JP7001518B2 - 環状化合物組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
従来、この種の可塑剤としてはジオクチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エステル、ジオクチルアジペートなどの脂肪酸エステル、塩素化パラフィンなどが使用されてきた(特許文献1)。
1≦a+b+c+d≦30 関係式(1)
[関係式(I)において、aは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y1-A1)で表される基の平均付加モル数である。bは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y3-A2)で表される基の平均付加モル数と、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(A3-Y6)で表される基の平均付加モル数である。cは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y7-A4)で表される基の平均付加モル数である。dは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y9-A5)で表される基の平均付加モル数である。]
炭素数1~12の1価の炭化水素基としては、炭素数1~12の飽和炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、デシル、ドデシル基等)、1価の脂環式飽和炭化水素基(シクロヘキシル基)、芳香脂肪族炭化水素基(ベンジル基等)及び1価の芳香族炭化水素基(フェニル基等)等が挙げられる。
また、n1、n2、n3、n4及びn5は、関係式(1)を満たす。
<関係式(1)>
1≦a+b+c+d≦30 (1)
bは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y3-A2)で表される基の平均付加モル数と、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(A3-Y6)で表される基の平均付加モル数である。なお、上述の通り、(Y3-A2)で表される基及び(A3-Y6)で表される基は、一般式(2)で表される2価の基を構成する基であるが、前記環状化合物(P)が、一般式(3)で表される2価の基を構成単位として有し、かつ、Zが一般式(2)で表される基である場合、このZを構成する(Y3-A2)で表される基及び(A3-Y6)で表される基の合計モル数も合計してbの値を求める。
cは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y7-A4)で表される基の平均付加モル数である。なお、上述の通り、(Y7-A4)で表される基は、一般式(3)で表される2価の基を構成する基である。
dは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y9-A5)で表される基の平均付加モル数である。
2.MALDI-TOF MSスペクトルの全環状化合物組成物(Q)中に含まれる環状化合物(P)についてピーク強度に基づき平均値を算出する。
平均値は関係式(2)で表される。
<関係式(2)>
a+b+c+d = [ΣJi×Ii] /ΣIi
本発明では断りのない限りMALDI-TOF MSスペクトルに基づき「a+b+c+d」の値を決定している。
<関係式(3)>
a+b+c+d=[環状化合物組成物の数平均分子量(GPC測定値)]/[
分子量比較用の環状化合物の数平均分子量(GPC)]×[比較用環状化合物の「a+b
+c+d」の値]
なお、上記の合計数について、前記環状化合物組成物(Q)中の環状化合物(P)が一般式(3)で表される基を構成単位として有し、かつ、mが0でなく、即ち一般式(3)中に、一般式(1)で表される2価の基及び/又は一般式(2)で表される2価の基を有している場合、その数も合計して計算する。
また、一般式(2)において、Y3、Y4、Y5及びY6が酸素原子であり、A2及びA3がプロピレン基、エチレン基、クロロプロピレン基又はフェニルエチレン基であり、R2がエチレン基、プロピレン基又はビニレン基であり、X2がカルボニル基である2価の基の両末端を結合した環状化合物等が挙げられる。
また、一般式(3)において、Y7及びY8が酸素原子であり、A4がプロピレン基、エチレン基、クロロプロピレン基又はフェニルエチレン基であり、R3がエチレン基、プロピレン基又はビニレン基であり、mは0であり、X3及びX4がカルボニル基である2価の基の両末端を結合した環状化合物等が挙げられる。
また、一般式(3)中のmの値は、環状化合物(B)として、後述の一般式(8)で表される化合物を使用し、更に環状化合物(B)として、後述の一般式(6)で表される化合物及び/又は後述の一般式(7)で表される化合物を併用することによって調整できる。
なお、環状化合物(P)のn1~n5の値及びmの値は、Polym.Chem.,2014,5,6905.に記載のMALDI-TOF MSにより分析し、確認することが出来る。
環状化合物(P)のMnはアルキレン化合物の付加モル数を調整すること等によって、上記の好ましい範囲にすることができる。
・装置:「TOSOH ECO HLC-8320 GPC」[東ソー(株)製]
・カラム:「Guardcolumn Super AW-H」(1本)、「TSKgel SuperAW2500、TSKgel SuperAW3000、TSKgel SuperAW4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.125重量%のDMF(LiBr0.01mol/L)溶液
・溶液注入量:20μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレンオキサイド
