JP7000036B2 - 振動子、振動子の製造方法、および電子機器 - Google Patents

振動子、振動子の製造方法、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、振動子、振動子の製造方法ならびに該振動子を用いた振動波駆動装置、振動波モータ、光学機器および電子機器に関する。
従来、圧電素子を用いる振動子の小型化、軽量化を目的としたさまざまな研究開発がなされている。特許文献1には、2つの異なる面外振動モードを組み合わせた合成振動によって駆動する小型の振動子を用いた振動型駆動装置(超音波モータ)が開示されている。振動子は、一般に、圧電素子と、弾性のある樹脂の層を介してその圧電素子と固着した振動板より構成される。
特開2004-297910号公報
しかし、振動子の小型化すなわち、圧電素子と振動板の小型化に伴い、圧電素子と振動板との接着領域の面積に比して、圧電素子の端部が占める割合は増えることになる。また、特許文献1に開示されているような2つの異なる面外振動モードを組み合わせた合成振動によって駆動する振動子は、駆動原理上、2つの面外振動モードの振動の腹線が圧電素子の端部に位置する。これらの理由により、該振動子を用いた振動波モータを連続的に駆動させると、該端部を起点とした剥離が生じる確率が高くなるという問題があった。また、近年、環境問題への対応が急務となっており、圧電素子を構成する圧電セラミックスとして広く使われていた鉛系のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)にかわる非鉛系の圧電セラミックスの利用が求められている。しかしながら鉛系と比べ剛性の温度変化が大きい傾向にある非鉛系の圧電セラミックスを用いると、振動板の剛性との差異が変動しやすくなり、前述した剥離現象が生じやすいという問題があった。
本発明は、上述の問題に対処するためになされたものであり、非鉛系の圧電セラミックスを搭載した振動子においても、その振動子を構成する圧電素子と振動板との間の剥離の発生を抑えた振動子を提供することを目的とする。
本発明の一態様としての振動子は、
圧電素子および、矩形の板部と前記板部の面外に同方向に突出する2つの突起部を備えた振動板を有する振動子と、
前記2つの突起部に接した移動体と、
を有し、前記振動子に生じる振動により、前記振動子と前記移動体とが前記2つの突起部を結ぶ移動方向に相対移動する振動波モータであって、
前記圧電素子は、鉛の含有量が1000ppm未満である直方体状であり長辺が前記移動方向に沿って前記振動板に配された圧電セラミックスと、電極を備え、
前記圧電素子における前記移動方向に交差している対向する一対の側面部と前記振動板の一部が樹脂で被覆されており、
前記板部の面外振幅を生じる、互いに交差しない2本の節線を生じる第1の振動モードの節線と、互いに交差しない3本の節線を生じる第2の振動モードの節線は、交差するよう構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、振動子を構成する圧電素子と振動板との間の剥離の発生を抑え、かつ環境問題にも対応した振動子およびその製造方法を提供できる。また、その振動子を用いた振動波駆動装置、振動波モータ、光学機器、電子機器を提供できる。
圧電素子の一実施態様を示した概略図である。 本発明の振動子の一実施態様を示した概略図である。 本発明の振動子の一実施態様を示した概略図である。 本発明の振動子の一実施形態を示した概略図である。 比較例の振動子の一実施形態を示した概略図である。 本発明の振動子の2つの面外振動モードの一実施形態を示した概略図である。 本発明の振動子の一実施形態を示した概略図である。 本発明の振動波駆動装置の一実施形態を示した概略図である。 本発明の振動波モータの一実施形態を示した概略図である。 本発明の光学機器の一実施形態を示した概略図である。
本発明の振動子は、圧電素子と振動板を有する振動子であって、
前記圧電素子は直方体状の非鉛系の圧電セラミックスと電極を備え、
前記圧電素子の側面の一部と前記振動板の一部が樹脂で被覆されていることを特徴とする。本発明により、振動子を構成する圧電素子と振動板との間の剥離の発生を抑え、かつ環境問題にも対応した振動子を提供することができる。
本発明の振動子は、圧電素子と該圧電素子に樹脂を介して固着した振動板よりなる。
圧電素子と振動板とが弾性を有する樹脂の層を介して固着され、一体化されることにより、本発明の振動子は面外方向に曲げ振動の進行波(以下、面外振動と呼ぶ)を発生することができるようになる。
図1は本発明の振動子を構成する圧電素子の一実施態様を示した概略図であり、圧電素子101は、一片の直方体状の非鉛系の圧電セラミックス1とその圧電セラミックス1に設けられた複数の電極(第一の電極2と第二の電極3)よりなる。
圧電セラミックス1は、原料粉末を焼成して得られる組成が略均一のバルク(焼結体)であり、分極処理を施すと、20℃において、圧電定数d31の絶対値が10pm/V以上または圧電定数d33が30pC/N以上を示すセラミックスである。
なお、一片とは、組成が略均一かつ繋ぎ目が無いことを指す。
また、直方体状とは直方体だけでなく、直方体の各辺が面取りされているような形状も含むことを意味する。
圧電セラミックスの圧電定数は、この圧電セラミックスの密度ならびに共振周波数および反共振周波数から、電子情報技術産業規格(JEITA EM-4501)に基づいて、計算により求めることができる。以下、この方法を共振-反共振法と呼ぶ。
圧電セラミックスの密度は、例えば、アルキメデス法により測定できる。共振周波数と反共振周波数はインピーダンスアナライザを用いて測定できる。また、共振-反共振法以外にも、ベルリンコート法を測定原理に用いた圧電定数測定装置により圧電セラミックスの圧電定数を測定することも可能である。
圧電セラミックスはペロブスカイト型金属酸化物を含有していることが好ましい。圧電セラミックスはペロブスカイト型金属酸化物を含有することにより、他の結晶構造を取る金属酸化物よりも高い圧電定数を有することが可能になるからである。
前記複数の電極(第一の電極2と第二の電極3)は、厚み5nmから10μm程度の導電性の材料よりなる。圧電セラミックスに電圧を印加するためである。その材料は特に限定されず、例えば、Ti、Pt、Au、Ni、Pd、Ag、Cuなどの金属およびこれらの化合物を用いることができる。低コストかつ十分な導電性を有するという観点においては、銀ペーストが好ましい。銀ペーストによる前記複数の電極は、圧電セラミックス上に所望のパターンで前記銀ペーストを塗布し、乾燥または焼き付けることで形成できる。ここで、第一の電極は例えばグラウンド用の共通電極として、第二の電極は例えば駆動電圧を印加するための電極として使用できる。
図2は、本発明の振動子の一実施態様を示した概略図である。このように、樹脂層4は、圧電素子101と振動板5との接着領域から延在して、圧電素子101の振動板5との固着面に対して略垂直な圧電素子101の側面のうち少なくとも一部を被覆している。このような構成を採ることで、圧電素子と振動板との間に剥離の発生を抑えることができる。
