JP6999523B2 - 固体酸化物形燃料電池セル - Google Patents

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Description

本発明は、原料ガスを改質して得られた燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する固体酸化物形燃料電池セルに関する。
固体酸化物形燃料電池装置(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付けた固体酸化物形燃料電池セルを複数モジュール容器内に配設し、その固体酸化物形燃料電池セルの一方の電極(燃料極)に燃料ガスを供給し、他方の電極(空気極)に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給することで発電反応により発電する電力を取り出す装置である。高分子電解質形燃料電池装置等の他の燃料電池装置に対して、例えば600~1000℃程度の比較的高温で動作する。
ここで一般に、固体酸化物形燃料電池装置に供給する酸化剤ガス中には、SO2等の硫黄化合物が含まれている。この硫黄化合物が空気極と反応することにより、空気極の触媒活性が低下してしまうという、いわゆる空気極の硫黄被毒の問題が知られている。酸化剤ガスとして大気中の空気を用いることが一般的であるため、特に硫黄化合物を多量に含有する自動車の排気ガスや硫黄ガスが放出される幹線道路沿いや温泉地等の設置場所においては、空気極の劣化が加速することになる。この対策として、固体酸化物形燃料電池装置内において酸化剤ガスに含まれる硫黄化合物が空気極に到達しないように、硫黄フィルターを取り付けることが考えられる。しかし、装置価格の上昇やメンテナンスの負荷の増大に鑑み、フィルターレスの装置構成で空気極の硫黄被毒の問題を解決することが求められてきた。
特別な硫黄フィルターを設けずに問題を解決するために、特許文献1では空気極層を電極反応層とSOx吸着層と集電層との3層構造とすることで、SOx吸着層により空気中のSOxを選択的に吸着するとともに、触媒活性機能と電子導電性の確保を両立することができることが記載されている。
特開2016-177987号公報
上述した特許文献1に記載のSOx吸着層は、La0.5Sr0.5CoO3に例示されるアルカリ土類金属(Sr)を含有する酸化物で構成される。SOx吸着層はアルカリ土類金属により空気中の硫黄化合物を選択的に吸着させるために別途設けた機能層であるため、硫黄被毒の影響がなければ本来設けることを回避したい層である。すなわち、電極反応層と集電層との間に酸化物でなるSOx吸着層を追加挿入することで、電極反応層から集電層への電子の伝導経路に抵抗成分が加わるため、燃料電池セルにおいて電流取出効率が低下してしまう。特に一般的な固体酸化物形燃料電池装置においては、燃料電池セルひとつでは出力可能な電圧は1V程度に限られるため、これらを複数直列的に接続することで必要な出力を確保している。このため、SOx吸着層の挿入により生じる抵抗成分が直列回路中で加算されることとなるため、固体酸化物形燃料電池セルを複数電気的に接続したセルスタックにおいては、抵抗成分の増加による電流取出効率の低下が顕著となる。
そこで本発明は、発電用の空気に含有する硫黄による固体酸化物形燃料電池セルの空気極層の硫黄被毒の課題を解決するために、硫黄被毒耐性を向上させつつ、集電層に必要とされる電子伝導性を高く保ち、高性能な固体酸化物形燃料電池セルを提供するものである。
発明者は、原料粒子径の調整及びペロブスカイト型酸化物の添加量の調整により、空気透過性を確保しつつ、集電層において導電性能と硫黄捕集性能とを両立させることに想到した。
すなわち、本発明にかかる固体酸化物形燃料電池セルの一態様は、固体酸化物形の電解質層を間に挟んで燃料極層と空気極層とが積層された固体酸化物形燃料電池セルにおいて、空気極層の外表面に集電層を有し、集電層は、アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型酸化物を含み、気相の周囲長/面積が5.0μm-1以上であるものである。
本態様によれば、固体酸化物形燃料電池セルの電流取出効率を低下させることなく集電性能を維持したまま、且つ空気透過性を確保しつつ、硫黄化合物の捕集機能を付加することができる。このため、性能の低下なく耐久性の高い固体酸化物形燃料電池セルを提供することができる。気相の周囲長/面積が5.0μm-1未満になると、空気に含まれる硫黄が吸着除去されることなく空気極に達するショートパスの発生確率が高くなり、その結果、空気極と硫黄が反応して空気極の触媒活性が低下してしまう。
なお本明細書において示す固体酸化物形燃料電池セルは、燃料極層、電解質層、空気極層及び集電層を含むものであるが、その他の構成を除外するものでなく、例えば電解質層と空気極層との間に構成材料間の反応を防止するための反応防止層が設けられていてもよい。
また本発明の一態様においては、集電層は1層のみからなることが好ましい。
