JP6998504B2 - 断熱材およびその断熱材を用いた機器 - Google Patents

断熱材およびその断熱材を用いた機器 Download PDF

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Description

本発明は、断熱材およびその断熱材を用いた機器に関する。特に、難燃性の断熱材およびその断熱材を用いた機器に関する。
近年、自動車や産業機器分野において、限られた狭い空間における熱流制御や安全性、類焼防止性を確立する必要がある。このため、薄くても効果的に熱を遮ることができる優れた断熱性と、難燃性と、耐熱性とを併せ持つような従来にない高性能な断熱材が要求されている。
このため、難燃剤を添加した難燃性ポリウレタンが開発されている。難燃性ポリウレタンには、樹脂用の難燃剤として一般的な臭素系難燃剤などが用いられている。これらは、燃焼時に表面が炭化し燃焼の進行を防止するというメカニズムに基づいている。しかし、使用上限温度が100℃前後であるため、100℃以上の高温域では使用できないという課題があった(特許文献1)。さらに、発泡体であるがゆえに、発泡径以下の厚みに薄く加工することが難しいという課題があった。
一方、シリカエアロゲルという断熱材が知られている。シリカリカエアロゲルは、数10nmオーダーのシリカ粒子が点接触で繋がったネットワーク構造からなり、平均細孔径が空気の平均自由工程68nm以下である。このため静止空気の熱伝導率よりも低い。
特許第5785159号公報
しかしながら、シリカエアロゲルは、高温環境では有機修飾基が熱分解して可燃性ガスを発生する場合があり、難燃性、耐熱性に問題がある。
よって、本願課題は、狭小空間においても、効果的に熱を遮断できる高い断熱性と、類焼を防止できる難燃性とを併せ持った断熱材と、その断熱材を使用した機器を提供することである。
上記課題を解決するため、シリカキセロゲルと、炭素材料と、上記シリカキセロゲルと上記炭素材料とを保持する不織布繊維と、を含む断熱材を用いる。
また、上記シリカキセロゲルと上記炭素材料と上記不織布繊維からなる3成分の複合層と、上記3成分の複合層の一方面に配置された上記不織布繊維を含まず、上記シリカキセロゲルと上記炭素材料を含む2成分複合層と、上記3成分の複合層の他方面に配置された、シリカキセロゲルを含む単層と、を含む上記断熱材を用いる。
また、保温または保冷構造体の一部として、あるいは、発熱を伴う部品と筐体との間に、上記の断熱材を配置した機器を用いる。
本発明の断熱材によれば、従来の断熱材よりも熱伝導率が低いため、電子機器、車載機器、産業機器内の狭いスペースにおいても十分に断熱効果を発揮でき、発熱部品から筐体への伝熱を効果的に低減し得る。また本発明の断熱材は、難燃性を有しているため、断熱効果に加えて、万が一の熱暴走および発火時に類焼を防止する類焼防止効果を有している。
(a)~(b)実施の形態の難燃性断熱材の断面図 実施の形態のシリカキセロゲルと炭素材料の2成分複合層を示す図 実施の形態のシリカキセロゲルと炭素材料と不織布繊維との3成分複合層を示す図 (a)~(f)実施の形態の炭素材料を示す図 実施の形態の難燃性断熱材の製造方法の図 (a)~(b)実施の形態の炭素材料分散原料を不織布繊維に含浸する過程を示す図 実施例、比較例の詳細の条件と評価結果を示す図 実施例1および比較例1で作製した断熱材断面のSEM画像の図
次に好ましい発明の一実施の形態を挙げて本実施の形態を説明する。
<断熱材108の構造の例示>
実施の形態の断熱材108を、図1(a)、図1(b)の断面図で示す。
図1(a)は、3成分の複合層103と、2成分の複合層102と、1成分の単一層101とからなる。
3成分の複合層103は、シリカキセロゲル115、炭素材料114、不織布繊維116からなる。
2成分の複合層102は、不織布繊維116を含まず、シリカキセロゲル115と炭素材料114からなり、3成分の複合層103に積層される。
1成分の単一層101は、シリカキセロゲル115からなる1成分の単一層101から構成される。
各層のシリカキセロゲル115、炭素材料114、不織布繊維は同じものである。なお、層ごとで異なる種類のものを使用することもできる。
各層の役割について説明する。
