JP7005891B2 - 二重配管 - Google Patents

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Description

本発明は、二重配管に関するものである。
従来より、金属製や汎用合成樹脂製の管体の内面等にフッ素樹脂等の熱可塑性樹脂製のライニング材を密着させた配管(以下、ライニング配管と称する場合がある。)が知られている(特許文献1~4)。このようなライニング材を用いることで、例えば、工業用水や生活用水の配管に用いられる鋼管の耐久性を向上させたり、配管の耐化学薬品性を向上させたり、スケールの付着を抑制したりすることが可能である。
特許文献1には、ライニングすべきフランジ付の長尺曲管の内側に所定の管状のライニング材を挿入し、加熱流体によりライニング材の内側から加圧して、長尺曲管の内面等にライニング材を密着させることにより得られる配管が記載されている。また、ライニング材は塩化ビニルからなることが好ましいと記載されている。
特許文献2には、合成樹脂管の内面にフッ素樹脂フィルムを接着剤を介して接着した合成樹脂管が記載されている。実施例には、塩化ビニール製のパイプ内の頂部ロールで、接着剤付フッ素樹脂フィルムをパイプ内面に押圧貼付した後、ロール5を左右方向に転動してフィルムをパイプ内面全周に貼付することが記載されている。
特許文献3には、ポリマー層と金属層とが交互に積層され、金属層とポリマー層との間の連結がイオン置換結合により形成される複合パイプが記載されている。また、最内層となるポリマー層はフッ素樹脂であることが記載されている。また、このような複合パイプの製造方法として、第1のポリマー樹脂を押出成形して第1のポリマー層を形成し、第1のポリマー層の表面に反応誘導体を押し出し、反応誘導体が押し出された前記第1のポリマー層の表面に金属板膜を供給して金属層を形成し、金属層の表面に反応誘導体を押し出し、反応誘導体が押し出された前記金属層の外部表面に第2のポリマー樹脂押出機を通じて、第2のポリマー樹脂を押し出して第2のポリマー層を形成することが記載されている。
特許文献4には、ベントホールを有しない鋼管の内周面に、例えば、外周面に薄いステンレス網が巻き付けられたフッ素樹脂ライニングチューブを密着させたり、外周面にポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称する場合がある。)製のシールテープが螺旋状に巻き付けられたフッ素樹脂ライニングチューブを密着させたりしたものが記載されている。
このようなライニング配管、特に、ライニング材としてフッ素樹脂を用いたものは、温泉水や冷泉水等の鉱泉水を源泉から温泉宿などの施設に配送するために使用される場合がある。例えば温泉水の場合、高温の源泉から配送される際に、冷却されたり、酸素と接触したりすることでその成分が変質するため、温泉水中の成分が析出し、配管の内面等に付着する。ライニング配管を用いることで、配管内への温泉水中の成分付着を抑制したり、付着した場合でも剥離を容易にしたりすることが期待できる。しかし、このようなライニング配管を製造するには、特別の機械設備が必要なため、ライニング材を用いない配管に比べるとコストが高くなる。温泉事業者の多くは、多額の設備投資をすることが困難なため、このようなライニング配管を使用できない場合が多いというのが現状である。また、温泉事業者に限らず、従来のライニング配管を用いると設備費が高額になるという点では同じである。
特公昭56-37889号公報 特開平10-61833号公報 特表2015-520042号公報 特開平3-149496号公報
前述のように、従来のライニング配管が高額であるという現状に鑑みて、本発明の目的とするところは、簡便に低コストで製造可能で、耐薬品性、耐久性、スケール付着抑制性が、ライニング配管と同等の性能を有する配管を提供することにある。
本発明者らが、鋭意検討を行ったところ、配管を外管と内管の二重管構造とし、内管を外管の内周面に固着せず、両者を少なくとも一方端部に固定するように設置し、内管を構成する樹脂素材として非粘着性樹脂を用い、内管に所定の剛性を付与することで、前述の目的を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の要旨は以下のとおりである。
