JP2021077033A - 入力装置用ガラスフィルム - Google Patents
入力装置用ガラスフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021077033A JP2021077033A JP2019202599A JP2019202599A JP2021077033A JP 2021077033 A JP2021077033 A JP 2021077033A JP 2019202599 A JP2019202599 A JP 2019202599A JP 2019202599 A JP2019202599 A JP 2019202599A JP 2021077033 A JP2021077033 A JP 2021077033A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- unevenness
- glass film
- input device
- main surface
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000011521 glass Substances 0.000 title claims abstract description 134
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 19
- 239000012790 adhesive layer Substances 0.000 claims description 3
- 239000002002 slurry Substances 0.000 description 14
- 239000006061 abrasive grain Substances 0.000 description 13
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 13
- 230000003373 anti-fouling effect Effects 0.000 description 12
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 12
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 12
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 12
- 229910004298 SiO 2 Inorganic materials 0.000 description 11
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 description 11
- 238000000034 method Methods 0.000 description 10
- 239000000463 material Substances 0.000 description 9
- 238000005422 blasting Methods 0.000 description 8
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 8
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 6
- 239000002585 base Substances 0.000 description 6
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 6
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 6
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 6
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 6
- 239000004820 Pressure-sensitive adhesive Substances 0.000 description 5
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 5
- 230000001681 protective effect Effects 0.000 description 5
- YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N Fluorine atom Chemical compound [F] YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000003513 alkali Substances 0.000 description 4
- PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N aluminium oxide Inorganic materials [O-2].[O-2].[O-2].[Al+3].[Al+3] PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229910052731 fluorine Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000011737 fluorine Substances 0.000 description 4
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 4