3成分の複合層103は、断熱材108の主層であり、3層の内で一番厚い。3成分の複合層103は、シリカキセロゲル115が主構成要素であり、断熱材108の断熱性能を決定する層である。尚、3成分の複合層103の構成要素の1つである炭素材料は、難燃化に寄与し、不織布繊維116は、断熱材108を自立可能な構造体とするための支持体として機能する。
2成分の複合層102は、断熱材108の難燃性能を決定する層である。2成分の複合層102は、3成分の複合層103よりも厚みは薄い。しかし、2成分の複合層102の構成要素である炭素材料114は、3成分の複合層103の炭素材料114よりも高濃度で存在している。このため、大気中のOと反応してより多くのCOを発生させ、これが可燃ガスを希釈することで難燃化に寄与する。
1成分の単一層101は、シリカキセロゲル115からなり、3成分の複合層103よりも厚みは薄いが、断熱材108の表面の平滑性を確保している。1成分の単一層101の平滑性がないと接触熱抵抗が大きくなり、断熱材108の断熱性能に影響を与える。1成分の単一層101は、断熱材108の表面の平滑性を確保するためにある。
一方、図1(b)は、2成分の複合層102が3成分の複合層103を挟んだ3層構造の断熱材108である。
図1(b)では、2成分の複合層102が両面に存在しているため、断熱材108の表と裏の両面に接炎した場合であっても、どちらからも高濃度のCOが発生する。このため、効果的に難燃効果を発揮することができる。
図1(a)は、2成分の複合層102が片面のみに存在している。あらかじめ、片面側だけしか接炎しないような使い方が想定される場合は、図1(a)のような構造が好ましい。
図1(a)、図1(b)のそれぞれの成分を表1,2に示す。
Figure 0006998504000001
Figure 0006998504000002
これらの構造では、3成分の複合層103でのシリカキセロゲル115の充填率を高めて、断熱性を確保できる。
<炭素の分布>
2成分の複合層102と1成分の単一層101と3成分の複合層103とでは、炭素材料114の濃度が異なる。2成分の複合層102が一番、炭素材料114の濃度が高く、次に、3成分の複合層103の炭素材料114濃度である。1成分の単一層101は、原則、炭素材料114を含まない。
また、3成分の複合層103の内部においても、厚み方向での炭素材料114の濃度が変化させるとより好ましい。すなわち、上面方向が高濃度、下面方向が低濃度と、垂直方向に濃度勾配とするとよい。なお、上面は、断熱材108が炎と接する面である。
高濃度の炭素材料114を均一に分散させると、厚み方向に沿って炭素粒子が連結、熱伝導パスが形成されるため、熱伝導率が増大してしまう場合がある。この場合、断熱材108の断熱性が悪くなりよくない。
さらに、断熱材108の内部に位置する炭素材料114は、二酸化炭素の発生には寄与しない。
このため、断熱性(熱伝導率)と難燃性を両立させるという観点から、均一に分散させるよりも、片面側に高濃度で偏在させることが好ましい。
<熱伝導率>
不織布繊維の熱伝導率は、0.030~0.060W/mKである。シリカキセロゲル115と炭素材料114の複合体の熱伝導率は、0.010~0.015W/mKである。結果、断熱材108の熱伝導率は、0.014~0.024W/mKである。
<従来の断熱材>
シリカキセロゲル115と不織布繊維116から構成される従来の断熱材は、シリカキセロゲル115と不織布繊維116の2成分の複合層のみの構造である。亀裂(クラック)が発生しやすい。
シリカキセロゲル115を構成するシリカ粒子表面は、有機修飾されており疎水性を呈する。しかし、300℃以上の高温で加熱すると、この有機修飾基は熱分解し、トリメチルシラノールなどが可燃性ガスとして大量に脱離する。
従来の断熱材は、炭素材料114を含まないため、この可燃性ガスが助燃剤として働く場合がある。例えば、Cガラスからなるガラスペーパーは、基材自体は燃えない。しかし、このガラスペーパーに、比表面積が大きいシリカキセロゲル115(800m/g~)を複合化すると、シリカキセロゲルか115ら発生した大量の可燃性ガスに引火し、Cガラスからなるガラスペーパーが燃焼してしまうといった場合がある。CガラスはEガラスよりも耐熱性が低く、目付にもよるが、750℃以上に加熱されると収縮、変形してしまう。
<2成分の複合層102の構造>
図2に、2成分の複合層102の微細構造を示す。
