JP7001304B1 - 組立式箱形マンホール - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレキャスト製の箱形ブロックを使用して超大型マンホールを構築できると共に、箱形ブロックを分割した一対の分割ピースの接合部の曲げ耐力とねじれに対する耐力が格段に向上する、組立式箱形マンホールを提供すること。【解決手段】複数の箱形ブロックを積み重ねて構成する箱形マンホール部を具備する組立式箱形マンホールであって、箱形ブロックを平面形状がコ字形を呈する一対の分割ピース25,25と、分割ピー25,25スの接合部間を連結する機械的連結手段とを使用し、一対の分割ピース25,25の接合部に内向きの曲がり孔26と外向きの曲がり孔26を形成し、一対の曲がり孔26,26に沿って一対の曲がり引張材27,27を配置し、緊張した各曲がり引張材27の端部を定着具28で固定する。【選択図】図7

Description

本発明はブレキャスト製の組立式箱形マンホールに関するものである。
プレキャスト製の複数の箱形ブロックを積み重ねて組み立てた箱形マンホール部と、箱形マンホール部の上部にプレキャスト製の複数の円筒ブロックを積み重ねて組み立てた円形マンホール部とを具備した組立式箱形マンホールが知られている(特許文献1,2)。
プレキャスト製の箱形ブロックを使用したマンホールは、環境の整った工場等で各ブロックを高精度に製造できると共に、現場へ搬入した箱形ブロックを積み重ねるだけの作業で以て短期間に箱形マンホール部を構築できるといった利点を有している。
実開昭57-4446号公報 実開平7-4544号公報
従来の組立式箱形マンホールはつぎの問題点を内包している。
<1>運搬車両の寸法的な制約から、搬送可能な箱形ブロックの一辺の最大長さは約2.5mに制限され、この寸法を超えとと車両による搬送が困難となる。
<2>箱形ブロックの一辺の最大長さが約2.5mを超える場合は、現場で型枠を組立てた後にコンクリートを打設する場所打ち工法(現場打ち工法)により箱形マンホール部を構築している。
現場打ち工法による箱形マンホール部の構築方法は、プレキャスト製ブロックの組立工法と比べると、型枠の組立解体作業やコンクリートの養生作業を現場で行うため、工期、施工性、施工要員、製作精度等の多くの面で負担が大きい。
箱形マンホール部の他の構築方法としては、例えば箱形ブロックを縦割りし、縦割りした平面コ字形の分割ピースの接合部を直ボルトで連結する方法が考えられる。
しかしながら、直ボルトで連結する方法はつぎのような解決すべき問題点を内包している。
<1>大きな開口部を有する大型マンホールでは、地震時においてマンホールの躯体に対して曲げだけでなく捩じれも作用する。
縦割りした分割ピースの内面側を直ボルトで連結すると、ピン結合に近い状態での連結構造となるため、分割ピースの接合部間の止水性と耐震性を確保することが技術的に難しい。
<2>直ボルトを用いるには、分割ピースの接合面に隣接して箱抜き部を形成する必要がある。
箱抜き部を形成する場合、箱抜き部の形成深さに比例して箱抜き空間が大きくなり、分割ピースの内部の補強鉄筋との取り合いが難しくなる。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ブレキャスト製の箱形ブロックを使用して大型マンホールを構築できると共に、箱形ブロックを分割した一対の分割ピースの接合部の曲げ耐力、ねじれに対する耐力および止水性が格段に向上する、組立式箱形マンホールを提供することにある。
本発明は、複数の箱形ブロックを積み重ねて構成する箱形マンホール部を少なくとも具備する組立式箱形マンホールを前提としている。
組立式箱形マンホールは箱形マンホール部の上部に円形マンホール部を搭載したものでもよい。