本発明の第一は、長手方向の両端部で開口する内腔部を有する外管と、その内腔部に設置され、一方端部にのみ固定された内管とを備え、該内管を構成する樹脂素材が非粘着性樹脂であり、内管は外管の内腔部に沿って差し込み可能な剛性を有する配管に関する。当該配管の実施形態では、温泉用として好適に用いることができる。
実施形態では、非粘着性樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素樹脂を好適に用いることができる。
実施形態では、内管の内側表面粗度Raが0.01μm以上2.0μm以下であってもよい。
実施形態では、内管が長手方向の両端部で開口する内腔部を有し、その一方端部に、径方向外側に向かって突出する係止部が設けられ、該係止部が外管の少なくとも一方端部に係止されているように構成することができる。この場合、係止部が、内管の一方端に全周に亘り形成されていてもよい。さらに、それぞれ2以上の内管及び外管が連結され、隣接する内管の係止部同士が隣接する外管の端部により圧接されていてもよい。
実施形態では、内管の外周部と外管の内周面との間に空間が形成されていてもよい。
実施形態では、内管の外周部に外管側に向かう凸部が形成されていてもよい。
本発明の第二は、前述の本発明の第一の配管を製造する方法であって、内管を押出成形により形成する工程を含む配管の製造方法に関する。
本発明の第三は、前述の本発明の第一の配管が、内管が長手方向の両端部で開口する内腔部を有し、その一方端部に、径方向外側に向かって突出する係止部が設けられ、該係止部が外管の一方端部に係止されているように構成される場合において、内管を外管の内腔部に差し込んだ後、内管の一方端部を折り曲げて係止部を形成する工程を含む、配管の製造方法に関する。
本発明によれば、簡便に低コストで製造可能で、耐薬品性、耐久性、スケール付着抑制性が、ライニング配管と同等の性能を有する配管を提供することができる。
試験例1において、材質の水準を、フッ素系、PPS系、PEEK、鉄、SUS304として、表面粗度Ra、材質、合計得点の関係を示した図である。
本発明に係る配管は、長手方向の両端部で開口する内腔部を有する外管と、その内腔部に設置され、一方端部に固定された内管とを備える二重配管である。この内管を構成する樹脂素材は非粘着性樹脂である。また、この内管は外管の内腔部に沿って差し込み可能な剛性を有する。
このように、内管を構成する樹脂素材として非粘着性樹脂を用いることで、配管の内面の耐薬品性、耐久性、スケール付着抑制性が、従来のライニング配管と同等の性能を有するように構成することができる。また、内管が外管の内腔部に沿って差し込み可能な剛性を有するように構成することで、外管に内管を容易に挿入可能となり、内管が外管の少なくとも一方端部で固定されるようにして、端部以外には固定されることなく設置されることと相俟って、製造コストを低減することが可能になる。さらに、このような剛性を有することで、内管の耐久性を向上させることも可能になる。加えて、既存の配管の内腔部に内管を設けることで、既存の配管を改良することができる。内管の取り換えを行うことで、配管の補修を容易に行うこともできる。
外管は、長手方向の両端で開口し、両端間で連通する内腔部を有する。外管を構成する素材は、金属製、合成樹脂製何れでもよい。用途に応じて適宜決定することができる。金属としては、鉄、ステンレス等が挙げられる。鉄としては、例えば、配管用炭素鋼鋼管(SGP)等が挙げられる。ステンレスとしては、例えば、SUS304等が挙げられる。合成樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。このうち、耐熱性、強度、耐腐食性の観点から、金属が好ましく、ステンレスがより好ましい。
外管の大きさは、特に限定はなく、用途等に応じて適宜決定することができる。例示すると、外径は25~5000mm、厚みは2.0~20.0mmである。外径は、生産性、施工性の観点からは、25~500mmが好ましい。厚みは、生産性、施工性の観点からは、2.0~10.0mmが好ましい。長さは、運搬に支障がなければ、任意に設定することができるが、一般的には、100~6000mmである。
