JP7001061B2 - 粉末焼結積層造形物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属粉末及び粉末焼結積層造形物の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、金属粒子表面にフラックスが被覆されている金属粉末と、それを用いる粉末焼結積層造形物及びその製造方法に関するものである。
近年、複雑な形状の立体造形物を比較的容易に製造できる様々な方法が開発されている。こうして製造された立体造形物(「三次元形状造形物」、「立体積層造形物」、又は「3D造形物」ともいう。)は、最終製品の形状や性質を確認するための試作品の製造などの分野に用いられている。このような用途においては、最終製品の種類や、試作品で確認したい性質等に応じて、立体造形物を製造するための材料も適宜選択される。たとえば、最終製品が金属製の機械部品などの場合には、試作品の材料として、金属材料(金属粒子)が用いられることがある。
これらの金属材料(金属粒子)からの立体造形物の製造は、金属で構成される粒子を用いた「粉末床溶融結合法」(以下、「粉末溶融結合法」、「粉末焼結積層法」、又は「金属粉末焼結積層造形法」ともいう。)によって行うことができる。
この金属材料からの立体積層造形物を製造する金属粉末焼結積層造形法は、粉体の薄層を形成する工程と、造形対象物の断面形状に対応する形状にレーザー光を照射し、金属材料を結合させて、断面形状物を造形する工程とを順次繰り返すことにより、積層造形物を形成する方法である。更に詳しくは、金属粉末焼結積層法では、金属粒子を含む金属材料を平面状に敷き詰めて薄層を形成し、薄層上の造形を行う対象領域にレーザー光を照射し、上記対象領域の粒子を選択的に焼結又は溶融結合させることで、立体造形物を厚さ方向に微分割した薄層(以下、単に「造形物層」ともいう。)の1層分を形成する。こうして形成された薄層の上に、さらに粉末材料を敷き詰め、レーザーを照射して粒子を選択的に焼結又は溶融結合させることで、次の造形物層を形成する。この手順を繰り返して、造形物を積み上げていくことで、所望の形状の立体積層造形物が製造される。
金属粉末焼結積層造形法によって多種多様な最終製品や試作品を大量に製造する観点からは、立体積層造形物をより短時間で製造できることが強く求められている。また、立体積層造形物の用途によっては、より高精細な立体造形物を製造することに対する要求も存在する。
金属粉末焼結積層法において、金属粉末にレーザー照射される時間は非常に短い。従って、レーザーのエネルギーが金属粉体に十分に伝わらない場合、金属粉末が濡れ性を持つことができない状態で粉末が結合し、積層表面が平坦にならず凹凸部位が形成されてしまう。積層表面に凹凸部が形成されると、次層の粉体薄層形成の障害となり、表面精度が落ちるといった問題も生じる。レーザー照射スピードが速くなると金属粉末にレーザーが照射される時間が短くなるためこれらの問題はより顕著となり、金属粉末焼結積層法においては、積層スピードの向上と、精細性の向上が大きな問題となっている。
金属粉末にレーザー光を照射して立体積層造形物(以下、「粉末焼結積層造形物」又は「金属粉末焼結積層造形物」ともいう。)を形成する方法としては、特許文献1には、Feを主成分とし、更に合金を構成する金属として、Cr、Ni、Cu等を含む金属粉末が開示され、硬度、熱伝導性、腐食性に優れた造形物を得ることができると記載されている。
また、特許文献2には、複数の金属粒子と、当該金属粒子を結合するバインダーとを有し、当該バインダーがレーザー光の照射により分解されて気化する特徴を有するレーザー焼結用粉末が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2で開示されている金属粉末の最表面は、外気と接触することから、その表面に薄い酸化被膜が形成されやすくなる。一般的に金属酸化物は融点が高く熱伝導性が低いことから、レーザー照射により立体造形物を形成する金属粉末焼結積層法においては、レーザー照射等の高温環境下で、粒子表面に薄い酸化被膜が形成されやすくなる。一般的に金属酸化物は融点が高く熱伝導性が低いことから、レーザー焼結時に、迅速に熱を伝達することを阻害する要因となる。熱が迅速に金属粒子に伝達されないと、金属粒子が溶融して、表面張力が小さくなる温度領域に到達することができず、粒子自身が濡れ拡がることができない。金属粒子を含む紛体が十分に濡れ拡がることができないと、粒子形状を維持した状態で凝固することになり、その結果、金属粒子により形成される造形物である薄層表面には凹凸構造が生じ、その上に、次の薄層を平坦に敷き詰めることが困難になるといった問題や表面の平面精度が低下する問題が生じる。これらの問題は、レーザー照射を高速にすると、より顕著となるため、積層造形の高速化の大きな障害となっている。
一方、金属粒子の酸化防止という観点から、特許文献3には、真空雰囲気下で、1100~1400℃の高温環境下で焼結処理を行う方法が開示されており、ステンレス鋼粉末の表面に形成されている酸化被膜を除去する方法として、フラックスを粒子表面に付与することにより、粒子表面に形成されている酸化被膜の除去や酸化防止を行い、ステンレス鋼粉末の高密度焼結を可能とする方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3に記載の方法は、真空雰囲気下で1100~1400℃の高温環境下により、焼結用金型に充填した金属粒子の焼結処理を行う方法であり、本発明が目的とする造形対象物の断面形状に対応する薄層にレーザー光を照射し、金属材料を結合させ、この断面形状物を造形する工程を繰り返すことにより、大気圧環境下で積層造形物を形成する金属粉末焼結積層法とは全く相違するものであり、特許文献3には、上記方法に関する言及は一切なされていない。
従って、レーザー照射時に金属粉体表面の酸化物を除去し、金属粉体に短時間でエネルギーを伝達することができ、積層体表面の平面性と、積層造形物の形成速度を高速化できる金属粉末焼結積層造形法の開発が切望されている。
特開2014-105373号公報 特開2015-96646号公報 特許第3941455号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、積層体の形成の高速化を達成するとともに、形状精度及び平面性に優れた立体積層造形物を形成することができる金属粉末と、それを用いた粉末焼結積層造形物及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく上記問題の原因等について検討した結果、金属粉末焼結積層造形法に用いられる金属粉末であって、個数平均粒子径が特定の範囲内にある金属粒子の表面に、特定の範囲内の厚さのフラックスが被覆されていることを特徴とする金属粉末により、積層体の形成の高速化を達成するとともに、形状精度及び平面性に優れた立体積層造形物を形成することができる金属粉末を実現することができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
2.前記金属粒子の平均円形度が、0.90~0.98の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の金属粉末。
3.前記金属粒子の粒径分布における変動係数(CV値)が、15%以下であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の金属粉末。
金属粉末を用いて立体積層造形物を製造する粉末焼結積層造形物の製造方法であって、
少なくとも、前記金属粉末を薄層に展開する薄層形成工程と、
前記薄層を構成する金属粉末に、造形対象物の断面形状に対応する形状パターンでレーザー光を照射して、前記金属粉末を結合させる断面形状形成工程を有し、
前記金属粉末が、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内である金属粒子の表面に、平均厚さが5~30nmの範囲内のフラックスが被覆されており、
前記金属粒子が、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる金属材料を含有し、
前記フラックスが、ホウ砂、ホウ酸、ロジン、フッ化カリウム及び塩化亜鉛から選ばれる少なくとも一種であり、
前記断面形状形成工程が、フラックスにより金属粉末表面の還元反応を促進する第1のレーザー光照射工程と、前記金属粉末を結合させる第2のレーザー光照射工程より構成されており、
前記薄層形成工程と前記断面形状形成工程とを順次繰り返すことにより、立体積層造形物を製造することを特徴とする粉末焼結積層造形物の製造方法。
前記断面形状形成工程において、照射する前記レーザー光の下式(1)で表されるエネルギー密度Eが、45~150J/mmの範囲内であることを特徴とする第項に記載の粉末焼結積層造形物の製造方法。
式(1)
エネルギー密度E(J/mm)={レーザー出力/(レーザー照射スピード×焦点スポット面積)}
