本発明の請求項1に記載の発明は、
食器類を収納可能な収納空間と、前記収納空間の底面を形成する底部に設けられた車輪とを備える略直方体状のコンテナを、搬送方向に直交する水平方向に有する扉を開放した状態で搬送しながら、洗浄時に付着した水分を除滴乾燥する水分の除滴乾燥方法であって、
前記収納空間は、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向に連通し、かつ前記収納空間の水平方向の左右両方側で内部と外部とを連通するよう構成し、
前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側の、前記コンテナの天井面の上面および下面である上部に向けて、前記一方側から水分を風圧により除滴し、熱により乾燥させる所定の温度の空気をエアノズルである除滴乾燥手段から噴射した後に、
前記一方側の、前記コンテナの上部よりも低い位置に向けて、前記一方側から所定の温度の空気をエアノズルである除滴乾燥手段から噴射し、
その後、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、前記一方側から所定の温度の空気を噴射したコンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、前記他方側から、鉛直方向に複数設けたエアノズルである除滴乾燥手段から略同時に所定の温度の空気を噴射する
ことを特徴とする水分の除滴乾燥方法としたものである。
この水分の除滴乾燥方法によれば、コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気をコンテナの上部に向けて噴射し、コンテナの上部に付着した水分を所定の温度の空気の風圧により除滴しつつ、熱により乾燥させ、その後、コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気をコンテナの上部よりも低い位置に向けて噴射し、コンテナの上部より低い部分に付着した水分を所定の温度の空気の風圧により除滴しつつ、熱により乾燥させる。
これにより、コンテナの上部から下側に向けて順に水分を除滴乾燥するため、すでに除滴乾燥した部分に水分が水滴となって落ちるようなことがなくなり、コンテナの水分を効果的に除去できる。
また、コンテナの上部に付着した水分とコンテナの上部より低い部分に付着した水分とを他方側に飛ばし、収納空間に残る水分を他方側に寄せることができる。
収納空間に残る水分を他方側に寄せた後には、コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、コンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、他方側から所定の温度の空気を略同時に噴射する。
これにより、収納空間の他方側に寄せた水分を、所定の温度の空気の風圧により除滴しつつ、熱により乾燥させることができる。
したがって、コンテナに付着した水分を十分に除去することができ、洗浄後のコンテナが施設の床面を濡らすことを抑制することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気を噴射した前記コンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、前記他方側から、鉛直方向に複数設けたエアノズルである除滴乾燥手段から略同時に所定の温度の空気を噴射する際には、
前記他方側から、前記コンテナの天井、前記収納空間内に有するパイプにより構成される棚、および底部のそれぞれに対応した前記除滴乾燥手段から所定の温度の空気を噴射する
ことを特徴とする水分の除滴乾燥方法としたものである。
この水分の除滴乾燥方法によれば、コンテナの天井、収納空間内に有するパイプにより構成される棚、および底部のそれぞれに所定の温度の空気を噴射して、効果的に除滴乾燥することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気を噴射した前記コンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、前記他方側から、鉛直方向に複数設けたエアノズルである除滴乾燥手段から略同時に所定の温度の空気を噴射する際には、
前記他方側から、前記収納空間内に有するパイプにより構成される棚の下方から斜め上方に向けても、前記除滴乾燥手段から所定の温度の空気を噴射する
ことを特徴とする水分の除滴乾燥方法としたものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の発明において、
トンネル状に形成された除滴乾燥ゾーン内でコンテナに向けて噴射された空気を吸い込んで加熱し、
再び前記コンテナに向けて噴射して、前記コンテナに付着した水分を除滴乾燥する
ことを特徴とする水分の除滴乾燥方法としたものである。
この水分の除滴乾燥方法によれば、除滴乾燥ゾーン内で噴射された空気が循環して使用されるため、空気を再び所定の温度まで加熱するための熱量が少なくて済み、エネルギーを節約することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、
食器類を収納可能であり、搬送方向に直交する水平方向に連通し、かつ水平方向の左右両方側で内部と外部とを連通するよう構成した収納空間と、前記収納空間の底面を形成する底部に設けられた車輪とを備える略直方体状のコンテナを洗浄した後に、前記コンテナの洗浄時に付着した水分を、搬送機構により搬送しながら除滴乾燥するコンテナ処理装置であって、
搬送方向に直交する水平方向に有する扉を開放した状態の前記コンテナを、所定の搬送速度で搬送する前記搬送機構と、
空気を所定の温度に加熱する熱交換器と、
空気を吸い込んで吐出するブロアと、
前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側の、前記コンテナの天井面の上面および下面である上部に向けて、前記一方側から水分を風圧により除滴し、熱により乾燥させる所定の温度の空気を噴射するエアノズルである除滴乾燥手段と、
前記一方側の、前記コンテナの上部に向けて、前記一方側から所定の温度の空気を噴射する除滴乾燥手段に対して、前記コンテナの搬送方向における下流側に設けられ、前記一方側の前記コンテナの上部よりも低い位置に向けて、前記一方側から所定の温度の空気を噴射するエアノズルである除滴乾燥手段と、
前記一方側の、前記コンテナの上部よりも低い位置に向けて、前記一方側から所定の温度の空気を噴射する除滴乾燥手段に対して、前記コンテナの搬送方向における下流側に設けられ、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、前記一方側から所定の温度の空気を噴射したコンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、前記他方側から、略同時に所定の温度の空気を噴射する鉛直方向に複数設けたエアノズルである除滴乾燥手段とを備え、
前記熱交換器により加熱した所定の温度の空気を前記ブロアにより吸い込んで吐出し、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側の、前記コンテナの天井面の上面および下面である上部に向けて、前記一方側から前記所定の温度の空気を前記エアノズルである除滴乾燥手段から噴射した後に、
前記熱交換器により加熱した所定の温度の空気を前記ブロアにより吸い込んで吐出し、前記一方側の前記コンテナの上部よりも低い位置に向けて、前記一方側から所定の温度の空気を前記エアノズルである除滴乾燥手段から噴射し、
その後、前記熱交換器により加熱した所定の温度の空気を前記ブロアにより吸い込んで吐出し、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、前記一方側から所定の温度の空気を噴射したコンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、前記他方側から、前記鉛直方向に複数設けたエアノズルである除滴乾燥手段から略同時に所定の温度の空気を噴射する
ことを特徴とするコンテナ処理装置としたものである。
このコンテナ処理装置によれば、コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気をコンテナの上部に向けて噴射し、コンテナの上部に付着した水分を所定の温度の空気の風圧により除滴しつつ、熱により乾燥させ、その後、コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気をコンテナの上部よりも低い位置に向けて噴射し、コンテナの上部より低い部分に付着した水分を所定の温度の空気の風圧により除滴しつつ、熱により乾燥させる。
これにより、コンテナの上部から下側に向けて順に水分を除滴乾燥するため、すでに除滴乾燥した部分に水分が水滴となって落ちるようなことがなくなり、コンテナの水分を効果的に除去できる。
また、コンテナの上部に付着した水分とコンテナの上部より低い部分に付着した水分とを他方側に飛ばし、収納空間に残る水分を他方側に寄せることができる。
収納空間に残る水分を他方側に寄せた後には、コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、コンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、他方側から所定の温度の空気を略同時に噴射する。
これにより、収納空間の他方側に寄せた水分を、所定の温度の空気の風圧により除滴しつつ、熱により乾燥させることができる。
したがって、コンテナに付着した水分を十分に除去することができ、洗浄後のコンテナが施設の床面を濡らすことを抑制することができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気を噴射した前記コンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、前記他方側から、略同時に所定の温度の空気を噴射する鉛直方向に複数設けたエアノズルである除滴乾燥手段は、
前記他方側から、前記コンテナの天井、前記収納空間内に有するパイプにより構成される棚、および底部のそれぞれに向けて所定の温度の空気を噴射する除滴乾燥手段を含む
ことを特徴とするコンテナ処理装置としたものである。
これにより、コンテナの天井、収納空間内に有するパイプにより構成される棚、および底部のそれぞれに所定の温度の空気を噴射して、効果的に除滴乾燥することができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、
コンテナの収納空間内にパイプにより構成される棚を有し、
前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの他方側の、前記コンテナの搬送方向に直交する水平方向のうちの一方側から所定の温度の空気を噴射した前記コンテナの収納空間の鉛直方向の全域に向けて、前記他方側から、略同時に所定の温度の空気を噴射する鉛直方向に複数設けたエアノズルである除滴乾燥手段は、
前記パイプにより構成される棚の下方から斜め上方に向けて所定の温度の空気を噴射する除滴乾燥手段を含む
ことを特徴とするコンテナ処理装置としたものである。
(実施形態1)
コンテナ処理装置Pの実施形態1として、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wについて図1~図17を用いて基本的な構成を説明する。コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、機内でコンテナ1を搬送しながら洗浄し、その後、コンテナ1に付着した水分を除去、つまり除滴し、乾燥させるものである。
図1に示すように、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、学校や病院に給食を提供する給食センターC(施設)に設置されている。給食センターCでは、調理された給食を充填した食缶と、喫食用の食器類を収めた食器篭とを複数のコンテナ1に収納し、学校や病院に配送する。学校や病院での喫食後に、空になった食缶と使用後の食器類を収めた食器篭とを複数のコンテナ1に収納し、複数のコンテナ1を給食センターCへと回収する。
給食センターCは、ドライシステムと称される衛生管理システムが採用されている。ドライシステムとは、床面を乾燥状態で使用することにより、細菌や害虫の繁殖を抑制する厨房環境に関する管理方式である。ドライシステムを採用した環境では床面を可能な限り水で濡らすことなく、床面を水で濡らしても簡単に水を除去できることが要求され、食中毒菌の増殖防止が期待できる。もし床面が水で濡れた場合はワイパー等でかき取り、グレーチングで蓋をした排水溝等へと流して、床面を乾燥させる。
また、給食センターCは、清浄度の比較的高い非汚染作業区域と、非汚染作業区域に比較して清浄度の低い汚染作業区域とに区分けされている。非汚染作業区域は、給食を調理する調理室(図示なし)、コンテナ1を加熱消毒処理するコンテナ加熱処理装置T(特許文献2を参照)が設置されたコンテナプール(コンテナ保管室)Ca、配送前のコンテナ1を一時保管する配送前室Cb等を備える。
汚染作業区域は、調理前の給食の材料を下処理する下処理室(図示なし)、喫食後のコンテナ1を回収する回収前室Da、回収したコンテナ1を洗浄するコンテナ洗浄除滴乾燥機Wやコンテナ1に収められた食器類(図示なし)や食器篭(図示なし)を洗浄する食器洗浄装置V、食缶(図示なし)を洗浄する食缶洗浄装置Uを設置する洗浄室Db等を備える。
外部から回収されてくる使用済みコンテナ1は、回収前室Daを介して、回収前室Daに続く洗浄室Dbに運ばれる(図1の矢印INを参照)。そして、洗浄室Dbに設置されたコンテナ洗浄除滴乾燥機W、食器洗浄装置V、食缶洗浄装置Uにより、コンテナ1、食器類、食缶等の被洗浄物が洗浄される。
コンテナ洗浄除滴乾燥機W、食器洗浄装置V、食缶洗浄装置Uにより洗浄された被洗浄物は、非汚染作業区域のコンテナプールCaで受け取られる。被洗浄物は翌日の配送に備え、加熱消毒処理される。特に、コンテナ1は、コンテナプールCaに設置されたコンテナ加熱処理装置Tにより加熱消毒され、翌日の配送までコンテナ加熱処理装置T内で保管される。そして、翌日には、食器類を収めた食器篭や給食が充填された食缶を収納して配送前室Cbを介して(図1の矢印OUTを参照)、配送される。
(コンテナ洗浄除滴乾燥機)
図2に示すように、以下の説明では、コンテナ1の搬送される方向を搬送方向とし、搬送方向を向いて左側の水平方向を左方向、右側の水平方向を右方向、搬送方向の上側の鉛直方向を上方向、下側の鉛直方向を下方向として説明する。