シリカキセロゲル115は、シリカ1次粒子111が凝集して生成したシリカ2次粒子112が点接触で繋がっており、数十nmオーダーの細孔113をする多孔質構造体である。炭素材料114は、シリカキセロゲル115の3次元ネットワークに取り込まれている。炭素材料114は、シリカ1次粒子111もしくはシリカ2次粒子112と共有結合でつながっていてもよいし、分子間力でつながっていてもよい。
<3成分の複合層103の構造>
図3は、シリカキセロゲル115と不織布繊維116と炭素材料114からなる3成分の複合層103の斜視図である。図3に示すように、3成分の複合層103では、炭素材料114が不織布繊維116の表面に静電相互作用により吸着して存在している。接炎あるいは300℃以上の高温域において、大気中のOと反応してCOを発生することで難燃化に寄与する。つまり、炭素材料114が難燃剤として寄与する。
<炭素材料114>
本実施の形態で用いる炭素材料114は、芳香族性を有する縮合環を少なくとも1種類含有する炭素材料114であって、300℃以上の高温で大気中のOと反応してCOを発生する炭素材料114である。300℃以上でCOを発生する炭素材料114の要件として、300℃までの昇温過程で、融解、熱分解、昇華のいずれかが起こらないこと(熱安定性)、大気中Oと反応しやすいsp炭素(3重結合)、sp2炭素(2重結合)を有することがあげられる。芳香族性を有する縮合環化合物は、これらを満足する炭素材料114であることから好ましい。
図4(a)~図4(f)は、用いることができる炭素材料114の構造の例を示す。図4(a)のフラーレン118、図4(b)のグラフェン119、図4(c)のカーボンナノチューブ120、図4(d)の導電性高分子121(ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレンなど)、図4(e)のポリアセン122(n=1アントラセン、n=2ナフタセン、n=3ペンタセンなど)、図4(f)のカーボンブラック123を用いることができる。
炭素材料114の種類に制限はないが、経済性の観点からゴム補強添加剤や樹脂着色剤などに広く使われているカーボンブラック123を用いるのが好ましい。
本実施の形態の炭素材料114は、それ自体が難燃剤として有効であることはこれまで知られていなかった。一方、本実施の形態においては一般的な樹脂用難燃剤は使用しない。例えば、代表的な樹脂用難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、赤燐、燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、臭素化モノマー、臭素化エポキシ、臭素系エーテル、臭素化ポリスチレン、燐酸エステル、メラミンシアヌレート、トリアジン化合物、グアニジン化合物、シリコンポリマーなどが知られている。これらは、主に水分散性の観点から、本実施の形態の断熱材108の難燃化には適さない。
また、本実施の形態で用いる炭素材料114は、水系の原料にあらかじめ添加しておくが、水分散性の観点から、親水性官能基であれば特に制限はないが、経済性、分散性の観点から、該芳香族炭素化合物がヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基などにより酸化処理がなされているものが好ましい。
酸化処理された炭素材料114は、マイナスに帯電しており、自己分散性を有しているため、原料に添加しても容易に沈降せず、比較的長時間保管することができる。また、マイナスに帯電した炭素材料114は、原料ゾルを不織布繊維116に含浸させる際に、プラスに帯電した不織布繊維116表面に静電相互作用により吸着されて、炭素材料114の濃度が偏在した構造を形成するのに有効である。
炭素材料114の平均粒度分布としては、50~500nmが好ましい。平均粒度分布が50nmよりも小さいと、生産性に劣る場合がある。また、平均粒度分布が500nmより大きいと、原料ゾル中において比較的容易に沈降してしまい、量産製造時にタンクおよび配管内に炭素材料114が沈降・堆積してしまい、意図しない濃度変化や配管詰まり、さらにはノズル詰まりを起こしてしまうという問題がある。
炭素材料114の添加量としては、断熱材108の総重量に対して、0.01~10.00重量%が好ましい。0.01重量%未満だと、効果的な難燃効果が得られない場合がある。10.00重量%よりも多い場合は、熱伝導率が上がり効果的に断熱性が確保できない場合がある。