本発明の上記手段により、積層体の形成の高速化を達成するとともに、形状精度及び平面性に優れた立体積層造形物を形成することができる金属粉末と、それを用いた粉末焼結積層造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、すべてが明確にはなっていないが、以下のように推察している。
前述のように、金属粉末を薄層状に形成した後、当該薄層にレーザー光を所望のパターンで照射して、レーザー光により金属粉末を焼結又は溶融結合して造形物層を形成し、当該造形物層を複数層積層することにより立体積層造形物を形成する金属粉末焼結積層造形法において、金属粉末を構成している金属粒子の最表面は、環境雰囲気との界面となり、薄い酸化被膜が形成されることになる。このような金属酸化被膜は、一般的には、融点が高く熱伝導性が低くなるため、レーザー光照射による焼結時に迅速に熱を伝達することを阻害することになる。
通常、溶融金属の表面張力は、温度の上昇と共に低下する特性を有しているが、レーザー光照射による熱エネルギーが迅速に伝達されないと、金属粒子として、溶融により表面張力が低下する特性を発現する温度領域に到達することができないため、濡れ拡がる特性が不十分となる。その結果、金属粉末が薄層形成時に、十分に濡れ拡がることができないため、粒子形状を維持したまま凝固してしまうことになり、薄層表面には凹凸パターンが形成され、その上に次の薄層を積層させるときに、均一で平滑性の高い第2の薄層を敷き詰めることができなくなる。最終的には、形成する立体積層造形物の表面精度が低下することになり、所望の形成の立体積層造形物を得ることができなくなる。これの問題は、レーザー照射を高速にすると、より顕著に発現しやすくなるため、立体積層造形物の形成の高速化においては大きな障害となっていた。
本発明者らは、上記問題について鋭意検討を進めた結果、立体積層造形物の形成に適用する金属粉末として、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内にある金属粒子の表面に、平均厚さが5~30nmの範囲内でフラックスを被覆した構成の金属粉末を適用することにより、金属粉末にレーザー光を照射した時に、金属粒子表面を形成している酸化物を、フラックスの還元作用等により除去することができる。その結果、金属酸化物による熱伝導低下等の阻害因子が除かれ、金属粒子に短時間でレーザー光のエネルギーを伝達することが可能となる。その結果、迅速に金属粒子を含む金属粉体の表面張力が低下する温度領域に到達させることができ、金属粉末を短時間で安定して濡れ拡がらせることができ、薄層の表面は平坦となり、その上に形成する次層の薄層の形成を阻害せず、立体積層造形物を高速かつ高精度で安定して形成することができるものである。
上記で説明した本発明に係るフラックスの金属粒子に対する主要な作用は、上述のとおり、金属粒子表面に形成されている金属酸化物を除去することにある。
一般的に、フラックスの作用は、金属酸化物と反応して、反応生成物(金属塩)を形成し,溶解除去する。
例えば、フラックスとしてホウ砂(Na)やホウ酸(HBO)を用いた場合の、酸化鉄や酸化銅の還元反応を以下に示す。
FeO+Na→Fe(BO+2NaBO
CuO+2HBO→Cu(BO+3H
上記反応により形成されたフラックス残渣は、立体積層造形物自身の性能に悪影響を与える場合もあるため、金属粒子に対するフラックスの被覆量としては、十分な還元反応を進行させるとともに、悪影響を最小限とする観点からは、平均厚さが5~30nmの範囲内でフラックスを被覆することが必要である。
本発明の金属粉末の構成の一例を示す模式断面図 従来の立体積層造形物の形成方法の一例を示す模式図 本発明における立体積層造形物の形成方法とその特徴の一例を示す模式図 本発明に適用可能な立体積層造形物の形成装置の全体構成の一例を示す概略図 本発明に適用可能な立体積層造形物の形成装置における制御方法の一例を示すブロック図
本発明に係る金属粉末は、金属粉末焼結積層造形法に用いられる金属粉末であって、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内である金属粒子の表面に、平均厚さが5~30nmの範囲内のフラックスが被覆されており、前記金属粒子が、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる金属材料を含有し、前記フラックスが、ホウ砂、ホウ酸、ロジン、フッ化カリウム及び塩化亜鉛から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。この特徴は、下記実施形態に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、前記金属粒子として、平均円形度が0.90~0.98の範囲内である球状粒子を適用することが、最密充填に近い条件で、表面均一性に優れた薄層を形成でき、より形状精度及び平面性に優れた立体積層造形物を形成することができる点で好ましい。
また、金属粒子の粒径分布における変動係数(CV値)が、15%以下であることが、極めて狭い粒径分布を有する金属粒子群を適用することにより、積層体の1ユニットである薄層を形成した際の凹凸を抑制し、平滑性に優れた薄層を形成することができる点で好ましい。
また、適用するフラックスが、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂、フッ化物及び塩化物から選ばれる少なくとも一種の無機フラックスであることが、金属粒子表面の酸化物をレーザー照射により効率よく除去することができ、金属粒子に短時間でレーザーのエネルギーを伝達することができる観点で好ましい。
また、適用する金属粒子として、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる金属材料を含有する金属粒子であることが、良好な熱伝導率を有し、焼結適性に優れ、安定して金属粉末焼結層を形成することができる点で好ましい。
また、本発明の粉末焼結積層造形物の製造方法は、本発明の金属粉末を用いて立体造形物を製造する方法で、少なくとも、前記金属粉末を薄層に展開する薄層形成工程と、前記薄層を構成する金属粉末に、造形対象物の断面形状に対応する形状パターンでレーザー光を照射して、前記金属粉末を結合させる断面形状形成工程を有し、前記薄層形成工程と前記断面形状形成工程とを順次繰り返すことにより、立体積層造形物を製造することを特徴とする。
また、前記断面形状形成工程においては、金属粉末に照射するレーザー光のエネルギー密度Eを、45~150J/mmの範囲内とすることが、効率よく金属粉末焼結体を形成することができる点で好ましい。
また、前記断面形状形成工程において、レーザー照射方法として、フラックスにより金属粉末表面の還元反応を促進する第1のレーザー光照射工程と、前記金属粉末を結合させる第2のレーザー光照射工程の分割した照射とすることが、更に精細な表面性を有する立体積層造形物を得ることができる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。また、以下の各図の説明において、構成要素の末尾に括弧内で記載した数字は、各図における符号を表す。
《金属粉末》
〔金属粉末の構成〕
本発明の金属紛末では、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内にある金属粒子の表面に、平均厚さが5~30nmの範囲内のフラックスが被覆されている構成であることを特徴とする。
図1は、本発明に係る金属粒子の表面にフラックスが被覆されている金属粉末の構成の一例を示す模式断面図である。
図1で示すように、本発明の金属粉末(1)は、コア部が個数平均粒子径dの金属粒子(2)により構成され、その金属粒子(2)の表面に、シェル部として、厚さhのフラックス(3)が被覆されている構成である。このとき、フラックス(3)は、金属粒子の(2)の全表面を被覆する構成であっても、あるいは、一部に未被覆部を有する不連続な構成であってもよいが、前者の構成であることが本発明の目的効果を十分に発現させることができる観点から好ましい。なお、後者の一部に未被覆部を有する不連続な構成である場合には、不連続なフラックスの全体積で、粒子表面を均一に被覆したと仮定した際の厚さをフラックスの平均厚さと定義する。
〔金属粒子〕
本発明に係る金属粒子(2)は、造形しようとする立体造形物の材料である金属を主成分として構成され、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内の粒子である。
金属粒子(2)を構成する金属材料としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム、クロム、コバルト、銅、金、鉄、マグネシウム、シリコン、モリブデン、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、銀、錫、チタン、タングステン、亜鉛等と、これらの金属元素を含む合金が含まれる。上記金属元素の中でも、特に、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる少なくとも一種の金属材料を含むことが好ましい。
