JP7002062B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱調理器に関する。
誘導加熱調理器として、例えば、特許文献1に記載の誘導加熱調理器が知られている。特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、1つの加熱プレートの下方に複数の加熱コイルを設け、複数の加熱コイルのパワーを個々に可変する。
特開平5-242959号公報
しかしながら、特許文献1では、利便性を向上させるという観点において未だ改善の余地がある。
したがって、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、利便性を向上させることができる誘導加熱調理器を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明の一態様に係る誘導加熱調理器は、
誘導加熱される複数の発熱部、及び前記複数の発熱部で生じた熱を伝導する伝熱部を有する加熱プレートと、
前記加熱プレートを載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置され、且つ前記加熱プレートの厚み方向から見て前記複数の発熱部が投影される領域に配置される複数の加熱コイルと、
前記トッププレートの下面に配置され、前記加熱プレートの前記複数の発熱部のそれぞれの温度を検出する複数の温度検出部と、
前記複数の加熱コイルのそれぞれに高周波電流を供給する複数のインバータと、
前記複数のインバータのそれぞれの出力を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数のインバータの前記出力のオンオフを順次切り替え、
前記加熱プレートの前記複数の発熱部のそれぞれを設定温度まで予熱する予熱期間の終了後、前記複数の温度検出部のそれぞれで検出された検出温度と、前記複数の発熱部のそれぞれの前記設定温度とに基づいて、前記複数のインバータの前記出力のオンオフが切り替わる駆動周期における前記複数のインバータの出力時間の配分を設定する。
本発明に係る誘導加熱調理器によれば、利便性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の一例の斜視図である。 図2は、図1の誘導加熱調理器の分解斜視図である。 図3は、本体の一例の斜視図である。 図4は、加熱プレートの一例の底面図である。 図5は、例示的な制御ブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の例示的な制御回路の一部の回路図である。 図7Aは、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の加熱制御の一例を示す図である。 図7Bは、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の加熱制御の別例を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の詳細な加熱制御の一例を示す図である。 図9は、温度に基づく加熱制御による第1発熱部及び第2発熱部の温度変化の一例を示す図である。 図10は、予熱期間における第1インバータ及び第2インバータの毎秒出力及び出力時間の配分を決定するテーブルを示す図である。 図11は、予熱期間を終了した後、駆動周期における第1インバータ及び第2インバータが要求する平均出力を決定するテーブルを示す図である。 図12は、図11に示すテーブルで決定された第1インバータ及び第2インバータの平均出力に基づいて、第1インバータ及び第2インバータの毎秒出力及び出力時間の配分を決定するテーブルを示す図である。 図13は変形例の加熱制御による予熱期間の第1発熱部及び第2発熱部の温度変化の一例を示す図である。 図14は、予熱が完了したインバータが要求する平均出力を決定するテーブルを示す図である。 図15は、予約が完了していないインバータが要求する平均出力を決定するテーブルを示す図である。 図16は、図14に示すテーブル及び図15に示すテーブルで決定された各インバータが要求する平均出力に基づいて、複数のインバータの毎秒出力及び出力時間の配分を決定するテーブルを示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
誘導加熱調理器として、調理物を加熱する加熱プレートを複数の加熱コイルによって誘導加熱するものが知られている。
このような誘導加熱調理器においては、インバータから複数の加熱コイルのそれぞれに異なる周波数を有する高周波電流を同時に供給する場合、複数の加熱コイルのそれぞれから生じる電磁波が干渉し合い、干渉音が発生する場合がある。
本発明者らは、干渉音の発生を抑制するため、複数のインバータの出力のオンオフを順次切り替えることによって、複数のインバータから複数の加熱コイルへの高周波電流の供給を順次切り替える誘導加熱調理器の構成を見出した。
また、本発明者らは、このような誘導加熱調理器において利便性を向上させるため、複数の温度検出部によって検出される加熱プレートの温度と、ユーザ等により設定される温度とに基づいて、複数のインバータの出力を設定することを見出した。以下、本発明について説明する。
本発明の第1態様の誘導加熱調理器は、
誘導加熱される複数の発熱部、及び前記複数の発熱部で生じた熱を伝導する伝熱部を有する加熱プレートと、
前記加熱プレートを載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置され、且つ前記加熱プレートの厚み方向から見て前記複数の発熱部が投影される領域に配置される複数の加熱コイルと、
前記トッププレートの下面に配置され、前記加熱プレートの前記複数の発熱部のそれぞれの温度を検出する複数の温度検出部と、
前記複数の加熱コイルのそれぞれに高周波電流を供給する複数のインバータと、
前記複数のインバータのそれぞれの出力を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数のインバータの前記出力のオンオフを順次切り替え、
前記加熱プレートの前記複数の発熱部のそれぞれを設定温度まで予熱する予熱期間の終了後、前記複数の温度検出部のそれぞれで検出された検出温度と、前記複数の発熱部のそれぞれの前記設定温度とに基づいて、前記複数のインバータの前記出力のオンオフが切り替わる駆動周期における前記複数のインバータの出力時間の配分を設定する。
本発明の第2態様の誘導加熱調理器においては、前記制御部は、前記検出温度と前記設定温度との差、及び前記検出温度の温度変化の傾きに基づいて、前記複数のインバータの前記出力時間の前記配分を設定してもよい。
本発明の第3態様の誘導加熱調理器においては、前記制御部は、
前記検出温度と前記設定温度との前記差、及び前記検出温度の前記温度変化の前記傾きに基づいて、前記駆動周期における前記複数のインバータのそれぞれの平均出力を決定し、
前記複数のインバータのそれぞれの前記平均出力に基づいて、前記複数のインバータの前記出力時間の前記配分を設定してもよい。
本発明の第4態様の誘導加熱調理器においては、前記制御部は、前記複数の発熱部のそれぞれの前記設定温度に基づいて、前記予熱期間における前記複数のインバータの前記出力時間の前記配分を設定してもよい。
本発明の第5態様の誘導加熱調理器においては、前記制御部は、
前記複数の温度検出部のそれぞれで検出された前記温度に基づいて、前記複数の発熱部のうち、予熱が完了していない第1発熱部と予熱が完了している第2発熱部とを決定し、
前記第1発熱部の前記設定温度と、前記第2発熱部の前記温度及び前記設定温度とに基づいて、前記第2発熱部の予熱完了から前記第1発熱部の予熱が完了するまでの予熱期間における前記複数のインバータの出力時間の配分を設定してもよい。
本発明の第6態様の誘導加熱調理器においては、更に、前記加熱プレートの前記複数の発熱部の予熱の完了をそれぞれ報知する報知部を備え、
前記制御部は、前記複数の発熱部のうち少なくとも1つの発熱部の設定温度が設定された後、所定の時間内に別の発熱部の設定温度が設定されたことを検出した場合、
前記複数の温度検出部のそれぞれで検出された前記温度と、前記複数の発熱部のそれぞれの前記設定温度とに基づいて、前記複数の発熱部のうち少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを検出し、
前記報知部は、前記少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを示す情報に基づいて、前記複数の発熱部の予熱の完了を報知してもよい。
本発明の第7態様の誘導加熱調理器においては、前記少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを示す情報は、前記複数の発熱部のうち最も遅く予熱が完了した発熱部の情報を含んでもよい。
本発明の第8態様の誘導加熱調理器においては、更に、前記複数の発熱部のそれぞれの前記設定温度の入力を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記複数の発熱部を同じ加熱温度で加熱する加熱モードを有し、
前記加熱モードが設定された場合、前記操作部で受け付けた一つの前記設定温度に基づいて、前記複数の発熱部が加熱制御されてもよい。
以下、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
(実施の形態)
[全体構成]
本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の一例について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の一例の斜視図である。図2は、図1の誘導加熱調理器1の分解斜視図である。図3は、本体20の一例の斜視図である。なお、図中において、X,Y及びZ方向は、それぞれ、誘導加熱調理器1の幅方向、長さ方向及び厚さ方向を意味する。
図1~図3に示すように、誘導加熱調理器1は、加熱プレート10と、加熱プレート10を載置する本体20と、を備える。
[加熱プレート]
加熱プレート10は、上面に調理物を載せて加熱するプレートである。図1に示すように、加熱プレート10は、薄板状の平面プレートである。加熱プレート10は、例えば、厚さ方向、即ちZ方向から見て、長方形形状に形成されている。また、加熱プレート10は、幅方向、即ちX方向に延びる中心線CL1に対して左右対称形状を有する。加熱プレート10の幅方向に延びる中心線CL1とは、加熱プレート10の厚さ方向から見て、加熱プレート10の長さ方向、即ちY方向の両端から等しい距離にある線を意味する。
実施の形態において、加熱プレート10は、凹状に形成されている。具体的には、加熱プレート10は、フラットな板状部材の外縁を本体20側と反対側に屈曲して形成されている。
図2に示すように、加熱プレート10は、伝熱部11と、複数の発熱部12a、12bと、位置決め部13と、リブ14と、を有する。
また、加熱プレート10の上面には、複数の加熱領域A1、A2を仕切るための仕切り部15が形成されている。複数の加熱領域A1、A2は、それぞれ、複数の発熱部12a、12bによって加熱される領域である。
図4は、加熱プレート10の一例の底面図である。図4に示すように、加熱プレート10の下面には、複数の脚部16が設けられている。
<伝熱部>
伝熱部11は、加熱プレート10の外形を構成するものであり、複数の発熱部12a、12bと接続されている。伝熱部11は、複数の発熱部12a、12bで発生した熱を伝導する金属材料で形成されると共に、非磁性体材料で形成されている。本明細書において、「非磁性体材料」とは、強磁性体材料ではない材料であって、複数の発熱部12a、12bよりも透磁率が低い材料を意味する。
また、伝熱部11は、複数の発熱部12a、12bを形成する金属材料よりも電気抵抗、即ち固有抵抗が小さい金属材料で形成されている。例えば、伝熱部11を形成する金属材料の金属抵抗は、20℃の環境において、1.5mΩ×10-8mΩ以上3.0×10-8mΩ未満であることが好ましい。実施の形態の金属抵抗は、2.7×10-8mΩである。
また、伝熱部11は、複数の発熱部12a、12bを形成する金属材料よりも熱伝導率が大きい金属材料で形成されている。
例えば、伝熱部11の材料としては、アルミニウム、非磁性のステンレスなどが挙げられる。非磁性のステンレスとしては、例えば、オーステナイト系ステンレスなどが挙げられる。
