JP6999145B1 - 耐力壁の製造方法及び耐力壁 - Google Patents

耐力壁の製造方法及び耐力壁 Download PDF

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正弘 稲山
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Abstract

【課題】繊細な意匠性を有する格子構造でありながら高い構造耐力性能を有するようにする。【解決手段】耐力壁100の製造方法において、横格子材36及び/又は縦格子材35の長手方向端部に受け材(縦受け材21、横受け材22)を接合する、第1工程と、交差する二方向の斜材(正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、及び背面左上がり斜材34)と横格子材36及び/又は縦格子材35を組み合わせることにより三角形を成す開口部が複数形成された格子30を形成する第2工程と、受け材の外周部に枠材10を接合する第3工程と、を有し、第2工程において、二方向の斜材のうち、当該耐力壁100の奥行方向に分割された2つの第1方向の斜材で、第2方向の斜材を挟んで軸対称の相欠き接合する。【選択図】図1A

Description

本発明は、耐力壁の製造方法及び耐力壁に関する。
従来、採光や通風を確保するために、複数の開口を設けて意匠性を向上させた耐力壁が種々提案されている。
これに関して、特許文献1に記載の発明では、木材を格子状に組み合わせたあらわし格子パネルを備えることで意匠性を有する間仕切耐力壁が開示される。
特開2011-111868号公報
ところで、組子格子は、通風性、採光性、及び繊細な意匠性を有しているが、構造耐力性能は非常に低く耐力壁としては機能しない。その理由は、組子の部材同士は相欠きや突き付けでぴったりと嵌め込まれているが、水平力を受けると突き付けで嵌め込んでいた部材は外れ落ちてしまい、相欠きされた部材は面外に孕んで外れてしまうか、相欠きの断面欠損部から折れてしまうためである。
しかしながら、近年、構造耐力性能を有しつつ通風性、採光性、及び繊細な意匠性を有する耐力壁が求められている。
特許文献1に記載されている耐力壁の格子には斜材が存在しておらず、斜材が存在する格子と比較して、同等の構造耐力を有するためには部材をより太くする必要があるため意匠性が低い。
本発明の課題は、繊細な意匠性を有する格子構造でありながら高い構造耐力性能を有する耐力壁の製造方法及び耐力壁を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の耐力壁の製造方法は、
耐力壁の製造方法において、
横格子材及び/又は縦格子材の長手方向端部に受け材を接合する第1工程と、
交差する二方向の斜材と前記横格子材及び/又は縦格子材をそれぞれ所定の角度で嵌合することにより組み合わせ、前記斜材、前記横格子材及び/又は前記縦格子材がそれぞれ一辺を構成する三角形を成す開口部が複数形成された格子を形成する第2工程と、
前記受け材は、一対の縦受け材及び一対の横受け材を有し、前記縦受け材及び前記横受け材により形成される矩形状の枠体の外周部に枠材を接合する第3工程と、を有し、
前記二方向の斜材は、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第1方向の斜材と、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第2方向の斜材と、を備え、
前記第1方向の斜材は第1切り欠き部を有し、前記第2方向の斜材は、第2切り欠き部を有し、
前記第2工程において、正面側の一の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、正面側の一の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とを嵌合させて相欠き接合するとともに、背面側の他の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、背面側の他の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とを嵌合させて相欠き接合し、2つの第1方向の斜材の板厚面同士及び2つの第2方向の斜材の板厚面同士を当接させる
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の耐力壁の製造方法において、
前記第2工程において、前記二方向の斜材と前記横格子材及び/又は縦格子材との交点前記第1方向の斜材は、前記横格子材及び/又は縦格子材と嵌合する第3切り欠き部をそれぞれ備え、前記2つの第1方向の斜材の前記第3切り欠き部で、前記横格子材及び/又は縦格子材を挟んで嵌合する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の耐力壁の製造方法において、
前記第2工程において、前記二方向の斜材の交点を、固定金具により固定する。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の耐力壁の製造方法において、
前記第2工程において、前記受け材を前記2つの第1方向の斜材で挟んで固定金具により固定し、
前記第3工程において、前記2つの第1方向の斜材の端部を前記枠材に突き付けて接合する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の耐力壁の製造方法において、
前記横格子材又は縦格子材を、前記受け材及び前記枠材に貫通させている部分の長さは、前記横格子材又は縦格子材の見付幅の2倍以上である。
請求項6に記載の耐力壁は、
横格子材及び/又は縦格子材と、
前記横格子材及び/又は縦格子材の長手方向端部に接合される受け材と、