ここで接着領域とは、図2(b)に示すように圧電素子の振動板との固着面と振動板とが接触する接着領域41を指す。前記圧電素子が振動板より小さい時は、前記固着面の面積が接着領域の面積となる。また、振動板に貫通孔などの空孔が設けられている場合は、前記固着面の面積から空孔の面積を差し引いたものが接着領域の面積となる。
本発明の振動子は、前記振動板と前記圧電素子と対向する領域に樹脂が設けられており、前記領域の面積に対する前記領域に設けられた樹脂の面積の割合である面積被覆率が60%以上であることが好ましい。
前記面積被覆率を前記範囲にすることにより、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率をより小さくすることができる。ここで、前記面積被覆率は、例えば、超音波映像装置によって得られる写真画像より計測することが可能である。一方、前記面積被覆率が60%未満であると圧電素子と振動板との固着が不十分となり圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が高くなるおそれがある。
図3は、図2とは別角度から見た、本発明の振動子の一実施態様を示した概略図である。
図3(a)は振動子1011を圧電素子101の第二の電極3を有する面から見た図である。図3(a)に示すように、圧電素子101の側面のうち少なくとも一部を樹脂層4が被覆していれば、振動子1011は、圧電素子101と振動板5との間に剥離が生じる確率を小さくすることができる。ここで、前記固着面に対して略垂直な前記圧電素子の側面とは、前記固着面とその対向する面以外の4つの面を指す。つまりは、圧電素子の第一の電極2を有する面と第二の電極3を有する面以外の4つの面のことである。
図3(b)、(c)、(d)も振動子1011を圧電素子101の第二の電極3を有する面から見た図である。図3(b)、(c)に示すように、樹脂層4が圧電素子101の対向する一対の側面を被覆していることが好ましい。ここで、振動子1011は振動子1011を構成する圧電素子101の形状が一片の直方体状であることから、圧電素子101の長手方向および短手方向において、圧電素子101の伸縮に応じた対称性(線対称)のある振動が生じる。そのため、圧電素子101の対向する一対の側面を樹脂層4で被覆することによって、振動の対称性を失うことなく、かつ所望の振動以外の振動(いわゆる、不要振動)の影響を受けない効率のよい振動を生じさせることができる。その結果、圧電素子101と振動板5との間に剥離が生じる確率をより小さくすることができる。より好ましくは、図3(d)のように樹脂層4が全ての側面を被覆していることが好ましい。
また、図3(e)、(f)も振動子1011を圧電素子101の第二の電極3を有する面から見た図である。側面の被覆はこれらの図のように、3つ面であっても構わない。
本発明の振動子は、前記圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部に設けられた樹脂の最大高さの割合が5%以上70%以下であることが好ましい。前記割合を前記範囲にすることにより、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率をより小さくすることができる。ここで、前記割合について図4を用いて説明する。図4(a)は圧電素子の固着面の長辺側から見た本発明の振動子の断面概略図であり、樹脂層は圧電素子の固着面の短辺側に延在している。また、図4(b)は圧電素子の固着面の長辺側から見た本発明の振動子の一実施形態を示した概略図であるが、樹脂層は圧電素子の固着面の長辺側に延在している。前記割合は、圧電素子の側面部の高さ方向の長さAに対する樹脂層の最大高さBの割合で定義される。前記割合が70%より大きいと振動子の振動を阻害するおそれがある。一方、図5(a)、(b)は本発明に含まれない比較例の振動子を圧電素子の固着面の長辺側から見た断面概略図であり、前記割合が5%未満の例である。ここで、図5(b)の圧電セラミックスは、いわゆる面取り処理が施されている例である。図5(a)、(b)ともに、樹脂層が圧電素子の前記側面部を被覆していない。前記割合が5%未満であると圧電素子と振動板との固着が不十分となり圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率を高くなるおそれがある。ここで、前記割合は、例えば、光学顕微鏡によって得られる写真画像より計測することが可能である。
また、本発明の振動子は、前記振動板と前記圧電素子と対向する領域に設けられた前記樹脂の最大厚みが0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。前記最大厚みを前記範囲にすることにより、樹脂層の機械的強度が十分となる。また、圧電素子から生じる振動を振動板に効率よく伝達することが可能になる。ここで前記最大厚みは、振動子を切断し、その破断面を、例えば、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと呼ぶ)によって得られる写真画像より計測することが可能である。ここで、前記最大厚みが10μmより大きいと圧電素子から生じる振動が振動板に十分に伝達されないおそれがある。一方、前記最大厚みが0.5μmより小さいと樹脂層の機械的強度が不十分となり、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が高くなるおそれがある。
さらに、本発明の振動子は、前記樹脂が前記圧電素子と対向する前記振動板の平面にのみに設けられていることが好ましい。このような構成を採ることにより、圧電素子の伸縮に応じた振動を振動板に効率よく伝達することが可能になる。一方、前記樹脂層が前記振動板の面外に位置すると、圧電素子の伸縮に応じた振動が振動板に十分に伝達されないおそれがある。
また、前記樹脂層はエポキシ系樹脂よりなることが好ましい。他の樹脂と比較して、耐水性および耐熱性に優れるからである。
前記圧電素子の前記側面に沿った方向の前記圧電セラミックスの厚みが0.28mm以上2.0mm以下であることが好ましい。前記厚みを前記範囲にすることにより、圧電セラミックスの機械的強度が十分かつ、圧電素子から生じる振動を振動板に効率よく伝達することが可能になる。ここで、前記厚みが2.0mmより大きいと圧電素子に振動を生じさせる必要電圧が大きくなるおそれがある。一方、前記厚みが0.28mmより小さいと圧電セラミックスの機械的強度が不十分となるおそれがある。
本発明の振動子は、前記振動板に生じる、互いに交差しない2本の節線を有する第1の振動モード(振動モードA)の節線と、互いに交差しない3本の節線を有する第2の振動モード(振動モードB)の節線は、交差するように構成されている。そして前記樹脂が、前記振動モードAの腹線と前記振動モードBの腹線の少なくとも一方が生じる部位を被覆していることが好ましい。
図6は本発明の振動子の面外振動モードの一実施形態を示した概略図であり、振動板5は突起部51を有している。突起部51を有すると、振動子1011が発生する振動を接触体(例えば、後述する被駆動体)に効率よく伝達することができる。
図6(a)に示した面外振動モードは、2つの面外振動モードのうち一方の面外振動モード(以下、モードAと呼ぶ)を表している。このモードAは、直方体状(矩形)の振動子1011の短辺方向(矢印Y方向)における1次の面外振動であり、長辺方向(矢印X方向)と略平行な2本の節線を有している。ここで、前記2本の節線は互いに交差しない。
