JP6114870B1 - 壁パネル及びその固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁パネルを構成する板材に安価な二等材を使用して、コストの低減を図っても、水の浸入防止をはかることができるようにする。【解決手段】板材12の実部13と溝部14を嵌め合わせて一方向に接続して形成される壁パネル11において、板材12の厚み方向の内部に合板18からなる合板層12aを備え、板材12における板材12の接続方向と平行な両側部に、厚み方向の中間部分に中間耳部15を残して厚み方向の両側を切り欠く切欠き部16を形成する。切欠き部16には、実部13と溝部14の嵌め合わせで接続される複数の板材12の全体に延びる長さの線材17を固定する。この壁パネル11を、垂直材Xに形成された落とし込み溝Xaに落とし込んだのち、壁パネル11を壁外面側に押しつけて固定する。【選択図】図1

Description

この発明は、木造建築に用いられる壁パネルとその固定構造に関し、より詳しくは、落とし込み板を利用した板倉構法に関する。
落とし込み板である壁パネルは、垂直材である柱材の側面に形成された落とし込み溝に両側部を落とし込んで固定される。つまり、軸組の架構のなかにせん断力に抵抗する面材、すなわち落とし込みパネルを入れるので、剛性が高い。
しかし板倉構法は木造の在来工法に比べて多くの木材を使用するので、等級の低い2等材を用いてコストを抑えることが考えられた。
ところが、二等材には多くの節がある。その半数は死節(しにぶし)であるため、その死節を通して、また死節ではなく生節(いきぶし)であっても乾燥による割れがある場合にはその割れを通して、壁外面側から壁内面側へ雨水等の浸入が発生することがある。安価な木材は反りや曲り、割れも起こりやすいので、節のほか、落とし込み板を構成する板材同士の間や、落とし込み板と落とし込み溝との間からも水の浸入が起こることもあった。このように、安価な木材は板倉構法に適していなかったといえる。
落とし込み板を構成する複数の板材を、一枚の製材で構成せずに、層構造とするものは、下記特許文献1、2などに開示されているが、いずれも防火を目的とするもので、前述のように雨水等の浸入を防止するものではなかった。
登録実用新案第3167157号公報 特開2000−297474号公報
この発明は、落とし込み板である壁パネルに、例えば等級が低い安価な二等材を使用しても水の浸入防止を図れるようにすることを主な目的とする。
そのための手段は、板材の実部と溝部を嵌め合わせて一方向に接続して形成される壁パネルであって、前記板材が、厚み方向の内部に合板からなる合板層を有し、前記板材における前記板材の接続方向と平行な両側部に、厚み方向の中間部分に中間耳部を残して厚み方向の両側を切り欠く切欠き部が形成され、前記切欠き部に、前記実部と前記溝部の嵌め合わせで接続される複数の前記板材の全体に延びる長さの線材が固定された壁パネルである。
この構成では、板材に節があって、板材における壁外面側から水が浸入したとしても、内部の合板層が更なる水の浸入を遮断する。また板材間に水が伝って左右両側部に達しても、切欠き部と線材との間や板材同士の間の入り組んだ接触面や繊維方向の相違によって、水の流れが断たれる。
この発明によれば、落とし込み板である壁パネルに二等材を使用しても水の浸入防止を図ることができる。
壁パネルと固定構造の要部を示す一部断面斜視図。 壁パネルの全体を示す斜視図。 壁パネルを構成する板材の斜視図。 壁パネルを構成する板材の構成を示す説明図。 壁パネルの両側部分の断面図。 壁パネルを構成する板材と線材の分離状態の斜視図。 壁パネルの上端部の角を示す斜視図。 壁パネルの下端部の角を示す斜視図。 壁パネルを用いた木造建築物の斜視図。 木造建築物の要部の分解斜視図。 垂直材と水平材の接合構造を示す斜視図。 垂直材と水平材の接合構造を示す斜視図。 垂直材と水平材の接合構造を示す斜視図。 垂直材と水平材の接合構造を示す斜視図。 壁パネルを固定する一工程を示す斜視図。 壁パネルを固定する一工程を示す斜視図。 壁パネルを固定する一工程を示す断面図。 壁パネルの固定状態を示す断面図。 壁パネルの土台に対する固定状態を示す断面図。 壁パネルの桁に対する固定状態を示す断面図。 壁パネルの土台に対する固定状態を示す断面図。 楔部材の固定状態を示す斜視図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