添加した炭素材料114の各層における比率(配分)は、2成分の複合層102では添加量に対しておよそ51~99%、3成分の複合層103では添加量に対して1~49重量%が好ましい。すなわち、炭素材料114を10重量%添加した場合、2成分の複合層102では添加量10重量%のおよそ51~99%に相当する5.1~9.9重量%、3成分の複合層103では添加量10重量%の1~49%に相当する0.1~4.9重量%が好ましい。
本実施の形態で用いる炭素材料114は難燃性を有するものの、添加し過ぎると、固体の伝導伝熱λsを上げるため、断熱材108の熱伝導率が大きくなってしまうため、炭素材料114の添加量、分布のさせ方は、注意するに必要がある。
<断熱材108の厚さ>
断熱材108の厚さは、0.03mm~5.0mmの範囲内にある。厚さは、好ましくは0.05mm~3.0mmの範囲内がよい。断熱材108が、0.03mmよりも薄い場合には厚さ方向の断熱効果が低下する。このため、熱伝導率が真空に近いレベルの非常に低い熱伝導率を実現しなければ、その一面から他面への厚さ方向の伝熱を良好に低減させ得ない。0.05mm以上厚いと、厚さ方向の断熱効果が確保できる。
一方、断熱材108が、3.0mmよりも厚ければ、近年薄型化・小型化が進む機器内への組み込みが難しくなる。
<断熱材108におけるシリカキセロゲル115の含有率>
断熱材108の厚さは、0.03mm~5.0mmの範囲内にあり、好ましくは0.05mm~の3.0mmである。総重量に占めるシリカキセロゲル115の重量の割合は、不織布繊維116の目付け、嵩密度、厚みによって最適な範囲が異なる。
このため、少なくとも40重量%以上あればよい。40重量%未満の場合、低熱伝導率化が難しくなる。又、80重量%以下であればよい。80重量%より高い場合、熱伝導率は下がるものの、柔軟性や強度が不足し、繰り返しの使用により、シリカキセロゲル115の脱落が起こる可能性がある。
<不織布繊維116の目付>
不織布繊維116の目付けとしては、5~500g/mを用いる。数値に関しては、以下の実施例でも説明する。なお、目付けとは、単位面積あたりの重さである。
<不織布繊維116の嵩密度>
不織布繊維116の嵩密度は、断熱材108におけるシリカキセロゲル115の含有率を高め、より熱伝導率を低減させるという観点から、100~500kg/mの範囲が好ましい。
連続体として機械的強度が伴った不織布繊維116を形成するためには、嵩密度は少なくとも100kg/m必要である。また、不織布繊維116の嵩密度が500kg/mより大きい場合、不織布繊維116中の空間体積が少なくなるため、充填することができるシリカキセロゲル115が相対的に減り、熱伝導率が高くなる。数値に関しては、以下の実施例でも説明する。
<不織布繊維116の材質>
不織布繊維116の材質としては、燃えにくさの観点から、限界酸素指数(LOI)が25以上のアラミド繊維、ポリイミド繊維、ノボロイド繊維、ガラス繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維、酸化アクリル繊維、黒鉛繊維、炭素繊維を少なくとも1種含有していることが好ましい。
<断熱材108の難燃化メカニズム>
難燃化メカニズムを以下に説明する。断熱材108は、シリカキセロゲル115と炭素材料114と同じ層に含む。シリカキセロゲル115を構成するシリカ粒子表面は、有機修飾されており疎水性を呈する。しかし、300℃以上の高温で加熱すると、この有機修飾基は熱分解し、トリメチルシラノールなどが可燃性ガスとして大量に脱離する。この可燃性ガスが助燃剤として働く場合がある。
例えば、Cガラスからなるガラスペーパーは、基材自体は燃えないが、このガラスペーパーに、比表面積が大きいシリカキセロゲル115(800m/g~)を複合化すると、シリカキセロゲル115から発生した大量の可燃性ガスに引火し、Cガラスからなるガラスペーパーが燃焼してしまうといった場合がある。CガラスはEガラスよりも耐熱性が低く、目付にもよるが、750℃以上に加熱されると収縮、変形してしまう。
一方、実施の形態の断熱材108では、300℃以上の高温、大気雰囲気下において、大気中の酸素と炭素材料114が反応して大量の二酸化炭素が発生し、放出される。このことで、シリカキセロゲル115から脱離した可燃ガスが燃焼するのを防いでいる。
<3成分の複合層103の製造方法>
3成分の複合層103の製造方法の概略を図5に示す。
(1)ゾル調製
