切片群を、特定の粘度を有する液状の樹脂に浸漬し、引き上げることによって行うことができる。この方法によれば、その粘度に応じた量で樹脂が圧電体切片の表面に付着する。たとえば、液状の樹脂の粘度を高くすることによって、上記圧電体切片の表面における上記樹脂の付着量をより多くする(上記表面に樹脂をより厚く付着させる)ことができる。よって、隣り合う圧電体切片間には上記樹脂が充填され、かつ、当該圧電体切片間の間隔は、当該樹脂の付着量に応じた特定の間隔に調整される。
図2は、圧電体基板から板状の圧電体を有する圧電素子を製造する工程の一例を模式的に示す図である。
圧電体基板(例えばPMN-PT基板)1は、ダイシングによってX方向に切り込まれる。こうして、X方向を長手方向とし、Z方向を短手方向(圧電体コンポジットの厚さとなる方向)とし、Y方向を厚さ方向(圧電体コンポジットにおける個々の圧電体の幅となる方向)とする複数の板状の圧電体切片2が形成される。板状の圧電体切片2において、長さとはX方向の長さであり、厚さとはZ方向における長さであり、幅とはY方向における長さである。ダイシングによる切り込みは、圧電体基板1のX方向における一端部を残して形成されており、圧電体切片2は、いずれも、X方向における一端で圧電体基板1の一端部に接続している。なお、X、Y、Zの各方向は、図示されているように、互いに直交する。
圧電体切片2は、前述したエッチング液によりエッチングされる。このエッチングにより、圧電体切片2は、いずれも実質的に一定なエッチングに供され、圧電切片間2において、また各圧電切片2の長手方向において、実質的に一定の所期の幅を有するように成形される。
エッチングされた圧電体切片2は、上記スラリーに浸漬される。圧電体切片2間には、スラリー中の実質的に球状の樹脂粒子3が挟み込まれる。圧電体切片2間の間隔は、樹脂粒子3の粒径と同じ大きさの間隔となる。
次いで、圧電体切片2を乾燥させて圧電体切片2間の水を除去する。圧電体切片2間には、樹脂粒子3がそのまま配置されているとともに、水の留去によって空隙が形成される。次いで、上記空隙が形成された圧電体切片2群をエポキシ樹脂4に浸漬し、または、圧電体切片2間の隙間にエポキシ樹脂4を浸透させる。それにより、上記空隙にエポキシ樹脂4が毛管現象によって充満する。
上記隙間に充填されたエポキシ樹脂4を硬化させると、エッチング後の一定の幅を有する圧電体切片2が、樹脂粒子3による一定の間隔で樹脂4によって固定される。これを切断し、Z方向(厚さ方向)における両端面に電極層5を形成する。上記両端面は、電極層5の形成の前に、前述したように、その表面粗さを調整するため、あるいは、圧電体コンポジットのZ方向における厚さを調整するために研磨されてもよい。こうして、板状の圧電体と樹脂とが交互に配置してなる圧電体コンポジットを有する圧電素子が作製される。
あるいは、圧電体切片2は、例えば、前述した第1のエッチング工程および第2のエッチング工程を含むエッチング工程によって上記のエッチング液によりエッチングされてもよい(図2の(3))。図3Aは、第1のエッチング工程の様子を模式的に示す図であり、図3Bは、第1のエッチング工程によりエッチングされた圧電体切片の形状を模式的に示す図である。また、図4Aは、第2のエッチング工程の様子を模式的に示す図であり、図4Bは、第2のエッチング工程によりエッチングされた圧電体切片の形状を模式的に示す図である。
上記エッチング工程は、例えば、上記エッチング液を収容するガラス製のビーカー31内で行われる。ビーカー31は、不図示のマグネティックスターラー上に配置されており、撹拌子32を有している。圧電体切片2は、ホルダ33に保持された状態でビーカー31の縁に係止されている。圧電体切片2は、圧電体切片2間の隙間のエッチング液が、撹拌子32によるエッチング液の撹拌によって常時十分に入れ替わるように、エッチング液内に配置されている。たとえば、圧電体切片2は、その並列方向がエッチング液の撹拌方向を横切る向きで、エッチング液内においてホルダ33に保持されている。
この状態でエッチング液が撹拌子32によって撹拌されると、複数の圧電体切片2間の隙間を圧電体切片2に遮られずにエッチング液が流通し、その結果、圧電体切片2の表面は、均一にエッチングされる。前述したように、第1のエッチング工程前の圧電体切片2は、ダイシングによるテーパを有すると、圧電体切片2は、第1のエッチング工程によっていずれも実質的に一定なエッチングに供されるため、圧電体切片2は、上記のテーパを維持したままエッチングされる。このため、図3Bに示されるように、第1のエッチング工程後の圧電体切片2のZ方向における一端面の幅W1は、依然として他端面の幅W2よりも広い。たとえば、W1を約11μmとすると、W2は約10μmである。
次いで、圧電体切片2は、図4Aに示されるように、上記他端側(上記テーパの先端側)を下にしてビーカー31の底に配置される。圧電体切片2は、例えば、エッチング液の撹拌方向がY方向に沿う向きで、その他端縁がビーカー31の底に接するように配置される。ビーカー31の底に置かれた圧電体切片2は、例えば、ホルダ33によって上方から保持されることにより、ビーカー31内に配置される。そして、エッチング液を撹拌子32によって撹拌することにより、第2のエッチング工程が行われる。
第2のエッチング工程では、エッチング液の撹拌による流れは、圧電体切片2の一端側(上方)では滞りないものの、圧電体切片2によって遮られ、圧電体切片2間の隙間に位置するエッチング液は、滞留しやすい。よって、圧電体切片2の一端側は、撹拌によって供給されるエッチング液に晒され、圧電体切片2の他端側は、滞留しているエッチング液に晒される。撹拌によって供給されるエッチング液の有効成分の濃度は、実質的には一定であるのに対し、滞留しているエッチング液は、その有効成分がエッチングに供されてもエッチング液が入れ替わらない。また、エッチング液は、ビーカー31の材料であるガラスも溶かす。このため、圧電体切片2の他端側で滞留しているエッチング液の濃度は低下し、第2のエッチング工程では、圧電体切片2の他端側で滞留しているエッチング液の低い濃度が維持される。
よって、第2のエッチング工程では、圧電体切片2の一端側におけるエッチング液の濃度が、他端側におけるそれよりも相対的に高い状態が形成される。このため、第2のエッチング工程では、圧電体切片2の一端側が,他端側に比べてより多くエッチングされる。よって、図4Bに示されるように、圧電体切片2のY方向における一端面側の幅W1は、他端面側の幅W2と実質的に同じになる。
こうして、上記のエッチング工程によって、いずれの圧電体切片2も、Y方向の幅がX方向の全体に亘って一定となり、圧電切片間2において、また各圧電切片2の長手方向において、実質的に一定の所期の幅を有するように成形される。
次いで、エッチングされた圧電体切片2は、上記スラリーに浸漬される。圧電体切片2間には、スラリー中の実質的に球状の樹脂粒子3が挟み込まれる。圧電体切片2間の間隔は、樹脂粒子3の粒径と同じ大きさの間隔となる(図2の(4))。
また、例えば上記圧電体切片の形状が柱状である場合では、板状の圧電体のギャップ調整を圧電体切片が配列する平面方向における少なくとも二方向において適用することにより、いずれの配列方向においても所期の間隔で配列する圧電体コンポジットを形成することができる。
図5は、圧電体基板から柱状の圧電体を有する圧電素子を製造する工程の一例の前半部を模式的に示す図であり、図6は、圧電体基板から柱状の圧電体を有する圧電素子を製造する工程の一例の後半部を模式的に示す図である。
圧電体基板1は、ダイシングによってX方向およびY方向に切り込まれ、Z方向を長手方向とし、X方向およびY方向を幅方向とする柱状の圧電体切片22が形成される。圧電体切片22の長さとは、Z方向における長さであり、圧電体コンポジットの厚さ以上である。また、圧電体切片22の幅とは、X、Yのそれぞれの方向における長さである。上記切り込みは、Z方向における一端部を残して形成され、圧電体切片22は、いずれも一端で圧電体基板1の一端部に一体的に接続している。上記切り込みの深さ(圧電体切片22のZ方向における長さ)は、例えば50~300μmである。
圧電体切片22は、前述したエッチング液によりエッチングされる。このエッチングにより、圧電体切片22は、前述した圧電体切片2と同様に、いずれも実質的に一定なエッチングに供され、実質的に一定の所期の幅を有するように成形される。
次いで、エッチングされた隣り合う圧電体切片22の間に樹脂を充填する(第1充填工程)。こうして、エッチング後のXY方向における位置関係が実質的に維持された状態で、圧電体切片22がエポキシ樹脂に封入される。圧電体切片22を封入しているエポキシ樹脂の部分を圧電体基板1の一端部から切り離して、一次封入体23とする。