例えば、SOx吸着層を、LSCFを多く含む層(LSCFの熱膨張15.4×10-6/℃)で形成し、集電層を、Agを多く含む層(Agの熱膨張係数24×10-6/℃)で形成した場合、熱膨張差により界面に大きな応力が発生し剥離を起こしやすくなる。1層にすることで信頼性を高くすることができる。
また本発明の一態様においては、集電層の気孔率は40%以下であることが好ましい。
気孔率が大きくなりすぎると、空気に含まれる硫黄が吸着除去されることなく空気極に達するショートパスの発生確率が高くなり、その結果、空気極と硫黄が反応して空気極の触媒活性が低下してしまう。集電層の気孔率を40%以下にすることによりショートパスの発生を抑制することができる。また、より好ましくは、集電層の気孔率は33%以下であり、これにより高い導電率を得ることができる。
発電用の空気に含有する硫黄による固体酸化物形燃料電池セルの空気極層の硫黄被毒の課題を解決するために、空気極層の上層に設ける集電層中に硫黄捕集機能が設けられるとともに、集電層本来の導通機能を確保された、耐久性の高い固体酸化物形燃料電池セルを提供することができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルの断面の一態様を示す模式図である。 固体酸化物形燃料電池システムを示す全体構成図である。 固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池モジュールを示す側面断面図である。 固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す斜視図である。 固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。 図3のIII-III線に沿う断面図である。
以下では、本明細書に開示する発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、以下の説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更することができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルの形状は、特定のものに限定されるものではなく、例えば円筒、板状、内部にガス流路を複数形成した中空板状などであってもよい。好ましくは、筒状形状を有する固体酸化物形燃料電池セルである。
本発明にかかる固体酸化物形燃料電池セルは、固体酸化物形の電解質層を間に挟んで燃料極層と空気極層とが積層された固体酸化物形燃料電池セルにおいて、空気極層の外表面に集電層を有し、集電層は、アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型酸化物を含み、気相の周囲長/面積が5.0μm-1以上であるものである。
[燃料極層]
燃料極層は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
なお、本明細書において燃料極層は、供給された水素を含有する燃料ガスから含有されるNi等の金属触媒によって水素イオンを生成する燃料極触媒層や、燃料極触媒層等の機能層を積層するための支持体を含むものであってもよい。例えば燃料極層は、導電性支持体とその外表面に形成された燃料極触媒層との積層体であってもよく、絶縁性支持体とその外表面に形成された燃料極触媒層との積層体であってもよい。なお、絶縁支持体を用いる場合、燃料極触媒層との間に燃料極集電層(単に燃料極もしくは燃料極側導電層とも呼ばれる)が配置される。さらに燃料極層の機能の向上や耐久性の向上のために別途設けられた中間層や濃度傾斜層等を含む積層構造体であってもよい。
同様に、電解質層及び空気極層も、これらの機能の向上や耐久性向上のために別途設けられた中間層や濃度傾斜層等を含む積層構造体であってもよい。
[電解質層]
電解質層は、燃料極層の外周面に沿って全周にわたって形成されており、下端は燃料極層の下端よりも上方で終端し、上端は燃料極層の上端よりも下方で終端している。電解質層は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
電解質層は、Sr及びMgがドープされたランタンガレート系酸化物であることが好ましく、より好適には一般式La1-aSraGa1-b-cMgbCoc3(但し、0.05≦a≦0.3、0<b<0.3、0≦c≦0.15)で表されるランタンガレート系酸化物(LSGM)である。固体酸化物形燃料電池装置に用いる燃料電池セルの電解質層としてLSGMを用いる場合、LSGMの特徴である600℃~700℃という比較的低温の作動温度領域において、空気極層と硫黄化合物との反応が特に顕著である。本発明の一態様においては、LSGMを用いた場合であっても空気極の硫黄被毒を十分抑制することができるため、固体酸化物形燃料電池装置として総合的に高いエネルギー効率を得ることができる。なお、電解質層は、微量成分として、上記に示した材料以外の成分を含んでいても良い。