例えば、環状化合物(B)としてγ-ブチロラクトンを用い、環状化合物(C)としてエチレンオキサイドを用いた場合は、一般式(1)において、Y1が酸素原子であり、A1がエチレン基であり、Y2が酸素原子であり、R1がトリメチレン基であり、X1がカルボニル基である一般式(9)で表される2価の基の両末端を直接結合してなる環状化合物が生成する。
そして、この環状化合物(P)2分子が上記の開裂反応及び挿入付加反応した場合、この2価の基を1分子中に2個有する環状化合物が生成する反応、また、この環状化合物3分子が反応し、この2価の基を1分子中に3個有する環状化合物が生成する反応等も生じる。
また、一般式(6)で表されるラクトンの代わりとして、カルボニル構造を2つ以上含むラクトンとしてはD、L及びD/L-ラクチド、ポリ-εカプロラクトン等も好適に用いることができる。
反応性の観点から、β-ラクトン(β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン等)、γ-ラクトン(γ-ブチロラクトン等)、δ-ラクトン(δ-バレロラクトン等)、ε-ラクトン(ε-カプロラクトン等)、テトロン酸、大環状ラクトン(15-ペンタデカノラクトン)及び芳香族ラクトン(3,4-ジヒドロクマリン)が挙げられ、特に好ましくはγ-ラクトン(γ-ブチロラクトン等)、δ-ラクトン(δ-バレロラクトン等)、ε-ラクトン(ε-カプロラクトン等)が好ましい。
これらのラクトンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
反応性の観点から、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、1,5-ペンタンスルトン、1,6-ヘキサンンスルトン、1,7-ヘプタンスルトン、1,8-オクタンスルトン、1,9-ノナンスルトン、1,10-デカンスルトン、1,11-ウンデカンスルトン、1,12-ドデカンスルトンが挙げられ、特に好ましくは1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、1,5-ペンタンスルトン、1,6-ヘキサンスルトンが好ましい。
反応性の観点から、β-ラクタム(β-プロピオラクタム、β-ブチロラクタム等)、γ-ラクタム(γ-ブチロラクタム等)、δ-ラクタム(δ-バレロラクタム等)、ε-ラクタム(ε-カプロラクタム等)、長鎖アルキル基を有するラクタム(γ-エナントラクタム、γ-ウンデカノラクタム、γ-ドデカラクタム及びδ-ドデカノラクタム等)、N位に置換基を有するラクタム(N-メチル-γ-ブチロラクタム、N-アリル-γ-ブチロラクタム、N-ビニル-γ-ブチロラクタム、N-プロパギル-γ-ブチロラクタム、N-メチル-ε-カプロラクタム、N-アリル-ε-カプロラクタム、N-ビニル-ε-カプロラクタム、N-プロパギル-ε-カプロラクタム)、γ-クロトノラクタム、α-メチレン-γ-ブチロラクタム、γ-メチレン-γ-ブチロラクタムが好ましい。また、副生物低減の観点からN位に置換基を有するラクタム(N-メチル-γ-ブチロラクタム、N-アリル-γ-ブチロラクタム、N-ビニル-γ-ブチロラクタム、N-プロパギル-γ-ブチロラクタム、N-メチル-ε-カプロラクタム、N-アリル-ε-カプロラクタム、N-ビニル-ε-カプロラクタム、N-プロパギル-ε-カプロラクタム)、γ-クロトノラクタムが好ましい。
また、副生物低減の観点から、N-メチルコハク酸イミド、N-メチル-3,3-ジエチルコハク酸イミド、N-メチルマレイン酸イミド、N-メチルフタル酸イミド、N-メチルトリメリット酸イミド、N-メチルグルタル酸イミド、3、N-メチル-3,5-ジメチルグルタル酸イミド、N-メチル-3,3-テトラメチレングルタル酸イミド、3-アザビシクロ[3,1,1]ヘプタン-2,4-ジノン及びN-メチル3-アザビシクロ[3,1,1]ヘプタン-2,4-ジノン等が好ましい。
例えば、一般式(6)で表される化合物は、R5で表される基の片末端に、X5で表される基と水酸基とが結合した1価の基(例えばX5がカルボニル基の場合はカルボキシ基)を結合させ、R5で表される基の反対側の末端に、Y10で表される基と水素原子とが結合した1価の基(例えばY10基が酸素原子の場合は、水酸基)を結合させた化合物を用い、X5で表される基と水酸基とが結合した1価の基、及びY10で表される基と水素原子とが結合した1価の基を分子内縮合することで、得ることができる。
分子内脱水してラクトン等を合成する方法としては、公知の方法で加熱脱水する方法、J.S.Nimitz,R.H.Wollemberg,Terahedron Lett.1978,19,3523に記載方法、及びリパーゼ等の酵素を用いる方法の公知の合成方法を用いることができる。
炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸としては、炭素数4~22の直鎖ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシプロパン酸、4-ヒドロキシ酪酸、5-ヒドロキシペンタン酸、6-ヒドロキシヘキサン酸、15-ヒドロキシペンタデカン酸、16-ヒドロキシヘキサデカン酸及び4-ヒドロキシ-2-ブテン酸等)及び炭素数3~22の分岐ヒドロキシカルボン酸(3-ヒドロキシブタン酸、5-ヒドロキシトリデカン酸、2-メチレン-4-ヒドロキシ酪酸、4-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸、2,2-ジメチル-4-ヒドロキシ酪酸、4-ヘキシル-4-ヒドロキシ酪酸及び4-ヒドロキシ-2-メチル-2-ブテン酸等)等が挙げられる。
前記の炭素数4~22のモノヒドロキシモノカルボン酸のうち、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-ブロモ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、アセチル基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-アセチル-4-ヒドロキシブタン酸等が挙げられ、アルコキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-メトキシ-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、フェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2-フェニル-4-ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