図2~図5に示すように、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、コンテナ1を搬送する搬送方向に長いトンネル状に形成され、コンテナ1を洗浄水で洗浄するための洗浄ゾーン2と、洗浄ゾーン2のコンテナ1の搬送方向の下流側にコンテナ1を除滴乾燥させる除滴乾燥ゾーン3とを備える。
また、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、汚染作業区域の洗浄室Dbに設置され、コンテナ1を搬入する搬入口4を洗浄ゾーン2のコンテナ1の搬送方向の上流側に備え、コンテナ1を搬出する搬出口5を除滴乾燥ゾーン3のコンテナ1の搬送方向の下流側に備える。コンテナ洗浄除滴乾燥機Wでは、コンテナ1を搬入口4から搬入し、洗浄ゾーン2と除滴乾燥ゾーン3とを通過させて、非汚染作業区域のコンテナプールCaに接続する搬出口5から搬出する。
図2および図3に示すように、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wには、洗浄ゾーン2の側部に、洗浄水を循環させるための中間タンク213を設け、また、搬入口4付近の天井には、排気口Eを設ける。排気口Eは、施設の設備側に設けられた送風機(図示なし)に接続されており、排気ダクト(図示なし)を介して施設の外部に接続している。
図3に示すように、排気口Eは、搬出口5から空気を取り込み、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの除滴乾燥ゾーン3と洗浄ゾーン2とを通過した空気を、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wを設置した施設の外部に放出する(図3の矢印aを参照)。なお、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、排気口E側に送風機を設けてもよい。その場合、設備側の送風機を使用することなく、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内からの排気を行うことができる。
図2に示すように、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの搬出口5の側部には、搬送機構7を駆動させるための駆動源であるモータ(図示なし)を収容する収容箱Lを設ける。また、搬入口4には、コンテナ1を搬入口4に案内する搬入レール6を設け、コンテナ1を搬入する際には、コンテナ1の車輪122を搬入レール6に乗せて搬入する。搬出口5には、コンテナを搬出口5から案内する搬出レール8(図9を参照)を設け、コンテナ1の車輪122を搬出レール8に乗せて搬出する。
また、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wには、除滴乾燥ゾーン3の天井に、複数のブロア401~407と、ブロア401~407に接続する複数の熱交換器501~503を設ける。コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの天井に、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内に連通する開口(図示なし)を有し、開口は熱交換器501~503へと通じている。熱交換器501~503により加熱されたコンテナ洗浄除滴乾燥機W内の空気は、ブロア401~407に吸い込まれる。また、除滴乾燥ゾーン3の側部には、ブロア401~407等を制御する制御盤Gを設ける。
図3~図5に示すように、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、複数の脚Fにより支持されて、施設の床に掘られたピット(収容空間)Sにコンテナ洗浄除滴乾燥機Wの下側の一部を収容する。搬送レール72の下方におかれる下側タンク212、水中ポンプ214等を床面FLより下側に設置する。そうすることで、床面FLより下のピットSを有効に活用できる。また、下側タンク212の上方に設けられる搬送レール72を床面FLと略同一の高さ位置に配設することができる。そうすることで、コンテナ1をコンテナ洗浄除滴乾燥機Wに略水平に搬入し、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内で略水平に搬送し、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wから略水平に搬出することができる。
本実施形態において、ピットSは、施設の床面FLから所定の深さ、例えば、250mm程度の深さに掘られている。コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、床面FLより上側を上部外郭体WU、下側を下部外郭体WDとして、上部外郭体WUを略矩形の断面で貫通する搬送路を有するトンネル形状に形成されている。
また、洗浄ゾーン2と除滴乾燥ゾーン3との境には、両ゾーンを仕切る両開きの仕切扉(図示なし)が設けられている。仕切扉は、略矩形の搬送路の断面のうち、左右両側の外郭体の内壁に蝶番(図示なし)によって開閉可能に取り付けられる。略矩形の搬送路の底辺と仕切扉の底辺は間隔をおいて、洗浄ゾーン2と除滴乾燥ゾーン3とで空気の通過を可能とする通気路(図示なし)を形成する。
図3および図4に示すように、洗浄ゾーン2では、搬入口4から搬入されたコンテナ1を、搬送機構7により搬送しながら、洗浄水を噴射して洗浄する。洗浄ゾーン2は、洗浄機用洗浄剤等を水に混合した洗浄水をコンテナ1に噴射することによりコンテナ1の汚れを除去するための洗浄領域21と、洗浄領域21でコンテナ1に付着した洗浄水を仕上水ですすぐためのすすぎ領域22とを備える。
洗浄ゾーン2は、2つの洗浄領域21を備え、2段階に分けてコンテナ1を洗浄する。各洗浄領域21は、洗浄水を噴射する洗浄ノズル部211と、洗浄ノズル部211からコンテナ1に噴射した洗浄水を回収し、貯留する下側タンク212と、下側タンク212に貯留した洗浄水を汲み上げる水中ポンプ(ポンプ)214と、水中ポンプ214により汲み上げた洗浄水を貯留する中間タンク213と、中間タンク213から洗浄水を洗浄ノズル部211に送り、高圧で噴射させる洗浄水ポンプ(ポンプ)215とを備える。
下側タンク212は、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内で床面FLよりも低い位置(ピットS内)に配置され、例えば、140リットルの液体を貯留可能な容積を有する。また、中間タンク213は、例えば150リットルの液体を貯留可能な容積を有する。
下側タンク212の側面には排出管(図示なし)を接続している。排出管は、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの使用を終了した際に、バルブ(図示なし)を開いて、下側タンク212に貯留した洗浄水を排出するために用いられる。また、中間タンク213にも下側タンク212と同様に、貯留した洗浄水を排水する排水管を有している。
図4に示すように、洗浄領域21において、コンテナ1に噴射された洗浄水を、搬送機構7の下方に設けられた下側タンク212に回収して貯留し、水中ポンプ214により第1の洗浄水配管218を介して中間タンク213に汲み上げる。中間タンク213には、ボイラー216から接続する蒸気配管217が結合されている。
そして、ボイラー216から供給する高温の蒸気を中間タンク213に貯留した洗浄水へと吹き込んで、洗浄水を所定の温度、例えば、50度C程度に加熱する。所定の温度となった洗浄水を洗浄水ポンプ215により第2の洗浄水配管219を介して高圧で洗浄ノズル部211に送り、洗浄ノズル部211から再度、コンテナ1に噴射する。このように、洗浄領域21では、洗浄水を循環して再利用できる。
洗浄領域21において、洗浄水は、所定の洗剤、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を主原料とし、所定の水に混合することによりPH10~12程度となるようなアルカリ性の洗浄機用洗浄剤を混ぜ合わせて生成される。なお、コンテナ1の汚れの程度にあわせて、洗浄水に混入する洗剤の種類、濃度等を調整すればよい。また、コンテナ1の汚れの程度により、洗浄水に洗剤を混入しなくてもよい。
なお、本実施形態において、洗浄ゾーン2の下部に下側タンク212を設け、下側タンク212に貯留した洗浄水を水中ポンプ214により中間タンク213へと送る。このとき、中間タンク213の容積を下側タンク212の容積より大きくすることにより、中間タンク213では下側タンク212よりも多くの洗浄水を貯留することができる。これにより、下側タンク212に貯留する洗浄水の量は少なくても洗浄水の循環に障害が生じることなく、下側タンク212の深さを浅くすることができる。これにより、下側タンク212を収容するピットSの深さを浅くすることができる。
なお、下側タンク212へと流れる洗浄水の量と、水中ポンプ214により吐出する洗浄水の量を調整することにより、中間タンク213と洗浄水ポンプ215とを省略することが可能である。この場合、中間タンク213に貯留した洗浄水を加熱する加熱手段の代わりに、下側タンク212に加熱手段を備えるか、または、外部の給湯設備から直接加熱した洗浄水を供給することにより、中間タンク213と洗浄ポンプ215とを省略することが可能である。そうすることにより、コンテナ洗浄除滴乾燥器Wで使用する洗浄水の量を減らすことができる。その場合、下側タンク212に貯留した洗浄水は、水中ポンプ214により洗浄ノズル部211から噴射することとなる。
洗浄水に混ぜ合わせる所定の洗剤は、中間タンク213に備える洗剤供給機(図示なし)により供給される。中間タンク213内に設置する洗剤濃度検知センサ(図示なし)により、中間タンク213に貯留した洗浄水の洗剤濃度を検知し、検知した信号を洗剤供給機へと送る。検知した信号をもとに洗剤供給機は、洗浄水が所定の濃度となるよう洗剤を供給する。
すすぎ領域22は、仕上水を噴射するすすぎノズル部222を備える。すすぎ領域22では、コンテナ1に仕上水を噴射することにより、洗浄領域21でコンテナ1に付着した洗浄水を洗い流してすすぐ。すすぎ領域22は、2つの洗浄領域21のうち、下流側の洗浄領域21の下側タンク212へと下降傾斜する平板状の流水板221を備える。そして、すすぎノズル部222からコンテナ1に噴射された仕上水は、流水板221を介して、下流側の洗浄領域21の下側タンク212に流し落とす。
仕上水は、例えば、水道水を使用する。仕上水は仕上水配管224から供給され、ミキシングバルブ225を介して、すすぎノズル部222へと流れる。ミキシングバルブ225では、ボイラー216から蒸気配管217を介して供給される高温の蒸気を仕上水に混ぜ合わせることにより、仕上水を所定の温度、例えば、80度C程度に加熱する。
図3に示すように、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、洗浄ゾーン2から連続する除滴乾燥ゾーン3を備える。除滴乾燥ゾーン3は、複数の除滴乾燥手段301~310から空気を噴射してコンテナ1に付着した水分(洗浄ゾーン2でコンテナ1に付着した洗浄水および/または仕上水)を除滴および乾燥する。除滴乾燥ゾーン3では、除滴乾燥手段301~310から噴射される空気の風圧によりコンテナ1に付着した水分を除滴する。また、除滴乾燥手段301~310から噴射される空気のうちの一部は、熱交換器501~503により所定の温度に加熱されているため、コンテナ1に噴射することにより、コンテナ1に付着した水分を熱により蒸発させて乾燥させる。
図3、図5に示すように、除滴乾燥ゾーン3には、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの天井にブロア401~407と、熱交換器501~503とを設ける。ブロア401~407は、除滴乾燥手段301~310に接続して除滴乾燥手段301~310から空気を噴射する。また、ブロア401、402は、熱交換器501に接続し、ブロア403、404は、熱交換器502に接続し、ブロア405、406は、熱交換器503に接続する。
ブロア401~406は熱交換器501~503に接続しているため、ブロア401~406に接続する除滴乾燥手段301~308は、熱交換器501~503により加熱された空気を噴射する。また、ブロア407は熱交換器に接続していないため、ブロア407に接続する除滴乾燥手段309、310は、他の除滴乾燥手段301~308から噴射される加熱された空気よりも低い温度の空気を噴射する。
各除滴乾燥手段301~310からコンテナ1に向けて噴射した空気のうちの一部は、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの天井に有する開口を通じて、それぞれブロア401~407へと吸気されて、再びコンテナ1へと吐出することとなる(図5の矢印bを参照)。そのため、空気が循環することとなる。
コンテナ洗浄除滴乾燥機Wでは、各ブロア401~406により各乾燥領域30~33(図14を参照)の空気を天井に有する開口を通じて吸い込み、所定の温度、例えば80度Cまで加熱して、コンテナ1に向けて噴射する。コンテナ1へと噴射された所定の温度の空気のうちの一部は、再びブロア401~406により天井に有する開口から吸い込まれ、熱交換器501~503により再び所定の温度まで加熱されて、コンテナへと噴射される。すなわち、所定の温度まで加熱された空気は、循環して使用されるため、空気を再び所定の温度まで加熱するための熱量が少なくて済み、エネルギーを節約することができる。
(コンテナ)
図6~図8に示すように、コンテナ1は、概略、天井部11、底部12、正面部13、背面部14、一対の側面部15からなる略直方体の箱状に形成される。したがって、天井部11、底部12、正面部13、背面部14、一対の側面部15は、それぞれ略矩形に形成されている。コンテナ1の正面部13および背面部14は、観音扉として開閉可能な一対のヒンジ扉16を備える。
コンテナ1は、ヒンジ扉16を開いた中に食器類等を収納可能な収納部(収納空間)17を有する。収納部17は、上側の棚18と、下側の棚19とにより区切られている。そして、収納部17は、天井部11と上側の棚18との間となる上段、上側の棚18と下段の棚19との間となる中段、下側の棚19と底部12との間となる下段の3段に分けられており、各段で正面部13から背面部14にかけて連通している。
