JP7004498B2 - 書き味向上フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、タッチペンが使用されるタッチパネルの最表層を構成する書き味向上フィルムに関するものである。
近年、各種電子機器において、表示装置と入力手段とを兼ねたタッチパネルが多く利用されている。このようなタッチパネルにおいては、指により入力を行うもの以外にも、タッチペンにより入力を行うものがあり、タッチペンによれば、指よりも細かく精度の高い入力作業が可能である。しかしながら、通常、タッチパネルの表示モジュールは硬質である。そのため、タッチペンによる書き味は、鉛筆やペン等で紙に書くときの書き味と異なり、良好とはいい難い。
タッチパネルにおけるタッチペンによる書き味の問題を解決するために、タッチパネルの最表面に、書き味を向上させるフィルム(以下、「書き味向上フィルム」と称する場合がある。)を貼付することが検討されている。そのようなフィルムとして、例えば、特許文献1は、透明基材フィルムと、この透明基材フィルムの少なくとも一方の面で網目構造を形成する線状凸部とを含み、網目構造が規則的に配列された複数の区画を有し、かつ線状凸部が触感フィルム表面全体に対して5~80%の面積を占める触感フィルム、を開示する。
また、特許文献2は、JIS B0610に準拠した転がり円最大高さうねり(WEM)が15μm以上である表面形状を有する触感改良フィルムであって、表面形状を形成するための微粒子を含まない触感改良フィルム、を開示する。
特開2015-054417号公報 特開2014-137640号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示された発明では、ペン先に引っ掛かり感や滑り感が発生したり、筆記の際の音や振動が、鉛筆やペン等で紙に筆記した場合と異なったりして、鉛筆やペン等で紙に筆記したときの書き味を十分に得ることはできなかった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、タッチペンによる書き味に優れる書き味向上フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、表面における10925.76μmの面積の範囲内に、高さが1μm以上、3μm以下であり、かつ、平面方向の断面の最大断面積が10.2μm以上である突起が、8個以上、30個以下存在するとともに、高さが0μm超、1μm未満である突起が、20個以上存在する書き味向上層を有することを特徴とする書き味向上フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る書き味向上フィルムは、表面(タッチペンが接触する面)に上記のような突起が存在する書き味向上層を有することにより、タッチペンによる書き味に、好ましい抵抗感・摩擦感が付与される。これらの感覚が相俟って、タッチペンの書き味が、鉛筆やペン等で紙に書くときの感覚に近くなり、優れたものとなる。
上記発明(発明1)においては、前記書き味向上層が、硬化性成分と、微粒子とを含有するコーティング組成物を硬化させてなる層であることが好ましい(発明2)。
本発明に係る書き味向上フィルムは、タッチペンによる書き味に優れる。
本発明の一実施形態に係る書き味向上フィルムの断面図である。 実施例1における書き味向上フィルムの書き味向上層の表面の光干渉式表面形状観察装置(VSIモード)による観察画像(カラー)である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る書き味向上フィルム1は、タッチペンが使用されるタッチパネルの最表層を構成するフィルムであり、好ましくは、図1に示すように、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の面に形成された書き味向上層12とからなる。ただし、本実施形態に係る書き味向上フィルム1は、単層または3層以上からなるものであってもよい。
1.物性
本実施形態に係る書き味向上フィルム1の書き味向上層11の表面(タッチペンが接触する面;以下「書き味向上フィルム1の表面」という場合がある。)には、当該表面における10925.76μmの面積の範囲内に、高さが1μm以上、3μm以下であり、かつ、書き味向上フィルム1の平面方向の断面の最大断面積が10.2μm以上である突起(以下「大突起」という場合がある。)が、8個以上、30個以下存在するとともに、高さが0μm超、1μm未満である突起(以下「小突起」という場合がある。)が、20個以上存在する。なお、「書き味向上フィルムの平面方向の断面の最大断面積」とは、平面視において当該突起を囲うことができる最小の形状の面積をいうものとする。
上記のように、書き味向上フィルム1の表面に、大突起および小突起がそれぞれ上記の密度で存在すると、通常、大突起同士の谷の部分に小突起が位置するようになる。書き味向上フィルム1の表面がかかる形状を有すると、タッチペンによる書き味に、好ましい抵抗感・摩擦感が付与される。これらの感覚が相俟って、タッチペンの書き味が、鉛筆やペン等で紙に書くときの感覚に近くなり、優れたものとなる。
