JP2015208214A - 振動波駆動装置および光学機器 - Google Patents

振動波駆動装置および光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2015208214A
JP2015208214A JP2015074497A JP2015074497A JP2015208214A JP 2015208214 A JP2015208214 A JP 2015208214A JP 2015074497 A JP2015074497 A JP 2015074497A JP 2015074497 A JP2015074497 A JP 2015074497A JP 2015208214 A JP2015208214 A JP 2015208214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
drive
vibration wave
piezoelectric material
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015074497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015208214A5 (ja
JP6622480B2 (ja
Inventor
彰 上林
Akira Kamibayashi
彰 上林
伊福 俊博
Toshihiro Ifuku
俊博 伊福
達雄 古田
Tatsuo Furuta
達雄 古田
小山 信也
Shinya Koyama
信也 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015074497A priority Critical patent/JP6622480B2/ja
Publication of JP2015208214A publication Critical patent/JP2015208214A/ja
Publication of JP2015208214A5 publication Critical patent/JP2015208214A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6622480B2 publication Critical patent/JP6622480B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/14Drive circuits; Control arrangements or methods
    • H02N2/142Small signal circuits; Means for controlling position or derived quantities, e.g. speed, torque, starting, stopping, reversing
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/16Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors using travelling waves, i.e. Rayleigh surface waves
    • H02N2/163Motors with ring stator
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials
    • H10N30/853Ceramic compositions
    • H10N30/8536Alkaline earth metal based oxides, e.g. barium titanates

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】 制御回路が位相差を正しく判断できる入力電圧値を低くすることができ、回転初期からフィードバック制御を行うことが可能な振動波駆動装置を提供する。
【解決手段】 駆動相および検知相を有する電気−機械エネルギー変換素子、振動板、ローターからなる振動波駆動手段を有し、前記電気−機械エネルギー変換素子の振動板表面に進行波を発生させてローターを駆動し、前記ローターの駆動速度を位相差検出手段の信号をもとに制御する振動波駆動装置において、少なくとも2つの抵抗器を有する抵抗分圧回路からなる検知相電圧降下手段および駆動相電圧降下手段を備え、前記検知相電圧降下手段の抵抗分圧回路における分圧比が1/1より小さく1/20より大きい振動波駆動装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動波駆動装置およびそれを搭載している光学機器に関する。
振動型(振動波)アクチュエータは、圧電素子等の電気−機械エネルギー変換素子に交番電圧等の電気信号を印加することにより、円環形状、長楕円形状、棒状等の弾性体に駆動振動が励起される振動子を有する。例えば、該振動子に加圧接触させた弾性体と該振動子とを相対移動させる振動波モーターとして利用することが提案されている。
以下に一例として、円環形状の振動波モーターの概略を示す。
円環形状の振動波モーターは、全周長がある長さλの整数倍であるような内径と外径を有する円環形状の圧電材料を有している。この圧電材料の片面に複数の電極を備え、反対面に前記圧電材料に共通となる共通電極を設けることで、圧電素子が形成される。
前記複数の電極は、2つの駆動相電極と、検知相電極と、非駆動相電極とから成る。各々の駆動相電極部の圧電材料にλ/2のピッチで交互に逆方向に電界を印加して分極処理が施される。そのため、同一方向の電界に対する圧電材料の伸縮極性はλ/2のピッチ毎に互いに逆となる。さらに、2つの駆動相電極は、λ/4の奇数倍の間隔を設けて配置されている。通常、この間隔部の圧電材料は自発的に圧電振動を起こさないように、非駆動相電極が設けられており、共通電極と短絡配線等でショートした状態となっている。
検知相電極は、圧電材料の振動状態を検知するための電極である。検知相電極部の圧電材料に生じた歪は、圧電材料の圧電定数に応じた電気信号に変換され、検知相電極に出力される。
この圧電素子に電力を入出力する配線を設け、さらに弾性体からなる振動板を貼り付けたものをステーターとする。ステーターの片方の駆動相電極に交番電圧を印加すれば、上記振動板には、波長λの定在波が該振動板の全周に亘って発生する。もう一方の駆動相のみに交番電圧を印加すれば、同様に定在波が生ずるが、その位置は前記定在波に対してλ/4だけ円周方向に回転移動させたものとなる。
このステーターの振動板と反対側の面に、ローターとして円環状弾性体を加圧接触させたものが、円環形状の振動波モーターとなる。
別の方式として、円環状の圧電材料の内側及び外側に電極や振動板を貼り付け、ローターを内側、もしくは外側に加圧接触させた状態で、圧電材料の伸縮振動によって、ローターを回転させて駆動出来る類の振動波モーターもある。
このような振動波モーターの各駆動相電極に、周波数が同じで且つ時間的位相差がπ/2の交番電圧を同時に印加すると、両者の定在波の合成の結果、振動板には周方向に進行する曲げ振動の進行波(波長λ)が発生する。
このとき、振動板のローター側の各点は一種の楕円運動をするため、ローターは振動板から円周方向の摩擦力を受けて回転する。その回転方向は、各駆動相電極に印加する交番電圧の位相差を正負に切換えることより、反転できる。
また振動波モーターの回転速度は駆動周波数により決定される。振動波モーターの共振周波数よりも高い周波数領域において回転動作が開始され、前記駆動周波数を前記共振周波数に近づけることで回転速度を加速させ、前記共振周波数において最高回転速度に達する。このように振動波モーターは、共振周波数よりも高い周波数領域から共振周波数に向かって周波数を掃引することで所望の回転速度における駆動を行うことができる。
この振動波モーターに制御手段を接続することで、回転速度を制御可能な駆動制御システムを作製できる。またこの制御手段には、位相を比較してその結果に応じた電圧値を出力する位相差検出手段(フェーズコンパレーターとも言う)が接続されている。
振動波モーターを駆動したときに、検知相の振動振幅に応じて検知相電極から出力される電気信号(1)は、駆動相電極に印加した電気信号(2)と共に、位相差検出手段に入力される。そして、位相差検出手段から出力された位相差情報により、共振状態からどの程度ずれているのかを知ることができる。この情報から制御手段において駆動相電極に印加する電気信号の周波数を決定し、所望の進行波を発生させることで、ローターの回転速度をフィードバック制御することが可能である。
しかし、前記電気信号(1)および(2)の電圧値は、通常位相差検出手段の入力上限電圧値を上回る電圧値となる。そのために、例えば特許文献1に開示される振動波モーター制御システムは、前記電気信号(1)および(2)が位相差検出手段に入力される手前にロジックレベルの電圧に低下させるための機構(降圧回路)を設けて電圧を低下させている。
特開昭62−85684号公報
振動波モーターは位相差検出手段から出力された位相差情報をもとにした制御手段によるフィードバック制御が行われる前に、駆動相電極に印加する交番電圧の周波数を共振周波数より低く変化させてしまうと、ローターの回転が停止してしまう。その現象を防ぐために、位相差検出手段に入力できる前記電気信号(1)および(2)の位相差の検出許容誤差がある。
また位相差検出手段が前記電気信号(1)および(2)の電圧値を識別するためには、前記電気信号(1)および(2)の電圧値は位相差検出手段の部品性能としての下限電圧値以上である必要がある。
そして、回転初期においては共振周波数から大きく離れた周波数で駆動を開始するため、前記検知相の振動振幅は小さく、検知相電極から出力される電気信号(1)は小さい。したがって、どれくらい回転速度が小さいときから位相差検出手段が電気信号(1)を識別し、制御手段がフィードバック制御できるかどうかは、位相差検出手段の検出下限値で決まる。
一方、振動波モーターの各駆動相電極に、周波数が同じで且つ時間的位相差がπ/2の交番電圧を同時に印加させることで発生する進行波は、他の振動モードの影響により前記進行波の波形の乱れが生じる。また、前記他の振動モードの影響には個体差があるため、駆動相電極に入力される前記交番電圧が仮に同じであったとしても、前記検知相の振動振幅には前記他の振動モードの個体差によるバラツキが生じる。このため、検知相電極から出力される電気信号(1)にもバラツキが生じている(要因1)。
また位相差検出手段に入力するために電圧を低下させている降圧回路の機構として少なくとも2つの抵抗器よりなる抵抗分圧回路を考える。その場合、抵抗器の部品誤差による抵抗値の個体バラツキにより前記検知相電極から出力される電気信号(1)の前記要因1のバラツキがさらに増幅されている(要因2)。
そして要因1と要因2が原因で電気信号(1)にバラツキが生じるため、実際に制御手段によるフィードバック制御が可能となる電気信号(1)の位相差検出手段における電圧値は、前述した位相差検出手段の部品性能としての下限電圧値よりももっと高くなる。このような理由で、従来は回転初期からフィードバック制御を行うことができなかった。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、制御回路が位相差を正しく判断できる入力電圧値を低くすることができ、回転初期からフィードバック制御を行うことが可能な振動波駆動装置およびそれを用いた光学機器を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明の振動波駆動装置は、少なくとも2つの駆動相および検知相を有する電気−機械エネルギー変換素子、振動板、ローターからなる振動波駆動手段、駆動相電圧降下手段、検知相電圧降下手段、駆動相ノイズカット手段、検知相ノイズカット手段、位相差検出手段、制御手段、駆動相電力出力手段、駆動相電圧上昇手段を有し、前記電気−機械エネルギー変換素子の前記2つの駆動相に互に位相の異なる交番電圧を印加することで前記振動板表面に進行波を発生させ、前記進行波にて前記ローターを駆動し、前記ローターの駆動速度を少なくとも前記位相差検出手段の信号をもとに前記制御手段により制御する振動波駆動装置において、前記検知相電圧降下手段および前記駆動相電圧降下手段はそれぞれ少なくとも2つの抵抗器を有する抵抗分圧回路からなり、前記検知相電圧降下手段の抵抗分圧回路における分圧比が1/1より小さく1/20より大きいことを特徴とする。