実施の形態では、伝熱部11は、アルミニウムで形成されている。アルミニウムは、磁場の影響を受けにくいため、誘導加熱されにくい。このため、第1発熱部12aと第2発熱部12bとを伝熱部11を介して接続することによって、誘導加熱される加熱領域を切り分けやすい。一方で、アルミニウムは、熱伝導しやすい金属であるため、複数の発熱部12a、12bのそれぞれで発生した熱を加熱領域内で伝導させやすい。なお、アルミニウムの熱伝導率は、100℃の環境において、240W/m・Kである。更に、アルミニウムは、鉄等に比べて軽い金属であるため、加熱プレート10を軽くすることができる。このため、加熱プレート10を容易に持ち上げることができる。
<発熱部>
図2及び図4に示すように、複数の発熱部12a、12bは、加熱プレート10の下面、即ち伝熱部11の下面に形成されている。複数の発熱部12a、12bは、加熱プレート10の長さ方向、即ちY方向に整列している。また、複数の発熱部12a、12bは、加熱プレート10の長さ方向に互いに離れて形成されており、伝熱部11を介して接続されている。具体的には、複数の発熱部12a、12bは、互いに直接接続されないように伝熱部11を挟んで接続されている。
実施の形態において、複数の発熱部12a、12bは、加熱プレート10の中心線CL1に対して左右対称に設けられている。複数の発熱部12a、12bは、同じサイズおよび同じ形状で形成されている。具体的には、複数の発熱部12a、12bは、例えば、環状に形成されている。また、複数の発熱部12a、12bは、加熱プレート10の下面側から見て、位置決め用の複数の凹凸が形成されている。
複数の発熱部12a、12bは、加熱プレート10の厚み方向から見たとき、本体20内部に収容される複数の加熱コイル23a、23bよりも大きい面積で形成されている。
複数の発熱部12a、12bは、電磁誘導により発熱可能な金属材料で形成されている。複数の発熱部12a、12bは、磁性体材料で形成されている。言い換えると、複数の発熱部12a、12bを形成する金属材料は、伝熱部11を形成する金属材料よりも透磁率が大きい。
複数の発熱部12a、12bは、伝熱部11を形成する金属材料よりも電気抵抗値が高い金属材料で形成されている。例えば、複数の発熱部12a、12bを形成する金属材料の電気抵抗は、20℃の環境において、10×10-8mΩ以上70×10-8mΩ以下であることが好ましい。より好ましくは、複数の発熱部12a、12bを形成する金属材料の電気抵抗は、60×10-8mΩ以上70×10-8mΩ以下であることが好ましい。
例えば、複数の発熱部12a、12bを形成する材料としては、鉄、ステンレスなどが挙げられる。ステンレスとしては、例えば、SUS304、SUS430などが上げられる。なお、SUS304及びSUS430の熱伝導率は、100℃の環境において、それぞれ、16W/m・K及び26W/m・Kである。
<位置決め部>
図2に示すように、位置決め部13は、加熱プレート10の下面から本体20の上に載置されるトッププレート22側に向かって突出し、トッププレート22の外縁に位置する。位置決め部13は、本体20上に加熱プレート10が載置される際に、加熱プレート10の位置決めを行う。
加熱プレート10は、複数の位置決め部13を有する。実施の形態において、加熱プレート10は、4つの位置決め部13を有する。複数の位置決め部13は、加熱プレート10の四隅に設けられている。複数の位置決め部13は、それぞれ、加熱プレート10の角部から本体20側に向かって突出している。加熱プレート10を本体20上に載置したとき、複数の位置決め部13は、それぞれ、トッププレート22の角部を囲うように配置される。複数の位置決め部13は、それぞれ、トッププレート22の角部の形状に対応するように、屈曲した板状の部材で形成されている。
このように、加熱プレート10の外縁に位置決め部13を形成することによって、加熱プレート10を本体20のトッププレート22上に位置決めすることができる。
<リブ>
図2及び図4に示すように、リブ14は、加熱プレート10の長さ方向、即ちY方向に沿って加熱プレート10の下面から本体20上に載置されるトッププレート22側に向かって突出し、トッププレートの外縁に位置する。
加熱プレート10は、複数のリブ14を有する。実施の形態において、加熱プレート10は、2つのリブ14を有する。複数のリブ14は、それぞれ、加熱プレート10の長さ方向の外縁に沿って形成されている。また、加熱プレート10の長さ方向の外縁に沿って延びる複数のリブ14は、それぞれ、加熱プレート10の角部に形成された位置決め部13と一体で形成されている。複数のリブ14は、それぞれ板状に形成されている。
実施の形態では、リブ14は、加熱プレート10の加熱領域が形成されている伝熱部11の厚みと同等の厚みを有する。例えば、リブ14の厚みは、伝熱部11の厚みの0.5倍以上1.5倍以下であってもよい。
このように、加熱プレート10の長さ方向の外縁に沿ってトッププレート22側に向かって突出するリブ14を形成することによって、加熱プレート10の長さ方向の外縁において熱を蓄積し、加熱プレート10の保温性を高めることができる。また、リブ14によって、デザイン性を損なわずに、加熱プレート10の下方に空気が流入し、保温性が低下することを抑制することができる。更に、リブ14によって、加熱プレート10の強度を高め、加熱プレート10が熱変形することを抑制することができる。
また、リブ14と本体20との間に隙間S1を設けることによって、加熱プレート10の熱が加熱プレート10の外縁から本体20へ直接伝導することを抑制することができる。
<仕切り部>
仕切り部15は、加熱プレート10の上面に形成される複数の加熱領域A1、A2を仕切る。実施の形態において、仕切り部15は、加熱プレート10の厚み方向から見て、加熱プレート10の幅方向に延びる中心線CL1に沿って、加熱プレート10の上面に設けられている。
このように、仕切り部15は、第1発熱部12aによって加熱される第1加熱領域A1と、第2発熱部12bによって加熱される第2加熱領域A2とを仕切っている。
仕切り部15は、例えば、加熱プレート10の幅方向に延びる中心線CL1に沿って延びる凹部である。仕切り部15を凹部で形成することによって、第1加熱領域A1と第2加熱領域A2とに跨がって容易に調理物を加熱することができる。
また、仕切り部15を凹部で形成することによって、第1加熱領域A1と第2加熱領域A2との境界部分の伝熱部11の厚みを、他のフラットな部分の厚みよりも薄くすることができる。これにより、仕切り部15において熱伝導する面積を小さくし、第1加熱領域A1と第2加熱領域A2との間で、互いに熱が伝導するのを抑制することができる。
<脚部>
脚部16は、加熱プレート10の下面からトッププレート22に延びて、加熱プレート10をトッププレート22上に支える。図4に示すように、脚部16は、複数の発熱部12a、12bの外側のみに設けられている。具体的には、脚部16は、加熱プレート10の長さ方向、即ちY方向において複数の発熱部12a、12bの外側のみに設けられている。脚部16は、例えば、加熱プレート10の下面からトッププレート22に延びる円柱状の部材で形成されている。
実施の形態において、加熱プレート10は、複数の脚部16を有する。複数の脚部16は、複数の発熱部12a、12bの外側のみにおいて、加熱プレート10の幅方向、即ちX方向に等間隔で整列している。
このように、加熱プレート10の下面に脚部16を設けることによって、加熱コイル23a、23bと発熱部12a、12bとの距離を一定に保つことができる。また、複数の発熱部12a、12bの外側のみに脚部16を設けることによって、熱により加熱プレート10に反りが生じた場合でも加熱プレート10を安定して支持することができる。
[本体]
本体20は、上面に加熱プレート10を載置して、加熱プレート10を加熱する。図3に示すように、本体20は、本体20の外形を構成する筐体21の上面にトッププレート22を載置している。また、本体20は、筐体21の正面に操作表示部30を設けている。
図2に示すように、本体20は、筐体21の内部に、複数の加熱コイル23a、23bと、複数の温度検出部24a、24bと、制御基板40と、冷却ファン51と、を収容している。
<筐体>
筐体21は、第1筐体21aと第2筐体21bとを有する。第1筐体21aは、本体20の上側の外形を構成する。第2筐体21bは、本体20の下側の外形を構成する。
<トッププレート>
トッププレート22は、上面に加熱プレート10が載置される電気絶縁性の平板である。トッププレート22は、例えば、ガラス又はセラミック等の電気絶縁物で形成されている。トッププレート22は、本体20の上面、即ち第1筐体21aの上面に載置される。
<操作表示部>
操作表示部30は、誘導加熱調理器1の機能及び設定等を操作する操作部31と、誘導加熱調理器1の機能及び設定等を表示する表示部32と、を有する。
操作部31は、例えば、ユーザがスイッチを操作することによって誘導加熱調理器1の電源のオンオフの切替、加熱温度、タイマー、及び/又はコース選択などを決定する。
実施の形態では、操作部31は、複数のスイッチ31a、31b、31cを有する。
第1スイッチ31aは、加熱プレート10の第1発熱部12aの加熱温度を設定する。第2スイッチ31bは、加熱モードを設定する。加熱モードは、例えば、加熱プレート10の全面、即ち複数の発熱部12a、12bを同じ加熱温度で加熱する全面加熱モード、及び複数の発熱部12a、12bをそれぞれ個別に加熱する個別加熱モードを有する。第3スイッチ31cは、加熱プレート10の第2発熱部12bの加熱温度を設定する。
実施の形態では、第1スイッチ31a及び第3スイッチ31cで設定される加熱温度は、例えば、90℃以上250℃以下の範囲で設定可能である。
なお、本明細書において、操作部31で設定される複数の発熱部12a、12bの加熱温度を「設定温度」と称する場合がある。
操作部31で入力された情報は、制御基板40に搭載された制御部に送信される。
表示部32は、例えば、電源のオンオフ、設定された加熱温度、設定されたタイマー、選択されているコース、及び/又は異常を検知した場合の警告などを表示する。
表示部32は、制御基板40に搭載された制御部によって制御される。
<加熱コイル>
複数の加熱コイル23a、23bは、それぞれ、トッププレート22の下方に配置され、且つ加熱プレート10の厚み方向、即ちZ方向から見て、複数の発熱部12a、12bが投影される領域に配置されている。実施の形態において、複数の加熱コイル23a、23bは、それぞれ、複数の発熱部12a、12bと対向する位置に配置されている。即ち、複数の加熱コイル23a、23bは、それぞれ、複数の発熱部12a、12bと1対1の配置関係になっている。
本明細書では、第1発熱部12aが投影される領域に配置される加熱コイルを第1加熱コイル23aとし、第2発熱部12bが投影される領域に配置される加熱コイルを第2加熱コイル23bとして説明する。
第1加熱コイル23a及び第2加熱コイル23bは、それぞれ、制御基板40に搭載される複数のインバータから高周波電流を供給される。これにより、第1加熱コイル23aが第1発熱部12aを誘導加熱する一方、第2加熱コイル23bが第2発熱部12bを誘導加熱する。
実施の形態では、第1加熱コイル23aは、平板状の取り付け板52に取り付けられると共に、冷却ファン51に隣接して配置される。
<温度検出部>
複数の温度検出部24a、24bは、それぞれ、加熱領域A1、A2の温度を検出する。即ち、複数の温度検出部24a、24bは、それぞれ、複数の発熱部12a、12bの温度を検出する。複数の温度検出部24a、24bは、トッププレート22の下面において複数の加熱コイル23a、23bが配置される位置にそれぞれ配置される。複数の温度検出部24a、24bは、複数の加熱コイル23a、23bとそれぞれ1対1の関係で配置される。
複数の温度検出部24a、24bは、例えば、サーミスタ又は赤外線温度センサなどで構成される。
本明細書では、第1加熱領域A1の温度を検出する温度検出部を第1温度検出部24aとし、第2加熱領域A2の温度を検出する温度検出部を第2温度検出部24bとして説明する。また、本明細書では、複数の温度検出部24a、24bで検出された温度を検出温度と称する場合がある。
実施の形態において、第1温度検出部24aは、第1加熱コイル23aの中央に配置され、第2温度検出部24bは、第2加熱コイル23bの中央に配置されている。これにより、第1発熱部12a及び第2発熱部12bの温度をより精度高く測定することができる。
複数の温度検出部24a、24bで検出された温度の情報は、制御基板40に搭載される制御部に送信される。
複数の温度検出部24a、24bは、例えば、1秒毎に第1発熱部12a及び第2発熱部12bの温度をそれぞれ検出している。
<制御基板>
制御基板40は、誘導加熱調理器1の制御を行う回路が搭載された基板である。図5は、誘導加熱調理器1の例示的な制御ブロック図である。図5に示すように、制御基板40は、制御部41と、複数のインバータ42a、42bと、複数の温度算出部43a、43bと、を有する。また、制御部41は、操作部31、表示部32及び報知部33と接続されている。