[空気極層]
空気極層は、電解質層の外周面に沿って全周にわたって形成されており、下端は電解質層の下端よりも上方で終端し、上端は電解質層の上端よりも下方で終端している。
空気極層は、集電層が含有するアルカリ土類金属と同一のアルカリ土類金属を含むペロブスカイト型酸化物を含有することが好ましい。集電層と、空気極層とにおいて同一のアルカリ土類金属を用いることで、集電層と空気極層との密着性を向上させることができ、膜剥がれを抑止して燃料電池セルの耐久性を向上させることができる。アルカリ土類金属としては、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)およびバリウム(Ba)から選択される一種以上を用いることができる。
空気極層に含まれるアルカリ土類金属は、ペロブスカイト型酸化物として含有されていることが好ましい。ペロブスカイト型酸化物としては、La1-xSrxCoO3(但し、x=0.1~0.3)及びLaCo1-xNix3(但し、x=0.1~0.6)などのランタンコバルト系酸化物、(La、Sr)FeO3系と(La、Sr)CoO3系の固溶体であるランタンコバルトフェライト系酸化物(La1-mSrmCo1-nFen3(但し、0.05<m<0.50、0≦n≦1))、サマリウム及びコバルトを含むサマリウムコバルト系酸化物(Sm0.5Sr0.5CoO3)などが挙げられる。好ましくは、ランタンストロンチウムコバルタイトフェライト(LSCF)である。
空気極層の膜厚は、10μm以上60μm以下であることが好ましく、10μm以上45μm以下であることが更に好ましい。これにより、電極活性領域が確保されるため、高い性能が得られる。また、製造時の焼成収縮に伴う界面剥離を防止できる。さらに、下地層との密着性を高くでき、高いセル性能を得ることができる。
燃料極層は、上述する内部流路に燃料ガス流通する(-)極として機能し、空気極は燃料電池セルユニット1100の外部から供給される空気(酸化剤ガス)と接触する(+)極として機能する。
[集電層]
集電層は、空気極層の外表面に形成される。集電層は、アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型酸化物を有する。また、集電層は、気相の周囲長/面積が5.0μm-1以上であり、好ましくは5.0μm-1以上50μm-1以下である。気相の周囲長とは、集電膜断面に存在する気孔の周囲長さの合計である。面積とは、集電膜断面の周囲長計測に用いた前記気孔の面積の合計である。周囲長/面積が大きくなりすぎると、運転中に銀のシンタリング(=焼結)が進行し、その結果、銀同士のつながりが切れて導電性が低下し、発電性能が低下する。
本発明において、集電層は、発電に伴う電子を伝導する役割及び硫黄化合物を捕集する役割を果たす。酸素含有ガスに含まれるSOxなどの硫黄化合物を捕集し、空気極層に供給されないようにすることが可能となる。
集電層は、導電性を発現するために、好ましくは銀を含む。集電層は、銀を30wt%以上含むことが好ましく、60wt%以上含むことがさらに好ましく、70wt%以上含むことがさらにより好ましい。
集電層に含まれるアルカリ土類金属としては、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)およびバリウム(Ba)から選択される一種以上を用いることができる。
集電層に含まれるアルカリ土類金属は、ペロブスカイト型酸化物として含有されていることが好ましい。ペロブスカイト型酸化物としては、La1-xSrxCoO3(但し、x=0.1~0.3)などのランタンコバルト系酸化物、(La、Sr)FeO3系と(La、Sr)CoO3系の固溶体であるランタンコバルトフェライト系酸化物(La1-mSrmCo1-nFen3(但し、0.05<m<0.50、0≦n≦1))、サマリウム及びコバルトを含むサマリウムコバルト系酸化物(Sm0.5Sr0.5CoO3)などが挙げられる。好ましくは、ランタンストロンチウムコバルタイトフェライト(LSCF)である。
集電層に含まれるペロブスカイト型酸化物の濃度は1wt%以上70wt%以下であることが好ましく、10wt%以上40wt%以下であることがさらに好ましく、20wt%以上30wt%以下であることがさらにより好ましい。これにより、導電性能と硫黄捕集性能を兼ね備えた長期信頼性の高い集電層とすることが可能である。すなわち、長期間にわたって硫黄捕集能力を発揮しつつ、集電層としての機能を発揮することが可能となる。また、集電層が銀を含む場合、製造時や運転中の銀シンタリングが過度に進んで膜が緻密化し、酸素透過能を損なうことを防止できる。
本発明において、集電層に含まれるアルカリ土類金属の濃度は、下記の方法にて求めることができる。作製した固体酸化物形燃料電池セルから集電層を削りとる。この削り取った材料を酸で溶解させたのち、ICP-発光分析法により求めることができる。