次いで、一次封入体23における樹脂の部分をX方向に沿って切断して第1の樹脂板部24を作製する(第1配列工程)。第1の樹脂板部24は、X方向における一端部を残して樹脂の部分を切断することで形成されており、X方向に沿って一列に配列する複数の圧電体切片22を封入する板状の樹脂塊である。
次いで、一次封入体23における複数の並列する第1の樹脂板部24を、前述の球状樹脂粒子を有するスラリーに浸漬し、次いで乾燥させる。こうして、隣り合う第1の樹脂板部24間に上記樹脂粒子が導入され、第1の樹脂板部24間の間隔が一定に調整される(図6参照、第1ギャップ調整工程)。
次いで、間隔が調整された複数の第1の樹脂板部24の間には、エポキシ樹脂がさらに充填される(第2充填工程)。これにより、圧電体切片22が、Y方向における所期の間隔で固定された圧電体切片22を封入する二次封入体25が作製される。二次封入体25は、その後のX方向のギャップ調整の作業を容易にするために、Y方向における一端側にエポキシ樹脂の部分を有している。
次いで、二次封入体25における圧電体切片22間の樹脂の部分をY方向に沿って切断して第2の樹脂板部26を作製する(第2配列工程)。第2の樹脂板部26は、Y方向における一端部を残して樹脂の部分を切断することで形成されており、Y方向に沿って一列に配列する複数の圧電体切片22を封入する板状の樹脂塊である。
次いで、二次封入体25における第2の樹脂板部26を上記スラリーに浸漬し、次いで乾燥させる。こうして、隣り合う第2の樹脂板部26間に上記樹脂粒子が導入され、第2の樹脂板部26間の間隔が一定に調整される(第2ギャップ調整工程)。
次いで、二次封入体25における、間隔が調整された複数の第2の樹脂板部26の間にエポキシ樹脂を充填する(第3充填工程)。これにより、圧電体切片22は、X方向およびY方向の両方向において所期の間隔で固定される。X方向における間隔が調整された第2の樹脂板部26群を二次封入体25から切り離し、最終封入体を得る。
当該最終封入体は、そのまま、あるいはZ方向における所期の長さ(例えば100~300μm)に切断されて、圧電体と樹脂とが交互に配列してなる圧電体コンポジット27となる。圧電体コンポジット27のZ方向(厚さ方向)における両端面を必要に応じて研磨してその表面粗さを調整し、当該両端面のそれぞれに電極層5を形成する。こうして、柱状の圧電体と樹脂とがX方向およびY方向の両方向において交互に配置してなる圧電体コンポジットを有する圧電素子が作製される。
また、上記製造方法は、上記ギャップ調整工程と、上記ギャップ調整工程で上記間隔が調整された上記複数の圧電体切片のそれぞれを仮止め部材で仮止めする仮止め工程と、上記仮止め工程で仮止めされている上記複数の圧電体切片の隣り合う圧電体切片の間に上記樹脂を充填して固化させて圧電体コンポジットを形成する固化工程とをさらに含んでいてもよい。これらの工程を含むことは、上記樹脂に、二液性のエポキシ樹脂のような、強い接着性と硬化後における十分な機械的強度とを発現する樹脂を用いることができ、このように圧電体コンポジットにおける機械的強度および接着性を高める観点から好ましい。
上記仮止め工程は、圧電体切片の間の調整された大きさの隙間を維持した状態で複数の圧電体切片を可逆的に固定可能な範囲において、適宜に行うことが可能である。当該仮止め工程は、仮止めのための適当な仮止め部材を用いて行うことができる。
たとえば、上記仮止め工程は、複数の圧電体切片を基板上に載置する工程と、基板上の上記複数の圧電体切片を、その並列方向における両側からサポート材で挟む工程と、上記基板における上記並列方向の上記サポート材よりも外側の部分間に粘着テープを架け渡して、上記基板、上記サポート材およびそれにより挟まれた上記複数の圧電体切片のそれぞれを上記粘着テープで接着する工程とによって行うことが可能である。上記の仮止め工程では、上記基板、上記サポート材および上記粘着テープは、仮止め部材に相当する。
上記基板は、ギャップ調整された複数の圧電体切片を載置可能な範囲において適宜に選ぶことができる。上記基板は、作製された圧電体コンポジットの取り外しを容易にする観点から、少なくともその表面がフッ素樹脂のような離型性に富む材料で構成されている部材であることが好ましい。
上記サポート材は、複数の並列する上記圧電体切片をその並列方向の両側から挟むことが可能である範囲において適宜に決めることが可能である。上記サポート材は、一体でもよいし複数でもよい。また、上記基板に載置したときの上記サポート材の高さは、上記圧電体切片におけるそれ(前述の一端-他端間の距離)よりも若干短いことが、上記粘着テープが個々の圧電体切片に接触可能なことからから好ましい。
上記サポート材の材料は、限定されないが、上記粘着テープの粘着性が、個々の圧電体切片に対するそれと同様に十分に発現される観点から、圧電体であることが好ましく、圧電体切片のそれと同じであることが好ましい。
上記粘着テープは、少なくとも基板の表面に接着可能な範囲において適宜に選ぶことが可能である。上記粘着テープは、基板の表面の他に、上記サポート材および上記圧電体切片に対しても十分な接着性を有しすることが、圧電体切片を十分強固に仮止めする観点から好ましく、耐熱性、耐薬品性などの耐性を十分に有することが、仮止め時の圧電体切片を安定して固定する観点から好ましい。上記粘着テープの例には、カプトンテープ(「カプトン」は、デュポン社の登録商標)が含まれる。
上記固化工程は、上記樹脂の種類に応じて適宜に行うことが可能である。たとえば、上記隙間への上記樹脂の充填は、間隔が調整された圧電体切片間に、毛管現象を利用して液状の樹脂を導入することによって行うことができる。また、上記樹脂の固化は、加熱、加湿、減圧およびこれらの組み合わせによって適宜に行うことが可能である。
たとえば、上記仮止め工程から上記固化工程は、以下のようにして行うことができる。まず、図7に示されるように、圧電体切片2を基板51上に固定する。基板51は、フッ素樹脂製である。まず、Z方向を垂直方向として圧電体切片2を基板51上に置く。次いで、圧電体切片2をY方向の両側から挟むようにサポート材52を基板51上に配置する。サポート材52は、圧電体製の角棒であり、その高さ(Z方向の長さ)は、圧電体切片2のそれよりもわずかに低い。次いで、サポート材52よりもY方向の外側の基板51の表面間を、粘着テープ53で止める。粘着テープ53は、カプトンテープである。粘着テープ53は、基板51の表面、サポート材52の縁部および個々の圧電体切片2の上端縁のそれぞれに、張られた状態で接着する。圧電体切片2は、こうして、Y方向における間隔が一定に保たれた状態で基板51上に固定される。
次いで、圧電体切片2を乾燥させて圧電体切片2間の水を除去する。圧電体切片2間には、樹脂粒子3がそのまま配置されているとともに、水の留去によって空隙が形成される。次いで、上記空隙が形成された圧電体切片2群をエポキシ樹脂4に浸漬し、または、圧電体切片2間の隙間にエポキシ樹脂4を浸透させる。それにより、上記空隙にエポキシ樹脂4が毛管現象によって充満する。
上記隙間に充填されたエポキシ樹脂4を硬化させると、エッチング後の一定の幅を有する圧電体切片2が、樹脂粒子3による一定の間隔で樹脂4によって固定される。こうして、エッチング後の圧電体切片2のそれぞれが樹脂によって固定されてなる圧電体コンポジットが形成される。その後、粘着テープ53を基板51および圧電体切片2から剥がし、基板51から圧電体コンポジットを外し、これを切断し(図2の(6))、Z方向(厚さ方向)における両端面に電極層5を形成する(図2の(7))。こうして、板状の圧電体と樹脂とが交互に配置してなる圧電体コンポジットを有する圧電素子が作製される。
また、上記製造方法は、上記圧電体コンポジットに電極を形成するための工程として、上記圧電体コンポジットにおける全ての上記圧電体が露出する端面(圧電体コンポジットの厚さ方向における端面)を研磨して当該端面の表面粗さを調整する表面粗さ調整工程と、研磨された上記端面に電極を配置する電極配置工程とをさらに含んでいてもよい。
上記表面粗さ調整工程は、圧電素子の製造における圧電体コンポジットの端面の表面粗さを調整するための公知の方法を利用して行うことができる。たとえば、上記表面粗さ調整工程は、例えば、その粒径が0.5、1、2μmの各種砥粒を用いるブラスト処理などの公知の方法によって行うことができる。上記端面の表面粗さは、例えば、形成される電極の密着性(圧電体コンポジットによるアンカー効果)を高める観点から、算術平均粗さRaで150~250nmであることが好ましい。
上記電極配置工程も、圧電素子の製造における圧電体コンポジットの端面に電極を形成するための公知の方法を利用して行うことができる。また、電極の材料には、圧電素子における電極の材料として使用可能な公知の物質、化合物から適宜に決めることができる。たとえば、上記電極配置工程は、メッキ、スパッタリングまたは蒸着によって行うことができる。