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 4
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 4
- 229920000642 polymer Polymers 0.000 description 4
- KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-N Fluorane Chemical compound F KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000005354 aluminosilicate glass Substances 0.000 description 3
- 230000000740 bleeding effect Effects 0.000 description 3
- 230000000903 blocking effect Effects 0.000 description 3
- 229920001971 elastomer Polymers 0.000 description 3
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 3
- 239000002243 precursor Substances 0.000 description 3
- 239000000377 silicon dioxide Substances 0.000 description 3
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229930182556 Polyacetal Natural products 0.000 description 2
- 239000005388 borosilicate glass Substances 0.000 description 2
- 238000003486 chemical etching Methods 0.000 description 2
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 2
- 239000000806 elastomer Substances 0.000 description 2
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 2
- 229920006324 polyoxymethylene Polymers 0.000 description 2
- 235000017166 Bambusa arundinacea Nutrition 0.000 description 1
- 235000017491 Bambusa tulda Nutrition 0.000 description 1
- 241001330002 Bambuseae Species 0.000 description 1
- 235000015334 Phyllostachys viridis Nutrition 0.000 description 1
- NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N acrylic acid group Chemical group C(C=C)(=O)O NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 1
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 1
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 1
- 239000011425 bamboo Substances 0.000 description 1
- 238000005229 chemical vapour deposition Methods 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 1
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 1
- 239000012634 fragment Substances 0.000 description 1
- 125000000524 functional group Chemical group 0.000 description 1
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 1
- 230000004313 glare Effects 0.000 description 1
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 1
- 238000012905 input function Methods 0.000 description 1
- 239000004973 liquid crystal related substance Substances 0.000 description 1
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 1
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 1
- 229920001296 polysiloxane Polymers 0.000 description 1
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 1