集電層は、焼結助剤などの添加剤を含んでいても良い。添加剤としては、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などが挙げられる。これにより、銀の焼結性が向上し、かつ空気極層との接合強度を確保することが可能となる。
集電層の膜厚は、10μm以上120μm以下であることが好ましく、10μm以上60μm以下であることがさらに好ましく、10μm以上40μm以下であることがさらにより好ましい。膜厚が10μm未満の場合、長期の硫黄捕集能力が劣り性能が低下する。また、120μmよりも厚い場合、空気の拡散抵抗が高く、空気極触媒への空気供給不足が発生し性能が低下する。この傾向は60μmを超えるとあらわれ始める。また1回の発電性能では差を生じないものの、40μmを超えると運転中の性能が低下する。また、集電層の導電率は、高ければ高いほど好ましいが、より好ましくは700℃で1000以上S/cm60000S/cm以下であり、さらにより好ましくは10000以上S/cm40000S/cm以下である。
本発明においては、固体酸化物形燃料電池セルは、内側に配置された燃料極層の外側に向かって電解質層、空気極層及び集電層が設けられた筒状形状であってもよい。この場合、燃料極層は、固体酸化物形燃料電池セルの軸方向に燃料ガスを流通させる内部流路を有し、集電層は、少なくとも内部流路に燃料ガスが供給される燃料電池セルの一端側近傍に設けられていることが好ましい。ここで、本明細書において「筒状形状」とは一軸方向に延在した立体形状を有する燃料電池セルであって、軸方向に貫通した少なくともひとつの通路を有する中空の形状を含むものである。例えば、円筒形、扁平円筒形等の立体形状が含まれる。
筒状形状の固体酸化物形燃料電池セルを固体酸化物形燃料電池装置に用いた場合、燃料電池セルの形状が一軸方向に延在する形状であるため、供給された燃料ガス中の水素は一端側近傍でより多く発電に消費されることになる。またこの発電反応を実現するために、燃料電池セルの外部から一端側に向けて酸化剤ガスが供給される。このようにして、一端側での発電反応が固体酸化物形燃料電池セルの軸方向分布において高くなる。
このように固体酸化物形燃料電池セルの一端側近傍では発電反応が活発であるため、空気極層に硫黄成分が吸着した場合には、空気極層中のアルカリ土類金属元素(例えば空気極層を構成するSr)を引き抜いて酸化物を形成してしまう(例えばSrSO4)、硫黄被毒が生じる。
筒状形状の固体酸化物形燃料電池セルの一端側近傍に集電層が設けられていると、空気極層の硫黄被毒を防止することができる。
さらに、発電反応により生じた電流は固体酸化物形燃料電池セルの集電端子に向かって流れるため、発電反応が活発な一端側で電流集中が発生する。特にこの一端側近傍に集電端子を設置した場合には、より一端側での電流集中が顕著となる。このような電流集中下においては、後述するように固体酸化物形燃料電池セルスタックや固体酸化物形燃料電池モジュールを構成する金属部材から蒸発するCr(クロム)が空気極層中を拡散し、反応場において析出することで空気極層を劣化させるクロム被毒の問題を発生させる。
アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型酸化物を含有する集電層は、さらにCrについても捕集機能があることがわかった。このため、本発明は、筒状形状の固体酸化物形燃料電池セル構造に起因して生じる電流集中により顕著となるクロム被毒に対しても、抑止効果を発揮することができる。
図1は本発明の固体酸化物形燃料電池セルの断面の一態様を示す模式図であり、内側電極を燃料極層としたタイプについて示した。本発明における固体酸化物形燃料電池セル210は、例えば多孔質支持体201と、(第一/第二)燃料極層202、(第一/第二)電解質層203と、(第一/第二)空気極層204と、集電層205から構成される。本発明の固体酸化物形燃料電池セルにおいて、各層の好ましい厚さは、多孔質支持体が0.5~2mm、第一燃料極層が10~200μm、第二燃料極層が0~30μm、第一電解質層が0~20μm、第二電解質層が5~60μm、空気極が10~60μmである。ここで、(第一/第二)とは、「単層又は二層であって、二層の場合は第一層と第二層とを有する」ことを意味する。
[燃料電池セルの製造方法]
本発明の固体酸化物形燃料電池セルは、公知の方法に準じて従って、適宜製造することができる。好ましい製造方法を示せば下記のとおりである。
空気極、電解質層および燃料極層は、各原料粉末に、溶媒(水、アルコールなど)、分散剤、バインダー等の成形助剤を添加してスラリーを作製し、それをコーティングし、乾燥した後、焼成(1100℃以上1400℃未満)することによって得ることができる。
コーティングは、スラリー液をコーティングするスラリーコート法、テープキャスティング法、ドクターブレード法、転写法などにより好ましく行うことができる。また印刷手法も利用可能であり、スクリーン印刷法やインクジェット法などを用いることができる。