本実施形態において、コンテナ1の天井部11から上側の棚18までをコンテナの上部101、上側の棚18から底部12の上面までをコンテナの中部102、底部12の上面から車輪122の接地箇所までをコンテナの下部103とも称する。なお、上部101、中部102、下部103は、コンテナ1の鉛直方向の位置の順を称するに過ぎない。すなわち、上部101より下の位置を中部102とし、中部102の下の位置を下部103とする。したがって、例えば、天井部11から下側の棚19までをコンテナの上部101とし、下側の棚19から底部12の上面までをコンテナの中部102とし、底部12の上面から車輪122の接地箇所までをコンテナの下部103としてもよい。
また、図6(A)の図面上の左右方向をコンテナ1の前後方向、図6(B)の図面上の左右方向をコンテナ1の左右方向とも称する。加えて、コンテナ1の搬送方向側の側面部15を前側の側面部15、コンテナ1の搬送方向側とは反対の方向となる側面部15を後側の側面部15とも称する。
図6(A)に示すように、コンテナ1を洗浄する際には、各ヒンジ扉16を固定冶具(図示なし)により180度開いた状態を維持して、コンテナ1の前側の側面部15からコンテナ1をコンテナ洗浄除滴乾燥機Wに搬入する。したがって、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内では、搬送方向の前方からコンテナ1の前扉部161、収納部17、後扉部162の順となる状態でコンテナ1を搬送する。
また、コンテナ1の底部12の底面を形成する矩形の下側の面には、四隅に金属製の金具等(図示なし)により転動自在に車輪122を支持するキャスター121を有する。4つのキャスター121は、上下方向を軸に車輪122を360度回転可能で、かつキャスター121の車輪122を転動して、コンテナ1は前後左右自在に移動することができる。
図6(B)に示すように、コンテナ1は、両側面部15に横長の凹部151を形成し、凹部151の中に横長のハンドル152を設ける。作業員は、例えば、学校給食のための給食センターCのように大量に食器類を使用する施設で、食器類を収納して運ぶ際に、ハンドル152を把持した状態でコンテナ1を移動させることができる。
図6(A)および図6(B)に示すように、コンテナ1は、その底部12に、正面部13側および背面部14側に設けられた一対の支持部123により両端を支持されたバー124を備える。バー124は正円の断面で直線状に延びる棒状部材であり、両端は拡径した円盤状の部材を取り付けることにより形成する。例えば、直径を27mmとした正円の断面で直線状に延びるステンレスの棒状部材の両端に、直径が40mmとしたステンレスの円盤状部材を溶接して固定することで、バー124とすることができる。なお、バー124は断面が中空の棒状部材を使用してもよい。
コンテナ1の底部12の前後方向の略中央にバー124を設けるように、一対の支持部123を取り付けている。一対の支持部123は、支持部123の有する長孔125にバー124を差し込んだ状態で、バー124を上下動および転動可能に支持する。
具体的に支持部123とバー124について説明すると、支持部123の長孔125の幅は、バー124の棒状部材の断面形状である円形の直径より僅かに広い。そのため、長孔125に差し込まれたバー124は長孔125に差し込んだ状態で、上下に所定の寸法、例えば、70mm程度動くことが可能で、バー124は断面形状の円周方向に転動することが可能である。また、バー124の両端の円盤状の部材は、支持部の長孔125の幅よりも大きい直径を有し、バー124が一対の支持部123から抜け落ちることを防止する。
図7および図8に示すように、コンテナ1は、洗浄水が溜まりにくく、洗浄水を容易に除去できるように構成される。具体的には、コンテナ1の上側の棚18および下側の棚19は、円筒状のパイプから構成される。
コンテナ1の上側の棚18および下側の棚19は、略等間隔で平行に並ぶ短手パイプ181の両端から、一対の長手パイプ182で挟むように結合する。短手パイプ181の両端は、長手パイプ182の内側となる側面に溶接により結合される。円筒状のパイプは、水分が付着したとしても流れ落ちやすく、コンテナ1に付着した水分を除去しやすいようになっている。
また、図7に示すように、コンテナ1の底部12を形成する部材の端部126は、下方へ折り返されている。端部126の下端はコンテナ1に付着した水分が流れ落ちやすいよう、下方へと向いている。また、短手パイプ181および長手パイプ182の下側の面には穴(図示なし)があけられ、短手パイプ181および長手パイプ182の内部に侵入した水分を排出しやすくしている。なお、底部12の上面には、底部12を貫通する排出孔を設けてもよい。その場合、底部12の上面に溜まった水分を外部に排出することができる。
本実施形態においてコンテナ1は、板金、例えば耐食性に優れたステンレスの板材を折り曲げおよび溶接して形成されている。また、略直方体形状の収納部17は上側の棚18と下側の棚19とにより3段で区切るように構成されている。しかし、コンテナ1は下部にキャスター121とバー124を有するものであれば、他の形状であってもよい。例えば上面が開放されている篭の下部にキャスター121を設け、篭の中に調理用の器具を入れてコンテナ洗浄除滴乾燥機Wに搬入してもよい。コンテナ1の形状は、種々の形状に変更できる。
(搬送機構)
図9~図12に示すように、搬送機構7は、上面視で湾曲するような経路を形成することなく、直線状に略水平に形成した直線経路でコンテナ1を搬送する。
図9に示すように、搬送機構7は、コンテナ1を搬送するための一対のトップチェーン(搬送手段)71と、コンテナ1の車輪122を案内する搬送レール72とを備える。トップチェーン71はコンテナ1のバー124を載置して搬送する。トップチェーン71および搬送レール72は直線状に平行に延びる。
図11(A)および(B)に示すように、トップチェーン71は、チェーン上部にプレートを取り付け、搬送用チェーンとして無端状に構成したものである。トップチェーン71は駆動スプロケット74、従動スプロケット77により折り返され、コンテナ1の搬送方向へと駆動する送り側と、送り側とは逆の方向へと駆動する戻り側とを有する。そして、トップチェーン71の送り側の上面は、コンテナ1のバー124を載置する搬送面76となる。
また、図9に示すように、トップチェーン71には、コンテナ1のバー124に係合するための係合爪(係合部)73を搬送方向に等間隔に取付ける。本実施形態において、例えば、係合爪73を所定のピッチ、例えば、2mのピッチで形成し、コンテナ1をその所定のピッチで搬送する。係合爪73は、例えば、ステンレスを切削加工して製造する。
搬送機構7は、搬出口5付近の側部に収容箱Lに収容された電動モータ(図示なし)を駆動原として備える。電動モータはインバータ(図示なし)に接続されており、回転速度等を変更可能である。電動モータは、駆動スプロケット74(図5、図11を参照)を回転させて、トップチェーン71を駆動する。
トップチェーン71の戻り側で駆動スプロケット74の近傍には、係合爪73が所定の位置を通過したことを検知するセンサ(図示なし)を備えている。また、制御盤Gにはインバータを備えており、インバータにより電動モータの回転速度を変更する。
センサは所定の位置を通過した係合爪73を検知して信号を制御盤Gに送り、その信号を受けてインバータにより電動モータの回転速度を変更するものである。
トップチェーン71は低速駆動をベースとしており、そのため、電動モータは通常、低速駆動している。低速駆動するトップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73がコンテナ1のバー124に係合し、コンテナ1を所定の速度、例えば、毎分1.5mの速度で低速移動させる。
低速駆動するトップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73が所定の位置を通過したとき、センサが係合爪73を検知し、制御盤Gへと信号を送る。信号を受信した制御盤Gはインバータに所定の時間、例えば20秒間、電動モータを高速駆動させて、トップチェーン71を高速駆動させ、係合爪73にバー124が係合するコンテナ1を所定の速度、例えば、毎分3mの速度で高速移動させる。
所定の時間が経過後、トップチェーン71は低速駆動へと戻る。そして、次の係合爪73が所定の位置を通過するまでの所定の時間、例えば40秒間、コンテナ1を低速移動させる。
このように、トップチェーン71に設けたそれぞれの係合爪73が1ピッチ移動する間に、トップチェーン71は、それぞれ所定の時間だけ高速駆動と低速駆動とを繰り返し、コンテナ1も同様に、それぞれ所定の時間だけ高速移動と低速移動とを繰り返すように切り替え可能とされている。つまり、係合爪73が設けられる所定の間隔、例えば2mをコンテナ1が進む間に、コンテナ1の高速移動と低速移動とが行われる。
搬送レール72は、除滴乾燥ゾーン3の搬出口5側において、搬送レール72上に設けられた複数の凸部からなる凹凸部(減速手段)720を備える。コンテナ1が搬送レール72上を自走する際に、コンテナ1の車輪122が凹凸部720を乗り越えることによって、コンテナ1は減速効果を得ることができる。すなわち、凹凸部720は減速手段として作用する。
なお、凸部を搬送レール72に設けることにより、凹凸部720を構成しているが、搬送レール72に凹部を設けることにより、凹凸部720を構成してもよい。
図10および図11に示すように、搬送機構7では、搬送方向と直交する左右方向の外側に一対の搬送レール72と、その内側に一対のトップチェーン71とを配設し中央にユーティリティスペース70を形成する。
トップチェーン71の送り側および戻り側を床面FLより高い位置になるように配設する。なお、本実施形態において、トップチェーン71の戻り側における係合爪73は、その頂点が床面FLと略同じ高さとなっている。したがって、本実施形態において、トップチェーン71の全体が床面FLより上側となるように配設する。ユーティリティスペース70は、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内の清掃、およびメンテナンスを行うための足場として用いることができる。
また、搬送レール72は、床面FLと略等しい高さに設ける。搬送面76の高さは、例えば、床面FLから126mmであり、係合爪73の高さは、例えば、搬送面76から30mmである。したがって、床面FLから係合爪73の頂点までの高さは156mmとなる。
なお、本実施形態では一対の搬送レール72は、床面FLから同じ高さ位置に設けられているが、一対の搬送レールのうち、一方の高さ位置を変えてもよい。その場合、コンテナ1を左右方向に斜めになるように搬送することができ、後述するコンテナ1を除滴乾燥する際に、コンテナ1に付着した水分を傾斜して下方となった側に寄せることで、より容易に水分を除去することができる。
図11(A)に示すように、一対のトップチェーン71には、それぞれ、搬送方向に直交する左右方向に間隔をおいた一対の係合爪73を設ける。各係合爪73は、トップチェーン71の駆動スプロケット74の回転に伴って搬送方向(図11の矢印cを参照)に移動する。両トップチェーン71では、係合爪73を搬送方向に直交する左右方向に一直線に並ぶように設ける。
これにより、トップチェーン71は、コンテナ1の直線状のバー124を搬送面76に載置して4つの係合爪73により安定して押圧することができる。係合爪73は、搬送方向の前側にトップチェーン71の搬送面76から所定の角度、例えば、90度上方に立ち上がり、コンテナ1のバー124を押圧するための押圧面731と、搬送方向の後側に傾斜する傾斜面732とを備える。
図11(B)に示すように、各トップチェーン71は、搬入口4側に設けられた従動スプロケット(スプロケット)77と、搬出口5側に設けられた駆動スプロケット(スプロケット)74とにより回転循環する。これにより、一対のトップチェーン71に設けられた係合爪73がバー124を押して搬送する。このときバー124は一対のトップチェーン71の搬送面76に載置され、係合爪73の押圧面731により押される。そして、バー124が押されることにより、支持部123を介してコンテナ1を押し、コンテナ1を搬送方向へと搬送する。このとき、バー124は転動せずに押されている。
従動スプロケット77の付近には、コンテナ1のバー124をトップチェーン71の搬送面76に案内する搬入ガイド81を設けている。一対のトップチェーン71は、電動モータに駆動軸を同じにした一対の駆動スプロケット74に接続されており、同一の速度で回転する。
搬入ガイド81は、一対のトップチェーン71の間で左右方向にユーティリティスペース70と略同一の幅で搬送方向に延びる。搬入ガイド81は、一枚の板状部材を折り曲げて形成する。搬入ガイド81は、進行方向において、コンテナ1に備えるバー124よりも低い高さから、トップチェーン71の搬送面76と略同等の高さまで上方に向けて傾斜しながら搬送方向に延びる傾斜ガイド部82と、傾斜ガイド部82に続き、水平方向に従動スプロケット77を越える位置まで搬送方向に延びる水平ガイド部83とを備える。
本実施形態において、水平ガイド部83の上面は、トップチェーン71の搬送面76より所定の寸法、例えば3ミリメートルだけ上方に位置し、水平ガイド部83の上面とトップチェーン71の搬送面76とは段84を形成する。
図12(A)に示すように、搬送機構7の一対の搬送レール72は、搬入口4側に設けた一対の搬入レール6と搬出口5側に設けた一対の搬出レール8に接続する。搬入レール6と搬送レール72とは、搬入口4を境目として接続し、後述する第2の段部92を形成している。搬送レール72と搬出レール8とは、搬出口5を境目として接続し、後述する第3の傾斜部97と平坦面である搬出レール8との接続箇所となっている。そして、搬送レール72は、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内を搬入口4から搬出口5にわたって形成されている。
図12(B)に示すように、搬入レール6と搬送レール72と搬出レール8とからなる車輪経路は、複数の段部および傾斜部を形成する。図12(B)は、説明を容易にするために、高さ方向の寸法を誇張して示している。
搬入レール6は、床面FLとの境界に第1の段部91を形成する。第1の段部91は、搬入レール6の厚みにより形成される。例えば、搬入レール6の一端が3mmの厚みを有するため、第1の段部91は、床面FLから3mmの高さ位置となる。また、搬入レール6は、搬送レール72との境界に第2の段部92を形成する。第2の段部92は、搬送レール72の搬入口4側の一端が床面FLよりもかさ上げされており、搬入レール6との高さの差異により形成される。例えば、搬送レール72の一端の厚みが3mmの厚みを有し、床面FLよりも3mmかさ上げされているため、第2の段部92は、3mmの段となる。