これらの内、反応性の観点から、エチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,2-ヘキシレンオキサイドが好ましく、更に好ましくは、エチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、エピクロルヒドリンであり、特に好ましくはエチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキシド、及びエピクロルヒドリンである。
炭素数2~8の環状エーテルは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内、反応性の観点から、エチレンサルファイド、プロピレンサルファイド、エピクロロチオサルファイド、エピブロモチオサルファイド及びパークロロプロピレンサルファイドが好ましく、更に好ましくはエチレンサルファイド、エピクロロチオサルファイド、エピブロモチオサルファイド及びパークロロプロピレンサルファイド、特に好ましくはエチレンサルファイド、及びパークロロプロピレンサルファイドである。
炭素数2~8の環状チオエーテルは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内、反応性の観点から、エチレンイミン、エピクロロイミン及びエピブロモイミンが好ましい。
炭素数2~8の環状イミンは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応工程で用いる触媒としては、金属(錫、ニッケル、亜鉛及びアルミニウム等)のハロゲン化物、ホウ素化合物(トリスペンタフルオロフェニルボラン等)、無機酸(硫酸及びリン酸等)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)の水酸化物、アミン化合物(ジエチルアミン及びトリエチルアミン等)、ホスファゼン、複合金属シアン化物錯体触媒(特開2005-53952号公報及び特開2016-6203号公報等に記載された亜鉛ヘキサシアノコバルテート等の2種類の金属を分子内に含有する金属錯体触媒等)、特開2000-354763号公報に記載された酸化物複合体、アルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物(D1)及び層状複水酸化物並びにその焼成物等を用いて行うことができる。
これらの内、反応効率の観点から好ましいのは、アルミニウム(以下、Al記載する)とマグネシウム(以下、Mgと記載する)との複合酸化物(D1)の焼成物及びAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物である。
<組成式1>
〔aMgO・Al2 O3 ・bH2O〕
<組成式2>
〔MgsAltOu〕
反応性の観点から、t/sは0.1以上0.9未満であることが好ましい。複合酸化物(D1)としては、2.5MgO・Al2 O3 ・bH2O及びMg0.7Al0.3O1.15等が挙げられ、それぞれキョーワード300[協和化学工業(株)製]及びキョーワード2000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
<組成式(3)>
〔Mg1-cAlc(OH)2〕c+ 〔CO3c/2 ・dH2O〕c-
これらの内、反応性の観点から好ましいのは複合酸化物(D1)であり、更に好ましいのは2.5MgO・Al2O3・nH2O(nは正数)及びMg0.7Al0.3O1.15である。
なお、複合酸化物(D1)又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物は以降、触媒(D’)と記載する。
溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン、O-ジクロロベンゼン及びクロロホルム等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの内、環状化合物(B)及び環状化合物(C)等との混和性、高沸点並びに留去のしやすさの観点から、トルエン及びキシレンが好ましい。
前記反応工程に用いる溶剤の重量は、反応速度等の観点から、環状化合物(B)と環状化合物(C)と触媒との合計重量に対して、0~90重量%が好ましく、更に好ましくは0~60重量%である。
また、上記の温度とする時間は、1~200時間が好ましい。
反応装置としては撹拌装置及び加熱装置の付属した混合容器(スターラー付きフラスコ及びオートクレーブ等)等の公知の反応装置を用いることができる。
上記の精製工程により、特定の構造を有する環状化合物(P)のみを抽出することができる。
また、ろ過速度を向上させる観点から、珪藻土を使用することが好ましく、触媒の除去効率を向上させるために、ケイ酸マグネシウムを用いることが好ましい。
ろ過操作は公知の方法で行うことができるが、珪藻土とケイ酸マグネシウムを層状に積層させた濾層に環状化合物組成物またはその溶液を通過させる方法が挙げられる。ろ過に用いる溶剤は環状化合物組成物を溶解させるものであれば限定されないが、溶解効率の観点から、THF、トルエン、キシレン等が好ましい。
また、ポリウレタンは主鎖の末端に、イソシアネート基、カルボキシ基及び水酸基等を有しており、ポリエステルは主鎖の末端に、カルボキシ基及び水酸基等を有しており、ポリエーテルは主鎖の末端に、水酸基を有している。
高分子化合物(E)の数平均分子量は、以下のGPCを用いて以下の条件で測定することができる。
・装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
・カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000を各1本連結したもの」[いずれも東ソー(株)製]
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
・溶液注入量:10μL
・流量:0.6mL/分
・測定温度:40℃
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリエチレングリコール
ポリウレタンの場合は、ポリイソシアネート(トルエンジイソシアネート及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等)とポリオール(ポリプロピレングリコール等)との重縮合反応;ポリエステルの場合は、ポリカルボン酸とポリオールとの重縮合反応;ポリポリアクリル酸の場合は、アクリル酸及び/又はアクリル酸エステルのラジカル重合反応;ポリシロキサンの場合は、アルコキシシランの加水分解重縮合反応;ポリエーテルの場合は、活性水素基を有する化合物(アルコール、カルボン酸及びアミン等)のアルキレンオキサイド付加反応等の公知の方法を用いて製造することができる。
架橋剤(G)としては、2官能以上の反応性置換基をもつ化合物であれば特に制限はなく、グリセリン、ポリイソシアネート化合物、ジアクリレート化合物等が挙げられる。
また、上記の結合は、ポリウレタン及びポリエステル等、主鎖に上記結合を有する高分子化合物(E)を選択することで導入することができる。
溶剤を用いる場合には、環状化合物(P)の溶解性の高い溶媒を適宜選択することが好ましい。
好ましい溶剤としてはトルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、水、四塩化炭素、N-メチルピロリドン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジクロロエタン及びクロロホルム等が挙げられる。
例えば、環状化合物(P)が、ポリオキシプロピレン鎖を有する場合、高分子化合物(E)としては、ポリオキシプロピレン鎖を有する高分子化合物(ポリプロピレンオキサイド等)を用いることが好ましい
また、環状化合物(P)が、ポリオキシエチレン鎖を有する場合、高分子化合物(E)としては、ポリオキシエチレン鎖を有する高分子化合物(ポリエチレングリコール等)を用いることが好ましい。
なお、実施例中の部は重量部を示す。
「キョーワード300」〔化学式:2.5MgO・Al2O3・bH2O(bは正数)、協和化学工業(株)製〕を電気炉にて窒素気流下900℃で24時間加熱処理し、焼成物を調製して、実施例1~21に用いる触媒を合成した。
各種環状化合物の混合物は1~3段階のアルキレンオキサイドの付加反応と熟成工程を経て合成した。
実施例1~18及び20における環状化合物の中間体(P-_-1~3)を合成し、得られた中間体を含む反応混合物を下記精製工程1又は2の方法で精製することにより、本発明の環状化合物(P-1~18、20)を含む混合物を得ることができる。詳細は、以下の表1及び表2に示す。表中の記載で、[P-_-1~3]は中間体を示し、精製後の環状化合物は[P-_]と示す。アンダーバー部分には各実施例の番号が入る。
各実施例1~18及び20において、工程1を経て得られた中間体を[P-_-1]と記載し、工程2を経て得られた中間体を[P-_-2]と記載し、工程3を経て得られた中間体を[P-_-3]と記載する。得られた中間体を下記の精製工程1又は2の方法で精製することにより、本発明の環状化合物[P-_]を得た。
また、実施例19については、工程1においてキシレン100部を加えて反応をおこなった以外は実施例1と同様の方法に従って合成した。
また、実施例21については、工程1において熟成時間を2時間から6時間に変更した以外は実施例1と同様の方法に従って合成した。
(アンダーバー#は各実施例の番号に対応する。以下同様。)
(精製工程A)
実施例1~2、21で得られた中間体(PP-1-1、PP-2-1、PP-21-1)20部にキシレン100部を加えて50℃に温調し、均一に攪拌した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別し、ろ液を減圧乾燥することで、環状化合物(P-1~2、P-21)を含む組成物を得た。
(精製工程B)
実施例3~14、16~20で得られた中間体(PP-3-1、PP-4-1、PP-5-2~14-2、PP-16-2~20-2)20部にキシレン100部を加えて50℃に温調し、均一に攪拌した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、キシレンを減圧留去し、濃縮した。濃縮物にメタノール20部を加えて撹拌し、水100部を加えて再沈殿させ、デカンデーションによって沈殿物を分離し、更に沈殿物を減圧乾燥することで、環状化合物(P-3~14、16~20)を含む組成物得た。
(精製工程C)
実施例15で得られた中間体(PP-15-2)20部にキシレン100部を加えて50℃に温調し、均一に攪拌した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[(昭和化学工業株(製)5部)及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、キシレンを減圧留去し、濃縮した。濃縮物にメタノール100部、キシレン100部加えて撹拌し、メタノール層を抽出した後にメタノールを減圧留去し、濃縮することで環状化合物(P-15)を含む組成物得た。
得られた環状化合物MALDI-TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMP-Performance、(株)島津製作所製による分析を行った。
実施例1
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-1)は化学式(10)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は1)であった。