焼成は、各電極及び電解質層を形成する都度行ってもよいが、複数の層を一度に焼成する「共焼成」を行うことも可能である。また、電解質層がドーパントの拡散等により変性しないように、焼成は酸化雰囲気下で行なうことが好ましい。より好適には、空気と酸素との混合ガスを用い、酸素濃度20モル%以上30モル%以下の雰囲気で焼成を行う。
本発明の好ましい態様によれば、内側電極に燃料極層を、外側電極に空気極層を用いる場合、燃料極と電解質層とを共焼成した後、空気極層を成形し、共焼成よりも低い温度で焼成する。
集電層は、銀と、パラジウムと、アルカリ土類金属のペロブスカイト型酸化物の各粉体を用意し、最終的な集電部の組成と同一となる量を秤量する。これを樹脂と共に溶剤に混合・分散させたコーティング液とする。このコーティング液を空気極に塗布し、乾燥後、焼成して集電層を形成する。コーティング液の空気極への塗布は、スラリーコート法、テープキャスティング法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレー法、フローコート法、ロールコート法ならびにこれらを併用して行うことが出来る。また、ここで樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、エタノール、メタノール、α-テルピネオール、ジヒドロターピネオール、n-メチル-2-ピロリドン、ベンジルアルコール、トルエン、アセトニトリル、2-フェノキシエタノール、およびそれらの混合溶剤が挙げられる。コーティング液の空気極への塗布量は、最終的な集電部の厚さを考慮して適宜決定されてよい。また、乾燥は、50~150℃程度で0.5~5時間行い、さらに焼成は400~800℃程度で0.5~5時間行うことが好ましい。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルを使用した固体酸化物形燃料電池システム1は、特定のものに限定されず、その製造や他の材料等は、公知のものが使用できる。図2は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池システムを示す全体構成図である。この図2に示すように、固体酸化物形燃料電池システム1は、固体酸化物形燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
固体酸化物形燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して密封空間8が形成されている。なお、断熱材は設けないようにしても良い。この密封空間8の下方部分である発電室10には、燃料ガスと酸化剤(空気)とにより発電反応を行う固体酸化物形燃料電池セル集合体12が配置されている。この固体酸化物形燃料電池セル集合体12は、10個の固体酸化物形燃料電池セルスタック14(図4参照)を備え、この固体酸化物形燃料電池セルスタック14は、16本の固体酸化物形燃料電池セルユニット16(図5参照)から構成されている。このように、固体酸化物形燃料電池セル集合体12は、160本の固体酸化物形燃料電池セルユニット16を有し、これらの固体酸化物形燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されている。
固体酸化物形燃料電池モジュール2の密封空間8の上述した発電室10の上方には、燃焼室18が形成され、この燃焼室18で、発電反応に使用されなかった残余の燃料ガスと残余の酸化剤(空気)とが燃焼し、排気ガスを生成するようになっている。また、この燃焼室18の上方には、燃料ガスを改質する改質器20が配置され、前記残余ガスの燃焼熱によって改質器20を改質反応が可能な温度となるように加熱している。さらに、この改質器20の上方には、改質器20の熱を受けて空気を加熱し、改質器20の温度低下を抑制するための空気用熱交換器22が配置されている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この純水タンクから供給される水の流量を調整する水流量調整ユニット28を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された燃料ガスを遮断するガス遮断弁32と、燃料ガスから硫黄を除去するための脱硫器36と、燃料ガスの流量を調整する燃料流量調整ユニット38を備えている。さらに、補機ユニット4は、空気供給源40から供給される酸化剤である空気を遮断する電磁弁42と、空気の流量を調整する改質用空気流量調整ユニット44及び発電用空気流量調整ユニット45と、改質器20に供給される改質用空気を加熱する第1ヒータ46と、発電室に供給される発電用空気を加熱する第2ヒータ48とを備えている。これらの第1ヒータ46と第2ヒータ48は、起動時の昇温を効率よく行うために設けられているが、省略しても良い。