最終的に得られる立体造形物の組成を均一にしやすくできる観点から、金属粒子(2)は、一種類の材料から構成されていることが好ましいが、上記金属粉末(1)の構成を可能とする限りにおいて、二種類以上の材料を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る金属粒子では、主成分である金属元素の比率としては、75質量%以上であることが好ましく、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは金属元素のみで構成されている金属粒子である。
金属粒子(2)において、主成分として含まれる金属材料とは、蛍光X線分析などの公知の方法で特定した金属材料のうち、最も量が多いものとする。また、金属粉末を、界面活性剤を含有する水溶液中での超音波処理などの公知の方法で金属粒子(2)とフラックス(3)とを分離して、得られた金属粒子(2)に対して蛍光X線分析やICP発光分光分析を行って、金属粒子(2)に主成分として含まれる金属材料を特定してもよい。
(個数平均粒子径)
本発明においては、金属粒子(2)の個数平均粒子径が5~100μmの範囲内であることを特徴とし、好ましくは10~80μmの範囲内であり、更に好ましくは20~60μmの範囲内であり、特に好ましくは、30~50μmの範囲内である。
金属粒子(2)の個数平均粒子径が5μm未満であると、金属粒子の流動性が不足し、造形速度が遅くなり、かつ、金属粉末を形成した際に、金属粉末をより均一に敷き詰めて薄層を形成することが難しくなるため、立体造形物の形成精度が低下し、更に、金属粒子に多量のレーザー光を照射することが困難となり、金属粒子の溶融・焼結効率が低下するため、造形速度がより早くすることが難しくなる。更に、5μm未満なると金属粒子の作製の難易度が高まり、形成する金属粉末の製造コストが上昇する。
また、金属粒子(2)の個数平均粒子径が100μmを超えると、過度に凹凸パターンが強調され、高精細な立体造形物を製造することが困難となる。
金属粒子(2)の個数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像した金属粉末(1)の断面図において、任意に50個選択した金属粒子(2)の粒子径の平均値とすることができる。このとき、それぞれの粒子径は、各粒子の投影面積を円換算した時の直径で表し、50個の金属粒子について測定した粒子径の相加平均値を求め、これを金属粒子(2)の個数平均粒子径とする。
他の測定方法としては、金属粉末(1)を、例えば、界面活性剤を含有する水溶液中で超音波処理などの公知の分散装置を用いて分散し、金属粒子(2)表面からフラックス(3)を分離した後、得られた金属粒子(2)をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所製、Partica LA-960)で測定して得られた値をもとに、粒子が球形と仮定して算出した個数平均粒子径としてもよい。
(平均円形度)
本発明に係る金属粒子においては、平均円形度が0.90~0.98の範囲内であることが好ましい。
本発明でいう円形度とは、透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像し、下式で示すように、二次元に投影した金属粒子の粒子面積に等しい面積の円の周囲長を、撮像した金属粒子の周囲長で除した数値で表され、平均円形度とは、50個の金属粒子について上記方法に従って円形度を測定し、得られた測定値の相加平均値で表す。
円形度=(金属粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(金属粒子の周囲長)
金属粒子の平均円形度が0.90~0.98の範囲内であれば、金属粉末による薄層を形成した際に、均一に敷き詰めることができ、空隙率の低い薄層を効率よく形成することができ、立体積層造形物の精度をより高めることができる。
(変動係数:CV値)
本発明に係る金属粒子においては、粒度分布における変動係数(CV値)が、15%以下であることが好ましい。下限値は特に制限はないが、現実的には、0.1%以上であり、より現実的には、1.0%以上である。
金属粒子のCV値が15%以下であれば、薄層を形成したときに金属粒子を含む金属粉末がより均一に敷き詰められやすくなり、製造される立体積層造形物の精度をより高めることができる。
本発明においては、金属粒子のCV値は10%以下であることが、造形速度をさらに速くし、かつ、製造される立体積層造形物の形成精度をさらに高める観点から好ましく、8%以下であることがさらに好ましい。
ここでいうCV値は、透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像した金属粉末の断面写真において、任意に50個選択した金属粒子の粒子径(長径と短径との平均値)から、これら粒子径の標準偏差σ及び平均粒子径Dを算出して、(σ/D)×100として求められる値である。
また、他の方法としては、金属粒子の標準偏差σ及び平均粒子径Dは、界面活性剤を含有する水溶液中での超音波処理などの公知の方法で金属粉末を構成する金属粒子とフラックスとを分離して、得られた金属粒子をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所製、Partica LA-960)で測定して得られた値をもとに、粒子が球形と仮定して算出した値としてもよい。CV値は、粒度分布にどの程度の広がりがあるかを示す値であり、CV値が小さいほど粒度分布が狭いことを示す。
(金属粒子の製造方法)
本発明に係る金属粒子は、例えば、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、プラズマアトマイズ法及び遠心力アトマイズ法を含む、公知のアトマイズ法で作製することができる。また、具体的な方法としては、例えば、特開2001-181703号公報、特開2007-113107号公報、特開2010-090421号公報、特開2010-144197号公報、特開2015-059253号公報、特開2015-096646号公報等に記載されている方法を、適宜選択及び適用することにより、当該金属粒子を作製することができる。
〔フラックス〕
本発明の金属粉末においては、上記説明した金属粒子の表面が、平均厚さが5~30nmの範囲内のフラックスにより被覆されている構成であることを特徴とする。
金属表面にフラックスを付与することにより、金属粒子表面に形成されている酸化膜等を、フラックスの還元作用等により除去(清浄化作用ともいう。)する、レーザー照射時の再酸化防止機能を発現する、金属粒子の表面張力を低減する等の効果を発現し、金属酸化物による熱伝導低下等の阻害因子が除かれ、金属粒子に短時間でレーザー光のエネルギーを伝達することが可能となり、高品位の立体積層構造体を形成することができる。
金属粒子の表面におけるフラックスの平均厚さは5~30nmの範囲内であることを特徴とするが、好ましくは10~20nmの範囲内である。
フラックスの平均厚さが5nm未満になると、金属粒子表面の酸化膜の除去効果及び再酸化防止効果を発現させることが難しくなる。また、30nmを超えると、粒子表面に過剰にフラックスが残留することとなり、後処理等の観点から好ましくない。
本発明に係るフラックスの平均厚さは下記の方法により求めることができる。
金属粉末の中心部を、集束イオンビーム加工装置(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、SMI2050)を用いて切断して、粒子薄片を作製した。透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JEM-2010F)を用いて倍率10000倍で撮像した上記粒子の中心線断面画像について、被覆しているフラックスの厚さを10か所で測定し、その平均値1を求めた。次いで、この測定を50個の金属粉末について行い、得られた平均値1の全平均を求め、これをフラックスの平均厚さとして求め、これをフラックスの平均厚さとした。
本発明に適用が可能なフラックスとしては、金属粒子表面に形成されている酸化膜等に対する清浄化作用や、レーザー照射時の再酸化防止機能を発現する材料であれば、特に制限はないが、以下に示す各フラックスを適宜選択して適用することができる。
本発明に係るフラックスとしては、大別して、1)樹脂系フラックス、2)水溶性有機フラックス、3)無機系フラックス等を挙げることができる。
(1)樹脂系フラックス
樹脂系フラックスとしては、ロジン(松脂)やその変性樹脂又は合成樹脂などが挙げられる。
天然樹脂であるロジン(松脂)は、アビエチン酸、パラストリン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、イソピマール酸、ピマール酸等の有機酸を主成分とするものである。また、天然ロジンは軟化点が低く(70~80℃)、脆い性質であるため、ロジン誘導体が用いられており、例えば、水添ロジン(荒川化学社製 商品名:ハイペールCH)、重合ロジン(荒川化学社製 商品名:アラダイムR-140、軟化点:140℃)、酸変性ロジン(荒川化学社製 商品名:マルキードNo.33、軟化点:150℃)、超淡色ロジン(荒川化学社製 商品名:バインクリスタルKR-85、軟化点:85℃)等が挙げられる。