- 239000005871 repellent Substances 0.000 description 1
- 238000004439 roughness measurement Methods 0.000 description 1
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 1
- 230000001953 sensory effect Effects 0.000 description 1
- SCPYDCQAZCOKTP-UHFFFAOYSA-N silanol Chemical compound [SiH3]O SCPYDCQAZCOKTP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 1
- 239000005361 soda-lime glass Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 238000004544 sputter deposition Methods 0.000 description 1
- 238000003756 stirring Methods 0.000 description 1
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 1
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
Description
このようなペン入力装置においては、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置の前面側にガラス基板等で構成される透明なカバー部材が配置されており、このカバー部材に対して入力ペンの先端部(ペン先)を接触及び移動させることで、様々な入力操作を行うことが可能となっている。
ここで、ペン入力装置のカバー部材としてガラス基板を用いた場合、一般的にガラス基板の表面は凹凸が小さく滑らかに形成されているため、ガラス基板の表面に入力ペンを接触させて移動させた場合にペン先が滑ってしまい、書き心地が悪いという問題が生じていた。
これにより、ペン入力装置によらず、ユーザーの好みに合わせて入力ペンの書き味を向上させることが可能となる。
即ち、本発明に係る入力装置用ガラスフィルムは、入力デバイスによってポインティング操作を行う操作面を有する入力装置において、前記操作面上に配置される入力装置用ガラスフィルムであって、少なくとも一方の主面に凹凸を有し、前記凹凸を有する主面における三次元算術平均高さが、1nm〜300nmであることを特徴とする。
このような構成により、入力装置に対する入力ペンなどの入力デバイス(入力手段)の操作を滑り易過ぎないようにすることができ、入力ペンなどの入力デバイスの書き味を優れたものとすることができる。
また、ガラス基材を素材とするため、高い耐傷性を有するとともに、透光性にも優れ、ヘイズを低く抑えることができる。
このような構成により、入力装置に対する入力ペンなどの入力デバイスの操作を滑りにく過ぎず、且つ、滑り易すぎないようにすることができ、入力ペンなどの入力デバイスの書き味を優れたものとすることができる。
このような構成により、映像表示面に表示される映像を目視しながら、入力デバイスによってより正確にポインティング操作を行うことができる。
このような構成により、入力装置用ガラスフィルムの透明度をより確実に保持することができ、例えば、ディスプレイ装置の画像表示面側に入力装置用ガラスフィルムを配置する場合などにおいては、当該ディスプレイ装置の視認性を保持することができる。
このような構成により、容易に入力装置の表面に適用することができる。
入力装置10は、本発明に係る入力装置用ガラスフィルムを備えた入力装置の一実施形態である。
入力装置10は、映像を表示するディスプレイ装置の一例であるディスプレイ素子40と、ディスプレイ素子40の前面側に配置されるカバー部材としてのガラス基板30と、ディスプレイ素子40の背面側に配置されるデジタイザ回路50と、入力手段(入力デバイス)の一例である入力ペン60とを備える。
また、ガラスフィルム20は、本発明に係る入力装置用ガラスフィルムの一例であり、保護フィルムとしてガラス基板30上(ディスプレイ素子40側との反対側の平面上)に貼り付けて、入力装置10を保護フィルム付き入力装置1の形態として使用する一例である。
即ち、図1において、ディスプレイ素子40の「前面側」は、紙面上方、「背面側」は、紙面下方となる。
ここで、保護フィルム付き入力装置1に対する入力は、入力ペン60以外の入力デバイスによっても行うことができる。
例えば、ユーザーの指先をガラスフィルム20に接触させて移動させることにより、文字及び図形などを入力するポインティング操作を行うことが可能である。
このタブレット端末は、表示機能とペン入力機能とを備えたペン入力用表示装置を広く意味する。
タブレット端末は、タブレットPC、モバイルPC、スマートフォン、及びゲーム機などの機器を含む。
なお、入力装置10の構成については、本実施形態に限定されることはなく、例えば、ディスプレイ素子40が設けられていない所謂ペンタブレットによって構成されていてもよい。
ガラスフィルム20のガラス基材としては、例えばソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、またはホウケイ酸ガラスからなるガラス板を用いることができる。
ここで、ガラスフィルム20がアルカリ含有アルミノシリケートガラスからなるガラス基材である場合、ガラスフィルム20は、表面に化学強化層を有していても良い。
なお、ガラスフィルム20の詳細については後述する。