内管は、外管の内腔部に沿って差し込まれ、そこに固着されることなく設置される。長手方向の両端で開口し、両端間で連通する内腔部を有する。内管を構成する素材は、樹脂素材を含み、必要に応じて添加剤を含んでもよい。
樹脂素材は、非粘着性樹脂である。非粘着性樹脂とは、スケール等の付着性を抑制可能で、付着した場合でも除去可能な樹脂である。このような樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PPSと他の樹脂のアロイ、ポリアミド(PA)等が挙げられる。このうち、フッ素樹脂、PPSが好ましく、フッ素樹脂がより好ましい。後述するように、温泉用の場合は、温泉水の温度が100℃を超える場合があるため、耐熱性の観点で、フッ素樹脂、PPSが好ましく、フッ素樹脂がより好ましい。
フッ素樹脂としては、例えば、PTFE、PFA、ETFE、FEP、PVDF、ポリビニリデンフルオライド(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体が挙げられる。このうち、PTFE、PFA、ETFE、FEP及びPVDFが好ましい。これらは1種でもよいし、2種以上組み合わせたものでもよい。
前記フッ素樹脂には、前述の各フッ素樹脂を合成する際に、各フッ素樹脂の構成単位となるモノマーと、これと共重合可能な他のモノマーを反応させて得られる共重合体を含む。他のモノマーとしては、例えば、反応性二重結合を有するフッ素原子置換基を有する炭化水素化合物などが挙げられる。他のモノマーに由来する構成単位は、フッ素樹脂中、例えば、0.1~10モル%とすることができる。
フッ素樹脂は市販品を使用することができる。例えば、ダイキン工業株式会社製のポリフロン、ネオフロン、旭硝子社製のフルオン、スリーエムジャパン株式会社製のダイニオン等が挙げられる。
ポリフェニレンサルファイド(PPS)としては、直鎖型のものでもよいし、架橋型のものでもよい。
添加剤としては、充填材、色素材料、酸化防止剤等が挙げられる。充填材としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、グラファイト等が挙げられる。添加剤の含有量は、樹脂素材100質量部に対して、例えば、0.1~30質量部である。
内管は、スケールの付着をより一層抑制する観点、スケールの除去をより一層容易にする観点等から、その内側表面粗度Raが0.01μm以上2.0μm以下とすることが好ましい場合がある。特に、内管を構成する樹脂素材がフッ素樹脂、ポリオレフィン、PPSの場合に、効果が期待でき、フッ素樹脂の場合により効果が期待できる。このような表面粗度は、例えば、成形時の金型表面の凹凸の転写、成形時の温度の調整、旋盤などによる後加工等により実現することができる。
内管の大きさは、外管の内腔部に設置可能であればよい。例えば、外径は、25~5000mmとすることができる。厚みは、0.1~10.0mmとすることができる。長さは、運搬に支障がなければ、任意に設定することができるが、一般的には、100~6000mmであり、外管と同程度の長さとすることが好ましい。
内管の外周部と外管の内周面との間に空間が形成されていてもよい。このような空間が形成される場合は、空気層が形成されるため、断熱効果が期待できる。
また、内管の外周部には、外管側に向かう凸部が形成されていてもよい。このような凸部が形成されている場合、内管の内腔部に搬送物が移動することで生じる内管の振動を抑制することが期待できる。凸部の構成は特に限定はないが、長手方向に亘り両端部間で連続する凸条であるのが好ましい。また、内管の外周部に替えて、外管の内周部に内管側に向かう凸部を設けてもよい。
内管は外管の内腔部に沿って差し込み可能な剛性を有する。このような剛性は、内管を構成する樹脂素材及び添加剤の組成、内管の径、肉厚等により調整することができる。このような剛性を有する内管は、外管にその長手方向に沿って差し込む際に、例えば、その内腔部に接触して内管を押し込む方向と交差する方向等の外力が加わっても容易に撓むことがない。そのため容易に外管に内管を設置することができる。
