JP7000366B2 - 樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法に関する。
自動車分野、電子機器分野、及び家電分野等の各種成形体を構成する材料として、取り扱い容易な樹脂組成物が用いられている。また、コスト、成形性、及び機械物性等の観点から、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が樹脂組成物の基材(ベース樹脂)として用いられている。
近年、上記の機械物性等以外の特性として、デザイナーや需要者のニーズに応えるための意匠性が付与された各種の成形体を製造しうる樹脂組成物が必要とされている。なかでも、青味で黒色度の高い、いわゆる漆黒性の色調が高いニーズを占めている。成形体表面に漆黒性を付与する方法として、例えば、成形体表面に塗料を塗布する方法(塗装方法)がある。しかし、コスト及び環境に対する影響等の配慮から、塗装方法によらず、黒色を呈する着色成分の練り込みによって成形体を着色することが要求されている。樹脂を黒色に着色する際には、カーボンブラックやペリレンブラック等の黒色顔料の他、アゾ系化合物やアジン系化合物等の黒色染料を用いることがある。しかし、黒色染料は、樹脂の種類によってはブリードすることがあるため、ブリードの恐れのないカーボンブラックを用いることが一般的である。
カーボンブラックは、通常、粒径が小さいほど黒色度が高いが赤味が強く、粒径が大きいほど青味を帯びている。すなわち、粒径を基準とした場合、カーボンブラックの青味と黒色度はトレードオフの関係にある。このため、カーボンブラックを用いて、青味で黒色度の高い、いわゆる漆黒性の色調を有する樹脂成形体、及びその成形原料となる樹脂組成物を製造することは一般的に困難であった。なお、フタロシアニンブルーや群青等の微量の青色顔料をカーボンブラックと併用して青味を付与する手法もある。しかし、青色顔料を併用すると、黒色度が低下しやすくなるとともに、直射日光下で赤味が浮いて観察される、いわゆるブロンズ現象が発生しやすくなる等の新たな課題が生ずる。
漆黒性の高い樹脂組成物やその成形体を提供すべく、例えば、ポリエステルと、一次粒子径の異なる複数種のカーボンブラックとを含有する原着繊維用の樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。また、ポリオレフィン等の樹脂と、カーボンナノチューブとを含有する樹脂組成物が提案されている(特許文献2及び3)。
特開2003-277518号公報 特開2013-209494号公報 特開2011-201961号公報
しかし、特許文献1で提案された樹脂組成物はΔL値やΔb値の変化量が小さく、さほど漆黒性が向上したものであるとは言えなかった。また、特許文献2及び3で提案された樹脂組成物は、高価なカーボンナノチューブを着色剤として用いたものであることから、コスト面等でさらなる改良の余地がある。さらに、カーボンナノチューブを樹脂中に分散させることは困難であるといった課題があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、青味で黒色度の高い、いわゆる漆黒性に優れた樹脂成形体を製造するための原料として有用な樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記の樹脂組成物を用いて製造される漆黒性に優れた樹脂成形体を提供することにある。さらに、本発明の課題とするところは、カーボンブラックを着色剤としながらも漆黒性が向上した樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、以下に示す樹脂組成物が提供される。
[1]漆黒性の樹脂成形体を製造するための原料として用いられる漆黒性の樹脂組成物であって、透明又は半透明の熱可塑性樹脂、カーボンブラック、及び粉末状又は粒子状の光拡散剤、並びに前記カーボンブラック及び前記光拡散剤を前記熱可塑性樹脂中に分散させるための分散剤を含有し、前記熱可塑性樹脂の屈折率nと前記光拡散剤の屈折率nの差の絶対値(|n-n|)が、0を超えて0.12未満であり、前記光拡散剤の平均粒子径が、0.02μm以上0.15μm未満であり、下記式(1)及び(2)の関係を満たす樹脂組成物。
ΔL ≦-0.3 ・・・(1)
Δb ≦-0.15 ・・・(2)
ΔL :樹脂組成物のL 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のL 値を減じた値
Δb :樹脂組成物のb 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のb 値を減じた値
]樹脂成形体を成形する成形材料として用いられる前記[1]に記載の樹脂組成物。