樹脂系フラックスは、そのまま金属粒子表面に付与したのち溶融して被膜を形成する方法であっても、あるいは、活性剤やその他の添加剤を加えたのち、アルコールやグリコールエーテル類などの溶媒に溶解したのち、スプレーコート法や転動流動層(マルチプレックス)などの公知の湿式塗布方法を適用して、シェル部としてフラックス被膜を形成する方法を適用することができ、その形成方法には、特段の制約はない。
(2)水溶性有機フラックス
水溶性を有する有機フラックスとしては、例えば、有機酸、有機アミン・ハロゲン化水素酸塩、有機酸・アミン塩等を挙げることができるが、有機酸であることが好ましく、更には、金属粒子表面の酸化膜等の清浄化作用及び再酸化防止機能に優れる観点から、モノカルボン酸、又はジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸等の多価カルボン酸を含んでいることが好ましい。本発明においては、金属粒子表面への活性作用が強まる点から、多価カルボン酸を含むことが好ましい。ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、シトラコン酸、α-ケトグルタル酸、ジグリコール酸、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸等が挙げられ、トリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、クエン酸、イソクエン酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸等が挙げられ、そしてテトラカルボン酸としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
(3)無機フラックス
無機フラックスとしては、例えば、無機酸、ホウ化物、ハロゲン化物を挙げることができる。
ホウ化物は、ホウ素とそれより電気陰性度が小さい元素との間の電解質(化合物)の総称である。例えば、ホウ酸(HBO)、ホウ砂(Na)、酸化ホウ素(BOB)、ホウ酸カリウム(K)、などが挙げられる。
また、ホウ酸塩としては、オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩及び八ホウ酸塩などがあり、それらの塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、珪素、鉛、銅、チタン及びアルミニウムなどの金属のホウ酸塩類が挙げられる。
また、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素を含むハロゲン化物としては、例えば、フッ化物としては、フッ化カリウム(KF)、フッ化ナトリウム(NaF)、酸性フッ化ナトリウム(NaHF)、ホウフッ化カリウム(KBF)、ホウフッ化ナトリウム(NaBF)、ホウフッ化アンモニウム(NHBF)、ケイフッ化カリウム(KSiF)、フッ化アルミナトリウム(液晶石、NaALF)、酸性フッ化カリウム(HBF)、フッ化アルミカリウム(カリ永晶石、KALF)、ケイフッ化ナトリウム(NaHF)などが挙げられる。
また、塩化物としては、塩化カリウム(KCl)、塩化亜鉛(ZnCl)、塩化アンモニウム(NHCl)などがある。臭化物としては臭化水素酸(HBr)、臭化カリウム(KBr)、ヨウ化物としてはヨウ化アンモニウム(NHI)などが挙げられる。
本発明においては、特に、フラックスとしては、無機フラックスを適用することが好ましく、更には、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂、フッ化物及び塩化物から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
無機系フラックスについても、そのまま金属粒子表面に付与したのち溶融して被膜を形成する方法であっても、あるいは、活性剤やその他の添加剤を加えたのち、アルコールやグリコールエーテル類などの溶媒に溶解したのち、スプレーコート法や転動流動層(マルチプレックス)などの公知の湿式塗布方法を適用して、シェル部としてフラックス被膜を形成する方法を適用することができ、その形成方法には、特段の制約はない。
〔金属粉末の製造方法〕
金属粉末は、金属粒子の表面に、厚さ5~30nmの範囲内の薄層のフラックスを被覆させることにより製造する。
具体的には、金属粉末は、1)金属粒子及び被覆させるフラックスを準備する工程と、2)金属粒子の表面にフラックスを固着させる工程と、によって製造することができる。
1)金属粒子及びフラックスを準備する工程
この工程では、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内である金属粒子と、フラックスを準備する。
金属粒子としては、更には、平均円形度が0.90~0.98の範囲内であること、あるいは粒度分布における変動係数(CV値)が、15%以下であることが好ましい形態である。
また、金属粒子としては、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる少なくとも一種の金属材料を含むこと形態であることが好ましく、また、フラックスとしては、ホウ酸、ホウ化物、フッ化物及び塩化物から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
上記条件が満たされる限りにおいて、金属粒子及びフラックスは、市販のものを購入してもよいし、例えば、アトマイズ法などの公知の方法で作製してもよい。また、メンブレンフィルターなどの公知の篩によって造粒後の粒子を分級したものを用いてもよい。
金属粒子に対するフラックスの比率は、特に制限はなく、上記で規定する厚さが5~30nmの範囲内となるように、金属粒子に対するフラックスの準備量を設定する。
上記条件が満たされる限りにおいて、金属粒子及び低熱伝導粒子は、市販のものを購入してもよいし、たとえばアトマイズ法などの公知の方法で作製してもよい。また、メンブレンフィルターなどの公知の篩によって造粒後の粒子を分級したものを用いてもよい。
2)金属粒子表面にフラックスを被覆させる工程
当該工程は、金属粒子の表面にフラックスを固着させる工程である。当工程においては、金属粒子の表面に他の粒子を固着させるために用いられる公知の方法を適宜選択して行うことができる。
例えば、フラックスを溶媒等で溶解した塗布液を用いる湿式コート法(例えば、スプレーコート法、転動流動層方式等)、金属粒子とフラックスとを撹拌して機械的衝撃により結合させる乾式コート法、あるいはこれらの方法の組み合わせなどによって行うことができる。
湿式コート法を採用する場合、金属粒子の表面に、フラックスを含む塗布液をスプレー塗布してもよいし、金属粒子を上記塗布液中に浸漬してもよい。
上記乾式コート法は、例えば、金属粒子及びフラックスを通常の混合撹拌装置で撹拌して均一に混合し、得られた混合物を通常の回転翼型混合撹拌装置で5~40分程度撹拌及び混合する方法とすることができる。
〔その他の添加剤〕
また、金属粉末には、本発明の目的効果を損なわない範囲で、金属粒子及びフラックスの他に、各種添加剤を適用することができる。
(レーザー光吸収剤)
金属粉末に構成されている薄層に照射するレーザー光の光エネルギーをより効率的に熱エネルギーに変換する観点から、金属粉末には、レーザー光吸収剤を更に含んでもよい。レーザー光吸収剤は、使用する波長のレーザー光を吸収して、発熱する材料であればよい。このようなレーザー光吸収剤としては、例えば、カーボン粉末、ナイロン樹脂粉末、顔料及び染料等を挙げることができる。これらのレーザー光吸収剤は、一種類のみ用いても、二種類を組み合わせて用いてもよい。
レーザー光吸収剤の量は、金属粉末の溶融及び結合が容易になる範囲で適宜設定することができ、例えば、金属粉末の全質量に対して、0質量%より多く3質量%未満の範囲内で設定することができる。
(流動助剤)
薄層形成時の金属粉末の流動性をより向上させ、立体積層造形物の製造時における金属粉末の取り扱いを容易にする観点から、金属粉末は流動助剤を含んでもよい。流動助剤は、摩擦係数が小さく、自己潤滑性を有する材料であり、このような流動助剤の例には、二酸化ケイ素や窒化ホウ素が含まれる。これらの流動助剤は、一種類のみ用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記金属粉末は、流動助剤によって流動性が高まっても、金属粉末が帯電しにくく、薄層を形成するときに金属粉末をさらに密に充填させることができる。
流動助剤の量は、金属粉末の流動性がより向上し、かつ、金属粉末の溶融結合が十分に生じる範囲で適宜設定することができ、例えば、金属粉末の全質量に対して、0.1質量%より多く2.0質量%未満とすることができる。
《粉末焼結積層造形物の製造方法》
本発明の粉末焼結積層造形物の製造方法は、上記説明した本発明の金属粉末を用いて立体積層造形物を製造する粉末焼結積層造形物の製造方法であり、具体的には、少なくとも、前記金属粉末を薄層に展開する薄層形成工程と、前記薄層を構成する金属粉末に、造形対象物の断面形状に対応する形状パターンでレーザー光を照射して、前記金属粉末を結合させる断面形状形成工程を有し、前記薄層形成工程と前記断面形状形成工程とを順次繰り返すことにより、立体積層造形物を製造することを特徴とする方法である。