本発明の振動子は、前記振動板が板部と支持部を備えており、前記板部と前記支持部は一体に形成されていることが好ましい。図7は本発明の振動子の一実施形態を示した概略図であり、振動板5の面外に接続された振動板5と同素材の支持部6を有する態様である。このような構成を採ることにより、該振動子から発生した振動を阻害することなく、後述する振動波モータ等の圧電デバイスに適用することが容易となる。また、図7のように支持部に穴を設け、その穴に固定部を嵌合させることにより、圧電デバイスの構造設計に多様性をもたせることができる。
前記圧電セラミックスの鉛の含有量は、1000ppm未満、すなわち非鉛系であることが好ましい。従来の圧電セラミックスは、そのほとんどがジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を主成分とする。そのため、例えば圧電素子が廃却され酸性雨を浴びたり、過酷な環境に放置されたりした際に、圧電セラミックス中の鉛成分が土壌に溶け出し、生態系に害を及ぼす可能性が指摘されている。しかし、鉛の含有量が1000ppm未満であれば、圧電素子が廃却され酸性雨を浴びたり、過酷な環境に放置されたりしても、圧電セラミックスに含まれる鉛成分が環境に及ぼす影響は無視できるレベルとなる。圧電セラミックスに含まれる鉛の含有量は、例えば蛍光X線分析(XRF)、ICP発光分光分析により定量された圧電セラミックスの総重量に対する鉛の重量によって計測することができる。
前記圧電セラミックスは、圧電定数が高く、かつ製造が比較的容易であるいう観点からチタン酸バリウム又はその置換体よりなることが好ましい。ここでチタン酸バリウム又はその置換体とは、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸バリウムカルシウム((Ba、Ca)TiO)、チタン酸ジルコン酸バリウム(Ba(Ti、Zr)O)、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム((Ba、Ca)(Ti、Zr)O)、ニオブ酸ナトリウム-チタン酸バリウム(NaNbO-BaTiO)、チタン酸ビスマスナトリウム-チタン酸バリウム((Bi、Na)TiO-BaTiO)、チタン酸ビスマスカリウム-チタン酸バリウム((Bi、K)TiO-BaTiO)などの組成や、これらの組成を主成分とした材料のことを指す。中でも、圧電セラミックスの圧電定数と機械的品質係数を両立できるという観点において、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム((Ba、Ca)(Ti、Zr)O)、ニオブ酸ナトリウム-チタン酸バリウム(NaNbO-BaTiO)を主成分とすることが好ましい。主成分以外の元素としては、機械的品質係数や絶縁性が向上するという観点で、マンガンやビスマスを含むことが好ましい。
(振動子の製造方法)
本発明の振動子の製造方法は特に限定されないが、以下に代表的な製造方法を説明する。
振動子に用いる圧電素子は、一片の直方体状の圧電セラミックスに複数の電極を設けることよって得られる。ここで、一片の直方体状の圧電セラミックスは、例えば、所望の金属元素を有する原料粉末を焼成して、その焼結体を所望の形状に加工することによって得られる。また、複数の電極は、例えば、スパッタリングや金属ペーストを塗布、乾燥または焼き付けることによって設けることができる。
圧電素子に圧電性を発現させるためには、分極処理を行う必要がある。ここで、分極処理は後述する圧電素子を振動板に固着する工程の前でも後でも構わない。ただし、前記固着する工程の前に行うときは、以降の工程を当該圧電セラミックスのキュリー温度以下の温度で行う必要がある。圧電セラミックスが脱分極して、圧電性を消失することを避けるためである。
次に、前記圧電素子を前記振動板に固着する。固着に際しては、例えば、前記圧電素子または前記振動子の接着面に流動性のある樹脂前駆体を塗布する。ここで流動性とは、一定せず流れ動く性質であることを指す。また、前記樹脂前駆体とは硬化前の樹脂のことであり、液体状態の接着剤のことを指す。ここで前記接着剤は、いわゆる一液性でも二液性でも構わない。また、前記樹脂前駆体を塗布する面は圧電素子の接着面および振動子の接着面のどちらでも構わない。
続いて、前記樹脂前駆体を硬化する。硬化に際しては、前記塗布面を介して前記圧電素子と前記振動板とを加圧接触させる。樹脂前駆体の量が十分であると、加圧接触をさせることにより、樹脂前駆体を固着面から前記固着面に対して略垂直な前記圧電素子の側面のうち少なくとも一部に、はみ出せさせることが可能になる。一方、前記樹脂前駆体の量が不十分であると、前記側面にはみ出さないので好ましくない。また、任意の側面に前記樹脂前駆体をはみ出させる手段としては、前記塗布面を水平方向から任意の方向へ傾斜させること、前記圧電素子を振動板の端部に設けて前記端部にはみ出せないことが挙げられる。また、振動板に撥水処理を行い特定面にはみ出さないようにすること、はみ出した部分を除去すること等が挙げられる。前記加圧接触に際しては、圧電素子が振動板に対して移動しない程度以上、かつ圧電素子が割れない程度以下の圧力を加えることが必要である。また、前記樹脂前駆体が熱硬化性接着剤であるときは、前記圧電素子と前記振動板を加圧接触しながら振動子を加熱することにより、硬化時間を短縮することができる。加熱に際しては、前述したように圧電セラミックスのキュリー温度を考慮して、加熱温度を決定する必要がある。
さらに、必要に応じて前記複数の電極に給電部材を設けることもできる。給電部材を設けることにより、電圧入力手段(例えば、電源)と振動子の導通を行うことが可能になる。
(振動波駆動装置)
本発明の振動波駆動装置は、前述した振動子と、給電部材を有することを特徴とする。このような構成を採ることにより、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が小さい振動波駆動装置を提供できる。
図8は、本発明の振動波駆動装置の一実施形態を示した概略図である。図8に示すように、電圧入力手段9は、給電部材7と給電部材7に含まれる電気配線71を通じて、振動子1011に電圧を印加するために設けられる。圧電素子101の2つの駆動相電極31のうち右側に位置する駆動相電極に交番電圧(V1)を、左側に位置する駆動相電極31には交番電圧(V2)をそれぞれ印加する。
V1およびV2を、モードAの共振周波数付近の周波数で、かつ振幅と位相を同一にして印加すると、圧電素子101全体(駆動相電極31)が伸縮する。この結果、振動子1011にはモードAの振動が発生する。また、V1およびV2を、モードBの共振周波数付近の周波数で、かつ振幅を同一に、位相を180°ずらして印加すると、右側の駆動相電極31の圧電素子101が縮む。それととともに、左側の駆動相電極31の圧電素子101が伸びたり、左側の駆動相電極31の圧電素子101が縮むとともに、右側の駆動相電極31の圧電素子101が伸びたりする。この結果、振動子1011にはモードBの振動が発生する。このように、其々のモードのみを発生させると、例えばインピーダンスアナライザを用いることにより、其々のモードの共振周波数を測定することできる。