前記横格子材及び/又は縦格子材とそれぞれ所定の角度で嵌合することにより組み合わされ、前記横格子材及び/又は前記縦格子材がそれぞれ一辺を構成する三角形の一辺を構成し、前記三角形を成す開口部が複数形成された格子を形成する、交差する二方向の斜材と、
前記受け材は、一対の縦受け材及び一対の横受け材を有し、前記縦受け材及び前記横受け材により形成される矩形状の枠体の外周部に接合される枠材と、
を有し、
前記二方向の斜材は、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第1方向の斜材と、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第2方向の斜材と、を備え、
前記第1方向の斜材は第1切り欠き部を有し、前記第2方向の斜材は、第2切り欠き部を有し、
正面側の一の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、正面側の一の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とが嵌合されて相欠き接合されるとともに、背面側の他の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、背面側の他の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とが嵌合されて相欠き接合され、2つの第1方向の斜材の板厚面同士及び2つの第2方向の斜材の板厚面同士が当接される。
本発明によれば、繊細な意匠性を有する格子構造でありながら高い構造耐力性能を有する耐力壁の製造方法及び耐力壁を提供することができる。
本発明に係る耐力壁の一実施例の正面から見た平面図である。 本発明に係る耐力壁の一実施例の背面から見た平面図である。 図1AのII-II線における断面図である。 組立体Aの斜視図である。 組立体Bの斜視図である。 横受け材の接合部と縦受け材の接合部を示す図である。 組立体Cの斜視図である。 組立体Dの斜視図である。 正面左上がり斜材の斜視図である。 Y軸方向奥側から見た正面左上がり斜材の図である。 組立体Eの斜視図である。 正面右上がり斜材の斜視図である。 Y軸方向奥側から見た正面右上がり斜材の図である。 組立体Fの斜視図である。 背面左上がり斜材の斜視図である。 組立体Gの斜視図である。 背面右上がり斜材の斜視図である。 組立体Hの斜視図である。 組立体Iの斜視図である。 横枠材と縦格子材との接合部を示す図である。 縦枠材と横格子材との接合部を示す図である。 正面右上がり斜材及び背面左上がり斜材の端部と、縦受け材との接合部を示す図である。 耐力壁を建物の柱と梁による軸組内に嵌め込んだ図である。
本発明に係る耐力壁100の実施形態につき、適宜図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は、模式的に図示されたものである。
図1Aは、耐力壁100の一実施例の正面から見た平面図である。また、図1Bは、耐力壁100の一実施例の背面から見た平面図である。また、図2は、図1AのII-II線における断面図である。
図1A、図1B及び図2に示すように、耐力壁100は、枠材10と、左右(X軸方向)一対の縦受け材21と、上下(Z軸方向)一対の横受け材22と、複数の正面右上がり斜材31と、複数の正面左上がり斜材32と、複数の背面右上がり斜材33と、複数の背面左上がり斜材34と、複数の縦格子材35と、複数の横格子材36と、複数のビス(固定金具)41とを備える。
枠材10は、左右一対の縦枠材11と、上下一対の横枠材12とを備え、左右一対の縦枠材11と上下一対の横枠材12は、これらを組み合わせることにより、正面視矩形状に形成される。
縦枠材11、横枠材12、縦受け材21、横受け材22、正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、背面左上がり斜材34、縦格子材35、及び横格子材36は、板状の断面形状が長方形である木材であり、当該木材の種類は限定されない。
次に、耐力壁100の製造方法について説明する。
(A工程)
まず、図3に示すように、縦格子材35に横受け材22を取り付けて組立体Aを形成する。図3に示す例では、縦格子材35は2本である。
具体的には、縦格子材35のZ軸方向の両端部には凸形状の長ほぞ部351が形成されている。長ほぞ部351のZ軸方向の長さは、横受け材22の板厚(Z軸方向の長さ)と横枠材12の板厚(Z軸方向の長さ)を合わせた長さ以上である
また、横受け材22には、長ほぞ部351を貫通することができるようなほぞ穴221が形成されている。
そして、長ほぞ部351をほぞ穴221に貫通させた後、図3に示すように、ほぞ穴221のY軸方向の手前側(正面側)と奥側(背面側)において、横受け材22側からビス41により、縦格子材35に横受け材22を固定して組立体Aを形成する。
(B工程)
次に、図4及び図5に示すように、組立体Aに縦受け材21を取り付けて組立体Bを形成する。
具体的には、横受け材22のX軸方向の両端部には凸状の接合部222が形成されている。
また、縦受け材21のZ軸方向の両端部には、接合部222を嵌合させることができるような凹状の接合部211が形成されている。
そして、横受け材22の接合部222と縦受け材21の接合部211を嵌合させ、図5に示すように、接合部222において横受け材22側からビス41により、横受け材22と縦受け材21を固定する。また、接合部211において縦受け材21側からビス41により、横受け材22と縦受け材21を固定して組立体Bを形成する。
(C工程)
次に、図6に示すように、組立体Bに横格子材36を取り付けて組立体Cを形成する。図6に示す例では、横格子材36は6本である。
具体的には、縦受け材21には、横格子材36を貫通させることができるような貫通穴212(図6参照)が形成されている。同様に、縦格子材35には、横格子材36を貫通させることができるような貫通穴352(図3参照)が形成されている。