また、上記製造方法は、上記圧電体コンポジットにおける一対の端面を研磨する工程をさらに含んでいてもよい。当該一対の端面とは、圧電体コンポジット中の個々の圧電体が上記一対の端面の両方に露出するか、または露出すべき面であり、圧電体コンポジットにおける圧電体の延出方向の両端面とも言える。
上記の研磨工程は、上記圧電体コンポジットの厚さを調整する観点から好適である。厚さの調整のための研磨は、圧電体コンポジットの厚さの調整で利用される公知の技術によって行うことができる。圧電体コンポジットの厚さは、その用途に応じて適宜に決めることができ、例えば100~300μmである。
また、上記研磨工程は、圧電体コンポジットにおける電極が形成されるべき端面の粗さを調整する観点から好適である。表面粗さの調整のための研磨は、圧電素子の製造における圧電体コンポジットの端面の表面粗さを調整するための公知の方法を利用して行うことができる。たとえば、表面粗さの調整のための上記研磨工程は、例えば、その粒径が0.5、1、2μmの各種砥粒を用いるブラスト処理などの公知の方法によって行うことができる。上記端面の表面粗さは、例えば、形成されるべき電極の当該端面への密着性(圧電体コンポジットによるアンカー効果)を高める観点から、算術平均粗さRaで150~250nmであることが好ましい。
前述したように、ダイシングによって上記圧電体基体に切り込みを入れて並列する複数の圧電体切片を形成した場合では、当該圧電体切片における切断面には、上記ダイシングの刃に形成されているテーパが転写されることがある。上記の転写によるテーパを有する圧電体切片をエッチングすると、エッチング後の圧電体切片にも上記のテーパが維持されていることがある。エッチング後の圧電体切片が上記テーパを有していると、圧電体コンポジットの作製時に圧電体切片が傾く素子倒れを生じ、その結果、圧電素子の歩留まりが下がることがある。このように、エッチングを含む圧電体コンポジットの作製には、素子倒れを抑制する観点から検討の余地が残されている。本実施の形態のうち、前述した第1および第2のエッチング工程を含む形態は、圧電体コンポジットの作製における素子倒れを抑制することが可能な圧電素子の製造方法を提供する、という課題を解決する一手段となっている。
すなわち、上記第1、第2のエッチング工程を含む形態では、圧電体基体の切断時などによる個々の圧電体切片のテーパの傾斜を、エッチング工程で実質的に消失させるために、並列する複数の圧電体切片の全表面を均等にエッチングする等方的なエッチングと、当該圧電体切片の上記のテーパ部の基端側を優先してエッチングする異方的なエッチングを組み合わせたエッチングを行う。上記の実施の形態によれば、複数の圧電体切片の並列方向における厚みを実質的に均一にすることができ、よって、圧電体コンポジットの作製における素子倒れを抑制することができる。すなわち、上記の実施の形態によれば、切断加工時にできたテーパを、エッチング工程でキャンセルすることができる。これにより、圧電体切片のパイル時に素子倒れがなくなり、均等に配列された圧電体コンポジットを得ることができる。
上記圧電素子は、超音波プローブに適用可能である。当該超音波プローブは、例えば、複数の上記圧電素子が配列してなる超音波トランスデューサーを有し得る。上記圧電素子は、圧電特性に優れていることから、それを有する超音波プローブは、送受信感度に優れるとともに高空間分解能と長距離測定との両方を実現可能である。
よって、上記超音波プローブは、超音波撮像装置に適用可能であり、特に、超音波診断装置または非破壊検査装置の超音波プローブに適している。当該超音波撮像装置は、上記超音波プローブを有することから、遠距離でも高い空間分解能を発現し、医用診断、非破壊検査において確度の高い診断をもたらし得る精緻な検査結果を提供できる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態における圧電素子の製造方法は、Pb系圧電材料で構成された圧電体と樹脂とが交互に配列されている圧電体コンポジットを含む圧電素子の製造方法であって、ダイシングによって形成された並列する複数の圧電体切片をエッチング液でエッチングする工程を含み、上記エッチング液には、0.1~20質量%のヘキサフルオロケイ酸を含有する液を用いる。よって、上記製造方法によれば、複数の圧電体切片をウェットエッチングによって均一にエッチングすることができる。その結果、圧電体コンポジットの歩留まりを抑制することができ、圧電体コンポジットおよび圧電素子の生産性をより高めることができる。
上記エッチング液が硝酸、フッ化アンモニウムおよびフッ化ナトリウムからなる群から選ばれる一以上の化合物をそれぞれ1~10質量%の含有量でさらに含有することは、エッチングを促進する観点からより一層効果的である。
また、上記エッチングする工程におけるエッチング速度が2μm/分未満であることは、エッチングの均一性を高める観点からより一層効果的である。
また、上記並列する複数の上記圧電体切片がいずれも圧電体基体から一体的に接続していることは、エッチング工程における圧電体切片の取り扱い性を高める観点からより一層効果的である。
また、エッチングされた上記圧電体切片が30μm以下の幅と80μm以上の厚さとを有することは、圧電体コンポジットの製造における上記のエッチングによる長所が反映されやすく、好ましい。
また、上記複数の圧電体切片のそれぞれが一端から他端に向かうテーパを有し、上記エッチング工程が、上記エッチング液の濃度が上記圧電体切片の一端側および他端側で同じとなるように上記エッチング液を上記圧電体切片に対して相対的に流動させて上記複数の圧電体切片をエッチングする第1のエッチング工程と、上記エッチング液の濃度が、上記圧電体切片の他端側に比べて上記圧電体切片の一端側で高くなる条件で上記複数の圧電体切片をエッチングする第2のエッチング工程とを含むことは、複数の圧電体切片の並列方向における厚みを実質的に均一にする観点、およびそれによって圧電体コンポジットの作製における素子倒れを抑制する観点、からより一層効果的である。
また、上記第1のエッチング工程が、上記複数の圧電体切片間の隙間を上記圧電体切片に遮られずに通過する向きに上記エッチング液を流動させる工程であることは、圧電体切片におけるエッチング液に浸漬されている部分を均一にエッチングする観点からより一層効果的である。
また、上記第2のエッチング工程が、上記複数の圧電体切片の並列方向に沿って上記エッチング液を、上記他端側に比べて上記一端側でより速く流動させる工程であることは、圧電体切片における上記他端側に向かう上記テーパを解消させて直胴形状の圧電体切片を形成する観点からより一層効果的である。
また、上記第2のエッチング工程において、上記複数の圧電体切片が、上記他端で支持面部に接触するように上記エッチング液中に配置されていることは、圧電体切片における上記他端側の部分に比べて一端側の部分をより優先してエッチングする観点からより効果的であり、上記支持面部が上記エッチング液に溶出する材料で構成されていることは、上記の観点からより一層効果的である。
また、上記圧電体切片の形状が板状であり、上記製造方法が、上記エッチングされた隣り合う上記圧電体切片間の間隔を一定に調整する工程と、間隔が調整された隣り合う上記圧電体切片の間に樹脂を充填する工程とをさらに含むことは、板状の圧電体が所期の間隔で配列する圧電素子を製造する観点からより一層効果的である。
また、上記圧電体切片の形状が柱状であり、上記製造方法が、上記エッチングされた隣り合う圧電体切片の間に樹脂を充填する第1充填工程と、上記圧電体切片間の樹脂の部分を、上記エッチングされた圧電体切片の平面方向における二つの配列方向のうちの第1の方向に沿って切断して、複数の上記圧電体切片が上記第1の方向に沿って一列に配列して上記樹脂に封じられている第1の樹脂板を作製する第1配列工程と、複数の並列する上記第1の樹脂板の隣り合う上記第1の樹脂板の間隔を一定に調整する第1ギャップ調整工程と、間隔が調整された複数の上記第1の樹脂板の間に樹脂を充填する第2充填工程と、上記圧電体切片間の樹脂の部分を、上記配列方向のうちの第2の方向に沿って切断して、複数の上記圧電体切片が上記第2の方向に沿って一列に配列して上記樹脂に封じられている第2の樹脂板を作製する第2配列工程と、複数の並列する上記第2の樹脂板の隣り合う上記第2の樹脂板の間隔を一定に調整する第2ギャップ調整工程と、間隔が調整された複数の上記第2の樹脂板の間に樹脂を充填する第3充填工程とをさらに含むことは、柱状の圧電体が平面方向に所期の間隔で配列する圧電素子を製造する観点からより一層効果的である。
また、上記製造方法が、上記エッチング工程でエッチングされた上記複数の圧電体切片の隣り合う圧電体切片の間隔を調整するギャップ調整工程と、上記ギャップ調整工程で上記間隔が調整された上記複数の圧電体切片のそれぞれを仮止め部材で仮止めする仮止め工程と、上記仮止め工程で仮止めされている上記複数の圧電体切片の隣り合う圧電体切片の間に上記樹脂を充填して固化させて圧電体コンポジットを形成する固化工程とをさらに含むことは、樹脂硬化時における圧電体切片の素子倒れを防止する観点、および、圧電体切片に対する樹脂の接着性を高める観点、からより効果的である。