このとき、V1とV2の位相差を0°と180°の間の位相差θ(0°<θ<180°)とすると、(V1+V2)と(V1-V2)の合成ベクトルは直交する。これは、モードAとモードBの振動が同時に発生し、かつ振動の位相差が90°ずれていることを意味する。
すなわち、V1およびV2の電圧振幅を同じとし、V1およびV2の位相差θを0°および180°以外0°<θ<180°とすれば、モードAとモードBを同時に発生させることができる。また、V1とV2の位相差θを変更することにより、モードAとモードBの振幅を変更することができる。
(振動波モータ)
本発明の振動波モータは、前記振動波駆動装置と、前記振動板に接した移動体とを有すること特徴とする。このような構成を採ることにより、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が小さい振動波モータを提供できる。
図9は、本発明の振動波モータの一実施形態を示した概略図である。図9のように被駆動体(スライダ)8は突起部51を介して振動板5上に設ける。2つの突起部51は、振動板5の中心を通るXZ平面又はYZ平面に対して対称に配置させることが好ましい。振動子1011が突起部51において被駆動体(スライダ)8から受ける反力に偏りがなくなるためである。ここで突起部51の先端は被駆動体(スライダ)8が加圧接触されていることが好ましい。そうすることにより、被駆動体(スライダ)8は突起部51の楕円運動によって矢印方向に移動することが可能になる。
(光学機器)
本発明の光学機器は、前述した振動波モータと、前記移動体と力学的に接続された光学部材とを有することを特徴とする。本発明において「力学的な接続」とは、一方の部材の座標変動、体積変化、形状変化によって生じた力が他方の部材に伝わるように直接的に接触している状態、または、第三の部材を介して接触している状態を指す。前述した振動波モータと、前記移動体と光学部材とを力学的に接続することにより、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が小さい光学機器を提供できる。
図10は、本発明の光学機器(鏡筒装置のフォーカスレンズ部)の一実施形態を示した概略図である。図10において、被駆動体(スライダ)8は、振動子1011と加圧接触している。また、給電部材7は、振動子1011の圧電素子101の第二の電極3(不図示)を有する面側に設けられている。不図示の電圧入力手段により、給電部材7を介して所望の電圧が振動子1011に加えられると、振動板の突起部(不図示)には楕円運動が発生する。
保持部材11は、振動子1011と溶接などにより固定されており、不要な振動を発生させないように構成されている。移動筐体12は、ビス13で保持部材11に固定され、振動子1011と一体をなしている。これらの部材により振動波モータ(超音波モータ)が形成される。2本のガイド部材14に移動筐体12を取り付けることで、振動波モータは、ガイド部材14上を両方向(正進方向と逆進方向)に直進移動することが可能になる。
次に、鏡筒装置のフォーカスレンズの役割を担うレンズ16(光学部材)について説明する。レンズ16は、レンズ保持部材15に固定され、振動波モータの移動方向と平行に光軸(不図示)を有する。レンズ保持部材15は、振動波モータと同様に、後述する2本のガイド部材14上を直進移動することで、焦点位置合わせ(フォーカス動作)を行う。2本のガイド部材14は移動筐体12とレンズ保持部材15とを嵌合して、移動筐体12とレンズ保持部材15を直進移動することを可能にする部材である。このような構成で、移動筐体12とレンズ保持部材15はガイド部材14上を直進移動することが可能になる。
また、連結部材17は、振動波モータで発生した駆動力をレンズ保持部材15へ伝達する部材であり、レンズ保持部材15に嵌合して取り付けられる。これにより、レンズ保持部材15は、移動筐体12と共に滑らかに2本のガイド部材14に沿って両方向に移動可能になる。
また、センサ18は、レンズ保持部材15の側面部に貼り付けられたスケール19の位置情報を読み取ることで、ガイド部材14上でのレンズ保持部材15の位置を検出するために設ける。
以上のように、上述した各部材を組み込んで、鏡筒装置のフォーカスレンズ部を構成する。
上記においては、光学機器として、一眼レフカメラ用の鏡筒装置について説明したが、レンズとカメラ本体が一体となったコンパクトカメラ、電子スチルカメラ等、カメラの種類を問わず、振動波モータを備えた多様な光学機器に適用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明の振動子、振動子の製造方法、振動波駆動装置、振動波モータおよび光学機器を説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
まず、金属酸化物粉末を焼成して圧電セラミックスを得た。圧電セラミックスの組成を蛍光X線分析(XRF)で測定したところ、100重量部の(Ba0.85Ca0.15)(Ti0.93Zr0.07)Oに対してMnが金属換算で0.16重量部含まれており、鉛の含有量は1000ppm未満であった。続いて、圧電セラミックスの結晶構造をX線回折測定(XRD)で解析したところ、ペロブスカイト構造であることが分かった。すなわち圧電セラミックスは、チタン酸バリウム置換体よりなるペロブスカイト型金属酸化物を含有していた。
次に、圧電セラミックスを厚み0.36mmに研削、及び研磨加工した後に、8.7×5.7mmのサイズに切断し、一片の直方体状の圧電セラミックスを得た。圧電セラミックスの両面に、銀ペーストを用いて図8に示すような駆動相電極およびグラウンド電極をスクリーン印刷によって形成し、圧電素子を得た。ここで、グラウンド電極は回り込み電極を通じて圧電素子の表裏面で導通している。
次に、圧電素子に樹脂層を介して振動板を固着させた。
振動板は、JIS規格の磁性ステレンス鋼SUS420J2製で、寸法が9.0×5.8×0.3mmのものを使用した。また、振動板の面外には図7に示すような支持部を、面内には突起部を設けられている。樹脂前駆体としては、エポキシ系の液体接着剤(ガラス転移温度120℃)を用いて、ディスペンサによって振動板の接着面に前記樹脂前駆体を十分な量を塗布した。そして、圧電素子のグラウンド電極面と振動板とを3分間加圧接触させ、前記樹脂前駆体を接着領域から延在させ、圧電素子の対向する一対の側面部を被覆させた。ただし、前記樹脂前駆体は、振動板の面外までは延在しなかった。その状態で乾燥炉に入れて、130℃で60分保持し、前記樹脂前駆体を硬化させることで樹脂層を形成した。
続いて、図8に示すように、圧電素子の振動板が固着していない第二の電極を有する面において、駆動相電極とグラウンド電極に給電部材を熱圧着により設けた。具体的には、圧電素子にフレキシブルケーブルよりなる給電部材を、異方性導電性フィルム(ACF)で接続した。熱圧着の条件は、時間を10秒間、圧力を2MPaとした。
そして、圧電セラミックスに対し100℃で分極処理を施した。具体的には、圧電素子の2つの駆動相電極それぞれに分極用のコンタクトピンを接触させ、振動板をグラウンドとして電圧を印加した。このとき、圧電セラミックスには電界強度が1.0kV/mmとなるように直流電圧を30分間印加した。
以上の工程により、本発明の振動子Aを得た(以下、振動子Aとする)。
