JP5231044B2 - 燃料用ホース - Google Patents

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Description

この発明は燃料に対して低透過性を有する樹脂のバリア層を断面の中間に有する燃料輸送用の燃料用ホースに関し、例えば、燃料タンクへの燃料輸送用の樹脂−ゴム複合のフィラーホースに関する。
自動車の燃料注入口から注入された燃料を燃料タンクに輸送するフィラーホースにあっては、従来、振動吸収性や組付性が良好で低燃料(ガソリン)透過性に比較的優れたNBR+PVC(アクリロニトリル・ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド)等の一般的なゴムホースが用いられて来た。
しかしながらこのような一般的なゴムホースの場合、近年益々求められている低燃料透過性の要請に対しては十分に応えることができない。
そこで燃料に対する低透過性(耐透過性)に優れた樹脂層をバリア層として外ゴム層の内側に内面層として積層した樹脂−ゴム複合ホースから成るフィラーホースが開発され、用いられている。
しかしながら樹脂のバリア層は材質的にゴムよりも硬い硬質層であるため、これをホースの軸端に到るまで外ゴム層とともに積層形成すると、フィラーホースを相手パイプに外挿状態に挿し込んだときに、相手パイプと内面の樹脂のバリア層との密着が悪く、シール性が不十分となってしまう。
またフィラーホースを相手パイプに外挿状態に挿し込む際に、内面の樹脂のバリア層が硬く、変形抵抗が大きいために挿込作業の際に大きな力を必要とし、フィラーホースの接続作業性が悪化する問題を生ずる。
この問題の解決を目的としたものとして、下記特許文献1には図4に示すようなフィラーホースが開示されている。
図において200は樹脂−ゴム複合のフィラーホースで、202は外ゴム層、204は内面層として外ゴム層202の内側に積層形成された樹脂のバリア層である。
このフィラーホース200では、金属製の相手パイプ206と接続される端部については樹脂のバリア層204を形成しないで、外ゴム層202の内面を露出させ、同内面を相手パイプ206に直接弾性接触状態に嵌合するようにしている。
また内部を流通する燃料が、外ゴム層202の露出した内面と相手パイプ206との間に浸入し、更に樹脂のバリア層204の形成されていない外ゴム層202の端部を通じて外部に透過するのを防止するため、このフィラーホース200では、樹脂のバリア層204の端部に環状の凹所208を形成して、そこにフッ素ゴム等から成る燃料透過性の低いリング状の弾性シール部材210を装着し、その弾性シール部材210の内面に相手パイプ206を弾性接触状態で嵌合させるようにしている。
通例、図4に示すものを含めてフィラーホースはねじ式の締付機構を有するホースクランプ214にて、相手パイプ206に接続状態に固定される。
尚、図4において212は相手パイプ206の先端部に径方向外方に環状に膨出する形態で設けられた膨出部(バルジ部)であり、ホースクランプ214は、樹脂のバリア層204の形成されていない外ゴム層202の端部を外周面から縮径方向に締め付けて、相手パイプ206にこれを固定する。
図5に、このホースクランプ214の構成が具体的に示してある。
同図に示しているようにこのホースクランプ214は、金属製の帯状の締付バンド230と、締付機構234とを有している。
締付バンド230は、一方の端部230Aにスリット状のねじ溝240が周方向に一定ピッチで設けられており、このねじ溝240の設けられた一方の端部230Aを、他方の端部230Bの外側に重ねるようにして円環状に巻かれており、そして他方の端部230Bに、ねじ式の締付機構234が固定されている。
締付機構234は、端部230Bに固定されたハウジング236と、その内部にねじ軸が回転可能に収容された雄ねじ238とから成っており、その雄ねじ238のねじ山が上記スリット状のねじ溝240に係入するようになっている。
このホースクランプ214の場合、雄ねじ238を回転操作すると、一方の端部230Aがねじ送りで他方の端部230Bに沿って図中反時計方向に周方向に移動し、締付バンド230が縮径する。そしてこの締付バンド230の縮径により、フィラーホース200における端部、詳しくは図4の外ゴム層202が相手パイプ206に対し締め付けられ固定される。
図4に示すフィラーホース200では、ホース端部に樹脂のバリア層204が形成されておらず、フィラーホース200を相手パイプ206に外挿状態に挿し込む際に、樹脂のバリア層204による抵抗が強く働かないことから、挿込作業を小さい力で行うことが可能である。
また端部においては樹脂のバリア層204が形成されておらず、更に弾性を有する外ゴム層202の内面が直接相手パイプ206と接触するため、フィラーホース200と相手パイプ206との嵌合部分のシール性を良好となすことができる。
ところで、フィラーホースは周辺部材との干渉を回避して配管する必要があることから、通常は所定の曲り形状をなしている。
一般的なゴムホースの場合、かかる曲り形状のホースを製造するには、下記特許文献2にも開示されているようにゴムホースを長尺の直管状に押出成形して、これを所定寸法に切断した後、未加硫(又は半加硫)の直管ホース216(図6(II)参照)を、所定の曲り形状を有する金属製のマンドレル218に挿し込んで曲り形状に変形させ、その状態で所定時間の加熱を行って加硫処理し、そして加硫処理が済んだところで、曲りの付与されたホース220をマンドレル218から抜き取って製品とする。