前記箱形ブロックはブロックの側面箇所を縦向きに二分割し、平面形状がコ字形を呈する一対の分割ピースと、前記分割ピースの縦向きの接合部間を連結する機械的連結手段とを具備する。
前記一対の分割ピースの接合部には接合面を貫通する内向きの曲がり孔と外向きの曲がり孔を形成している。
前記機械的連結手段が前記一対の曲がり孔に沿って湾曲して配置する一対の曲がり引張材と、緊張した曲がり引張材の端部を固定する定着具とを具備している。
前記一対の分割ピースを突き合せて組み立てた箱形ブロックの内側および外側の両側に前記複数組の曲がり引張材の両端部をそれぞれ固定して前記一対の分割ピースの接合部間を剛結するようにした。
さらに一対の分割ピースの接合部間に継目空間を画成し、該継目空間に固結材を注入して目地層を形成することが望ましい。
一対の曲がり引張材の端部を固定する箱抜き部は、前記一対の分割ピースの接合面から離れた位置の内面および外面に面して前記一対の曲がり孔と連通して形成する。
前記した一対の曲がり引張材の配置形態としては、前記一対の分割ピースの躯体内で高低差を有して平行に配置してもよいし、前記一対の分割ピースの躯体内で交錯して配置してもよい。
前記一対の曲がり引張材の一部が前記一対の分割ピースの躯体内で上下に重なり合うように配置すると、一対の曲がり引張材の高さ方向の間隔を狭くできる。
機械的連結手段としては、曲がり引張材として曲がりボルトを使用し、定着具としてナットを使用できることの他に、曲がり引張材としてロープ材を使用し、定着具として把持具の組み合わせが使用可能である。
さらに一対の分割ピースの接合部間に形成した継目空間に固結材を注入して目地層を形成してもよい。
本発明は以上の構成を有することで少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>異方向に屈曲する一対の曲がり引張材と、緊張した各曲がり引張材の端部を固定する定着具とを組み合わせた機械的連結手段を用いることで、箱形ブロックを二分割した一対の分割ピースの接合部間を強固に連結できる。
そのため、超大型マンホールであっても、ブレキャスト製の形態で分割ピースを現場へ搬入して箱形ブロックを構築することが可能となる。
<2>一対の曲がり引張材を緊張したときに、曲がり引張材の固定部の間に位置する分割ピースの躯体が内側および外側で軸方向に向けて締付力が作用すると共に、一対の曲がり引張材が湾曲しているため、分割ピースの躯体中心へ向けて締付力が作用する。
そのため、分割ピースの接合部の曲げ耐力とねじれに対する耐力が格段に向上する。
<3>一対の曲がり引張材による軸方向の締付力と、一対の分割ピースの接合部間に介装した目地層との併用により、分割ピースの接合部に高い止水性を確保することができる。
<4>湾曲した一対の曲がり引張材を使用するので、箱抜き部分割ピースの内面および外面に面した浅い位置に形成できる。
そのため、分割ピースの内部の補強鉄筋との取り合い簡単となるだけでなく、箱抜き部の開口寸法を小さくすることができる。
<5>機械的連結手段は一対の分割ピースの連結部材として機能するだけでなく、分割ピースの内部の補強鉄筋の代替部材としても機能する。
そのため、機械的連結手段である曲がり引張材の設置数に比例して、分割ピースの内部に設置する補強鉄筋の配筋量を削減できるので、分割ピースの製造コストを削減できる。
本発明に係る組立式箱形マンホールの説明図 中間ブロックの説明図で、(A)は一対の分割ピースの組立て後における中間ブロックの斜視図、(B)は一対の分割ピースの組立て前における中間ブロックの斜視図 一対の分割ピースの組立てた基礎ブロックの説明図 分割ピースの端部に形成した分割曲がり孔の説明図で、(A)は内向きの分割曲がり孔の説明図、(B)は外向きの分割曲がり孔の説明図 一対の分割ピースの組立て方法の説明図 一部を破断した一対の分割ピースの接合部の斜視図 一対の曲げり引張材で連結した一対の分割ピースの接合部の水平断面図 図7におけるVIII-VIIIの断面図 図7におけるIX-IXの断面図 一対の曲げり引張材による締結力の説明図 変形例に係る一対の曲げり引張材で連結した一対の分割ピースの接合部の水平断面図