なお、タッチペンとしては、例えば、ペン先直径が0.1~5mmのハードフェルト芯のタッチペンの他、ポリアセタール芯のタッチペンなどを使用することができ、いずれのタッチペンを使用しても、上記の効果が得られる。また、本明細書において書き味の基準とする「ペン」には、ボールペン、フェルトペン、万年筆等が含まれるが、好ましくは万年筆を基準とする。
上記の効果の観点から、書き味向上フィルム1の表面における10925.76μmの面積の範囲内に、大突起が、8個以上存在することが好ましく、特に9個以上存在することが好ましい。とりわけ、紙への鉛筆の書き味を得る観点からは、11個以上存在することが好ましい。一方、上記大突起は、30個以下存在することが好ましく、特に20個以下存在することが好ましい。また、上述のとおり、最大断面積が10.2μm以上の突起を大突起と分類するが、存在する突起の当該最大断面積の上限値は特に制約されない。しかしながら、上記大突起の最大断面積は、書き味のバラツキを無くす観点から、400μm以下であることが好ましく、特に300μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。
同様に優れた書き味を得る観点から、書き味向上フィルム1の表面における10925.76μmの面積の範囲内に、小突起が、15個以上存在することが好ましく、特に20個以上存在することが好ましく、さらには35個以上存在することが好ましい。とりわけ、紙への万年筆の書き味を得る観点からは、50個以上存在することが好ましい。また、上記小突起は、100個以下存在することが好ましく、特に75個以下存在することが好ましい。上記小突起の最大断面積は、0.03μm以上であることが好ましく、特に0.3μm以上であることが好ましく、さらには0.5μm以上であることが好ましい。一方、上記小突起の最大断面積は、11μm以下であることが好ましく、特に10μm以下であることが好ましく、さらには8μm以下であることが好ましい。
上記の大突起および小突起は、書き味向上フィルム1の表面について、光干渉式表面形状観察装置を使用した垂直走査干渉測定法により、91.2μm×119.8μmの範囲の観察画像にて取得される突起であることが好ましい。すなわち、上記の大突起および小突起の高さ、最大断面積および個数は、光干渉式表面形状観察装置を使用した垂直走査干渉測定法により、91.2μm×119.8μmの範囲の観察画像にて測定されたものであることが好ましい。具体的な装置および測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
なお、高さが1μm以上、3μm以下であり、かつ、書き味向上フィルム1の平面方向の断面の最大断面積が10.2μm未満である突起は、存在しない方が好ましい。筆記の際に、当該突起が剥がれ落ちて書き味が変化するおそれがあるからである。
本実施形態に係る書き味向上フィルム1は、ペン摺動試験における所定の特性について、所定の範囲にあることが好ましい。具体的には、書き味向上フィルム1の書き味向上層12の表面に対し、ペン先直径0.5mmのハードフェルト芯のタッチペンのペン先を荷重3.92Nの加圧条件で垂直方向に接触させ、書き味向上層12の表面と平行な任意の一方向に速度100mm/分で移動させながらペン先抵抗力(mN)を測定し、移動距離(mm)-ペン先抵抗力(mN)のチャートを得る。得られた移動距離(mm)-ペン先抵抗力(mN)のチャートを、Excel(登録商標;マイクロソフト社製ソフトウエア)によってフーリエ変換し、周波数(Hz)-振幅(-)チャートを得る。得られた周波数(Hz)-振幅(-)チャートから、周波数1~2Hzの範囲における振幅の平均値、最大値およびピーク数を求める。それぞれが以下に示す範囲にあると、書き味向上フィルム1の書き味が、より優れたものとなる。
ここで、「ペン先抵抗力」とは、上記の条件でタッチペンを移動させた際に、ペン先にかかる抵抗力をいう。また、上記「振幅の平均値」は、周波数1~2Hzの範囲におけるピークの極大値および極小値の総和をとり、それらの個数で除した値をいう。さらに、上記「ピーク数」は、周波数1~2Hzの範囲における振幅1.5以上のピーク数をいう。
上記振幅の平均値は、1.2以上であることが好ましく、特に1.3以上であることが好ましい。とりわけ、紙への鉛筆の書き味を得る観点から、1.5以上であることが好ましい。また、上記振幅の平均値は、10以下であることが好ましく、特に8以下であることが好ましく、さらには4以下であることが好ましい。上記振幅の最大値(最大振幅値)は、1.0以上であることが好ましく、特に2.0以上であることが好ましく、さらには2.6以上であることが好ましい。とりわけ、紙への万年筆の書き味を得る観点から、3.0以上であることが好ましい。また、上記振幅の最大値は、10以下であることが好ましく、特に8以下であることが好ましく、さらには5以下であることが好ましい。上記振幅のピーク数(振幅数)は、3以上であることが好ましく、特に5以上であることが好ましく、さらには7以上であることが好ましい。また、上記振幅のピーク数は、30以下であることが好ましく、特に25以下であることが好ましく、さらには15以下であることが好ましい。