はじめに、壁パネル11の説明を行う。壁パネル11は図1に示したように、落とし込み板として使用されるものであり、複数の板材12を一方向に接続して形成されている。壁パネル11の斜視図である図2に示したように、板材12は、横長の長方形板状に形成されている。板材12の接続は、板材12の2つの長辺のうちの一方の長辺の端面に形成された実(さね)部13と、他方の長辺の端面に形成された溝部14を、異なる板材12同士のあいだにおいて嵌め合わせて行われる(図1参照)。
具体的には板材12は、図3に示したように、一方の長辺を構成する端面に、板材12の厚みの中間部分に位置して板材12の厚みよりも薄い実部13を長手方向の略全体にわたって有している。板材12における他方の長辺を構成する端面には、板材12の厚みの中間部分に位置して実部13が嵌る厚みの溝部14が長手方向の略全体にわたって形成されている。板材12のうち、壁パネル11を形成したときに一番下に位置する板材12には実部13のみが、一番上に位置する板材12には溝部14のみが形成されている。
一方、板材12の長辺と直交する短辺部分、すなわち板材12の接続方向平行である長手方向の両側部には、厚み方向の中間部分に中間耳部15を残して厚み方向の両側を切り欠く切欠き部16が形成されている。中間耳部15は、実部13と同様の形状である。中間耳部15の厚みは適宜設定されるが、実部13の厚さと異なる厚さであるのが望ましい。好ましくは、中間耳部15の厚さは実部13の厚さよりも薄く形成する。切欠き部16は、接続する板材12同士を一体化する線材17を固定する部分であり、直角をなす2面を有する段差状に形成されている。中間耳部15の長さは、図1に仮想線で示したように、壁パネル11を固定する垂直材Xの落とし込み溝Xaに収まる大きさである。つまり、中間耳部15の長さは落とし込み溝Xaの深さと同一か、それよりも若干短く形成されている。
このように実部13と溝部14と中間耳部15を有する板材12は、図1、図3に示したように、厚み方向の内部に合板18からなる合板層12aを有している。図示例の板材12は、図4に示したように、2枚の板状製材19の間に合板18を挟んで一体化されている。板状製材19は、実部13や溝部14、中間耳部15となる部分を有しており、節の種類、節の有無、節の多少にかかわらず、適宜の木材が使用される。等級の低い二等材を使用してもよい。間伐材を利用して板状製材19を得ることも可能である。合板層12aを構成する合板18は、繊維方向をたてよこに交差させた公知の構造であり、板状製材19における接合面19aと同一形状に形成されている。
板状製材19と合板18は、耐水性の接着剤で貼り合せられる。このため板状製材19と合板層12aとの間には、図5に示したように接着剤層21が介在することになる。
板材12の切欠き部16に固定される線材17の長さは、実部13と溝部14の嵌め合わせで接続される複数の板材12の全体に延びる長さである。つまり線材17の長さは、壁パネル11における板材12の接続方向の長さに等しい。
線材17は、図6に示したように、接続される複数の板材12の全体に延びる長さで、断面形状が方形である木製の1本ものの角材で構成され、線材17の隣り合う二面が板材12の切欠き部16に密に接するように、線材17の太さは、切欠き部16を構成する直角をなす二面に対応する大きさの側面を有している。換言すれば、線材17の太さは、壁パネル11を落とし込む垂直材Xの落とし込み溝Xaに収まる大きさである(図1参照)。線材17は1本の製材で構成するほか、繋いで1本にしても良い。