ここで、入力ペン60は、鉛筆やボールペンなどの筆記具に似た形状の入力具であり、ガラスフィルム20と接触するペン先61は、エラストマー、ポリアセタール樹脂などの合成樹脂材、又はフェルトなどで構成されている。
これらの部材により構成されたペン先61は、凹凸に対して引っかかりやすい。
従って、入力ペン60のペン先61を、凹凸が形成されたガラスフィルム20の主面20aに接触させて移動させた場合の書き味が特に優れる。
ガラスフィルム20は、本発明に係る入力装置用ガラスフィルムの一実施形態である。
ガラスフィルム20の主面20a(図1を参照)には、凹凸が形成されている。
ここで、前記凹凸を有する主面20aにおける三次元算術平均高さは、1nm〜300nmとなるように構成されている。
大きな間隔幅の凹凸は、最大高さ幅Rzが3nm〜1000nmであり、且つ凹凸の間隔幅RSmが50μm〜3000μmである。
また、小さな間隔幅の凹凸は、三次元算術平均高さSaが1nm〜50nmであり、且つ凹凸の間隔幅RSmが0.01μm〜10μmである。
なお、大きな間隔幅の凹凸における最大高さ幅Rzは、小さな間隔幅の凹凸における三次元算術平均高さSaよりも大きいことが好ましい。
また、大きな間隔幅の凹凸における最大高さ幅Rzは、小さな間隔幅の凹凸における三次元算術平均高さSaの1.1〜500倍であることがより好ましい。
また、小さな間隔幅の凹凸において、三次元算術平均高さSaは、所定の三次元領域における凹凸の山の高さZ1及び谷の深さZ2の絶対値の平均であり(Sa=(|Z1|+|Z2|)/2)、当該凹凸の間隔幅RSmは、所定の基準長さにおける当該凹凸の各周期長さXsの平均である(RSm=(Xs1+Xs2+・・・+Xsn)/n)。
なお、主面20aの測定断面曲線においては、カットオフ値λc2を有する高域フィルタλcを適用することで、主面20aが有しているうねり成分、及び大きな間隔幅の凹凸の成分が除去されて、小さな間隔幅の凹凸の曲線が得られる。
また、形成された凹凸による散乱光の干渉による、スパークリングと呼ばれるギラつきの発生を、抑えることができる。
さらに、ガラスフィルム20の主面20aには樹脂層が形成されておらず、直接凹凸形状が形成されていることから耐傷性が高く傷が付きにくいため、ディスプレイ素子40の視認性を低下させることがない。
ペン先61は、ガラスフィルム20の主面20aに対して、大きな間隔幅の凹凸の凸部で接触するが、大きな間隔幅の凹凸の凹部では接触しない。
これにより、ペン先61と主面20aとの間において、摩擦力の適度な上昇と低下の組み合わせが生じることとなり、ペン先61と主面20aとの間の摩擦力の過度な上昇、過度な低下を防止することができ、入力ペン60による書き味を優れたものにすることができる。
また、大きな間隔幅の凹凸における最大高さ幅Rzの下限値は、3nmに設定されているが、4nmに設定することが好ましく、5nmに設定することがさらに好ましい。
一方、大きな間隔幅の凹凸における間隔幅RSmの上限値は、3000μmに設定されているが、2500μmに設定することが好ましく、1500μmに設定することがさらに好ましい。
これにより、ペン先61がガラスフィルム20の主面20a上で滑ることを抑制することができ、入力ペン60による書き味を優れたものにすることができる。
一方、小さな間隔幅の凹凸における間隔幅RSmの上限値は、10μmに設定されているが、5μmに設定することが好ましく、3μmに設定することがさらに好ましい。
また、小さな間隔幅の凹凸における間隔幅RSmの下限値は、0.01μmに設定されているが、0.1μmに設定することが好ましく、0.5μmに設定することがさらに好ましい。
ガラスフィルム20のヘイズを10%未満とすることで、ガラスフィルム20の透明度を保持することができ、ディスプレイ素子40の視認性を保持することができる。
反射防止膜としては、例えばガラスフィルム20よりも屈折率が低い低屈折率膜、または相対的に屈折率が低い低屈折率膜と相対的に屈折率が高い高屈折率膜とが交互に積層された誘電体多層膜が用いられる。
また、反射防止膜は、スパッタリング法、またはCVD法などにより形成することができる。
また、ガラスフィルム20の主面20aに反射防止膜を有する場合、反射防止膜を有するガラスフィルム20のヘイズが上述の範囲となるように、ガラスフィルム20の主面20aの凹凸が形成される。
なお、反射防止膜を形成した後において、凹凸の間隔幅RSm、及び凹凸の三次元算術平均高さSaを測定する場合は、10nmのAu膜を形成し、その後これらの値を測定する。
防汚膜は、主鎖中にケイ素を含む含フッ素重合体を含むことが好ましい。
含フッ素重合体としては、例えば、主鎖中に、−Si−O−Si−ユニットを有し、且つ、フッ素を含む撥水性の官能基を側鎖に有する重合体を用いることができる。
含フッ素重合体は、例えばシラノールを脱水縮合することにより合成することができる。
また、ガラスフィルム20の主面20aに防汚膜を有する場合、またはガラスフィルム20の主面20aに反射防止膜と防汚膜とを有する場合、防汚膜を形成した後のガラスフィルム20のヘイズ、又は反射防止膜と防汚膜とを形成した後のガラスフィルム20のヘイズが上述の範囲となるように、ガラスフィルム20の主面20aの凹凸が形成される。
また、ガラスフィルム20の厚みは、0.05〜0.8mmの範囲であることがより好ましく、0.1〜0.5mmの範囲であることがさらに好ましい。
ガラスフィルム20の厚みが薄すぎると割れやすくなる。
一方、ガラスフィルム20の厚みが厚すぎると、入力ペン60の入力感度が低くなる。
ガラスフィルム20の少なくとも一方の主面20a(ガラス基板30側との反対側の面)に形成される凹凸は、当該主面20aにウェットブラスト処理、化学エッチング処理、シリカコーティング処理などの処理方法を、少なくとも1種類以上組み合わせることにより形成される。