そして、横格子材36を貫通穴212及び貫通穴352に貫通させて、組立体Bに横格子材36を取り付けることで組立体Cを形成する。
つまり、A工程~C工程により、横格子材36及び/又は縦格子材35の長手方向端部に受け材(縦受け材21、横受け材22)を接合する(第1工程)。
(D工程)
次に、図7に示すように、組立体Cに、図8に示す正面左上がり斜材32を取り付けて組立体Dを形成する。図7、8に示す例では、正面左上がり斜材32は4本である。
具体的には、正面左上がり斜材32には、縦格子材35と嵌合することができるような切欠き部321、横格子材36と嵌合することができるような切欠き部322、及び縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合することができるような切欠き部323が形成されている。
切欠き部321は、正面左上がり斜材32と縦格子材35とが交差する位置に形成された凹形状の切欠きであって、縦格子材35の板厚と同じ幅で、縦格子材35の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
切欠き部322は、正面左上がり斜材32と横格子材36とが交差する位置に形成された凹形状の切り欠きであって、横格子材36の板厚と同じ幅で、横格子材36の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
切欠き部323は、正面左上がり斜材32と縦受け材21あるいは横受け材22とが交差する位置に形成されたL形状の切り欠きであって、縦受け材21あるいは横受け材22の板厚と同じ幅で、縦受け材21あるいは横受け材22の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
図9に、Y軸方向奥側から見た正面左上がり斜材32の図を示す。切欠き部321~323は、図9に示すように、正面左上がり斜材32の軸力方向に直交する方向に対して斜めに形成される。
図7に示す例では、切欠き部321、322がそれぞれ一つずつ形成された正面左上がり斜材32が2本と、切欠き部321、322がそれぞれ二つずつ形成された正面左上がり斜材32が2本取り付けられている。
また、正面左上がり斜材32には、正面右上がり斜材31と嵌合できるような切欠き部324が形成されている。切欠き部324は、正面右上がり斜材31と正面左上がり斜材32とが交差する位置に形成された凹形状の切り欠きであって、正面右上がり斜材31の板厚と同じ幅で、正面右上がり斜材31の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
そして、複数の正面左上がり斜材32は、X軸方向に対して所定の角度(例えば、X軸方向に対して135°)で等間隔に、切欠き部321において縦格子材35と嵌合し、切欠き部322において横格子材36と嵌合し、切欠き部323において縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合して、組立体Cに取り付けることで組立体Dを形成する。
また、正面左上がり斜材32は、それぞれの板面が枠材10の内周面に向くように取り付けられる。すなわち、隣り合う正面左上がり斜材32同士は、互いの板面同士が対向した状態で、間隔をあけて取り付けられる。
(E工程)
次に、図10に示すように、組立体Dに、図11に示す正面右上がり斜材31を取り付けて組立体Eを形成する。図10、11に示す例では、正面右上がり斜材31は4本である。
具体的には、正面右上がり斜材31には、縦格子材35と嵌合することができるような切欠き部311、横格子材36と嵌合することができるような切欠き部312、及び縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合することができるような切欠き部313が形成されている。
切欠き部311は、正面右上がり斜材31と縦格子材35とが交差する位置に形成された凹形状の切り欠きであって、縦格子材35の板厚と同じ幅で、縦格子材35の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
切欠き部312は、正面右上がり斜材31と横格子材36とが交差する位置に形成された凹形状の切り欠きであって、横格子材36の板厚と同じ幅で、横格子材36の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
切欠き部313は、正面右上がり斜材31と縦受け材21あるいは横受け材22とが交差する位置に形成されたL形状の切り欠きであって、縦受け材21あるいは横受け材22の板厚と同じ幅で、縦受け材21あるいは横受け材22の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
図12に、Y軸方向奥側から見た正面右上がり斜材31の図を示す。切欠き部311~313は、図12に示すように、正面右上がり斜材31の軸力方向に直交する方向に対して斜めに形成される。
図10に示す例では、切欠き部311、312がそれぞれ一つずつ形成された正面右上がり斜材31が2本と、切欠き部311、312がそれぞれ二つずつ形成された正面右上がり斜材31が2本取り付けられている。
また、正面右上がり斜材31には、正面左上がり斜材32の切欠き部324と嵌合できるような切欠き部314が形成されている。切欠き部314は、正面右上がり斜材31と正面左上がり斜材32とが交差する位置に形成された凹形状の切り欠きであって、正面左上がり斜材32の板厚と同じ幅で、正面左上がり斜材32の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