上記の移動距離(mm)-ペン先抵抗力(mN)のチャートの具体的な取得方法は、後述する試験例に示す通りである。
2.各部材
(1)書き味向上層
(1-1)書き味向上層の材料
本実施形態における書き味向上フィルム1の書き味向上層12は、前述した物性、すなわち前述した大突起および小突起により形成される表面形状を有するものであれば、いかなる材料から形成されてもよいが、好ましくは、以下に説明するコーティング組成物Cを硬化させることにより形成される。コーティング組成物Cによれば、上記の物性を満たす書き味向上層12を形成し易い。
本実施形態におけるコーティング組成物Cは、硬化性成分と、微粒子とを含有することが好ましい。
(1-1-1)硬化性成分
硬化性成分は、活性エネルギー線や熱等のトリガーによって硬化する成分であり、例えば、活性エネルギー線硬化性成分、熱硬化性成分等が挙げられる。本実施形態では、形成される書き味向上層12の硬度や、基材フィルム11の耐熱性等の観点から、活性エネルギー線硬化性成分を使用することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性成分としては、活性エネルギー線の照射により硬化して所定の硬度を発揮し、かつ微粒子との関係で前述した物性を達成できるものが好ましい。
具体的な活性エネルギー線硬化性成分としては、多官能性(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリレート系プレポリマー、活性エネルギー線硬化性ポリマー等が挙げられるが、中でも多官能性(メタ)アクリレート系モノマーおよび/または(メタ)アクリレート系プレポリマーであることが好ましく、多官能性(メタ)アクリレート系モノマーであることがより好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系モノマーおよび(メタ)アクリレート系プレポリマーは、それぞれ単独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
多官能性(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(メタ)アクリレート系プレポリマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等のプレポリマーが挙げられる。
ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。
ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリオールアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
以上のプレポリマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、活性エネルギー線硬化性成分として、有機無機ハイブリッド樹脂を使用することも好ましい。有機無機ハイブリッド樹脂としては、シリカ微粒子に、シランカップリング剤などを介して、重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させてなる物質が好ましく挙げられる。なお、有機無機ハイブリッド樹脂が含有するシリカ微粒子は、シリカゾルとしてバインダーの機能を有しており、後述する微粒子には含まれないものとする。
有機無機ハイブリッド樹脂を使用すると、シリカゾルの作用により、前述した大突起および小突起により形成される表面形状が得られ易くなる。そのため、後述する微粒子として、球状の有機系微粒子を使用しても、当該表面形状が得られ易く、それにより、形成される書き味向上層12の光学特性を良好なものにすることができる。
(1-1-2)微粒子
微粒子は、無機系微粒子および有機系微粒子のいずれであってもよい。例えば、書き味向上層12に高い表面硬度を付与する観点からは、無機系微粒子が好ましく、書き味向上層12の光学特性をより高くする観点からは、有機系微粒子が好ましい。また、微粒子の形状は球状であってもよいし、非球状であってもよい。非球状である場合には、不定形であってもよいし、針状、鱗片状といったアスペクト比が高い形状であってもよい。ここでいう「不定形」とは、球状や楕円形状のような規則的な形状ではなく、不規則な多数の角部または面を有する形状をいう。なお、微粒子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態では、前述した大突起および小突起により形成される表面形状を得るために、平均粒径0.5μm以上、15μm以下の不定形微粒子か、平均粒径1.7μm以上、15μm以下の球状微粒子を使用することが好ましい。不定形微粒子は、通常、無機系微粒子である。球状微粒子は、無機系微粒子および有機系微粒子のいずれであってもよいが、光学特性の観点からは、有機系微粒子が好ましい。なお、鉛筆の書き味を得る観点からは、不定形微粒子が好ましく、万年筆の書き味を得る観点からは、球状微粒子が好ましい。