この線材17は板材12に対して耐水性の接着剤で固定する。つまり、図5に示したように板材12と線材17の間に接着剤層22を有する。接着剤による固定に加えて、釘23による固定も行うとよい。釘打ちは厚み方向の両側から行う。
以上のような構成の壁パネル11は、壁パネル11の上端の角部を示す図7、下端の角部を示す図8に示したように、上端面11cと下端面11dと両側の端面11eは面一である。壁パネル11を構成する複数の板材12は、それぞれが実部13と溝部14の嵌め合わせで結合している上に、4本の線材17によっても結合している。そして、板材12と線材17の接合状態を示す一部断面斜視図である図1に示したように、板材12と線材17との間や、板材12自体の内部、板材12同士の間に、入り組んだ接触面や繊維方向の相違が存在している。
つづいて、前述の壁パネル11を用いた木造建築物31と壁パネル11の固定構造について説明する。
図9は木造建築物31の一例を示す斜視図であり、この木造建築物31は、たとえば店舗や事務所、ユニットハウスやバンガロ、東屋、物置、倉庫、ガレージ、休憩所、案内所、勉強部屋、仮設住宅、一般住宅などとして利用できるものである。この木造建築物31ではパネル化や工業化、システム化が図られ、パネルをはじめとしてすべての部材は規格化されている。つまり、部材の品質、形状、寸法などが規格に合わせて統一されている。
図10がその木造建築物31の主な構成部材を示す分解斜視図であり、木造建築物31は壁パネル11と床パネル32と垂直材Xと水平材Yと接合金物Zを有している。接合金物Zは垂直材Xと水平材Yを接合して躯体を構成するとともに、壁パネル11を垂直材Xや水平材Yに保持させる機能も果たす。接合金物Zによる接合は着脱自在である。
図11〜図14に垂直材Xと水平材Yの接合構造を示す。図11は、垂直材Xと水平材Yの接合のうち土台33と通し柱34と土台35の接合構造を示し、図12は、垂直材Xと水平材Yの接合のうち通し柱34と軒桁36と妻桁37の接合構造を示し、図13は、垂直材Xと水平材Yの接合のうち土台33と大引38、及び土台33と間柱39の接合構造を示し、図14は、垂直材Xと水平材Yの接合のうち軒桁36と間柱39の接合構造を示している。
この例の木造建築物31は平面視長方形であり、壁パネル11には長手方向にのびる桁壁パネル11aと、桁壁パネル11aに直角に設けられる妻壁パネル11bの2種類を有する。桁壁パネル11aと妻壁パネル11bは、外壁と内壁を兼用できる程度の厚さ、例えば30mm程度に設定される。これらの壁パネル11を保持する垂直材Xと水平材Yには一般に柱材等として用いられるものと同等の角材が使用され、すべて同一太さ、例えば105mm角に設定されている。この例で垂直材Xと水平材Yは板倉構法で建築される木造建築物31を構成するものであり、長手方向に沿ってのびる所定幅の落とし込み溝Xa,Yaを側面に有する。落とし込み溝Xa,Yaは壁パネル11の縁部(左右両側の縁部と上下両側の縁部)が嵌る部分であり、接合した時に壁パネル11の縁部に対向する側面に形成される。落とし込み溝Xa,Yaの幅は壁パネル11の厚さよりも若干広い。
図11〜図14に示したように、通し柱34と土台33および軒桁36間と、間柱39と土台33および軒桁36間は、接合金物Zで接合される。
通し柱34と土台33、通し柱34と軒桁36の端部同士を接合する接合金物41は、接合される垂直材Xと水平材Yの端面Xb,Yb間に介在し、端面Xb,Ybに当接する当接面41aと、これら当接面41aから突出して端面Xb,Ybから垂直材Xまたは水平材Y内に挿入される差し込み部41bを有する。具体的には、接合金物41は立方体形状に形成され、一つの角をとりまく3つの面を前述の当接面41aとしている。各当接面41aには、板状をなす前述の差し込み部41bが1枚ずつ突設されている。差し込み部41bは複数の穴部41cを有する。これらの穴部41cは、ドリフトピン91を挿入するための部分であり、接合金物41によって接合される通し柱34と土台33、軒桁36の端部には、穴部41cと対応する位置に貫通穴Xc,Ycが形成されている。