1.組立式箱形マンホールの概要
図1を参照して説明すると、組立式箱形マンホール10は、水平断面形状が矩形を呈する複数の箱形ブロックで構成する箱形マンホール部20と、箱形マンホール部20の最上面の一部に載置し、水平断面形状が円形を呈する複数の円形ブロック31で構成する円形マンホール部30とを有する。
箱形マンホール部20と円形マンホール部30の内空は、天板24の一部に開設した開口11を通じて連通している。
箱形マンホール部20と円形マンホール部30の内壁面には、昇降用のステップ12が設けてある。
なお、組立式箱形マンホール10は、円形マンホール部30を省略し、箱形マンホール部20のみで構成してもよい。
<1>円形マンホール部
円形マンホール部30は従来の組立式マンホールであり、複数の円形ブロック31の積層構造体で構成する。
<2>箱形マンホール部
箱形マンホール部20は、場所打ちコンクリート製の底板21上に据える無底箱形または有底箱形の基礎ブロック22と、基礎ブロック22上に載置する複数の角筒形を呈する単数または中間ブロック23と、最上段の中間ブロック23の上口を閉鎖する天板24とを具備する。
本発明において、基礎ブロック22と中間ブロック23とを総称して箱形ブロックという。
<3>ブロック上下の継目構造
基礎ブロック22の上部継目面と中間ブロック23の上下の継目面には、互いに嵌合可能な凹凸状のインロー継目が設けてあり、インロー継目を介して各ブロック22,23の積み重ねが可能である。
<4>基礎ブロック
図1,3を参照して説明すると、基礎ブロック22は管渠40を接続するための組立式のプレキャスト部材であり、基礎ブロック22の一部の側面には単数または複数の管渠40を接続するための接続口22aが開設してある。
管渠40は円形断面の管体に限らず角形断面の管体でもよい。
図1では、上下二つの基礎ブロック22,22の側面に半円形の接続口22aを開設し、上下二つの基礎ブロック22,22の側面に跨って管渠40を接続する形態について示しているが、ひとつの基礎ブロック22に対して管渠40を接続する形態でもよい。
<5>中間ブロック
中間ブロック23は箱形マンホール部20を縦向きに延長するためのためのプレキャスト部材である。
2.基礎ブロックと中間ブロックの連結構造
基礎ブロック22と中間ブロック23は共通した連結構造を有する。
本例では中間ブロック23の連結構造について説明し、基礎ブロック22についての連結構造の説明を省略する。
<1>中間ブロックの連結構造
図2を参照して説明する。箱形ブロックである中間ブロック23の連結構造は、ブロックの側面箇所を縦向きに二分割した一対の分割ピース25,25と、分割ピース25,25の縦向きの接合面25aの間を機械的に連結する連結手段とからなる。
すなわち、中間ブロック23の躯体は、縦割りした二分割構造を呈していて、二分割した縦割躯体の間を機械的な連結手段で一体に連結する構造とした。
<2>分割ピース
図2に示すように分割ピース25,25は、平面形状がコ字形を呈するプレキャスト製のブロックである。
分割ピース25はインロー継目面を形成した上下面と、短辺側の両端部に形成した接合面25a、内面25bおよび外面25cを有する。
<3>分割曲がり孔
図4,5を参照して説明すると、分割ピース25の短辺側の両端部には、その各内外面25b,25cから接合面25aの間を交差して結ぶ一対の横向きの分割曲がり孔26a,26bを一組とする複数組の分割曲がり孔26a,26bが所定の間隔を隔てて多段的に形成してある。
内向きと外向きの分割曲がり孔26a,26bは樹脂製または金属製の湾曲シース管を用いて、分割ピース25を製造する際に形成することができる。