水ガラス水溶液(東曹産業株式会社)に、自己分散型カーボンブラックCB(東海カーボン株式会社のAqua-Black(R)162,固形分濃度19.2重量%)を1重量部添加して、カーボンブラックCBの水ガラス水溶液分散液(SiO濃度6%,カーボンブラックCB1.3%)を調製する。この分散液に、酸触媒として濃塩酸を3.6重量部添加、攪拌し、ゾル溶液を調合する。しかしながら、シリカの原料種は、水ガラスに限定されるものではなく、アルコキシシランや高モル珪酸ソーダを用いてもよい。
使用する酸の種類としては、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等の無機酸類、酸性リン酸アルミニウム、酸性リン酸マグネシウム、酸性リン酸亜鉛等の酸性リン酸塩類、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、アゼライン酸等の有機酸等が挙げられる。使用する酸触媒の種類に制限はないが、得られるシリカキセロゲル115のゲル骨格強度、疎水性の観点から、塩酸が好ましい。
上記の酸触媒を水ガラス水溶液に添加して調製したゾル溶液のゲル化を行う。ゾルのゲル化は、液体溶媒が揮発しないような密閉容器内で行うことが好ましい。
高モル珪酸水溶液に酸を添加してゲル化させる場合、そのときのpH値は4.0~8.0が好ましい。pHが4.0未満の場合、あるいは8.0より大きい場合、そのときの温度にもよるが高モル珪酸水溶液がゲル化しない場合がある。
(2)不織布への含浸
不織布繊維116(材質は、グラスペーパー、厚みは仕様600um、目付は、110g/m、寸法は12cm角)にゾル溶液を注ぎ、含浸させる。ゾル溶液の含浸量は、不織布繊維116中の理論空間体積に対して過剰に使用する(>100%)。不織布繊維116中の理論空間体積は、不織布繊維116の嵩密度より計算する。尚、不織布繊維の材質、厚み、嵩密度は、前述の通り上記に限定されるものではない。また、含浸方法としては、不織布ロールをロール毎ゾル溶液に浸漬させる方法やRoll to Rollで不織布繊維116を一定速度で送りながら、ディスペンサーやスプレーノズルからゾル溶液を塗布する方法でもよい。しかし、生産性の観点からRoll to Roll方式が好ましい。
図6(a)の断面図に、不織布繊維116へ炭素材料114を分散させた原料ゾル124を滴下して含浸させる過程を示した。炭素材料114は分子表面がマイナスに帯電している。不織布繊維116表面に炭素材料114を吸着させ、炭素材料114が断熱材108の片面もしくは両面に高密度で偏在した構造を形成するために、不織布繊維116は、プラスに帯電していることが好ましい。プラスに帯電した不織布繊維116を用いることで、炭素材料114が不織布繊維116表面に静電相互作用により吸着されて、炭素材料114の濃度が偏在した構造を形成するのに有効である。結果、図6(b)の断面図に示すゾル溶液を含浸させた不織布繊維116ができる。
(3)フィルム挟み
ゾル溶液を含浸させた不織布繊維116をPPフィルム(厚み50um×2枚、寸法B6)に挟み、室温23℃で約3分放置してゾルをゲル化させる。ゲル化待機、厚み規制、そして養生工程において、含浸不織布を挟むフィルムの材質や厚みは、上記に限定されるものではない。フィルムの材質は、養生工程にて加熱を要するため、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)など、使用最高温度が100℃以上であり、尚且つ、線熱膨張係数が100(×10-6/℃)以下である樹脂素材が好ましい。
(4)厚み規制
ゲル化を確認後、ギャップを1.000mm(フィルム厚込み)に設定した2軸ロールにフィルムごと含浸の不織布繊維116を通して、不織布繊維116から余分なゲルを絞りだして厚みを1.0mm狙いで規制する。尚、厚み規制の方法は、上記に限定されるものではなく、スキージやプレスといった方法で厚みを規制してもよい。
(5)フィルム剥がし
恒温槽から養生容器を取り出して室温で放冷させた後、養生後のサンプルを取り出して、フィルムを剥がす。
(6)疎水化1(塩酸浸漬工程)
ゲルシートを塩酸(4~12規定)に浸漬後、常温23℃で5分以上放置してゲルシートの中に塩酸を取り込む。
(7)疎水化2(シロキサン処理工程)
ゲルシートを例えば、シリル化剤であるオクタメチルトリシロキサンとアルコールとして2-プロパノール(IPA)の混合液に浸漬させて、55℃の恒温槽に入れて2時間反応させる。トリメチルシロキサン結合が形成され始めると、ゲルシートから塩酸水が排出され、2液分離する(上層にシロキサン、下層に塩酸水、2-プロパノール)。