本明細書では、第1加熱コイル23aに高周波電流を供給するインバータを第1インバータ42aとし、第2加熱コイル23bに高周波電流を供給するインバータを第2インバータ42bとして説明する。また、第1温度検出部24aで検出された温度情報に基づいて第1発熱部12aの温度を算出する温度算出部を第1温度算出部43aとし、第2温度検出部24bで検出された温度情報に基づいて第2発熱部12bの温度を算出する温度算出部を第2温度算出部43bとして説明する。
なお、制御基板40を構成する要素は、例えば、これらの要素を機能させるプログラムを記憶したメモリ(図示せず)と、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備え、プロセッサがプログラムを実行することでこれらの要素として機能してもよい。
<制御部>
制御部41は、複数のインバータ42a、42bのそれぞれの出力を制御する。具体的には、制御部41は、操作部31で設定された加熱温度の情報を操作部31から受信し、受信した加熱温度の情報に基づいて、複数のインバータ42a、42bのそれぞれの出力を制御する。
例えば、ユーザが操作部31を介して、第1加熱領域A1の加熱温度を設定する。操作部31は、設定された加熱温度の情報を制御部41に送信する。制御部41は、操作部31から第1加熱領域A1の加熱温度の情報を受信し、受信した加熱温度の情報に基づいて、第1インバータ42aの出力を設定する。例えば、制御部41は、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aに供給される高周波電流の周波数及び出力時間等を設定する。次に、制御部41は、決定された出力に基づいて、第1加熱コイル23aへ高周波電流を出力させる。
このように、制御部41は、操作部31で設定された第1加熱領域A1の加熱温度に基づいて、第1インバータ42aの出力を制御している。同様に、制御部41は、操作部31で設定された第2加熱領域A2の加熱温度に基づいて、第2インバータ42bの出力を制御している。
このような制御により、制御部41は、加熱プレート10の第1発熱部12aで加熱される第1加熱領域A1と、第2発熱部12bで加熱される第2加熱領域A2とをそれぞれ個別に温度を調節することができる。
また、制御部41は、複数の発熱部12a、12bを同じ加熱温度で加熱する全面加熱モードを有している。制御部41は、全面加熱モードが設定された場合、複数のスイッチ31a、31cのうち1つのスイッチで入力された設定温度の情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの設定温度を設定する。
第2スイッチ31bで全面加熱モードに設定されると、制御部41は、誘導加熱調理器1のモードを全面加熱モードに設定する。全面加熱モードにおいて、制御部41は、例えば、第1スイッチ31aで入力された設定温度の情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの設定温度を設定してもよい。このとき、第3スイッチ31cで設定温度が入力されたとしても、制御部41は、第3スイッチ31cからの情報を受け付けなくてもよい。
あるいは、制御部41は、第1スイッチ31a又は第3スイッチ31cのいずれか一方で入力された設定温度の情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの設定温度をまとめて設定してもよい。
また、制御部41は、複数の温度検出部24a、24bで検出された温度の情報に基づいて、複数のインバータ42a、42bのそれぞれの出力を制御している。例えば、加熱プレート10が加熱されている間に、第1温度検出部24aは、第1発熱部12aの温度情報、即ち第1加熱領域A1の温度情報を検出する。第1温度検出部24aで検出された温度情報は、制御部41の第1温度算出部43aに送信される。第1温度算出部43aは、検出された温度情報に基づいて、第1発熱部12aの温度を算出する。算出された第1発熱部12aの温度は、制御部41に送信される。制御部41は、算出された第1発熱部12aの温度と操作部31で設定された第1加熱領域A1の加熱温度とを比較する。制御部41は、比較結果に基づいて、第1発熱部12aの温度が操作部31で設定された加熱温度と同じになるように、第1インバータ42aの出力を調節する。
このように、制御部41は、第1温度検出部24aで検出された第1発熱部12aの温度情報、即ち第1加熱領域A1の温度情報に基づいて、第1インバータ42aの出力を制御している。同様に、制御部41は、第2温度検出部24bで検出された第2発熱部12bの温度情報、即ち第2加熱領域A2の温度情報に基づいて、第2インバータ42bの出力を制御している。
このような制御により、制御部41は、第1加熱領域A1と第2加熱領域A2とにおいて、設定された加熱温度を容易に実現できると共に、設定された加熱温度を容易に維持することができる。
また、制御部41は、例えば、操作部31で設定された第1加熱領域A1及び第2加熱領域A2の加熱温度、タイマー、及び/又はコースなどの情報を表示部32に送信する。表示部32は、制御部41から受信した情報に基づいて、設定されている加熱温度、タイマー、及び/又はコースの情報を表示する。
また、制御部41は、第1温度検出部24a及び第2温度検出部24bで検出された温度情報に基づいて、第1加熱領域A1及び第2加熱領域A2の温度が設定された加熱温度となっていると判断すると、報知部33を制御してユーザに報知する。
制御部41は、複数の発熱部12a、12bのそれぞれを設定温度まで予熱する予熱期間において、第1温度検出部24a及び第2温度検出部24bで検出された検出温度が設定温度に達しているか否かを決定する。検出温度が設定温度に達していると決定された場合、制御部41は、報知部33に予熱が完了したことを示す情報を送信する。
本明細書において、「予熱」とは、調理物が加熱プレート10上に置かれていない状態で、加熱を開始し、加熱プレート10を設定温度まで加熱することを意味する。
<報知部>
報知部33は、加熱プレート10の複数の発熱部12a、12bの予熱の完了をそれぞれ報知する。具体的には、報知部33は、制御部41から第1発熱部12a、第2発熱部12bのそれぞれについて、予熱が完了したことを示す情報を受信する。報知部33は、受信した予熱が完了したことを示す情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの予熱の完了をそれぞれ報知する。
報知部33による報知は、例えば、電子音などの音である。なお、報知部33による報知は、音に限定されず、例えば、表示部32に予熱が完了したことを示す文字又は図形等の情報を表示してもよい。
予熱が完了したことを示す情報は、制御部41によって報知部33に送信される。
報知部33は、複数の発熱部12a、12bのうち少なくとも1つの発熱部の設定温度が設定された後、所定の時間内に別の発熱部の設定温度が設定された場合、少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを示す情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの予熱の完了を報知する。
「所定の時間」とは、第1発熱部12aの設定温度を入力後、続けて第2発熱部12bの設定温度を入力するのに要する時間である。言い換えると、「所定の時間」とは、ユーザが複数の発熱部12a、12bの加熱温度を設定するために一連の温度設定操作を行うために必要な時間である。所定の時間は、例えば、0秒以上10秒以下である。
「複数の発熱部12a、12bの予熱の完了を報知する」とは、第1発熱部12aの予熱完了の報知と第2発熱部12bの予熱完了の報知とを連続して行うことを意味する。例えば、報知部33は、電子音を2回連続で鳴らすことによって、第1発熱部12a及び第2発熱部12bの予熱完了をまとめて報知してもよい。
なお、「予熱の完了をまとめて報知する」は、上記した例に限定されず、例えば、電子音を1回鳴らすことによって、第1発熱部12a及び第2発熱部12bの予熱完了を報知してもよい。
例えば、制御部41は、複数の発熱部12a、12bのうち少なくとも1つの発熱部の設定温度が設定された後、所定の時間内に別の発熱部の設定温度が設定されたことを検出する。この場合、制御部41は、予熱期間において、複数の温度検出部24a、24bのそれぞれで検出された温度と、複数の発熱部12a、12bのそれぞれの設定温度とに基づいて、少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを検出する。
次に、報知部33は、制御部41から少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを示す情報を受信し、この情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの予熱の完了をまとめて報知する。
実施の形態では、少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを示す情報は、例えば、複数の発熱部12a、12bのうち最も遅く予熱が完了した発熱部の情報を含む。「最も遅く予熱が完了した発熱部」とは、複数の発熱部12a、12bのうち最後に予熱が完了した発熱部を意味する。このような構成により、すべての発熱部12a、12bの予熱が完了したときに、報知部33によって予熱完了を報知することができる。このため、加熱プレート10の予熱が完了した最適なタイミングで、ユーザが調理物を加熱することができる。その結果、利便性が向上する。
<インバータ>
複数のインバータ42a、42bは、制御部41で設定された出力に応じて、複数の加熱コイル23a、23bのそれぞれに高周波電流を供給する。図6は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の例示的な制御回路の一部の回路図である。図6に示すように、第1インバータ42aは、平滑コンデンサC1を介して第1加熱コイル23aと接続されている。第2インバータ42bは、平滑コンデンサC1を介して第2加熱コイル23bと接続されている。第1加熱コイル23aとコンデンサC2とは並列で接続されており、第2加熱コイル23bとコンデンサC3とは並列で接続されている。
複数のインバータ42a、42bは、それぞれ、スイッチング素子SW1、SW2を有する。実施の形態では、第1インバータ42aは第1スイッチング素子SW1を有し、第2インバータ42bは第2スイッチング素子SW2を有する。
第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2は、それぞれ、制御部41から入力されるパルス波に基づいて高周波電流を発生させるスイッチである。即ち、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2は、それぞれ、第1インバータ42a及び第2インバータ42bから第1加熱コイル23a及び第2加熱コイル23bにそれぞれ高周波電流を供給するスイッチである。第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transister)を用いている。IGBTは、制御部41からパルス波が入力されると、交流電源からDCコンバータを介して供給される直流電流を所望の出力に応じた高周波電流に変換する。IGBTは、制御部41によって設定されたパルス波に基づいて、直流電流を高周波電流に変換する。
第1インバータ42aは、制御部41から第1スイッチング素子SW1にパルス波が入力されている間、オンになる。第1インバータ42aは、オンになっている間、第1スイッチング素子SW1を用いて、制御部41から入力されたパルス波に基づいて高周波電流を発生させる。第1インバータ42aは、発生された高周波電流を第1加熱コイル23aに供給する。第1インバータ42aは、制御部41から第1スイッチング素子SW1にパルス波が入力されなくなるとオフになり、第1加熱コイル23aへの高周波電流の供給を停止する。
同様に、第2インバータ42bは、制御部41から第2スイッチング素子SW2にパルス波が入力されている間、オンになる。第2インバータ42bは、第2スイッチング素子SW2を用いて、制御部41から入力されたパルス波に基づいて高周波電流を発生させる。第2インバータ42bは、発生させた高周波電流を第2加熱コイル23bに供給する。第2インバータ42bは、制御部41から第2スイッチング素子SW2にパルス波が入力されなくなるとオフになり、第2加熱コイル23bへの高周波電流の供給を停止する。