ところが図4に示すフィラーホース200の場合、このような製造方法を採用することができず、そこで図4に示すフィラーホース200の場合、先ず外ゴム層202を単独でインジェクション成形して、その後に外ゴム層202の内面に沿った形状で樹脂のバリア層204を形成する。
樹脂のバリア層204を外ゴム層202の内面に沿った形状で形成する方法として、静電塗装の手法が好適に用いられる。
この静電塗装では、噴出ノズルをフィラーホースの内部、詳しくは外ゴム層202の内部に挿入し、そして噴出ノズルから樹脂粉体を外ゴム層202内面に向けて噴出し、静電塗装する。
この静電塗装では、樹脂粉体が負又は正に帯電(通常は負に帯電)させられ、噴出ノズルから噴出された樹脂粉末が静電場を対極(正極)となる外ゴム層202の内面に向かって飛翔し、同内面に付着して樹脂の塗膜を形成する。
この静電塗装の工程では、目的とする厚みで樹脂のバリア層204を形成するために、通常複数回の静電塗装を施す。
詳しくは樹脂粉体を外ゴム層202の内面に付着させた後、これを加熱して溶融及び冷却し、更に再びその上から静電塗装にて樹脂粉体を吹き付けて加熱溶融及び冷却を行い、目的とする厚みの樹脂のバリア層204を形成する。
この場合の全体的な製造工程は次のようなものとなる。
即ち、先ずインジェクション成形にて外ゴム層202を得た後乾燥処理し、更に前処理としての洗浄及びその後の乾燥を行って、その後に静電塗装にて樹脂粉体を内面に付着させ、その後これを溶融及び冷却した後、2回目の樹脂粉体の静電塗装及び加熱溶融,冷却固化を行う。そしてこれを所要の回数繰り返して目的の厚みの樹脂のバリア層204を形成した後、耐燃料透過性のリング状の弾性シール部材210を軸端から嵌め込んで所定位置に装着する。
以上のように図4に示すフィラーホース200を製造するには多数の工程が必要で、そのために必然的にフィラーホース200の製造コストが高くなってしまう。
そこで本発明者等は、樹脂のバリア層の更に内側に内ゴム層をホース内面層として積層した形態の樹脂−ゴム複合のフィラーホースを案出し、先の特許願(例えば特願2006−89387号)において提案している。
図7はその具体例を示している。この積層構造のフィラーホース246Aでは、樹脂のバリア層244によって輸送流体に対する低透過性(バリア性)を持たせることができ、また内面の内ゴム層242によって、樹脂−ゴム複合のフィラーホース246Aを相手パイプ206に外挿状態に挿し込む際に、内ゴム層242を弾性変形させて挿込作業を行うことができ、その際の挿込みに必要な力を低減することが可能となる。
また内ゴム層242を相手パイプ206に弾性接触させる状態に接続を行うことができるため、接続部における密着性を高めることが可能となる。
またこの積層構造のフィラーホース246Aでは、軸端に到るまで樹脂のバリア層244を形成しておくことができるため、図4に示すような輸送流体に対する耐透過性のための高価なリング状の弾性シール部材210の組込みも省略することができる。
加えてこの積層構造のフィラーホース246Aでは、軸端に到るまで樹脂のバリア層244を形成することができるため、図6に示すのと同様な製造方法でホースを製造することが可能となる。
詳しくは、内ゴム層242と樹脂のバリア層244と外ゴム層202とを積層状態に押出成形及び切断して、直管形状の未加硫若しくは半加硫の押出成形品を得、そしてこれを所定の曲り形状をなすマンドレルに外挿状態に挿し込んで変形させ、その変形状態で完全加硫処理することによって、曲り形状のフィラーホース246Aを製造することが可能となる。
これによりフィラーホース246Aを従来に比べて大幅に安価に製造することが可能となる。
ところで、フィラーホースの端部を相手パイプに外挿状態に挿し込んで接続を行う際、通常、フィラーホースにおける相手パイプとの嵌合部分の内径を、相手パイプの外径よりも小径となしておき、挿込状態でフィラーホースの相手パイプに対する嵌合部分に、径方向片側で0.5〜1mm程度の圧縮代を確保するようになす。
ホース端部がゴム層単独で構成されている通常のホースの場合、この状態でホースクランプ214による締付けを行ったとき、締付バンド230による締付力が、内周面全周に亘って均等に及ぼされ、ホース端部の内周面が相手パイプ206の外周面に全周に亘り良好に密着せしめられ、このことによってホース端部と相手パイプ206との間に十分なシール性が確保される。
しかるに図7に示すゴム−樹脂−ゴム積層構造のフィラーホース246Aにあっては、中間の硬い樹脂のバリア層244が軸端に到るまで形成されているため、フィラーホース246Aを相手パイプ206に外挿状態に挿し込んだ状態で、その端部を図4に示すのと同様にホースクランプ214にて外周面から縮径方向に締め付け、相手パイプ206に接続状態にクランプ(ロック)する際に、ホースクランプ214によるクランプ力の伝達が中間の樹脂のバリア層244にて阻害され、ホース端部と相手パイプ206との間に求めるシール性能が十分に得られない問題のあることが判明した。
そこで本発明者らがその原因を調べたところ、以下のようなものであることが判明した。