また、第2の段部92からは搬送方向に沿って下向きに傾斜する第1の傾斜部93を形成する。第1の傾斜部93の終端からは第1の平坦部94となる。第1の平坦部94は、洗浄ゾーン2を通って除滴乾燥ゾーン3の途中まで形成される。搬送レール72は、第1の平坦部94の終端からは搬送方向に沿って上向きに傾斜する第2の傾斜部95を有し、第2の傾斜部95には、搬送レール72の上面に複数の凸部を設けた凹凸部720が形成されている。第2の傾斜部95の終端からは第2の平坦部96が続き、さらに、搬送方向に沿って下向きに傾斜する第3の傾斜部97が形成される。
第3の傾斜部97は、搬送レール72の搬出レール8との境界まで続く。さらに、搬出レール8は、厚みがあるため、その厚みにより下流側の端部が第3の段部98を形成する。本実施形態において、第3の段部98の床面FLからの高さを3mmとする。なお、各レールの厚みおよび傾斜度合いは適宜調整してもよい。
なお、洗浄ゾーン2と除滴乾燥ゾーン3との境界や、除滴乾燥ゾーン3において、搬送レール72に他の凹凸部を設けてもよい。これにより、コンテナ1の車輪122が他の凹凸部を越える際の振動により、洗浄ゾーン2でコンテナ1に付着した水分の大まかなものを落下させて除去することができる。
(洗浄ゾーン)
図13に示すように、洗浄ゾーン2は、搬入口4から続く2つの洗浄領域21と、洗浄領域21から下流側に続くすすぎ領域22とを備える。
各洗浄領域21では、洗浄ノズル部211として2列5段で洗浄ノズル201を設ける。これらによりコンテナの上部101から下部103にわたって洗浄水を噴射する。また、すすぎ領域22では、すすぎノズル部222として上下方向に延びる仕上水配管224に5段のすすぎノズル226を設ける。すすぎノズル226は、仕上水配管224にあけた噴射孔にノズルチップを装着することにより構成される。これらによりコンテナの上部101から下部103にわたって仕上水を噴射する。
図4および図13に示すように、洗浄領域21には、下側タンク212を、床面FLより下側の下部外郭体WDに設け、下側タンク212の底面を搬送方向に直交する左右方向において一方に傾斜させる。これにより傾斜した一方側に洗浄水が溜まり、一方側に水中ポンプ214を配置することで洗浄水を円滑に中間タンク213に送ることができる。下側タンク212および中間タンク213は、例えば、ステンレスの板材を折り曲げて溶接することにより製造できる。
各洗浄領域21は、それぞれ、左右方向から中央に向けて、洗浄水を高圧で洗浄ノズル201から噴射する。コンテナ1に噴射された洗浄水は、下側タンク212に受けられ、水中ポンプ214により中間タンク213に送られ、中間タンク213から洗浄水ポンプ215により洗浄ノズル201から再び噴射する。これにより、洗浄領域21では洗浄水を循環して利用する。
(除滴乾燥ゾーン)
図14に示すように、除滴乾燥ゾーン3はコンテナ1の搬送方向に沿って、複数の除滴乾燥領域を備える。洗浄ゾーン2のすすぎ領域22から下流側へと向かう順に、予備除滴乾燥領域30と、上部除滴乾燥領域31と、中部除滴乾燥領域32と、下部除滴乾燥領域33とを備える。下部除滴乾燥領域33のコンテナ1の搬送方向の下流側には、非汚染作業区域であるコンテナプールCaに接続する搬出口5が続く。
除滴乾燥ゾーン3の各領域の境界には、コンテナ1が搬送可能な程度に、コンテナ1の搬送方向に直交する方向である左右側に間隔をおいて一対の仕切板35を配置する。仕切板35は、それぞれの除滴乾燥領域にコンテナ1が位置している際に、コンテナ1を除滴乾燥するための所定の温度の空気を、隣接する除滴乾燥領域へと流れ出すのを抑制し、それぞれの除滴乾燥領域内で対流させる。そして、それぞれの除滴乾燥領域内で対流した所定の温度の空気により、コンテナ1に付着した水分を熱により蒸発させて乾燥することができる。
図14および図15に示すように、除滴乾燥ゾーン3の天井には、ブロア401~407と熱交換器501~503を設ける。ブロア401、402は、配管610を介して熱交換器501に接続され、ブロア403、404は、配管610を介して熱交換器502に接続され、ブロア405、406は、配管610を介して熱交換器503に接続される。各熱交換器501~503は、各除滴乾燥領域31~33に連通する開口(図示なし)を介して各除滴乾燥領域に接続される。ブロア407は熱交換器には接続されずに、配管611を介して下部除滴乾燥領域33に接続される。
図5および図14に示すように、予備除滴乾燥領域30には、除滴乾燥手段301として一対の広域エアノズル340を設け、広域エアノズル340はコンテナ1が搬送可能な程度にコンテナ1の搬送方向に直交する方向である左右側に間隔をおいて設ける。広域エアノズル340は、コンテナ1の搬送方向に対する左右方向から中央に向けて空気を噴射する。
広域エアノズル340は一定の方向に幅広く空気を噴射できる、いわゆるスリットノズルであり、略上下方向に沿って配置されることでコンテナ1の上から下までの鉛直方向の全域にエアを噴射する。広域エアノズル340はわずかに傾斜しながら上下方向に沿って配置される。
上部除滴乾燥領域31には、搬送方向の略中央に、除滴乾燥手段302である一対の直進型エアノズル311、312を略矩形の搬送路の2/3程度の高さ位置で左右方向のうちの一方側に配置し、他方側に向けて空気を噴射するように設ける。本実施形態において、一対の直進型エアノズル311、312は右側から左側に向けて空気を噴射する。
除滴乾燥手段302~310は、範囲を絞って高圧の空気を噴射できる直進型エアノズル311~330である。除滴乾燥手段302である一対の直進型エアノズル311、312のうちの一方の直進型エアノズル311は、斜め上方に空気を噴射し、他方の直進型エアノズル312は、直進型エアノズル311より小さい角度で斜め上方に空気を噴射する。例えば、直進型エアノズル311は、水平方向に対して上方に30度~40度傾斜し、直進型エアノズル312は、水平方向に対して上方に3度~5度傾斜する。
また、直進型エアノズル311、312からコンテナ1の搬送方向の下流側に、除滴乾燥手段305である直進型エアノズル319、320が配置される。直進型エアノズル319、320は、搬送されるコンテナ1の天井部11よりも高い位置で、平面視で一対の搬送レール72の間に配置され、コンテナ1の搬送方向とは反対の方向で、斜め下方に向いている。直進型エアノズル319、320は、搬送するコンテナ1の前側の側面部15および天井部11に向けて空気を噴射する。
中部除滴乾燥領域32には、搬送方向の略中央に、除滴乾燥手段303である一対の直進型エアノズル313、314を上部除滴乾燥領域31に配置される直進型エアノズル311、312より低い高さ位置で搬送方向に直交する左右方向のうちの一方側に配置し、他方側に向けて空気を噴射するように設ける。本実施形態において、一対の直進型エアノズル313、314は右側から左側に向けて空気を噴射する。
一対の直進型エアノズル313、314のうち一方の直進型エアノズル313は斜め上方に空気を噴射し、他方の直進型エアノズル314は、斜め下方に空気を噴射する。例えば、直進型エアノズル313は、水平方向に対して上方に10度~20度傾斜し、直進型エアノズル314は、水平方向に対して下方に35度~45度程度傾斜する。
また、直進型エアノズル313、314からコンテナ1の搬送方向の上流側に、除滴乾燥手段306である直進型エアノズル321、322が配置される。直進型エアノズル321、322は搬送されるコンテナ1の天井部11よりも高い位置で、平面視で一対の搬送レール72の間に配置され、コンテナ1の搬送方向と同じ方向で下方に向いている。直進型エアノズル321、322は、搬送するコンテナ1の天井部11および後側の側面部15に向けて空気を噴射する。
また、直進型エアノズル313、314からコンテナ1の搬送方向の下流側に、除滴乾燥手段307である直進型エアノズル323、324が配置される。直進型エアノズル323、324はコンテナ1の天井部11よりも高い位置で、平面視で一対の搬送レール72の間に配置され、コンテナ1の搬送方向とは反対の方向で、斜め下方に向けられている。直進型エアノズル323、324は、搬送するコンテナ1の天井部11および前側の側面部15に空気を噴射する。
下部除滴乾燥領域33には、搬送方向の略中央に除滴乾燥手段304である4つの直進型エアノズル315~318を鉛直方向に渡って搬送方向と直交する左右方向のうちの他方側に配置し、一方側に向けて空気を噴射するように設ける。本実施形態において、4つの直進型エアノズル315~318は左側から右側に向けて空気を噴射する。
4つの直進型エアノズル315~318のうち直進型エアノズル315はコンテナの上部101の高さ位置に配置され、やや上方に向けて空気を噴射する。これにより、直進型エアノズル315はコンテナ1の天井部11の下側の面に向けて空気を噴射する。また、直進型エアノズル316はコンテナ1の上側の棚18の高さ位置に配置され、斜め上方に向けて空気を噴射する。これにより、直進型エアノズル316はコンテナ1の上側の棚18に向けて空気を噴射する。
また、直進型エアノズル317はコンテナ1の下側の棚19の高さ位置配置され、斜め上方に向けて空気を噴射する。これにより、直進型エアノズル317はコンテナ1の下側の棚19に向けて空気を噴射する。直進型エアノズル318はコンテナ1の底部12の高さ位置に配置され、斜め下方に向けて空気を噴射する。これにより、直進型エアノズル318はコンテナ1の底部12の上側の面に向けて空気を噴射する。
また、4つの直進型エアノズル315~318からコンテナ1の搬送方向の上流側に、除滴乾燥手段308である直進型エアノズル325、326が配置される。直進型エアノズル325、326はコンテナ1の天井部11よりも高い位置で、平面視で一対の搬送レール72の間に配置され、コンテナ1の搬送方向と同じ方向で下方に向けられている。
直進型エアノズル325、326は、搬送するコンテナ1の天井部11および後側の側面部15に向けて空気を噴射する。これにより、除滴乾燥手段308は、所定の温度の空気を噴射することによりコンテナ1を搬送方向に押す加速手段として作用する。
さらに、除滴乾燥手段309である一対の直進型エアノズル327、328を、搬送されるコンテナ1の底部12より低い位置で、平面視で一対の搬送レール72の間に配置し、上方に向けている。これにより、直進型エアノズル327、328はコンテナ1の底部12の下側の面に空気を噴射する。
また、除滴乾燥手段310である一対の直進型エアノズル329、330を、コンテナ1のキャスター121と同程度の高さ位置で搬送方向に直交する左右方向の両側にそれぞれ配置し、略水平方向に向ける。これにより、直進型エアノズル329、330はキャスター121に向けて空気を噴射する。
図5および図14に示すように、除滴乾燥手段301はブロア401に接続し、除滴乾燥手段302はブロア402に接続し、除滴乾燥手段303はブロア404に接続し、除滴乾燥手段304はブロア406に接続し、除滴乾燥手段305、306はブロア403に接続し、除滴乾燥手段307、308はブロア405に接続し、除滴乾燥手段309、310はブロア407に接続する。
図5、図14および図15に示すように、ブロア401、402は熱交換器501に接続しており、除滴乾燥手段301、302からは所定の温度に加熱された空気を噴射する。ブロア403、404は熱交換器502に接続しており、除滴乾燥手段303、305、306からは所定の温度に加熱された空気を噴射する。ブロア405、406は熱交換器503に接続しており、除滴乾燥手段304、307、308からは所定の温度に加熱された空気を噴射する。除滴乾燥手段301~308より噴射する空気は、熱交換器501~503により加熱し、所定の温度、例えば80度C程度としている。
ブロア407は熱交換器には接続しておらず、除滴乾燥手段309、310から噴射する空気は、他の除滴乾燥手段301~308から噴射する所定の温度の空気より低い温度、例えば70度Cとしている。除滴乾燥手段309、310から噴射する所定の温度より低い温度の空気は、搬出口5から流入する略室温の空気と、除滴乾燥手段304、308から噴射する所定の温度、例えば80度Cの空気とが混ざりあうことにより、除滴乾燥手段301~308から噴射する所定の温度の空気より低い温度となる。
なお、除滴乾燥手段301~310は、広域エアノズル、直進型エアノズルの少なくとも1つのエアノズルを含み、例えば、1つの直進型エアノズルにより1つの除滴乾燥手段が構成されてもよい。また、除滴乾燥手段301~310は、少なくとも1つのブロアに接続され、熱交換器には接続されていなくてもよい。
図17に示すように、集中エアノズル部材300は、円筒状の外周を形成する外筒399と、外筒399の中央に配置されるツノ部材398と、ツノ部材398の周囲に配置される複数の内筒397とを備える。集中エアノズル部材300では、ツノ部材398の周囲に複数の内筒397が密接して配置され、複数の内筒397を囲むように外筒399を嵌める。本実施形態において、ツノ部材398は両端が先端にいくほど径が小さくなる円形の断面を有する。また、ツノ部材398の周囲には6つの内筒397を設けている。集中エアノズル部材300は、同様の構造で種々のサイズに製造できる。
本実施形態において、除滴乾燥手段302、303である直進型エアノズル311~314の先端には、集中エアノズル部材300が取り付けられている。なお、集中エアノズル部材300は、他の直進型エアノズル315~330にも取り付けてもよい。
ブロア402、404から直進型エアノズル311~314に空気が送られると、各直進型エアノズル311~314の先端に取付けられた集中エアノズル部材300の内部では、集中エアノズル部材300のツノ部材398の先端に当たった空気が周囲に広がり円滑に内筒397に送られる。内筒397を通過した空気は、出口側ではツノ部材398の先端部付近が負圧となり内筒397から出てきた空気が中央に寄せられる。これにより、集中エアノズル部材300から噴射する空気に直進性を与えることができる。
(コンテナ洗浄除滴乾燥機におけるコンテナの動き)
次に、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wへとコンテナ1を搬入してから、洗浄水による洗浄と仕上水によるすすぎを経て、所定の温度の空気を吹き付けて行うコンテナ1の除滴および乾燥を行い、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wからコンテナ1を搬出するまでの一連の動きを説明する。なお、洗浄ゾーン2の水中ポンプ214、洗浄水ポンプ215、除滴乾燥ゾーン3のブロア401~407、搬送機構7のトップチェーン71、熱交換器501~503等は、制御盤Gにより動作を制御する。
(コンテナ洗浄除滴乾燥機へのコンテナの搬入)
図18に示すように、コンテナ1は搬入口4からコンテナ洗浄除滴乾燥機Wに搬入される。コンテナ洗浄除滴乾燥機Wには、複数のコンテナ1が搬送方向に所定の間隔をおいて、搬入口4から順次搬入され、連続して洗浄、除滴および乾燥されて、搬出口5から搬出される。すなわち、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wは、いわゆる連続処理でコンテナ1を洗浄、除滴乾燥する。