また、上記仮止め部材には、基板、サポート材および粘着テープを用い、上記仮止め工程が、上記複数の圧電体切片を上記基板上に載置する工程と、上記基板上の上記複数の圧電体切片を、その並列方向における両側から上記サポート材で挟む工程と、上記基板における上記並列方向の上記サポート材よりも外側の部分間に上記粘着テープを架け渡して、上記基板、上記サポート材およびそれにより挟まれた上記複数の圧電体切片のそれぞれを上記粘着テープで接着する工程とを含むことは、上記の観点、すなわち、樹脂硬化時における圧電体切片の素子倒れを防止する観点、および、圧電体切片に対する樹脂の接着性を高める観点、からより一層効果的である。
また、上記製造方法が、上記圧電体コンポジットにおける、上記圧電体の延出方向における一対の端面を研磨する工程と、研磨された上記端面に電極を形成する工程とをさらに含むことは、圧電体コンポジットへの電極の接着性を高める観点からより一層効果的である。
[ダイシング加工基板の作製]
圧電体基体として、長さ20mm、幅20mm、厚さ0.5mmのPMN-PT基板(商品名「PMN-PT/マグネシウムニオブ酸鉛チタン酸鉛」、日本海メディカル社製)を用意した。次いで、当該PMN-PT基板の長手(X)方向における一端から他端側に至り、厚さ(Z)方向に貫通する切り込みを、幅(Y)方向において等間隔にダイシングによって複数形成し、上記基板の他端部に一体的に結合している30枚の板状の圧電体切片を有するダイシング加工基板を作製した。なお、上記PMN-PT基板における20mm×20mmの表面の面方位は001方位である。
ダイシング加工基板における各圧電体切片の長さ(X方向の長さ)は25mmであり、幅(Y方向の長さ)は50μm(=0.05mm)であり、厚さ(Z方向の長さ)は、500μmである。また、ダイシングによる切り込みの幅(Y方向における長さ)は、20μmである。
[エッチング液1の調製]
下記成分を下記の量で混合し、エッチング液1を得た。
ヘキサフルオロケイ酸 2質量%
硝酸 3質量%
フッ化アンモニウム 2質量%
水 残り
[エッチング液2~4の調製]
フッ化アンモニウムを添加しない以外はエッチング液1の調製と同様にして、エッチング液2を得た。また、硝酸およびフッ化アンモニウムを添加しない以外はエッチング液1の調製と同様にして、エッチング液3を得た。さらに、フッ化アンモニウムに代えてフッ化ナトリウム(SF)を用いた以外はエッチング液1の調製と同様にして、エッチング液4を得た。
[エッチング液5~8の調製]
ヘキサフルオロケイ酸およびフッ化アンモニウムの量をそれぞれ8質量%に、そして硝酸の量を12質量%に、それぞれ変更した以外はエッチング液1の調製と同様にして、エッチング液8を得た。
ヘキサフルオロケイ酸およびフッ化アンモニウムの量がそれぞれ1質量%に、そして硝酸の量が1.5質量%になるようにエッチング液8を水で希釈して、エッチング液5を得た。また、ヘキサフルオロケイ酸およびフッ化アンモニウムの量がそれぞれ4質量%に、そして硝酸の量が6質量%になるようにエッチング液8を水で希釈して、エッチング液6を得た。さらに、ヘキサフルオロケイ酸およびフッ化アンモニウムの量がそれぞれ0.5質量%に、そして硝酸の量が0.75質量%になるようにエッチング液8を水で希釈して、エッチング液7を得た。
[エッチング液9、10の調製]
37質量%の塩酸(HA)を用意し、エッチング液9とした。また、ヘキサフルオロケイ酸を添加しない以外はエッチング液1の調製と同様にして、エッチング液10を得た。
[実施例1]
100mLのPTFE(フッ素樹脂)製ビーカーに100mLのエッチング液1を撹拌子とともに収容し、マグネティックスターラーによって300rpmの速度でエッチング液1を撹拌した。エッチング液1の温度(Etemp)は28℃である。
ダイシング加工基板のエッチングは、四つのステージで行った。第1のステージ(S1)では、300rpmの回転速度で撹拌されているエッチング液1内における、撹拌によるエッチング液1の流れ方向に圧電体切片のZ方向における一端側が対向する第1のエッチング位置に、上記ダイシング加工基板の圧電体切片の部分を配置する。第2のステージ(S2)では、300rpmの回転速度のまま、エッチング液1内における、上記流れ方向に、圧電体切片のZ方向における他端側が対向する第2のエッチング位置に、上記ダイシング加工基板の圧電体切片の部分を配置する。第3のステージ(S3)では、200rpmの回転速度で撹拌されているエッチング液1内における第1のエッチング位置に上記圧電体切片の部分を配置する。第4のステージ(S4)では、200rpmの回転速度で撹拌されているエッチング液1内における第2のエッチング位置に上記圧電体切片の部分を配置する。
第1ステージおよび第2ステージのエッチング時間(Etime)をそれぞれ30分間とし、第3ステージおよび第4ステージのエッチング時間をそれぞれ10分間として、ウェットエッチングされた圧電体切片群を有するエッチング加工基板1を得た。
次いで、得られたエッチング加工基板1の圧電体切片の部分を樹脂エマルションに浸漬してゆすぎ、圧電体切片間に樹脂粒子を導入した。上記樹脂エマルションには、粒径12μmの球形のポリスチレン系粒子が水中に分散してなるポリマーラテックス粒子(「micromer」、コアフロント株式会社製)3mLを、20mLの超純水に添加、混合して調製した。そして、上記樹脂エマルションでゆすいだエッチング加工基板1を、フッ素コートされた樹脂シートの上に置き、乾燥させた。
次いで、上記樹脂シート上の乾燥させたエッチング加工基板1に、二液性エポキシ樹脂C-1163(株式会社テスク製)を供給し、圧電体切片間の間隙に液状の上記エポキシ樹脂を充填させる。そして、充填されたエポキシ樹脂中の気泡を除去するために、エポキシ樹脂を間隙に充填したエッチング加工基板1を減圧雰囲気(10-3Pa)に30分間放置した。次いで、50℃の環境下にエッチング加工基板1を20時間静置し、上記エポキシ樹脂を硬化させた。
そして、所望の間隔で配置された板状の圧電体切片と樹脂とが交互に配置されている樹脂硬化部を、X方向(圧電体切片の長手方向)における所定の長さとなるようにY方向(圧電体切片と樹脂とが配列している方向)へ切断し、こうして、所望の間隔で配置された板状の圧電体切片と樹脂とが交互に配置されてなる圧電体コンポジット1を得た。
次いで、圧電体コンポジット1のZ方向における端面を、ムサシノ電子株式会社製の研磨機と9μm砥粒とを用いて研磨して圧電体コンポジット1の厚さ(Z方向における長さ)を調整し、次いで3μm砥粒で研磨して当該端面表面粗さを調整した。圧電体コンポジット1の厚さは200μmであり、上記端面の表面粗さは、算術平均粗さRaで80nmであった。
次いで、圧電体コンポジット1(符号41)のY方向およびZ方向の端面に、スパッタによって電極層を形成した。図8Aは、実施例で作製した圧電素子の構造を模式的に示す平面図であり、図8Bは、図8Aに示される圧電素子の構造を模式的に示す側面図である。また、図8Cは、図8Aに示される圧電素子をX方向に沿って切断したときの断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
上記電極層は、圧電体コンポジット1側に配置された、厚さ4nmのクロム(Cr)の層と、その上に配置された、厚さ450nmの金(Au)の層とによって構成されている。そして、図8Aおよび図8Bに示されるように、圧電体コンポジット1におけるZ方向における一端面のX方向に沿う両側部のそれぞれに、切断機を用いて切れ込みを形成し、上記電極層にプラス極となる部分(正極部)42とマイナス極になる部分(負極部)43とを形成した。
次いで、バッキングプレート44、フレキシブル基板(FPC)45、タングステンの板で構成されたデマッチング層(DML)46および上記電極層を有する圧電体コンポジット1(符号41)を、この順で重ねて接合し、圧電積層体1を得た。圧電積層体1において、圧電体コンポジット1は、DML46の反対側に上記切れ込みを有するように配置されている。なお、バッキングプレートの厚さは2mmであり、FPCの厚さは60μmであり、DMLの厚さは50μmである。
次いで、図8Cに示されるように、圧電積層体1に、Y方向に延出し、上記電極層からFPCに至る、幅20μmの第1の切れ込みをX方向における200μmのピッチで形成する。第1の切れ込みは、圧電素子1における画素を区画している。さらに、圧電積層体1の各画素に、Y方向に延出し、上記電極層からDMLに至る、幅20μmの第2の切れ込みをX方向における40μmのピッチで形成する。こうして、圧電体切片と樹脂とによる周期的な構造に対して垂直な方向にダイシングされた圧電素子1を製造した。