無機系微粒子としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物;フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物などからなる微粒子が挙げられる。上記の中でも、光学特性への影響が少ない点からシリカおよび酸化アルミニウムが好ましく、特にシリカが好ましく、さらには不定形のシリカが好ましい。なお、無機系微粒子の表面は、有機化合物等によって化学修飾されていてもよい。
有機系微粒子としては、例えば、シリコーン系微粒子、メラミン系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子(例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子等)、アクリル-スチレン系共重合体微粒子、ポリカーボネート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリスチレン系微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子などが挙げられる。それらの樹脂は、架橋されていてもよい。上記の中でも、光学特性および硬度の観点から、アクリル系樹脂微粒子が好ましく、特にポリメチルメタクリレート樹脂微粒子が好ましく、さらには球状のポリメチルメタクリレート樹脂微粒子が好ましく、真球状の架橋ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子が最も好ましい。
不定形微粒子の平均粒径は、0.5μm以上であることが好ましく、特に0.75μm以上であることが好ましく、さらには1.0μm以上であることが好ましい。また、不定形微粒子の平均粒径は、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、特に8μm以下であることが好ましく、さらには4.0μm以下であることが好ましい。不定形微粒子の平均粒径が上記の範囲にあることにより、前述した大突起および小突起により形成される表面形状が得られ易い。なお、本明細書における微粒子の平均粒径は、ゼータ電位測定法によって一次粒径を測定したものとする。
球状微粒子の平均粒径は、1.7μm以上であることが好ましく、特に2.0μm以上であることが好ましく、さらには2.5μm以上であることが好ましい。また、球状微粒子の平均粒径は、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、特に8μm以下であることが好ましく、さらには5μm以下であることが好ましい。球状微粒子の平均粒径が上記の範囲にあることにより、前述した大突起および小突起により形成される表面形状が得られ易い。
上記微粒子の粒度分布については、書き味向上層12が前述の表面形状を形成する観点から、下記の式で示される粒径の変動係数(CV値)が、20%以上であることが好ましく、特に40%以上であることが好ましく、さらには70%以上であることが好ましい。また、同様の観点から、上記CV値は、200%以下であることが好ましく、特に175%以下であることが好ましく、さらには100%以下であることが好ましい。
粒径の変動係数(CV値)(%)=(標準偏差粒径/平均粒径)×100
なお、粒径の変動係数(CV値)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製,製品名「LA-920」)によって測定した値とする。
コーティング組成物C中における微粒子の含有量は、3質量%以上であることが好ましく、特に7質量%以上であることが好ましく、さらには10質量%以上であることが好ましい。また、上記微粒子の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、特に30質量%以下であることが好ましく、さらには15質量%以下であることが好ましい。微粒子の含有量が上記の範囲にあることにより、前述した大突起および小突起により形成される表面形状が得られ易い。
(1-1-3)光重合開始剤