上記課題を解決するための本発明の光学機器は上記の振動波駆動装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、制御回路が位相差を正しく判断できる入力電圧値を低くすることができ、回転初期からフィードバック制御を行うことが可能な振動波駆動装置およびそれを用いた光学機器を提供することができる。その結果、より短時間で駆動および回転制御が可能となる。
本発明の振動波駆動装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明の振動波駆動装置に用いられる電圧降下手段における抵抗器を用いた降圧回路の概略図である。 本発明の振動波駆動装置に用いられる抵抗器を用いた降圧回路における抵抗値比と分圧比のバラツキの関係図である。 本発明の振動波駆動装置に用いられるノイズカット手段としてコンデンサを用いた時の本発明の振動波駆動装置の回路構成の概略図である。 本発明の振動波駆動装置に用いられる検知相電圧降下手段の回路構成の概略図である。 本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子の一実施形態を示す概略図である。 本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子における、伸縮極性を示す概略図である。 本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子に給電部材を設置した一実施形態を示す概略図である。 本発明の光学機器の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学機器の一実施態様を示す概略図である。 本発明の振動波駆動装置の振動波モーター用ステーターの製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明の振動波駆動装置の振動波モーター用ステーターの製造方法の他の例を示す概略工程図である。
以下、本発明を実施するための振動波駆動装置の形態について説明する。尚、本発明の振動波駆動装置を実施するための形態として以下では円環型振動波モーターについて説明するが、本発明はこれに限らず積層型、棒状型の振動波モーター等でも適用可能である。
(振動波駆動装置)
本発明の振動波駆動装置は、少なくとも2つの駆動相および検知相を有する電気−機械エネルギー変換素子、振動板、ローターからなる振動波駆動手段、駆動相電圧降下手段、検知相電圧降下手段、駆動相ノイズカット手段、を備えている。さらには、検知相ノイズカット手段、位相差検出手段、制御手段、駆動相電力出力手段、駆動相電圧上昇手段を有している。そのような構成をとると、前記電気−機械エネルギー変換素子の前記2つの駆動相に互に位相の異なる交番電圧を印加することで前記振動板表面に進行波を発生させることができる。前記進行波にて前記ローターを駆動し、前記ローターの駆動速度を少なくとも前記位相差検出手段の信号をもとに前記制御手段により制御する振動波駆動装置が構成されている。前記検知相電圧降下手段および前記駆動相電圧降下手段はそれぞれ少なくとも2つの抵抗器を有する抵抗分圧回路からなり、前記検知相電圧降下手段の抵抗分圧回路における分圧比が1/1より小さく1/20より大きいことを特徴とする。
図1は、本発明の振動波駆動装置の一実施形態を示す概略図である。振動波駆動手段の一例である円環型振動波モーターの駆動および制御の方法は以下の通りである。
円環型振動波モーターの回転速度は駆動周波数により決定される。円環型振動波モーターの共振周波数よりも高い周波数領域において回転動作が開始され、前記駆動周波数を前記共振周波数に近づけることで回転速度を加速させ、前記共振周波数において最高回転速度に達する。このように円環型振動波モーターは、共振周波数よりも高い周波数領域から共振周波数に向かって周波数を掃引することで所望の回転速度における駆動を行うことができる。
また円環型振動波モーターの制御方法においてはまず、制御手段の命令を元に駆動相電力出力手段は所定周波数の互いに位相の異なる交番電圧(電圧)を複数の駆動相電圧上昇手段に出力する。駆動相電圧上昇手段では前記駆動相電力出力手段から出力された電圧を昇圧する。昇圧された電圧は振動波駆動手段の各駆動相に入力される。複数の駆動相に位相の異なる交番電圧を入力すると、所定の振幅を有する進行波がステーターに発生し、ローターが回転する。ステーターに発生した進行波の振幅は前記振動波駆動手段の検知相で交番電圧(電圧)に変換される。駆動相に入力される電圧の一部は駆動相電圧降下手段により降圧される。また、検知相より出力された電圧は検知相電圧降下手段により降圧される。降圧された駆動相および検知相の電圧はノイズカット手段を経て位相差検出手段に入力される。前記位相差検出手段では入力された駆動相および検知相の電圧の位相差を検知する。検知した位相差信号からは円環型振動波モーターの共振周波数からの周波数差が識別できる。この結果をもとに制御手段が演算を行い、再び前記駆動相電力出力手段に命令する。この一連の繰り返しの結果、円環型振動波モーターは、回転速度を制御することができる。
しかし前述したように、振動波モーターの各駆動相電極に、互いに位相の異なる交番電圧を同時に印加させることで発生する進行波は、他の振動モードの影響により前記進行波の波形の乱れが生じる。また、前記他の振動モードの影響には個体差があるため、駆動相電極に入力される前記交番電圧が仮に同じであったとしても、前記検知相の振動振幅には前記他の振動モードの個体差によるバラツキが生じる。このため、検知相電極から出力される電気信号にもバラツキが生じる。
位相差検出手段に入力するために電圧を低下させている降圧回路の機構として少なくとも2つの抵抗器よりなる抵抗分圧回路を考える。その場合、抵抗器の部品誤差による抵抗値の個体バラツキにより前記検知相電極から出力される電気信号のバラツキがさらに増幅される。
図2は本発明の電圧降下手段における抵抗器を用いた降圧回路の概略図であり、一般的な抵抗分圧回路である。図2に示した抵抗分圧回路において、抵抗器R1の抵抗値をR1、抵抗器R2の抵抗値をR2とした場合、出力される電圧は下記の式で表すことができる。
Figure 2015208214
ここでR1とR2の関係式、
Figure 2015208214
を分圧比と定義する。仮に検知相電極から出力される電気信号が同じ値であっても、抵抗器R1および抵抗器R2のバラツキの影響により分圧比のバラツキが生じるため、検知相電圧降下手段により降圧された電気信号はバラツキを含むものとなる。この前記分圧比のバラツキは下記の式で表すことができる。
Figure 2015208214
また抵抗器の個体バラツキは一般的に部品誤差として%で開示されていることから、抵抗器の個体バラツキを(100×n)%(100×nは整数、nは小数を表す。)とした場合、前記分圧比のバラツキは前記分圧比を用いて下記の式で表すことができる。
Figure 2015208214
ここで、R1とR2の抵抗器の比を、
Figure 2015208214
と定義すると、前記分圧比のバラツキは、
Figure 2015208214
で表される。
図3は抵抗器R1および抵抗器R2のもつ部品誤差を5%とした時の「前記分圧比のバラツキ」の「R1とR2の抵抗値の比(X)」の関係図である。抵抗器R1および抵抗器R2のもつバラツキが同じであれば、R1とR2の抵抗値の比(X)を小さくすることで前記分圧比のバラツキを小さくすることが可能である。
円環型振動波モーターの回転初期において、フィードバック制御を行うためには、位相差検出手段において10rpmよりも小さい領域での回転速度と駆動周波数を検出する必要がある。10rpmよりも小さい領域で回転速度と駆動周波数を検出することで、回転初期からフィードバック制御を行う事が可能であり、例えば円環型振動波モーターを用いた光学機器においては、より高速にオートフォーカスが可能となる。また微小駆動によるフォーカス動作においても高速化が期待できる。さらに動画撮影のような連続した微小駆動によるフォーカスを必要とする動作においてもフォーカスの安定性が期待できる。
駆動相電極に印加する電気信号の周波数を共振周波数より低く変化させてしまい、ローターの回転が停止してしまう現象を防ぐための位相差の検出許容誤差を30°とした。さらに、位相差検出手段が識別することができる最低電圧を0.15Vとして、検知相電圧降下手段による理想の前記分圧比を1/21とした。その場合、下記の式により位相差検出手段に入力する必要のある電圧値を算出することができる。
Figure 2015208214
しかし、実際には検知相電圧降下手段による抵抗器のもつ部品誤差および検知相電極から出力される電気信号のバラツキにより、位相差検出手段に入力する必要のある電圧値は6.3Vよりも大きな値となる。
ここで検知相電圧降下手段における抵抗器R1および抵抗器R2のもつ部品誤差を5%とした場合を考える。その場合、理想の前記分圧比1/21に対して、実際の分圧比は21/401(1/19.1)から19/439(1/23.1)の範囲となる。すなわち、位相差検出手段に入力する必要のある電圧値は5.7Vから6.9Vの値となる。
さらに検知相電極から出力される電気信号のバラツキを±10%とした場合、このバラツキにおいても位相差検出手段が正しく識別するためには、位相差検出手段に入力する必要のある電圧値は7.6Vとなる。このように算出した、前記分圧比に対する検知相が駆動開始時に最低出力する必要がある電圧値を駆動開始検出可能最低電圧と定義する。
また検知相の振動振幅により検知相電極から出力される電気信号は、振動波モーターの回転速度と比例の相関関係がある。
使用する電気−機械エネルギー変換素子の圧電材料をチタン酸ジルコン酸鉛とした場合は以下のとおりである。すなわち、検知相から出力される電圧値と回転速度の相関関係から10rpmよりも小さい回転速度を検出することが可能とするためには、前記分圧比が1/20よりも大きい分圧比を必要とする。
つまり前記分圧比が1/1より小さく1/20より大きい分圧比を用いることで、検知相電圧降下手段による生じる電気信号のバラツキを低減することが可能となる。
その結果、位相差検出手段に入力される検知相の電圧と駆動相の電圧の位相差をより正確に判断することが可能となる。そして円環型振動波モーターの共振周波数からの周波数差を正確に識別できることが可能となり、制御回路が位相差を正しく判断できる入力電圧値を従来より低くすることができるため、より回転初期からフィードバック制御を行うことが可能となる。その結果、より短時間で駆動および回転制御が可能となる。
より好ましくは前記分圧比が1/1より小さく1/10より大きい分圧比である。さらに好ましくは前記分圧比が1/1より小さく1/3より大きい分圧比である。
また前記分圧比が1/1より大きい領域、つまり増幅させる領域においては、ノイズ成分も増幅されるため正しく位相差検知を行う事ができなくなるため好ましくない。
また1/20よりも小さい分圧比の領域においては、10rpmよりも小さい回転速度を検出することができないため、回転初期におけるフィードバック制御を行う事ができない。
図4は図1で示される本発明の振動波駆動装置の位相差検出手段、駆動相ノイズカット手段、駆動相電圧降下手段、検知相ノイズカット手段、検知相電圧降下手段を抜粋したものであり、ノイズカット手段としてコンデンサを用いた時の回路構成図である。前記駆動相ノイズカット手段として前記駆動相電圧降下手段と前記位相差検出手段の間に容量Cdのコンデンサが直列に配置され、前記検知相ノイズカット手段として前記検知相電圧降下手段と前記位相差検出手段の間に容量Csのコンデンサが直列に配置される。
そして前記駆動相電圧降下手段の一部として抵抗値Rdの抵抗器が前記容量Cdのコンデンサと直列に配置されて、前記検知相電圧降下手段の一部として抵抗値Rsの抵抗器が前記容量Csのコンデンサと直列に配置される。このため前記降圧された駆動相および検知相の電圧はノイズカット手段を経て位相差検出手段に入力されるが、この時RC回路における時定数τの周波数応答の差が生じる。時定数τは下記の式で記載することができる。
Figure 2015208214