圧電素子1のX方向の端面を、株式会社キーエンス製の光学顕微鏡を用いて500倍の倍率で観察し、圧電体コンポジット1における圧電体のそれぞれの幅(Y方向における長さ)を測定した。上記圧電体の幅は、平均で10μmであり、上記樹脂の幅は、平均で12μmであった。
さらに、上記圧電体の幅の最大値と最小値とを求め、当該最大値から当該最小値を引いた差ΔW(μm)を素子幅のばらつきとして求めた。さらに、上記圧電体の幅の平均値とエッチング時間とから、エッチング速度(Erate)を求めた。圧電素子1におけるΔWは2μmであり、Erateは0.5μm/分であった。なお、本実施例では、ΔWが5μm以下を合格とした。
[実施例2]
エッチング液1に代えてエッチング液2を用い、エッチング時間を第1ステージで10分間、第2ステージで10分間、第3ステージで60分間、第4ステージで60分間、合計で140分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子2を製造した。圧電素子2におけるΔWは2μmであり、Erateは0.3μm/分であった。
[実施例3]
エッチング液1に代えてエッチング液3を用い、エッチング時間を第1ステージで30分間、第2ステージで30分間、第3ステージで150分間、第4ステージで150分間、合計で400分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子3を製造した。圧電素子3におけるΔWは2μmであり、Erateは0.15μm/分であった。
[実施例4]
エッチング液1に代えてエッチング液4を用い、エッチング時間を第1ステージで10分間、第2ステージで10分間、第3ステージで35分間、第4ステージで35分間、合計で90分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子4を製造した。圧電素子4におけるΔWは2μmであり、Erateは0.45μm/分であった。
[実施例5]
エッチング液1に代えてエッチング液5を用い、エッチング時間を第1ステージで15分間、第2ステージで15分間、第3ステージで90分間、第4ステージで90分間、合計で210分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子5を製造した。圧電素子5におけるΔWは2μmであり、Erateは0.19μm/分であった。
[実施例6]
エッチング液1に代えてエッチング液6を用い、エッチング時間を第1ステージで5分間、第2ステージで5分間、第3ステージで15分間、第4ステージで15分間、合計で40分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子6を製造した。圧電素子6におけるΔWは2μmであり、Erateは1.0μm/分であった。
[実施例7]
エッチング液1に代えてエッチング液7を用い、エッチング時間を第1ステージで60分間、第2ステージで60分間、第3ステージで185分間、第4ステージで185分間、合計で490分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子7を製造した。圧電素子7におけるΔWは1.5μmであり、Erateは0.08μm/分であった。
[実施例8]
エッチング液1に代えてエッチング液8を用い、エッチング時間を第1ステージで3分間、第2ステージで3分間、第3ステージで4.5分間、第4ステージで4.5分間、合計で15分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子8を製造した。圧電素子8におけるΔWは4μmであり、Erateは2.7μm/分であった。
[実施例9]
エッチング温度を32℃に変更し、エッチング時間を第1ステージで15分間、第2ステージで15分間、第3ステージで72.5分間、第4ステージで72.5分間、合計で175分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子9を製造した。圧電素子9におけるΔWは2μmであり、Erateは0.23μm/分であった。
[実施例10]
エッチング温度を49℃に変更し、エッチング時間を第1ステージで3分間、第2ステージで3分間、第3ステージで4.5分間、第4ステージで4.5分間、合計で15分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子10を製造した。圧電素子10におけるΔWは4μmであり、Erateは2.7μm/分であった。
[実施例11]
エッチング温度を20℃に変更し、エッチング時間を第1ステージで100分間、第2ステージで100分間、第3ステージで150分間、第4ステージで150分間、合計で500分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子11を製造した。圧電素子11におけるΔWは1.5μmであり、Erateは0.08μm/分であった。
[実施例12]
圧電体基体をPZT基板(商品名「K101」、リードテクノ社製)に変更し、エッチング温度を20℃に変更し、エッチング時間を第1ステージから第4ステージのいずれのステージにおいても5分間、合計で20分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子12を製造した。圧電素子12におけるΔWは3.7μmであり、Erateは2.0μm/分であった。
[実施例13]
圧電体基体をPIN-PMN-PT基板(商品名「PIN-PMN-PT(Lead Indium Niobate-Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate)」、CTGアドバンストマテリアルズ(CTG Advanced Materials)社製)に変更し、第3、第4ステージのエッチング時間をそれぞれ5分間、総エッチング時間を70分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子13を製造した。圧電素子13におけるΔWは2μmであり、Erateは0.56μm/分であった。
[比較例1]
エッチング液1に代えてエッチング液9を用い、エッチング温度を80℃に変更し、エッチング時間を第1ステージで5分間、第2ステージで5分間、第3ステージで10分間、第4ステージで10分間、合計で30分間とする以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子C1を製造した。圧電素子C1におけるΔWは13μmであり、Erateは7.0μm/分であった。
[比較例2]
エッチング液1に代えてエッチング液10を用いた以外は上記の圧電素子1の製造と同様にして、圧電素子C2を製造した。圧電素子C2におけるΔWは6μmであり、Erateは0.5μm/分であった。
圧電素子1~13、C1およびC2におけるエッチングの条件およびΔWを表1に示す。なお、表中、「HFS」はヘキサフルオロケイ酸を表し、「NA」は硝酸を表し、「AF」はフッ化アンモニウムを表す。
Figure 0007006589000001
上記の表から明らかなように、圧電素子1~13は、いずれも、圧電体と樹脂とが交互に配列する周期的な構造において、当該配列方向における圧電体の長さが圧電体の種類に関わらず実質的に均等である。そして、エッチング速度をより小さくすると、上記配列方向における圧電体の長さのばらつきがより一層小さくなる傾向が見られる。
これに対して、圧電素子C1は、当該配列方向における圧電体の長さのばらつきが大きい。これは、エッチング速度が高すぎ、また、エッチング液がヘキサフルオロケイ酸を含有していないために、エッチング液の撹拌の影響などの他の要因による圧電体切片間のエッチングの進行の差が顕著に現れたため、と考えられる。
また、圧電素子C2も、当該配列方向における圧電体の長さのばらつきが大きい。これは、エッチング液がヘキサフルオロケイ酸を含有していないために、エッチング液の撹拌の影響などの他の要因による圧電体切片間のエッチングの進行の差が、実施例のそれに比べてより大きく現れたため、と考えられる。
[参考例]
上記PMN-PT基板に、表面からのZ方向における深さが200μmの切り込みをダイシングによりX方向およびY方向のそれぞれに形成し、両方向に配列する複数の柱状の圧電体切片を有するダイシング加工基板を作製した。各圧電体切片のX方向およびY方向における幅は50μmであり、上記切り込みの幅は20μmである。
一方で、下記成分を下記の量で含有するエッチング液A、Bをそれぞれ調製した。
(エッチング液A)
ヘキサフルオロケイ酸 4質量%
フッ化アンモニウム 1質量%