上記活性エネルギー線硬化性成分を硬化させるための活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、コーティング組成物Cは、光重合開始剤を含有することが好ましい。このように光重合開始剤を含有することにより、活性エネルギー線硬化性成分を効率良く重合させることができ、また重合硬化時間および紫外線の照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤としては、例えば、ベンソイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリ-ブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p-ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コーティング組成物C中における光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、下限値として0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.1質量部以上であることが好ましく、さらには1質量部以上であることが好ましい。また、上限値として20質量部以下であることが好ましく、特に10質量部以下であることが好ましく、さらには5質量部以下であることが好ましい。
(1-1-4)その他の成分
コーティング組成物Cは、前述した成分以外に、各種添加剤を含有してもよい。各種添加剤としては、例えば、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、消泡剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等が挙げられる。
(1-2)書き味向上層の厚さ
書き味向上層12の厚さは、下限値として、0.5μm以上であることが好ましく、特に0.7μm以上であることが好ましく、さらには1.0μm以上であることが好ましい。書き味向上層12の厚さの下限値が上記であることにより、前述した物性が満たされ易くなるとともに、良好な耐擦傷性が得られる。また、書き味向上層12の厚さは、上限値として、20μm以下であることが好ましく、特に15μm以下であることが好ましく、さらには10μm以下であることが好ましい。書き味向上層12の厚さの上限値が上記であることにより、前述した物性が満たされ易くなる。
(2)基材フィルム
基材フィルム11としては、タッチペンが使用されるタッチパネル用として適したものから適宜選択すればよく、好ましくは書き味向上層12と親和性の良好なプラスチックフィルムを選択する。
かかるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルぺンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等のプラスチックフィルムまたはそれらの積層フィルムが挙げられる。中でも、前述した書き味向上層12との組み合わせにおいて、タッチペンの書き味を良好に維持することのできるポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系重合体フィルム等が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、上記基材フィルム11においては、その表面に設けられる層(書き味向上層12、後述する粘着剤層等)との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、プライマー処理、酸化法、凹凸化法等により表面処理を施すことができる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルム11の種類に応じて適宜選ばれる。一例として、プライマー処理により易接着層を形成したプラスチックフィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
基材フィルム11の厚さは、15~300μmであることが好ましく、特に30~200μmであることが好ましく、さらには90~150μmであることが好ましい。
3.書き味向上フィルムの製造方法
本実施形態に係る書き味向上フィルム1は、書き味向上層12形成用のコーティング組成物、好ましくはコーティング組成物Cと、所望により溶剤とを含有する塗工液を基材フィルム11に対して塗布し、硬化させて書き味向上層12を形成することにより製造することができる。
溶剤は、塗工性の改良、粘度調整、固形分濃度の調整等のために使用することができ、硬化性成分等が溶解し、微粒子等が分散するものであれば、特に限定なく使用できる。
溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソロブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソロブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソロブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。
コーティング組成物の塗工液の塗布は、常法によって行えばよく、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法によって行えばよい。コーティング組成物の塗工液を塗布したら、塗膜を40~120℃で30秒~5分程度乾燥させることが好ましい。