この時定数τの周波数応答差を低減するために、前記Cd、Rd、Cs、Rsの関係として、0.90≦CdRd/CsRs≦1.10であることが好ましい。周波数応答差を低減することで、位相差検出手段に入力される検知相の電圧と駆動相の電圧の位相差をより正確に判断することが可能となる。さらに好ましくは、CdRd/CsRs=1.00である。
図5は図1で示される本発明の振動波駆動装置において、検知相電圧降下手段の回路構成の概略図である。前記検知相電圧降下手段の抵抗器のうち、前記検知相ノイズカット手段と直列に配置されている抵抗値Rsの抵抗器と前記検知相ノイズカット手段と並列に配置されている抵抗値Rs´の抵抗器とが0.90≦Rs´/Rs≦1.10であることが好ましい。
これは前記分圧比で表現すると、11/21(1/1.91)より小さく9/19(1/2.11)より大きい分圧比である。この領域においては前記分圧比のバラツキを小さくすることが可能であり、またノイズ成分の影響も小さいため、より好ましい。さらに0.90≦Rs´/Rs≦1.10においては同一の抵抗値規格である抵抗器を用いることが可能であり、ノイズ成分の影響が更に小さくなり、量産時においてコストが低減する。さらに好ましくは、Rs´/Rs=1.00である。
(電気−機械エネルギー変換素子)
図6は、本発明の振動波駆動手段の電気−機械エネルギー変換素子(以下圧電素子とする)20の一実施形態を示す概略図である。図6(a)は本発明の圧電素子20の一方の面の概略平面図、図6(b)は図6(a)中のA−A線の位置の圧電素子20の断面図、図6(c)は本発明の圧電素子の図6(a)と圧電材料1を挟んでもう一方の面の概略平面図である。
図6(a)、(b)において、本発明に用いられる圧電素子20は以下のような構成である。すなわち、例えば厚み0.1mmから2.0mmで略均一な円環形状の一片の圧電材料1と、前記圧電材料1を挟んで前記圧電材料の第一の面11に設けられた共通電極2(接地電極)とを有する。さらには、前記圧電材料の第二の面12に設けられた駆動相電極3、4と、検知相電極8および非駆動相電極5を有する。駆動相電極3、4は、夫々第一の駆動相(これをA相という)に設けられた駆動相電極3および第二の駆動相(B相)に設けられた駆動相電極4である。各駆動相電極の間にはλ/4の奇数倍の間隔が一つ以上設けられており、その間隔部には検知相電極もしくは非駆動相電極が設けられている。検知相電極8は検知相に設けられた検知相電極であり、非駆動相電極5は自発的な圧電振動を起こさない非駆動相に設けられた非駆動相電極である。検知相とは、共通電極2と検知相電極8に挟まれた部分であり、非駆動相とは共通電極2と非駆動相電極5に挟まれた部分である。また、図6(c)に示すように、共通電極2は円環形状に配置されている。
A相及びB相の駆動相の圧電材料はλ/2のピッチで交互に逆方向に電界を印加して分極処理が施されている。そのため、同一方向の電界に対する圧電材料の伸縮極性は、λ/2のピッチ毎に互いに逆となる。また、A相とB相の駆動相電極は、λ/4の奇数倍の間隔を設けて配置されている。伸縮極性とは、電界の方向に対する圧電材料の面内もしくは面外方向の応力および歪の符号(+、−)を表す。
検知相電極8は、圧電材料1の第二の面上で、前記駆動相電極以外の場所に、例えば円周方向にλの整数倍以外の長さで設けられていて、例えばλ/4で設けられている。非駆動相電極5は、圧電材料1の第二の面上で、前記駆動相電極および前記検知相電極以外の場所に、例えば円周方向にλ/4の長さで設けられている。
ここで本発明の一片の圧電材料1とは、同じ組成の原料から同時に焼成して作られた組成が均一かつ繋ぎ目の無いセラミックス状の圧電材料を意味する。セラミックスは一般的に細かい結晶の集まりで、1つ1つの結晶は正の電荷を持つ原子と負の電荷を持つ原子から構成されている。セラミックスの多くはこの正の電荷と負の電荷のつりあいが取れた状態になっている。しかし、誘電体セラミックスのなかには、強誘電体と言って、自然状態でも、結晶中の正負の電荷のつりあいが取れておらず、電荷の偏り(自発分極)を生じているものがある。
焼成後の強誘電体セラミックスは、この自発分極の向きがバラバラで、セラミックス全体としては、見かけ上、電荷の偏りがないように見る。しかし、これに高い電圧を加えると、自発分極の向きが一様の方向にそろい、電圧を取り除いても元に戻らなくなる。このように自発分極の向きをそろえることを一般に分極処理という。また、分極処理が施された強誘電体セラミックスは外部から電圧を加えると、セラミックス内部の正負それぞれの電荷の中心が外部電荷と引き合ったり、しりぞけ合ったりして、セラミックス本体が伸びたり縮んだりする(逆圧電効果)。本発明の一片の圧電材料1とは、このように分極処理を施すことで逆圧電効果が生じるセラミックス材料のことを指し、少なくとも一片の圧電材料の一部が分極処理されているセラミックス材料を指す。
図7は、本発明に用いられる圧電素子20における、伸縮極性を示す概略図である。本発明の伸縮極性とは、圧電素子20の図6(a)に示す面(圧電素子20の第二の面)の電極に正の電圧を印加した際に、圧電素子20が円環方向に対して伸びるか縮むかを区別するものである。図7においては、圧電素子20が円環方向に対して伸びる場合を(+)、縮む場合を(−)で表している。図6に示す本発明に用いられる圧電素子20のA相及びB相の駆動相の圧電材料は、円環方向に沿ってλ/2のピッチで交互に逆方向となる分極処理が予め施されている。このため、A相及びB相の駆動相の圧電材料に同一方向の電圧を印加した際、A相及びB相の駆動相の圧電材料は逆圧電効果により円環方向に沿ってλ/2のピッチ毎に互いに逆に伸縮することができる。つまり、図7に示すように、A相及びB相の駆動相の圧電材料はλ/2のピッチ毎に互いに逆となる伸縮極性を有する。
本発明に用いられる圧電素子20における電極とは、円環形状である一片の圧電材料1のどちらかの面に設けられており、抵抗値が10Ω未満、好ましくは1Ω未満の導電体である。電極の抵抗値は、例えば共通電極2においては、円環形状の周方向、つまり共通電極のある地点と、円環の中心を挟んで中心対称となるある地点間の抵抗を回路計(電気テスター)で測定することで評価できる。また、例えば駆動相電極3の場合、円環形状の周方向に最も離れた地点間の抵抗を回路計(電気テスター)で測定することで評価できる。他の電極も同様の方法で評価できる。また、本発明の電極としては、AgペーストやAgの焼きつけ電極、Au/Tiのスパッタリング電極などが薄く、かつ抵抗値が小さいため好ましい。
本発明に用いられる圧電素子20における電極は、圧電材料1のどちらかの面に直接設けられている部分があれば、複数の電極の重ね合わせであっても構わない。例えば、前述したように、圧電素子20のA相及びB相の駆動相の圧電材料には、円環方向に沿ってλ/2のピッチで交互に逆方向となる分極処理が施されている。つまり、図7で示すように圧電素子20の伸縮極性が異なる。このような分極処理を行うためには、まず複数の分極用の電極を圧電材料1の一方の面(例えば図6(a)で示す圧電素子20の第二の面)に設ける。その上で、共通電極2を圧電材料1のもう一方の面(例えば図6(c)で示す圧電素子20の第一の面)に設けて分極処理を行うことが好ましい。そしてA相及びB相の駆動相電極3、4は、複数の分極用の電極を個別の電極で繋ぐ、もしくは複数の分極用の電極の上から別の電極を重ねることで設けることができる。
本発明に用いられる圧電素子20への給電部材としてはフレキシブルプリント基板であることが好ましい。
図8は、本発明に用いられる圧電素子20に給電部材を設置した一実施形態を示す概略図である。
図6に示す本発明に用いられる圧電素子において、給電部材9は圧電素子20の図6(a)の面に、かつ、駆動相電極3、4の一部、非駆動相電極、検知相電極に配置されている。フレキシブルプリント基板は寸法精度も高く、冶具等を用いることで位置決めも容易である。このため、給電部材9を圧電素子20に接続する際の位置ばらつき等によって生じる振動波駆動手段の振動性能のばらつきに起因した品質低下を抑制することができる。
フレキシブルプリント基板の接続には、エポキシ系接着剤等を用いて熱圧着することも可能である。ただし、好ましくは導電性を有する異方性導電ペースト(ACP)および異方性導電フィルム(ACF)を熱圧着することで導通不良の軽減やプロセス速度が向上するため、量産性の点で好ましい。
(圧電素子の脱分極温度)
本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子20は以下の構成を備えている。すなわち、一片の圧電材料1と、前記圧電材料1を挟んで前記圧電材料1の第一の面に設けられた共通電極2と、前記圧電材料1の第二の面に設けられた複数の電極を有している。前記一片の圧電材料1の脱分極温度Tdが80℃以上160℃以下であることが好ましい。
脱分極温度Tdが80℃以上160℃以下であると、フレキシブルプリント基板の接続工程において、量産性の点で好ましい異方性導電ペースト(ACP)および異方性導電フィルム(ACF)を熱圧着する際に以下の問題が生じる。すなわち、検知相電極における圧電材料1の一部分において脱分極が発生してしまう。一部分の脱分極により検知相電極から出力される電気信号が小さくなるため、検知相電圧降下手段に用いる分圧比を大きくすることが可能となる。その結果、検知相電圧降下手段におけるバラツキを低減することが期待できる。
脱分極温度Tdが80℃未満の場合、フレキシブルプリント基板の接続工程において、量産性の点で好ましい異方性導電ペースト(ACP)および異方性導電フィルム(ACF)を熱圧着する際に、検知相電極における圧電材料1が脱分極してしまう怖れがある。その結果、モーター駆動を行った際に検知相から出力される電圧値が低くなりすぎて位相差検出手段での検出ができなくなる恐れがある。一方脱分極温度Tdが160℃よりも高いと、圧電材料1の一部分を脱分極するために必要となる温度が高くなってしまい、周辺部材への影響が生じる恐れがあり好ましくない。さらに好ましい圧電材料1の脱分極温度Tdは95℃以上160℃以下である。
圧電材料1に対し、分極処理がなされなかった場合、圧電効果は生じない。また、分極処理が不十分である場合は、十分に分極処理がなされた場合と比較して圧電効果が小さくなる。さらに、圧電材料を圧電材料のキュリー温度(Tc)以上の温度、もしくは、脱分極温度(Td)以上の温度で加熱処理を施した場合、圧電効果は低下する。また、キュリー温度以下、もしくは脱分極温度以下の温度であっても、近傍の温度であれば圧電効果は加熱処理を施していない場合と比較して低下がみられる場合がある。このように、仮に全く同じ圧電材料であったとしても、分極処理条件、加熱処理条件等により、圧電材料の圧電効果の大きさは変化する。さらに、一片の圧電材料であっても、その一部のみをキュリー温度以上、もしくは、脱分極温度以上の温度で加熱処理する等の処理を施すことにより、圧電材料の圧電効果の大きさは部分的に変化する。本発明の圧電材料の圧電定数とはこのような一片の圧電材料のある一部の圧電定数を指す。
本発明において、キュリー温度(Tc)とは、圧電材料1の強誘電性が消失する温度をいう。その特定方法は、圧電材料の強誘電性が消失する温度を直接測定する方法、および、微小交流電界を用いて圧電材料の誘電率を測定し、誘電率が極大を示す温度から求める方法である。また本発明において、脱分極温度(Td)とは、圧電材料1の逆圧電効果が著しく低下する温度をいう。その特定方法は、分極処理をして充分時間が経過した圧電材料に対し、まず、室温にて圧電定数を測定し、次に室温からある温度(例えばTd)まで圧電材料を加熱した後、再度室温にて圧電定数を測定する方法である。本発明においては加熱後の圧電定数が加熱前の圧電定数の95%以下となる温度を脱分極温度Tdとする。
前記フレキシブルプリント基板8の接続に熱圧着を用いる場合、圧電材料1のキュリー温度、もしくは脱分極温度が熱圧着温度と同程度の温度、もしくはそれ以下の温度となる圧電材料を選択するとよい。そのことにより、たとえ圧電素子20の検知相電極8が配置された部分が予め分極処理されていたとしても、低い圧電効果を示すことになる。低い圧電効果のため、検知相より出力される電圧の値が低くなるため、位相差検知手段の前に設置された電圧降下手段の分圧比を小さくすることが可能となり、電圧降下手段における分圧比のバラツキを小さくすることが可能となる。
(圧電素子の圧電定数)