このように、誘導加熱調理器1では、複数のインバータ42a、42bのそれぞれが1つのスイッチング素子(IGBT)を用いて、1つの加熱コイルへの高周波電流の供給を行っている。このような構成により、1つのインバータが2つのスイッチング素子を用いて、複数の加熱コイルへの高周波電流の供給を行う構成と比べて、コストを低減することができる。また、発熱量を抑えることができるため、排熱するためのヒートシンクを小さくすることができる。その結果、誘導加熱調理器1を薄型化することができる。
<温度算出部>
複数の温度算出部43a、43bは、それぞれ、複数の温度検出部24a、24bで検出された温度の情報に基づいて、複数の加熱領域A1、A2の温度を算出する。具体的には、第1温度算出部43a及び第2温度算出部43bは、それぞれ、第1温度検出部24a及び第2温度検出部24bから、第1加熱領域A1及び第2加熱領域のそれぞれの温度の情報を受信する。第1温度算出部43a及び第2温度算出部43bは、温度の情報に基づいて、第1加熱領域A1及び第2加熱領域のそれぞれの温度を算出する。第1温度算出部43a及び第2温度算出部43bは、算出した温度の情報を制御部41に送信する。
<冷却ファン>
図2に示すように、冷却ファン51は、本体20内部に冷却用の空気を送風するターボファンである。冷却ファン51は、本体20の外部から内部に空気を送風し、本体20内部に収容された複数の加熱コイル23a、23b、複数のインバータ42a、42b及び制御部41を冷却する。
[加熱制御]
次に、誘導加熱調理器1の例示的な加熱制御について説明する。
図7Aは、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の加熱制御の一例を示す図である。図7Aにおいては、制御部41による第1インバータ42aの出力の制御、第2インバータ42bの出力の制御、及び全体の出力を示す。全体の出力とは、第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力との合計を意味する。また、図7Aに示す制御は、加熱プレート10の第1加熱領域A1及び第2加熱領域A2の両方を同じ加熱温度で加熱する場合の第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力の制御を示す。
図7Aに示すように、制御部41は、加熱プレート10の第1加熱領域A1及び第2加熱領域A2の両方を同じ加熱温度で加熱する場合、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの両方の出力をP1に設定する。P1は、例えば、操作部31で設定された加熱温度に基づいて算出されたインバータの出力である。即ち、P1はユーザが設定した所望の加熱温度に対応する出力である。
次に、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bのオンオフを順次切り替えることによって、第1インバータ42aの出力と、第2インバータ42bの出力と、を順次切り替える。これにより、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aへの高周波電流の供給と、第2インバータ42bから第2加熱コイル23bへの高周波電流の供給と、を順次切り替える。その結果、第1発熱部12aと第2発熱部12bとを順次誘導加熱することによって、第1加熱領域A1と第2加熱領域A2とを順次加熱する。これにより、第1加熱領域A1と第2加熱領域A2とを同じ温度に加熱している。
実施の形態では、制御部41は、2つのインバータ42a、42bを制御しており、第1インバータ42aの出力と、第2インバータ42bの出力と、を交互に切り替えている。即ち、制御部41は、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aへの高周波電流の供給と、第2インバータ42bから第2加熱コイル23bへの高周波電流の供給と、を交互に切り替えている。
具体的には、制御部41は、加熱を開始すると、第1スイッチング素子SW1にパルス波を入力することによって、第1インバータ42aをオンにする。第1インバータ42aは、オンになっている間、制御部41から入力されたパルス波に基づいて高周波電流を発生させる。第1インバータ42aは、発生させた高周波電流を第1加熱コイル23aに供給する。ここで、制御部41は、第1インバータ42aの出力を0から開始して、P1まで徐々に上げていく。
第1インバータ42aの出力がP1に達すると、制御部41は、第1スイッチング素子SW1へのパルス波の入力を停止し、第1インバータ42aをオンからオフに切り替える。これにより、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aへの高周波電流の供給を停止する。即ち、第1インバータ42aの出力を停止する。
次に、制御部41は、第2スイッチング素子SW2にパルス波を入力することによって、第2インバータ42bをオフからオンに切り替える。第2インバータ42bは、オンになっている間、制御部41から入力されたパルス波に基づいて高周波電流を発生させる。第2インバータ42bは、発生させた高周波電流を第2加熱コイル23bに供給する。ここで、制御部41は、第2インバータ42bの出力を0から開始して、P1まで徐々に上げていく。
第2インバータ42bの出力がP1に達すると、制御部41は、第2スイッチング素子SW2へのパルス波の入力を停止し、第2インバータ42bをオンからオフに切り替える。これにより、第2インバータ42bから第2加熱コイル23bへの高周波電流の供給を停止する。即ち、第2インバータ42bの出力を停止する。
図7Aに示す加熱制御においては、上述した第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力とを順次切り替えて、第1加熱コイル23aと第2加熱コイル23bとを順次加熱している。
このように、制御部41は、第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力とを交互に切り替えることによって、全体の出力をP1にしている。これにより、加熱プレート10の全面を所定の加熱温度で均一に加熱することができる。
また、第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力とを交互に切り替えることによって、第1インバータ42aからの高周波電流の供給と第2インバータ42bからの高周波電流の供給とを交互に行っている。即ち、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aへ高周波電流を供給しているとき、第2インバータ42bから第2加熱コイル23bへの高周波電流の供給を停止している。一方、第2インバータ42bから第2加熱コイル23bへ高周波電流を供給しているとき、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aへの高周波電流の供給を停止している。
また、高周波電流が第1加熱コイル23a及び第2加熱コイル23bに同時に供給されないため、第1加熱コイル23aから生じる電磁波と、第2加熱コイル23bから生じる電磁波とが干渉しない。このため、これらの電磁波の干渉による干渉音が生じることを抑制することができる。
第1インバータ42a及び第2インバータ42bの両方をオンにして複数の加熱コイル23a、23bに高周波電流を同時に供給する場合、干渉音が生じることがある。例えば、第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力とが異なると、高周波電流の周波数が異なることになり、それぞれのインバータから発生する電磁波が干渉することによって、干渉音が発生することがある。誘導加熱調理器1によれば、第1インバータ42a及び第2インバータ42bを交互にオンオフを切り替えるため、高周波電流が第1加熱コイル23a及び第2加熱コイル23bに交互に供給される。このため、複数の加熱コイル23a、23bに高周波電流が同時に供給されず、干渉音が発生することを抑制することができる。即ち、誘導加熱調理器1によれば、ユーザが不快に感じるような干渉音の発生を抑制することができる。
また、制御部41は、第1インバータ42aがオフからオンに切り替わるとき、第1インバータ42aの出力を毎回0から開始し、P1まで徐々に上げている。また、制御部41は、第2インバータ42bがオフからオンに切り替わるとき、第2インバータ42bの出力を毎回0から開始し、P1まで徐々に上げている。
このように、制御部41は、第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力とを切り替える度に、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力開始時の出力を低くしている。このように制御することにより、第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力とを切り替えたときに、第1インバータ42a及び第2インバータ42bにかかる負荷を低減することができる。
図7Bは、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の加熱制御の別例を示す図である。図7Bに示す加熱制御では、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの前回の出力情報に基づいて次回の出力を設定している。なお、図7Bに示す加熱制御では、制御部41が第1インバータ42aの出力と第2インバータ42bの出力とを順次切り替える点において、図7Aに示す加熱制御と同じである。
図7Bに示すように、制御部41は、第1インバータ42aがオンときの第1インバータ42aの出力情報、及び第2インバータ42bがオンのときの第2インバータ42bの出力情報を記憶している。制御部41は、記憶した出力情報に基づいて第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力を制御している。
例えば、制御部41は、加熱を開始すると、第1スイッチング素子SW1にパルス波を入力し、第1インバータ42aをオンにする。これにより、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aへの高周波電流の供給を開始する。高周波電流の供給を開始すると、制御部41は、第1インバータ42aの出力を0からP1まで徐々に上げていく。
また、制御部41は、第1インバータ42aがオンのときの第1インバータ42aの出力情報を記憶する。出力情報は、例えば、第1インバータ42aの出力及び出力時間を含む。
次に、制御部41は、記憶した出力情報に基づいて、次に第1インバータ42aがオンになるときの第1インバータ42aの出力を設定する。出力情報に基づくインバータの出力の設定の詳細については、後述する「加熱制御の詳細」にて説明する。
制御部41は、記憶した出力情報において、前回の第1インバータ42aの第1出力がP1である場合、次に出力される第1インバータ42aの第2出力をP1に設定する。具体的には、制御部41は、第1インバータ42aの第2出力を0から開始してP1まで徐々に上げていくのではなく、最初からP1で開始するように設定する。
また、制御部41は、記憶した出力情報において、前回の第1インバータ42aの第1出力時間tsに基づいて、次回の第1インバータ42aの第2出力時間tsを設定する。なお、出力時間とは、スイッチング素子にパルス波が入力されてインバータがオンになっている時間、即ち、インバータが加熱コイルへ高周波電流を供給している時間である。
図7Bに示す加熱制御では、制御部41は、第1インバータ42aを2回目以降にオンにするとき、第1インバータ42aの出力を低下させずにP1一定に設定している。また、制御部41は、出力時間ts、ts、tsをすべて同じ時間に設定している。
制御部41は、第2インバータ42bの出力の制御についても、第1インバータ42aの出力の制御と同様の制御を行っている。即ち、制御部41は、第2インバータ42bを2回目以降にオンにするとき、第2インバータ42bの出力を低下させずにP1一定に設定している。また、制御部41は、出力時間ts11、ts12、ts13をすべて同じ時間に設定している。
このように制御することにより、第1インバータ42a及び第2インバータ42bから高周波電流を効率良く出力することができ、加熱プレート10を効率良く加熱することができる。
なお、図7Bに示す加熱制御では、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bを2回目以降でオンにするとき、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力を低下させずにP1一定とする例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの前回の出力に基づいて、次の出力を変更してもよい。