図5に示す形式のホースクランプ214では、雄ねじ238を回転操作すると、締付バンド230の一方の端部230Aが、他方の端部230Bに沿ってねじ送りで周方向に移動し、締付バンド230が縮径する。
ホースクランプ214は、その締付バンド230の縮径によりホース端部を締め付け、内周面を相手パイプ206の外周面に密着させてシールを行う。
しかるに断面の中間に硬い樹脂のバリア層244を有する図7(A)に示す樹脂−ゴム複合のフィラーホース246Aの場合、締付バンド230を縮径させてホース端部に対する締付けを行ったときに、図7(B)の部分拡大図に示しているように内ゴム層242の内周面が、部分的に相手パイプ206から径方向外向きに浮上り気味となり、同部分においてシール性が不充分となってしまう。
これは、締付バンド230を縮径させてホース端部に対する締付けを行ったとき、断面の中間の硬い樹脂のバリア層244による阻害作用によって、内ゴム層242まで締付力が十分に伝達されず、またこのとき樹脂のバリア層244による縮径方向の変形に対する抵抗作用によって、ホース端部の締付バンド230による締付部位が全周に亘って均等に縮径変形せずに、締付バンド230における固定側の端部230B近傍において相手パイプから径方向外方に浮上り気味となるような変形を生じてしまい、この結果、固定側の端部230B近傍において部分的にシール性が悪化するものと考えられる。
即ち、断面の中間に積層されている硬い樹脂のバリア層244による縮径方向の変形の抵抗作用により、ホース端部、詳しくは締付バンド230による締付部位が偏平円形状化しようとして固定側の端部230B近傍に変形及び歪が集積し、そのことがシール性の悪化をもたらすものと考えられる。
特開2002−54779号公報 特開平11−90993号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、全長にわたって又は軸端に到るまで断面の中間に硬い樹脂のバリア層を形成した場合においても、相手パイプに対しホースクランプにてクランプしたときに十分なシール性の得られるフィラーホース等の燃料用ホースを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、自動車の燃料配管に用いられる燃料用ホースであって、燃料に対して低透過性を有する樹脂材製のバリア層と、このバリア層の外側の外ゴム層と、前記バリア層の内側のホース内面層としての内ゴム層と、を有する積層構造を全長にわたって備えていて、前記内ゴム層は、前記外ゴム層よりも高いゴム硬度を有しているものである。燃料用ホースは、燃料を輸送又は移送するために用いられるホースであり、この燃料用ホースには、例えば、フィラーホース、ベントホース、エバポホース、ブリーザーホース又はパージホースが含まれる。
請求項2のものは、内ゴム層は、外ゴム層よりも10度以上高いゴム硬度を有しているものである。
請求項3のものは、内ゴム層は70度以上のゴム硬度を有し、外ゴム層は75度以下のゴム硬度を有しているものである。
請求項4のものは、自動車の燃料タンクに燃料を輸送するフィラーホースであって、一方の軸端から他方の軸端に到るまで、燃料に対して低透過性を有する樹脂のバリア層と、該バリア層の内側のホース内面層を構成する内ゴム層と、該バリア層の外側の外ゴム層との積層構造をなしており、該外ゴム層はゴム硬度が75度以下、該内ゴム層はゴム硬度が70度以上で、且つ該内ゴム層のゴム硬度が該外ゴム層のゴム硬度よりも10度以上高くしてあるものである。
以上のように本発明は、自動車の燃料配管に用いられる燃料用ホースであって、燃料に対して低透過性を有する樹脂材製のバリア層と、このバリア層の外側の外ゴム層と、前記バリア層の内側のホース内面層としての内ゴム層と、を有する積層構造を全長にわたって備えていて、前記内ゴム層は、前記外ゴム層よりも高いゴム硬度を有しているものである。そして、例えば、内ゴム層は、外ゴム層よりも10度以上高いゴム硬度を有している。また、例えば、内ゴム層は70度以上のゴム硬度を有し、外ゴム層は75度以下のゴム硬度を有している。ここでゴム硬度はJIS K 6253に規定するスプリング式硬さ(タイプA)による硬度を意味する。
本発明はまた、一方の軸端から他方の軸端に到るまで燃料に対して低透過性を有する樹脂のバリア層と、ホース内面層を構成する内側の内ゴム層,外側の外ゴム層との積層構造をなすフィラーホースにおいて、外ゴム層の硬度を75度以下、内ゴム層のゴム硬度を70度以上で且つ内ゴム層のゴム硬度を外ゴム層のゴム硬度よりも10度以上高くしたものである。ここでもゴム硬度はJIS K 6253に規定するスプリング式硬さ(タイプA)による硬度を意味する。
本発明によれば、ホース端部を相手パイプに外挿状態に挿し込んだ状態で、その端部をホースクランプにて締め付けたときに、ホース端部の内周面を相手パイプの外周面に、全周に亘り均等且つ所要の面圧で密着状態に圧接することができ、所望のシール性を確保することができる。