〔金属粉末による粉末焼結積層造形物の製造方法〕
(粉末焼結積層造形物の製造フロー)
はじめに、本発明の金属粉末を用いて立体積層造形物を製造する本発明の粉末焼結積層造形物の製造方法の技術的特徴について、図を交えて説明する。
本発明の粉末焼結積層造形物の製造方法は、金属粒子を含む金属粉末を薄層に展開する薄層形成工程1と、形成された薄層に、造形対象物の断面形状に対応する形状にレーザー光を照射して、該金属粉末を結合させる断面形状形成工程とを順次繰り返すことを特徴としている。
図2A及び図2Bは、従来法と本発明における金属粉末を用いた粉末焼結積層造形物の製造方法の特徴を説明するための製造フロー図である。
図2Aは、従来の立体積層造形物の形成方法の一例を示す図である。
第1ステップ(a)である「第1の薄層形成工程」では、造形ステージ(6)上に、粉末リコーター(7)を用いて、粉末供給部(不図示)から供給された金属粒子(2)とその表面に金属酸化被膜(4)を有する複数の金属粉末(1B)を平らに敷き詰めて、第1の薄層(5B)を形成する。
次いで、第2ステップ(b)である「レーザー光照射・焼結工程」では、形成した第1の薄層(5B)に対し、レーザー光(L)を照射して、金属粉末を焼結して、焼結金属粉末(1C)による造形物層(5C)を形成する。この時、大気圧環境下で金属粉末(1B)にレーザー光(L)を照射するため、金属粉末(1B)を構成している金属粒子(2)の最表面は、大気と接することとなるため、その粒子表面には薄い金属酸化被膜(4)が形成されている。この金属酸化被膜(4)は、金属粒子(2)より融点が高く、熱伝導性が低くなるため、レーザー光(L)の照射による焼結時に迅速に熱を伝達することができなくなる。溶融金属の表面張力は、温度の上昇と共に低下する特性を有しているが、レーザー光(L)の照射による熱エネルギーが迅速に伝達されないと、金属粒子(2)として、溶融により表面張力が低下する特性を発現する温度領域に到達することができないため、濡れ拡がる特性が不十分となる。その結果、金属粉末は、第2ステップで示すように粒子が凝集して2次粒子塊を形成するため、薄層表面には凹凸パターンが形成され、平面性に乏しい造形物層(5C)となる。
そのため、次工程の第3ステップ(c)である「第2の薄層の形成工程」では、表面に凹凸構造を有する造形物層(5C)上に、金属粉末(1B)により第2の薄層(8B)を形成するため、その表面にも、同様の凹凸パターンが反映されるため、最終的に形成する立体積層造形物の表面精度が低下することになり、所望の形成の立体積層造形物を得ることができなくなる。これら凹凸パターンの形成は、レーザー光(L)の照射を高速にすると、より顕著に発現しやすくなるため、立体積層造形物の形成を高速化する上では、問題となっていた。
これに対し、図2Bは、本発明の金属粉末を適用した立体積層造形物の形成方法を示してある。
図2Bで示す第1ステップ(a)である第1の薄層形成工程では、造形ステージ(6)上に、粉末リコーター(7)を用いて、平均円形度が0.90~0.98の範囲内で、かつ変動係数(CV値)が15%以下である球状の金属粒子(2)と、その表面にフラックス(3)を被覆している金属粉末(1)を適用することにより、最密充填に近い条件で、表面均一性に優れた第1の薄層(5)を形成する。
本発明の粉末焼結積層造形物の製造工程のうち、薄層形成工程1では、一回の薄層の厚さは0.01~0.3mmの範囲内であることが好ましく、より精密な造形物を得るためには、0.01~0.1mmの範囲内であることが好ましい。
薄層状に展開する方法は、特に制限はないが、例えば、金属粉末焼結材料を上方より散布する方法がある。また、供給した金属粉末焼結材料をローラーでならして均一な厚さの薄層状とする方法もある。ローラーでならす方法は、均一な厚みで空隙率の低い薄層を再現性良く形成することができるので、好適に用いることができる。
次いで、第2ステップ(b)であるレーザー光照射・焼結工程で、形成した第1の薄層(5)に対し、レーザー光(L)を照射して、金属粉末(1)を焼結して、焼結金属粉末(1A)による造形物層(5A)を形成する。この時、金属粉末(1)を構成する金属粒子(2)にレーザー光(L)を照射した時に、金属粒子(2)表面に存在している金属酸化物膜を、フラックス(3)の還元作用等により除去することにより、上記説明したような金属酸化物による熱伝導低下等の阻害因子が除かれ、金属粒子(2)に短時間でレーザー光(L)のエネルギーを伝達することができ、その結果、迅速に金属粒子(2)を含む金属粉体(1)の表面張力が低下する温度領域に到達させ、金属粉末(1)が短時間で安定して濡れ拡がることができ、凹凸がなく、表面平滑性に優れた造形物層(5A)を形成することができる。
その結果、第3ステップ(c)である第2の薄層の形成工程でも、平面性に優れた造形物層(5A)上に、金属粉末(1)により第2の薄層(8A)を形成した場合でも、下層である造形物層(5A)の優れた平面性が反映されるため、最終的に立体積層造形物を高速かつ高精度で形成することができる。
(立体積層造形物の製造条件)
〈形成する薄層の厚さ〉
図2Bに示す本発明の粉末焼結積層造形物の製造方法において、形成する薄層の厚さは、立体積層造形物を構成する造形物層の1層分の厚さと同じとする。薄層の厚さは、製造しようとする立体積層造形物の形状などに応じて任意に設定することができるが、通常、0.01~0.30mmの範囲内であることが好ましく、より精密な造形物を得るためには、0.05~0.10mmの範囲内であることが好ましい。薄層の厚さを0.01mm以上とすることで、次の薄層を形成するためのレーザー光照射によって下の薄層の金属粒子が再度、焼結又は溶融結合されることを防ぐことができる。薄層の厚さを0.3mm以下とすることで、レーザー光を対象とする薄層の下部まで伝導させて、薄層を構成する金属粉末に含まれる金属粒子を、厚さ方向の全体にわたって十分に焼結又は溶融結合させることができる。
上記観点からは、薄層の厚さは0.02~0.30mmの範囲内であることがより好ましく、0.03~0.20mmの範囲内であることが更に好ましく、0.05~0.10mmの範囲内であることが特に好ましい。また、薄層の厚さ方向の全体にわたってより十分に金属粒子を焼結又は溶融結合させ、積層間の割れをより生じにくくする観点からは、薄層の厚さは、後述するレーザーのビームスポット径との差が0.10mm以内になるよう設定することが好ましい。
〈レーザー光〉
レーザー光の波長は、金属粒子に主成分として含まれる金属材料が効率的にレーザー光を吸収することができる範囲内で設定すればよい。
本発明において、照射するレーザー光の下式(1)で表されるエネルギー密度Eが、45~150J/mmの範囲内であることが好ましい。
式(1)
エネルギー密度E(J/mm)={レーザー出力/(レーザー照射スピード×焦点スポット面積)}
また、レーザー光の出力時のパワーは、レーザー光の走査速度において、金属粉末を構成する金属粒子が十分に焼結又は溶融結合する範囲内で設定すればよい。具体的には、5.0~1000Wの範囲内であることが好ましい。金属粉末は、金属材料の種類によらず、低エネルギーのレーザー光でも金属粒子の焼結又は溶融結合が容易になり、立体積層造形物の製造が可能となる。レーザー光のエネルギーを低くして、製造コストを低くし、かつ、製造装置の構成を簡易なものにする観点からは、レーザー光の出力時のパワーは500W以下であることがより好ましく、300W以下であることが更に好ましい。
レーザー光の走査速度は、製造コストを高めることなく、かつ装置構成を過剰に複雑にしない範囲内で設定すればよい。具体的には、5~10000mm/秒の範囲内で設定することが好ましく、100~8000mm/秒の範囲内とすることがより好ましく、2000~7000mm/秒の範囲内とすることが更に好ましい。
レーザー光のビーム径は、製造しようとする立体積層造形物の形状などに応じて適宜設定することができる。
本発明の粉末焼結積層造形物の製造に適用可能なレーザー光としては、特に制限はなく、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、He-Cdレーザー、半導体励起固体レーザー、ファイバーレーザーなどが挙げられる。
これらのレーザーは一種を単独で用いることができ、又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
〈立体積層物の形成環境〉
図2Bで示した各ステップにおいて、焼結又は溶融結合中に金属粒子に主成分として含まれる金属材料が酸化又は窒化することによる、立体積層造形物の強度の低下を防ぐ観点からは、少なくとも第2ステップ(レーザー光照射・焼結工程)は減圧下又は不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。減圧するときの圧力は1×10-2Pa以下であることが好ましく、1×10-3Pa以下であることがより好ましい。本発明に適用可能な不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、希ガス等が挙げられる。これらの不活性ガスのうち、入手の容易さの観点からは、窒素(N)ガス、ヘリウム(He)ガス又はアルゴン(Ar)ガスが好ましい。製造工程を簡略化する観点からは、図2Bで示すすべてのステップを減圧下又は不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。また、特別なケースにおいては、大気中でレーザー光の照射を行うこともできる。