そして、複数の正面右上がり斜材31は、X軸方向に対して所定の角度(例えば、45°)で等間隔に、切欠き部311において縦格子材35と嵌合し、切欠き部312において横格子材36と嵌合し、切欠き部313において縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合し、切欠き部314において正面左上がり斜材32の切欠き部324と嵌合して、組立体Dに取り付けることで組立体Eを形成する。
また、正面右上がり斜材31は、それぞれの板面が枠材10の内周面に向くように取り付けられる。すなわち、隣り合う正面右上がり斜材31同士は、互いの板面同士が対向した状態で、間隔をあけて取り付けられる。
(F工程)
次に、図13に示すように、組立体Eを裏返し、背面側に図14に示す背面左上がり斜材34を取り付けて組立体Fを形成する。背面左上がり斜材34の形状は、正面左上がり斜材32と同一である。
図13、14に示す例では、背面左上がり斜材34は4本である。
具体的には、背面左上がり斜材34には、縦格子材35と嵌合することができるような切欠き部341、横格子材36と嵌合することができるような切欠き部342、及び縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合することができるような切欠き部343が形成されている。
切欠き部341の形状は、正面左上がり斜材32の切欠き部321と同一であり、切欠き部342の形状は、正面左上がり斜材32の切欠き部322と同一であり、切欠き部343の形状は、正面左上がり斜材32の切欠き部323と同一である。
図13に示す例では、切欠き部341、342がそれぞれ一つずつ形成された背面左上がり斜材34が2本と、切欠き部341、342がそれぞれ二つずつ形成された背面左上がり斜材34が2本取り付けられている。
また、背面左上がり斜材34には、背面右上がり斜材33と嵌合できるような切欠き部344が形成されている。切欠き部344は、背面右上がり斜材33と背面左上がり斜材34とが交差する位置に形成された凹形状の切り欠きであって、背面右上がり斜材33の板厚と同じ幅で、背面右上がり斜材33の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
そして、複数の背面左上がり斜材34は、X軸方向に対して所定の角度(例えば、45°)で等間隔に、切欠き部341において縦格子材35と嵌合し、切欠き部342において横格子材36と嵌合し、切欠き部343において縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合して、組立体Eに取り付けることで組立体Fを形成する。
また、背面左上がり斜材34は、それぞれの板面が枠材10の内周面に向くように取り付けられる。すなわち、隣り合う背面左上がり斜材34同士は、互いの板面同士が対向した状態で、間隔をあけて取り付けられる。
そして、背面左上がり斜材34が組立体Eに取り付けられることで、背面左上がり斜材34のY軸手前側の板厚面(X軸とZ軸が形成する面に平行な面)の切欠き部341~343以外の面は、正面右上がり斜材31の板厚面と当接する。
(G工程)
次に、図15に示すように、組立体Fに、図16に示す背面右上がり斜材33を取り付けて組立体Gを形成する。背面右上がり斜材33の形状は、正面右上がり斜材31と同一である。
図15、16に示す例では、背面右上がり斜材33は4本である。
具体的には、背面右上がり斜材33には、縦格子材35と嵌合することができるような切欠き部331、横格子材36と嵌合することができるような切欠き部332、及び縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合することができるような切欠き部333が形成されている。
切欠き部331の形状は、正面右上がり斜材31の切欠き部311と同一であり、切欠き部332の形状は、正面右上がり斜材31の切欠き部312と同一であり、切欠き部333の形状は、正面右上がり斜材31の切欠き部313と同一である。
図15に示す例では、切欠き部331、332がそれぞれ一つずつ形成された背面右上がり斜材33が2本と、切欠き部331、332がそれぞれ二つずつ形成された背面右上がり斜材33が2本取り付けられている。
また、背面右上がり斜材33には、背面左上がり斜材34の切欠き部344と嵌合できるような切欠き部334が形成されている。切欠き部334は、背面右上がり斜材33と背面左上がり斜材34とが交差する位置に形成された凹字状の切り欠きであって、背面左上がり斜材34の板厚と同じ幅で、背面左上がり斜材34の幅(Y軸方向の長さ)の半分程度の深さに形成されている。
そして、複数の背面右上がり斜材33は、X軸方向に対して所定の角度(例えば、135°)で等間隔に、切欠き部331において縦格子材35と嵌合し、切欠き部332において横格子材36と嵌合し、切欠き部333において縦受け材21あるいは横受け材22と嵌合し、切欠き部334において背面左上がり斜材34の切欠き部344と篏合して、組立体Fに取り付けることで組立体Gを形成する。
また、背面右上がり斜材33は、それぞれの板面が枠材10の内周面に向くように取り付けられる。すなわち、隣り合う背面右上がり斜材33同士は、互いの板面同士が対向した状態で、間隔をあけて取り付けられる。
そして、背面右上がり斜材33が組立体Fに取り付けられることで、背面右上がり斜材33のY軸手前側の板厚面(X軸とZ軸が形成する面に平行な面)の切欠き部331~333以外の面は、正面左上がり斜材32の板厚面と当接する。
上記の構成のように、左上がりと右上がりの二方向の斜材である、正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、及び背面左上がり斜材34と、縦格子材35及び横格子材36とにより、多数の三角形が構成されるように当該部材を組むことで、トラス構造の面が構成される。当該トラス構造の面には、曲げモーメントが発生せず、耐久性に優れている。