本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子20は、前記第二の面に設けられた複数の電極が少なくとも複数の駆動相電極、検知相電極8、および非駆動相電極5を有している。以下の2つの部分の圧電定数に注目する。複数の駆動相電極と共通電極2に挟まれた部分の圧電材料(1)の圧電定数の絶対値d(1)(以降、d(1)とも記す。)と、検知相電極8と共通電極2に挟まれた部分の圧電材料(2)の圧電定数の絶対値d(2)(以降、d(2)とも記す。)である。その関係が、d(1)>d(2)を満たすことが好ましい。
ここで検知相電極8と共通電極2に挟まれた部分とは、検知相電極8と共通電極2の2つの電極面に垂直な線と前記圧電材料が交わる領域の事を指す。ただし、検知相電極8と共通電極2が並行で無い場合は、検知相電極8と検知相電極8を共通電極2に射影した面の2つの電極面に垂直な線と前記圧電材料が交わる領域の事を指す。以下、「挟まれた部分」と説明するときは、このような意味として使用する。非駆動相電極5と共通電極2に挟まれた部分、駆動相電極3、4と共通電極2に挟まれた部分についても同義である。
本発明の圧電定数の絶対値d(1)、圧電定数の絶対値d(2)を評価する方法は以下の通りである。圧電素子20を給電部材9から剥す。そして、圧電素子20の所望の部分を切り取り、ベルリンコート法により評価する。具体的には、圧電定数の絶対値d(1)を評価する場合は駆動相電極が配置された一部分を切り取り、また圧電定数の絶対値d(2)を評価する場合は検知相電極が配置された一部分を前記駆動相電極が配置された一部分と同程度の面積となる部分を切り取る。その上で、ベルリンコート法により評価することが好ましい。
ベルリンコート法で評価できる圧電定数は正圧電効果によるd33定数である。一般に、たわみ振動を利用した円環形状の振動波モーターの場合、圧電定数dは電極間に単位電界を与えた場合に電界と垂直な面へ生じる歪量(逆圧電効果)を指し、d31やd32定数で評価することが好ましい。しかし、本発明では圧電定数の絶対値d(1)と圧電定数の絶対値d(2)とを比較できればよい。このため、前述の方法でd33定数の絶対値を評価することにより、それぞれの圧電定数を比較することができる。
圧電材料(2)の圧電定数の絶対値d(2)が、圧電材料(1)の圧電定数の絶対値d(1)より小さいことにより、前記圧電素子20を駆動したときに、検知相電極から出力される電圧値は、駆動相電極に入力した電圧値よりも小さくできる。そのため、検知相電圧降下手段に用いる抵抗分圧回路の分圧比を小さくすることが可能となり、電圧降下手段における分圧比による検知相電圧のバラツキを抑制することができる。
さらに本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子20は、前記d(1)と前記d(2)と前記非駆動相電極5と前記共通電極2に挟まれた部分の前記圧電材料(3)の圧電定数の絶対値d(3)(以降、d(3)とも記す。)との関係が、d(1)>d(3)≧d(2)を満たすことがより好ましい。
本発明の圧電定数の絶対値d(3)を評価する方法は、前記圧電定数の絶対値d(1)、圧電定数の絶対値d(2)と同様の方法で評価する。具体的には、圧電定数の絶対値d(3)を評価する場合は非駆動相電極5が配置された一部分を前記駆動相電極が配置された一部分と同程度の面積となる部分を切り取り、ベルリンコート法により評価することが好ましい。
圧電定数d(3)の絶対値を圧電定数d(1)の絶対値より小さくすることで、前記圧電素子20を駆動した時にd(3)の圧電定数を持つ部分の圧電材料から励起される振動が小さくなる。そのため、前記他の振動モードの影響を低減することが可能となり、検知相電極から出力される電圧のバラツキをより低減することができる。
(圧電材料)
本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子20の圧電材料1は特に限定されず、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸バリウム、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウムナトリウム、鉄酸ビスマスなどの圧電セラミックスや、これらを主成分とした圧電セラミックス等を用いることが出来る。
本発明の振動波駆動装置に用いられる圧電素子20の圧電材料1は鉛の含有量が1000ppm未満であることがより好ましい。従来の圧電素子20において、圧電材料はそのほとんどがジルコン酸チタン酸鉛を主成分とする圧電セラミックスである。このため、例えば圧電素子が廃却され酸性雨を浴びたり、過酷な環境に放置されたりした際、圧電材料中の鉛成分が土壌に溶け出し生態系に害を成す可能性が指摘されている。しかし、鉛の含有量が1000ppm未満であれば、例えば圧電素子が廃却され酸性雨を浴びたり、過酷な環境に放置されたりしても、圧電材料1中の鉛成分が環境に悪影響を及ぼす可能性は低い。
圧電材料1の鉛の含有量は、例えば蛍光X線分析(XRF)、ICP発光分光分析により定量された圧電材料1の総重量に対する鉛の含有量によって評価することができる。
さらに本発明の圧電材料1は鉛を含まない圧電材料の中では、チタン酸バリウムを主成分とする圧電セラミックスであることがより好ましい。鉛成分を含まない圧電セラミックスの中で、チタン酸バリウムを主成分とする圧電セラミックスは圧電定数の絶対値dが大きい。従って、同じ歪量を得るために必要な電圧が小さくできる。このため、本発明の圧電材料1は、環境面も考慮し、チタン酸バリウムを主成分とする圧電セラミックスであることがより好ましい。
圧電材料1は下記一般式(1)
(Ba1−xCa(Ti1−yZr)O (1)(1.00<b≦1.02、0.020≦x≦0.300、0.020≦y≦0.095)
で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とし、前記金属酸化物にMnが含有されている。前記Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下であることで表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とすることが好ましい。
本発明において、ペロブスカイト型金属酸化物とは、岩波理化学辞典 第5版(岩波書店 1998年2月20日発行)に記載されているような、理想的には立方晶構造であるペロブスカイト構造(ペロフスカイト構造とも言う)を持つ金属酸化物を指す。ペロブスカイト構造を持つ金属酸化物は一般にABOの化学式で表現される。ペロブスカイト型金属酸化物において、元素A、Bは各々イオンの形でAサイト、Bサイトと呼ばれる単位格子の特定の位置を占める。例えば、立方晶系の単位格子であれば、A元素は立方体の頂点、B元素は体心に位置する。O元素は酸素の陰イオンとして立方体の面心位置を占める。
前記一般式(1)で表わされる金属酸化物は、Aサイトに位置する金属元素がBaとCa、Bサイトに位置する金属元素がTiとZrであることを意味する。ただし、一部のBaとCaがBサイトに位置してもよい。同様に、一部のTiとZrがAサイトに位置してもよい。
一般式(1)における、Bサイトの元素とO元素のモル比は1対3であるが、モル比が若干ずれた場合でも、金属酸化物がペロブスカイト構造を主相としていれば、本発明の範囲に含まれる。
金属酸化物がペロブスカイト構造であることは、例えば、X線回折や電子線回折による構造解析から判断することができる。
一般式(1)において、AサイトにおけるCaのモル比を示すxは、0.020≦x≦0.300の範囲である。xが0.020より小さいと誘電損失(tanδ)が増加する恐れがある。誘電損失が増えると、圧電素子20に電圧を印加して駆動させた際に発生する発熱が増え、駆動効率が低下する恐れがある。一方で、xが0.300より大きいと圧電特性が充分でなくなる恐れがある。
一般式(1)において、BサイトにおけるZrのモル比を示すyは、0.020≦y≦0.095の範囲である。yが0.020より小さいと、圧電特性が充分でなくなる恐れがある。一方で、yが0.095より大きいと脱分極温度(Td)が80℃未満と低くなり、高温において圧電材料1の逆圧電効果が消失する恐れがある。
また、一般式(1)において、AサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTiとZrのモル量との比を示すbは、1.00<b≦1.02の範囲であることが好ましい。bが1.00以下であると異常粒成長が生じ易くなり、圧電材料1の機械的強度が低下してしまう恐れがある。一方で、bが1.02より大きくなると粒成長に必要な温度が高くなり過ぎ、一般的な焼成炉では密度が充分に大きくならなかったり、圧電材料1内にポアや欠陥が多数存在してしまったりする恐れがある。
圧電材料1の組成を測定する手段は特に限定されない。手段としては、X線蛍光分析、ICP発光分光分析、原子吸光分析などが挙げられる。いずれの手段においても、圧電材料1に含まれる各元素の重量比および組成比を算出できる。
圧電材料1は、前記一般式(1)で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とし、前記金属酸化物にMnが含有されている。前記Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下であることが好ましい。
前記範囲のMnを含有すると、絶縁性や機械的品質係数Qmが向上する。ここで、機械的品質係数Qmとは、圧電素子を振動子として評価した際に振動による弾性損失を表す係数である。機械的品質係数の大きさは、インピーダンス測定における共振曲線の鋭さとして観察される。つまり圧電素子の共振の鋭さを表す定数である。機械的品質係数Qmが大きいと、共振周波数付近で圧電素子の歪量がより大きくなり、効果的に圧電素子を振動させることができる。
絶縁性と機械的品質係数の向上は、TiやZrと価数が異なるMnによって欠陥双極子が導入されて内部電界が発生することに由来すると考えられる。内部電界が存在すると、圧電素子20に電圧を印加し駆動させた際に、圧電素子20の信頼性が確保できる。
ここで、Mnの含有量を示す金属換算とは、圧電材料1から蛍光X線分析(XRF)、ICP発光分光分析、原子吸光分析などにより測定されたBa、Ca、Ti、ZrおよびMnの各金属の含有量を算出する。その含有量から、一般式(1)で表わされる金属酸化物を構成する元素を酸化物換算し、その総重量を100としたときに対するMn重量との比によって求められた値を表す。
Mnの含有量が0.02重量部未満であると、圧電素子20の駆動に必要な分極処理の効果が充分でなくなる恐れがある。一方、Mnの含有量が0.40重量部より大きくなると、圧電特性が充分でなくなることや、圧電特性に寄与しない六方晶構造の結晶が発現する恐れがある。
Mnは金属Mnに限らず、Mn成分として圧電材料に含まれていれば良く、その含有の形態は問わない。例えば、Bサイトに固溶していても良いし、粒界に含まれていてもかまわない。または、金属、イオン、酸化物、金属塩、錯体などの形態でMn成分が圧電材料1に含まれていても良い。より好ましい含有の形態は、絶縁性や焼結容易性という観点からBサイトに固溶することである。Bサイトに固溶された場合、AサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTi、ZrおよびMnのモル量の比をA2/B2とすると、好ましいA2/B2の範囲は0.993≦A2/B2≦0.998である。
また、前記圧電材料1は、一般式(1)に示す金属酸化物100重量部に対して、Biを金属換算で0.042重量部以上0.850重量部以下含有してもよい。前記金属酸化物に対するBiの含有量は、例えばICP−MS組成分析によって測定可能である。Biはセラミックス状の圧電材料の粒界にあっても良いし、(Ba,Ca)(Ti,Zr)Oのペロブスカイト型構造中に固溶していても良い。Biが粒界に存在すると、粒子間の摩擦が低減され機械的品質係数が増加する。他方、Biがペロブスカイト構造を形成する固溶体に取り込まれると、相転移温度が低温化することから圧電定数の温度依存性が小さくなり、機械的品質係数がさらに向上する。Biが固溶体に取り込まれた時の位置が、Aサイトである前記Mnとの電荷バランスが良くなるため好ましい。