(8)乾燥
ゲルシートを150℃の恒温槽に移して2時間乾燥させる。
以上、図6に従って、3成分の複合層103を製造する場合の一例を示したが、これに限定されるものではない。
<断熱材108の製造>
断熱材108を製造する場合、上記の<3成分の複合層103の製造方法>において、(1)ゾル調製で、添加する炭素材料114の種類、添加量により断熱材108が作製できる。つまり、3成分の複合層103の作製時に、2成分の複合層102または1成分の単一層101も作製できる。
分子表面がマイナスに帯電した炭素材料114とプラスに帯電した不織布繊維116の表面との相互作用により、含浸側には高濃度の炭素材料114を含有した2成分の複合層102が形成される。反対側には、炭素材料114を含有しない1成分の単一層101ができる。結果、図1(a)の断熱材108が作製される。
一方、炭素材料114を多くすると、2成分の複合層102の両側に、2成分の複合層102が形成される。炭素種にもよるが、炭素材料114の添加濃度が1重量%未満と少ない場合、図1(a)の構造ができ、炭素材料114の添加濃度が1重量%以上の場合、図1(b)の構造ができる。
以下、本実施の形態を実施例に基づいて説明する。但し、本実施の形態は、下記実施例に限定されるものではない。すべての反応は、大気下のもとで行われた。
<評価>
尚、実施例では、炭素材料114を添加した場合の断熱材108と炭素材料114を添加しない断熱材110を作製し、各々の以下の測定をした。
<熱伝導率測定>
熱伝導率測定には、熱流計HFM 436Lamda(NETZCH製)とTIM tester(Analysys Tech製)を用いた。
<UL94垂直燃焼試験>
また、UL94垂直燃焼試験を行い、断熱材108および断熱材110の難燃性を評価した。ULとは米国の UNDERWRITERS LABORATORIES INC.社が制定、認可している電気機器に関する安全性の規格である。ULの認定を受けることが安全の証であるとさえいわれている。電気製品、火災予防機器、プラスチック材料、リチウム電池、電気自動車関係機器など様々な分野の製品に対してULが適用されている。UL94のカテゴリーは、“装置及び器具部品用のプラスチック材燃焼性試験”であり、水平及び垂直燃焼試験の2種類がある。今回実施したUL94垂直燃焼試験では、一定サイズの試料を垂直に掴み、先端をバーナーにて決められた時間燃焼させ、残炎時間により合否を決める。
<示差走査熱量分析(DSC)>
、断熱材108の表層に存在する炭素材料114を含有するシリカキセロゲル115と断熱材110の表層に存在するシリカキセロゲル115の示差走査熱量分析(DSC)を行い、有機修飾基の熱分解温度を比較した。
<コーンカロリーメータ発熱性試験>
コーンカロリーメータ発熱性試験は、建築基準法で定められた防火材料試験に適用されている。材料の燃焼を扱う試験法としては国際的に広く認知されている。この方法は、発熱速度、燃焼時間などの様々な燃焼パラメータを計測でき、燃焼現象を定量化することができる。
試験は10cm角のサンプルに放射熱50kW/mを与えながら電気スパークを点火源として燃焼させる。経時的な発熱速度や燃焼開始から終了までの総発熱量、燃焼時間などを求め評価する。
具体的には、建築基準法施工令に規定の不燃材料の技術的基準においては、ISO5660-1ISO5660、ASTM E1354、NFPA 264Aに準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験を実施した。
コーンカロリーメータ発熱性試験の測定原理を説明する。同試験では、発熱速度や発熱量を「酸素消費法」と呼ばれる方法により求める。燃焼によって生ずる発熱量は、燃焼する物質の重量当たりで考えると、物質毎に大きく異なる。しかし、燃焼によって生ずる発熱量は、消費される酸素重量で考えると物質の種類によらずほぼ一定の数値を示すことを利用している(酸素1kg当たり13.1MJ)。すなわち、燃焼時の酸素消費量を精度よく測定することで、燃焼現象を定量化している。
各実施例、比較例の詳細の条件は以下で説明する。また、その条件と評価結果とを、図7に示す。図7で、GOは、Graphene Oxide,CBは、Carbon Black,SWCNTは、Single Walled Carbon Nanotube,PEDOTは、PSSは、Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)-poly(styrenesulfonate)を示す。