つまり、D工程~G工程により、交差する二方向の斜材(正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、及び背面左上がり斜材34)と横格子材36及び縦格子材35を組み合わせることにより三角形を成す開口部が複数形成された格子30を形成する(第2工程)。
また、正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、及び背面左上がり斜材34と、横格子材36及び縦格子材35の4方向の部材が、より細かい間隔で組まれている。したがって、当該部材のX軸とZ軸が形成する面に平行な面における見付幅が板面の幅よりも細い場合でも、面内方向の座屈長さが短いので、圧縮力による座屈が生じにくい。
上記のように、縦格子材35あるいは横格子材36は、正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34との交点において、切欠きを形成して嵌合により接合される。同様に、縦格子材35あるいは横格子材36は、正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33との交点において、切欠きを形成して嵌合により接合される。なお、当該交点において、相欠き接合により接合されてもよい。
つまり、第2工程において、二方向の斜材(正面右上がり斜材31、背面左上がり斜材34、正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33)と横格子材36及び縦格子材35との交点を、軸対称の相欠きまたは切欠きを形成して嵌合により接合する。
したがって、正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34により形成される板材において、また、正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33により形成される板材において、軸対称に縦格子材35あるいは横格子材36と嵌合するため、圧縮軸力による偏心が生じず面外方向に孕みが生じにくく、座屈が起こりにくいので、より高い耐力と粘り強さが得られる。
また、正面左上がり斜材32は、正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34との交点において、正面右上がり斜材31と背面左上がり斜材34とに挟まれるように構成される。
また、背面左上がり斜材34は、正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33との交点において、正面左上がり斜材32と背面右上がり斜材33とに挟まれるように構成される。
つまり、第2工程において、当該耐力壁100の奥行方向(Y軸方向)に分割された2つの第1方向の斜材で、第2方向の斜材を挟んで軸対称の相欠き接合する。
このように、二方向の斜材は軸対称の相欠き接合により接合されるため、圧縮軸力により偏心が生じず面外方向に孕みが生じにくく、座屈が起こりにくいので、より高い耐力が得られる。
次に、背面右上がり斜材33と背面左上がり斜材34とが交差する位置(切欠き部334と切欠き部344とを噛み合わせた部分)において、背面右上がり斜材33側からビス41により背面右上がり斜材33と背面左上がり斜材34とを固定する。
つまり、第2工程において、二方向の斜材の交点を、固定金具(ビス41)により固定する。
背面右上がり斜材33と背面左上がり斜材34とが交差する位置において、ビス41で固定されることにより、面外方向(Y軸方向)に背面右上がり斜材33及び背面左上がり斜材34が外れることがなくなるので、高い耐力と、大きな変形が生じた場合でも外れない粘り強さとが生じる。
次に、背面右上がり斜材33と縦格子材35とが交差する位置(切欠き部331が縦格子材35に嵌合する部分)において、背面右上がり斜材33側からビス41により、背面右上がり斜材33と縦格子材35とを固定する。
また、背面右上がり斜材33と横格子材36とが交差する位置(切欠き部332が横格子材36に嵌合する部分)において、背面右上がり斜材33側からビス41により、背面右上がり斜材33と横格子材36とを固定する。
次に、背面左上がり斜材34と縦格子材35とが交差する位置(切欠き部341が縦格子材35に嵌合する部分)において、背面左上がり斜材34側からビス41により、背面左上がり斜材34と縦格子材35とを固定する。
また、背面左上がり斜材34と横格子材36とが交差する位置(切欠き部342が横格子材36に嵌合する部分)において、背面左上がり斜材34側からビス41により、背面左上がり斜材34と横格子材36とを固定する。
(H工程)
次に、図17に示すように、組立体Gに、上下一対の横枠材12を取り付けて組立体Hを形成する。
具体的には、横枠材12には、縦格子材35を貫通させることができるような貫通穴121が形成されている。
そして、縦格子材35を貫通穴121に貫通させることで組立体Gに、上下一対の横枠材12を取り付けることで組立体Hを形成する。
(I工程)
次に、図18に示すように、組立体Hに左右一対の縦枠材11を取り付けて組立体Iを形成する。
具体的には、縦枠材11には、横格子材36を貫通させることができるような貫通穴111が形成されている。
そして、横格子材36を貫通穴111に貫通させることで組立体Hに左右一対の縦枠材11を取り付けることで組立体Iを形成する。
次に、縦枠材11と縦受け材21とを固定し、横枠材12と横受け材22とを固定する。
具体的には、縦枠材11の板面(Y軸とZ軸が形成する面に平行な面)から縦受け材21に向けてビス41をねじ込み、縦枠材11と縦受け材21とを固定する。また、横枠材12の板面(X軸とY軸が形成する面に平行な面)から横受け材22に向けてビス41をねじ込み、横枠材12と横受け材22とを固定する。