コーティング組成物Cのようにコーティング組成物が活性エネルギー線硬化性の場合、コーティング組成物の硬化は、コーティング組成物の塗膜に対して紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射することによって行う。紫外線照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができ、紫外線の照射量は、照度50~1000mW/cm、光量50~1000mJ/cm程度が好ましい。一方、電子線照射は、電子線加速器等によって行うことができ、電子線の照射量は、10~1000krad程度が好ましい。
4.その他
本実施形態に係る書き味向上フィルム1は、書き味向上層12が最表面となり、基材フィルム11と書き味向上層12とを有するものが好ましく、書き味向上層12と基材フィルム11との間、または基材フィルム11の書き味向上層12と接しない側の面に、さらに他の層を有していてもよい。例えば、基材フィルム11の書き味向上層12と接しない側の面には粘着剤層が形成されてもよいし、さらには粘着剤層に剥離シートが積層されてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤など公知の粘着剤を使用することができる。
また、本実施形態に係る書き味向上フィルム1は、表面形状が前述した要件を満たす限り、単層からなるもの、例えば単層からなるフィルム(樹脂フィルム)、ガラスフィルム等であってもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、書き味向上フィルム1における基材フィルム11と書き味向上層12との間には、他の層が介在してもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
硬化性成分としての多官能ウレタンアクリレート(荒川化学工業社製,製品名「ビームセット575CB」)100質量部(固形分換算値を表す。以下、その他の成分についても同様とする。)と、平均粒径1.5μmの不定形シリカ微粒子(CV値88%)15質量部と、光重合開始剤としての1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5質量部とを混合し、コーティング組成物を得た。そのコーティング組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し、塗工液を調製した。
基材フィルムとしての易接着層付きポリエステルフィルム(東洋紡社製,製品名「コスモシャインA4300」,厚さ:125μm)の易接着層側の面に、上記で得られた塗工液を塗布し、70℃で1分間乾燥させた。次いで、大気下にて、紫外線照射装置(ジーエスユアサコーポレーション社製,製品名「窒素パージ小形コンベア式UV照射装置CSN2-40」)により下記の条件で紫外線を照射して、厚さ5μmの書き味向上層を形成し、書き味向上フィルムを得た。
[紫外線照射条件]
・光源:高圧水銀灯
・ランプ電力:1.4kW
・コンベアスピード:1.2m/min
・照度:100mW/cm
・光量:240mJ/cm
なお、上記書き味向上フィルムにおける書き味向上層の厚さは、定圧厚さ計(ニコン社製,製品名「MH-15M」)を使用して、書き味向上フィルムの総厚を測定し、当該総厚から基材フィルムの厚さを差し引くことにより算出した。
〔実施例2~4,比較例1~3〕
コーティング組成物の材料および配合比、ならびに書き味向上層の厚さを表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして書き味向上フィルムを作製した。
ここで、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
A:多官能ウレタンアクリレート(荒川化学工業社製,製品名「ビームセット575CB」)
B:有機無機ハイブリッド樹脂(荒川化学工業社製,製品名「オプスターZ7530」,シリカ微粒子にアクリロイル基を結合させてなる物質と多官能性(メタ)アクリレート系モノマーとの混合品)
C:平均粒径1.5μmの不定形シリカ微粒子(CV値:88%)
D:平均粒径3μmの不定形シリカ微粒子(CV値:45%)
E:平均粒径4.5μmの不定形シリカ微粒子(CV値:35%)
F:平均粒径3μmの真球状架橋ポリメチルメタクリレート(CV値:32%)
G:平均粒径1.5μmの真球状架橋ポリメチルメタクリレート(CV値:23%)
H:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
〔試験例1〕(表面形状の測定)
実施例および比較例で製造した書き味向上フィルムの書き味向上層の表面について、光干渉式表面形状観察装置(Veeco社製,製品名「WYKO-1100」)を使用し、垂直走査干渉測定法(VSIモード)により、10倍率にて、91.2μm×119.8μmの範囲の観察画像を観察した。そして、高さが1μm以上、3μm以下であり、かつ、最大断面積が10.2μm以上である突起(大突起)の個数、および高さが0μm超(ノイズレベルの凹凸を排除すべく、より具体的には0.2μm程度以上)、1μm未満である突起(小突起)の個数をそれぞれ数えた。結果を表2に示す。なお、参考までに、実施例1で得られた書き味向上フィルムの書き味向上層の表面の観察画像を図2に示す。