ウェットブラスト処理は、アルミナなどの個体粒子によって構成される砥粒と、水などの液体とを均一に攪拌してスラリーとしたものを、ガラスからなるワークに対して、圧縮エアを用いて噴射ノズルから高速で噴射することにより、前記ワークに微細な凹凸を形成する処理である。
なお、ウェットブラスト処理においては、スラリーを噴射するノズルとして、スラリーの噴射口の面積をワークの面積に対して小さく絞った丸ノズルを用い、この丸ノズルをワークに対して相対運動させることによって、様々な表面形状を形成させることができる。
この場合、ワークに噴射された砥粒や砥粒により削られたワークの破片は、ワークに噴射された液体により洗い流されるため、ワークに残留する粒子が少なくなる。
また、ノズルをワークに対して任意に走査させて、ワークの表面に部分的にスラリーを噴射することによって、小さな間隔幅の凹凸に加え、大きな間隔幅の凹凸を作ることができる。
ガラスフィルム20は、表面に凹凸の間隔幅が異なる大小2種類の凹凸が形成されたワークを、切断すること等により所望の大きさや形状に調製することにより得られる。
また、大きな間隔幅の凹凸の最大高さ幅Rz及び当該凹凸の間隔幅RSmは、スラリーを噴射するノズルのサイズ、送りピッチ幅、噴射圧により調整可能である。
このように、ワークに対してウェットブラスト処理を施すことで、ガラスフィルム20の主面20aに適度な大きさの凹凸の間隔幅が異なる大小2種類の凹凸を形成しやすく、ガラスフィルム20の透明度を損なうことなく、入力ペン60の書き味を優れたものとすることが可能となる。
また、乾式ブラスト処理を施すことにより、ガラスフィルム20の主面20aに凹凸を形成することも可能であるが、乾式ブラスト処理では砥粒がガラスフィルム20の主面20aに衝突する際の衝撃が大きすぎて、凹凸が形成された主面20aの表面粗さが大きくなりやすく、ガラスフィルム20の透明度が損なわれやすい。
本実施例においては、ガラスフィルム20の実施例として試料1〜7を作製し、比較例として試料8〜9を作製した。
試料1、2に用いたガラスフィルム20としては、厚さが0.3mmの無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラスフィルムを使用した。
また、試料3〜9に用いたガラスフィルム20としては、厚みが0.3mmのアルカリ含有アルミノシリケートガラスからなるガラスフィルムを使用した。
具体的には、試料1〜7のガラスフィルム20に対して、粒度が♯4000、♯6000、または#8000のアルミナにて構成される砥粒と水とを均一に攪拌することにより調製したスラリーを、ガラスフィルム20を処理台に載置して、処理圧力0.1〜0.3MPaのエアを用いてガラスフィルム20の一方の主面20aの全体に対して丸ノズルを0.5mm/sの速度で移動させながら走査させて噴射するウェットブラストを施した。
そして、大きな間隔幅の凹凸の間隔幅は、丸ノズルの走査ピッチを変えることで可変させた。
また、大きな間隔幅の凹凸の最大高さ幅Rzは、走査回数を増やすことで可変させた。
一方、小さな間隔幅の凹凸の三次元算術平均高さSaは、アルミナの粒度を変更、または処理圧力を変更することで可変させた。
なお、前記砥粒としては、多角形状を有する砥粒を用いた。
また、大きな間隔幅の凹凸の最大高さ幅Rzは、丸ノズルの走査回数を試料7の2〜15倍と可変させることでサンプルを作製した。
一方、小さな間隔幅の凹凸の三次元算術平均高さSaはアルミナの粒度を#4000〜8000に変更し、処理圧力を0.1から0.3MPaの範囲で増加させることでサンプルを作製した。
比較例となる試料9のガラスフィルム20に対しては、一方の主面20aにSiO2成分を含む液体を乾燥させることにより、当該主面にSiO2コーティング膜を形成した。
試料1〜9のガラスフィルム20における主面20aの表面粗さを測定した。
表面粗さの測定は、試料1〜7についてはウェットブラスト処理を施した主面20aに対して行い、試料8については一方の主面20aに対して行い、試料9についてはSiO2コーティング膜を形成した主面に対して行った。
大きな間隔幅の凹凸の測定条件は、対物レンズ2.5倍、ズームレンズ1倍を使用し、測定エリア2827×2120μmの領域に対して、カメラ画素数が640×480、積算回数1回となるように実施した。
大きな間隔幅の凹凸の最大高さ幅Rz及び凹凸の間隔幅RSmを測定する際の、高域フィルタλcのカットオフ値λc1は、凹凸の間隔幅RSmの1.6倍程度となるように設定し、低域フィルタλsのカットオフ値λs1は、25μmに設定した。
また、小さな間隔幅の凹凸の測定条件は、対物レンズ50倍、ズームレンズ2倍を使用し、測定エリア74×55μmの領域に対して、カメラ画素数が640×480、積算回数8回となるように実施した。
小さな間隔幅の凹凸の三次元算術平均高さSa及び凹凸の間隔幅RSmを測定する際の、高域フィルタλcのカットオフ値λc2は、25μmに設定した。
一方、試料9については、対物レンズ50倍、ズームレンズ0.5倍を使用し、測定エリア280×210μmの領域に対して、カメラ画素数が640×480、積算回数8回となるように実施した。
大きな間隔幅の凹凸の最大高さ幅Rz及び凹凸の間隔幅RSmを測定する際の、高域フィルタλcのカットオフ値λc1は53μm、低域フィルタλsのカットオフ値λs1は1.3μmに設定した。
試料1〜9について行った表面粗さの測定結果について説明する。
表1に測定結果を示す。
SiO2コート処理を施した比較例である試料9の最大高さ幅Rzは、12250nmであり、未処理の比較例である試料8については、大きな間隔幅の凹凸は確認できなかった。