次に、振動子Aの樹脂層の形状を計測するため、駆動相電極を有する面側から光学顕微鏡にて観察を行った。その結果、図3(d)のように、樹脂層が全ての側面を被覆していた。
続いて、振動子Aの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測するため、超音波映像装置(日立建機製、製品名:FS300)により、写真画像を得た。画像解析の結果、面積被覆率は98%であった。
さらに、振動子Aの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。そのために、振動子Aの1つを圧電セラミックスの長辺と平行な方向に切断し、SEMによりその断面を観察した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は65%、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは4.2μmであった。さらに、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、振動子Aに給電部材を通じて電圧入力手段を接続し、図8のような振動波駆動装置Aを作製した。
振動波駆動装置Aに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Aの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。まず、V1とV2の位相差を0°としたときには、振動子Aには2本の節線を有する面外振動モードAが発生した。また、V1とV2の位相差を180°としたときには、振動子Aには面外振動モードAに略直交する3本の節線を有する面外振動モードBが発生した。この結果より、振動子Aの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例2)
樹脂層を硬化させる前に、圧電素子の長辺方向にはみ出した樹脂層を除去した点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Bを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Bの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(c)のように、樹脂層が対向する一対の側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Bの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は95%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Bの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は61%、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは4.2μmであった。さらに、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Bを作製した。
振動波駆動装置Bに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Bの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Bの樹脂層は、振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例3)
樹脂層を硬化させる前に、圧電素子の短辺方向にはみ出した樹脂層を除去した点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Cを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Cの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(b)のように、樹脂層が対向する一対の側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Cの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は96%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Cの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は61%、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは4.2μmであった。さらに、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.36mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Cを作製した。
振動波駆動装置Cに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Cの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Cの樹脂層は、振動モードAの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例4)
樹脂層を硬化させる前に、圧電素子の短辺方向にはみ出した樹脂層を除去した点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Dを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Dの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(a)のように、樹脂層が側面部の一部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Dの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は97%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Dの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は60%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは6.1μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.34mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Dを作製した。
振動波駆動装置Dに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Dの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Dの樹脂層は、振動モードAの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例5)