分割ピース25に内外一対の分割曲がり孔26a,26bを設けたのは、一対の分割ピース25,25を接合したときに分割ピース25,25の躯体の内部に独立した一対の曲がり孔26,26を形成するためである。
<3.1>内向きの分割曲がり孔
内向きの分割曲がり孔26aは、内面25bと接合面25aとの間を斜めに結ぶ湾曲した貫通孔であり、その一端が接合面25aに露出し、該分割曲がり孔26の他端が分割ピース25の内面25bに形成した箱抜き部25dと連通している(図4(A))。
<3.2>外向きの分割曲がり孔
外向きの分割曲がり孔26bは外面25cと接合面25aとの間を斜めに結ぶ湾曲した貫通孔であり、その一端が接合面25aに露出し、該分割曲がり孔26の他端が分割ピース25の外面25cに形成した箱抜き部25dと連通している(図4(B))。
一対の分割曲がり孔26a,26bが互いに干渉しないように、内外の分割曲がり孔26a,26bは高低差を有し、かつ互いに平行に配置してある。
<4>曲がり孔
さらに図5に示すように、一対の分割ピース25を箱形に組み立てたときに、内向きの各分割曲がり孔26a,26aが連通し、外向きの各分割曲がり孔26b,26bも連通して、それぞれ独立した半円形の曲がり孔26,26を形成する。
換言すると、一対の曲がり孔26,26は、一対の分割ピース25の間を跨いで連続した円弧形の貫通孔を形成する。
<5>箱抜き部
各分割ピース25の接合面25aから離れた位置の内面25bおよび外面25cに露出した箱抜き部25dを形成する。箱抜き部25dの形状は円筒形または函形の何れでもよい。
箱抜き部25dは分割ピース25を製作する際に各分割曲がり孔26a,26bの延長線上に箱抜き工法により形成することができる。
本例では分割ピース25の製作時に、箱抜き部25dの孔奥に受座金25eを予め埋設した形態について示しているが、受座金25eは後付けしてもよい。
なお、箱抜き部25dは必須ではなく省略する場合もある。
箱抜き部25dを形成する場合、分割ピース25の内面25bおよび外面25cに面した表層近くの浅い位置に箱抜き部25dを形成できるので、分割ピース25の内部の補強鉄筋との取り合い簡単となるだけでなく、箱抜き部25dの開口寸法を小さくできる。
さらに各分割曲がり孔26a,26bの一端が、各分割ピース25の内面25bと外面25cにそれぞれ露出するので、箱抜き部25dの開口寸法の影響を受けずに各分割曲がり孔26a,26bの高さ方向の設置間隔を狭くすることができる。
<6>注入路
各分割ピース25の内面25bと各分割曲がり孔26a,26bとの間には、注入路25f,25gを形成し、注入路25f,25gを通じて各曲がり孔26内にモルタル等の固結材の注入が可能である。
<7>機械的連結手段
機械的連結手段は、一対の分割ピース25,25の接合部を連結する機能の他に、分割ピース25の躯体内の補強用鉄筋の代替機能を併有する。
機械的連結手段は、各曲がり孔26に沿って配置可能な内向きおよび外向きに屈曲した一対の曲がり引張材27と、各曲がり引張材27の引張端部を固定する定着具28とを具備する。
一対の曲がり引張材27,27を一組とする複数組の引張材27,27が所定の間隔を隔てて多段的に張設してある。
<7.1>機械的連結手段の例示
本例では、曲がり引張材27として曲がりボルトを使用し、定着具28としてナットを使用する形態について説明するが、曲がり引張材27には可撓性を有する金属製または繊維製のロープ材を用い、ロープ材の定着具28としてロープ材の端部を固定可能な把持具を使用することも可能である。
曲がり引張材27に曲がりボルトを使用する場合、両端にネジ部を有する曲がりボルトを使用することの他に、一端にボルト頭部を形成し他端にネジ部を有する曲がりボルトを使用してもよい。
<7.2>一対の曲がり引張材の設置間隔
内向きおよび外向きに向けて配置する一対の曲がり引張材27,27の高さ方向の間隔は適宜選択が可能である。