硝酸 6質量%
水 残り
(エッチング液B)
フッ化アンモニウム 4質量%
硝酸 6質量%
水 残り
上記ダイシング加工基板の圧電体切片を、28~30℃のエッチング液Aに、前述したようにエッチング液Aを撹拌しながら浸漬し、このように、ウェットエッチングにより、圧電体切片を幅が10μmの柱状に成形されたエッチング加工基板Aを得た。エッチング量は20μmであり、エッチング速度は0.53μm/分であった。
また、エッチング液Aをエッチング液Bに代えた以外は、エッチング加工基板Aの作製と同様にして、エッチング加工基板Bを作製した。エッチング加工基板Bにおける圧電体切片は、その幅が約10μmの柱状に成形されている。エッチング加工基板Bの作製におけるエッチング量は16μmであり、エッチング速度は0.66μm/分であった。
図9Aは、エッチング加工基板Aにおける加工部を平面方向から70倍に拡大して撮影した顕微鏡写真であり、図9Bは、当該加工部を斜め方向から300倍に拡大して撮影した顕微鏡写真である。また、図10Aは、エッチング加工基板Bにおける加工部を平面方向から70倍に拡大して撮影した顕微鏡写真であり、図10Bは、当該加工部を斜め方向から300倍に拡大して撮影した顕微鏡写真である。
図9Aおよび図9Bから明らかなように、エッチング加工基板Aにおける柱状の圧電体切片は、その基端から先端までの太さ(幅)が実質的に一定である。また、特に図9Aから明らかなように、PMN-PT基板の中央部および縁部のいずれの圧電体切片の太さも実質的に一定である。よって、エッチング液Aによるウェットエッチングによれば、圧電体切片を一律にエッチングすることが可能であることが分かる。
これに対して、図10Aおよび図10Bから明らかなように、エッチング加工基板Bにおける柱状の圧電体切片は、その基端に比べて先端部がより細い。また、PMN-PT基板の中央部の圧電体切片に比べて、当該基板の縁部の圧電体切片は、その幅が全体的に細く、またその高さが全体的に低い。よって、エッチング液Bによるウェットエッチングでは、圧電体切片のエッチングにおいて、圧電体基板の平面方向におけるエッチング量にばらつきが生じることがあることが分かる。
[実施例14]
前述の実施例と同様にして、下記ダイシング加工基板を用意した。このダイシング加工基板における各圧電体切片の長さ(X方向の長さ)は25mmであり、厚さ(Z方向の長さ)は、500μmである。また、幅(Y方向の長さ)のうち、上面側(Z1側)の幅は、約51μmであり、下面側(Z2側)の幅は、約50μmである。また、ダイシングによる切り込みの幅(隣り合う圧電体切片のY方向における対向する面間の距離)は、約20μmである。
まず、100mLのPTFE製ビーカーに100mLのエッチング液1を撹拌子とともに収容した。エッチング液1の温度は28℃である。
ダイシング加工基板のエッチングは、二つのステージで行った。第1のエッチングステージ(S1)は、上記ダイシング加工基板の圧電体切片の部分を、撹拌によるエッチング液1の流れ方向が圧電体切片のZ方向に沿うように、エッチング液1内に配置して、エッチング液1を100rpmの回転速度で撹拌することによって行った。第1のエッチングステージにおけるエッチング時間は80分間であった。
次いで、第2のエッチングステージ(S2)は、上記ダイシング加工基板を、エッチング液1を収容した別のガラス製のビーカーの底に、ダイシング加工基板の上面側(Z1側)が着底し、かつ撹拌によるエッチング液1の流れ方向が圧電体切片のY方向に沿うように配置して、エッチング液1を100rpmの回転速度で撹拌することによって行った。第2のエッチングステージにおけるエッチング時間は10分間であった。こうして、ウェットエッチングされた圧電体切片群を有するエッチング加工基板14を得た。
次いで、得られたエッチング加工基板14の圧電体切片の部分を樹脂エマルションに浸漬してゆすぎ、圧電体切片間に樹脂粒子を導入した。上記樹脂エマルションには、粒径12μmの球形のポリスチレン系粒子が水中に分散してなるポリマーラテックス粒子(「micromer」、コアフロント株式会社製)3mLを、20mLの超純水に添加、混合して調製した。そして、上記樹脂エマルションでゆすいだエッチング加工基板14を、フッ素コートされた作業基板の上に置き、乾燥させた。
次いで、上記作業基板上の乾燥させたエッチング加工基板14を、Y方向における両側から角棒状のサポート材で挟んで、各圧電体切片をY方向の両側から支持した。上記サポート材は、PZT製の角棒であり、Z方向における長さ(高さ)は350μmであり、エッチング加工基板14におけるそれ(450μm)よりもわずかに小さい。
次いで、エッチング加工基板14に二液性エポキシ樹脂C-1163(株式会社テスク製)を供給し、圧電体切片間の間隙に液状の上記エポキシ樹脂を充填させる。そして、充填されたエポキシ樹脂中の気泡を除去するために、エポキシ樹脂を間隙に充填したエッチング加工基板14を減圧雰囲気(10-3Pa)に30分間放置した。そして、上記作業基板の表面、サポート材の上端縁部、およびエッチング加工基板14の上面をカプトンテープで接着し、Y方向においてサポート材からわずかに押圧されるように各圧電体切片を固定した。次いで、50℃の環境下にエッチング加工基板14を20時間静置し、上記エポキシ樹脂を硬化させた。
そして、所望の間隔で配置された板状の圧電体切片と樹脂とが交互に配置されている樹脂硬化部を、X方向(圧電体切片の長手方向)における所定の長さとなるようにY方向(圧電体切片と樹脂とが配列している方向)へ切断し、こうして、所望の間隔で配置された板状の圧電体切片と樹脂とが交互に配置されてなる圧電体コンポジット14を得た。
圧電体コンポジット14における素子倒れの角度Aを求めたところ、当該角度Aは+0.8°であった。なお、上記素子倒れの角度Aは、圧電体コンポジット14を、そのX方向における自由端側からKEYENCE光学顕微鏡によって(例えば300倍以上)に拡大して観察し、全体の20%の数の圧電体切片を実質的に等間隔(例えば100本の圧電体切片であるなら、5本に1本を均等に選定)に選出し、この練出された圧電体切片について、圧電体コンポジット14の底面に対する垂線に対して当該圧電体切片の中心線がなす角度αの絶対値の平均値である。
なお、上記角度Aの符号は、上記ダイシング加工基板の上面(Z1側の表面)を圧電体コンポジット14の底面としてX方向における自由端側から見たときに、上記中心線が右上がりの線となっている場合をプラスとし、上記中心線が右下がりの線となっている場合をマイナスと表示する。すなわち、ダイシングによるテーパがエッチングによって完全に相殺された場合(Z1側とZ2側の長さが同じ場合)をゼロとし、ダイシングによるテーパが残る場合をプラスとし、ダイシングによるテーパが完全に消失し、さらにエッチングによって逆方向のテーパが形成される場合をマイナスとして表示している。
次いで、圧電体コンポジット1に代えて圧電体コンポジット14を用いる以外は実施例1と同様にして、圧電素子14を製造した。
また、図11Aに示されるように、圧電体コンポジット14のX方向の端面を、株式会社キーエンス製の光学顕微鏡を用いて400倍の倍率で観察し、圧電体コンポジット14における圧電体の部分のそれぞれの幅(Y方向における長さ)と、樹脂の部分のそれぞれの幅とを測定した。上記圧電体の部分の幅は、平均で10μmであり、上記樹脂の部分の幅は、平均で12μmであった。
[実施例15]
第1のエッチングステージにおけるエッチング時間を70分間、第2のエッチングステージにおけるエッチング時間を20分間にそれぞれ変更する以外は、実施例14と同様にして圧電体コンポジット15を作製し、圧電素子15を作製した。圧電体コンポジット15における素子倒れの角度Aは、-1.5°であった。
[実施例16]
第1のエッチングステージにおけるエッチング時間を90分間に変更し、第2のエッチングステージを行わなかった以外は、実施例14と同様にして圧電体コンポジット16を作製し、圧電素子16を作製した。そして、図11Bに示されるように、圧電体コンポジット16のX方向の端面を圧電体コンポジット14と同様に500倍の倍率で観察したところ、圧電体コンポジット16における素子倒れの角度Aは、+6.0°であった。
実施例14~16におけるエッチング時間と素子倒れの角度とを表2に示す。
Figure 0007006589000002
上記の表から明らかなように、圧電素子14、15では、いずれも、圧電体コンポジットにおける、圧電体と樹脂とが交互に配列するY方向における圧電体の厚さが実質的に一定である。これは、第2のエッチングステージにおいて、圧電体切片のテーパの基端側におけるエッチング液の濃度が、撹拌によって常に一定に保たれる一方で、上記テーパの先端側では、エッチング液の滞留によってエッチング液中の溶質が飽和し、エッチング液の濃度が相対的に低くなり、このため、上記基端側が上記先端側に比べて優先してエッチングされ、その結果、ダイシング時のテーパが実質的に相殺されたため、と考えられる。