〔試験例2〕(ペン摺動試験)
実施例および比較例で製造した書き味向上フィルムを、書き味向上層側を上にしてガラス基板上に載置した。その書き味向上層表面に対し、ペン先直径0.5mmのハードフェルト芯のタッチペン(ワコム社製,製品名「ACK-2003」)のペン先を、荷重3.92Nの加圧条件で垂直方向(ペン先の軸心が書き味向上層の表面に対して垂直となる方向)に接触させながら、書き味向上フィルムの表面と平行な任意の一方向に速度100mm/分で移動させた。なお、上記タッチペンは測定専用台車に取り付け、当該台車を移動させることにより、タッチペンを書き味向上層上にて摺動させた。
移動時のペン先抵抗力を万能試験機(オリエンテック社製,製品名「テンシロン」)を用いて測定し、移動距離(mm)-ペン先抵抗力(mN)のチャートを得た。そして、得られた移動距離(mm)-ペン先抵抗力(mN)のチャートを、ソフトウエア(マイクロソフト社製,製品名「Excel」)によってフーリエ変換し、周波数(Hz)-振幅(-)チャートを得た。当該周波数(Hz)-振幅(-)チャートから、周波数1~2Hzの範囲における振幅の平均値、最大値(最大振幅値)およびピーク数(振幅数)を求めた。結果を表2に示す。
〔試験例3〕(書き味の官能評価)
実施例および比較例で製造した書き味向上フィルムを、書き味向上層側を上にしてガラス基板上に載置した。その書き味向上層表面に対し、パネラーが、ペン先直径0.5mmのハードフェルト芯のタッチペン(ワコム社製,製品名「ACK-2003」)を使用して模擬的に所定の筆記作業をして、以下の書き味を評価した。結果を表1に示す。なお、各書き味の評価は、5枚重ねの紙(コクヨS&T社製,製品名「キャンパスノートA罫 ノ-201A」)に鉛筆(三菱鉛筆社製,製品名「三菱鉛筆ユニ B」)または万年筆(S.T.デュポン社製,製品名「ラインD 410674 ブラックラッカー&パラディウム」)を用いて書いた際の書き味を基準として行った。
(1)ペン先流れ感
書き味としてのペン先流れ感を、下記基準に沿って評価した。
◎:ペン先が流れない
○:ペン先がやや流れる
×:ペン先が流れすぎる
(2)ペン先引っ掛かり感
書き味としてのペン先引っ掛かり感を、下記基準に沿って評価した。
◎:ペン先の引っ掛かり感が気にならない
○:ペン先の引っ掛かり感がやや残る
×:ペン先が引っ掛かりすぎる
(3)振動
書き味としての振動を、下記基準に沿って評価した。
◎:手に適度な振動が伝わる
○:手に振動が伝わるが物足りない
×:手に伝わる振動が小さすぎるか、または、大きすぎる
(4)引掻き音
書き味としての引掻き音を、下記基準に沿って評価した。
◎:十分にサラサラと音が聞こえる
○:サラサラとした音が聞こえるが、やや小さい
△:サラサラとした音が僅かに聞こえる
×:サラサラとした音が聞こえない
なお、実施例4の書き味向上フィルムについては、鉛筆の書き味ではなく、万年筆の書き味として良好であった。万年筆の場合、筆記音がほとんどしないので、表2中の実施例4では引掻き音が「-」となっている。
〔試験例4〕(ヘイズ値・全光線透過率の測定)
実施例および比較例で製造した書き味向上フィルムのヘイズ値(%)および全光線透過率(%)を、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名「NDH-2000」)を用い、JIS K7136:2000に準拠して測定した。なお、好適な書き味を得る観点から、ヘイズ値は7.5%以上であることが好ましく、9%以上であることがより好ましく、15%以上であることが特に好ましい。また、ペン先引っ掛かり感等を得ない観点から、ヘイズ値は30%以下であることが好ましい。一方、全光線透過率は、80%以上であることが好ましい。結果を表1に示す。
Figure 0007004498000001
Figure 0007004498000002
表2から明らかなように、実施例で製造した書き味向上フィルムは、タッチペンによる書き味に優れ、また、光学特性にも優れるものであった。
本発明の書き味向上フィルムは、タッチペンが使用されるタッチパネルの最表層として好適に用いられる。
1…書き味向上フィルム
11…基材フィルム
12…書き味向上層

Claims (2)

  1. 表面における10925.76μmの面積の範囲内に、高さが1μm以上、3μm以下であり、かつ、平面方向の断面の最大断面積が10.2μm以上である突起が、個以上、20個以下存在するとともに、高さが0μm超、1μm未満である突起が、18個以上存在する書き味向上層を有することを特徴とする書き味向上フィルム。
  2. 前記書き味向上層が、硬化性成分と、微粒子とを含有するコーティング組成物を硬化させてなる層であることを特徴とする請求項1に記載の書き味向上フィルム。
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