本発明では外ゴム層が硬度の低い変形性能に富んだ柔らかいゴム材にて構成されているため、あるいは、外ゴム層を硬度の低い変形性能に富んだ柔らかいゴム材にて構成できるため、ホース端部をホースクランプにて外周面から締め付けたときに、外ゴム層がホースクランプの締付動作に良好に追従変形することによって外周面に発生する歪みを吸収し、かかる歪みが外ゴム層を介して断面中間の硬い樹脂のバリア層及びその内側の内ゴム層に伝播するのを抑制することができる。すなわち、外ゴム層がホースクランプの締付動作に良好に追随して縮径するので、外ゴム層が、周方向にずれ又は移動するホースクランプに大きく引きずられるといったことがなく、したがって、内ゴム層には歪が生じにくくなる。
その結果として、断面中間の樹脂のバリア層及び内側の内ゴム層が、全周に亘り均等にホースクランプによる締付力にて縮径することが可能となり、ホースの内周面、即ち内ゴム層の内周面を全周に亘り均等に相手パイプの外周面に密着させることができる。
しかも内ゴム層は外ゴム層に対して硬度の高いゴム材で構成されているため、内ゴム層に僅かな締付けが及ぶだけでも相手パイプの外周面と内ゴム層の内周面との間に高い面圧を発生させることができ、内ゴム層にて相手パイプを全周に亘り強く緊迫することができる。
これによりホース端部と相手パイプとの間に所望の高いシール性を確保することが可能となる。
ここで、内ゴム層は、外ゴム層よりも10度以上高いゴム硬度を有している。あるいは、内ゴム層は、外ゴム層よりも10度以上高いゴム硬度を有することができる。このように構成することにより、外ゴム層を十分柔らかく、かつ、内ゴム層を十分硬く形成することが可能となる。そして、内ゴム層は70度以上のゴム硬度を有し、外ゴム層は75度以下のゴム硬度を有している。あるいは、内ゴム層は70度以上のゴム硬度を有し、外ゴム層は75度以下のゴム硬度を有することができる。内ゴム層のゴム硬度が70度未満では、内ゴム層が柔らかすぎて、ホースをホースクランプで締め付けたときに、相手パイプの外周面と内ゴム層の内周面との間に全周にわたり高い面圧を発生させることができないおそれがある。また、外ゴム層のゴム硬度が75度を超える場合には、外ゴム層が硬すぎて、ホースをホースクランプで締め付けたときに、周方向にずれ又は移動するホースクランプに外ゴム層が大きく引きずられるおそれがある。
上記の現象によるシール不良の発生は、図5に示すねじ式の締付機構と締付バンドとを有するウォームギヤ式のホースクランプにてホース端部を締め付けたときに発生し易く、従って本発明は、このようなホースクランプにて相手パイプにクランプされるフィラーホース等の燃料用ホースに適用して効果の大なるものである。
本発明では外ゴム層が硬度の低い変形性能に富んだ柔らかいゴム材にて構成されているため、引き回し、組み付け性が良好であり、組み付け後においては、エンジン等の外部機器からの共振の影響を受けにくいという効果が得られる。さらには衝突時の安全性も高い。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、10は自動車の燃料注入口から注入された燃料を燃料タンクに輸送するフィラーホース(以下単にホースとする:このホース10はベントホース、エバポホース、ブリーザーホース又はパージホース等の他の燃料用ホースとして使用することもできる)で、一方の軸端から他方の軸端に到るまで燃料に対して低透過性を有する樹脂のバリア層12と、その外側の外ゴム層14と、内側の内面層としての内ゴム層16との積層構造をなしている。
ここでホース10は全体として曲り形状をなしている。
詳しくは、ホース10はホース軸方向の所定部分が曲り部10-1,10-2,10-3
とされており、またホース軸方向の両端部がホース軸方向にストレート形状を成すストレート形状部10-4,10-5とされ、更に曲り部10-1と10-2の間,10-2と10-3の間がそれぞれストレート形状部10-6,10-7とされている。
また一方の端部の内径ID2,外径OD2はそれぞれ他方の端部の内径ID1,外径OD1に対して大径をなしている。
而してホース10は曲り部10-1,10-2,10-3において内径及び外径ともに図
中左方向に向って連続的に拡径している。
本実施形態では、内ゴム層16としてNBRが、バリア層12としてTHVが、また外ゴム層14としてNBR+PVCが用いられている。
ここで各層の密着強度は10N/25mmを超えており、互いに強固に接着をしている。なお、密着強度を評価したサンプルは各層の界面での剥離ではなく母材破壊した状態で剥離している。
内ゴム層16,バリア層12,外ゴム層14は上記の材料の組合せを含めて以下のような材料で構成することができる。
詳しくは、内ゴム層16の材料としてNBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム:アクリロニトリル量30質量%以上),NBR+PVC(アクリロニトリル量30質量%以上),FKM(フッ素ゴム),H-NBR(水素添加NBR)等を好適に用いることがで
きる。
またその肉厚は1.0〜2.5mm程度となしておくことができる。
中間層のバリア層12としては、THV(フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンと四フッ化エチレンとの少なくとも3元共重合体から成る熱可塑性フッ素樹脂),PVDF(ポリビニリデンフルオライド),ETFE(エチレンテトラフルオロエチレンの共重合体),CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン),EVOH(エチレン−ビニルアルコール),PBN(ポリブチレンナフタレート),PBT(ポリブチレンテレフタレート),PPS(ポリフェニレンスルフィド)等を好適に用いることができる。