これに対して、圧電素子16では、圧電素子14、15に比べて素子倒れの角度の絶対値が大きい。これは、第1のエッチングステージの条件では、圧電体切片のエッチングが全表面に対して均等に進行し、ダイシングによる上記テーパが十分に相殺されなかったため、と考えられる。
本出願は、2016年5月19日出願の特願2016-100335号および2017年1月23日出願の特願2017-009392号に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
上記圧電素子の製造方法によれば、圧電体と樹脂とが交互に配列する圧電体コンポジットにおける圧電体の配列方向における長さ(幅)を、エッチング工程によって実質的に均一にすることが可能である。したがって、上記製造方法によれば、上記圧電体コンポジットの生産性の向上および歩留まりの低下が期待され、上記圧電素子のさらなる普及が期待される。
1 圧電体基板
2、22 圧電体切片
3 樹脂粒子
4 エポキシ樹脂
5 電極層
23 一次封入体
24 第1の樹脂板部
25 二次封入体
26 第2の樹脂板部
27、41 圧電体コンポジット
31 ビーカー
32 撹拌子
33 ホルダ
42 正極部
43 負極部
44 バッキングプレート
45 フレキシブル基板
46 デマッチング層
51 基板
52 サポート材
53 粘着テープ
DB ダイサーブレード

Claims (15)

  1. Pb系圧電材料で構成された圧電体と樹脂とが交互に配列されている圧電体コンポジットを含む圧電素子の製造方法であって、
    ダイシングによって形成された並列する複数の圧電体切片をエッチング液でエッチングするエッチング工程を含み、
    前記エッチング液には、0.1~20質量%のヘキサフルオロケイ酸を含有する液を用いる、
    圧電素子の製造方法。
  2. 前記エッチング液は、硝酸、フッ化アンモニウムおよびフッ化ナトリウムからなる群から選ばれる一以上の化合物を、それぞれ1~10質量%の含有量でさらに含有する、請求項1に記載の圧電素子の製造方法。
  3. 前記エッチングする工程におけるエッチング速度は、2μm/分未満である、請求項1または2に記載の圧電素子の製造方法。
  4. 前記並列する複数の前記圧電体切片は、いずれも圧電体基体に一体的に接続している、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
  5. エッチングされた前記圧電体切片は、30μm以下の幅と、80μm以上の厚さとを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
  6. 前記複数の圧電体切片のそれぞれは、一端から他端に向かうテーパを有し、
    前記エッチング工程は、
    前記エッチング液の濃度が前記圧電体切片の一端側および他端側で同じとなるように前記エッチング液を前記圧電体切片に対して相対的に流動させて前記複数の圧電体切片をエッチングする第1のエッチング工程と、
    前記エッチング液の濃度が、前記圧電体切片の他端側に比べて前記圧電体切片の一端側で高くなる条件で前記複数の圧電体切片をエッチングする第2のエッチング工程と、
    を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
  7. 前記第1のエッチング工程は、前記複数の圧電体切片間の隙間を前記圧電体切片に遮られずに通過する向きに前記エッチング液を流動させる、請求項6に記載の圧電素子の製造方法。
  8. 前記第2のエッチング工程は、前記複数の圧電体切片の並列方向に沿って前記エッチング液を前記他端側に比べて前記一端側でより速く流動させる、請求項6または7に記載の圧電素子の製造方法。
  9. 前記第2のエッチング工程において、前記複数の圧電体切片は、前記他端で支持面部に接触するように前記エッチング液中に配置されている、請求項6~8のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
  10. 前記支持面部は、前記エッチング液に溶出する材料で構成されている、請求項9に記載の圧電素子の製造方法。
  11. 前記圧電体切片の形状は、板状であり、
    前記エッチングされた隣り合う前記圧電体切片間の間隔を一定に調整するギャップ調整工程と、
    間隔が調整された隣り合う前記圧電体切片の間に樹脂を充填する工程と、
    をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
  12. 前記圧電体切片の形状は、柱状であり、
    前記エッチングされた隣り合う圧電体切片の間に樹脂を充填する第1充填工程と、
    前記圧電体切片間の樹脂の部分を、前記エッチングされた圧電体切片の平面方向における二つの配列方向のうちの第1の方向に沿って切断して、複数の前記圧電体切片が前記第1の方向に沿って一列に配列して前記樹脂に封じられている第1の樹脂板を作製する第1配列工程と、
    複数の並列する前記第1の樹脂板の隣り合う前記第1の樹脂板の間隔を一定に調整する第1ギャップ調整工程と、
    間隔が調整された複数の前記第1の樹脂板の間に樹脂を充填する第2充填工程と、
    前記圧電体切片間の樹脂の部分を、前記配列方向のうちの第2の方向に沿って切断して、複数の前記圧電体切片が前記第2の方向に沿って一列に配列して前記樹脂に封じられている第2の樹脂板を作製する第2配列工程と、
    複数の並列する前記第2の樹脂板の隣り合う前記第2の樹脂板の間隔を一定に調整する第2ギャップ調整工程と、
    間隔が調整された複数の前記第2の樹脂板の間に樹脂を充填する第3充填工程と、
    をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
  13. 前記エッチング工程でエッチングされた前記複数の圧電体切片の隣り合う圧電体切片の間隔を調整するギャップ調整工程と、
    前記ギャップ調整工程で前記間隔が調整された前記複数の圧電体切片のそれぞれを仮止め部材で仮止めする仮止め工程と、
    前記仮止め工程で仮止めされている前記複数の圧電体切片の隣り合う圧電体切片の間に前記樹脂を充填して固化させて前記圧電体コンポジットを形成する固化工程と、
    をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
  14. 前記仮止め部材には、基板、サポート材および粘着テープを用い、
    前記仮止め工程は、
    前記複数の圧電体切片を前記基板上に載置する工程と、
    前記基板上の前記複数の圧電体切片を、その並列方向における両側から前記サポート材で挟む工程と、
    前記基板における前記並列方向の前記サポート材よりも外側の部分間に前記粘着テープを架け渡して、前記基板、前記サポート材およびそれにより挟まれた前記複数の圧電体切片のそれぞれを前記粘着テープで接着する工程と、
    を含む、請求項13に記載の圧電素子の製造方法。
  15. 前記圧電体コンポジットにおける、前記圧電体の延出方向における一対の端面を研磨する工程と、
    研磨された前記端面に電極を形成する工程と、
    をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の圧電素子の製造方法。
JP2018518186A 2016-05-19 2017-04-25 圧電素子の製造方法 Active JP7006589B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016100335 2016-05-19
JP2016100335 2016-05-19
JP2017009392 2017-01-23
JP2017009392 2017-01-23
PCT/JP2017/016309 WO2017199705A1 (ja) 2016-05-19 2017-04-25 圧電素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017199705A1 JPWO2017199705A1 (ja) 2019-03-14
JP7006589B2 true JP7006589B2 (ja) 2022-01-24

Family

ID=60326357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018518186A Active JP7006589B2 (ja) 2016-05-19 2017-04-25 圧電素子の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11081639B2 (ja)