SiO2コート処理を施した比較例である試料9の凹凸の間隔幅RSmは24μmであり、未処理の比較例である試料8については、大きな間隔の凹凸は確認できなかった。
未処理の比較例である試料8については、試料1〜7よりも小さな0.2nmであり、SiO2コート処理を施した比較例である試料9については、試料1〜7よりも大きな1225.0nmであった。
試料1〜9についてヘイズの測定を行った。
ヘイズの測定は、島津製作所社製紫外可視近赤外分析光度計(UV−3100PC)を用い、JIS K7361−1-1997に基づいて測定した。
表1に示すように、ヘイズは、実施例となる試料1〜7については0.7%〜3.6%の範囲にあり、未処理の試料8と大きな差は無かった。
一方、SiO2コート処理を施した試料9は、34%と試料1〜7より大きかった。
入力装置10におけるガラス基板30の前面側に、試料1〜9のガラスフィルム20を各々載置した場合の、ディスプレイ素子40に表示される映像の視認性について評価を行った。
評価方法としては、ディスプレイ素子40に表示される映像に滲みが見られるか否かを、以下に示す3段階で評価を行った。
◎:鮮明な映像が見え、像に滲みが見られない、○:映像が十分に視認できるが、僅かに像の滲みが見られる、×:映像が不鮮明であり、且つ像の滲みが目立つ。
表1に示すように、映像の視認性は、実施例となる試料1〜7については◎となった。
未処理の比較例である試料8については◎となり、SiO2コート処理を施した比較例である試料9については×となった。
ガラスフィルム20に対して、入力ペン60により文字及び図形等の入力を行った際の書き味を、官能試験により評価した。
評価方法としては、入力ペン60としてワコム社製極細スタイラスペン(Bamboo Tip)を使用し、ガラスフィルム20上での書き味を、20代〜50代の男女の合計20人に対して「非常に書き心地が良い」から「非常に書き心地が悪い」までの7段階で採点してもらい、その平均点で評価した。
表1に示すように、書き味は、実施例となる試料1〜7については4.2以上となり、未処理の比較例である試料8、及びSiO2コート処理を施した比較例である試料9については3.5以下となった。
表1、図4に示すように、実施例となる試料1〜7については、入力ペン60のペン先61が接する主面20aに、異なる大小2種類の凹凸による適切な凹凸の間隔幅が形成されていることから、ペン先61がガラスフィルム20の主面20a上で滑ることが抑制されるとともに、ペン先61と主面20aとの間の摩擦力の適度な上昇と低下が組み合わさることによって、書き味が良好であり、且つ視認性も◎といったような良好な評価結果が得られた。
一方、未処理の比較例である試料8については、入力ペン60が接する主面20aの凹凸が小さく、滑り易いために書き味が悪かった。
また、図5に示すように、SiO2コート処理を施した比較例である試料9については、入力ペン60のペン先61が接する主面20aに、異なる大小2種類の凹凸によって凹凸の間隔幅が形成されていないため、ペン先61とガラスフィルム20上の摩擦力を程度な範囲に調整できず、書き味が悪かった。
20 ガラスフィルム
20a 主面
30 ガラス基板
40 ディスプレイ素子
40a 映像表示面(操作面)
50 デジタイザ回路
60 入力ペン
Claims (5)
- 入力デバイスによってポインティング操作を行う操作面を有する入力装置において、前記操作面上に配置される入力装置用ガラスフィルムであって、
少なくとも一方の主面に凹凸を有し、
前記凹凸を有する主面における三次元算術平均高さが、1nm〜300nmである、
ことを特徴とする入力装置用ガラスフィルム。 - 前記凹凸を有する主面において、
高域フィルタλcのカットオフ値を、測定断面曲線の凹凸の間隔幅の1.6倍の値とし、且つ低域フィルタλsのカットオフ値を、25μmとしたときに、
凹凸の最大高さ幅が3〜1000nm、且つ凹凸の間隔幅が50〜3000μmであり、及び
高域フィルタλcのカットオフ値を25μmとしたときに、
凹凸の三次元算術平均高さSaが1〜50nm、且つ凹凸の間隔幅が0.01〜10μmである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の入力装置用ガラスフィルム。 - 前記入力装置はディスプレイ装置を備え、
前記ディスプレイ装置の映像表示面によって前記操作面が形成される、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の入力装置用ガラスフィルム。 - 可視光の波長域において、
曇度を表すヘイズが10%未満である、
ことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の入力装置用ガラスフィルム。 - 前記凹凸を有する主面が位置する側と反対側の面に、粘着剤層を備える、
ことを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の入力装置用ガラスフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019202599A JP2021077033A (ja) | 2019-11-07 | 2019-11-07 | 入力装置用ガラスフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019202599A JP2021077033A (ja) | 2019-11-07 | 2019-11-07 | 入力装置用ガラスフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021077033A true JP2021077033A (ja) | 2021-05-20 |
Family