照射する際の温度は、特に限定されず、冷却下、室温又は加熱下で行うことができる。金属粉末焼結材料の薄層の形成及びレーザー光照射による焼結は、必要な回数順次繰り返した後、未焼結の微小球体を分離することにより、所望の造形物を得ることができる。
〔立体積層造形物の製造方法〕
次いで、本発明の粉末焼結積層造形物の製造方法を適用した立体積層造形物の製造フローについて、図を交えて説明する。
図3は、本発明に適用可能な立体積層造形物の形成装置の一例の全体構成を示す概略図である。
図3で示すように、立体積層造形物の形成装置(400)は、開口内に位置する造形ステージ(6)、フラックスが被覆されている金属粒子を含む金属粉末(1)の薄層(5)を造形ステージ(6)に形成する薄層形成部(420)、前記造形ステージ(6)上に形成される薄層(5)の表面又は装置内を加熱又は冷却する温度調整部(430)、薄層(5)にレーザー光(L)を照射して、前記金属粒子が溶融結合してなる造形物層(5A)を形成するレーザー光照射部(440)、鉛直方向の位置を可変に造形ステージ(6)を支持するステージ支持部(450)、及び上記各部を支持する支持基盤(490)を備えている。
ステージ支持部(450)は、造形ステージ(6)を、その鉛直方向の位置を可変に支持する。すなわち、造形ステージ(6)は、ステージ支持部(450)によって鉛直方向に精密に移動可能に構成されている。ステージ支持部(450)としては、種々の構成を採用できるが、例えば、造形ステージ(6)を保持する保持部材と、この保持部材(6)を鉛直方向に案内するガイド部材と、ガイド部材に設けられたねじ孔に係合するボールねじ等で構成することができる。
造形ステージ(6)には、薄層形成部(420)による薄層(5)の形成、温度調整部(430)による温度の調整及びレーザー光照射部(440)によるレーザー光(L)の照射によって造形物層(5A)が形成され、この造形物層(5A)が積層されることにより、立体積層造形物(3DM)が造形される。
薄層形成部(420)は、例えば、造形ステージ(6)が昇降する開口の縁部と、水平方向にほぼ同一平面上にその縁部がある開口、開口から鉛直方向下方に延在する金属粉末供給部(421)、及び金属粉末供給部(421)の底部に設けられ開口内を昇降する供給ピストンを備える昇降用リフト(451)、及び供給された金属粉末(1)を造形ステージ(6)上に平らに敷き詰めて、金属材料の薄層(5)を形成する粉末リコーター(7)を備えた構成とすることができる。
なお、金属粉末供給部(421)は、造形ステージ(6)に対して鉛直方向上方に設けられた金属粉末収納部、及びノズルを備えて、前記造形ステージと水平方向に同一の平面上に、金属粉末を吐出する構成としてもよい。
温度調整部(430)は、薄層(5)の表面のうち造形物層(5A)を形成すべき領域を加熱するか、形成された造形物層(5A)の表面を冷却し、その温度を維持できるものであればよい。たとえば、温度調整部(430)は、造形ステージ(6)上に形成された薄層(5)の表面を加熱又は冷却可能な第1の温度調整装置(431)を備えた構成としてもよいし、造形ステージ(6)上に供給される前の金属粉末(1)を加熱する第2の温度調整装置(432)をさらに備えた構成としてもよい。また、温度調整部(430)は、上記造形物層(5A)を形成すべき領域を選択的に加熱する構成であってもよいし、装置内の全体を予め加熱しておいて、上記形成された薄層(5)の表面を所定の温度に調温する構成であってもよい。
温度測定器(不図示)は、上記造形物層(5A)を形成すべき領域の表面温度を非接触で測定できるものであればよく、例えば、赤外線センサーや光高温計等を適用することができる。
レーザー光照射部(440)は、主にレーザー光源(441)及びガルバノミラー(442)を具備している。レーザー光照射部(440)には、更に、レーザー光(L)を透過させるレーザー光窓(443)及びレーザー光(L)の焦点距離を薄層(5)の表面にあわせるためのレンズ(不図示)を備えていてもよい。 レーザー光源(441)は、所望の波長のレーザー光(L)を、例えば、エネルギー密度Eとして45~150J/mmの範囲内で出射する光源であればよい。レーザー光源(441)の例には、前述のとおり、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、He-Cdレーザー、半導体励起固体レーザー、ファイバーレーザー等を挙げることができる。
ガルバノミラー(442)は、レーザー光源(441)から出射したレーザー光(L)を反射して、レーザー光(L)をX方向に走査するXミラー及びY方向に走査するYミラーから構成されてもよい。レーザー光窓(443)は、レーザー光(L)を透過させる材料からなるものであればよい。
〔立体積層造形物の形成フロー〕
次いで、上記説明した立体積層造形物の形成装置を用い、立体積層造形物を形成するフローについて説明する。
図4は、本発明に適用可能な立体積層造形物の形成装置における制御方法の一例を示すブロック図
図4で示すように、立体積層造形物の形成装置(400)の制御系は、主に金属粉末供給部(421)、粉末リコーター(7)、薄層形成部(420)より構成されている立体積層造形物の形成部(401)、温度調整部(430)、レーザー光照射部(440)、及びステージ支持部(450)の下降速度を制御して、造形物層(5A)を繰り返し形成して立体積層造形物(3DM)の形成を制御するための制御部(460)、各種情報を表示するための表示部(470)、ユーザーからの指示を受け付けるためのポインティングデバイス等を含む操作部(475)、制御部(460)で実行する制御プログラムを含む各種の情報を記憶する記憶部(480)、並びに外部機器との間で立体積層造形物(3DM)の造形データ等の各種情報を送受信するためのインターフェース等を含むデータ入力部(485)を備えてもよい。また、立体積層造形物の形成装置(400)は、造形ステージ(6)上に形成された薄層(5)の表面のうち、造形物層(5A)を形成すべき領域の温度を測定する温度測定器(不図示)を備えてもよい。立体積層造形物の形成装置(400)には、立体造形用のデータを作成するためのコンピューター装置(500)が接続されてもよい。
制御部(460)は、中央処理装置等のハードウェアプロセッサを含んでおり、立体積層造形物(3DM)の造形動作中、立体造形装置(400)全体の動作を制御する。
また、制御部(460)は、例えば、データ入力部(485)がコンピューター装置(500)から取得した立体造形データを、造形物層(5A)の積層方向について薄く切った複数のスライスデータに変換するよう構成されてもよい。スライスデータは、立体積層造形物(3DM)を造形するための各造形物層(5A)の造形データである。スライスデータの厚さ、すなわち造形物層(5A)の厚さは、造形物層(5A)の一層分の厚さに応じた距離(積層ピッチ)と一致する。
表示部(470)は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等で構成することができる。
操作部(475)は、例えば、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスを含むものとすることができ、テンキー、実行キー、スタートキー等の各種操作キーを備えてもよい。
記憶部(480)は、例えば、ROM、RAM、磁気ディスク、HDD、SSD等の各種の記憶媒体を含むものとすることができる。
立体積層造形物の形成装置(400)は、制御部(460)の制御を受けて、装置内を減圧する、減圧ポンプなどの減圧部(不図示)、又は、制御部(460)の制御を受けて、不活性ガスを装置内に供給する、不活性ガス供給部(不図示)を備えていてもよい。
次いで、立体積層造形物の形成装置(400)を用いた立体積層造形物(3DM)の具体的な形成方法について説明する。
制御部(460)は、データ入力部(485)がコンピューター装置(500)から取得した立体造形データを、造形物層(5A)の積層方向について薄く切った複数のスライスデータに変換する。その後、制御部(460)は、立体積層造形物の形成装置(400)における以下の動作の制御を行う。
金属粉末供給部(421)は、制御部(460)から出力された供給情報に従って、モーター及び駆動機構(いずれも不図示)を駆動し、昇降用リフト(451)を鉛直方向上方(図中矢印方向)に移動させ、前記造形ステージ(6)と水平方向同一平面上に、金属粉末(1)を押し出す。
その後、粉末リコーター(7)の駆動部は、制御部(460)から出力された薄層形成情報に従って、水平方向(図中矢印方向)に粉末リコーター(7)を、ポジション1(P1)から図面の右側のポジション2(P2)まで移動して、金属粉末(1)を、薄膜形成部(420)に運搬し、かつ、薄層(5)の厚さが造形物層(5A)の1層分の厚さとなるように金属粉末(1)を敷き詰める。