内管は、少なくとも一方端部で外管に固定される。固定の仕方は特に限定はないが、内管の一方端部に、径方向外側に向かって突出する係止部が設けられ、該係止部が外管の一方端部に係止されるように構成するのが好ましい。このように構成することで、内管の端部以外は外管に固定しないため、内管を外管に、より簡便に設置したり、交換したりすることができる。また、このような係止部は、予め成形したものを内管の端部に物理的及び/又は化学的に連結してもよいが、内管の耐久性、製造コスト等の観点から、内管と一体的に設けられるのが好ましい。このような構造は、例えば後述するようにして実現できる。
内管の係止部の構造としては、外管の端部に係止可能であれば特に限定はないが、内管をより確実に外管に固定する観点から、内管の端部に全周に亘り形成されているのが好ましい。例えば、内管の末端に、その長手方向に直交する方向に円環状に突設された構造が好ましい。外管の端部には、内管の円環状の構造の係止部を係止する円環状の凸部が形成されるのが好ましい。この外管の円環状の凸部は、外管の長手方向に直交する方向に径方向外側に向かって突出し、内管の係止部に対応する構造の係止面を有するのが好ましい。即ち、内管の端部と外管の端部にそれぞれフランジ部が設けられる。そして、内管の一方端部の他方端側に面する面が内管の係止面となり、外管の一方端部の他方端に面する側とは反対側の面が外管の係止面となり、両係止面同士が係合することで、内管と外管とが一方端部で固定され得る。また、内管の前述の係止面とは反対側の面に、内管のフランジ部を外管のフランジ部との間で固定するための固定部を設けてもよい。尚、配管の構成に応じて、内管及び外管の両端部に係止部を設けて両者を両端部で固定することができる。
前述したような実施形態に係る配管は、用途等に応じ、1本だけで使用することができるし、2本以上を連結して使用することもできる。2本以上を連結する場合の継手構造は特に限定はなく、例えば、(a)外管の端部にフランジを設け、隣接する内管や外管同士の間にシールリングやガスケット等を設置し、外管のフランジ同士をボルトナット等で固定する構造、(b)隣接する内管の係止部同士が隣接する外管の端部により圧接されるように構成された構造等が挙げられる。
(b)の構造としては、より具体的には、例えば、次のとおりである。内管に関しては、内管の端部に係止部としての円環状のフランジ部が設けられ、内管側に面する側が係止面となる。外管に関しては、外管の端部に円環状のフランジ部を設け、このフランジ部の外管側に面する側とは反対側が、内管の係止部の係止面と当接して係止する外管の係止面が形成される。そして、同様の構造を有する二重配管を長手方向に2以上連設し、隣接する内管のフランジ部の係止面とは反対側の面同士を当接させるとともに、隣接する外管のフランジ部に設けられた貫通孔を介してボルトナット等によりネジ止めする或いは他の構成によりかしめることで、内管のフランジ部同士が圧接され、配管同士の密封状態が維持され得る。このように、(b)の構造の場合は、二重配管同士をネジ止めするという極めて単純な構造により、配管同士の密封性が確保され、長距離の配管を容易に行うことができる。また、このような構造は、内管を構成する樹脂素材が、フッ素樹脂の場合に特に有効である。フッ素樹脂は、圧接することで容易に変形し、密封性を確保し易いためである。
前述したような実施形態に係る配管は、例えば、次のようにして製造することができる。
先ず、外管と内管を準備する。外管は、既存の金属管又は合成樹脂管を使用することができる。必要に応じて、既存の方法により外管の端部にフランジ部等を設ける。内管は、樹脂素材の特性、大きさ等に応じて、射出成形、押出成形等により製造することができる。容易に筒状体を成形する観点からは、押出成形が有利である。押出成形としては、樹脂種や寸法に応じ、溶融押出成形、ラム押出成形、ペースト押出成形等を採用することができる。前述のように、内管の内側表面粗度を所定範囲に調整する場合は、金型の表面粗度を成形品に転写することで容易に内管の内側表面粗度を調整することができるため、ラム押出成形が好ましい。また、内管の大きさが小さい場合は、ペースト押出成形に用いる芯金の外表面の表面粗度を調整することで、内管の表面粗度を調整することができる。押出成形して得られる管には前述のようなフランジ部は一般に形成されていない。