例えば、一対の曲がり引張材27,27を互いに逆向きに配置せずに、同一方向に揃えて配置した場合には、分割ピース25の内面25bまたは外面25cの何れか一方の面の4箇所に箱抜き部25dを形成することになる。
つまり、上下一対の曲がり引張材27,27の配置間隔を狭くしようとすると、同一面に形成る上下一対の箱抜き部25dが干渉し合うため、上下一対の曲がり引張材27,27の配置間隔を狭くすることに限界がある。
本発明では、一対の分割ピース25,25の躯体内で、一対の曲がり引張材27,27を上下に重なり合うように配置することで、箱抜き部25dの開口寸法の影響を受けずに一対の曲がり引張材27,27の高さ方向の配置間隔を狭くすることができる。
<7.3>曲がり引張材の設置数
一対の曲がり引張材27,27の高さ方向の間隔を狭くできるので、一対の分割ピース25,25の接合部間に多段的に設ける際における曲がり引張材27,27の設置数を大幅に増やすことができる。
曲がり引張材27の設置数が増えれば、接合強度が増す効果に加えて、曲がり引張材27が補強鉄筋の代替部材として機能するため、分割ピース25内に設置する補強鉄筋の配筋量を削減することができる。
<7.4>曲がり引張材の曲率
曲がり引張材27の曲率は分割ピース25躯体厚等を考慮して適宜選択が可能である。
3.分割ピースの連結方法
分割ピース25,25の連結方法は同一であるため、本例では中間ブロック23を構成する一対の分割ピース25,25の連結方法について説明し、基礎ブロック22についての説明を省略する。
<1>分割ピースの搬入
分割ピース25を車両に搭載して現場へ搬入する。
箱形を呈する中間ブロック23の幅寸法が、車両に搭載困難なほど大きい場合でも、中間ブロック23を分割ピース25の形態に小型化するので、車両による現場搬入を容易に行える。
<2>分割ピースの現場組立て
以下の要領で分割ピース25,25を現場で箱形ブロックに組立てる。
<2.1>シール材の設置
図5,6を参照して説明する。一対の分割ピース25を向かい合わせにして箱形に配置する際、相対向する接合面25a,25aの周縁に無端構造のシール材29を介挿して、接合部に継目空間Sを画成する。
既述した各分割曲がり孔26a,26bは継目空間Sと連通する。
なお、シール材29を使用せずに、相対向する接合面25a,25aを直接接面させてもよい。
<2.2>曲がり引張材による連結
図6に示すように、隣り合う分割ピース25の内面25bおよび外面25cに露出した各曲がり孔26の一方からに曲がり引張材27を挿通する。
隣り合う分割ピース25に跨って配置した曲がり引張材27を緊張し、箱抜き部25d内に露出する曲がり引張材27の端部にナット等の定着具28を取り付けて緊結する。
一対の分割ピース25の接合部間を複数組の曲がり引張材27で緊結して固定する。
本発明では、図7に示すように、分割ピース25の外面25c側に接近させて配置した内側の曲がり引張材27を分割ピース25の内面25b側で固定すると共に、分割ピース25の内面25b側に接近させて配置した外側の曲がり引張材27の両端を分割ピース25の外面25c側で固定する。
一対の分割ピース25を平面視したとき、分割ピース25の躯体中心Cで、内向きの曲がり引張材27と外向きの曲がり引張材27が交差するように配置することが望ましい。
<2.3>固結材の注入
図7を参照して説明する。分割ピース25の内面25bに露出する注入路25f,25gを通じて、各曲がり孔26内と継目空間S内に無収縮モルタル等の固結材を注入する。
各曲がり孔26内に注入した固結材は曲がり引張材27の防錆材50として機能する(図8)。
曲がり孔26等を経て継目空間Sに注入された固結材はシール機能を有する目地層51として機能する(図9)。
継目空間Sに目地層50を介在させると共に、一対の曲がり引張材27,27で一対の分割ピース25,25を締め付けることで、一対の分割ピース25の接合部に高い止水性と耐震性を付与することができる。