また、図7Bに示す加熱制御では、制御部41は、第1インバータ42aの出力時間ts、ts、tsをすべて同じ時間に設定し、第2インバータ42bの出力時間ts11、ts12、ts13をすべて同じ時間に設定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの前回の出力に基づいて、次の出力時間ts、ts12を前回の出力時間ts、ts11と異なる時間に設定してもよい。
[加熱制御の詳細]
次に、誘導加熱調理器1の詳細な加熱制御の一例を説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器1の詳細な加熱制御の一例を示す図である。図8は、制御部41のパルス波の制御の一例を示す。図8においては、第1インバータ42aの第1スイッチング素子SW1に入力される第1パルス波と、第2インバータ42bの第2スイッチング素子SW2に入力される第2パルス波とが示されている。
図8に示すように、制御部41は、第1インバータ42aの第1スイッチング素子SW1への第1パルス波の入力と、第2インバータ42bの第2スイッチング素子SW2への第2パルス波の入力と、を交互に行っている。これにより、制御部41は、第1インバータ42aから第1加熱コイル23aへの高周波電流の供給と、第2インバータ42bから第2加熱コイル23bへの高周波電流の供給と、を交互に行っている。
第1インバータ42aの出力を制御する制御部41の第1パルス波の制御について説明する。制御部41は、例えば、操作部31で設定された加熱温度に基づいて、第1インバータ42aの出力を設定する。具体的には、制御部41は、第1インバータ42aの第1スイッチング素子SW1に入力する第1パルス波のオンタイムを設定する。制御部41は、第1パルス波のオン/オフのデューティが一定の条件下として、第1パルス波のオンタイムを設定することによって、第1パルス波の第1周波数fを設定している。また、制御部41は、第1パルス波のオンタイムに基づいて、第1出力時間tsを設定している。
制御部41は、第1パルス波を第1スイッチング素子SW1に入力することによって、第1インバータ42aをオンにする。第1インバータ42aがオンになっている第1出力時間tsの間、第1インバータ42aは、制御部41から入力された第1パルス波に基づいて、第1スイッチング素子SW1によって直流電流を高周波電流に変換する。これにより、第1インバータ42aは、高周波電流を第1加熱コイル23aに供給する。このとき、制御部41は、第1出力時間tsにおける第1パルス波の最後のオンタイムtを記憶する。
制御部41は、第1出力時間tsにおける第1パルス波の最後のオンタイムtに基づいて、次に第1インバータ42aがオンになるときの第2出力時間tsにおける第1パルス波の最初のオンタイムtを設定する。
実施の形態では、制御部41は、次に第1インバータ42aがオンになるときの第2出力時間tsにおける第1パルス波の最初のオンタイムtを、第1出力時間tsにおける第1パルス波の最後のオンタイムtと同じに設定する。
これにより、制御部41は、次に第1インバータ42aがオンになるときの第2出力時間tsにおける第1パルス波の第2周波数fを設定することができる。実施の形態では、制御部41は、第2周波数fを第1周波数fと同じに設定している。
また、制御部41は、第2出力時間tsにおける第1パルス波の最初のオンタイムtに基づいて、第2出力時間tsを設定する。実施の形態では、第2出力時間tsにおける第1パルス波の最初のオンタイムtが、第1出力時間tsにおける第1パルス波の最後のオンタイムtと同じに設定されているため、第2出力時間tsは第1出力時間tsと同じ時間に設定される。
このように、制御部41は、前回第1インバータ42aがオンのときの第1パルス波の最後のオンタイムtに基づいて、次に第1インバータ42aがオンになるときの第1パルス波の最初のオンタイムtを設定している。これにより、第1インバータ42aは、前回の出力情報に基づいて、次回の第1インバータ42aの出力を行うことができる。その結果、加熱プレート10の第1加熱領域A1を効率良く加熱することができる。
第2インバータ42bの出力を制御する制御部41の第2パルス波の制御についても、第1パルス波の制御と同様である。
制御部41は、第2インバータ42bの第2スイッチング素子SW2に入力する第2パルス波のオンタイムを設定する。次に、制御部41は、第2パルス波を第2スイッチング素子SW2に入力することによって、第2インバータ42bをオンにする。第2インバータ42bがオンになっている第1出力時間ts11の間、第2インバータ42bは、制御部41から入力された第2パルス波に基づいて、第2スイッチング素子SW2によって直流電流を高周波電流に変換する。これにより、第2インバータ42bは、高周波電流を第2加熱コイル23bに供給する。このとき、制御部41は、第1出力時間ts11における第2パルス波の最後のオンタイムt11を記憶する。
制御部41は、第1出力時間ts11における第2パルス波の最後のオンタイムt11に基づいて、第2出力時間ts12における第2パルス波の最初のオンタイムt12を設定する。これにより、制御部41は、第2出力時間ts12において第2インバータ42bの第2パルス波の第2周波数f12を設定する。
実施の形態では、制御部41は、第1出力時間ts11における第2パルス波の第1周波数f11と、第2出力時間ts12における第2パルス波の第2周波数f12とを同じに設定している。また、制御部41は、第2出力時間ts12を、第1出力時間ts11と同じ時間に設定している。
このように、制御部41は、出力情報として、前回の出力時間におけるパルス波の最後のオンタイムを記憶し、パルス波の最後のオンタイムに基づいて、次のパルス波の最初のオンタイムを設定している。このような制御をすることにより、前回の出力情報を引き継いで、インバータの出力を制御することができるため、加熱プレート10のそれぞれの加熱領域を効率良く加熱することができる。
なお、図8に示す加熱制御では、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bにおける第1出力時間ts、ts11と、第2出力時間ts、ts12とをそれぞれ同じに設定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、加熱中に加熱温度の設定が変更された場合などでは、制御部41は、第1出力時間ts、ts11と、第2出力時間ts、ts12とをそれぞれ異なる時間に設定してもよい。
また、第1インバータ42aの出力時間ts、tsと、第2インバータ42bの出力時間ts11、ts12とは異なっていてもよい。出力時間ts、ts、ts11、ts12は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bのそれぞれの出力の大きさに応じて設定されてもよい。
また、制御部41は、複数のインバータ42a、42bのオンオフが切り替わる駆動周期tc、tcにおける複数のインバータ42a、42bのそれぞれの出力を比較し、出力の差に基づいて、駆動周期tc、tcを調節してもよい。
なお、駆動周期tc、tcとは、第1インバータ42aがオンになってから、次に第1インバータ42aがオンになるまでの期間を意味する。言い換えると、駆動周期tc、tcとは、第1パルス波が入力されてから次に第1パルス波が入力されるまでの期間を意味する。図8に示すように、駆動周期tcは、第1パルス波の第1出力時間tsと第2パルス波の第1出力時間ts11とを合計した期間である。また、駆動周期tcは、第1パルス波の第2出力時間tsと第2パルス波の第2出力時間ts12とを合計した期間である。
例えば、制御部41は、駆動周期tc、tcにおける複数のインバータ42a、42bのそれぞれの出力(つまり、誘導加熱調理器の消費出力であり、毎秒出力)を比較し、出力(つまり、誘導加熱調理器の消費出力であり、毎秒出力)の差が相対的に大きい場合、相対的に小さい場合と比べて、駆動周期tc、tcを長くしてもよい。あるいは、制御部41は、駆動周期tc、tcにおける複数のインバータ42a、42bのそれぞれの出力を比較し、出力の差が相対的に小さい場合、相対的に大きい場合と比べて、駆動周期tc、tcを短くしてもよい。
このような制御により、複数の加熱コイル23a、23bの周辺にある照明などの機器が影響を受け、機器が誤動作することを抑制することができる。
なお、図8に示す加熱制御では、制御部41は、第2出力時間ts、ts12におけるパルス波の最初のオンタイムt、t12を、第1出力時間ts、ts11におけるパルス波の最後のオンタイムt、t11とそれぞれ同じに設定する例について説明したが、これに限定されない。制御部41は、第2出力時間ts、ts12におけるパルス波の最初のオンタイムt、t12を、第1出力時間ts、ts11におけるパルス波の最後のオンタイムt、t11とそれぞれ異なるように設定してもよい。
例えば、第1インバータ42aの第1出力時間tsにおいて、制御部41で設定された目標出力P1に到達していない場合を説明する。この場合、制御部41は、第1インバータ42aについて、第2出力時間tsにおける第1パルス波の最初のオンタイムtを、第1出力時間tsにおける第1パルス波の最後のオンタイムtよりも長く設定してもよい。
[温度に基づく加熱制御]
次に、温度に基づく加熱制御の一例について説明する。
図9は、温度に基づく加熱制御による第1発熱部12a及び第2発熱部12bの温度変化の一例を示す。図9に示す例では、第1発熱部12aの設定温度Tg1を250℃、第2発熱部12bの設定温度Tg2を140℃に設定して、加熱を行っている。実施の形態では、温度に基づく加熱制御の一例として、予熱期間における加熱制御と、予熱期間終了後における加熱制御とについて説明する。
<予熱期間における加熱制御>
まず、予熱期間における加熱制御の一例について説明する。
図9に示すように、加熱を開始すると、第1発熱部12aは、予熱期間tpにおいて、設定温度Tg1に達するまで加熱される。また、第2発熱部12bは、予熱期間tpにおいて、設定温度Tg2に達するまで加熱される。
予熱期間tp、tpにおいても、制御部41は、「加熱制御の詳細」で説明したように、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力のオンオフを順次切り替えている。
予熱期間tp、tpにおける第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力は、設定温度に基づいて決定される。具体的には、制御部41は、設定温度に基づいて、予熱期間tp、tpにおける第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間を設定する。なお、本明細書において、「毎秒出力」とは、1秒毎の出力であり、誘導加熱調理器1の消費電力を意味する。
第1インバータ42aと第2インバータ42bの出力の設定の例について図10を用いて説明する。
図10は、予熱期間tp、tpにおける第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定するテーブルを示す図である。図10に示すテーブルでは、一例として、低温設定を90℃以上170℃未満、中温設定を170℃以上210℃未満、高温設定を210℃以上250℃以下と定義する。
図10に示すテーブルでは、「毎秒出力」の設定の一例として、低出力を0W以上400W以下、中出力を500W以上700W以下、高出力を800W以上1400W以下と定義している。
また、図10に示す出力時間は、駆動周期における第1インバータ42aの出力時間と第2インバータ42bの出力時間との配分を示す。図10に示す出力時間は、図8に示す駆動周期tcにおける第1インバータ42aの出力時間tsと第2インバータ42bの出力時間ts11との配分を示す。例えば、図10に示す「出力時間:5s/5s」とは、駆動周期tcを10秒、第1インバータ42aの出力時間tsを5秒、第2インバータ42bの出力時間ts11を5秒に設定することを意味する。
図9に示す例に戻って、第1発熱部12aの設定温度Tg1は、250℃に設定されており、第2発熱部12bの設定温度Tg2は、140℃に設定されている。よって、図10に示す温度設定において、第1発熱部12aの設定温度Tg1は高温設定であり、第2発熱部12bの設定温度Tg2は低温設定である。