次に、固体酸化物形燃料電池モジュール2には、排気ガスが供給される温水製造装置50が接続されている。この温水製造装置50には、水供給源24から水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。また、固体酸化物形燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。さらに、固体酸化物形燃料電池モジュール2には、固体酸化物形燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図3及び図6により、固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池モジュールの内部構造を説明する。図3は、固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図6は、図3のIII-III線に沿った断面図である。図3及び図6に示すように、固体酸化物形燃料電池モジュール2のハウジング6内の密封空間8には、上述したように、下方から順に、固体酸化物形燃料電池セル集合体12、改質器20、空気用熱交換器22が配置されている。
改質器20は、その上流端側に純水を導入するための純水導入管60と改質される固体酸化物形燃料ガスと改質用空気を導入するための被改質ガス導入管62が取り付けられ、また、改質器20の内部には、上流側から順に、蒸発部20aと改質部20bが形成され、改質部20bには改質触媒が充填されている。この改質器20に導入された水蒸気が混合された燃料ガス及び空気は、改質器20内に充填された改質触媒により改質される。
この改質器20の下流端側には、燃料ガス供給管64が接続され、この燃料ガス供給管64は、下方に延び、さらに、固体酸化物形燃料電池セル集合体12の下方に形成されたマニホールド66内で水平に延びている。燃料ガス供給管64の水平部64aの下方面には、複数の燃料供給孔64bが形成されており、この燃料供給孔64bから、改質された燃料ガスがマニホールド66内に供給される。
このマニホールド66の上方には、上述した固体酸化物形燃料電池セルスタック14を支持するための貫通孔を備えた下支持板68が取り付けられており、マニホールド66内の燃料ガスが、固体酸化物形燃料電池セルユニット16内に供給される。
次に、改質器20の上方には、空気用熱交換器22が設けられている。この空気用熱交換器22は、上流側に空気集約室70、下流側に2つの空気分配室72を備え、これらの空気集約室70と空気分配室72は、6個の空気流路管74により接続されている。ここで、図6に示すように、3個の空気流路管74が一組(74a,74b,74c,74d,74e,74f)となっており、空気集約室70内の空気が各組の空気流路管74からそれぞれの空気分配室72へ流入する。
空気用熱交換器22の6個の空気流路管74内を流れる空気は、燃焼室18で燃焼して上昇する排気ガスにより予熱される。空気分配室72のそれぞれには、空気導入管76が接続され、この空気導入管76は、下方に延び、その下端側が、発電室10の下方空間に連通し、発電室10に予熱された空気を導入する。
次に、マニホールド66の下方には、排気ガス室78が形成されている。また、図6に示すように、ハウジング6の長手方向に沿った面である前面6aと後面6bの内側には、上下方向に延びる排気ガス通路80が形成され、この排気ガス通路80の上端側は、空気用熱交換器22が配置された空間と連通し、下端側は、排気ガス室78と連通している。また、排気ガス室78の下面のほぼ中央には、排気ガス排出管82が接続され、この排気ガス排出管82の下流端は、図2に示す上述した温水製造装置50に接続されている。図3に示すように、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置83が、燃焼室18に設けられている。
次に図4により固体酸化物形燃料電池セルスタック14について説明する。図4は、固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池セルスタックを示す斜視図である。図4に示すように、固体酸化物形燃料電池セルスタック14は、16本の固体酸化物形燃料電池セルユニット16を備え、これらの固体酸化物形燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれ、固体酸化物形セラミック製の下支持板68及び上支持板100により支持されている。これらの下支持板68及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴68a及び100aがそれぞれ形成されている。
さらに、固体酸化物形燃料電池セルユニット16には、集電体102及び外部端子104が取り付けられている。この集電体102は、燃料極である内側電極90に取り付けられた内側電極端子86と電気的に接続される燃料極用接続部102aと、空気極である外側電極92の外周面全体と電気的に接続される空気極用接続部102bとにより一体的に形成されている。空気極用接続部102bは、外側電極92の表面を上下方向に延びる鉛直部102cと、この鉛直部102cから外側電極92の表面に沿って水平方向に延びる多数の水平部102dとから形成されている。また、燃料極用接続部102aは、空気極用接続部102bの鉛直部102cから固体酸化物形燃料電池セルユニット16の上下方向に位置する内側電極端子86に向って斜め上方又は斜め下方に向って直線的に延びている。