ID=75897752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019202599A Pending JP2021077033A (ja) | 2019-11-07 | 2019-11-07 | 入力装置用ガラスフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021077033A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023027016A1 (ja) * | 2021-08-25 | 2023-03-02 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス部材、及びガラス部材積層体、入力装置、入力表示装置、外装用ガラス部材、筐体、扉体、容器、並びにガラス部材の製造方法 |
WO2024005014A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | 三菱マテリアル株式会社 | 滑り止め部材 |
-
2019
- 2019-11-07 JP JP2019202599A patent/JP2021077033A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023027016A1 (ja) * | 2021-08-25 | 2023-03-02 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス部材、及びガラス部材積層体、入力装置、入力表示装置、外装用ガラス部材、筐体、扉体、容器、並びにガラス部材の製造方法 |
WO2024005014A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | 三菱マテリアル株式会社 | 滑り止め部材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7099468B2 (ja) | 入力装置用カバー部材、及び入力装置 | |
US20150175478A1 (en) | Textured glass surface and methods of making | |
JP7156429B2 (ja) | ガラス積層体、ディスプレイ用前面板、および表示装置 | |
KR20180104002A (ko) | 개선된 촉각 표면을 갖는 밀봉부 | |
JP6790565B2 (ja) | ペン入力装置、ペン入力装置用ガラス基板及びその製造方法 | |
JP2024050816A (ja) | 入力装置用カバー部材、及び入力装置 | |
JP2021077033A (ja) | 入力装置用ガラスフィルム | |
CN114072363B (zh) | 具有一定高度/宽度比以提供抗眩光性及增加耐刮擦性的表面特征的纹理表面的玻璃基板 | |
TW201842434A (zh) | 觸控面板筆用書寫性構件之選擇方法、觸控面板系統、觸控面板筆用書寫性構件、觸控面板及顯示裝置 | |
JP2018116367A (ja) | ペン入力装置用ガラス基板、及びペン入力装置 | |
JP2022091675A (ja) | ペン入力装置用カバー部材、及びペン入力装置 | |
JPWO2020009081A1 (ja) | ガラス板、反射防止層付きガラス板、およびガラス板の製造方法 | |
WO2023171605A1 (ja) | 入力装置用部材、入力装置、及び入力装置用カバー部材の製造方法 | |
WO2022255163A1 (ja) | 入力装置用カバー部材、及び入力装置 | |
WO2022124098A1 (ja) | ペン入力装置用カバー部材、及びペン入力装置 | |
JP2022183909A (ja) | ペン入力装置用カバー部材、及びペン入力装置 | |
WO2023027016A1 (ja) | ガラス部材、及びガラス部材積層体、入力装置、入力表示装置、外装用ガラス部材、筐体、扉体、容器、並びにガラス部材の製造方法 | |
TW201600485A (zh) | 窗口基板及其倒角方法 | |
WO2021002220A1 (ja) | 外装用ガラス部材並びに筐体及び扉体 | |
WO2023032961A1 (ja) | ガラス部材、入力装置、ペン入力装置、モバイル機器、及びガラス部材の製造方法 | |
US20240158290A1 (en) | Dual textured glass articles and methods of making the same | |
JP2023133199A (ja) | 入力装置用カバー部材及び入力装置 | |
TWI658999B (zh) | 製造強化玻璃產品方法 | |
WO2018074494A1 (ja) | ガラス板 | |
JP2018160214A (ja) | ペン入力装置、ペン入力装置用基板及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221014 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230801 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230915 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231121 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20240110 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240318 |