制御部41は、図10に示すテーブルを参照し、第1発熱部12aの設定温度Tg1が高温設定、第2発熱部12bの設定温度Tg2が低温設定におけるインバータの出力設定を決定する。図10のテーブルを参照すると、第1発熱部12aの設定温度Tg1が「高温設定」、第2発熱部12bの設定温度Tg2が「低温設定」の組み合わせでは、インバータの出力設定として「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:6s/4s」が設定されている。
したがって、制御部41は、図10に示すテーブルに基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力設定を、「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:6s/4s」に決定する。即ち、制御部41は、第1インバータ42aの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間tsを6秒に設定する。また、制御部41は、第2インバータ42bの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間ts11を4秒に設定する。
第1発熱部12aおよび第2発熱部の双方の予熱が完了していない場合、予熱期間tpにおける加熱制御において、図10に示すテーブルを用いて設定された第1インバータ42aの出力設定は、第1発熱部12aの温度が設定温度Tg1の250℃に達するまで維持される。なお、第1発熱部12aの温度が設定温度Tg1に達しているか否かの決定は、第1温度検出部24aによって検出された温度に基づいて行われる。同様に、第1発熱部12aおよび第2発熱部の双方の予熱が完了していない場合、設定された第2インバータ42bの出力設定は、第2発熱部1baの温度が設定温度Tg2の140℃に達するまで維持される。
<予熱期間終了後における加熱制御>
次に、予熱期間終了後における加熱制御の一例について図9及び図11~12を用いて説明する説明する。
図11は、予熱期間tp、tpの双方を終了した後、駆動周期tcにおける第1インバータ42a及び第2インバータ42bの平均出力を決定するテーブルを示す。図12は、図11に示すテーブルで決定された第1インバータ42a及び第2インバータ42bの平均出力に基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定するテーブルを示す。
なお、本明細書において、「平均出力」とは、駆動周期におけるインバータの出力の平均を意味する。「平均出力」は、駆動周期毎に発熱部に与えられる熱量である。例えば、毎秒出力が800W、駆動周期が10秒、出力時間が5秒に設定されている場合、平均出力は、800W×(5秒/10秒)=400Wと算出される。
また、図11に示すテーブルでは、平均出力の設定の一例として、低出力を0W以上400W以下、中出力を500W以上700W以下、高出力を800W以上1400W以下と定義している。
予熱期間tp、tpの終了後において、制御部41は、第1発熱部12a及び第2発熱部12bの検出温度及び設定温度Tg1、Tg2に基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力を制御する。例えば、制御部41は、検出温度と設定温度との差、及び温度変化の傾きに基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bのそれぞれが要求する平均出力を決定する。
具体的には、制御部41は、検出温度と設定温度との差、及び温度変化の傾きを算出し、これらの算出結果と図11に示すテーブルに基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bのそれぞれが要求する平均出力を決定する。
制御部41は、検出温度から設定温度を引き算することによって検出温度と設定温度との差を算出する。次に、制御部41は、検出温度と設定温度との差が「正」、「0」及び「負」のいずれかであることを決定する。
また、制御部41は、複数の検出温度に基づいて検出温度の傾きを算出する。例えば、制御部41は、第1検出温度と、第1検出温度より前に検出した第2検出温度とに基づいて、検出温度の変化の傾きを算出する。第2検出温度は、例えば、第1検出温度を検出したタイミングよりt秒前のタイミングで検出された検出温度などであってもよい。t秒は、例えば、1秒以上5秒以下の範囲である。制御部41は、算出された温度変化の傾きが「正」、「0」及び「負」のいずれかであることを決定する。
一例として、図9に示す予熱期間tp、tpの終了後の検出タイミングtmのときに検出した第1発熱部12aの検出温度Ta1及び第2発熱部12bの検出温度Tb1に基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの平均出力を決定する例について説明する。
図9に示す例では、検出タイミングtmのときに検出した第1発熱部12aの検出温度Ta1と設定温度Tg1との温度差は「負」である。第1発熱部12aの温度変化の傾きは「正」である。図11に示すテーブルを参照すると、温度差「負」及び温度変化の傾き「正」の組み合わせでは、「平均出力:中出力」が設定されている。したがって、制御部41は、第1インバータ42aの平均出力を「中出力」に決定する。
一方、検出タイミングtmのときに検出した第2発熱部12bの検出温度Tb1と設定温度Tg2との差は「負」である。第2発熱部12bの温度変化の傾きは、「負」である。図11に示すテーブルを参照すると、温度差「負」及び温度変化の傾き「負」の組み合わせでは、「平均出力:高出力」が設定されている。したがって、制御部41は、第2インバータ42bの平均出力を「高出力」に決定する。
次に、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bのそれぞれが要求する平均出力に基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定する。具体的には、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの平均出力と図12に示すテーブルに基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定する。
図12に示すテーブルを参照すると、第1インバータ42aの「平均出力:中出力」及び第2インバータ42bの「平均出力:高出力」の組み合わせでは、「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:4s/6s」が設定されている。
したがって、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力設定を、「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:4s/6s」に決定する。即ち、制御部41は、第1インバータ42aの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間tsを4秒に設定する。また、制御部41は、第2インバータ42bの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間ts11を6秒に設定する。
このような制御により、インバータを適切な出力に設定することができ、所望の加熱温度まで素早く加熱することができる。
[効果]
実施の形態1に係る誘導加熱調理器1によれば、以下の効果を奏することができる。
誘導加熱調理器1によれば、複数の発熱部12a、12bによりそれぞれ加熱される複数の加熱領域A1、A2を1つの加熱プレート10上に形成し、複数の加熱領域A1、A2をそれぞれ個別に加熱することができる。
また、複数の加熱領域A1、A2(複数の発熱部12a、12b)のそれぞれの加熱温度は、制御部41によって、個別に調節することができる。このため、誘導加熱調理器1によれば、複数の加熱領域A1、A2のそれぞれにおいて、ユーザが設定した加熱温度を実現することができる。その結果、ユーザは複数の加熱領域A1、A2のそれぞれにおいて、設定した加熱温度で調理物を加熱することができる。したがって、誘導加熱調理器1によれば、利便性を向上させることができる。
制御部41は、複数のインバータ42a、42bの出力のオンオフを順次切り替えている。これにより、複数の加熱コイル23a、23bから発生する電磁波が互いに干渉することを抑制することができ、干渉音の発生を抑制することができる。
予熱期間tp、tpの終了後における加熱制御において、制御部41は、複数の発熱部12a、12bの検出温度Ta1、Tb1及び設定温度Tg1、Tg2と、検出温度Ta1、Tb1の温度変化の傾きとに基づいて、駆動周期tcにおける複数のインバータ42a、42bの毎秒出力及び出力時間ts1、ts11の配分を設定している。このような構成により、干渉音の発生を抑制しつつ、加熱プレート10の第1発熱部12a及び第2発熱部12bを効率良く加熱し、短期間で設定温度Tg1、Tg2まで加熱することができる。その結果、誘導加熱調理器の利便性を向上させることができる。
また、温度変化の傾きが「正」のときに比べて「負」の場合のインバータの出力を大きくすることによって、より効率良く第1発熱部12a及び第2発熱部12bを加熱することができる。
制御部41は、検出温度Ta1、Tb1と設定温度Tg1、Tg2との差、及び検出温度Ta1、Tb1の温度変化の傾きに基づいて、駆動周期tcにおける複数のインバータ42a、42bのそれぞれの平均出力を決定している。また、制御部41は、複数のインバータ42a、42bのそれぞれの平均出力に基づいて、複数のインバータ42a、42bの毎秒出力及び出力時間ts、ts11の配分を設定している。このような構成により、複数のインバータ42a、42bのそれぞれで必要とされる平均出力から毎秒出力及び出力時間ts1、ts11の配分を適切に設定することができる。このため、干渉音の発生を抑制しつつ、加熱プレート10を効率良く加熱し、短期間で設定温度Tg1、Tg2まで加熱することができる。その結果、誘導加熱調理器の利便性を向上させることができる。
制御部41は、複数の発熱部12a、12bのそれぞれの設定温度Tg1、Tg2に基づいて、予熱期間tp、tpにおける複数のインバータ42a、42bの毎秒出力及び出力時間ts、ts11の配分を設定している。このため、干渉音の発生を抑制しつつ、加熱プレート10を効率良く予熱することができる。その結果、誘導加熱調理器1
の利便性を向上させることができる。
誘導加熱調理器1は、加熱プレート10の複数の発熱部12a、12bの予熱の完了をそれぞれ報知する報知部33を備える。制御部41は、複数の発熱部12a、12bのうち少なくとも1つの発熱部の設定温度Tg1、Tg2が設定された後、所定の時間内に別の発熱部の設定温度Tg1、Tg2が設定されたことを検出する。検出が行われた場合、制御部41は、予熱期間tp、tpにおいて、複数の温度検出部24a、24bのそれぞれで検出された温度と、複数の発熱部12a、12bのそれぞれの設定温度とに基づいて、少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを検出する。報知部33は、少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを示す情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの予熱の完了を報知する。このような構成により、報知部33は、複数の発熱部12a、12bの予熱の予熱の完了の報知のタイミングをまとめて行うことができる。このため、ユーザは、複数の発熱部12a、12bの予熱が完了した適切なタイミングで調理を開始することができる。その結果、誘導加熱調理器1の利便性を向上させることができる。
少なくとも1つの発熱部の予熱が完了したことを示す情報は、複数の発熱部12a、12bのうち最も遅く予熱が完了した発熱部の情報を含む。このような構成により、報知部33は、すべての発熱部12a、12bの予熱が完了したタイミングで予熱完了の報知を行うことができる。このため、ユーザは、より適切なタイミングで調理を開始することができる。その結果、誘導加熱調理器1の利便性を向上させることができる。
誘導加熱調理器1は、加熱プレート10の複数の発熱部12a、12bの設定温度Tg1、Tg2をそれぞれ設定する複数のスイッチ31a、31cを有する操作部31を備える。制御部41は、複数の発熱部12a、12bを同じ加熱温度で加熱する全面加熱モードを有する。また、制御部41は、全面加熱モードが設定された場合、複数のスイッチ31a、31cのうち1つのスイッチで入力された設定温度の情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの設定温度Tg1、Tg2を設定する。このような構成により、全面モードで加熱プレート10を加熱する場合、1つのスイッチの操作で複数の発熱部12a、12bの設定温度Tg1,Tg2を設定することができる。このため、誘導加熱調理器1の利便性を向上させることができる。