]前記カーボンブラックの含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.025~3質量部であり、前記光拡散剤の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.025~12質量部である前記[]に記載の樹脂組成物。
]ベース樹脂を着色するマスターバッチとして用いられる前記[1]に記載の樹脂組成物。
]前記カーボンブラックの含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~80質量部であり、前記光拡散剤の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~80質量部である前記[]に記載の樹脂組成物。
また、本発明によれば、以下に示す樹脂成形体が提供される。
]前記[1]~[]のいずれかに記載の樹脂組成物の成形物である樹脂成形体。
さらに、本発明によれば、以下に示す樹脂組成物の製造方法が提供される。
]透明又は半透明の熱可塑性樹脂、カーボンブラック、及び粉末状又は粒子状の光拡散剤、並びに前記カーボンブラック及び前記光拡散剤を前記熱可塑性樹脂中に分散させるための分散剤を含む原材料を混合して、下記式(1)及び(2)の関係を満たす樹脂組成物を得る工程を有し、前記熱可塑性樹脂の屈折率nと前記光拡散剤の屈折率nの差の絶対値(|n-n|)が、0を超えて0.12未満であり、前記光拡散剤の平均粒子径が、0.02μm以上0.15μm未満である、漆黒性の樹脂成形体を製造するための原料として用いられる漆黒性が向上した樹脂組成物の製造方法。
ΔL ≦-0.3 ・・・(1)
Δb ≦-0.15 ・・・(2)
ΔL :樹脂組成物のL 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のL 値を減じた値
Δb :樹脂組成物のb 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のb 値を減じた値
本発明によれば、青味で黒色度の高い、いわゆる漆黒性に優れた樹脂成形体を製造するための原料として有用な樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記の樹脂組成物を用いて製造される漆黒性に優れた樹脂成形体を提供することができる。さらに、本発明によれば、カーボンブラックを着色剤としながらも漆黒性が向上した樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
<樹脂組成物>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の一実施形態である樹脂組成物は、透明又は半透明の熱可塑性樹脂、カーボンブラック、及び光拡散剤を含有する。そして、熱可塑性樹脂の屈折率nと光拡散剤の屈折率nの差の絶対値(|n-n|)は、0を超えて0.12未満である。また、光拡散剤の平均粒子径は、0.3μm未満である。
一般的な光拡散剤は、LED光源から照射される光等の指向性の強い光を拡散させるべく、照明器具用のカバー材等を構成する樹脂材料に配合される粉末状又は粒子状の成分である。すなわち、光拡散剤は光を透過・拡散させる部材用の樹脂材料に配合される成分であるため、光を吸収するカーボンブラック等の黒色の着色剤との併用は一般的には想定されていない。本発明者らは、透明又は半透明の熱可塑性樹脂に、その屈折率(n)が熱可塑性樹脂の屈折率(n)と異なる光拡散剤をカーボンブラックとともに配合することについて検討した。その結果、驚くべきことに、得られた樹脂組成物の漆黒性が、光拡散剤を配合せずにカーボンブラックのみを配合したものに比して顕著に向上することを見出した。好ましくは、本実施形態の樹脂組成物は下記式(1)及び(2)の関係を満たすものである。なお、本明細書におけるL値、a値、及びb値は、CIE LAB(L)表色系におけるL値、a値、及びb値を意味する。
ΔL≦-0.3 ・・・(1)
Δb≦-0.15 ・・・(2)
ΔL:樹脂組成物のL値から、光拡散剤を含有しないこと以外は樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のL値を減じた値
Δb:樹脂組成物のb値から、光拡散剤を含有しないこと以外は樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のb値を減じた値