圧電材料1は、前記一般式(1)およびMn以外の成分(以下、副成分)を特性が変動しない範囲で含んでいてもよい。副成分は、一般式(1)で表現される金属酸化物100重量部に対してその合計が1.2重量部より少ないことが好ましい。副成分が1.2重量部を超えると、圧電材料1の圧電特性や絶縁特性が低下する恐れがある。また、副成分のうち前記Ba、Ca、Ti、Zr、Mn以外の金属元素の含有量は、圧電材料1に対して酸化物換算で1.0重量部以下、または金属換算で0.9重量部以下であることが好ましい。本発明の金属元素とはSi、Ge、Sbのような半金属元素も含む。副成分のうち前記Ba、Ca、Ti、Zr、Mn以外の金属元素の含有量が、圧電材料1に対して酸化物換算で1.0重量部、または金属換算で0.9重量部を超えると、圧電材料1の圧電特性や絶縁特性が著しく低下する恐れがある。副成分のうち、Li、Na、Mg、Al元素の合計は、圧電材料1に対して金属換算で0.5重量部以下であることが好ましい。副成分のうち、Li、Na、Mg、Al元素の合計が、圧電材料1に対して金属換算で0.5重量部を超えると、焼結が不十分となる恐れがある。副成分のうち、Y、V元素の合計は、圧電材料1に対して金属換算で0.2重量部以下であることが好ましい。副成分のうち、Y、V元素の合計が圧電材料1に対して金属換算で0.2重量部を超えると、分極処理が困難になる恐れがある。
副成分の例として、SiやCu、Bといった焼結助剤が挙げられる。また、BaおよびCaの市販原料に不可避成分として含まれる程度のSrやMgは、本発明の圧電材料に含んでいてもよい。同じく、Tiの市販原料に不可避成分として含まれる程度のNbと、Zrの市販原料に不可避成分として含まれる程度のHfは、本発明の圧電材料1に含んでいてもよい。
副成分の重量部を測定する手段は特に限定されない。手段としては、蛍光X線分析(XRF)、ICP発光分光分析、原子吸光分析などが挙げられる。
(光学機器)
次に、本発明の光学機器について説明する。本発明の光学機器は、前記振動波駆動装置を備えたことを特徴とする。
図9は、本発明の光学機器の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の主要断面図である。また、図10は本発明の光学機器の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の分解斜視図である。カメラとの着脱マウント711には、固定筒712と、直進案内筒713、前群鏡筒714が固定されている。これらは交換レンズ鏡筒の固定部材である。
直進案内筒713には、フォーカスレンズ702用の光軸方向の直進案内溝713aが形成されている。フォーカスレンズ702を保持した後群鏡筒716には、径方向外方に突出するカムローラ717a、717bが軸ビス718により固定されており、このカムローラ717aがこの直進案内溝713aに嵌まっている。
直進案内筒713の内周には、カム環715が回動自在に嵌まっている。直進案内筒713とカム環715とは、カム環715に固定されたローラ719が、直進案内筒713の周溝713bに嵌まることで、光軸方向への相対移動が規制されている。このカム環715には、フォーカスレンズ702用のカム溝715aが形成されていて、カム溝715aには、前述のカムローラ717bが同時に嵌まっている。
固定筒712の外周側にはボールレース727により固定筒712に対して定位置回転可能に保持された回転伝達環720が配置されている。回転伝達環720には、回転伝達環720から放射状に延びた軸720fにコロ722が回転自由に保持されており、このコロ722の径大部722aがマニュアルフォーカス環724のマウント側端面724bと接触している。またコロ722の径小部722bは接合部材729と接触している。コロ722は回転伝達環720の外周に等間隔に6つ配置されており、それぞれのコロが上記の関係で構成されている。
マニュアルフォーカス環724の内径部には低摩擦シート(ワッシャ部材)733が配置され、この低摩擦シートが固定筒712のマウント側端面712aとマニュアルフォーカス環724の前側端面724aとの間に挟持されている。また、低摩擦シート733の外径面はリング状とされマニュアルフォーカス環724の内径724cと径嵌合しており、更にマニュアルフォーカス環724の内径724cは固定筒712の外径部712bと径嵌合している。低摩擦シート733は、マニュアルフォーカス環724が固定筒712に対して光軸周りに相対回転する構成の回転環機構における摩擦を軽減する役割を果たす。
なお、コロ722の径大部722aとマニュアルフォーカス環のマウント側端面724bとは、波ワッシャ726が振動波モーターである超音波モーター725をレンズ前方に押圧する力により、加圧力が付与された状態で接触している。また同じく、波ワッシャ726が超音波モーター725をレンズ前方に押圧する力により、コロ722の径小部722bと接合部材729の間も適度な加圧力が付与された状態で接触している。波ワッシャ726は、固定筒712に対してバヨネット結合したワッシャ732によりマウント方向への移動を規制されており、波ワッシャ726が発生するバネ力(付勢力)は、超音波モーター725、更にはコロ722に伝わり、マニュアルフォーカス環724が固定筒712のマウント側端面712aを押し付け力ともなる。つまり、マニュアルフォーカス環724は、低摩擦シート733を介して固定筒712のマウント側端面712aに押し付けられた状態で組み込まれている。
従って、不図示の制御部により超音波モーター725が固定筒712に対して回転駆動されると、接合部材729がコロ722の径小部722bと摩擦接触しているため、コロ722が軸720f中心周りに回転する。コロ722が軸720f回りに回転すると、結果として回転伝達環720が光軸周りに回転する(オートフォーカス動作)。
また、不図示のマニュアル操作入力部からマニュアルフォーカス環724に光軸周りの回転力が与えられると以下のように作用する。
すなわち、マニュアルフォーカス環724のマウント側端面724bがコロ722の径大部722aと加圧接触しているため、摩擦力によりコロ722が軸720f周りに回転する。コロ722の径大部722aが軸720f周りに回転すると、回転伝達環720が光軸周りに回転する。このとき超音波モーター725は、ローター725cとステーター725bの摩擦保持力により回転しないようになっている(マニュアルフォーカス動作)。
回転伝達環720には、フォーカスキー728が2つ互いに対向する位置に取り付けられており、フォーカスキー728がカム環715の先端に設けられた切り欠き部715bと嵌合している。従って、オートフォーカス動作或いはマニュアルフォーカス動作が行われて、回転伝達環720が光軸周りに回転させられると、その回転力がフォーカスキー728を介してカム環715に伝達される。カム環が光軸周りに回転させられると、カムローラ717aと直進案内溝713aにより回転規制された後群鏡筒716が、カムローラ717bによってカム環715のカム溝715aに沿って進退する。これにより、フォーカスレンズ702が駆動され、フォーカス動作が行われる。
ここで本発明の光学機器として、一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒について説明したが、コンパクトカメラ、電子スチルカメラ等、カメラの種類を問わず、振動波駆動装置を備えた光学機器に適用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明の振動波駆動装置および光学機器を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。なお、実施例は、図面に基づいて、図面中の符号を用いて説明する。
(実施例1)
圧電材料1としては市販のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて図11(a)に示す円環形状の圧電材料1を作製した。チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のキュリー温度は310℃である。
次に、円環形状の圧電材料1に、銀ペーストのスクリーン印刷によって、一方の面には図11(c)に示すように共通電極2を、もう一方の面には図11(b)に示すように、分極用電極33、非駆動相電極(グランド電極)5、および検知相電極8を形成した。この時、図11(b)に示す各電極の隣り合う電極間距離は0.5mmとした。
次に、共通電極2と、分極用電極33、グランド電極5、および検知相電極8の間に、圧電素子の伸縮極性が図7のようになるように、直流電源を用いて空気中で分極処理を行った。電圧は0.6kV/mmの電界がかかる大きさとし、温度および電圧印加時間はそれぞれ220℃、30分とした。
次に図11(d)に示すように、分極用電極33を繋ぐため、銀ペーストによって接続電極19a、19bを形成し、圧電素子20を得た。銀ペーストの乾燥は圧電材料1のキュリー温度より十分低い温度で行った。ここで、駆動相電極3の抵抗値を回路計(電気テスター)で測定した。テスターの一方は検知相電極8に最も近い分極用電極33上に、もう一方は駆動相電極3のうち円環形状の周方向に最も離れた分極用電極33上に接触させた。その結果、電極の抵抗値は0.6Ωであった。
次に図11(e)に示すように、圧電素子20に、エポキシ系接着剤を用いてフレキシブルプリント基板9を室温下において圧着し、給電部材付き圧電素子30を作製した。
次に、図12に示すように、SUS製の振動板13に前記給電部材付き圧電素子30を熱圧着し、振動板13とすべてのグランド電極5を銀ペーストからなる短絡配線10で接続し、振動波モーター用ステーター40を作製した。振動板の熱圧着および銀ペーストの乾燥は圧電材料1のキュリー温度より十分低い温度で行った。図12(a)は振動波モーター用ステーター40の一方の面の概略平面図、図12(b)は図12(a)中のB−B線の位置の振動波モーター用ステーター40の断面図、図12(c)は図12(a)と圧電素子20を挟んでもう一方の面の概略平面図である。
以上のようにして作製した振動波モーター用ステーター40にローターを加圧接触させて実施例1の振動波駆動手段を作製した。
さらに前記振動波駆動手段の他に、図1に示す構成図となるように駆動相電圧降下手段、検知相電圧降下手段、駆動相ノイズカット手段、検知相ノイズカット手段、位相差検出手段、制御手段、駆動相電力出力手段、駆動相電圧上昇手段を配置した。このようにして、実施例1の振動波駆動装置を作製した。
また前記検知相電圧降下手段および前記駆動相電圧降下手段には2つの抵抗器よりなる抵抗分圧回路を用い、各々2つの抵抗器の部品誤差が5%のものを用いた。さらに前記検知相電圧降下手段においては1/16の分圧比となるように抵抗器を設置した。
(実施例2)
駆動相電圧降下手段における分圧比を1/9とした事以外は実施例1と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例3)
圧電材料1として、以下の材料を用いて図11(a)に示す円環形状の圧電材料1を作製した。
まず、原料となる平均粒径100nmのチタン酸バリウム(堺化学工業製:BT−01(商品名))、平均粒径300nmのチタン酸カルシウム(堺化学工業製:CT−03(商品名))、平均粒径300nmのジルコン酸カルシウム(堺化学工業製:CZ−03(商品名))をモル比で84.0対10.0対6.0になるように秤量した。
次に、これらの秤量粉を、ボールミルを用いて24時間の乾式混合によって混合して混合粉を得た。得られた混合粉を造粒するために、混合粉100重量部に対してMn重量が金属換算で0.26重量部となる酢酸マンガン(II)と混合粉に対して3重量部となるPVAバインダーを、それぞれスプレードライヤー装置を用いて、混合粉表面に付着させた。
次に、得られた造粒粉を金型に充填し、プレス成型機を用いて200MPaの成形圧をかけて円盤状の成形体を作製した。この成形体は冷間等方加圧成型機を用いて更に加圧しても良い。
得られた成形体を電気炉に入れ、1380℃の最高温度で5時間保持し、合計24時間かけて大気雰囲気で焼結した。
次に、焼結した圧電材料1を円環形状にそれぞれ研削加工した。研削加工によって得られた円環形状の圧電材料1に、銀ペーストのスクリーン印刷によって、一方の面には図11(c)に示すように共通電極2を形成した。もう一方の面には図11(b)に示すように、分極用電極33、グランド電極5、および検知相電極8を形成した。この時、図11(b)に示す各電極の隣り合う電極間距離は0.5mmとした。