最後に、分割ピース25の内面25bおよび外面25cに形成した箱抜き部25dにモルタル等の固結材を充填して閉鎖する。
<3>箱形マンホール部の組立て
以上の要領で、現場で基礎ブロック22と中間ブロック23をそれぞれ箱形に組立てる。
現場で箱形に基礎ブロック22と中間ブロック23を組み立てた後の工程は従来と同様である。
図1を参照して説明すると、立坑内に基礎ブロック22,22を吊り下ろして積み重ね、つぎに基礎ブロック22の上面に箱形に組立てた中間ブロック23を搭載して箱形マンホール部20を組み立てる。
基礎ブロック22や中間ブロック23の積み重ね作業に際し、上下の各ブロック22,23を構成する分割ピース25の接合面が同一線上に揃わないように千鳥状に配置する。
<4>円形マンホール部の組立て
箱形マンホール部20の最上面に円形ブロック31を積み重ねて円形マンホール部30を組立てて、組立式箱形マンホール10を完成する。
4.分割ピースの接合部の特性
分割ピース25,25の接合部の特性について説明する。
<1>曲げ耐力
図10を参照して一対の曲げり引張材27,27による締結力について説明する。
本発明では、分割ピース25の接合部の躯体内部の内側と外側の両側にそれぞれ配置した一対の曲がり引張材27を緊張して締結した。
一対の曲がり引張材27,27を緊張すると、曲がり引張材27,27の両端の固定部間に位置する一対の分割ピース25a,25aの躯体が内側および外側で軸方向に向けて締付力fが向かい合わせに作用すると共に、一対の曲がり引張材27,27がそれぞれ逆方向向けて湾曲しているため、分割ピース25a,25aの躯体中心Cへ向けて向かい合わせに締付力fが作用する。
そのため、箱形に組立てた分割ピース25の内側と外側の両側を強固に結合できて、分割ピース25,25の接合部の曲げ耐力とねじれに対する耐力が大幅に向上する。
特に、一対の曲がり引張材27,27の接合部には、締付力fが点的に作用するのではなく、一対の曲がり引張材27,27の両端の固定部の間に位置する二点鎖線のハッチングで示した範囲の分割ピース25,25の躯体の加圧領域Pを介して軸方向の締付力fが面的に作用する。
そのため、一対の曲がり引張材27,27の接合部の全体に対して軸方向の締付力fが均等に作用して、軸方向の締付力fのバラツキがなくなる。
<2>耐震性
箱形マンホール部20に水平の揺れが作用しても、箱形に突き合せた一対の分割ピース25の間の内外両側に配置した曲がり引張材27,27の何れか一方が引張抵抗材として機能するので、箱形マンホール部20の高い耐震性を確保できる。
<3>止水性
一対の曲がり引張材27,27による締付力と、一対の分割ピース25,25の接合部間に介装した目地層51によるシール性能との併用により、分割ピース25,25の接合部に高い止水性を確保することができる。
そのため、分割ピース25の接合部を通じた外部からの浸水または内部からの漏水を確実に防止できる。
[変形例]
以降に変形例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
<1>緊張材の他の配置形態
先の実施例では、分割ピース25の接合部に対し、高低差を設けて内外へ向けた一対の曲がり引張材27,27を配置した形態について説明した。
本例では図11に示すように、内外へ向けた一対の曲がり孔26,26をクロスして形成して、一対の曲がり引張材27,27を交錯させて配置してもよい。
本例では、分割ピース25の内面25bおよび外面25cの同一面に露出して形成する箱抜き部25d,25dに高低差が生じる。
<2>本例の効果
本例にあっては先の実施例と同様の作用効果が得られることの他に、交錯して配置した一対の曲がり引張材27,27を締め付けることで、分割ピース25の接合部の締結力が増して、分割ピース25の接合部における止水性と耐震性がさらに高くなる。