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは、CIE LAB(L)表色系における、L値が12.50以下であり、かつ、b値が0.70以下である。なお、より好ましくは、L値12.00以下であり、b値は0.50以下である。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、透明又は半透明の熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂の種類は特に限定されず、透明又は半透明であればよい。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、ABS等のポリスチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;等を挙げることができる。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックの種類は特に限定されない。カーボンブラックの具体例としては、ガスブラック、ファーネスブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。
カーボンブラックは、粒径の小さいものを用いることが、より黒色度の高い樹脂組成物を得ることができるために好ましい。カーボンブラックの平均粒子径は、10~70nmであることが好ましい。なお、本明細書における「平均粒子径」は、動的光散乱法により測定される、体積基準の粒度分布における累積50%となる粒子径(D50)を意味する。
樹脂組成物は、それ自体を成形して樹脂成形体とするもの、すなわち、樹脂成形体を成形する成形材料として用いることができる。樹脂組成物を成形材料として用いる場合、樹脂組成物中のカーボンブラックの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.025~3質量部であることが好ましく、0.1~2質量部であることがさらに好ましい。カーボンブラックの含有量を上記の範囲とすることで、黒色度がより高く、さらに漆黒性を向上させることができる。なお、カーボンブラックの含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.025質量部未満であると、薄肉部を有する成形体を製造した場合に着色効果がやや不足することがある。一方、カーボンブラックの含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して3質量部超としても、黒色度をさらに向上させることは困難になる傾向にある。
また、樹脂組成物は、カーボンブラック及び光拡散剤を高濃度に含有させることで、ベース樹脂を着色するための、いわゆるマスターバッチとして用いることができる。樹脂組成物をマスターバッチとして用いる場合、樹脂組成物中のカーボンブラックの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~80質量部であることが好ましく、1~40質量部であることがさらに好ましい。カーボンブラックの含有量を上記の範囲とすることで、黒色度がより高く、さらに漆黒性が向上した成形体を製造可能な樹脂組成物を提供しうるマスターバッチとすることができる。
(光拡散剤)
光拡散剤としては、樹脂材料等に配合される粉末状又は粒子状の一般的な光拡散剤を用いることができる。光拡散剤は、特定の屈折率を有するものであれば用いることができ、樹脂製の光拡散剤であってもよく、無機系の光拡散剤であってもよい。
熱可塑性樹脂の屈折率nと光拡散剤の屈折率nの差の絶対値(|n-n|)は、0を超えて0.12未満であり、好ましくは0.01~0.06、さらに好ましくは0.02~0.055である。|n-n|の値を上記の範囲内とすることで、青味で黒色度の高い、漆黒性に優れた樹脂組成物とすることができる。なお、本明細書における「屈折率」は、JIS K 7142:2014に準拠して測定される、25℃、ナトリウムD線(波長589nm)における屈折率を意味する。
光拡散剤の平均粒子径は0.3μm未満であり、好ましくは0.01~0.25μm、さらに好ましくは0.02~0.2μmである。その平均粒子径が0.3μm未満の光拡散剤を用いることで、青味で黒色度の高い、漆黒性に優れた樹脂組成物とすることができる。
樹脂組成物を成形材料として用いる場合、樹脂組成物中の光拡散剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.025~12質量部であることが好ましく、0.1~8質量部であることがさらに好ましい。光拡散剤の含有量を上記の範囲とすることで、黒色度がより高く、さらに漆黒性を向上させることができる。なお、光拡散剤の含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.025質量部未満であると、薄肉部を有する成形体を製造した場合に、漆黒性の向上効果がやや不足することがある。一方、光拡散剤の含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して12質量部超とすると、成形体がやや白ボケしやすくなる傾向にある。