次に、共通電極2と、分極用電極33、グランド電極5、および検知相電極8の間に、圧電素子の伸縮極性が図7のようになるように、直流電源を用いて空気中で分極処理を行った。電圧は1.0kV/mmの電界がかかる大きさとし、温度および電圧印加時間はそれぞれ100℃、60分とした。また、電圧は降温中40℃になるまで印加した。
次に図11(d)に示すように、分極電極33を繋ぐため、銀ペーストによって接続電極19a、19bを形成し、圧電素子20を得た。銀ペーストの乾燥は圧電材料1のキュリー温度より十分低い温度で行った。ここで、駆動相電極3の抵抗値を回路計(電気テスター)で測定した。テスターの一方は検知相電極8に最も近い分極用電極33上に、もう一方は駆動相電極3のうち円環形状の周方向に最も離れた分極用電極33上に接触させた。その結果、電極の抵抗値は0.6Ωであった。
次に図11(e)に示すように、圧電素子20に、エポキシ系接着剤を用いてフレキシブルプリント基板9を室温下において圧着し、給電部材付き圧電素子30を作製した。
次に、図12に示すように、SUS製の振動板13に前記給電部材付き圧電素子30を熱圧着し、振動板13とすべてのグランド電極5を銀ペーストからなる短絡配線10で接続し、振動波モーター用ステーター40を作製した。振動板の熱圧着および銀ペーストの乾燥は圧電材料1のキュリー温度より十分低い温度で行った。図12(a)は振動波モーター用ステーター40の一方の面の概略平面図、図12(b)は図12(a)中のB−B線の位置の振動波モーター用ステーター40の断面図、図12(c)は図12(a)と圧電素子20を挟んでもう一方の面の概略平面図である。
以上のようにして作製した振動波モーター用ステーター40にローターを加圧接触させて実施例3の振動波駆動手段を作製した。
さらに前記振動波駆動手段の他に、図1に示す構成図となるように駆動相電圧降下手段、検知相電圧降下手段、駆動相ノイズカット手段、検知相ノイズカット手段、位相差検出手段、制御手段、駆動相電力出力手段、駆動相電圧上昇手段を配置した。このように、実施例3の振動波駆動装置を作製した。
また前記検知相電圧降下手段および前記駆動相電圧降下手段には2つの抵抗器よりなる抵抗分圧回路を用い、各々2つの抵抗器の部品誤差が5%のものを用いた。さらに前記検知相電圧降下手段においては1/16の分圧比となるように抵抗器を設置した。
(実施例4)
検知相電圧降下手段における分圧比を13/123とした事以外は実施例3と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例5)
駆動相電圧降下手段におけるR1の抵抗器の抵抗値Rdと駆動相ノイズカット手段におけるコンデンサの容量Cdおよび、検知相電圧降下手段におけるR1の抵抗器の抵抗値Rsと駆動相ノイズカット手段におけるコンデンサの容量Csに注目する。図4に示すように仕様値でCdRd/CsRs=1となるようにしたこと以外は実施例4と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例6)
圧電素子20に異方性導電ペースト(ACP)を用いてフレキシブルプリント基板9のうち検知相電極の温度が105℃以上にならないように熱圧着し給電部材付き圧電素子30を作製した。検知相電圧降下手段における分圧比を1/2とした事以外は実施例5と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例7)
検知相電圧降下手段および駆動相電圧降下手段に用いる各々2つの抵抗器の部品誤差が10%のものを用いた事以外は実施例6と同様に振動波駆動装置を作製した。
(比較例1)
検知相電圧降下手段における分圧比を1/28とした事以外は実施例1と同様に振動波駆動装置を作製した。
(比較例2)
圧電素子20に異方性導電ペースト(ACP)を用いてフレキシブルプリント基板9を140℃にて熱圧着し、給電部材付き圧電素子30を作製した事以外は比較例1と同様に振動波駆動装置を作製した。
(比較例3)
検知相電圧降下手段および駆動相電圧降下手段に用いる各々2つの抵抗器の部品誤差が10%のものを用いた事以外は比較例2と同様に振動波駆動装置を作製した。
以上のように作製した実施例および比較例の振動波駆動装置を用いて以下の評価を行った。すなわちローターの負荷を150g・cm、70Vピークピーク値の交番電圧を入力した際の振動波モーターの右回転および左回転での交番電圧の周波数を掃印した際の回転速度と検知相から出力された電圧値を駆動性能として評価した。実施例および比較例各々において以下の項目の評価を行った。すなわち、5サンプルの駆動結果の個体差と、位相差検出手段が認識することができる最低電圧(0.15V)と、位相差検出手段による駆動制御を行うための検出許容誤差(30°)である。加えて、検知相電圧降下手段における分圧比バラツキから算出した検知相が駆動開始時に最低出力する必要がある電圧(駆動開始検出可能最低電圧)とを評価し、その時の回転速度を下記の表1に示した。
また、実施例および比較例の円環形状の圧電素子20を参照用に1つ抜き取り、駆動相電極3の中央部付近にある分極用電極33が配置された部分から、長さがλ/4相当、幅が分極用電極幅相当のアスペクト比の直方体を切り抜いた。この直方体状圧電材料の誘電率変化を、恒温槽中で温度を上昇させながら誘電率の変化を測定することで、誘電率が極大となる温度Tcを測定した。また、同様に切り抜いた別の直方体状の圧電材料をホットプレート上で10分間加熱保持した圧電素子を、ベルリンコート法を用いた圧電定数測定装置d33メーター(アルファ株式会社)により、室温においてd33定数の測定を行った。この評価を加熱保持の温度を5℃刻みで順次上昇させながら繰り返し、圧電定数が当初の95%以下となる脱分極温度Tdを評価した。下記の表1に実施例および比較例の結果を示す。
さらに、実施例および比較例の振動波モーター用ステーター40をアセトン中、超音波洗浄機中に1昼夜浸し、SUS製の振動板13とフレキシブルプリント基板9から円環状の圧電素子20を剥した。次に、駆動相電極3の中央部付近にある分極用電極33が配置された部分から直方体を切り取り、圧電定数の絶対値d(1)評価用の圧電素子とした。同様に、検知相電極が配置された領域からは圧電定数の絶対値d(2)の評価用圧電素子を、非駆動相領域が配置された領域からは圧電定数の絶対値d(3)の評価用圧電素子を切り出した。
これらの評価用圧電素子についてベルリンコート法で室温においてd33定数の測定を行い、圧電定数の絶対値d(1)、圧電定数の絶対値d(2)、圧電定数の絶対値d(3)を評価した。下記の表1に実施例および比較例の結果を示す。
Figure 2015208214
(注)材料は下記の化合物を示す。
PZT=Pb(Zr,Ti)O
BCTZ−Mn=(Ba0.84Ca0.16)(Ti0.94Zr0.06)O (100重量部+Mn(0.26重量部))
実施例1から実施例7の検知相電圧降下手段の分圧比は、抵抗器のバラツキを考慮したとしても1/1から1/20の領域であった。駆動開始検出可能最低電圧が5.8V以下と低く回転速度が10rpmよりも小さい領域から検出することが可能であり、回転初期におけるフィードバック制御が可能であった。一方、比較例1から比較例3においては、駆動開始検出可能最低電圧が10.2V以上と高く、回転速度が10rpmよりも小さい回転初期におけるフィードバック制御ができなかった。
実施例1と実施例2を比較すると、実施例2の方が分圧比が1/9と大きいため、駆動開始検出可能最低電圧が低く、検出が可能となる回転速度が低かった。
実施例3と実施例4および実施例5を比較すると、実施例4および実施例5の方が分圧比が13/123(1/9.46)と大きいため、駆動開始検出可能最低電圧が低く、検出が可能となる回転速度が低かった。
実施例4と実施例5を比較すると、分圧比は同じであるが、実施例5においてはCdRd/CsRsが0.90≦CdRd/CsRs≦1.10を満たしているため、駆動開始検出可能最低電圧が低く、検出が可能となる回転速度が低かった。
実施例6、7では給電部材をACPとすることで検知相電極の圧電特性が低下したが、位相差検出手段において検知相電極からの電気信号を識別することができた。抵抗値Rs’とすると、また検知相電圧降下手段の分圧比が大きく、かつ0.90≦CdRd/CsRs≦1.10および0.90≦Rs’/Rs≦1.10を満たす。さらには、圧電材料1のTdが80℃以上160℃以下であり、d(1)>d(3)≧d(2)を満たすため、駆動開始検出可能最低電圧を低くすることが可能となる。その結果、検出が可能となる回転速度が10rpmよりも小さく回転初期におけるフィードバック制御が可能であった。また同一の抵抗値規格である抵抗器を用いることが可能であり、製造コストを低減できた。
実施例6と実施例7を比較する。検知相電圧降下手段の分圧比を1/2とすることで、検知相電圧降下手段および駆動相電圧降下手段に用いる各々2つの抵抗器の部品誤差を5%から10%に変更したとしても、駆動開始検出可能最低電圧を低くすることが可能であった。検出が可能となる回転速度が10rpmよりも小さく回転初期におけるフィードバック制御が可能であった。実施例7においては部品誤差を大きくすることが可能であり、さらに製造コストの低減効果が期待できる。
一方、比較例2と比較例3を比較する。検知相電圧降下手段および駆動相電圧降下手段に用いる各々2つの抵抗器の部品誤差を5%から10%に変更することで駆動開始検出可能最低電圧が高くなった。その結果、検出するための回転速度が15rpm以上を要するため不適であった。
また、圧電材料1として下記一般式(1)
(Ba1−xCa(Ti1−yZr)O (1)(1.00<b≦1.02、0.020≦x≦0.300、0.020≦y≦0.095)
で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とする。前記圧電材料にMnが含有されており、前記Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下で表わされる圧電材料を用いる。その限りにおいては、実施例3〜7と同等の駆動性能が得られ、回転初期におけるフィードバック制御が可能であることを確認した。
(実施例8)
実施例3と同様のチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウムをモル比で86.0対8.0対6.0になるように秤量した。さらに、これらの秤量粉100重量部に対してBi重量が金属換算で0.18重量部となるように酸化ビスマス((株)高純度化学社製、純度99.9%以上)を秤量し、これらの秤量粉を、ボールミルを用いて24時間の乾式混合によって混合して混合粉を得た。得られた混合粉を造粒するために、混合粉100重量部に対してMn重量が金属換算で0.14重量部となる酢酸マンガン(II)と混合粉に対して3重量部となるPVAバインダーを、それぞれスプレードライヤー装置を用いて、混合粉表面に付着させた。
次に、得られた造粒粉を金型に充填し、プレス成型機を用いて200MPaの成形圧をかけて円盤状の成形体を作製した。この成形体は冷間等方加圧成型機を用いて更に加圧しても構わない。
得られた成形体を電気炉に入れ、1340℃の最高温度で5時間保持し、合計24時間かけて大気雰囲気で焼結した。
次に、焼結した圧電材料1を円環形状にそれぞれ研削加工し、得られた円環形状の圧電材料1を用いて実施例3と同様に振動波モーター用ステーター40を作製し、ローターを加圧接触させて実施例8の振動波駆動手段を作製した。
さらに前記振動波駆動手段の他に、図1に示す構成図となるように作成した。すなわち、駆動相電圧降下手段、検知相電圧降下手段、駆動相ノイズカット手段、検知相ノイズカット手段、位相差検出手段、制御手段、駆動相電力出力手段、駆動相電圧上昇手段を配置し、実施例8の振動波駆動装置を作製した。
また前記検知相電圧降下手段および前記駆動相電圧降下手段には2つの抵抗器よりなる抵抗分圧回路を用い、各々2つの抵抗器の部品誤差が5%のものを用いた。さらに前記検知相電圧降下手段においては1/16の分圧比となるように抵抗器を設置した。
(実施例9)
検知相電圧降下手段における分圧比を13/123とした事以外は実施例8と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例10)