10・・・・組立式箱形マンホール
11・・・・開口
12・・・・ステップ
20・・・・箱形マンホール部
21・・・・底板
22・・・・基礎ブロック
22a・・・基礎ブロックの接続口
23・・・・中間ブロック
25・・・・分割ピース
25a・・・分割ピースの接合面
25b・・・分割ピースの内面
25c・・・分割ピースの外面
25d・・・分割ピースの箱抜き部
25e・・・受座金
25f・・・注入路
25g・・・注入路
26・・・・曲がり孔
26a・・・内向きの分割曲がり孔
26b・・・外向きの分割曲がり孔
27・・・・曲がり引張材
28・・・・定着具
29・・・・シール材
30・・・・円形マンホール部
40・・・・管渠
50・・・・防錆材
51・・・・目地層
S・・・・・継目空間

Claims (9)

  1. 複数のプレキャスト製の箱形ブロックを積み重ねて構成する箱形マンホール部を少なくとも具備する組立式箱形マンホールであって、
    前記箱形ブロックはブロックの側面箇所を縦向きに二分割し、平面形状がコ字形を呈する一対の分割ピースと、
    前記分割ピースの縦向きの接合部間を連結する機械的連結手段とを具備し、
    前記一対の分割ピースの接合部には接合面を貫通する内向きの曲がり孔と外向きの曲がり孔を形成し、
    前記機械的連結手段が前記一対の曲がり孔に沿って湾曲して配置する一対の曲がり引張材と、
    緊張した曲がり引張材の端部を固定する定着具とを具備し、
    前記一対の曲がり引張材を一組とする複数組の曲がり引張材を前記一対の分割ピースの接合部に多段的に設置し、
    前記一対の分割ピースを突き合せて組み立てた箱形ブロックの内側および外側の両側に前記複数組の曲がり引張材の両端部をそれぞれ固定して前記一対の分割ピースの接合部間を連結したことを特徴とする、
    組立式箱形マンホール。
  2. 前記一対の分割ピースの接合部間に継目空間を形成し、該継目空間の全域に固結材を注入して目地層を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の組立式箱形マンホール。
  3. 前記一対の分割ピースの接合面から離れた位置の内面および外面に面して前記一対の曲がり孔と連通した箱抜き部を形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の組立式箱形マンホール。
  4. 前記一対の曲がり孔に挿通する一対の曲がり引張材が前記一対の分割ピースの躯体内で高低差を有して平行に配置してあることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の組立式箱形マンホール。
  5. 前記一対の曲がり孔に挿通する一対の曲がり引張材が前記一対の分割ピースの躯体内で交錯して配置してあることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の組立式箱形マンホール。
  6. 前記一対の曲がり引張材の一部が前記一対の分割ピースの躯体内で上下に重なり合って配置してあることを特徴とする、請求項4または5に記載の組立式箱形マンホール。
  7. 前記一対の曲がり引張材が曲がりボルトであり、前記定着具が曲がりボルトに螺着可能なナットであることを特徴とする、請求項4乃至6の何れか一項に記載の組立式箱形マンホール。
  8. 前記一対の曲がり引張材がロープ材であり、前記定着具がロープ材の端部を固定可能な把持具であることを特徴とする、請求項4乃至6の何れか一項に記載の組立式箱形マンホール。
  9. 前記箱形マンホール部の上部に円形マンホール部を搭載したことを特徴とする、請求項1に記載の組立式箱形マンホール。
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