樹脂組成物をマスターバッチとして用いる場合、樹脂組成物中の光拡散剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~80質量部であることが好ましく、1~40質量部であることがさらに好ましい。光拡散剤の含有量を上記の範囲とすることで、黒色度がより高く、さらに漆黒性が向上した成形体を製造可能な樹脂組成物を提供しうるマスターバッチとすることができる。
(分散剤)
樹脂組成物には、カーボンブラックや光拡散剤を熱可塑性樹脂中に分散させるための分散剤を含有させることができる。分散剤としては、樹脂材料中に粉末又は粒子を分散させることが可能な一般的な分散剤を用いることができる。分散剤としては、例えば、金属石鹸、ワックス系の分散剤等を挙げることができる。
(その他の成分)
樹脂組成物には、必要に応じて、上記の各成分以外の成分(その他の成分)をさらに含有させることができる。その他の成分としては、樹脂成形体を成形するための成形材料として用いられる通常の成分を挙げることができる。その他の成分としては、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止材、難燃剤、防黴剤、滑剤、発泡剤、核剤、架橋剤、耐衝撃強化剤等を挙げることができる。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の一実施形態である樹脂組成物の製造方法は、透明又は半透明の熱可塑性樹脂、カーボンブラック、及び光拡散剤を含む原材料を混合して樹脂組成物を得る工程を有する。そして、前述の通り、その屈折率(n)が熱可塑性樹脂の屈折率(n)と異なる光拡散剤をカーボンブラックとともに熱可塑性樹脂に配合することで、光拡散剤を配合せずにカーボンブラックのみを配合したものに比して、漆黒性が向上した樹脂組成物を得ることができる。
(i)熱可塑性樹脂の屈折率nと光拡散剤の屈折率nの差の絶対値(|n-n|)を、0を超えて0.12未満とすること;及び(ii)平均粒子径0.3μm未満の光拡散剤を用いること;以外は、いわゆる当業者に周知の方法によって各成分を混合する。これにより、漆黒性が向上した所望とする樹脂組成物を得ることができる。
<樹脂成形体>
本発明の一実施形態である樹脂成形体は、前述の樹脂組成物の成形物である。本実施形態の樹脂成形体は、いわゆる当業者に周知の方法によって前述の樹脂組成物を所望とする形状に成形することで製造することができる。漆黒性に優れた樹脂組成物を成形した成形
物であることから、本実施形態の樹脂成形体も漆黒性に優れている。好適には、本実施形態の樹脂成形体のCIE LAB(L)表色系における、L値は12.50以下であり、かつ、b値は0.70以下である。
また、樹脂組成物がカーボンブラックや光拡散剤を高濃度に含有する、いわゆるマスターバッチである場合には、カーボンブラック等が所望とする濃度となるような量の樹脂組成物(マスターバッチ)をベース樹脂に練り込んで成形材料を得る。そして、得られた成形材料を周知の方法によって所望とする形状に成形することで、漆黒性に優れた樹脂成形体とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<原料の準備>
(樹脂)
表1に示す種類の樹脂1及び2を用意した。
Figure 0007000366000001
(カーボンブラック)
表2に示す種類のカーボンブラック1~3を用意した。
Figure 0007000366000002
(光拡散剤)
表3に示す種類の光拡散剤1~18を用意した。
Figure 0007000366000003
(分散剤)
分散剤として金属石鹸(ジンクステアレート)を用意した。
<樹脂組成物の製造>
(実施例1)
樹脂1 100部、カーボンブラック1 0.1部、光拡散剤1 0.1部、及び分散剤0.2部をスーパーミキサーに入れて1分間混合して混合物を得た。30mm押出機を使用し、加工温度200℃の条件で得られた混合物を押出成形して、樹脂組成物の着色ペレットを得た。
(実施例2~11、15~17、比較例1~27、参考例12~14、18、19、A~G)
表4及び5に示す種類及び量の各原料を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、樹脂組成物の着色ペレットを得た。
Figure 0007000366000004
Figure 0007000366000005
<評価>
(成形体の製造)
50t射出成形機を使用し、加工温度200℃、金型温度25℃の条件で製造した各着色ペレットを射出成形して成形体を得た。