さらに、固体酸化物形燃料電池セルスタック14の端(図4では左端の奥側及び手前側)に位置する2個の固体酸化物形燃料電池セルユニット16の上側端及び下側端の内側電極端子86には、それぞれ外部端子104が接続されている。これらの外部端子104は、隣接する固体酸化物形燃料電池セルスタック14の端にある固体酸化物形燃料電池セルユニット16の外部端子104(図示せず)に接続され、上述したように、160本の固体酸化物形燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されるようになっている。
次に図5により固体酸化物形燃料電池セルユニット16について説明する。図5は、固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。図5に示すように、固体酸化物形燃料電池セルユニット16は、固体酸化物形燃料電池セル84と、この固体酸化物形燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えている。固体酸化物形燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の多孔質支持体91上に内側電極90と、外側電極92と、内側電極90と外側電極92との間にある電解質層94とを備えている。
固体酸化物形燃料電池セル84の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極90の上部90aは、電解質層94と外側電極92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備えている。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極90と電気的に接続されている。内側電極端子86の中心部には、内側電極90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路98が形成されている。固体酸化物形燃料電池セル84として本発明の固体酸化物形燃料電池セルを用いる。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1及び2、並びに比較例1及び2)
[固体酸化物形燃料電池セルの作製]
NiO粉末と10YSZ(10mol%Y23-90mol%ZrO2)粉末とを重量比65:35で混合して、押し出し成形機にてせん断を加え1次粒子化させながら円筒状に成形し、燃焼極支持体を作製した。この燃料極支持体上に、燃料極の反応を促進させる燃料極触媒層を形成した。燃料極触媒層は、NiOとGDC10(10mol%GdO1.5-90mol%CeO2)とを、重量比50:50で混合したものをスラリーコート法により燃料極支持体上に製膜し形成した。さらに、燃料極反応触媒層上にLDC40(40mol%LaO1.5-60mol%CeO2)、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.23の組成のLSGMをスラリーコート法により順次積層し、電解質層を形成し、成形体を得た。得られた成形体を1300℃にて焼成した。その後、空気極層用スラリーをスラリーコート法にて製膜し、1050℃で焼成することで空気極層を形成した。空気極層用スラリーは、(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3の原料粉末(LSCF粉末)と、溶媒と、バインダーとを混合粉砕することにより空気極層用スラリーを作製した。
次に、空気極層の外表面に集電層を形成した。集電層を形成するためのコーティング液は、銀粉末と、パラジウム粉末と、LSCF粉末と、溶媒と、バインダーとを混合させたものとした。銀とパラジウムは重量比率で90:1とした。銀パラジウム混合粉末とLSCFの重量比は、100-X:Xとした。銀粉末の粒径(D50)及びLSCF粉末の重量比(X)は、表1に示されている。パラジウム粉末の粒径(D50)は0.7μm、LSCF粉末の粒径(D50)は0.3μmを用いた。なお、銀、パラジウムおよびLSCF粉末の粒径はレーザー回折式粒度測定装置によって測定したものである。このコーティング液を、空気極層の外表面に、インクジェット法により塗布した後、乾燥機中150℃にて乾燥させ、室温にて冷却後、700℃1時間焼成した。これにより、空気極層の外表面に集電層を形成した。
作製した固体酸化物形燃料電池セルは、以下に示される通りであった。燃料極支持体が外径10mm、肉厚1mmであった。燃料極反応触媒層の厚さが20μmであった。LDC層の厚みが5μmであった。LSGM層の厚みが30μmであった。空気極層の厚みが20μmであり、かつ、空気極の面積が35cm2であった。集電層の膜厚は、30μmであった。