図19および図20を用いて、搬入口4付近でのコンテナ1の動作について説明する。
概略としては、作業者がコンテナ1を移動して、コンテナ1の車輪122を一対の搬入レール6に載置して押すことで、コンテナ1の車輪122を一対の搬入レール6から一対の搬送レール72へと乗り継がせて、コンテナ1を搬入口4からコンテナ洗浄除滴乾燥機Wに搬入する。
搬入したコンテナ1の底部12に設けた一対の支持部123により支持されるバー124は、搬入ガイド81の上面へと乗り上げて、搬入ガイド81の上面を搬送方向に転動(図20における時計回り)しながら移動し、段84から落下してトップチェーン71の搬送面76に載置される。バー124は、トップチェーン71の搬送面76に載置された状態で転動(図20における反時計回り)し、コンテナ1を待機させる。
そして、駆動しているトップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73は、待機させたコンテナ1のバー124に係合し、バー124を搬送方向に押すことにより、コンテナ1を搬送方向へ搬送する。このとき、コンテナ1の車輪122は、直線上に延びる搬送レール72により案内され、コンテナ1は搬送機構7により搬送レール72に沿って搬送方向に搬送されるものである。
図19(A)の状態は、作業者がコンテナ1を押して、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの搬入口4へと、その一部を搬入した状態である。バー124は図20の位置Aに位置し、支持部123に有する長孔125の底辺171に当接した状態となっている。コンテナ1の底部12の下側の面である長孔125の上辺172とバー124の上端との距離HAは、例えば、47mm程度となる。なお、バー124は長孔125内で、搬送方向の前後に移動する。
このとき、図19(A)に示すように、コンテナ1の前側の車輪122は第1および第2の段部91、92を越えて、第1の傾斜部93と第1の平坦部94との境目に位置する。そして、後側の車輪122は第1の段部91の手前に位置する。
作業者がさらにコンテナ1を押して、バー124が図20の位置Aから位置Bへと移動する間に、バー124は搬入ガイド81の傾斜ガイド部82に当接する。バー124は、一対の支持部123に有する長孔125内で上下動自在かつ転動自在となっているため、傾斜ガイド82に当接して、傾斜ガイド82に転動しつつ乗り上げて、水平ガイド部83の上面を転動(図20における時計回り)しつつ搬送方向へと進む。
図19(B)の状態は、作業者がさらにコンテナ1を押して搬送方向に進め、バー124が図20の位置Bまで進んだときの状態である。バー124は、搬入ガイド81の水平ガイド部83の上面を、搬送方向に向けて転動(図20における時計回り)しつつ搬送方向へと進む。また、バー124は、支持部123に有する長孔125の底辺171から離れて上方に移動しており、コンテナ1の底部12の下側の面である長孔125の上辺172とバー124の上端との距離HBは距離HAより小さくなり、例えば、32mm程度となる。
このとき、図19(B)に示すように、コンテナ1の前側の車輪122は、第1の傾斜部93を越えて第1の平坦部94に位置する。そして、後側の車輪122が第1の段部91と第2の段部92との間に位置する。
なお、搬入ガイド81には、バー124が当接する箇所に樹脂材を設けてもよい。その場合、作業者がコンテナ1を勢いよく押してコンテナ1を搬入したとき、バー124が搬入ガイド81の傾斜ガイド部82に当接したり、搬入ガイド81の水平ガイド部83の上をバー124が転動せずにこすれて移動したりすることにより、バー124が傷つくことを抑制することができる。
図19(C)の状態は、作業者がさらにコンテナ1を押して搬送方向に進め、バー124が図20の位置Cまで進んだときの状態である。バー124が図20の位置Bから位置Cへと移動する間に、バー124は、支持部123の有する長孔125の後側の側辺173に押され、搬入ガイド81の水平ガイド部83の上面から、トップチェーン71の搬送面76へと段84を落下することとなる。また、このとき、バー124が落下することによる落下音が発生する。後述するが、バー124の落下音は、作業者がコンテナ1を押すことを止める合図とすることができる。
そして、作業者が合図によってコンテナ1を押すのを止めることにより、バー124は、搬送方向へと駆動するトップチェーン71の搬送面76に載置された状態で、転動(図20における反時計回り)することとなる。また、バー124は、支持部123に有する長孔125の底辺171から離れて上方に移動しており、コンテナ1の底部12の下側の面である長孔125の上辺172とバー124の上端との距離HCは、例えば35mm程度となる。そして、バー124は転動を続けることによりトップチェーン71の駆動を逃がして、トップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73がバー124へと係合するまで、コンテナ1を待機させる。
このとき、図19(C)に示すように、コンテナ1の後側の車輪122は、第2の段部92の手前に位置する。ここで作業者がコンテナ1を押すと、後側の車輪122が第2の段部92にかかるので、第2の段部92を乗り越えようとするため、コンテナ1を押す感触に抵抗がある。このコンテナ1を押す感触の抵抗は、バー124の落下音とともに、作業者がコンテナ1を押すことを止める合図とすることができる。
なお、作業者がコンテナ1を押すことを止める合図があった後もコンテナ1をさらに押して移動し、バー124を図20の位置Cよりも搬送方向の下流側に位置させて、待機させてもよい。
図19(D)の状態は、駆動するトップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73が、バー124へと係合し、バー124が図20の位置Dまで進んだときの状態である。前述のように、バー124が搬入ガイド81の水平ガイド部83の上面から、トップチェーン71の搬送面76へと落下し載置されることにより、バー124は係合爪73により係合することができる位置に配置される。
そして、係合爪73が係合したバー124は、長孔125の前側の側辺174に当接する。これにより、バー124は、係合爪73に係合されて押圧面731により押され、長孔125の前側の側辺174に当接して支持部123を介してコンテナ1を押し、コンテナ1を搬送方向へと搬送する。このとき、コンテナ1の底部12の下側の面である長孔125の上辺172とバー124の上端との距離HDは、距離HCと同一であり、例えば、35mm程度となる。
このとき、図19(D)に示すように、コンテナ1の前側の車輪122は、第1の平坦部94に位置する。そして、後側の車輪122は、第2の段部92を越えて、第1の傾斜部93に到達している。
図19(C)の状態で、バー124が、搬入ガイド81の水平ガイド部83の上面から、トップチェーン71の搬送面76へと段84を落下したとき、バー124が搬送面76に接触して落下音がする。また、後側の車輪122が第2の段部92にかかっているので、コンテナ1を押す感触に抵抗がある。その落下音と抵抗とを合図として作業者がコンテナ1を押すことを止めることで、バー124は、搬送面76に載置され、係合爪73に係合される位置となる。すなわち、作業者がコンテナ1を押すことを止めるタイミングを音と感触とで確認し、最適な位置でコンテナ1を待機させることができる。
そのとき、後側の車輪122は第2の段部92にかかっているため、コンテナ1が前方へと進むのを抑制することができる。これにより作業者が押して搬入しようとするコンテナ1が、先に搬入して、搬送されているコンテナ1に衝突することを防止することができる。
このように、作業者がコンテナ1を所定の位置、本実施形態では、バー124の落下音がする位置であり、コンテナ1の後側の車輪122が第2の段部92の手前に来る位置まで移動することにより、コンテナ1を前方に移動するのを抑制した状態で待機させることができる。そして、待機したコンテナ1に対して、駆動するトップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73をバー124へと係合させた後に、コンテナ1の後側の車輪122に第2の段部92を乗り越えさせて、コンテナ1を搬送方向へと搬送することができる。
コンテナ1を搬入し、搬送されるまでのバー124と車輪122との転動状態について説明すると、搬入口4からコンテナ1を搬入するときには、バー124が転動(図19における時計回り)するとともに、車輪122が転動(図19における時計回り)する。次に、コンテナ1が待機しているときには、バー124は転動(図19における反時計回り)し、車輪122は静止している。そして、コンテナ1の搬送が開始されると、バー124は静止し、車輪122は転動(図19における時計回り)する。
なお、コンテナ1の搬送方向の後側の側面部15と、搬入口4の面とが搬送方向において略一致したことによっても、作業者がコンテナ1を押すことを止める位置を知ることができるようにしてもよい。
なお、バー124を長孔125内で上下動可能とすることで、トップチェーン71の高さ位置や、コンテナ1の底部12の下側の面と床面FLとの距離等の変更にかかわらず、コンテナ1を搬入し、バー124をトップチェーン71の搬送面76に載置した状態で、係合爪73をバー124に係合させて、コンテナ1を搬送することができる。これにより、コンテナ1の製造時の寸法誤差に左右されることなく、係合爪73にコンテナ1のバー124を係合して、コンテナ1を搬送することができる。
本実施形態において、係合爪73はコンテナ1の搬送方向に所定の間隔、例えば2mピッチでトップチェーン71の搬送面76に設けられているため、バー124を係合爪73に係合したコンテナ1は2mの間隔で略等間隔に搬送される。
次に、図21を用いて、コンテナ1を搬入口4から搬入したときに、係合爪73が搬入ガイド81の水平ガイド部83の段84を通り過ぎてはいるものの、いまだ係合爪73が水平ガイド部83の段84の近傍にある場合に、作業者がコンテナ1を搬送方向に押すことで、通り過ぎた係合爪73にバー124を係合させる場合について説明する。なお、図21の位置F、G、Hにおいては、見易くするために、支持部123を省略した図としている。
図21に示すように、作業者がコンテナ1をトップチェーン71より速い速度で押して、バー124が係合爪73の搬送方向の上流側の手前である図21の位置Eに来るまで、コンテナ1を移動させる。このとき、コンテナ1は前述した作業者が合図によりコンテナ1を押すのを止める位置よりも、さらに奥へとコンテナ1を移動させている。
作業者がさらにコンテナ1を押して、矢印cの方向へと駆動するトップチェーン71の搬送面76の上を移動させる。バー124は、支持部123に有する長孔125の後側の側辺173に当接しながら押される。また、バー124は、搬送面76に載置されているため、支持部123に有する長孔125の底辺171の上方に位置し、バー124の上端から長孔125の上辺172までの間隔HEは、例えば、35mm程度となる。
その後に、さらに作業者がコンテナ1をトップチェーン71より速い速度で押すことで、上下動可能としたバー124が長孔125の後側の側辺173に当接しながら押され、図21の位置Fにあるように、係合爪73の傾斜面732を斜め上方に転動しながら移動する。また、バー124は、係合爪73の傾斜面732に載置されているため、バー124の上端から長孔125の上辺172までの間隔HFは、バー124が係合爪73の傾斜面732を斜め上方に転動(図21における時計回り)しながら移動するにつれて小さくなる。
そして、さらに作業者がコンテナ1をトップチェーン71より速い速度で押すことで、バー124は長孔125の後側の側辺173に当接しながら押され、バー124が図21の位置Gである、係合爪73の頂点部733に到達する。バー124は、長孔125の底辺171の上方に位置し、バー124の上端から長孔125の上辺172までの間隔HGは、例えば、5mmとなる。バー124が係合爪73の頂点部733に載置された状態であっても、バー124の上端と、長孔125の上辺172との間には、隙間を形成している。
その後、さらに作業者がコンテナ1をトップチェーン71より速い速度で押すことで、係合爪73の頂点部733を乗り越えたバー124は図21の位置Hに示すように、搬送面76に落下する。また、このとき、バー124が落下することによる落下音が発生する。バー124の落下音は、作業者がコンテナ1を押すことを止める合図とすることができる。その後、駆動するトップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73の押圧面731がバー124へと当接し、係合する。係合爪73が係合したバー124は、長孔125の前側の側辺174に当接する。これにより、バー124は、係合爪73に係合されて押され、長孔125の前側の側辺174に当接して支持部123を介してコンテナ1を押し、コンテナ1を搬送方向へと搬送する。このとき、コンテナ1の底部12の下側の面である長孔125に有する上辺172とバー124の上端との距離HHは、図20における距離HCと同一であり、例えば、35mm程度となる。
以上のように、バー124へと係合しないままで係合爪73が通り過ぎてしまい、コンテナ洗浄除滴乾燥機W内に順次搬送するコンテナ1に空きが生じるような場合であっても、作業者がコンテナ1をトップチェーン71より速い速度で押して移動し、通り過ぎた係合爪73へとバー124を係合させて、コンテナ1を搬送することができる。そうすることにより、バー124を係合しないままで通り過ぎてしまった係合爪73に後追いでバー124を係合させてコンテナ1を搬送することができる。
また、バー124が係合爪73の頂点部733に載置される場合であっても、長孔125の上辺172とバー124の上端とは、所定の間隔、例えば5mmの間隔を形成する。これにより、バー124は、コンテナ1の底部12に当接することなく係合爪73を乗り越えることができる。すなわち、係合爪73の頂点部733は、コンテナ1の底部12の下側の面により形成される上辺172との間隔が、バー124の直径よりも大きくなるように構成されている。
また、トップチェーン71の搬送面76に設けられる係合爪73の搬送方向の所定の間隔は、コンテナ1の搬送方向の長さや、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wがコンテナ1を時間当たりで洗浄し、除滴乾燥する能力に合わせて設定している。そのため、バー124へと係合しないままで通り過ぎてしまった係合爪73に後追いでバー124を係合させてコンテナ1を搬送することにより、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wのコンテナ1を時間当たりで洗浄し、除滴乾燥する能力を無駄なく発揮させることができる。