温度調整部(430)は、制御部(460)から出力された温度情報に従って形成された薄層(5)の表面又は装置内の全体を加熱する。上記温度情報は、たとえば、データ入力部(485)から入力された金属粒子を構成する材料が溶融する温度(Tmc)のデータに基づいて制御部(460)が記憶部(480)から引き出した、上記温度との差が5~50℃の範囲内となる温度に薄層(5)の表面を加熱するための情報とすることができる。温度調整部(430)は、薄層(5)が形成された後に加熱を開始してもよいし、薄層(5)が形成される前から、形成されるべき薄層(5)の表面に該当する箇所又は装置内の加熱を行っていてもよい。
その後、レーザー光照射部(440)は、制御部(460)から出力されたレーザー光照射情報に従って、薄層(5)上の、各スライスデータにおける立体積層造形物(3DM)を構成する領域に適合して、レーザー光源(441)からレーザー光(L)を出射し、ガルバノミラー駆動部(442)によりガルバノミラーを駆動してレーザー光(L)を走査する。レーザー光(L)の照射によって金属粉末に含まれる金属粒子が溶融結合し、造形物層(5A)が形成される。この時、金属粉末に、造形対象物の断面形状に対応する形状パターンでレーザー光を照射する断面形状形成工程として、フラックスにより金属粉末表面の還元反応を促進する第1のレーザー光照射と、金属粉末を結合させる第2のレーザー光照射を行う方法がより好ましい。
上記方法でレーザー照射を行う場合、第1のレーザー光照射工程におけるレーザー光の照射条件としては、出力として50~100Wの範囲内であることが好ましく、第2のレーザー光照射工程におけるレーザー光の照射条件としては、100~400Wの範囲内であることが好ましい。
その後、ステージ支持部(450)は、制御部(460)から出力された位置制御情報に従って、モーター及び駆動機構(いずれも不図示)を駆動し、造形ステージ(6)を、積層ピッチだけ鉛直方向下方(図中矢印方向)に移動する。
表示部(470)は、必要に応じて、制御部(460)の制御を受けて、ユーザーに認識させるべき各種の情報やメッセージを表示する。操作部(475)は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、その入力操作に応じた操作信号を制御部(460)に出力する。例えば、形成される仮想の立体造形物を表示部(470)に表示して、所望の形状が形成されるか否かを確認し、所望の形状が形成されない場合は、操作部(475)から修正を加えてもよい。
制御部(460)は、必要に応じて、記憶部(480)へのデータの格納又は記憶部(480)からのデータの引き出しを行う。
また、制御部(460)は、薄層(5)の表面のうち、造形物層(5A)を形成すべき領域の温度の情報を温度測定器から受け取り、前記造形物層を形成すべき領域の温度が、前記コ金属粒子の構成材料が溶融する温度(Tmc)よりも5~50℃の範囲内、好ましくは5~25℃の範囲内になるように、温度調整部(430)による加熱を制御してもよい。
これらの動作を繰り返すことで、造形物層(5A)が積層され、立体積層造形物(3DM)が製造される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《金属粉末の作製》
以下の方法に従って、金属粉末1~30を作製した。
〔金属粉末1の作製〕
転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP-01)を用い、金属粒子として100質量部の銅粒子(ヒカリ素材工業株式会社製、商品名 銅粉末、個数平均粒子径:40μm、CV値:10%、円形度:0.93)に、フラックスとして0.24質量部のホウ砂(Na)に水を加えたコーティング液を噴霧した後、風量:45m/hr、設定温度:60℃下で流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、で冷却して、フラックスの被覆層の平均厚さが15nmである金属粉末1を作製した。
〔金属粉末2~8の作製〕
上記金属粉末1の作製において、銅粒子(ヒカリ素材工業株式会社製、商品名 銅粉末、個数平均粒子径:40μm、CV値:10%、円形度:0.93)を、それぞれ表Iに記載の各金属粒子に変更した以外は同様にして、金属粉末2~8を作製した。
なお、使用した各金属粒子は、ヒカリ素材工業(株)、安達新産業(株)、関東化学(株)、コアフロント(株)の各社より販売されている金属粒子を適宜選択し、かつ複数種のメンブレンフィルターによる分級操作を行って、表Iに記載の個数平均粒子径、CV値となるように調整した。
〔金属粉末9~17の作製〕
上記金属粉末1の作製において、銅粒子(ヒカリ素材工業株式会社製、商品名 銅粉末、個数平均粒子径:40μm、CV値:10%、円形度:0.93)を、それぞれ表Iに記載の個数平均粒子径、CV値及び円形度を有する銅粒子に変更した以外は同様にして、金属粉末9~17を作製した。
各銅粒子は、ヒカリ素材工業(株)、関東化学(株)、コアフロント(株)の各社より販売されている銅粒子より選択した。
〔金属粉末18の作製〕
上記金属粉末1の作製において、フラックスとして、ホウ砂(Na)に代えて、同量のロジン(重合ロジン、荒川化学社製 商品名:アラダイムR-140、軟化点:140℃)を用いた以外は同様にして、金属粉末18を作製した。
〔金属粉末19~21の作製〕
上記金属粉末1の作製において、フラックスとして、ホウ砂(Na)を、それぞれホウ酸、フッ化カリウム(KF)、塩化亜鉛(ZnCl)に変更した以外は同様にして、金属粉末19~21を作製した。
〔金属粉末22の作製〕
上記金属粉末1の作製において、フラックスの添加は行わず、銅粒子(ヒカリ素材工業株式会社製、商品名 銅粉末、個数平均粒子径:40μm、CV値:10%、円形度:0.93)単独で使用した以外は同様にして、金属粉末22を作製した。
〔金属粉末23~26の作製〕
上記金属粉末1の作製において、金属粒子である銅粒子(ヒカリ素材工業株式会社製、商品名 銅粉末、個数平均粒子径:40μm、CV値:10%、円形度:0.93)に対する、フラックスであるホウ砂の混合比率を適宜変更して、フラックスの被覆層の平均厚さを、それぞれ2nm、5nm、30nm、45nmに変更した以外は同様にして、金属粉末23~26を作製した。
〔各特性値の測定〕
上記金属粉末1~26を構成している金属粒子及びフラックス被覆層の特性値を、下記の方法に従って測定し、得られた結果を表1に示す。
(金属粒子)
〈個数平均粒子径〉
上記金属粉末の作製に用いた金属粒子の個数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、金属粒子の投影画像を撮影し、任意に50個選択した金属粒子の粒子径の平均値として求めた。なお、それぞれの金属粒子の粒子径は、各粒子の投影面積を円換算した時の直径で表し、50個の各金属粒子について測定した粒子径の相加平均値を求め、これを金属粒子(2)の個数平均粒子径とした。
〈CV値:変動係数〉
各金属粒子のCV値は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、Partica LA-960)を用いて測定して求めた。
〈平均円形度〉
上記金属粉末の作製に用いた金属粒子の円形度は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、金属粒子の投影画像を撮影し、下式に従って、二次元に投影した金属粒子の粒子面積と等しい面積の円の周囲長を、撮像した金属粒子の周囲長で除した数値で表し、50個の金属粒子について上記方法に従って円形度を測定した。次いで、得られた測定値の相加平均値で求め、これを平均円形度とした。
円形度=(金属粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(金属粒子の周囲長)
(フラックスの平均厚さの測定)
上記作製した金属粉末の中心部を、集束イオンビーム加工装置(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、SMI2050)を用いて切断して、粒子薄片を作製した。透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JEM-2010F)を用いて倍率10000倍で撮像した上記粒子の中心線断面画像について、被覆しているフラックスの厚さを10か所で測定し、その平均値1を求めた。次いで、この測定を50個の金属粉末について行い、得られた平均値1の全平均を求め、これをフラックスの平均厚さとして求めた。
《積層造形物の作製》
〔積層造形物1の作製〕
下記の方法に従って、図2の(b)で示したフローに従って、図3に記載の立体積層造形物の形成装置を用いて、アルゴンガス雰囲気下で10mm×10mm×10mmの立方体の積層造形物1を作製した。
図3に示すように、金属粉末供給部(421)に上記作製した金属粉末1(1)を充填し、昇降用リフト(451)を上昇させ、当該金属粉末(1)を上方に押し出した。次いで、粉末リコーター(7)を用いて、厚さ規制を行いながら、薄層形成部(420)で、造形ステージ(6)上に、厚さ0.2mmとなる条件で金属粉末を水平に敷き詰め、薄層(5)を形成した。