なお、実施の形態では、加熱プレート10は、薄板状のフラットなプレートを例として説明したが、これに限定されない。例えば、加熱プレート10は、半球状に窪んだ複数の凹部を有するプレート、所謂たこ焼きプレート、長方形状に窪んだ複数の凹部を有するプレート、あるいは、これらのプレートを組み合わせたプレートであってもよい。組み合わせたプレートは、例えば、第1加熱領域A1がフラットなプレートであり、第2加熱領域A2がたこ焼きプレートであってもよい。また、厚み方向から見たときの加熱プレート10の形状は、長方形形状に限定されない。例えば、厚み方向から見たときの加熱プレート10の形状は、正方形、円形、又は楕円形などであってもよい。
実施の形態では、加熱プレート10は、2つの発熱部12a、12bを有する例を説明したが、これに限定されない。加熱プレート10は、2つ以上の発熱部を有していてもよい。また、複数の発熱部12a、12bは、環状に形成されている例について説明したが、これに限定されない。複数の発熱部12a、12bの形状は、例えば、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、又は多角形であってもよい。
また、複数の発熱部12a、12bは、同じサイズおよび同じ形状で形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の発熱部12a、12bは、それぞれ、異なるサイズおよび異なる形状で形成されていてもよい。
実施の形態では、加熱プレート10は、幅方向に延びる中心線CL1に対して左右対称形状を有する例を説明したが、これに限定されない。また、複数の発熱部12a、12bについても、中心線CL1に対して左右対称に設けられる例について説明したが、これに限定されない。例えば、加熱プレート10及び複数の発熱部12a、12bを左右の形状を異なるように形成することによって、加熱プレート10を本体20に取り付ける際に取り付け方向を固定することができる。これにより、加熱プレート10が本体20に誤った方向に取り付けられることを防止することができる。
実施の形態では、加熱プレート10は、複数の位置決め部13を有する例について説明したが、これに限定されない。加熱プレート10は、1つ以上の位置決め部13を有していればよい。また、複数の位置決め部13は、加熱プレート10の角部に形成される例について説明したが、これに限定されない。複数の位置決め部13は、本体20の上に載置されるトッププレート22の外縁に位置すればよい。
また、加熱プレート10は、位置決め部13によってトッププレート22上に位置決めされる例について説明したが、これに限定されない。例えば、本体20の外縁に取り付けられるフレームにより加熱プレート10の位置決めを行ってもよい。
実施の形態では、加熱プレート10は、複数のリブ14を有する例について説明したが、これに限定されない。加熱プレート10は、1つ以上のリブ14を有していればよい。また、リブ14は、位置決め部13と一体で形成されている例について説明したが、これに限定されない。リブ14は、位置決め部13と別個の部材で形成されていてもよい。
実施の形態では、仕切り部15は、凹部で形成される例について説明したが、これに限定されない。仕切り部15は、例えば、凸部で形成されていてもよい。このような構成により、ユーザは、第1加熱領域A1で加熱する調理物と、第2加熱領域A2で加熱する調理物と、を混ざらないように調理することができる。
また、仕切り部15は、加熱プレート10の幅方向に延びる中心線CL1に沿って設けられる例について説明したが、これに限定されない。仕切り部15は、複数の加熱領域A1,A2を仕切ることができればよく、複数の発熱部12a、12bとの間の加熱プレート10の上面に設けられていればよい。
実施の形態では、加熱プレート10は、円柱形状の複数の脚部16を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、脚部16は、楕円形状、多角形状を有していてもよい。
実施の形態では、第1加熱コイル23a及び第2加熱コイル23bは、それぞれ、加熱プレート10の厚み方向から見て第1発熱部12a及び第2発熱部12bが投影される領域に1対1で対向して配置される例について説明したが、これに限定されない。第1発熱部12a及び第2発熱部12bのそれぞれに対して、複数の加熱コイルが対向して配置されてもよい。例えば、第1発熱部12aが投影される領域に、複数の第1加熱コイル23aが同心円上に配置されていてもよい。同様に、第2発熱部12bが投影される領域に、複数の第2加熱コイル23bが同心円上に配置されていてもよい。
実施の形態では、複数の温度検出部24a、24bは、複数の加熱コイル23a、23bの中央に配置される例について説明したが、これに限定されない。
実施の形態では、複数の温度検出部34a、24bによって検出された温度に基づいて、複数のインバータ42a、42bの出力が設定される例について説明したが、これに限定されない。例えば、誘導加熱調理器1は、複数の温度検出部24a、24bで検出された温度に基づいてインバータ42a、42bの出力を設定しなくてもよい。
この場合、たとえばユーザは、操作部31を介して、温度の代わりに火力を設定できてもよい。火力は、たとえば強火、中火、および弱火のいずれかから選択できてもよい。または、ユーザは、火力と調理時間とを組み合わせた複数の調理メニューから、いずれか1つを選択できてもよい。設定された火力、または調理メニューに応じて、制御部41はインバータ42a、42bの出力を制御する。つまり、制御部41は、スイッチング素子SW1、SW2に印加するパルス波のオンタイムを制御する。また制御部41は、複数のインバータ42a、42bのそれぞれにおいて高周波電流を出力する出力時間を制御する。
この場合も、制御部41は、設定されたパルス波を、インバータ42a、42bのそれぞれのスイッチング素子SW1、SW2に順次切り替えて入力することによって、複数のインバータ42a、42bのオンオフを順次切り替えている。このような構成により、複数のインバータ42a、42bの高周波電流の出力を順次切り替えることができる。これにより、複数の加熱コイル23a、23bから発生する電磁波が互いに干渉することを抑制することができ、干渉音の発生を抑制できる。
実施の形態では、操作部31は、複数のスイッチを有する例として、3つのスイッチ31a、31b、31cを説明したが、これに限定されない。操作部31は、1つ以上のスイッチを含んでいればよい。
実施の形態では、報知部33を備える誘導加熱調理器1の例について説明したが、これに限定しない。報知部33は、必須の構成ではない。
実施の形態では、報知部33は、複数の発熱部12a、12bのうち最も遅く予熱が完了した発熱部の情報に基づいて、ユーザに予熱完了を報知する例について説明したが、これに限定されない。例えば、報知部33は、複数の発熱部12a、12bのうち最も早く予熱が完了した発熱部の情報に基づいては、ユーザに予熱完了を報知してもよい。
実施の形態では、制御部41は、複数の発熱部12a、12bを同じ加熱温度で加熱する全面加熱モード、個別加熱モードを有する例について説明したが、これに限定されない。制御部41は、全面加熱モードを有していなくてもよい。
制御部41において、全面加熱モードが設定された場合、複数のスイッチ31a、31cのうち1つのスイッチで入力された設定温度の情報に基づいて、複数の発熱部12a、12bの設定温度を設定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、全面加熱モードにおいて、複数のスイッチ31a、31cをそれぞれ別々に操作して複数の発熱部12a、12bの設定温度を個別に設定してもよい。
また、全面加熱モード、個別加熱モードの名称は一例であり、他の名称であってもよい。さらに、制御部41は、加熱プレート10の全面ではないが、複数の発熱部12a、12bにまたがって、単一の操作で温度制御できる加熱モードを有していてもよい。また、スイッチ(スイッチ31a~31c)の数は一つでもよい。スイッチの数が一つの場合、加熱モードまたは発熱部の選択は、それぞれ、スイッチの操作方向または操作回数(つまりクリック回数)等で受け付けてもよい。
実施の形態では、温度に基づく加熱制御の例として、図10~12に示すテーブルを用いたが、これらのテーブルに限定されない。図10~12に示すテーブルは、例示であって、これらのテーブルの設定は変更してもよい。
実施の形態では、温度に基づく加熱制御として、予熱期間における加熱制御の例について、図10に示すテーブル及び設定温度に基づいて複数のインバータ42a、42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定する制御を説明したが、これに限定されない。誘導加熱調理器1において、実施形態で述べた予熱期間における加熱制御は必須の制御ではなく、このような加熱制御を行わなくてもよい。例えば、予熱期間における加熱制御は、図10のテーブルを用いずに、設定温度毎に予め決定された複数のインバータ42a、42bの出力設定を使用してもよい。あるいは、予熱期間における加熱制御は、設定温度に依らずに決定した複数のインバータ42a、42bの出力設定を使用してもよい。
実施の形態では、温度に基づく加熱制御として、検出温度と設定温度との差、及び温度変化の傾きに基づいて、複数のインバータ42a、42bの出力を決定する例について説明したが、これに限定されない。複数のインバータ42a、42bの出力の決定において、温度変化の傾きの情報は必須ではない。複数のインバータ42a、42bの出力設定は、温度変化の傾きの情報を用いずに、検出温度及び設定温度の情報に基づいて決定されてもよい。
例えば、検出温度と設定温度との差と、検出温度の傾きとに基づく制御に限定されず、いわゆるPID(Proportional-International-Differential)制御の一種が用いられてもよい。
また、検出温度及び設定温度の情報としては、検出温度と設定温度との差に限定されず、例えば、誘導加熱調理器1の周囲環境の温度などの外的要因を加えるため、検出温度及び設定温度の情報に変更を加えてもよい。具体的には、検出温度と設定温度との差に補正値を加算又は補正係数を乗算した値を使用してもよい。
実施の形態では、温度に基づく加熱制御として、予熱期間終了後における加熱制御の例について、図11及び図12に示すテーブル及び複数のインバータ42a、42bの平均出力を用いて複数のインバータ42a、42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定する制御について説明したが、これに限定されない。予熱期間終了後における加熱制御は、例えば、複数のインバータ42a、42bの毎秒出力を一定に設定し、複数のインバータ42a、42bの出力時間の配分を決定してもよい。この場合、制御部41は、図12に示すテーブルの代わりに、複数のインバータ42a、42bの平均出力に基づく複数のインバータ42a、42bの出力時間の配分を決定するテーブルを用いてもよい。
実施の形態では、予熱期間tp、tpにおける加熱制御の例として、設定温度Tg1、Tg2に基づいて決定されたインバータの出力設定を、予熱期間が終了するまで維持する制御について説明したが、これに限定されない。予熱期間tp、tpにおいて、複数の発熱部12a、12bの温度に基づいて複数のインバータ42a、42bの出力を変更してもよい。例えば、第2発熱部12bの予熱が完了しているが、第1発熱部12aの予熱が完了していない場合、第1発熱部12aの予熱期間における第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力を変更してもよい。
実施の形態では、第1の発熱部12aおよび第2の発熱部12bの一方の予熱が完了し、他方の予熱が完了していない場合、第1の発熱部12aおよび第2の発熱部12bの加熱制御は種々挙げられる。たとえば、他方の予熱が完了するまで、第1の発熱部12aおよび第2の発熱部12bの双方が、図10のテーブルを用いて設定された出力で加熱制御されてもよい。または、予熱が完了した方の発熱部が要求する平均出力を低出力とみなし、第1の発熱部12aおよび第2の発熱部12bの双方が、図12のテーブルを用いて設定された出力で加熱制御されてもよい。または、第1の発熱部12aおよび第2の発熱部12bの双方が、図12のテーブルを用いて設定された出力で加熱制御されてもよい。
<変形例>
変形例として、第2発熱部12bの予熱が完了しているが、第1発熱部12aの予熱が完了していない場合の予熱期間における加熱制御の例について説明する。