圧電素子と振動板との加圧接触させる時間を5分間にした点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Eを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Eの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(d)のように、樹脂層が全ての側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Eの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は58%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Eの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は65%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは5.3μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Eを作製した。
振動波駆動装置Eに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Eの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Eの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例6)
圧電素子と振動板との加圧接触させる時間を1分間にした点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Fを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Fの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(d)のように、樹脂層が全ての側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Fの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は65%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Fの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は4%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは2.8μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Fを作製した。
振動波駆動装置Fに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Fの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Fの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例7)
圧電素子と振動板との加圧接触させる際の樹脂前駆体の量を20%減らした点以外は、実施例6と同様の工程で振動子Gを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Gの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(d)のように、樹脂層が全ての側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Gの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は92%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Gの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は35%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは0.4μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Gを作製した。
振動波駆動装置Gに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Gの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Gの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例8)
圧電セラミックスの組成を100重量部の(Ba0.85Ca0.15)(Ti0.93Zr0.07)Oに対してMnが金属換算で0.16重量部、さらにBiが金属換算で0.03重量部となるようにした点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Hを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Hの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(d)のように、樹脂層が全ての側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Hの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は91%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Bの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は40%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは3.0μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Hを作製した。
振動波駆動装置Hに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Hの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Hの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例9)