次に、外管の一方端部の開口部から内腔部に長手方向に沿って内管を差し込む。必要に応じて圧入する。外管の内腔部の全長に亘り内管を配置した後、外管と内管の一方端部及び又は他方端部を固定する。
前述のように内管に係止部としてのフランジ部を形成して内管を外管に固定する場合は、内管を外管の内腔部に差し込んだ後、別途成形したフランジ部を直管の端部に連結する、或いは、外管の内腔部から突出している内管の一方端部を折り曲げて係止部としてのフランジ部を形成する。内管の一方端部を折り曲げる方法としては、例えば、変形可能な温度以上に加熱し、機械的に折り曲げる方法等が挙げられる。
尚、内管の一方端部を折り曲げる加工は、予め一方端部のみ行った後、内管の他方端部を外管の一方端部から内腔部に差し込み、外管の他方端部から突出した内管の他方端部に対して、同様の折り曲げ加工を施してもよい。
以上のような二重配管は、簡便に低コストで製造可能であるうえに、耐薬品性、耐久性、スケール付着抑制性が、ライニング配管と同等の性能を有するため、このような配管の特性が求められる各種用途に好適である。例えば、温泉、家庭用排水、飲料、粘着性物質の製造工場、海水、食品工場、薬品工場、循環水の配管等が挙げられる。特に、温泉用の配管として好適である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明する。
(試験例1)
表1に示す材質で形成され、表面粗度Raが所定値である試験片を温泉地(長崎県、小浜温泉、源泉温度105℃)の湯棚(貯蓄・冷却槽)に浸漬設置し、30日間経過後に、付着したスケールを指で撫でた時の剥がれ易さを、3名のパネラーによる官能試験により確認した。評価基準は、非常に取れやすい:5点、取れやすい:4点、取ることは出来る:3点、完全には取れない:2点、取るのが困難:1点とし、3名の合計得点が9点以上であるものを使用可能とした。材質及び試験片の表面粗度、合計得点を表1に示す。また、材質の水準を、フッ素系、PPS系、PEEK、鉄、SUS304として、表面粗度Ra、材質、合計得点の関係を表1、図1に示す。尚、表1中、「表面加工」の項目で「金型転写」とあるのは、成形金型の成形面の表面粗度が転写されたものとして「表面粗度(Ra[μm])」の値を規定したことを示している。同「(市販品)」は、市販品の試験片の表面を直接測定した値を「表面粗度(Ra[μm])」の値として規定したことを示している。同「#100研磨面」は、番手が#100の研磨剤を用いて金型転写または市販品の試験片を旋盤で後加工した研磨面を直接測定した値を「表面粗度(Ra[μm])」の値として規定したことを示している。
使用した材質は、以下のとおりである。
PFA:スリーエムジャパン株式会社製、製品名『ダイニオンPFA』
ETFE(黒):ダイキン工業株式会社製、製品名『ポリフロンPTFE』
ETFE(白):ダイキン工業株式会社製、製品名『ポリフロンPTFE』
PTFE:ダイキン工業株式会社製、製品名『ポリフロンPTFE』
PPS(架橋):ポリプラスチック株式会社製、製品名『ジュラファイドPPS』
PPS(リニア):ポリプラスチック株式会社製、製品名『ジュラファイドPPS』
PEEK+充填材:ビトレックス社製、製品名『VICTREX PEEK』
鉄(SGP):JFEスチール株式会社製、『配管用炭素鋼管100A』
SUS304:日鉄住金ステンレス鋼管株式会社製、『溶接ステンレス鋼管』
表面粗度Raは、株式会社東京精密製、SURFCOM1500DX3(測定長:10mm、測定速度:0.3mm/sec、カットオフ波長:0.8mm)により測定した。
Figure 0007005891000001
表1、図1に示すように、鉄(SGP)及びSUS304製の試験片を使用すると合計点が9点未満であった。一方、樹脂素材として、フッ素系、PPS系、PEEKの非粘着性樹脂を使用した場合は、合計点が9点以上となり、使用可能であった。このうち、フッ素系が、他の非粘着性樹脂より良好で、表面粗度Raが0.01μm以上0.2μ以下の場合にさらに良好であることが分かる。特にフッ素系、PPS系が上記表面粗度の範囲において有効な結果を示した。