[集電層の導電率の測定]
集電層の導電率は、作製した固体酸化物形燃料電池セルに電位線間隔35mmになるようにAg線を巻きつけ、大気炉内700℃にて直流4端子法で測定した値を、集電膜断面積を用いて計算した。
[集電層の気孔率の測定]
集電層の気孔率は、周囲長/面積を測定した際に得られる画像を解析して得た。
[固体酸化物形燃料電池セルスタックの作製]
作製した実施例および比較例の固体酸化物形燃料電池セルを用いて下記の方法にて固体酸化物形燃料電池セルスタックを作製した。
まず、燃料極を兼ねた多孔質支持体の両端部に集電体とガスシールを兼ね備えた導電性のシール材を取付け、さらに前記多孔質支持体の両端部に導電性のシール材を覆うように内側電極端子を設け、固体酸化物形燃料電池セルユニットを作製した。内側電極端子は燃料ガス流路となる燃料極を兼ねた多孔質支持体の内径より縮径し、前記固体酸化物形燃料電池セルのそれぞれの端部から固体酸化物形燃料電池セルの外方向に伸びる縮径部を有するものとした。この固体酸化物形燃料電池セルユニットを16本一組とし、燃料極と空気極を接続するコネクタで16本を直列につなぎ固体酸化物形燃料電池セルスタックを作製した。
[固体酸化物形燃料電池セルスタックにおける耐久試験]
作製した固体酸化物形燃料電池セルスタックを用いて耐久試験を行った。燃料ガスとして水素-窒素混合ガスを利用し、燃料利用率は75%に設定した。酸化剤ガスとして、ガスボンベ由来の二酸化硫黄/空気混合ガスをコンプレッサーエアーで希釈することにより、0.5ppmの二酸化硫黄成分を含む空気を供給した。これは、実際の固体酸化物形燃料電池システム使用環境の約100倍にあたる硫黄濃度となる。なお、空気利用率は40%に設定した。発電定常温度は700℃、電流値を空気極の面積で除した平均電流密度を0.2Acm-2に設定し、約1000時間にわたり連続運転を行った。電圧変化率から破過までの時間を求めた。結果を表1に示す。
[気相の周囲長/面積の測定]
固体酸化物形燃料電池セルを樹脂で包埋し、硬化後、切断し、切断面をハンドラップ機で研磨(耐水研磨紙#600および#1500)し、イオンミリング(日立製IM4000PLUS)で2時間加工して集電層断面を得た。
次いで、SEM(日立製SU8220)により倍率1500倍、加速電圧:12kV、エミション電流:20μA、コンデンサレンズ:7で得られた二次電子像で集電膜の画像を取得した。
得られた画像を画像処理ソフト(WinROOF2015)にて二次電子像で黒色に見える気孔部を二値化処理により色づけし、周囲長の計測項目を選択して計測した。
Figure 0006999523000001

Figure 0006999523000002
1 固体酸化物形燃料電池システム
2 固体酸化物形燃料電池モジュール
4 補機ユニット
6 ハウジング
7 断熱材
8 密封空間
10 発電室
12 固体酸化物形燃料電池セル集合体
14 固体酸化物形燃料電池セルスタック
16 固体酸化物形燃料電池セルユニット
18 燃焼室
20 改質器
22 空気用熱交換器
24 水供給源
28 水流量調整ユニット
30 燃料供給源
32 ガス遮断弁
36 脱硫器
38 燃料流量調整ユニット
40 空気供給源
42 電磁弁
44 改質用空気流量調整ユニット
45 発電用空気流量調整ユニット
46 第1ヒータ
48 第2ヒータ
50 温水製造装置
52 制御ボックス
54 インバータ
60 純水導入管
62 被改質ガス導入管
64 燃料ガス供給管
66 マニホールド
68 下支持板
70 空気集約室
72 空気分配室
74 空気流路管
76 空気導入管
80 排気ガス通路
82 排気ガス排出管
83 点火装置
84 燃料電池セル
86 内側電極端子
88 燃料ガス流路
90 内側電極
91 多孔質支持体
92 外側電極
94 電解質
100 上支持板
102 集電体

Claims (4)

  1. 固体酸化物形の電解質層を間に挟んで燃料極層と空気極層とが積層された固体酸化物形燃料電池セルにおいて、
    前記空気極層の外表面に集電層を有し、
    前記集電層は、アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型酸化物を含み、気相の周囲長/面積が5.0μm-1以上であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル。
  2. 前記集電層は1層のみからなる、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池セル。
  3. 前記集電層の気孔率は40%以下である、請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池セル。
  4. 前記集電層は銀を含有する集電層である、請求項1乃至3に記載の固体酸化物形燃料電池セル。
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