圧電セラミックスの組成を100重量部の(Ba0.85Ca0.15)TiOに対してBiが金属換算で0.03重量部となるようにした点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Iを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Iの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(d)のように、樹脂層が全ての側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Iの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は90%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Iの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は60%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは7.1μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Iを作製した。
振動波駆動装置Iに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Iの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Iの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(実施例10)
圧電セラミックスの組成をPb(Zr0.52Ti0.48)Oとなるようにした点、圧電セラミックスを厚み0.42mmに研削、研磨加工した点、圧電セラミックスの分極処理に際し、温度を150℃、電界強度2.0kV/mmにした点以外は、実施例1と同様の工程で振動子Jを得た。
次に、実施例1と同様の工程で、振動子Jの樹脂層の形状を計測した。その結果、図3(d)のように、樹脂層が全ての側面部を被覆していた。
続いて、実施例1と同様の工程で、振動子Jの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測した。画像解析の結果、面積被覆率は96%であった。
さらに、実施例1と同様の工程で、振動子Jの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は60%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは6.8μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.41mmであった。
続いて、実施例1と同様の工程で図8のような振動波駆動装置Jを作製した。
振動波駆動装置Jに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Jの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。その結果、振動子Jの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線を被覆していることが分かった。
(比較例1)
まず、金属酸化物粉末を焼成して圧電セラミックスを得た。圧電セラミックスの組成を蛍光X線分析(XRF)で測定したところ、100重量部の(Ba0.85Ca0.15)(Ti0.93Zr0.07)Oに対してMnが金属換算で0.16重量部含まれており、鉛の含有量は1000ppm未満であった。続いて、圧電セラミックスの結晶構造をX線回折測定(XRD)で解析したところ、ペロブスカイト構造であることが分かった。すなわち圧電セラミックスは、チタン酸バリウム置換体よりなるペロブスカイト型金属酸化物を含有していた。
次に、圧電セラミックスを厚み0.36mmに研削、及び研磨加工した後に、8.7×5.7mmのサイズに切断し、一片の直方体状の圧電セラミックスを得た。圧電セラミックスの両面に、銀ペーストを用いて図8に示すような駆動相電極およびグラウンド電極をスクリーン印刷によって形成し、圧電素子を得た。
次に、圧電素子に樹脂層を介して振動板を固着させた。
振動板は、JIS規格の磁性ステレンス鋼SUS420J2製で、寸法が9.0×5.8×0.3mmのものを使用した。また、振動板の面外には図7に示すような支持部を、面内には突起部を設けられている。樹脂前駆体としては、エポキシ系の液体接着剤(ガラス転移温度120℃)を用いて、ディスペンサによって振動板の接着面に前記樹脂前駆体を塗布した。そして、圧電素子のグラウンド電極面と振動板とを3分間加圧接触させ、前記樹脂前駆体が接着領域から延在しないよう、圧電素子の周囲にゴムを置いた。その後、ゴムを取り除いてから乾燥炉に入れて、130℃で60分保持し、前記樹脂前駆体を硬化させることで樹脂層を形成した。
続いて、図8に示すように、圧電素子の振動板が固着していない第二の電極を有する面において、駆動相電極とグラウンド電極に給電部材を熱圧着により設けた。具体的には、圧電素子にフレキシブルケーブルよりなる給電部材を、異方性導電性フィルム(ACF)で接続した。熱圧着の条件は、時間を10秒間、圧力を2MPaとした。
そして、圧電セラミックスに対し100℃で分極処理を施した。具体的には、圧電素子の2つの駆動相電極それぞれに分極用のコンタクトピンを接触させ、振動板をグラウンドとして電圧を印加した。このとき、圧電セラミックスには電界強度が1.0kV/mmとなるように直流電圧を30分間印加した。
以上の工程により、比較例の振動子Kを得た。
次に、振動子Kの樹脂層の形状を計測するため、駆動相電極を有する面側から光学顕微鏡にて観察を行った。その結果、樹脂層は側面部を被覆していなかった。
続いて、振動子Kの樹脂層の接着領域における面積被覆率を計測するため、超音波映像装置(日立建機製、製品名:FS300)により、写真画像を得た。画像解析の結果、面積被覆率は95%であった。
さらに、振動子Kの圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合を計測した。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みおよび圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みを計測するために、振動子Kの1つを圧電セラミックスの長辺と平行な方向に切断し、SEMによりその断面を観察した。その結果、圧電素子の側面の高さに対する前記圧電素子の側面の一部の設けられた樹脂の最大高さの割合は0%であった。さらに、振動板と圧電素子と対向する領域に設けられた樹脂の最大厚みは4.2μm、圧電素子の側面に沿った方向の圧電セラミックスの厚みは0.35mmであった。
続いて、振動子Kに給電部材を通じて電圧入力手段を接続し、図8のような振動波駆動装置Kを作製した。
振動波駆動装置Kに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも10Vpp)を印加し、振動子Kの変位をレーザドップラー振動計にて測定した。まず、V1とV2の位相差を0°としたときには、振動子Kには2本の節線を有する振動モードAが発生した。また、V1とV2の位相差を180°としたときには、振動子Aには振動モードAに略直交する3本の節線を有する振動モードBが発生した。この結果より、振動子Kの樹脂層は、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線のいずれをも被覆していないことが分かった。
ここで、実施例1から10および比較例1の結果を表1にまとめる。