図4に示す駆動相電圧降下手段におけるR1の抵抗器の抵抗値Rdと駆動相ノイズカット手段におけるコンデンサの容量Cdおよび、検知相電圧降下手段におけるR1の抵抗器の抵抗値Rsと駆動相ノイズカット手段におけるコンデンサの容量Csに注目する。仕様値でCdRd/CsRs=1となるようにしたこと以外は実施例8と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例11)
圧電素子20に異方性導電ペースト(ACP)を用いてフレキシブルプリント基板9のうち検知相電極の温度が103℃以上にならないように熱圧着し給電部材付き圧電素子30を作製した。検知相電圧降下手段における分圧比を2/5とした事以外は実施例8と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例12)
圧電素子20に異方性導電ペースト(ACP)を用いてフレキシブルプリント基板9のうち検知相電極の温度が103℃以上にならないように熱圧着し給電部材付き圧電素子30を作製した。検知相電圧降下手段における分圧比を1/2とした事以外は実施例10と同様に振動波駆動装置を作製した。
(実施例13)
検知相電圧降下手段および駆動相電圧降下手段に用いる各々2つの抵抗器の部品誤差が10%のものを用いた事以外は実施例12と同様に振動波駆動装置を作製した。
以上のように作製した実施例8〜13の振動波駆動装置を用いて以下の評価を行った。すなわち、ローターの負荷を150g・cm、70Vピークピーク値の交番電圧を入力した際の振動波モーターの右回転および左回転での交番電圧の周波数を掃印した際の回転速度と検知相から出力された電圧値を駆動性能として評価した。具体的には実施例および比較例各々において以下の評価を行った。すなわち、5サンプルの駆動結果の個体差と、位相差検出手段が認識することができる最低電圧(0.15V)と、位相差検出手段による駆動制御を行うための検出許容誤差(30°)を評価した。加えて検知相電圧降下手段における分圧比バラツキから算出した検知相が駆動開始時に最低出力する必要がある電圧(駆動開始検出可能最低電圧)と、その時の回転速度を評価した。その結果を下記の表2に示す。
また、実施例8〜13の円環形状の圧電素子20を参照用に1つ抜き取り、駆動相電極3の中央部付近にある分極用電極33が配置された部分から、長さがλ/4相当、幅が分極用電極幅相当のアスペクト比の直方体を切り抜いた。この直方体状圧電材料の誘電率変化を、恒温槽中で温度を上昇させながら誘電率の変化を測定することで、誘電率が極大となる温度Tcを測定した。また、同様に切り抜いた別の直方体状の圧電材料をホットプレート上で10分間加熱保持した圧電素子を、ベルリンコート法を用いた圧電定数測定装置d33メーター(アルファ株式会社)により、室温においてd33定数の測定を行った。この評価を加熱保持の温度を5℃刻みで順次上昇させながら繰り返し、圧電定数が当初の95%以下となる脱分極温度Tdを評価した。下記の表2に実施例8〜13の結果を示す。
さらに、実施例8〜13の振動波モーター用ステーター40をアセトン中、超音波洗浄機中に1昼夜浸し、SUS製の振動板13とフレキシブルプリント基板9から円環状の圧電素子20を剥した。次に、駆動相電極3の中央部付近にある分極用電極33が配置された部分から直方体を切り取り、圧電定数の絶対値d(1)評価用の圧電素子とした。同様に、検知相電極が配置された領域からは圧電定数の絶対値d(2)の評価用圧電素子を、非駆動相領域が配置された領域からは圧電定数の絶対値d(3)の評価用圧電素子を切り出した。
これらの評価用圧電素子についてベルリンコート法で室温においてd33定数の測定を行い、圧電定数の絶対値d(1)、圧電定数の絶対値d(2)、圧電定数の絶対値d(3)を評価した。下記の表2に実施例8〜13の結果を示す。
Figure 2015208214
(注)材料は下記の化合物を示す。
BCTZBi−Mn=(Ba0.86Ca0.14)(Ti0.94Zr0.06)O (100重量部+Bi(0.18重量部)、Mn(0.14重量部))
実施例8から実施例13の検知相電圧降下手段の分圧比は、抵抗器のバラツキを考慮したとしても1/1から1/20の領域であり、駆動開始検出可能最低電圧が5.8V以下と低く回転速度が10rpmよりも小さい領域から検出することが可能である。回転初期におけるフィードバック制御が可能であった。
実施例8と実施例9および実施例10を比較すると、実施例9および実施例10の方が分圧比が13/123(1/9.46)と大きいため、駆動開始検出可能最低電圧が低く、検出が可能となる回転速度が低かった。
実施例9と実施例10を比較すると、分圧比は同じであるが、実施例10においてはCdRd/CsRsが0.90≦CdRd/CsRs≦1.10を満たしているため、駆動開始検出可能最低電圧が低く、検出が可能となる回転速度が低かった。
実施例11〜13においては給電部材をACPとすることで検知相電極の圧電特性が低下したが、位相差検出手段において検知相電極からの電気信号を識別することができた。回転速度が10rpmよりも小さい領域から検出することが可能であり、回転初期におけるフィードバック制御が可能であった。
また実施例12および実施例13においては、検知相電圧降下手段の分圧比が大きく、かつ0.90≦CdRd/CsRs≦1.10および0.90≦Rs’/Rs≦1.10を満たす。さらに、圧電材料1のTdが80℃以上160℃以下であり、d(1)>d(3)≧d(2)を満たす。そのため、駆動開始検出可能最低電圧を低くすることが可能となり、検出が可能となる回転速度が10rpmよりも小さく回転初期におけるフィードバック制御が可能であった。また同一の抵抗値規格である抵抗器を用いることが可能であり、製造コストを低減できた。
実施例12と実施例13を比較する。検知相電圧降下手段の分圧比を1/2とすることで、検知相電圧降下手段および駆動相電圧降下手段に用いる各々2つの抵抗器の部品誤差を5%から10%に変更した場合を考える。そのような場合であっても、駆動開始検出可能最低電圧を低くすることが可能となり、検出が可能となる回転速度が10rpmよりも小さく回転初期におけるフィードバック制御が可能であった。実施例7においては部品誤差を大きくすることが可能であり、さらに製造コストの低減効果が期待できる。
また、圧電材料1として下記一般式(1)
(Ba1−xCa(Ti1−yZr)O (1)(1.00<b≦1.02、0.020≦x≦0.300、0.020≦y≦0.095)
で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とする。前記金属酸化物にMnが含有されており、前記Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下で表わされる。さらに一般式(1)に示す金属酸化物100重量部に対して、Biを金属換算で0.042重量部以上0.850重量部以下で表わされる圧電材料を用いる。その限りにおいては、実施例8〜13と同等の駆動性能が得られ、回転初期におけるフィードバック制御が可能であることを確認した。
(実施例1から13を用いた光学機器)
実施例1から13と同じ振動波駆動装置を用いて、図9(a)に示される光学機器を作製した。交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作が確認された。
本発明の振動波駆動装置、光学機器は、制御回路が位相差を正しく判断できる入力電圧値を従来より低くすることができる。そのため、より高い周波数(駆動・回転初期)からフィードバック制御を行うことが可能となり、その結果より短時間で駆動/回転制御が可能となる振動波駆動装置、光学機器を提供することができる。
1 圧電材料
2 共通電極
3 駆動相電極(A相電極)
4 駆動相電極(B相電極)
5 非駆動相電極(グランド電極)
8 検知相電極
9 給電部材(フレキシブルプリント基板)
9a 電気配線
9b 絶縁体(ベースフィルム)
10 短絡配線
13 振動板
19a 接続電極
19b 接続電極
20 圧電素子
30 給電部材付き圧電素子
33 分極用電極
40 振動波モーター用ステーター
701 前群レンズ
702 後群レンズ(フォーカスレンズ)
711 着脱マウント
712 固定筒
713 直進案内筒
714 前群鏡筒
715 カム環
716 後群鏡筒
717 カムローラ
718 軸ビス
719 ローラ
720 回転伝達環
722 コロ
724 マニュアルフォーカス環
725 超音波モーター
726 波ワッシャ
727 ボールレース
728 フォーカスキー
729 接合部材
732 ワッシャ
733 低摩擦シート

Claims (8)

  1. 少なくとも2つの駆動相および検知相を有する電気−機械エネルギー変換素子、振動板、ローターからなる振動波駆動手段、駆動相電圧降下手段、検知相電圧降下手段、駆動相ノイズカット手段、検知相ノイズカット手段、位相差検出手段、制御手段、駆動相電力出力手段、駆動相電圧上昇手段を有し、前記電気−機械エネルギー変換素子の前記2つの駆動相に互に位相の異なる交番電圧を印加することで前記振動板表面に進行波を発生させ、前記進行波にて前記ローターを駆動し、前記ローターの駆動速度を少なくとも前記位相差検出手段の信号をもとに前記制御手段により制御する振動波駆動装置において、前記検知相電圧降下手段および前記駆動相電圧降下手段はそれぞれ少なくとも2つの抵抗器を有する抵抗分圧回路からなり、前記検知相電圧降下手段の抵抗分圧回路における分圧比が1/1より小さく1/20より大きいことを特徴とする振動波駆動装置。
  2. 前記駆動相ノイズカット手段として前記駆動相電圧降下手段と前記位相差検出手段の間に容量Cdのコンデンサが直列に配置されており、前記検知相ノイズカット手段として前記検知相電圧降下手段と前記位相差検出手段の間に容量Csのコンデンサが直列に配置されており、前記駆動相電圧降下手段の一部として抵抗値Rdの抵抗器が前記容量Cdのコンデンサと直列に配置されており、前記検知相電圧降下手段の一部として抵抗値Rsの抵抗器が前記容量Csのコンデンサと直列に配置されており、0.90≦CdRd/CsRs≦1.10であることを特徴とする請求項1に記載の振動波駆動装置。
  3. 前記検知相電圧降下手段の抵抗器のうち、前記検知相ノイズカット手段と直列に配置されている抵抗値Rsの抵抗器と前記検知相ノイズカット手段と並列に配置されている抵抗値Rs’の抵抗器とが0.90≦Rs’/Rs≦1.10であることを特徴とする請求項1または2に記載の振動波駆動装置。
  4. 前記電気−機械エネルギー変換素子が、一片の圧電材料と、前記圧電材料を挟んで前記圧電材料の第一の面に設けられた共通電極と、圧電材料の第二の面に設けられた複数の電極を有しており、前記一片の圧電材料の脱分極温度Tdが80℃以上160℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の振動波駆動装置。
  5. 前記一片の圧電材料の第二の面に設けられた複数の電極が少なくとも複数の駆動相電極、検知相電極、および非駆動相電極を有しており、前記複数の駆動相電極と前記共通電極に挟まれた部分の前記圧電材料(1)の圧電定数の絶対値d(1)と、前記検知相電極と前記共通電極に挟まれた部分の前記圧電材料(2)の圧電定数の絶対値d(2)との関係が、d(1)>d(2)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の振動波駆動装置。
  6. 前記圧電材料(1)の圧電定数の絶対値d(1)と、前記圧電材料(2)の圧電定数の絶対値d(2)と、前記非駆動相電極と前記共通電極に挟まれた部分の前記圧電材料(3)の圧電定数の絶対値d(3)との関係が、d(1)>d(3)≧d(2)を満たすことを特徴とする請求項5に記載の振動波駆動装置。
  7. 前記一片の圧電材料が、下記一般式(1)
    (Ba1−xCa(Ti1−yZr)O (1)(1.00<b≦1.02、0.020≦x≦0.300、0.020≦y≦0.095)
    で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とし、前記金属酸化物にMnが含有されており、前記Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の振動波駆動装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の振動波駆動装置を備えたことを特徴とする光学機器。