化学式(10)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-2)は化学式(11)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は5)であった。
化学式(11)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-3)は化学式(12)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(1)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-4)は化学式(13)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は30)であった。
化学式(13)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-5)は化学式(14)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(14)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-6)は化学式(15)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(15)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-7)は化学式(16)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(16)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-8)は化学式(17)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(17)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-9)は化学式(18)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(18)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-10)は化学式(19)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(19)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-11)は化学式(20)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(20)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-12)は化学式(21)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(21)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-13)は化学式(22)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(22)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-14)は化学式(23)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(23)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-15)は化学式(24)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(24)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-16)は化学式(25)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(25)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはエチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-17)は化学式(26)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(26)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはブチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-18)は化学式(27)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(27)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aは(クロロメチル)エチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-19)は化学式(28)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(28)において、nは整数であり、kは1~3の整数であり、Aはフェニルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-20)は化学式(29)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は15)であった。
化学式(29)において、nは整数であり、k1+k2は1~3の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
MALDI-TOF MS分析を行ったところ、環状化合物(P-20)は化学式(30)で表される化合物の混合物(a+b+c+dの合計値は2)であった。化学式(30)において、nは整数であり、kは1~4の整数であり、Aはメチルエチレン基を表す。
実施例1~21で得た環状化合物(P-1)~(P-21)を用いて、以下の方法で樹脂組成物(F)を製造した。
ポリプロピレングリコール(水酸基価56mgKOH/g)[サンニックスPP-2000、三洋化成工業(株)製]23部とポリプロピレングリコール(水酸基価33mgKOH/g)[サンニックスGH-5000NS、三洋化成工業(株)製]57部を反応容器に入れ、120℃、30mmHgの減圧下で脱水し、水分を0.03%以下とした。
次いで、80℃に冷却し、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート15.4部を反応容器に投入し、80±5℃で4時間反応させ、末端NCO含量(末端NCO含有プレポリマーの重量に対する末端NCO基の重量の割合)2.9重量%の末端NCO含有プレポリマーを得た。
上記で合成した末端NCO含有プレポリマー100部、実施例1~20で得た各環状化合物組成物(Q)80部、表面処理炭酸カルシウム120部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[イルガノックス1010、日本チバガイギー(株)製]3部、トリアゾール系紫外線吸収剤[チヌビン320、日本チバガイギー(株)製]2部、硬化促進触媒[鉛オクトエート]3部、及びポリプロピレングリコール(水酸基価56)[サンニックスPP-2000、三洋化成工業(株)製]62部をプラネタリーミキサーにて、減圧下30分間混練し、2液型硬化性組成物を得た。次に組成物を型に流し込み、20℃で7日間養生し、厚さ3mmの硬化物シート(F1-1)~(F1-21)を得た。
実施例22において、環状化合物(P-1)80部を加えない以外は、実施例21と同様にして実施し、比較用の硬化物シートを得た。(F1’-1)を得た。
実施例22において、環状化合物(P-1)80部に代えて、フタル酸ジオクチル[和光純薬工業(株)製]80部を用いる以外は、実施例21と同様にして実施し、比較用の硬化物シートを得た。(F1’-2)を得た。
硬化物シートを80℃の循風乾燥機内で50時間熱処理した後、可塑剤成分の表面へのブリードアウト状態(表面外観)を目視で観察し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:ブリードアウトなし
〇:わずかに白点、または濡れがみられる。
×:白点又は濡れが著しい
JIS A5758に基づいて、硬化物シートの破断時の伸びを測定し、硬化物シート(F1’-2)の破断時の伸びを基準とした時の倍率を、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:1.3倍以上
〇:1.3倍未満1.1倍以上
×:1.1倍未満
これは、高分子化合物(E)であるウレタンエラストマー中の環状化合物(P)の分子運動が、比較用の化合物として用いたフタル酸ジオクチルと比較して制限されていることが原因と考えられる。
Claims (5)
- 一般式(1)で表される基、一般式(2)で表される基及び一般式(3)で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を構成単位として結合し、関係式(1)を満たす環状化合物(P)を含む環状化合物組成物(Q)。
<関係式(1)>
1≦a+b+c+d≦30 関係式(1)
[関係式(1)において、aは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y1-A1)で表される基の平均付加モル数である。bは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y3-A2)で表される基の平均付加モル数と、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(A3-Y6)で表される基の平均付加モル数である。cは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y7-A4)で表される基の平均付加モル数である。dは、前記環状化合物(P)に含まれる全ての(Y9-A5)で表される基の平均付加モル数である。] - 一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)において、R1、R2及びR3がそれぞれ独立に、炭素数3~16の直鎖アルキレン基又は炭素数3~16の分岐アルキレン基であり、A1、A2、A3及びA4がそれぞれ独立に、フェニルエチレン基、炭素数2~4の直鎖アルキレン基又は炭素数3~4の分岐アルキレン基である請求項1に記載の環状化合物組成物。
- 一般式(6)で表される環状化合物(R)、一般式(7)で表される化合物(S)及び一般式(8)で表される化合物(T)からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状化合物(B)と、水素原子がハロゲノ基で置換されていても良い炭素数2~8の環状エーテル、水素原子がハロゲノ基で置換されていても良い炭素数2~8の環状チオエーテル及び水素原子がハロゲノ基で置換されていても良い炭素数2~8の環状イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の環状化合物(C)とを反応させる工程を含む請求項1又は2に記載の環状化合物組成物の製造方法。
- 前記環状化合物(B)と前記環状化合物(C)とを反応させる前記工程が、アルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物(D1)の焼成物及び/又はアルミニウムとマグネシウムを有するハイドロタルサイト(D2)の焼成物の存在下で行う工程である請求項3に記載の環状化合物組成物の製造方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の環状化合物組成物及び高分子化合物(E)を含有する樹脂組成物(F)。
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