Figure 0007000036000001
Figure 0007000036000002
Figure 0007000036000003
(実施例11から20)
次に、実施例1から10で作製した振動子Aから振動子Jの振動板を被駆動体(スライダ)に接するように設け、図9のような振動波モータを作製した(実施例11から20)。作製した振動波モータに対し、駆動相電極を通じて、交番電圧V1およびV2(振幅はいずれも100Vpp)を印加した。このときV1とV2の位相差θは90°→-90°→90°→-90°と100回繰り返し、被駆動体(スライダ)を図の矢印方向に100回往復駆動させた。その後、圧電素子と振動板との間に剥離が生じているか否かを確認するため、超音波映像装置(日立建機製、商品名:FS300)により、写真画像を得た。駆動前の樹脂層の接着領域における面積被覆率と同様の手法で、駆動後の面積被覆率を計測した。その結果を表4に示す。
(比較例2)
比較例1で作製した振動子Kを用いて、実施例11から実施例20と同様の工程で図のような振動波モータを作製、駆動、評価した(比較例2)。
Figure 0007000036000004
表4より、実施例11から20の振動波モータにおいては、連続駆動前後の面積被覆率の変化が-5%以下と、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が小さかった。一方で比較例2の振動波モータにおいては、連続駆動前後の面積被覆率の変化が-30%と圧電素子と振動板との間に大きな剥離が生じてしまった。
また、実施例11から20の中では、被覆パターン4の振動子を有する振動波モータの面積被覆率の変化が比較的小さかった。これは、振動モードAの腹線および振動モードBの腹線のいずれをも被覆していたことに起因すると考えられる。
(実施例21および比較例3)
実施例11で作製した振動波モータと移動体と光学部材とを力学的に接続した図10のような光学機器を作製した(実施例21)。また、比較例2で作製した振動波モータと移動体と光学部材とを力学的に接続した図10のような光学機器を作製した(比較例3)。どちらの光学機器も交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作が確認できたが、比較例3の光学機器は、100回のオートフォーカス動作後に圧電素子と振動板との間に剥離が生じ、30%以上の面積被覆率の低下が確認された。
本発明の振動子は、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が小さい振動子を提供できる。また、本発明の振動子の製造方法は、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が小さい振動子を歩留まり良く提供できる。また、本発明の振動波駆動装置、振動波モータおよび光学機器は、圧電素子と振動板との間に剥離が生じる確率が小さい振動波駆動装置、振動波モータおよび光学機器を提供できる。さらに、本発明の振動子は、電子部品と振動子を用いた電子機器に適用可能である
1 圧電セラミックス
101 圧電素子
1011 振動子
2 第一の電極
21 グラウンド電極
3 第二の電極
31 駆動相電極
4 樹脂層
41 接着領域
5 振動板
51 突起部
6 支持部
7 給電部材
71 電気配線
8 被駆動体(スライダ)
9 電圧入力手段
11 保持部材
12 移動筐体
13 ビス
14 ガイド部材
15 レンズ保持部材
16 レンズ
17 連結部材
18 センサ
19 スケール

Claims (12)

  1. 圧電素子および、矩形の板部と前記板部の面外に同方向に突出する2つの突起部を備えた振動板を有する振動子と、
    前記2つの突起部に接した移動体と、
    を有し、前記振動子に生じる振動により、前記振動子と前記移動体とが前記2つの突起部を結ぶ移動方向に相対移動する振動波モータであって、
    前記圧電素子は、鉛の含有量が1000ppm未満である直方体状であり長辺が前記移動方向に沿って前記振動板に配された圧電セラミックスと、電極を備え、
    前記圧電素子における前記移動方向に交差している対向する一対の側面部と前記振動板の一部が樹脂で被覆されており、
    前記板部の面外振幅を生じる、互いに交差しない2本の節線を生じる第1の振動モードの節線と、互いに交差しない3本の節線を生じる第2の振動モードの節線は、交差するよう構成されていることを特徴とする振動波モータ。
  2. 前記振動板と前記圧電素子と対向する領域に樹脂が設けられており、前記領域の面積に対する前記領域に設けられた樹脂の面積の割合である面積被覆率が60%以上である、請求項1に記載の振動波モータ
  3. 前記圧電素子の側面部の高さに対する前記圧電素子の側面の一部に設けられた樹脂の最大高さの割合が5%以上70%以下である請求項1または2に記載の振動波モータ
  4. 前記振動板と前記圧電素子と対向する領域に設けられた前記樹脂の最大厚みが0.5μm以上10μm以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動波モータ
  5. 前記樹脂はエポキシ系樹脂よりなる請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動波モータ
  6. 前記圧電素子の前記側面に沿った高さ方向の前記圧電セラミックスの厚みが0.28mm以上2.0mm以下である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動波モータ
  7. 前記振動板は前記板部から前記突起部を結ぶ方向に突出する支持部をさらに備えており、前記板部と前記支持部は一体に形成されている請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動波モータ
  8. 前記圧電セラミックスは、チタン酸バリウム又はその置換体よりなるペロブスカイト型金属酸化物である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動波モータ
  9. 給電部材をさらに有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動波モータ
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動波モータの製造方法であって、
    前記圧電素子と前記振動板と樹脂前駆体を用いて前記圧電素子の側面の一部と前記振動板の一部が前記樹脂前駆体で被覆されるように貼り合わせ、
    前記圧電素子と前記振動板を加圧接触した状態で前記樹脂前駆体を硬化させることを特徴とする振動波モータの製造方法。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動波モータと、前記振動波モータによって移動可能に設けられた光学部材を有することを特徴とする光学機器。
  12. 電子部品と請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動波モータを備えた電子機器。
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