その肉厚は0.03〜0.3mm程度の肉厚となしておくことができる。
THVはEVOH、PVDFに比べ柔軟であり、樹脂ゴム積層ホースのバリア材として好適である。
ETFE、THVはPTFE、EVOHに比べ、押出加工性が良くゴムとの積層化がし易く、またゴムとの接着性にも優れる。
PBN、PBTはTHVに比べ剛直であるが耐燃料透過性が優れており、THVより薄肉化が可能なため、THVと同様に柔軟なホースが得られる。
他方、外ゴム層14の材料としてはNBR+PVC,ECO(エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム),CSM(クロロスルホン化ポリエチレンゴム),NBR+ACM(アクリルゴム),NBR+EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム),IIR(ブチルゴム),EPDM,IIR+EPDM等の材料を好適に用いることができる。
またその肉厚は1.0〜3.0mm程度となしておくことができる。
本実施形態では、外ゴム層14のゴム硬度が75度以下の範囲内であり、また内ゴム層16のゴム硬度が70度以上の範囲内であり、且つ内ゴム層16のゴム硬度が外ゴム層14のゴム硬度に対し10度以上高い硬度とされている。しかしながら、本実施形態では、内ゴム層16のゴム硬度を外ゴム層14のゴム硬度に対し高い硬度とするが、外ゴム層14のゴム硬度や内ゴム層16のゴム硬度、並びに内ゴム層16のゴム硬度と外ゴム層14のゴム硬度との差を異なる値に設定するといったこともできる。
この例では、ホース10における内ゴム層16が単層とされているが、図3(A)に示しているように内ゴム層16を、最内面の第1層16-1とその外側の第2層16-2との2層積層構造で構成することも可能である。
この4層積層構造のホース10においてもまた、各層の密着強度は10N/25mmを超え、各層が互いに強固に接着をしている。なお、密着強度を評価したサンプルは各層の界面での剥離ではなく母材破壊した状態で剥離している。
この場合において、各層の材料の組合せを以下のような組合せとなすことができる。
即ち第1層16-1の材料としてFKM,NBR(アクリロニトリル量30質量%以上
),NBR+PVC(アクリロニトリル量30質量%以上)を好適に用いることができる。
またその肉厚は0.2〜1mm程度となしておくことができる。
一方第2層16-2の材料としてNBR(アクリロニトリル量30質量%以上),NB
R+PVC(アクリロニトリル量30質量%以上)を好適に用いることができる。
その肉厚は1〜2mm程度となしておくことができる。
図3(A)に示す例においては、例えば第1層16-1の材料としてFKMを用いるこ
とにより、相手パイプに接続した際の締結部からの透過を効果的に抑制できる。すなわち、ホース10全体については中間のバリア層12で内部燃料の外部への透過を抑制し、さらに低透過性のFKMにより締結部分での透過を抑制することができる。
なお、締結部では相手パイプとの挿入性から内ゴム層16は1mm以上の厚肉であることが好ましいが、FKMで内ゴム層16全体を厚肉に構成するとホース10が高価なものになってしまう。しかるに図3(A)の例では第2層16-2をFKMより安価なNBR
(アクリロニトリル量30質量%以上)、又はNBR+PVC(アクリロニトリル量30質量%以上)で構成することができ、且つこれによりホース10を、締結部での燃料透過を抑制しつつホース10を安価とすることができる。
尚中間のバリア層12,外ゴム層14については上記と同様である。
この図3(A)に示す例においても、外ゴム層14はゴム硬度が75度以下、内ゴム層16はゴム硬度が70度以上で、且つ内ゴム層16のゴム硬度が外ゴム層14のゴム硬度よりも10度以上高くしてある。しかしながらここでも、内ゴム層16のゴム硬度を外ゴム層14のゴム硬度に対し高い硬度とするが、外ゴム層14のゴム硬度や内ゴム層16のゴム硬度、並びに内ゴム層16のゴム硬度と外ゴム層14のゴム硬度との差を異なる値に設定するといったことができる。
図3(B)は4層積層構造をなすホース10の他の例を示しており、この例に示すように樹脂のバリア層12と外ゴム層14との間に中間ゴム層13(この中間ゴム層13は外ゴム層の第1層と捉えることもでき、この場合には図3(B)に示す最外層の外ゴム層14は外ゴム層全体における第2層となる)を有する積層構造でホース10を構成することもできる。
この4層積層構造のホース10においてもまた、各層の密着強度は10N/25mmを超え、各層が互いに強固に接着している。なお、密着強度を評価したサンプルは各層の界面での剥離ではなく母材破壊した状態で剥離している。
ここで樹脂のバリア層12と内ゴム層16及び中間ゴム層13との接着は加硫接着であるが、接着剤を用いた接着も可能である。
この場合において、各層の材料を以下のような組合せとすることができる。
すなわち、内ゴム層16の材料としてFKM、NBR(アクリロニトリル量30質量%以上)又はNBR+PVC(アクリロニトリル量30質量%以上)を好適に用いることができる。
またその肉厚は0.2〜1mm程度とすることができる。