(洗浄ゾーンによるコンテナの洗浄)
図4および図13に示すように、搬入口4から搬入されたコンテナ1は、洗浄ゾーン2の洗浄領域21において、コンテナ1に付着した汚れに対して洗剤を混ぜ合わせた洗浄水で除去したのち、すすぎ領域22において、水道水である仕上水にてすすぎ流す。したがって、コンテナ1は洗浄ゾーン2を出るときには、洗浄水はほぼ流れ落ち、仕上水を主にする水分が付着した状態で除滴乾燥ゾーン3に搬送される。
洗浄領域21では、ボイラー216から供給する高温の蒸気を中間タンク213に貯留した洗浄水へと吹き込んで、所定の温度、例えば、50度C程度に加熱する。そして所定の温度に加熱した洗浄水を中間タンク213から、洗浄水ポンプ215により洗浄ノズル部211に送り、洗浄水をコンテナ1へと噴射する。所定の温度の洗浄水によりコンテナ1を洗浄することにより、コンテナ1を加熱することができる。
また、すすぎ領域22では、ミキシングバルブ225によりボイラー216から供給される高温の蒸気を仕上水に混ぜ合わせ、所定の温度、例えば80度Cに加熱する。所定の温度に加熱した仕上水をコンテナ1に噴射し、仕上水によりコンテナ1をすすぎ流すことにより、コンテナ1をさらに加熱することができる。洗浄領域21およびすすぎ領域22においてコンテナ1を加熱することで、後述する除滴乾燥ゾーン3によるコンテナ1に付着した水分の除滴乾燥を促進することができる。
(除滴乾燥燥ゾーンによるコンテナの除滴と乾燥)
図3に示すように、洗浄ゾーン2での洗浄とすすぎを終えたコンテナ1を除滴乾燥ゾーン3で搬送機構7により搬送しながら、除滴乾燥手段301~308から、熱交換器501~503により加熱された所定の温度、例えば80度Cの空気を噴射する。そして、除滴乾燥手段301~308からコンテナ1へと噴射した所定の温度の空気により、コンテナ1に付着した水分を、風圧により除滴し、熱により乾燥させる。また、除滴乾燥手段309、310は熱交換器に接続されていないため、所定の温度より低い温度、例えば70度Cの空気を噴射し、風圧によりコンテナ1に付着した水分を除滴し、熱により乾燥させるものである。これにより、除滴乾燥手段301~310はコンテナ1に付着した水分を除去するものである。
図22(A)に示すように、予備除滴乾燥領域30を通過するコンテナ1に対して、除滴乾燥手段301である一対の広域エアノズル340は、搬送方向に対する左右方向から中央に向けてコンテナ1の上から下までの全域に所定の温度の空気を噴射する。これにより、コンテナの上部101、中部102、下部103に対して、コンテナ1に付着した水分を大まかに除去することができる。また、コンテナ1で所定の温度の空気が当たった箇所は加熱される。
本実施形態において、図14に示すように、予備除滴乾燥領域30では、一対の広域エアノズル340の上部を搬送方向の搬入口4側に傾けている。これにより、予備除滴乾燥領域30では搬送されるコンテナの上部101から、コンテナの下部103へと順に、コンテナ1に付着した水分の落下に合わせて所定の温度の空気を噴射し、風圧により除滴し、熱により乾燥させることができる。
また、コンテナ1において所定の温度の空気が当たった箇所を加熱し、後段の除滴乾燥領域31~33での除滴乾燥効果を高めることができる。さらに、コンテナ1が加熱されて温度が上昇していることにより、所定の温度の空気をコンテナ1に向けて噴射していない間も、コンテナ1に付着した水分を蒸発させて乾燥させることができる。
図22(B)に示すように、上部除滴乾燥領域31を通過するコンテナ1に対して、除滴乾燥手段302である一対の直進型エアノズル311、312のうち、一方の直進型エアノズル311は、コンテナ1の搬送方向の右側からコンテナ1の天井部11の下面に向けて、斜め上方に所定の温度の空気を噴射する。また、他方の直進型エアノズル312はコンテナ1の搬送方向の右側からコンテナ1の上側の棚18に向けて、斜め上方に所定の温度の空気を噴射する。これにより、天井部11の下面および上側の棚18に付着した水分を、所定の温度の空気の風圧によりコンテナ1の搬送方向の左側に吹き飛ばして除滴し、熱により乾燥させることができる。
また、図14に示すように、上部除滴乾燥領域31を通過するコンテナ1に対して、除滴乾燥手段305である一対の直進型エアノズル319、320は、前方からコンテナ1の前側の側面部15および天井部11に向けて所定の温度の空気を噴射する。これにより、コンテナ1の搬送方向の前側の側面部15と、コンテナ1の天井部11の上面とに付着した水分を、所定の温度の空気の風圧により吹き飛ばして除滴し、熱により乾燥させることができる。
上部除滴乾燥領域31では、コンテナ1において所定の温度の空気が当たった箇所を加熱し、後段の中部除滴乾燥領域32、下部除滴乾燥領域33での除滴乾燥効果を高めることができる。さらに、コンテナが加熱されて温度が上昇していることにより、所定の温度の空気をコンテナに向けて噴射していない間も、コンテナに付着した水分を蒸発させて乾燥させることができる。
図22(C)に示すように、中部除滴乾燥領域32を通過するコンテナ1に対して、除滴乾燥手段303である一対の直進型エアノズル313、314の一方の直進型エアノズル313は、コンテナ1の搬送方向の右側からコンテナ1の下側の棚19に向けて、斜め上方に所定の温度の空気を噴射する。また、除滴乾燥手段303である一対の直進型エアノズル313、314の他方の直進型エアノズル314は、右側からコンテナ1の底部12の上面に向けて、斜め下方に所定の温度の空気を噴射する。これにより、コンテナ1の下側の棚19および底部12の上面に付着した水分を、所定の温度の空気の風圧によりコンテナ1の搬送方向の左側に吹き飛ばして除滴し、熱により乾燥させることができる。
また、図14に示すように、中部除滴乾燥領域32を通過するコンテナ1に対して、除滴乾燥手段306である一対の直進型エアノズル321、322は、後方からコンテナ1の後側の側面部15および天井部11に向けて所定の温度の空気を噴射する。さらに、除滴乾燥手段307である一対の直進型エアノズル323、324は、前方からコンテナ1の前側の側面部15およびコンテナの天井部11に向けて所定の温度の空気を噴射する。
これにより、コンテナ1の天井部11の上側の面と、コンテナ1の搬送方向の前側の側面部15および後側の側面部15とに付着した水分を、所定の温度の空気の風圧により吹き飛ばして除滴し、熱により乾燥させることができる。
中部除滴乾燥領域32では、コンテナ1において所定の温度の空気が当たった箇所を加熱し、後段の下部除滴乾燥領域33での除滴乾燥効果を高めることができる。さらに、コンテナが加熱されて温度が上昇していることにより、所定の温度の空気をコンテナに向けて噴射していない間も、コンテナに付着した水分を蒸発させて乾燥させることができる。
上部除滴乾燥領域31と中部除滴乾燥領域32とにおいて順に、コンテナ1の天井部11、上側の棚18、下側の棚19、底部12の全域に向けて一方側から直進型エアノズル311~314により空気を噴射する。1つのブロア402には直進型エアノズル311、312のみが接続されており、1つのブロア404には直進型エアノズル313、314のみが接続されている。よって、より集中した空気を噴射することができ、コンテナ1に付着する水分を一方側から他方側に、より効果的に寄せることができる。本実施形態において、直進型エアノズル311~314は右側から空気を噴射して左側に水分をより効果的に寄せることができる。
図22(D)に示すように、下部除滴乾燥領域33を通過するコンテナ1に対して、除滴乾燥手段304は、コンテナ1の搬送方向の左側に設けられ、下部除滴乾燥領域33を通過するコンテナ1の搬送方向の左側から右側に向けて所定の温度の空気をコンテナ1へと噴射する。
そして、除滴乾燥手段304である4つの直進型エアノズル315~318のうち、直進型エアノズル315は、コンテナ1の天井部11付近に向けて、斜め上方に所定の温度の空気を噴射する。直進型エアノズル316はコンテナ1の上側の棚18付近の高さ位置に向けて、斜め上方に所定の温度の空気を噴射する。直進型エアノズル317はコンテナ1の下側の棚19付近に向けて、斜め上方に所定の温度の空気を噴射する。直進型エアノズル318はコンテナ1の底部12に向けて、斜め下方に所定の温度の空気を噴射する。
そして、除滴乾燥手段304である直進型エアノズル315~318により、コンテナ1の収納部17の鉛直方向の全域にわたって空気を噴射することができる。
上部除滴乾燥領域31、中部除滴乾燥領域32において、除滴乾燥手段302、303によりコンテナ1の搬送方向の左側に寄せた水分を、下部除滴乾燥領域33では、除滴乾燥手段304でコンテナ1の搬送方向の左側から右側に向けて所定の温度の空気をコンテナ1へと噴射することにより、風圧により水分を除滴し、熱によりコンテナ1に付着した水分を乾燥させることができる。
また、除滴乾燥手段309である一対の直進型エアノズル327、328は、コンテナ1の底部12の下方から底部12の下側の面に向けて所定の温度より低い温度、例えば70度Cの空気を噴射する。これにより、コンテナ1の底部12の下側の面を除滴乾燥する。
また、除滴乾燥手段310である一対の直進型エアノズル329、330は、それぞれ、コンテナ1の搬送方向の左右両側からコンテナの下部103に対応する位置からキャスター121付近に向けて所定の温度より低い温度の空気を噴射する。これにより、一対の直進型エアノズル329、330は、キャスター121周辺を除滴乾燥する。除滴乾燥手段309、310は熱交換器に接続しておらず、所定の温度より低い温度の空気を噴射するため、コンテナ1のなかで比較的熱に弱いゴムおよび樹脂等を材料とするキャスター121、特に車輪122等の熱による劣化を抑制することができる。
また、図14に示すように、下部除滴乾燥領域33を通過するコンテナ1に対して、除滴乾燥手段308である一対の直進型エアノズル325、326は、後方からコンテナ1の後側の側面部15および天井部11に向けて所定の温度の空気を噴射する。これにより、コンテナ1の後側の側面部15および天井部11に付着した水分を除滴乾燥することができる。さらに、除滴乾燥手段308によってコンテナ1は後方から噴射された所定の温度の空気を受け、搬送方向の前方に加速する。これにより、コンテナ1は、係合爪73を離れて搬送方向の前方に先行するが、詳細については後述する。
なお、除滴乾燥手段306は、除滴乾燥手段308と同様に、後方からコンテナ1の後側の側面部15および天井部11に向けて所定の温度の空気を噴射する。しかし、除滴乾燥手段306から空気の噴射を受けているコンテナ1に対しては、除滴乾燥手段307が、前方からコンテナ1の前側の側面部15および天井部11に向けて所定の温度の空気を噴射するため、除滴乾燥手段306と除滴乾燥手段307とから噴射する空気によって受ける力が均衡してコンテナが前方に加速することがない。
また、図6(A)および図6(B)に示すように、コンテナ1の前側と後ろ側の側面部15の両端側には、前扉部161と後扉部162とを備えている。図22(A)~図22(D)において、コンテナ1の搬送方向に直交する左右方向のうちの、左方向側の前扉部161は、予備除滴乾燥領域30の広域エアノズル340の左側、下部除滴乾燥領域33の直進型エアノズル315~318との距離が近い。
加えて、コンテナ1の搬送方向に直交する左右方向のうちの、右方向側の前扉部161は、予備除滴乾燥領域30の広域エアノズル340の右側、上部除滴乾燥領域31の直進型エアノズル311、312、中部除滴乾燥領域32の直進型エアノズル313、314との距離が近い。そのため、噴射される所定の温度の空気の風圧は減衰しにくく、温度は低下しにくいため、コンテナ1の搬送方向に直交する左右方向の両方向側の前扉部161は、比較的除滴乾燥しやすい。また、コンテナ1の搬送方向に直行する左右方向の両方向側の後扉部162も同様に、除滴乾燥しやすい。
(コンテナ洗浄除滴乾燥機からのコンテナの搬出)
図23に示すように、コンテナ1は搬出口5を介してコンテナ洗浄除滴乾燥機Wから搬出される。所定の間隔をおいて搬入口4から順次搬入された複数のコンテナ1は、連続して洗浄および除滴乾燥をされた後に、順次搬出口5から搬出される。
具体的には、図23(A)に示すように、コンテナ1のバー124が搬送面76の上を係合爪73に押されて進行する。このとき、前側の車輪122は搬出レール8に到達し、後側の車輪122は下方に向けて傾斜する第3の傾斜部97を搬送方向に進む。
次いで、図23(B)に示すように、コンテナ1のバー124がトップチェーン71の終端まで到達する。このとき、後側の車輪122は第3の傾斜部97を搬送方向に進む。トップチェーン71の終端では、係合爪73が駆動スプロケット74の回転に沿って回転する。このとき、トップチェーン71に対する係合爪73の押圧面731により係合爪73がコンテナ1のバー124を前方に押し出すことができる。
次いで、図23(C)に示すように、コンテナ1のバー124は係合爪73から離れると押圧されることがないため、コンテナ1は係合爪73がコンテナ1のバー124をリリースする押圧力により僅かに惰性で搬送方向に進んだ後に停止する。このとき、バー124は、支持部123の有する長孔125の底辺171に当接する。
また、このとき、前側の車輪122は第3の段部98を越えており、後側の車輪122は第3の傾斜部97におかれるため、コンテナ1が搬送方向の後方となる除滴乾燥ゾーン3へと戻ることを抑制することができる。なお、搬出口5の外部には、コンテナ1が惰性で進みすぎないように、車輪122の経路に凹凸部720と同様の凹凸部を設けてもよい。
(除滴乾燥ゾーンでのコンテナの搬送速度と除滴乾燥について)
図24(A)~(E)を用いて、上部除滴乾燥領域31付近から下部除滴乾燥領域33付近におけるコンテナ1の搬送と、除滴乾燥について説明する。コンテナ1001、2001、3001、4001、5001は、トップチェーン71の搬送面76に設けた係合爪73がそれぞれのコンテナ1のバー124に係合し、トップチェーン71が駆動されることにより搬送される。
トップチェーン71は駆動源である電動モータにより駆動されるため、電動モータを制御するインバータにより、トップチェーン71を駆動する速度を、高速駆動と低速駆動とに切り替えて変化させる。そして、高速駆動と低速駆動とを所定の周期、例えば、高速駆動を20秒間とし、低速駆動を40秒間とした1周期として、その1周期を繰り返す。