通し柱34と土台33を接合する、図11に示した接合金物41では、内部にナット92を入れて柱脚金物42を固定できるようにしている。柱脚金物42は、接合金物41の下と土台33の下を支える長さで平面視略L字形の支持板42aと、この支持板42aを支える支柱42bを有し、支柱42bの下にはアジャスタ42cを備えている。支持板42aの中間点には支柱42bから延びるボルト42dが備えられ、支持板42aの両端部には土台33に対する固定を行うボルト93を必要に応じて通す穴部42eが形成されている。
通し柱34と軒桁36を接合する、図12に示した接合金物41では、当接面41a以外の面の少なくとも1つにねじ穴41eを形成している。ねじ穴41eは、接合金物41を構成する板材に形成した穴部と、穴部の内側に保持したナットで構成される。
接合金物41が前述のような構成であるので、接合金物41に接する部分の壁パネル11の四隅は、図12に示したように切り欠き11fを有する。
間柱39の端部と土台33および軒桁36の中間部を接合する接合金物43は、垂直材Xである間柱39の端部に埋め込まれて間柱39の端面Xbと面一になる当接面43aと、この当接面43aに形成されたボルト挿入穴43bを有する。具体的には図13、図14に示したように、接合金物43は前述の当接面43aを有する基板43cと、この基板43cにおける当接面43aと反対側の面から立設される板状の差し込み部43dを有する。基板43cの中央には前述のボルト挿入穴43bが形成されており、差し込み部43dには前述の接合金物41の差し込み部41bと同様にドリフトピン91を挿入する複数の穴部43eが形成されている。
この接合金物43は、当接面43aを予め土台33や軒桁36の側面に当接した状態で固定されるものであって、ボルト挿入穴43bには差し込み部43d側からボルト93を挿入する。挿入したボルト93は土台33や軒桁36に保持した雌ねじ部材94に螺合する。
雌ねじ部材94は、円筒状に形成され、内部に雌ねじを有し、長手方向の中間位置に、中心を通って横切る貫通穴94aを備えている。この貫通穴94aは、接合金物41,43の穴部41c,43eと同様にドリフトピン91で固定したり、ボルト95で固定したりするための部分である。
間柱39と土台33を接合する図13に示した接合金物43の固定部分には、土台33を支える柱脚金物44を備える。柱脚金物44は、形状は異なるものの前述の通し柱34の下の接合金物41の下に固定する柱脚金物42と同様の構成である。すなわち、柱脚金物44は、平面視略円形で、土台33の側面に対して接合する大引38に向けて延びる延長部分を有した支持板44aと、この支持板44aを支える支柱44bを有し、支柱44bの下にはアジャスタ44cを備えている。支持板44aの中央には支柱44bからのびるボルト44dが備えられ、支持板44aの周囲には、土台33と大引38に対して木ねじや釘等で固定するための穴部44eが適宜形成されている。
柱脚金物44の固定は、図13に示したように、土台33に内蔵した雌ねじ部材94を利用して行われる。接合金物43の固定位置とは別の位置に固定することもできる。
桁壁パネル11aと妻壁パネル11bの外側面における四隅と、左右両側縁の上下方向中間部には、図9、図10〜図12に示したように補助板45が固定されている。補助板45は、壁パネル11の表面に固定したときに垂直材Xや水平材Yの表面よりも内側に収まる厚さの板状であり、垂直材Xや水平材Yの側面に接する接触面45aを有する。つまり四隅の補助板45は直角をなす2つの接触面45aを有し、上下方向の中間部の補助板45は直線状の1つの接触面45aを有する。これらの接触面45aを有する辺以外の部分は、必要な面積を確保しつつデザイン性も考慮して適宜の形状に形成されている。