また、縦枠材11及び横枠材12の端部において、縦枠材11と横枠材12とを固定する。
具体的には、縦枠材11の端部の板面(Y軸とZ軸が形成する面に平行な面)から横枠材12の端部に向けてビス41をねじ込み、縦枠材11と横枠材12とを固定する。また、横枠材12の端部の板面(X軸とY軸が形成する面に平行な面)から縦枠材11の端部に向けてビス41をねじ込み、横枠材12と縦枠材11とを固定する。
つまり、H工程~I工程により、受け材(縦受け材21及び横受け材22)の外周部に枠材10を設ける(第3工程)。
次に、横枠材12と縦格子材35とを固定する。
具体的には、図19Aに示すように、奥側の横枠材12の板厚面(X軸とZ軸が形成する面に平行な面)の横枠材12と縦格子材35とが交差する位置から、ビス41をねじ込み、二面せん断において、横枠材12と縦格子材35とを固定する。
また、縦枠材11と横格子材36とを固定する。
具体的には、図19Bに示すように、奥側の縦枠材11の板厚面(X軸とZ軸が形成する面に平行な面)の縦枠材11と横格子材36とが交差する位置から、ビス41をねじ込み、二面せん断において、縦枠材11と横格子材36とを固定する。
横枠材12と縦格子材35との接合部、及び縦枠材11と横格子材36との接合部において、ビス41を介して二面せん断において、接合をすることにより、引き抜き耐力を付与することができる。
また、縦格子材35の長ほぞ部351は、横受け材22のほぞ穴221及び横枠材12の貫通穴121を貫通している。長ほぞ部351のほぞ穴221及び貫通穴121を貫通している部分の長さは、縦格子材35の見付幅(X軸方向の幅)の2倍以上となるように構成する。
また、横格子材36の端部は、縦受け材21の貫通穴212及び縦枠材11の貫通穴111を貫通している。横格子材36の端部の貫通穴212及び貫通穴111を貫通している部分の長さは、横格子材36の見付幅(Z軸方向の幅)の2倍以上となるように構成する。
これにより、縦格子材35と横受け材22及び横枠材12との接合部、または横格子材36と縦受け材21及び縦枠材11との接合部は、固定端に近い状態となる。ここで、耐力壁100に水平せん断力が加わった場合、縦枠材11側の縦格子材35、及び横枠材12側の横格子材36には、ラーメン部材のように凹凸に曲げ変形が生じる。したがって、曲げ変形が生じた縦格子材35及び横格子材36は、抵抗力を発揮し、大きな変形が生じても、縦格子材35及び横格子材36は、板面の幅よりも見付幅が小さいので折れずに曲がりながらせん断耐力を維持することで粘り強さを生じさせることができる。
次に、背面右上がり斜材33と縦受け材21あるいは横受け材22とが交差する位置(切欠き部333が縦受け材21あるいは横受け材22に嵌合する部分)において、背面右上がり斜材33側からビス41をねじ込み、正面左上がり斜材32まで到達させ、背面右上がり斜材33及び正面左上がり斜材32と、縦受け材21あるいは横受け材22とを固定する。
また、背面左上がり斜材34と縦受け材21あるいは横受け材22とが交差する位置(切欠き部343が縦受け材21あるいは横受け材22に嵌合する部分)において、背面左上がり斜材34側からビス41をねじ込み、正面右上がり斜材31まで到達させ、背面左上がり斜材34及び正面右上がり斜材31と、縦受け材21あるいは横受け材22とを固定する。
図20に正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34の端部と、縦受け材21との接合部を示す。
図20に示すように、縦受け材21の奥行方向の幅(Y軸方向の長さ)は、正面右上がり斜材31の奥行方向の幅と背面左上がり斜材34の奥行方向の幅を合わせた幅より小さい。
また、正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34は、切欠き部313及び切欠き部343により縦受け材21を挟むように配置され、上記のように背面左上がり斜材34側からビス41を介して、二面せん断において固定されている。これにより、せん断耐力を向上させることができる。
また、正面右上がり斜材31の端部面315及び背面左上がり斜材34の端部面345は、縦枠材11の表面に突き付けられる。
この構成により、正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34に材軸方向(長手方向)の引張力が加わった場合、ビス41により固定した端部が割裂する。しかし、その後引張力とは反対方向に圧縮力が加わると当該割裂が開きつつ、正面右上がり斜材31の端部面315及び背面左上がり斜材34の端部面345が縦枠材11の表面を滑り摩擦が生じることで、大きな変形時において粘り強さを生じさせることができる。
この構成は、正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34の端部と、横受け材22との接合部、正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33の端部と、縦受け材21との接合部、及び正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33の端部と、横受け材22との接合部においても同様である。
つまり、第2工程において、受け材(縦受け材21、横受け材22)を2つの第1方向の斜材(正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34、あるいは正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33)で挟んで固定金具(ビス41)により固定し、第3工程において、2つの第1方向の斜材の端部を枠材10に突き付けて接合する。
次に、横枠材12の貫通穴121を貫通した縦格子材35の端部を、横枠材12の板面(X軸とY軸が形成する面に平行な面)において、略面一となるように切りそろえる。