コンテナ1は、トップチェーン71の係合爪73にバー124が押されて搬送される場合に、トップチェーン71の高速駆動時には高速移動し、低速駆動時には低速移動する。また、コンテナ1は、加速手段である除滴乾燥手段308から噴射される空気を、コンテナ1の後ろ側の側面部15に受けると、加速してバー124が係合爪73から離れて搬送方向の前方に進む。図24においては、見易くするために、トップチェーン71を省略した図としている。
図24(A)にて、トップチェーン71は高速駆動しており、コンテナ1001、2001、3001、4001は高速移動している。このとき、各コンテナ1001、2001、3001、4001は、設けられた係合爪73にバー1124、2124、3124、4124が係合されて搬送されるため、各コンテナ1001、2001、3001、4001の間隔は係合爪73の間隔に等しく、所定の間隔、例えば、2mの間隔である間隔sとなる。また、除滴と乾燥とを終えたコンテナ1001の後側の車輪1122は、減速手段である凹凸部720を過ぎた位置にある。
また、除滴乾燥手段302、303、304、309、310は、概略、高速移動するコンテナ4001、3001、2001の前扉部4161、3161、2161の前端付近に位置し、所定の温度の空気を噴射している。
また、前述したように、コンテナ2001、3001、4001の搬送方向に直交する左右方向の両方向側に取付けられる前扉部2161、3161、4161と、後扉部2162、3162、4162は、比較的除滴乾燥しやすい。
その比較的除滴乾燥しやすい前扉部2161、3161、4161などを除滴乾燥するときに、コンテナ2001、3001、4001を高速移動させても十分に除滴乾燥できるので、高速移動によりコンテナ2001、3001、4001の除滴乾燥に要する時間を短縮することができる。
そして、このとき、除滴乾燥手段308は、概略、コンテナ2001の後側の側面部2015および天井2011に所定の温度の空気を噴射している。これにより、コンテナ2001は、後方から押されて高速移動からさらに加速し、バー2124が係合爪73から離間し、高速移動よりも速い速度で移動する先行移動に移行を始める。すなわち、除滴乾燥手段308は、加速手段としても作用する。コンテナ2001が加速してバー2124が係合爪73から離れるときに、バー2124は転動して搬送方向に移動する。
図24(B)の状態にて、トップチェーン71は、高速駆動から低速駆動に移行を始める。このとき、コンテナ1001、3001、4001は、バー1124、3124、4124を係合爪73に押されており、高速移動から低速移動に移行を始める。一方、コンテナ2001は、除滴乾燥手段308より噴射される所定の温度の空気が、コンテナ1の後側の側面部2015へと噴射されることにより、係合爪73からバー2124が離れ、高速移動から、より速い速度で移動する先行移動に移行している。これにより、前方のコンテナ1001との間隔は、間隔sより小さい間隔v、例えば、1.5mに縮まり、後方のコンテナとの間隔は、間隔sより大きい間隔t、例えば、2.5mに広がる。
また、除滴乾燥手段302は、概略、コンテナ4001の前扉部4161と収納部4017との境界付近に所定の温度の空気を噴射し、除滴乾燥手段303は、概略、コンテナ3001の前扉部3161と収納部3017との境界付近に所定の温度の空気を噴射している。
除滴乾燥手段304は、コンテナ2001の前扉部2161と収納部2017との境界付近に所定の温度の空気を噴射し、除滴乾燥手段309は、コンテナ2001の底部2012の下側の面の前端付近に所定の温度より低い温度の空気を噴射し、除滴乾燥手段310は、コンテナ2001の前側の車輪2122より前の位置に所定の温度より低い温度の空気を噴射している。
図24(C)の状態にて、トップチェーン71は、低速駆動するため、コンテナ1001、3001、4001は、バー1124、3124、4124を係合爪73に押されて、低速移動する。一方、コンテナ2001は、前側の車輪2122が凹凸部720に到達し、凹凸部720の凹凸が前側の車輪2122の転動の抵抗となり、コンテナ2001は減速した後に停止している。前方のコンテナ1001との間隔は、間隔vより大きい間隔w、例えば、1.8mに広がり、後方のコンテナ3001との間隔は、間隔tより小さい間隔u、例えば2.2mに縮まる。
また、除滴乾燥手段302は、概略、低速移動するコンテナ4001の収納部4017に所定の温度の空気を噴射し、除滴乾燥手段303は、概略、低速移動するコンテナ3001の収納部3017に所定の温度の空気を噴射している。コンテナ3001、4001の各々の収納部3017、4017は、低速移動しながら所定の温度の空気を受けるため、効果的に除滴乾燥される。
一方、コンテナ2001においては、係合爪73がコンテナ2001のバー2124に係合するまでの間、除滴乾燥手段304は、停止しているコンテナ2001の収納部2017の鉛直方向の全域に所定の温度の空気を噴射し、除滴乾燥手段309は、停止しているコンテナ2001の底部2012の下側の面に所定の温度より低い温度の空気を噴射している。これにより、コンテナ2001のバー2124に係合爪73が係合するまでの間、効果的に収納部2017内の全域と、コンテナ2001の底部2012の下側の面と、コンテナ2001の停止しているバー2124とを効果的に除滴乾燥させることができる。
また、コンテナ2001が停止している間、除滴乾燥手段310は、コンテナ2001の前側の車輪2122と後側の車輪2122との間に所定の温度より低い温度の空気を噴射している。これにより、前側の車輪2122と後側の車輪2122とに所定の温度より低い温度の空気を直接噴射することはないため、コンテナ2001が停止していても、前側の車輪2122と後側の車輪2122とに使用されるゴムおよび樹脂材の熱による劣化を抑えることができる。
また、除滴乾燥手段310は、搬送方向に直交する左右方向の両側に配置されているため、前側の車輪2122と後側の車輪2122との間に噴射された所定の温度より低い温度の空気は、コンテナ2001の底部2012の下側の面近傍にてぶつかり合い、上下方向へと流れを変えて、コンテナ2001の底部2012の下側の面に付着した水分の除滴乾燥を促進することができる。
図24(A)の状態から(C)の状態までに、コンテナ2001は、図24(A)の状態にて、除滴乾燥手段308により後側の側面2015に所定の温度の空気を噴射されて先行移動を始め、図24(B)の位置を通り過ぎ、図24(C)の位置に近づくと、前側の車輪2122は凹凸部720にかかり始める。凹凸部720の凹凸が前側の車輪2122の転動の抵抗となり、コンテナ2001は減速する。そして、除滴乾燥手段304、309、310がコンテナ2001の搬送方向の略中央に位置する付近で、コンテナ2001は停止する。
コンテナ2001が減速している間、除滴乾燥手段304は、コンテナ2001の収納部2017の鉛直方向の全域に所定の温度の空気を噴射している。除滴乾燥手段309は、コンテナ2001の底部2012の底部に所定の温度より低い温度の空気を噴射している。コンテナ2001へと噴射される所定の温度の空気は、コンテナ2001が減速しているため、時間当たりで同一箇所に噴射する所定の温度の空気の量は多くなり、また、同一箇所に熱量を与える時間は長くなるため、効果的に除滴乾燥させることができる。
また、コンテナ2001が減速している間、搬送方向に直交する左右方向の両側に配置される除滴乾燥手段310は、コンテナ2001の左右両側の前側の車輪2122付近に所定の温度より低い温度の空気を噴射している。その間、車輪2122は転動することにより、車輪2122の接地面の特定箇所が搬送レール72に接触したままとならない。そのため、左右両側の前側の車輪2122の接地面である転動面全体に付着した水分を効果的に除滴乾燥させることができる。そして、除滴乾燥手段310から噴射される空気は、所定の温度よりも低い温度の空気であるので、車輪122に使用されるゴムおよび樹脂材の熱による劣化を抑えることができる。
また、除滴乾燥手段310の前を前側の車輪2122が通り過ぎた後は、前側の車輪2122と後側の車輪2122との間に向けて、所定の温度より低い温度の空気は除滴乾燥手段310から噴射される。除滴乾燥手段310は、搬送方向に直交する左右方向の両側に配置されているため、前側の車輪2122と後側の車輪2122との間に噴射された所定の温度より低い温度の空気は、コンテナ2001の底部2012の下側の面近傍にてぶつかり合い上下方向へと流れを変えて、コンテナ2001の底部2012の下側の面に付着した水分の除滴を促進することができる。
そして、コンテナ2001が先行移動してから減速して停止するまで、コンテナ2001のバー2124は転動しているので、除滴乾燥手段309からコンテナ2001の底部2012の下側の面へと噴射される所定の温度より低い温度の空気により、バー2124の全体を効果的に除滴乾燥させることができる。
つまり、バー2124が係合爪73の押圧面731により押されているとき、バー2124は転動しておらず、バー2124が押圧面731と搬送面76とに接触している箇所に付着した水分は除滴乾燥しにくい。しかし、バー2124が転動していることにより、所定の温度より低い温度の空気により、バー2124の外周面である転動面全体に付着した水分を効果的に除滴乾燥させることができる。
図24(D)の状態にて、トップチェーン71は依然として低速駆動している。そのため、コンテナ2001、3001、4001、5001は、バー2124、3124、4124、5124を係合爪73に押されて低速移動する。したがって、各コンテナ2001、3001、4001、5001の間隔は、いずれも再び間隔sとなる。また、除滴乾燥されたコンテナ1001は、搬出口5から搬出される。
また、除滴乾燥手段302、303、304は、低速移動するコンテナ2001、3001、4001の後扉部2162、3162、4162とその付近に所定の温度の空気を噴射している。コンテナ2001、3001、4001は、低速移動しながら所定の温度の空気を受けるため、効果的に除滴乾燥される。
また、コンテナ2001が低速移動している間、搬送方向に直交する左右方向の両側に配置される除滴乾燥手段310からコンテナ2001の、左右両側の後側の車輪2122付近に所定の温度より低い温度の空気を噴射している。その間、車輪2122は転動することにより、車輪2122の接地面の特定箇所が搬送レール72に接触したままとならない。そのため、左右両側の後側の車輪2122の接地面である転動面全体に付着した水分を効果的に除滴乾燥させることができる。そして、除滴乾燥手段310から噴射される空気は、所定の温度よりも低い温度の空気であるので、車輪122に使用されるゴムおよび樹脂材の熱による劣化を抑えることができる。
図24(E)の状態にて、トップチェーン71は、低速駆動から高速駆動に移行しており、図24(A)と同様の状態に戻る。したがって、コンテナ2001、3001、4001、5001は、高速移動している。このとき、各コンテナ2001、3001、4001、5001は、所定の間隔、例えば、2mの等間隔で設けられた係合爪73によりバー2124、3124、4124、5124を押されて搬送されるため、各コンテナ2001、3001、4001、5001の間隔は等しく、間隔sとなる。
なお、本実施形態では、コンテナ2001、3001、4001、5001が低速移動から高速移動へと移行するタイミングは、図24(D)から図24(E)に移行する間としている。具体的には、除滴乾燥手段302~310が後扉部2162、3162、4162の端部に向けて所定の温度の空気を噴射した後であるが、コンテナ2001、3001、4001、5001が低速移動から高速移動へと移行するタイミングを早めてもよい。
例えば、コンテナ2001、3001、4001の後側の側面2015、3015、4015まで所定の温度の空気を噴射したのちに、コンテナ2001、3001、4001、5001を低速移動から高速移動へと移行させてもよい。そうすることにより、乾燥させにくいコンテナ2001、3001、4001、5001のそれぞれの収納部2017、3017、4017を乾燥させた後に、乾燥させやすい後扉部2162、3162、4162を、コンテナ2001、3001、4001を高速移動させつつ除滴乾燥させることができ、コンテナ2001、3001、4001、5001を搬入口4から搬入し、搬出口5から搬出するまでの時間を短縮して、処理できるコンテナ1の数を増やすことができる。
そして、以降は順に搬送されるコンテナ1に対して、図24(A)~(E)の動作を繰り返すこととなる。
このように、図24(B)~(D)において、トップチェーン71が低速駆動している際に、低速移動するコンテナ3001、4001は、前扉部3161、4161と収納部3017、4017とのそれぞれの境界付近から後扉部3162、4162にわたって、除滴乾燥手段303、302により除滴乾燥される。これにより、コンテナ3001、4001は、効果的に除滴乾燥される。
以上のように、等間隔で搬送されるコンテナ1を、搬送しつつ除滴乾燥し、搬送されるコンテナ1を除滴乾燥手段308から噴射される所定の温度の空気により先行移動させた後に、凹凸部720により減速させ、停止させる。
コンテナ1の搬送方向に直交する左右方向で、両方側に外部と内部とが連通する収納部17は、長手パイプ182と短手パイプ181とを組み合わせた上側の棚18、下側の棚19が設けられている(図6参照)上に、収納部17は短手パイプ181の長さ方向の両端の間に距離がある(図8参照)ため、除滴乾燥手段302、303、304から噴射される所定の温度の空気は、収納部17内で風圧が減衰しやすく、温度が低下しやすい。そのため、収納部17は除滴乾燥させにくい。
除滴乾燥させにくい収納部17を、コンテナ1を減速させている間と、停止させている間とに除滴乾燥させることで、時間当たりで同一箇所に噴射する所定の温度の空気の量は多くなり、また、同一箇所に熱量を与える時間は長くなるため、効率的にコンテナ1に付着した水分を除去することができる。加えて、除滴乾燥手段302、303には集中エアノズル部材300が取り付けられているため、除滴乾燥手段302、303から噴射する所定の温度の空気の風圧は減衰しにくく、コンテナ1の収納部17に付着した水分を除滴しやすい。
また、コンテナ1に付着した水分を除去、特にコンテナ1の下部103または底部12に付着した水分を十分に除去することで、コンテナ1を搬出口5から搬出した後に、コンテナ1に付着した水分が施設の床面FLへと落下することを抑制することができる。また、コンテナ1の車輪122に付着した水分を効率的に除去することができるので、コンテナ1を搬出口5から搬出した後、コンテナ1の車輪122が走行した道筋に、水分による跡が残ることを抑制することができる。
そして、コンテナ1の除滴乾燥しやすい箇所を除滴乾燥するときに高速移動させ、コンテナ1の除滴乾燥しにくい箇所を除滴乾燥するときに低速移動、減速および停止することで、除滴乾燥するために必要な時間を短縮しながら、確実に除滴乾燥させることができる。すなわち、効率的にコンテナ1に付着した水分を除去することができる。