(漆黒性及び漆黒性向上効果の評価)
得られた各成形体を1日間放置した。その後、コンピューターカラーマッチングにより、標準光源:D-65、拡散照明:10°の条件で各成形体のL値、b値、及びa値を測定した。測定したL値、b値、及びa値(いずれも絶対値)を表6及び7に示す。また、実施例及び比較例の各成形体のL値、b値、及びa値と、光拡散剤を含有しないこと以外は同一の組成の樹脂組成物で形成した参考例の成形体のL値、b値、及びa値との差(ΔL値、Δb値、及びΔa値)を算出した。算出したΔL値、Δb値、及びΔa値を表6及び7に示す。さらに、算出したΔL値、Δb値、及びΔa値から、以下に示す評価基準にしたがって漆黒性向上効果を評価した。評価結果を表6及び7に示す。
[ΔL値]
◎:-1.0以下
○:-1.0を超えて、-0.3以下
△:-0.3を超えて、0.0未満
×:0.0以上
[Δb値]
◎:-0.3以下
○:-0.3を超えて、-0.15以下
△:-0.15を超えて0.0未満
×:0.0以上
Figure 0007000366000006
Figure 0007000366000007
本発明の樹脂組成物は、漆黒性に優れた樹脂成形体を製造するための原料として有用である。

Claims (7)

  1. 漆黒性の樹脂成形体を製造するための原料として用いられる漆黒性の樹脂組成物であって、
    透明又は半透明の熱可塑性樹脂、カーボンブラック、及び粉末状又は粒子状の光拡散剤、並びに前記カーボンブラック及び前記光拡散剤を前記熱可塑性樹脂中に分散させるための分散剤を含有し、
    前記熱可塑性樹脂の屈折率nと前記光拡散剤の屈折率nの差の絶対値(|n-n|)が、0を超えて0.12未満であり、
    前記光拡散剤の平均粒子径が、0.02μm以上0.15μm未満であり、
    下記式(1)及び(2)の関係を満たす樹脂組成物。
    ΔL ≦-0.3 ・・・(1)
    Δb ≦-0.15 ・・・(2)
    ΔL :樹脂組成物のL 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のL 値を減じた値
    Δb :樹脂組成物のb 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のb 値を減じた値
  2. 樹脂成形体を成形する成形材料として用いられる請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記カーボンブラックの含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.025~3質量部であり、
    前記光拡散剤の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.025~12質量部である請求項に記載の樹脂組成物。
  4. ベース樹脂を着色するマスターバッチとして用いられる請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記カーボンブラックの含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~80質量部であり、
    前記光拡散剤の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~80質量部である請求項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物の成形物である樹脂成形体。
  7. 透明又は半透明の熱可塑性樹脂、カーボンブラック、及び粉末状又は粒子状の光拡散剤、並びに前記カーボンブラック及び前記光拡散剤を前記熱可塑性樹脂中に分散させるための分散剤を含む原材料を混合して、下記式(1)及び(2)の関係を満たす樹脂組成物を得る工程を有し、
    前記熱可塑性樹脂の屈折率nと前記光拡散剤の屈折率nの差の絶対値(|n-n|)が、0を超えて0.12未満であり、
    前記光拡散剤の平均粒子径が、0.02μm以上0.15μm未満である、漆黒性の樹脂成形体を製造するための原料として用いられる漆黒性が向上した樹脂組成物の製造方法。
    ΔL ≦-0.3 ・・・(1)
    Δb ≦-0.15 ・・・(2)
    ΔL :樹脂組成物のL 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のL 値を減じた値
    Δb :樹脂組成物のb 値から、前記光拡散剤を含有しないこと以外は前記樹脂組成物と同一の組成である基準組成物のb 値を減じた値
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