床パネル32は合板で構成され、水平材Yとしての土台35や大引38の上に固定される。土台35の上面(上側の側面)には、図11に示したように落とし込み溝Yaが形成されている。この落とし込み溝Yaは、妻壁パネル11bの下端の縁が嵌る部分である。落とし込み溝Yaを有するため、床パネル32の長手方向の端は、例えば落とし込み溝Yaの内面と面一に固定される。床パネル32の長手方向と直交する方向の端には、間柱39に対応する部位を除いて、接合時に土台33の上面にのる載置縁部32aが形成されている。土台35と大引38に対する床パネル32の固定は、釘等(図示せず)で行える。
床パネル32に固定される水平材Yのうちの大引38は、その端部を土台33の中間部に接合する接合金物46を有している。この接合金物46は、図13に示したように、前述の間柱39と土台33を接合する接合金物43と同様の構成である。
つまり接合金物46は、水平材Yの端部に埋め込まれて水平材Yの端面Ybと面一になる当接面46aと、この当接面46aに形成されたボルト挿入穴46bを有する。当接面46aは接合を行う時に土台33の側面に当接する部分である。具体的には、接合金物46は前述の当接面46aを有する基板46cと、この基板46cにおける当接面46aと反対側の面から立設される板状の差し込み部46dを有する。基板46cの中央には前述のボルト挿入穴46bが形成されており、差し込み部46dにはドリフトピン91を挿入する複数の穴部46eが形成されている。また、当接面46a側からボルト挿入穴46bに挿入したボルト95を保持するため、基板46cの差し込み部46d側にはナット436fを保持している。ナット46fは基板46cと補助板46gの間に保持される。
この接合金物46は、当接面46aを予め大引38の端部に埋設状態でドリフトピン91によって固定される。接合金物46による桁壁パネル11aと大引38の固定のため、桁壁パネル11aの土台33の外側面から挿入されるボルト95を備える。図13の例では、間柱39を有する位置と同じ位置に大引38を固定する例を示したため、ボルト95は土台33と共に雌ねじ部材94の貫通穴94aを通すように描いたが、間柱39を有しない位置に大引38を固定する場合には、図示は省略するが、土台33のみに通すことになる。
つぎに、以上のように垂直材Xと水平材Yを接合して得られる木造建築物31の壁パネル11を固定するための固定構造を説明する。
この固定構造は、壁パネル11の両側部を垂直材Xに形成された落とし込み溝Xaに落とし込んで固定する壁パネル11の固定構造であって、落とし込み溝Xaの幅が壁パネル11の厚さよりも大きく形成され、落とし込み溝Xaの幅方向における壁内面側に、両側部が落とし込み溝Xaに落とし込まれた壁パネル11を壁外面側に押しつける押しつけ手段が備えられる。前述のように壁パネル11は一枚の板状であり、全周の縁部を垂直材Xと水平材Yの落とし込み溝Xa,Yaに嵌め込んだ状態で固定される。このため壁パネル11の固定は接合金物Zによる垂直材Xと水平材Yの接合と同期して行われる。
図15、図16に壁パネル11の固定途中の斜視図を示す。図15、図16では接合金物Zや接合金物Zによる固定に必要な溝などの図示は省略している。
壁パネル11の固定に際しては、まず接合金物Zを用いて土台33に間柱39や通し柱34を立てる。この後、これら垂直材X間に壁パネル11を落とし込んで嵌める。壁パネル11の左右両側の縁部は垂直材Xの落とし込み溝Xaに嵌り、下端の縁部は水平材Yの落とし込み溝Yaに嵌る。
続いて、垂直材X間の上に、水平材Yを接合金物Zで固定して、壁パネル11の上を閉じる。これによって、壁パネル11の上端の縁部はその水平材Yの落とし込み溝Yaに嵌る。つぎに、図17に仮想線で示したように、壁パネル11を壁外面側に移動させてから、垂直材Xにおける落とし込み溝Xaの幅方向における壁内面側に、壁パネル11を壁外面側に押しつける押しつけ手段を備える。
押しつけ手段は、図16に示したように、垂直材Xの長さに対応する長尺の線状材である楔部材51であり、楔部材51の断面形状は図17に示したように楔形である。つまり、壁パネル11に接する当接面51aに対して傾斜して、後方ほど高くなる傾斜面51bを有している。この傾斜面51bより後方には、当接面51aと平行な平面51cを有している。