レーザー光照射部(440)は、レーザー光源(441)としてファイバーレーザー(波長:1.07μm、100%出力時:300W、エネルギー密度:120J/mm))と、3Dガルバノスキャンヘッド(ARGES社製)、単焦点レンズ(f100)により構成し、金属粉末の薄層(5)表面での焦点スポットが30μmとなる条件で、走査速度を2000mm/sec、走査ピッチを40μmとし、レーザー光照射を2段階に分けて、10mm×10mmの面積に照射して焼結処理を行い、構造物層(5A)を形成した。第1の照射工程は、レーザー光源の出力を100Wで行い、次いで、第2の照射工程として、出力条件を300Wに変更して行った。
次いで、形成した第1の構造物層(5A)上に、上記と同様の方法で、厚さ0.2mmの第2の薄層を積層及びレーザー照射による焼結処理を計50回繰り返して行い、厚さ10mmの積層造形物1を作製した。
〔積層造形物2~26の作製〕
上記積層造形物1の作製において、金属粉末1に代えて、それぞれ金属粉末2~26を用いた以外は同様にして、積層造形物2~26を作製した。
〔積層造形物27の作製〕
上記積層造形物1の作製において、金属粉末1により形成した薄層へのレーザー光照射を、第2ステップ(出力:300W)の1回照射に変更した以外は同様にして、積層造形物27を作製した。
〔積層造形物28~30の作製〕
上記積層造形物1の作製において、金属粉末1により形成した薄層へのレーザー光照射として、使用するレーザー光のエネルギー密度を、それぞれ30J/mm、45J/mm、150J/mmに変更した以外は同様にして、積層造形物28~30を作製した。
《積層造形物の評価》
〔表面粗さの評価〕
上記作製した各積層造形物の最表面を、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ VHX-5000を用いて三次元での形状表示を行い、その表示画像における凹凸状態を観察し、下記の基準に従って、積層造形物の表面粗さを評価した。
◎:積層造形物の最表面は、金属粒子の粒子径起因の凹凸のみで、極めて平滑である
○:積層造形物の最表面は、ほぼ金属粒子の粒子径起因の凹凸のみで、平滑である
△:わずかに、焼結時の金属粒子の凝集に起因する凹凸は認められるが、実用上は許容される品質である
×:明らかに焼結時の金属粒子の凝集による凹凸が発生しており、実用上問題となる品質である
××:焼結時に、金属粒子の凝集による強い凹凸が発生しており、実用に耐えない品質である
〔造形速度の評価〕
上記積層造形物の作製において、レーザー光照射時の走査速度を、500mm/sec、1000mm/sec、2000mm/sec(上記実施条件)、3000mm/sec、4000mm/secに変更して、各評価用サンプルを作製した。
上記作製した各評価用サンプルの表面を、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ VHX-5000を用いて観察し、それぞれの積層造形物の作製に用いた金属粒子の大きさより大きい欠損(レーザー光による焼結が不十分で、構造物が形成されず、空隙となった部分)の発生の有無を確認し、欠損の発生が生じないレーザー光の走査速度を求め、下記の基準に従って、造形速度を判定した。
◎:欠損が生じない最も速い走査速度が、4000mm/secである
○:欠損が生じない最も速い走査速度が、3000mm/secである
△:欠損が生じない最も速い走査速度が、2000mm/secである
×:欠損が生じない最も速い走査速度が、1000mm/secである
××:欠損が生じない最も速い走査速度が500mm/secである、又は500mm/secでも欠損が生じている
〔形成精度の評価〕
上記作製した10mm×10mm×10mmの各積層造形物の最表面部において、縦方向で10か所、横方向で10か所の寸法を、デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製、スーパキャリパCD67-S PS/PM、「スーパキャリパ」は同社の登録商標)で測定した。次いで、測定した20か所の寸法の平均値を求め、積層造形物の設計値である「10.0mm」に対する寸法差の絶対値を求め、下記の基準に従って形成精度の評価を行った。
◎:設計値との差(絶対値)は、0.2mm未満である
○:設計値との差(絶対値)は、0.2mm以上、0.5mm未満である
△:設計値との差(絶対値)は、0.5mm以上、1.0mm未満である
×:設計値との差(絶対値)は、1.0mm以上、1.5mm未満である
××:設計値との差(絶対値)は、1.5mm以上である
以上により得られた各評価結果を、表Iに示す。
Figure 0007001061000001
表Iに記載の結果より明らかなように、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内である金属粒子の表面に、平均厚さが5~30nmの範囲内のフラックスが被覆されている本発明の金属粉末を用いて形成した立体積層造形物は、比較例に対し、優れた表面粗さと形成精度を有し、かつ造形速度が速いことがわかる。
更には、金属紛末を構成する金属粒子として、平均円形度が、0.90~0.98の範囲内である金属粒子を適用すること、粒度分布における変動係数(CV値)が15%以下の金属粒子を適用すること、金属粒子として、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる少なくとも一種の金属材料を適用すること、あるいはフラックスとして、ホウ酸、ホウ砂、ロジン、フッ化物及び塩化物から選ばれる少なくとも一種を適用すること、あるいは、粉末焼結積層造形物の製造方法として、適用するレーザー光として、エネルギー密度Eが45~150J/mmの範囲内であるレーザー光を使用すること、金属粉末により形成している薄層にレーザー光を照射する際に、フラックスにより金属粉末表面の還元反応を促進する第1のレーザー光照射工程と、金属粉末を結合させる第2のレーザー光照射工程に分割して照射する方法とすることが、本発明の目的効果をより発揮させることができる点で好ましいことがわかる。
本発明の金属粉末は、積層体の形成の高速化を達成するとともに、形状精度及び平面性に優れた立体積層造形物を形成することができ、多種多様な最終製品や試作品を大量に製造する分野において、立体積層造形物をより短時間で製造することができる。
1、1B 金属粉末
1A、1C 焼結金属粉末
2 金属粒子
3 フラックス
4 金属酸化被膜
5、5B 薄層(第1の薄層)
5A、5C 造形物層
6 造形ステージ
7 粉末リコーター
8A、8B 第2の薄層
400 立体積層造形物の形成装置
401 立体積層造形物の形成部
420 薄層形成部
421 金属粉末供給部
430 温度調整部
431 第1の温度調整装置
432 第2の温度調整装置
440 レーザー照射部
441 レーザー光源
442 ガルバノミラー駆動部
443 レーザー光窓
450 ステージ支持部
451 昇降用リフト
460 制御部
470 表示部
475 操作部
480 記憶部
485 データ入力部
490 支持基盤
500 コンピューター装置
3DM 立体積層造形物
d 金属粒子の粒子径
h フラックスの厚さ
L レーザー光
P1 ポジション1
P2 ポジション2

Claims (2)

  1. 金属粉末を用いて立体積層造形物を製造する粉末焼結積層造形物の製造方法であって、
    少なくとも、前記金属粉末を薄層に展開する薄層形成工程と、
    前記薄層を構成する金属粉末に、造形対象物の断面形状に対応する形状パターンでレーザー光を照射して、前記金属粉末を結合させる断面形状形成工程を有し、
    前記金属粉末が、個数平均粒子径が5~100μmの範囲内である金属粒子の表面に、平均厚さが5~30nmの範囲内のフラックスが被覆されており、
    前記金属粒子が、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる金属材料を含有し、
    前記フラックスが、ホウ砂、ホウ酸、ロジン、フッ化カリウム及び塩化亜鉛から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記断面形状形成工程が、フラックスにより金属粉末表面の還元反応を促進する第1のレーザー光照射工程と、前記金属粉末を結合させる第2のレーザー光照射工程より構成されており、
    前記薄層形成工程と前記断面形状形成工程とを順次繰り返すことにより、立体積層造形物を製造することを特徴とする粉末焼結積層造形物の製造方法。
  2. 前記断面形状形成工程において、照射する前記レーザー光の下式(1)で表されるエネルギー密度Eが、45~150J/mmの範囲内であることを特徴とする請求項に記載の粉末焼結積層造形物の製造方法。
    式(1)
    エネルギー密度E(J/mm)={レーザー出力/(レーザー照射スピード×焦点スポット面積)}
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