中間の樹脂のバリア層12の材料としては,THV,PVDF ETFEなどのフッ素系樹脂、PA6,PA66,PA11,PA12などのポリアミド樹脂を好適に用いることができる。
その肉厚は0.03〜0.3mm程度とすることができる。
一方、中間ゴム層13の材料としてNBR(アクリロニトリル量30質量%以上),NBR+PVC(アクリロニトリル量30質量%以上),ECO,CSM,NBR+ACM,NBR+EPDM,IIR(ブチルゴム),EPDM+IIR、EPDM等を好適に用いることができる。
その肉厚は0.2〜2mm程度とすることができる。
外ゴム層14の材料としては、NBR(アクリロニトリル量30質量%以上),NBR+PVC(アクリロニトリル量30質量%以上),ECO,CSM,NBR+ACM,NBR+EPDM,IIR,EPDM+IIR、EPDMを好適に用いることができる。
その肉厚は1〜3mm程度とすることができる。
なお、肉厚の総計、すなわち図3(B)のホース10の肉厚は、2.5〜6mm程度が適切である。ホース10の肉厚が2.5mmを下回れば、耐燃料(ガソリン)透過性が不十分となるし、ホース10の肉厚が6mmを上回れば、可撓性が不足する。
この図3(B)に示す例においても、外ゴム層14はゴム硬度が75度以下、内ゴム層16はゴム硬度が70度以上で、且つ内ゴム層16のゴム硬度が外ゴム層14のゴム硬度よりも10度以上高くしてある。なお、中間ゴム層13もゴム硬度が75度以下であり、且つ内ゴム層16のゴム硬度が中間ゴム層13のゴム硬度よりも10度以上高くなるように構成できる。しかしながら、内ゴム層16のゴム硬度を外ゴム層14のゴム硬度及び中間ゴム層13のゴム硬度に対し高い硬度とするが、外ゴム層14及び中間ゴム層13のゴム硬度や内ゴム層16のゴム硬度、並びに内ゴム層16のゴム硬度と外ゴム層14のゴム硬度及び中間ゴム層13のゴム硬度との差を異なる値に設定するといったこともできる。
ここで、外ゴム層14(外ゴム層の第2層)や中間ゴム層13(外ゴム層の第1層)にIIR又はEPDM+IIRを用いると、IIR及びEPDM+IIRは耐アルコール性を有しているので、外ゴム層14、中間ゴム層13はガソリン燃料耐透過性を有し、バリア層として機能する。従って、樹脂のバリア層12を薄く形成し、ホース10の可撓性又は柔軟性を高めても、ホース10のガソリン燃料耐透過性が不十分となることはない。
また樹脂のバリア層12に、耐ガソリン透過性に優れたフッ素系樹脂ではなく、安価なポリアミド樹脂を用いても、ホース10のガソリン燃料耐透過性が不十分とならないようにできる。
次に、中間ゴム層13にIIRを用いたホース10を耐ガソリン燃料透過性に関して評価した。評価結果は表1に示されている。
評価は次のようにして行われた。まず、内径が24.4mm、肉厚が4mm及び長さが300mmの4種類のホース試料又は試験片(A)、(B)、(C)、(D)を作成した。
ホース試料(A)は、NBRの内ゴム層16、THV815(Dyneon社製の製品名Dyneon(商標)製品番号THV815(THV))の樹脂のバリア層12、及びNBR+PVCの外ゴム層14の3層構造であり、ホース試料(B)は、NBRの内ゴム層16、THV815の樹脂のバリア層12(肉厚0.11mm)、IIRの中間ゴム層13(外ゴム層の第1層)、及びNBR+PVCの外ゴム層14(外ゴム層の第2層)の4層構造である。
ホース試料(C)は、NBRの内ゴム層16、THV815の樹脂のバリア層12(肉厚0.08mm)、IIRの中間ゴム層13(外ゴム層の第1層)、及びNBR+PVCの外ゴム層14(外ゴム層の第2層)の4層構造であり、ホース試料(D)は、NBRの内ゴム層16、PA11の樹脂のバリア層12、IIRの中間ゴム層13(外ゴム層の第1層)、及びNBR+PVCの外ゴム層14(外ゴム層の第2層)の4層構造である。
ただし、表1の試験片及び厚みの各欄には、樹脂のバリア層12及び中間ゴム層13(ホース試料(A)では樹脂のバリア層12及び外ゴム層14)の材料、厚みのみがそれぞれ示されている。
各々のホース試料(A)、(B)、(C)、(D)の両端部に、R処理した外径25.4mm(最大外径27.4mmのバルジ加工部が2個所に形成されている)の金属製パイプ(相手パイプ)を圧入した。そして、それぞれのホース試料(A)、(B)、(C)、(D)について、一方の金属製パイプに密栓を装着し、他方の金属製パイプから、ホース試料(A)、(B)、(C)、(D)内に試験液(FuelC+エタノール10容量%)を供給した後、他方の金属製パイプにネジ式の密栓を装着し、試験液を各ホース試料(A)、(B)、(C)、(D)に封入して、それぞれのホース試料(A)、(B)、(C)、(D)を、40℃で3000時間保持した(ただし、試験液は168時間後に交換)。そして、SHED法 CARB−DBLパターンで、3日間HC(炭化水素)の透過量を測定し、それぞれのホース試料(A)、(B)、(C)、(D)について、HCの透過量が最大であった日のHCの透過量を求めて透過量とした。
Figure 0005231044
このようにホース10の積層数を4層とし、また各材料の組合せを上記の中から適宜選定することで、輸送流体に対する低透過性をより一層高めることができ、或いはまた燃料輸送ホースにおいて耐サワーガソリン性をより高め、或いは耐熱性、耐アルコールガソリン性を向上させることができる。