図13は、変形例の加熱制御による予熱期間の第1発熱部12a及び第2発熱部12bの温度変化の一例を示す。図13に示すように、加熱を開始すると、第1発熱部12aは、予熱期間tpにおいて、設定温度Tg1に達するまで加熱される。また、第2発熱部12bは、予熱期間tpにおいて、設定温度Tg2に達するまで加熱される。図13に示す例では、第2発熱部12bは、第1発熱部12aよりも先に予熱を完了している。
第2インバータ42bの予熱期間tpが終了するまで、第1インバータ42a及び第2インバータ42bは、図10に示すテーブルと設定温度Tg1、Tg2とに基づいて決定された出力設定が適用される。
第2インバータ42bの予熱期間tpが終了すると、第1インバータ42aの予熱期間tp1が終了していなくても、第1インバータ42a及び第2インバータ42bは、変形例の検出温度に基づく加熱制御を実行する。
変形例の加熱制御では、制御部41は、複数の温度検出部24a、24bのそれぞれで検出された温度に基づいて、複数の発熱部12a、12bのうち、予熱が完了していない第1発熱部12aと、予熱が完了している第2発熱部12bとを決定する。制御部41は、複数の温度検出部24a、24bのそれぞれで検出された温度とそれぞれの設定温度Tg1、Tg2との差に基づいて、予熱が完了した発熱部を決定する。例えば、制御部41は、複数の温度検出部24a、24bのそれぞれで検出された温度とそれぞれの設定温度Tg1、Tg2との差を算出し、算出された差が0又は0近傍であるときに発熱部の予熱が完了したと決定する。
図13に示す例では、制御部41は、第2温度検出部24bで検出された温度と設定温度Tg2との差が0になったときに、第2発熱部12bの予熱が完了したことを決定する。また、制御部41は、第1温度検出部24aで検出された温度と設定温度Tg1との差が0又は0近傍にないことから、第1発熱部12aの予熱が完了していないことを決定する。
制御部41は、第2発熱部12bの予熱が完了した後、第1発熱部12aの予熱が完了するまでの予熱期間tpにおいて、検出温度に基づく加熱制御を実行する。
予熱期間tpにおける加熱制御においては、予熱が完了していない第1インバータ42a及び予熱が完了した第2インバータ42bの平均出力から、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間を設定する。
図14は、予熱が完了したインバータが要求する平均出力を決定するテーブルを示す。図15は、予約が完了していないインバータが要求する平均出力を決定するテーブルを示す。図16は、各インバータが要求する平均出力に基づいて、インバータの毎秒出力及び出力時間の配分を決定するテーブルを示す。
予熱が完了した第2インバータ42bについて、制御部41は、予熱期間tpにおける検出タイミングtmのときに検出した第2発熱部12bの検出温度Tb2に基づいて、第2インバータ42bが要求する平均出力を決定する。例えば、制御部41は、検出温度Tb2と設定温度Tg2との差、及び温度変化の傾きを算出し、これらの算出結果と図9に示すテーブルに基づいて、第2インバータ42bが要求する平均出力を決定する。
具体的には、制御部41は、検出温度Tb2から設定温度Tg2を引き算することによって、検出温度Tb2と設定温度Tg2との差を算出する。次に、制御部41は、検出温度Tb2と設定温度Tg2との差が「正」、「0」及び「負」のいずれかであることを決定する。
また、制御部41は、検出タイミングtmのときに検出した第2発熱部12bの検出温度Tb2、及び検出タイミングtmより前のタイミングで検出した検出温度に基づいて、検出温度の変化の傾きを算出する。「検出タイミングtmより前のタイミング」とは、例えば、検出時間Tbよりt秒前のタイミングである。t秒は、例えば、1秒以上5秒以下である。制御部41は、算出された温度変化の傾きが「正」、「0」及び「負」のいずれかであることを決定する。
図13に示す例では、検出タイミングtmのときに検出した第2発熱部12bの検出温度Tb2と設定温度Tg2との温度差は「正」である。第2発熱部12bの温度変化の傾きは「正」である。図14に示すテーブルを参照すると、温度差「正」及び温度変化の傾き「正」の組み合わせでは、「平均出力:低出力」が設定されている。したがって、制御部41は、予熱期間tpにおける第2インバータ42bの平均出力を「低出力」に決定する。
予熱が完了してない第1発熱部12aについて、制御部41は、第1発熱部12aの設定温度Tg1に基づいて、予熱期間tpにおける第1インバータ42aが要求する平均出力を決定する。具体的には、制御部41は、設定温度Tg1と図15に示すテーブルに基づいて、予熱期間tpにおける第1インバータ42aが要求する平均出力を決定する。
図13に示す例では、設定温度Tg1は250℃であるため、「高温設定」である。図15に示すテーブルを参照すると、「高温設定」では、「平均出力:高出力」が設定されている。したがって、制御部41は、予熱期間tpにおける第1インバータ42aが要求する平均出力を「高出力」に決定する。
次に、制御部41は、予熱期間tpにおける第1インバータ42a及び第2インバータ42bのそれぞれが要求する平均出力に基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定する。具体的には、制御部41は、予熱期間tpにおける第1インバータ42a及び第2インバータ42bのそれぞれが要求する平均出力と図16に示すテーブルに基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの毎秒出力及び出力時間の配分を決定する。
図16に示すテーブルを参照すると、予熱が完了していない第1インバータ42aの「平均出力:高出力」、及び予熱が完了した第2インバータ42bの「平均出力:低出力」の組み合わせでは、「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:10s/0s」が設定されている。
したがって、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力設定を、「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:10s/0s」に決定する。即ち、制御部41は、第1インバータ42aの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間tsを10秒に設定する。また、制御部41は、第2インバータ42bの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間ts11を0秒に設定する。この場合、第1インバータ42aからの出力のみを行っており、第2インバータ42bからの出力を行っていない。
このように、予熱が完了している第2インバータ42bの出力を小さくし、予熱が完了していない第1インバータ42aの出力を大きくすることによって、予熱期間tpを短くすることができる。これにより、加熱開始から予熱完了までの時間を短くすることができ、利便性が更に向上する。
また、変形例の加熱制御においては、予熱期間tpにおいて、予熱が完了している第2発熱部12bの温度が設定温度Tg2より小さくなってきた場合、第2インバータ42bの出力を大きくしてもよい。
例えば、第2発熱部12bの検出温度と設定温度Tg2との温度差が「負」であり、第2発熱部12bの温度変化の傾きが「負」である場合、図14に示すテーブルを参照すると、「平均出力:高出力」が設定されている。したがって、制御部41は、予熱期間tpにおける第2インバータ42bの平均出力を「高出力」に決定する。
図16に示すテーブルを参照すると、予熱が完了していない第1インバータ42aの「平均出力:高出力」、及び予熱が完了した第2インバータ42bの「平均出力:高出力」の組み合わせでは、「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:5s/5s」が設定されている。
したがって、制御部41は、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力設定を、「毎秒出力:高出力」及び「出力時間:5s/5s」に決定する。即ち、制御部41は、第1インバータ42aの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間tsを5秒に設定する。また、制御部41は、第2インバータ42bの毎秒出力を高出力(800W以上1400W以下)、出力時間ts11を5秒に設定する。
このように、予熱期間tpにおいて検出温度に基づいて、第1インバータ42a及び第2インバータ42bの出力を変更している。これにより、予熱が完了した第2発熱部12bの加熱温度を設定温度に維持しつつ、予熱が完了していない第1発熱部12aの予熱を行うことができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、調理におけるユーザの利便性を向上できるため、例えば、卓上またはガス台などに載置される誘導加熱調理器に有用である。
1 誘導加熱調理器
10 加熱プレート
11 伝熱部
12a 発熱部(第1発熱部)
12b 発熱部(第2発熱部)
13 位置決め部
14 リブ
15 仕切り部
16 脚部
20 本体
21a 第1筐体
21b 第2筐体
22 トッププレート
23a 加熱コイル(第1加熱コイル)
23b 加熱コイル(第2加熱コイル)
24a 温度検出部(第1温度検出部)
24b 温度検出部(第2温度検出部)
31 操作部
31a、31b、31c スイッチ
32 表示部
33 報知部
40 制御基板
41 制御部
42a インバータ(第1インバータ)
42b インバータ(第2インバータ)
43a 温度算出部(第1温度算出部)
43b 温度算出部(第2温度算出部)
51 冷却ファン
52 取り付け板

Claims (7)

  1. 誘導加熱される複数の発熱部、及び前記複数の発熱部で生じた熱を伝導する伝熱部を有する加熱プレートと、
    前記加熱プレートを載置するトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に配置され、且つ前記加熱プレートの厚み方向から見て前記複数の発熱部が投影される領域に配置される複数の加熱コイルと、
    前記トッププレートの下面に配置され、前記加熱プレートの前記複数の発熱部のそれぞれの温度を検出する複数の温度検出部と、
    前記複数の加熱コイルのそれぞれに高周波電流を供給する複数のインバータと、
    前記複数のインバータのそれぞれの出力を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記複数の発熱部のうち少なくとも1つの発熱部の設定温度が設定された後、別の発熱部の設定温度が設定されたことを検出した場合、
    前記複数の発熱部のそれぞれを設定温度まで加熱する予熱において、前記複数の温度検出部のそれぞれで検出された検出温度と、前記複数の発熱部のそれぞれの前記設定温度とに基づいて、前記複数の発熱部のそれぞれの予熱が完了したことを報知する情報は出力せず、すべての発熱部の予熱が完了したことをまとめて報知する情報を出力可能に構成された卓上型誘導加熱調理器。
  2. 前記制御部は、前記複数の発熱部で加熱する複数の加熱領域を、同じ加熱温度で全面加熱することもでき、前記複数の発熱部で加熱する複数の加熱領域のそれぞれで個別に温度を調節することもできるように構成された、請求項1に記載の卓上型誘導加熱調理器。
  3. 前記制御部は、すべての発熱部の予熱が完了したことを、電子音を連続で鳴らすことによりまとめて報知する情報を出力可能に構成された、請求項1又は2に記載の卓上型誘導加熱調理器。
  4. 前記加熱プレートの幅方向の側面の下側に切り欠きがある、請求項1から3のいずれか一つに記載の卓上型誘導加熱調理器。
  5. 前記加熱プレートは、前記複数の発熱部の外側で、前記加熱プレートの下面から前記トッププレートに向かって突出する脚部を有し、
    前記複数の発熱部は、前記トッププレートから離れている、請求項1から4のいずれか一つに記載の卓上型誘導加熱調理器。
  6. 記複数の加熱領域を仕切る仕切り部を有し、
    前記仕切り部は、前記加熱プレートの前記厚み方向から見て、前記加熱プレートの幅方向に延びる中心線に沿って、前記加熱プレートの上面に設けられた凹部である、請求項から5のいずれか一つに記載の卓上型誘導加熱調理器。
  7. 前記加熱プレートは、前記加熱プレートの下面から前記トッププレート側に向かって突出し、且つ前記トッププレートの外縁に位置する位置決め部を有する、請求項1から6のいずれか一つに記載の卓上型誘導加熱調理器。
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