楔部材51の取り付けに先立って、垂直材Xの落とし込み溝Xaの幅方向における壁内面側の奥には、弾力性を有するバックアップ材52が備えられる。バックアップ材52は、ゴムや繊維などで構成された線状であり、変形性と弾力性を有するものである。バックアップ材52は壁パネル11を嵌めた落とし込み溝Xaにおける壁内面側にできる隙間よりも大きい断面形状を有している。好ましくは断面円形であるとよい。隙間に挿入するのに方向性がなく、作業性が良いからである。
すなわち、壁パネル11の落とし込み溝Xa内での固定は、前述のように壁パネル11を壁外面側に移動させてから、バックアップ材52を壁パネル11と落とし込み溝Xaの内面との間の隙間に奥まで押し込んで、壁パネル11を壁外面側に押すとともに、内奥部分での止水を可能にしてから、バックアップ材52を隠すように、壁パネル11と落とし込み溝Xaの内面との間の隙間に楔部材51を打ち込む。これによって、壁パネル11の両側部の全体は落とし込み溝Xa内で壁外面側に強く押しつけられ、図18に示したように、壁パネル11の線材17とその近傍が、落とし込み溝Xaの内面における壁外面側に密着する。
壁パネル11と水平材Yとの間も、図19、図20に示したように垂直材Xとの間と同様にバックアップ材52と楔部材51を用いて固定するとよい。ただ、止水性はさほど要求される箇所ではないので、バックアップ材52と楔部材51を省略してもよい。また、図21に示したように、バックアップ材52のみを使用して、バックアップ材52で壁パネル11の位置を固定するとともに、床パネル32を土台33に後付けして、床パネル32の端面で壁パネル11を壁外面側に押し付けることもできる。
壁パネル11を落とし込み溝Xa,Ya内で不動に固定する楔部材51に対しては、図22に示したように、戻り止めのためのビス53を用いて固定するとよい。ビス53は楔部材51の平面51cから壁パネル11に螺合される。
以上のように構成された壁パネル11と木造建築物31では、次のような作用、効果を奏する。
壁パネル11は、実部13と溝部14で結合される複数の板材12が線材17で一体化され、パネル化されており、壁パネル11の強度が高い。しかも線材17は、壁パネル11の長さに等しく形成されているので、より高い強度が得られる。この線材17は、壁パネル11を構成する板材12の中間耳部15の厚さが実部13の厚さよりも薄く設定されているので、太さを確保できる。この点からも壁パネル11の強度を得られる。
壁パネル11を構成する板材12は、合板18を芯として、これを板状製材19で挟んで形成されているので、乾燥による曲りを防止できる。また合板18と板状製材19を接合している接着剤層21と合板層12aが、板状製材19を通して浸入する雨水などを遮断する。つまり、板状製材19に図1に示したような死節19b(図1上側)がある場合でも、節が生節19cではあっても割れ19dを有する(図1下側)場合でも、接着剤層21と、板状製材19とは繊維方向が異なる合板層12aが、壁パネル11内面への水の浸入を阻止する。
また、板材12の実部13の厚さと中間耳部15の厚さが異なるとともに、中間耳部15は線材17で挟み付けられており、線材17の表面と板状製材19の表面が面一であるので、図1に示したように、切欠き部16と線材17との間や板材12同士の間に入り組んだ接触面が得られる。そのうえ、板材12の板状製材19と合板18では繊維方向が相違し、板状製材19と線材17でも繊維方向が相違する。このため、雨水等が板材12や板材12同士の間から侵入しても、水の流れを断つことができ、止水できることになる。
止水については、線材17の太さを垂直材Xの落とし込み溝Xaに収まる大きさに設定しているので、線材17が露出しない状態で線材17とその近傍が楔部材51によって強力に押さえつけられるので、より高い止水性能が得られる。