同様に、縦枠材11の貫通穴111を貫通した横格子材36の端部を、縦枠材11の板面(Y軸とZ軸が形成する面に平行な面)において、略面一となるように切りそろえる。
以上により、耐力壁100が製造される。
また、図21に示すように、耐力壁100は、建物内に設置される際に、建物の柱200と梁300による軸組内に隙間なく嵌め込まれ、枠材10において複数のビス41により固定される。つまり、縦枠材11は、柱200の内面おいて柱200に平行に当接して、縦枠材11側から複数のビス41により柱200に固定される。また、横枠材12は、梁300の内面において梁300に平行に当接して、横枠材12側から複数のビス41により梁300に固定される。
耐力壁100は、工場(例えば、障子や欄間などをつくる加工機械を有する建具屋の工場)において非常に高い精度で製作することができる。これによって、耐力壁100内のそれぞれの接合部及び嵌合部において初期のガタツキが無い初期剛性の高い耐力壁として製造される。
また、耐力壁100をパネル化して現場に搬入し、上記のように柱200と梁300による軸組内に嵌め込んで、枠材10を柱200と梁300にビス41により固定するようなプレファブ化された施工方法が可能であるので、通常の耐力壁と比べても現場の施工手間を省力化することができる。
以上、上記実施形態の耐力壁100の製造方法において、横格子材36及び/又は縦格子材35の長手方向端部に受け材(縦受け材21、横受け材22)を接合する、第1工程と、交差する二方向の斜材(正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、及び背面左上がり斜材34)と横格子材36及び/又は縦格子材35を組み合わせることにより三角形を成す開口部が複数形成された格子30を形成する第2工程と、受け材の外周部に枠材10を接合する第3工程と、を有し、第2工程において、二方向の斜材のうち、当該耐力壁100の奥行方向に分割された2つの第1方向の斜材で、第2方向の斜材を挟んで軸対称の相欠き接合する。
これによって、繊細な意匠性を有する格子構造でありながら高い構造耐力性能を有する耐力壁の製造方法を提供することができる。
また、上記実施形態の耐力壁100の製造方法の第2工程において、二方向の斜材と横格子材36及び/又は縦格子材35との交点を、軸対称の相欠きまたは切欠きを形成して嵌合により接合する。
これにより、圧縮軸力による偏心が生じず面外方向に孕みが生じにくく、座屈が起こりにくいので、より高い耐力と粘り強さが得られる。
また、上記実施形態の耐力壁100の製造方法の第2工程において、二方向の斜材の交点を、固定金具(ビス41)により固定する。
これによって、面外方向(Y軸方向)に二方向の斜材が外れることがなくなるので、高い耐力と、大きな変形が生じた場合でも外れない粘り強さとが生じる。
また、上記実施形態の耐力壁100の製造方法の第2工程において、受け材を2つの第1方向の斜材で挟んで固定金具(ビス41)により固定し、第3工程において、2つの第1方向の斜材の端部を枠材10に突き付けて接合する。
これによって、2つの第1方向の斜材に材軸方向(長手方向)の引張力が加わった場合、ビス41により固定した端部が割裂する。しかし、その後引張力とは反対方向に圧縮力が加わると当該割裂が開きつつ、2つの第1方向の斜材の端部面が枠材10の表面を滑り摩擦が生じることで、大きな変形時において粘り強さを生じさせることができる。
また、上記実施形態の耐力壁100の製造方法において、横格子材36又は縦格子材35を、受け材及び枠材10に貫通させている部分の長さは、横格子材36又は縦格子材35の見付幅の2倍以上である。
これによって、横格子材36と縦受け材21及び縦枠材11との接合部、または縦格子材35と横受け材22及び横枠材12との接合部は、固定端に近い状態となる。耐力壁100に水平せん断力が加わった場合、横枠材12側の横格子材36、または縦枠材11側の縦格子材35には、ラーメン部材のように凹凸に曲げ変形が生じる。したがって、曲げ変形が生じた横格子材36または縦格子材35は、抵抗力を発揮し、大きな変形が生じても、板面の幅よりも見付幅が小さいので折れずに曲がりながらせん断耐力を維持することで粘り強さを生じさせることができる。
また、上記実施形態の耐力壁100は、横格子材36及び/又は縦格子材35と、横格子材36及び/又は縦格子材35の長手方向端部に接合される受け材(縦受け材21、横受け材22)と、横格子材36及び/又は縦格子材35と組み合わされることにより三角形を成す開口部が複数形成された格子30を形成する、交差する二方向の斜材(正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、及び背面左上がり斜材34)と、受け材の外周部に接合される枠材10と、を有し、二方向の斜材のうち、当該耐力壁100の奥行方向に分割された2つの第1方向の斜材で、第2方向の斜材を挟んで軸対称の相欠き接合をされる。
これによって、繊細な意匠性を有する格子構造でありながら高い構造耐力性能を有する耐力壁を提供することができる。
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る耐力壁の例であり、これに限定されるものではない。その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
例えば、交差する二方向の斜材と組み合わせる格子材は、横格子材及び縦格子材のうち少なくとも一方であればよい。
また、例えば、上記実施形態において、正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34は、X軸方向に対して45°の角度で配置され、正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33は、X軸方向に対して135°の角度で配置されるとしたが、角度はこれに限らない。