上記実施形態は一方の端部が他方の端部に対して大径を成すホースについての例であるが、本発明は一方の端部と他方の端部とが同径を成すホースに対して適用することも可能である。
以上のような本実施形態によれば、ホース10端部を相手パイプに外挿状態に挿し込んだ状態で、その端部をホースクランプにて締め付けたときに、ホース10端部の内周面を相手パイプの外周面に、全周に亘り均等且つ所要の面圧で密着状態に圧接することができ、所望のシール性を確保することができる。
本実施形態では、外ゴム層14(あるいは外ゴム層14及び中間ゴム層13)が硬度の低い変形性能に富んだ柔らかいゴム材にて構成されているため、ホース10端部をホースクランプにて外周面から締め付けたときに、外ゴム層14(あるいは外ゴム層14及び中間ゴム層13)がホースクランプの締付動作に良好に追従変形することによって外周面に発生する歪みを吸収し、かかる歪みが外ゴム層14(あるいは外ゴム層14及び中間ゴム層13)を介して断面中間の硬い樹脂のバリア層12及び内側の内ゴム層16に伝播するのを抑制することができる。
その結果として、断面中間の樹脂のバリア層12及びその内側の内ゴム層16が、全周に亘り均等にホースクランプによる締付力にて縮径することが可能となり、ホースの内周面、即ち内ゴム層16の内周面を全周に亘り均等に相手パイプの外周面に密着させることができる。
しかも内ゴム層16は外ゴム層14(あるいは外ゴム層14及び中間ゴム層13)に対して硬度の高いゴム材で構成されているため、内ゴム層16に僅かな締付けが及ぶだけでも相手パイプの外周面と内ゴム層16の内周面との間に高い面圧を発生させることができ、内ゴム層16にて相手パイプを全周に亘り強く緊迫することができる。
これによりホース10端部と相手パイプとの間に所望の高いシール性を確保することが可能となる。
図1及び図2に示す積層構造のホース10における外ゴム層14,内ゴム層16のゴム硬度を種々変化させてシール性,ホース接続の際の挿入性,燃料(ガソリン)透過性等の特性を測定し、評価した。その結果が表2,表3に示してある。
尚シール性については初期の特性のほかに、FuelC+E10を封入後60℃で168時間保持した後、続いて液を廃却し、100℃に500時間保持し、熱による負荷をかけた後のシール性についても併せて測定し、評価を行った。
ここで使用燃料は、イソオクタン:トルエン:エタノールを45重量%:45重量%:10重量%の混合比で混合したものを用いた。
尚、樹脂のバリア層12については表2及び表3の何れにおいてもJIS K7171で規定す
る曲げ弾性率が500MPaである。
上記のシール性,挿入性,耐燃料透過性の各特性については具体的には以下のようにして試験を行った。
<シール性>
フィラーホースの開口をバルジ(環状膨出部)付のSUS製金属栓(バルジ径27.0mm,外径25.4mm)で閉じ、ウォームギヤ式(ねじ締付け式)のホースクランプにより2N・mのトルクで締め付けた後、80℃,−40℃雰囲気下にて1時間以上放置した後、昇圧速度毎分0.1MPaにて窒素を供給し、金属栓からの窒素の洩れを調べて評価を行った。
<挿入性>
フィラーホースを50mmの長さに切断し、バルジ付のSUS製金属栓(バルジ径27.0mm,外径25.4mm)に荷重測定機(ロードセル)を取り付け、試験速度毎分50mmの一定速度,室温下にて、パイプ(相手パイプ)をホースへ挿入し、その際の荷重を求めて挿入性の評価とした。
<燃料(ガソリン)透過性>
フィラーホースに燃料を封入し、バルジ付のSUS製金属栓(バルジ径27.0mm,外径25.4mm)で閉じ、ウォームギヤ式のホースクランプにより2N・mのトルクで締め付けた後、40℃雰囲気下で168時間ごとに測定と封入液交換とを繰り返し、2000時間まで継続し、重量減少を求めた。
Figure 0005231044
Figure 0005231044
表2において外ゴム層,内ゴム層の各ゴム硬度が基本条件(内ゴム層が外ゴム層よりも高いゴム硬度を有していること)を満たしていないもの(比較例1乃至比較例3)ではシール性,燃料透過性,挿入性の少なくとも1つが不十分である。特にシール性及びガソリ
ン透過性については、すべてが目標値に達していない。
これに対して内ゴム層,外ゴム層の各ゴム硬度が追加条件(好ましいゴム硬度の条件:内ゴム層が外ゴム層よりも10度以上高いゴム硬度を有していること、あるいは、内ゴム層が外ゴム層よりも10度以上高いゴム硬度を有し、かつ、内ゴム層が70度以上のゴム硬度で外ゴム層が75度以下のゴム硬度であること)を満たしているもの(実施例1乃至実施例3)ではそれら何れの特性も良好である。
尚、外ゴム層のゴム硬度が65度、内ゴム層のゴム硬度が70度のもの(ここでは追加条件を基準とし、比較例(比較例4)として記載)は、追加条件を満たしていないにも拘わらずシール試験では目標値を満たしている。但しガソリン透過性の試験については目標値を下回る値となっている。
このガソリン透過試験では、シール試験では検出できないような僅かなシール性の不良個所があった場合でもガソリンの漏れを生じ、従ってこのガソリン透過性の試験は同時にシール性の試験でもあり、特に僅かなシール漏れを検出する試験でもある。
この意味において、ガソリン透過性の試験の結果の悪い、外ゴム層のゴム硬度が65度,内ゴム層のゴム硬度が70度のものはシール性が尚十分でないことを表してはいるが、ガソリン透過性が劣っていても、シール性が目標値を上回っていれば、許容範囲内のホースと考えることもできる。