つまり壁パネルの板状製材に安価な二等材を使用して、コストの低減を図っても、水の浸入防止をはかることのできる性能の良い木造建築物31を得ることができる。
しかも、バックアップ材52と楔部材51によって、壁パネル11は落とし込み溝Xa内の壁外面側に強く押しつけられ圧接しているので、落とし込み板特有の左右に流れる雨水でも止水できる。
壁パネル11が垂直材Xと水平材Yによってパネル化されている上に、壁パネル11の固定に楔部材を用いているため、戻り止めにビス53を使用しても、ビスは着脱可能であるので、組みバラシは簡単である。
以上の構成はこの発明を実施するための一形態の構成であり、この発明は前述の構成に限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
たとえば、楔部材51に代えて、バックアップ材のような構造の詰め物を押しつけ手段として使用することもできる。
11…壁パネル
12…板材
12a…合板層
13…実部
14…溝部
15…中間耳部
16…切欠き部
17…線材
18…合板
19…板状製材
21,22…接着剤層
31…木造建築物
51…楔部材
52…バックアップ材
X…垂直材
Xa…落とし込み溝

Claims (11)

  1. 板材の実部と溝部を嵌め合わせて一方向に接続して形成される壁パネルであって、
    前記板材が、厚み方向の内部に合板からなる合板層を有し、
    前記板材における前記板材の接続方向と平行な両側部に、厚み方向の中間部分に中間耳部を残して厚み方向の両側を切り欠く切欠き部が形成され、
    前記切欠き部に、前記実部と前記溝部の嵌め合わせで接続される複数の前記板材の全体に延びる長さの線材が固定された
    壁パネル。
  2. 前記板材が、2枚の板状製材の間に接着剤層を介して合板を挟んで一体化されている
    請求項1に記載の壁パネル。
  3. 前記中間耳部の厚さが前記実部の厚さと異なる
    請求項1または請求項2に記載の壁パネル。
  4. 前記中間耳部の厚さが前記実部の厚さよりも薄い
    請求項1または請求項2に記載の壁パネル。
  5. 前記線材が角材であり、前記線材の隣り合う二面が板材に密に接する
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の壁パネル。
  6. 前記板と前記線材の間に接着剤層を有する
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の壁パネル。
  7. 前記線材の太さが、当該壁パネルを落とし込む垂直材の落とし込み溝に収まる大きさである
    請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の壁パネル。
  8. 壁パネルの両側部を垂直材に形成された落とし込み溝に落とし込んで固定する壁パネルの固定構造であって、
    前記壁パネルに請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の壁パネルが用いられ、
    前記落とし込み溝の幅が前記壁パネルの厚さよりも大きく形成され、
    前記落とし込み溝の幅方向における壁内面側に、両側部が前記落とし込み溝に落とし込まれた前記壁パネルを壁外面側に押しつける押しつけ手段が備えられた
    壁パネルの固定構造。
  9. 前記押しつけ手段が、断面楔形の線状材である
    請求項8に記載の壁パネルの固定構造。
  10. 前記落とし込み溝の幅方向における壁内面側の奥に、弾力性を有するバックアップ材を備える
    請求項8または請求項9に記載の壁パネルの固定構造。
  11. 請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の壁パネルを用いた
    木造建築物。
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