また、上記実施の形態における正面右上がり斜材31、正面左上がり斜材32、背面右上がり斜材33、背面左上がり斜材34、縦格子材35及び横格子材36により形成される格子パターンの代わりに他の格子パターンを用いてもよい。例えば、X軸方向に対して60°の角度で配置される正面右上がり斜材31及び背面左上がり斜材34、X軸方向に対して120°の角度で配置される正面左上がり斜材32及び背面右上がり斜材33、及び縦格子材35(あるいは横格子材36)により形成される籠目格子パターンや麻の葉格子パターン等を用いてもよい。
100 耐力壁
10 枠材
11 縦枠材
111 貫通穴
12 横枠材
121 貫通穴
21 縦受け材
211 接合部
212 貫通穴
22 横受け材
221 ほぞ穴
222 接合部
30 格子
31 正面右上がり斜材
311、312、313、314 切欠き部
315 端部面
32 正面左上がり斜材
321、322、323、324 切欠き部
33 背面右上がり斜材
331、332、333、334 切欠き部
34 背面左上がり斜材
341、342、343、344 切欠き部
345 端部面
35 縦格子材
351 長ほぞ部
352 貫通穴
36 横格子材
41 ビス(固定金具)
200 柱
300 梁

Claims (6)

  1. 耐力壁の製造方法において、
    横格子材及び/又は縦格子材の長手方向端部に受け材を接合する第1工程と、
    交差する二方向の斜材と前記横格子材及び/又は縦格子材をそれぞれ所定の角度で嵌合することにより組み合わせ、前記斜材、前記横格子材及び/又は前記縦格子材がそれぞれ一辺を構成する三角形を成す開口部が複数形成された格子を形成する第2工程と、
    前記受け材は、一対の縦受け材及び一対の横受け材を有し、前記縦受け材及び前記横受け材により形成される矩形状の枠体の外周部に枠材を接合する第3工程と、を有し、
    前記二方向の斜材は、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第1方向の斜材と、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第2方向の斜材と、を備え、
    前記第1方向の斜材は第1切り欠き部を有し、前記第2方向の斜材は、第2切り欠き部を有し、
    前記第2工程において、正面側の一の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、正面側の一の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とを嵌合させて相欠き接合するとともに、背面側の他の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、背面側の他の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とを嵌合させて相欠き接合し、2つの第1方向の斜材の板厚面同士及び2つの第2方向の斜材の板厚面同士を当接させる、耐力壁の製造方法。
  2. 前記第2工程において、前記二方向の斜材と前記横格子材及び/又は縦格子材との交点前記第1方向の斜材は、前記横格子材及び/又は縦格子材と嵌合する第3切り欠き部をそれぞれ備え、前記2つの第1方向の斜材の前記第3切り欠き部で、前記横格子材及び/又は縦格子材を挟んで嵌合する、請求項1に記載の耐力壁の製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記二方向の斜材の交点を、固定金具により固定する、請求項1又は2に記載の耐力壁の製造方法。
  4. 前記第2工程において、前記受け材を前記2つの第1方向の斜材で挟んで固定金具により固定し、
    前記第3工程において、前記2つの第1方向の斜材の端部を前記枠材に突き付けて接合する、請求項1から3のいずれか一項に記載の耐力壁の製造方法。
  5. 前記横格子材又は縦格子材を、前記受け材及び前記枠材に貫通させている部分の長さは、前記横格子材又は縦格子材の見付幅の2倍以上である請求項1から4のいずれか一項に記載の耐力壁の製造方法。
  6. 横格子材及び/又は縦格子材と、
    前記横格子材及び/又は縦格子材の長手方向端部に接合される受け材と、
    前記横格子材及び/又は縦格子材とそれぞれ所定の角度で嵌合することにより組み合わされ、前記横格子材及び/又は前記縦格子材がそれぞれ一辺を構成する三角形の一辺を構成し、前記三角形を成す開口部が複数形成された格子を形成する、交差する二方向の斜材と、
    前記受け材は、一対の縦受け材及び一対の横受け材を有し、前記縦受け材及び前記横受け材により形成される矩形状の枠体の外周部に接合される枠材と、
    を有し、
    前記二方向の斜材は、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第1方向の斜材と、当該耐力壁の奥行方向に分割された2つの第2方向の斜材と、を備え、
    前記第1方向の斜材は第1切り欠き部を有し、前記第2方向の斜材は、第2切り欠き部を有し、
    正面側の一の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、正面側の一の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とが嵌合されて相欠き接合されるとともに、背面側の他の前記第1方向の斜材の前記第1切り欠き部と、背面側の他の第2方向の斜材の前記第2切り欠き部とが嵌合されて相欠き接合され、2つの第1方向の斜材の板厚面同士及び2つの第2方向の斜材の板厚面同士が当接される、耐力壁。
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