この点は外ゴム層のゴム硬度が70度で、内ゴム層のゴム硬度が75度のもの(追加条件を基準とし、比較例(比較例5)として記載)も同様である。
比較例4及び5は、比較例として記載されていても、請求の範囲から当然に除外されるといったものではない。
また表3においても内ゴム層,外ゴム層の各ゴム硬度が追加条件を満たしていないものではガソリン透過性の試験の結果が悪く、シール性が不十分なものである。
これに対しゴム硬度が追加条件を満すもの(実施例4及び実施例5)は何れの特性も良好である。
尚、表2と表3とで燃料透過性についての目標値が異なっている(表2では10以下、表3では5以下となっている)のは、表3に示すフィラーホースは内ゴム層をFKM材で構成し、内ゴム層をNBR+PVCとした表2のフィラーホースに対して、燃料透過量の規制をより厳しくした高級グレードのものであり、そのために表3では目標値を5以下としている。但しコスト的には当然に表3に示すフィラーホースが高価となる。そして、ここでは、基本条件(内ゴム層が外ゴム層よりも高いゴム硬度を有していること)を満たしていないもの(比較例6)が、基本条件を満たしているが追加条件を満たしていないもの(比較例7及び比較例8、比較例7及び8は、比較例として記載されていても、請求の範囲から当然に除外されるといったものではない)と、ガソリン透過性の試験において、同様の結果を示している(むしろ好ましい結果を示している)。比較例6乃至比較例8はすべて、シール性が目標値を上回っているので、許容範囲内のホースと考えることができるが、これは、内ゴム層がFKMのようなガソリン不透過性に優れた材質の場合には、単に内ゴム層を外ゴム層よりも高いゴム硬度のものとしても、ガソリン透過性の試験結果は改善されないことを示しているものとも考えることができる。すなわち、内ゴム層がFKMのような高いガソリン不透過性を有しない材質の場合(例えば、NBR+PVC製の場合)、内ゴム層を外ゴム層よりも高いゴム硬度のものとすると、ガソリン不透過性は効果的に改善される、と考えることもできる。なお、表2及び表3において、AN=43及びAN=37.5は、アクリロニトリル量43質量%及びアクリロニトリル量37.5質量%を意味する。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態のフィラーホース又は燃料用ホースは蛇腹部を有していないが、場合によってこのような蛇腹部を設けたフィラーホース又は燃料用ホースに対して本発明を適用することも可能であるし、また外ゴム層をゴム層2層若しくはそれ以上積層した形態で構成してなるフィラーホース又は燃料用ホースに対して本発明を適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態のフィラーホースの一部を切り欠いて示す斜視図である。 同実施形態のフィラーホースの全体図である。 本発明の他の実施形態のフィラーホースの図である。 従来のフィラーホースの一例を示す図である。 ホースクランプを示した図である。 従来の曲り形状のホースの一般的な製造方法を示す図である。 本願の先願に係るフィラーホースの一例を比較例として示した図である。
符号の説明
10 フィラーホース
12 バリア層
14 外ゴム層
16 内ゴム層

Claims (5)

  1. 自動車の燃料配管に用いられる燃料用ホースであって、
    燃料に対して低透過性を有する樹脂材製のバリア層と、このバリア層の外側の外ゴム層と、前記バリア層の内側のホース内面層としての内ゴム層と、を有する積層構造を全長にわたって備えていて、
    前記内ゴム層は、前記外ゴム層よりも高いゴム硬度を有し
    前記燃料用ホースは、ホース軸方向の一部に曲り部を有し、一方の端部が他方の端部に対して大径をなし、かつ、前記曲り部が一方側に向かって連続的に拡径する形状をなしている、ことを特徴とする燃料用ホース。
  2. 前記内ゴム層は、前記外ゴム層よりも10度以上高いゴム硬度を有している、ことを特徴とする請求項1記載の燃料用ホース。
  3. 前記内ゴム層は70度以上のゴム硬度を有し、前記外ゴム層は75度以下のゴム硬度を有している、ことを特徴とする請求項2記載の燃料用ホース。
  4. 前記曲り部は、ホース軸方向の複数箇所に形成されている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の燃料用ホース。
  5. 自動車の燃料タンクに燃料を輸送するフィラーホースであって、
    一方の軸端から他方の軸端に到るまで、燃料に対して低透過性を有する樹脂のバリア層と、該バリア層の内側のホース内面層を構成する内ゴム層と、該バリア層の外側の外ゴム層との積層構造をなしており、該外ゴム層はゴム硬度が75度以下、該内ゴム層はゴム硬度が70度以上で、且つ該内ゴム層のゴム硬度が該外ゴム層のゴム硬度よりも10度以上高くしてあり、
    前記フィラーホースは、ホース軸方向の一部に曲り部を有し、一方の端部が他方の端部に対して大径をなし、かつ、前記曲り部が一方側に向かって連続的に拡径する形状をなしている、ことを特徴とするフィラーホース。
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