JP2015074497A 2014-04-07 2015-03-31 振動波駆動装置および光学機器 Active JP6622480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015074497A JP6622480B2 (ja) 2014-04-07 2015-03-31 振動波駆動装置および光学機器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079013 2014-04-07
JP2014079013 2014-04-07
JP2015074497A JP6622480B2 (ja) 2014-04-07 2015-03-31 振動波駆動装置および光学機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015208214A true JP2015208214A (ja) 2015-11-19
JP2015208214A5 JP2015208214A5 (ja) 2018-04-26
JP6622480B2 JP6622480B2 (ja) 2019-12-18

Family

ID=52813964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015074497A Active JP6622480B2 (ja) 2014-04-07 2015-03-31 振動波駆動装置および光学機器

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9871471B2 (ja)
EP (1) EP2930841B1 (ja)
JP (1) JP6622480B2 (ja)
KR (1) KR20150116403A (ja)
CN (1) CN104971873B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017108619A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108616A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108618A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108617A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2018191395A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 キヤノン株式会社 振動子、振動子の製造方法、および電子機器
JP2019021701A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 キヤノン株式会社 積層圧電素子、振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3188266B1 (en) * 2011-06-27 2022-04-06 Canon Kabushiki Kaisha A method for manufacturing a stator for a piezoelectric oscillatory wave motor
JP7204455B2 (ja) * 2018-11-30 2023-01-16 キヤノン株式会社 振動型アクチュエータ、雲台、および電子機器
DE102020114219A1 (de) 2020-05-27 2021-12-02 Physik Instrumente (PI) GmbH & Co KG Ultraschallaktor
CN114280874A (zh) * 2020-09-17 2022-04-05 新思考电机有限公司 光学部件驱动装置、照相机装置以及电子设备

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6285684A (ja) * 1985-10-09 1987-04-20 Canon Inc 超音波モ−タ−の駆動回路
JP2011067035A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Canon Inc 振動型モータ制御装置および光学機器
JP2013034366A (ja) * 2011-06-27 2013-02-14 Canon Inc 圧電素子、振動波モーター用ステーター、振動波モーター、駆動制御システム、光学機器および振動波モーター用ステーターの製造方法
JP2013227199A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Canon Inc 圧電セラミックス、圧電セラミックスの製造方法、圧電素子および電子機器

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3839898B2 (ja) * 1997-04-21 2006-11-01 キヤノン株式会社 振動型アクチュエータの駆動装置および振動型アクチュエータを駆動源とする装置
US6100654A (en) * 1998-01-29 2000-08-08 Canon Kabushiki Kaisha Driving device for a vibration type motor
JP4086536B2 (ja) * 2002-04-18 2008-05-14 キヤノン株式会社 振動波駆動装置及びその駆動回路
JP4328600B2 (ja) 2003-11-14 2009-09-09 キヤノン株式会社 電流検出回路及び電流検出方法
KR20110046003A (ko) 2009-10-28 2011-05-04 볼보 컨스트럭션 이큅먼트 에이비 유압모터의 브레이크장치
CN202750022U (zh) 2012-08-10 2013-02-20 河南科技大学 一种利用微处理器控制电容器串并联转换的变压器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6285684A (ja) * 1985-10-09 1987-04-20 Canon Inc 超音波モ−タ−の駆動回路
JP2011067035A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Canon Inc 振動型モータ制御装置および光学機器
JP2013034366A (ja) * 2011-06-27 2013-02-14 Canon Inc 圧電素子、振動波モーター用ステーター、振動波モーター、駆動制御システム、光学機器および振動波モーター用ステーターの製造方法
JP2013227199A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Canon Inc 圧電セラミックス、圧電セラミックスの製造方法、圧電素子および電子機器

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017108619A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108616A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108618A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108617A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2022069470A (ja) * 2015-11-27 2022-05-11 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2022069471A (ja) * 2015-11-27 2022-05-11 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2022078111A (ja) * 2015-11-27 2022-05-24 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2022081499A (ja) * 2015-11-27 2022-05-31 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2018191395A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 キヤノン株式会社 振動子、振動子の製造方法、および電子機器
JP7000036B2 (ja) 2017-04-28 2022-01-19 キヤノン株式会社 振動子、振動子の製造方法、および電子機器
JP2019021701A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 キヤノン株式会社 積層圧電素子、振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
EP2930841B1 (en) 2019-06-12
CN104971873B (zh) 2017-08-18
KR20150116403A (ko) 2015-10-15
US20150288298A1 (en) 2015-10-08
EP2930841A1 (en) 2015-10-14
JP6622480B2 (ja) 2019-12-18
US9871471B2 (en) 2018-01-16
CN104971873A (zh) 2015-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6622480B2 (ja) 振動波駆動装置および光学機器
US10038394B2 (en) Vibration wave drive device, stator for a vibration wave motor, vibration wave motor, driving control system, optical apparatus, and manufacturing method of a vibration wave driving device
JP7336556B2 (ja) 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP5980007B2 (ja) 圧電素子、振動波モーター用ステーター、振動波モーター、駆動制御システム、光学機器および振動波モーター用ステーターの製造方法
JP6315883B2 (ja) 圧電素子、振動波モーター用ステーター
JP7293429B2 (ja) 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
US10516091B2 (en) Ultrasonic motor, drive control system, optical apparatus, and vibrator
JP6537348B2 (ja) 圧電材料、圧電素子、圧電素子の製造方法、および電子機器
JP7293428B2 (ja) 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP6537349B2 (ja) 圧電材料、圧電素子、および電子機器
CN105272231A (zh) 压电材料、压电元件、压电元件的制造方法和电子器件
US11469689B2 (en) Vibration wave motor, drive control system, and optical apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180315

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190924

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20191002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6622480

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151