(実施例1)
<二重配管の製造>
試験例1で使用したPTFEを用いてラム押出成形により、外径130.8mm、肉厚3.0mm、内表面粗度Ra1.5μmの内管を得た。この内管を外管(JFEスチール株式会社製、『配管用炭素鋼管125A』、外径139.8mm、肉厚4.5mm、両末端にフランジ部が形成されている。)の内腔部に圧入し、内管の両末端を加熱し、両末端にフランジ部が形成されるように内管の両端部を機械的に折り曲げて、内管と外管とを両端部で固定した二重配管を得た。
<実地試験>
得られた二重配管を試験例1と同じ温泉地に敷設されている配管の一部として2週間使用した。二重配管は、その外管のフランジ部と既設の配管のフランジ部との間に内管のフランジ部を挟むようにして固定具で固定した。試験期間中、温泉水の漏水は確認されなかった。また、2週間後に取外し、二重配管のうち長さ方向400mm分のスケールの剥離し易さを確認した。スケールの剥離は、二重配管の外側を鈍器で殴打して内管に衝撃と振動を与えることにより行った。その結果、後述する比較例1の従来の配管は10分程度の作業時間を要していたのに対し、本実施例1の二重配管は3分程度の作業時間でスケールを剥離することが出来た。
(比較例1)
実施例1の二重配管に替えて、JFEスチール株式会社製、『黒管SGPパイプ125A』(外径139.8mm、肉厚4.5mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、温泉地の配管の一部として使用した後、スケールの剥離し易さを確認した。実施例1との対比は前述のとおりである。

Claims (8)

  1. 長手方向の両端部で開口する内腔部を有する金属製の外管と、その内腔部に固着されることなく設置され、端部以外は前記外管に固定されず、前記外管の一方端部に交換可能に固定された内管とを備え、
    該内管を構成する樹脂素材が非粘着性樹脂であり、内管は外管の内腔部に沿って差し込み可能な剛性を有し、前記樹脂素材を含む素材を用いて押出成形されたものであり、
    内管が長手方向の両端部で開口する内腔部を有し、その一方端部に全周に亘り、径方向外側に向かって突出する係止部が設けられ、該係止部が外管の一方端部に係止されており、
    それぞれ2以上の内管及び外管が連結され、隣接する内管の係止部同士が隣接する外管の端部により圧接されている、二重配管。
  2. 温泉用である請求項1記載の二重配管。
  3. 非粘着性樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素樹脂である請求項1又は2に記載の二重配管。
  4. 内管の内側表面粗度Raが0.01μm以上2.0μm以下である請求項1~3の何れか1項に記載の二重配管。
  5. 内管の外周部と外管の内周面との間に空間が形成される請求項1~の何れか1項に記載の二重配管。
  6. 内管の外周部に外管側に向かう凸部が形成されている請求項1~の何れか1項に記載の二重配管。
  7. 請求項1~の何れか1項に記載の二重配管を製造する方法であって、
    内管を押出成形により形成する工程、
    金属製の外管の一方端部の開口部から内腔部に長手方向に沿って前記内管を差し込み、外管の内腔部の全長に亘り前記内管を配置した後、前記外管と前記内管とを、両者の一方端部において交換可能に固定し、端部以外は前記外管に固定せず、前記外管と前記内管とを固着させることなく前記外管の内腔部に前記内管を設置する工程、
    を含む二重配管の製造方法。
  8. 請求項の何れか1項に記載の二重配管を製造する方法であって、
    内管を押出成形により形成する工程、
    前記内管を金属製の外管の内腔部に差し込んだ後、前記内管の少なくとも一方端部を折り曲げて係止部を形成し、前記内管の前記係止部と前記外管の一方端部を交換可能に固定し、端部以外は前記外管に固定せず、前記外管と前記内管とを固着させることなく前記外管の内腔部に前記内管を設置する工程、
    を含む二重配管の製造方法。
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