JP (1) JP7006589B2 (ja)
CN (1) CN109155359B (ja)
WO (1) WO2017199705A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7439415B2 (ja) 2019-08-28 2024-02-28 住友金属鉱山株式会社 圧電性基板、圧電性基板の製造方法、及び複合基板
JP2022025321A (ja) * 2020-07-29 2022-02-10 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 超音波探触子及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002111093A (ja) 2000-09-28 2002-04-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電体およびその製造方法とそれを用いた超音波探触子
JP2005064065A (ja) 2003-08-19 2005-03-10 Tosoh Corp エッチング剤及びエッチング方法
JP2005139064A (ja) 2003-10-14 2005-06-02 Jfe Mineral Co Ltd 圧電単結晶、圧電単結晶素子およびその製造方法ならびに1−3コンポジット圧電素子
JP2012182758A (ja) 2011-03-03 2012-09-20 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 超音波探触子の製造方法
JP2016040798A (ja) 2014-08-12 2016-03-24 コニカミノルタ株式会社 圧電体、その製造方法、超音波トランスデューサーおよび超音波撮像装置

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3882231B2 (ja) * 1996-07-31 2007-02-14 住友電気工業株式会社 複合圧電材料の製造方法
JP3796394B2 (ja) * 2000-06-21 2006-07-12 キヤノン株式会社 圧電素子の製造方法および液体噴射記録ヘッドの製造方法
WO2005035840A1 (ja) * 2003-10-14 2005-04-21 Jfe Mineral Company, Ltd. 圧電単結晶、圧電単結晶素子およびその製造方法
CN100552551C (zh) * 2006-08-29 2009-10-21 中国科学院声学研究所 一种图形化锆钛酸铅铁电薄膜的剥离制备方法
JP5415274B2 (ja) * 2007-10-15 2014-02-12 パナソニック株式会社 超音波探触子
JP4665025B2 (ja) 2008-12-16 2011-04-06 Tdk株式会社 圧電素子の製造方法
CN102176506B (zh) * 2011-04-02 2013-03-27 北方工业大学 一种压电厚膜驱动的横向mems微驱动器及其制作方法
JP5711710B2 (ja) * 2012-09-25 2015-05-07 富士フイルム株式会社 エッチング液、圧電素子の製造方法およびエッチング方法
CN103915561A (zh) * 2012-12-28 2014-07-09 中国科学院声学研究所 一种压电陶瓷-聚合物复合材料的制备方法及压电陶瓷-聚合物复合材料
CN103087718B (zh) * 2013-01-16 2014-12-31 四川大学 湿法刻蚀镍酸镧薄膜和铁电薄膜/镍酸镧复合薄膜的腐蚀液及其制备方法
JP6082255B2 (ja) * 2013-01-18 2017-02-15 日本碍子株式会社 セラミックス部品及びその製造方法
JP5983437B2 (ja) * 2013-01-31 2016-08-31 コニカミノルタ株式会社 超音波探触子、超音波画像診断装置及び超音波探触子の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002111093A (ja) 2000-09-28 2002-04-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電体およびその製造方法とそれを用いた超音波探触子
JP2005064065A (ja) 2003-08-19 2005-03-10 Tosoh Corp エッチング剤及びエッチング方法
JP2005139064A (ja) 2003-10-14 2005-06-02 Jfe Mineral Co Ltd 圧電単結晶、圧電単結晶素子およびその製造方法ならびに1−3コンポジット圧電素子
JP2012182758A (ja) 2011-03-03 2012-09-20 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 超音波探触子の製造方法
JP2016040798A (ja) 2014-08-12 2016-03-24 コニカミノルタ株式会社 圧電体、その製造方法、超音波トランスデューサーおよび超音波撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20190305209A1 (en) 2019-10-03
US11081639B2 (en) 2021-08-03
WO2017199705A1 (ja) 2017-11-23
JPWO2017199705A1 (ja) 2019-03-14
CN109155359B (zh) 2022-06-10
CN109155359A (zh) 2019-01-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4951914B2 (ja) (110)シリコンウエーハの製造方法
JP7006589B2 (ja) 圧電素子の製造方法
JP5556514B2 (ja) 圧電体薄膜ウェハの製造方法、圧電体薄膜素子、及び圧電体薄膜デバイス
TWI305377B (en) Method of grinding multilayer body and method of manufacturing solid state image pickup device
CN103262274B (zh) 高频压电晶体复合材料、用于制造其的装置和方法
TW201234447A (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
JP5225392B2 (ja) 粒子脱落(particleshedding)を減じるための被包コーティング
US8087152B2 (en) Manufacturing method of an electromechanical transducer
CN108603305A (zh) 单晶层、特别是压电层的制造方法
CN104576314B (zh) 用于处理晶片的方法和晶片结构
JP2009123806A (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2018534223A (ja) 単結晶ブロックを転写する方法
CN106094445A (zh) 大高宽比纳米级金属结构的制作方法
JP5462893B2 (ja) シリコンインゴットの表面ナノ構造プロセス、ウェハーの製造方法及びそのウェハー
JP6751274B2 (ja) 圧電素子の製造方法
CN109341843B (zh) 一种微振动传感器及其制备方法
CN103796149A (zh) 一种尖劈状声学匹配层的制作方法
TWI378084B (en) Method for flattening glass substrate
WO2017010186A1 (ja) 多孔質セラミック構造体
JP6413129B2 (ja) 二重層転写のための機械的分離の方法
JP2005317831A (ja) 圧電単結晶素子およびその製造方法
JP2004072755A (ja) 複合圧電体
CN101688326A (zh) ZnO基板以及ZnO基板的处理方法
JP5476213B2 (ja) 圧電素子の製造方法
JP2008288453A (ja) 圧電単結晶素子

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191016

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7006589

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150