(実施形態2)
次に、コンテナ処理装置Pの実施形態2として、コンテナ除滴乾燥機Hについて、図25~図27を用いて詳細に説明する。実施形態2の説明において、説明を簡単にするために、実施形態2の特徴的部分についてのみ説明し、実施形態1と同様の部分は説明を一部省略する。また、実施形態1と同一の構成については同一の符号を用いて説明する。実施形態2のコンテナ除滴乾燥機Hは、実施形態1のコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと比較して、特に、洗浄ゾーンを備えない点で相違する。
コンテナ1は、実施形態1のコンテナ1と同様に、給食センターCへ返却された後に、翌日の配送に備えて、洗浄し除滴乾燥させておく必要がある。そのようなコンテナ1を被洗浄物として手作業での洗浄や、洗浄機での洗浄の後に、コンテナ除滴乾燥機Hはコンテナ1を除滴乾燥するものである。
(コンテナの除滴乾燥機)
図25および図26に示すように、コンテナ除滴乾燥機Hは、コンテナ1を搬送する搬送方向に長いトンネル状に形成され、洗浄されたコンテナ1を除滴乾燥させる除滴乾燥ゾーン3を備える。また、コンテナ除滴乾燥機Hは、コンテナ1を搬入する搬入口4を除滴乾燥ゾーン3のコンテナ1の搬送方向の上流側に備え、コンテナ1を搬出する搬出口5を除滴乾燥ゾーン3のコンテナ1の搬送方向の下流側に備える。したがって、コンテナ除滴乾燥機Hでは、コンテナ1を搬入口4から搬入し、除滴乾燥ゾーン3を通って、搬出口5から搬出する。
コンテナ除滴乾燥機Hには、実施形態1のコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様に、搬入口4付近の天井に排気口Eを設ける。排気口Eは、搬出口5から空気を取り込み、コンテナ除滴乾燥機Hの除滴乾燥ゾーン3を通過した空気を、コンテナ除滴乾燥機Hを設置した施設の外部に放出する(図26の矢印aを参照)。
図25に示すように、コンテナ除滴乾燥機Hにおいて、実施形態1のコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様に、搬入口4には、コンテナ1を搬入口4に案内する搬入レール6を設け、搬出口5には、コンテナ1を搬出口5から案内する搬出レール(図示なし)を設ける。コンテナ1を搬入する際には、コンテナ1の車輪122を搬入レール6に乗せて搬入する。
図26および図27に示すように、コンテナ除滴乾燥機Hは、床に掘られたピット(収容空間)Sにコンテナ除滴乾燥機Hの下側の一部を収容する。これにより、搬送レール72を床面FLと略同一の高さに配置できるため、コンテナ1をコンテナ除滴乾燥機Hに略水平に搬入することができる。本実施形態において、ピットSは床面FLから所定の深さ、例えば、250mm程度の深さに掘られている。コンテナ除滴乾燥機Hは、床面FLより上側を上部外郭体HU、下側を下部外郭体HDとして、上部外郭体HUを略矩形の断面で貫通する搬送路を有するようにトンネル形状に形成されている。
コンテナ除滴乾燥機Hは、実施形態1のコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様の搬送機構7を備え、搬送レール72にコンテナ1の車輪122を載置して、トップチェーン71の係合爪73にコンテナ1のバー124を係合して、コンテナ1を搬送する。搬送レール72は、床面FLと略同一の高さ位置に設けられる。また、トップチェーン71の送り側および戻り側を床面FLより高い位置になるように配設する。なお、本実施形態において、トップチェーン71の戻り側における係合爪73は、その頂点が床面FLと略同じ高さとなっている。したがって、本実施形態において、トップチェーン71の全体が床面FLより上側となるように配設する。ユーティリティスペース70は、コンテナ除滴乾燥機H内の清掃、およびメンテナンスを行うための足場として用いることができる。
図25~図27に示すように、除滴乾燥ゾーン3には、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様のブロア401~407、熱交換器501~503、除滴乾燥手段301~310を設け、洗浄後にコンテナ除滴乾燥機Hに搬入されるコンテナ1を除滴乾燥する。
(除滴乾燥ゾーン)
図27に示すように、実施形態1のコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様に、除滴乾燥ゾーン3はコンテナ1の搬送方向に、複数の除滴乾燥領域を備える。搬入口4側から順に、予備除滴乾燥領域30と、上部除滴乾燥領域31と、中部除滴乾燥領域32と、下部除滴乾燥領域33とを備える。下部除滴乾燥領域33のコンテナ1の搬送方向の下流側には、搬出口5が続く。
各除滴乾燥領域30~33は、実施形態1のコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様に、除滴乾燥手段301~310を備え、各除滴乾燥手段は、実施形態1のコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様に、広域エアノズル340および直進型エアノズル311~330を備える。
コンテナ除滴乾燥機Hの下部除滴乾燥領域33においても、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wと同様に、コンテナ1の底部12に向けて下方から空気を噴射する除滴乾燥手段309を備える。除滴乾燥手段309は、ブロア407からエア配管370を介して接続されている。エア配管370は、その一部を床面FLより低い位置に配設し、除滴乾燥手段309の直進型エアノズル327に接続している。
これにより、エア配管370を設置するためのスペースを広くとることができ、可能な限りエア配管370内を流れる空気をスムーズに流動させることができるように、エア配管370の経路を構成することができる。したがって、噴射する空気の風圧を大きく減衰させることなく、流れを乱さないようにして、除滴乾燥手段309から所定の温度より低い温度の空気を噴射することができる。
(コンテナ処理装置の作用と効果)
以上のような実施形態1および実施形態2に係るコンテナ処理装置Pにおいて、搬送機構7の搬送レール72は、床面FLと略同一の高さとし、搬入口4から搬出口5にかけて略水平に延びるように設ける。これにより、コンテナ1を略水平方向に進めて搬送レール72に載置できるため、コンテナ1を円滑に搬入することができ、かつコンテナ1を円滑に搬出することができる。したがって、コンテナ1の搬入、搬送、搬出を略水平に、1つの搬送機構により行うことができる。
また、搬送機構7はコンテナ1のバー124を係合爪73で押圧しながら、キャスター121の車輪122を搬送レール72の上で転動しながら搬送する。これにより、車輪122をトップチェーン71に載置してコンテナ1を搬送する方式に比較して、本発明では搬送機構7にかかる負荷を小さくすることができる
また、トップチェーン71を駆動スプロケット74、従動スプロケット77により折り返して循環駆動しているが、一般的にトップチェーンに用いるスプロケットのピッチ円直径は小さなものであるため、搬送機構7にトップチェーン71を使用することで、搬送機構7の上下方向の寸法を小さくすることができる。そして、搬送機構7の上下方向の寸法を小さくすることにより、搬送されるコンテナ1の底部12より下側に搬送機構7を設けても、搬送機構7がピットSに深く侵入することがない。これにより、ピットSを浅くすることができる。
また、係合爪73の押圧面731が所定の角度、例えば、90度に立ち上がるため、バー124が逃げることなく、係合爪73に確実に係合することができる。なお、押圧面731の所定の角度を、例えば、70度~80度として、コンテナ1を搬送している間に、万が一、コンテナ1の搬送方向とは反対の方向に想定を超える力がバー124に加わったときに、係合爪73からバー124を逃がすようにしてもよい。
そうすることで、万が一、予期せぬ理由でコンテナ1が搬送方向に搬送されなくなったとき、バー124が係合爪73の押圧面を上方に転動し、バー124が係合爪73をコンテナ1の搬送方向とは反対の方向へと乗り越えて、コンテナ1の搬送を停めることができ、搬送機構7と被搬送物であるコンテナ1とを保護することができる。
その場合は、後続のコンテナ1と衝突しないように、コンテナ1が搬送方向に搬送されず停止したことを検知するセンサをコンテナ処理装置Pに設置し、センサから制御盤Gへと信号を送信して、警告音とともにコンテナ処理装置Pの運転を停止するようにするとよい。これにより、コンテナ1の搬送方向とは反対の方向に想定を超える力がかかったとき、搬送機構7を保護することができるとともに、係合爪73からバー124が逃げたコンテナ1が、後続のコンテナ1に衝突してしまうことを防ぐことができる。そして、コンテナ処理装置Pが停止した原因を発見するために、即座に点検することができる。
なお、トップチェーン71の低速駆動と高速駆動の、駆動速度や駆動時間は、係合爪73の所定の間隔や、コンテナ処理装置Pが時間当たりで処理(洗浄および除滴乾燥、または除滴乾燥)する能力に合わせて、最適に設定すればよい。
また、バー124を支持部123に有する長孔125の中で上下方向に移動可能としているため、バー124と、トップチェーン71の搬送面76および係合爪73との高さの関係を一定に保つことができる。これにより、例えば、コンテナ1の車輪122がすり減って、コンテナ1の支持部123により支持するバー124の高さが変わったとしても、バー124はトップチェーン71の搬送面76に載置されて、係合爪73により搬送することができる。
また、床面FLからコンテナ1の底部12の下側の面までの高さが異なる場合であっても、バー124が係合爪73に係合するのに必要な範囲で上下動することができる、これにより、コンテナ1の底部12の下側の面までの高さにかかわらずバー124を係合爪73により係合してコンテナ1を搬送することができる。したがって、コンテナ1ごとに、床面FLからコンテナ1の底部12の下側の面までの高さが異なっているコンテナ1であっても、コンテナ処理装置Pのトップチェーン71の高さを調整せず、コンテナ1のバー124を上下動させることにより、コンテナ1を搬入、搬送、搬出することができる。
さらに、係合爪73は、バー124に係合できる高さであればよく、バー124が長孔125の中で上下動して搬送面76に載置された状態を保つことができるため、搬送面76からの係合爪73の高さは最低限に調整することができる。係合爪73の高さを最低限とすることにより、搬送機構7の高さを低くすることができ、ピットSを浅くすることができる。
搬送機構7で搬送するコンテナ1を上部除滴乾燥領域31、中部除滴乾燥領域32、下部除滴乾燥領域33と、コンテナの上部101から、中部102、下部103へと順に、付着した水分を風圧により吹き飛ばして除滴し、熱により乾燥させることができる。これにより、水分が落下する動きに合わせて除滴し乾燥させることができるため、コンテナ1に付着する水分を効果的に除去することができる。
また、仕切板35により、それぞれの除滴乾燥領域30~33にコンテナ1が位置している際に、コンテナ1を除滴乾燥させるための所定の温度の空気をそれぞれの領域内に滞留させ、温度によりコンテナ1の乾燥を促進させることができる。
コンテナ1の搬送により、その除滴乾燥領域からコンテナ1が移動すると、仕切板35とコンテナ1とにより形成していた除滴乾燥領域の仕切りがなくなり、コンテナ1を除滴し乾燥させることで高温多湿となった空気を、コンテナ1の搬入口4側の上部の排気口Eより排気する空気の流れにのせて、コンテナ処理装置Pより外部へと排気することができる。
除滴乾燥手段301~310は、空気を噴射する直進型エアノズル311~330、広域エアノズル340により構成されている。しかし、除滴乾燥手段は、コンテナ1に付着した水分を除滴乾燥できれば、エアノズルに限定されることはなく、他の構成であってもよい。例えば、スポンジのような吸水性の材料、もしくはスクレイパーのように水分をかき取る部材でコンテナ1に付着した水分を除滴し、赤外線放射によって加熱して乾燥するようにしてもよい。
コンテナ処理装置Pの実施形態としてコンテナ1を洗浄および除滴乾燥するコンテナ洗浄除滴乾燥機Wと、コンテナ1を除滴乾燥するコンテナ除滴乾燥機Hとについて説明してきた。しかし、コンテナ処理装置Pは、コンテナの洗浄のみを行うコンテナ洗浄機としてもよい。そのようなコンテナ洗浄機は、例えば、コンテナ洗浄除滴乾燥機Wの洗浄ゾーン2と、コンテナ1の搬送方向の上流側に搬入口4と、下流側に搬出口5とを備える。また、これらの他に、コンテナ処理装置Pは、コンテナ1を搬送しながら処理を行うものであれば、洗浄、除滴乾燥以外の処理、例えば、高温の蒸気、アルコールや次亜塩素酸水溶液をコンテナ1へと噴射し、コンテナ1を消毒するものや、コンテナ1に薬剤を散布してコンテナ1の表面処理を行うものであってもよい。
また、コンテナ処理装置Pによって処理されるコンテナ1は、収納部17の上側と下側の棚18、19を円筒状のパイプを主体としてから形成している。これにより、円筒状のパイプは、洗浄水が付着したとしても流れ落ちやすく、コンテナ1に付着した水分を除去しやすくすることができる。また、コンテナ1の底部12を形成する部材の端部126は、下方へ折り返されている。端部126の下端はコンテナ1に付着した水分が流れ落ちやすいよう、下方へと向いている。これにより、コンテナ1に付着した水分を除去しやすくすることができる。
なお、コンテナ処理装置Pは、施設の床に掘られたピットSに下側の一部を収容する。ピットSの底面に脚Fを設置した場合には、コンテナ処理装置Pの下側の面とピットSの底面との間にモップ等で清掃できるよう十分な所定の空間、例えば150mmの空間を形成するのが一般的である。
また、床面FLに脚Fを設置した場合は、コンテナ処理装置Pの下側の面と床面FLとの間に十分な所定の空間を形成する必要があり、例えば、搬入レール6と搬出レール8とをスロープ状にする、もしくは搬入レール6と搬出レール8との代わりにリフタを設けてコンテナ1を昇降して搬入搬出する必要があり、コンテナ処理装置Pへとコンテナ1の搬入搬出作業の作業効率が低下する。
そのため、床にピットSを掘り、ピットSの底面に脚Fを設置して、コンテナ処理装置Pの下側の面とピットSの底面との間に十分な所定の空間を形成し、コンテナ1の搬入搬出の作業効率を向上させるように、搬入レール6、搬送レール72、搬出レール8を略水平とするのが好ましい。
但し、上記各実施形態に示す構成は構成要素の具体例を挙げたものであり、各構成、形状、又は取り付け態様は本発明の趣旨を逸脱しない限り、実施形態として示すものに限定されることなく、種々の変形ないし変更が可能である。