<合格基準>
(1)熱伝導率評価
断熱材108の熱伝導率は0.024W/mK以下を合格とした。静止空気の常温における熱伝導率は0.026W/mK程度といわれている。そのため、効果的に熱の流れを絶つためには、断熱材108の熱伝導率を静止空気より小さい熱伝導率とする必要がある。
したがって、断熱材108の熱伝導率の合格基準は、静止空気の熱伝導率よりも約10%低い0.024W/mK以下とした。0.024W/mKより大きいと、静止空気の熱伝導率とあまり変わらないため、空気断熱に対する優位性が損なわれる。
(2)有機修飾基の分解温度
熱分解温度は400℃以上を合格とした。有機修飾基の熱分解温度が400℃未満では、可燃性ガスのトリメチルシラノールが400℃以下で大量に発生しやすく、発火の原因となる。
(3)難燃性評価
UL94垂直燃焼試験ではV0を合格とした。UL94燃焼試験では最も厳しいV0を合格とし、V1、V2、可燃は不合格とした。試験方法はV0、V1、V2の3種類とも共通で、垂直に保持した試料の下端に10秒間ガスバーナーの炎を接炎させる。燃焼が30秒以内に止まったら、さらに10秒間接炎させる。V0、V1、V2の判定基準を示す。
(判定基準)
V-0:いずれの接炎の後も、10秒以上燃焼を続ける試料がない。5個の試料に対する10回の接炎に対する総燃焼時間が50秒を超えない。固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない。試料の下方に置かれた脱脂綿を発火させる燃焼する粒子を落下させる試料がない。2回目の接炎の後、30秒以上赤熱を続ける試料がない。以上の条件を満たすこと。
V-1:いずれの接炎の後も、30秒以上燃焼を続ける試料がない。5個の試料に対する 10回の接炎に対する総燃焼時間が 250秒を超えない。固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない。試料の下方に置かれた脱脂綿を発火させる燃焼する粒子を落下させる試料がない。2回目の接炎の後、60秒以上赤熱を続ける試料がない。以上の条件を満たすこと。
V-2:いずれの接炎の後も、30秒以上燃焼を続ける試料がない。5個の試料に対する。10回の接炎に対する総燃焼時間が250秒を超えない。固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない。試料の下方に置かれた脱脂綿を発火させる。燃焼する粒子の落下が許容される。2回目の接炎の後、60秒以上赤熱を続ける試料がない。以上の条件を満たすこと。
(4)コーンカロリーメータ発熱性試験
コーンカロリーメータ発熱性試験では、不燃材料試験(20分)において、燃焼時間が10秒以下であり尚且つ最大発熱速度(HRR; Heat Release Rate)が15kW/m2以下を合格とした。
(5)総合評価
全てを満足する条件を総合評価として合格とした。
<全体>
実施例1~8は、図1(a)、または、図1(b)の断熱材108の構造である。比較例1、2は、従来の1層の断熱材の構造である。従来の断熱材は、不織布繊維116とシリカキセロゲル115との1層のみである。比較例3は不織布繊維116のみである。比較例3は、不織布繊維116がガラスペーパーから構成される断熱材である。以下濃度は、重量%である。
<実施例1>
水ガラス(東曹産業株式会社)に、自己分散型酸化グラフェン(シグマ・アルドリッチ、4mg/ml in HO)と水を添加して、原料(SiO濃度6%,酸化グラフェンGO濃度0.1%)を調製した。この分散液20.5gに、酸触媒として濃塩酸を3.6重量部(0.74g)添加、攪拌し、ゾル溶液を調合した。
次いで、不織布繊維116(材質;グラスペーパー,厚み仕様600um、目付100g/m、寸法12cm角)にゾル溶液を注ぐことでゾル溶液を不織布繊維116に含浸させた。ゾル溶液を含浸させた不織布繊維116をPPフィルム(厚み50um×2枚)に挟み、室温23℃で3分放置してゾルをゲル化させた。ゲル化を確認後、ギャップを1.00mm(フィルム厚込み)に設定した2軸ロールにフィルムごと含浸した不織布繊維116を通して、不織布繊維116から余分なゲルを絞りだして厚み1.00mm狙いで規制した。
次に、フィルムを剥がしてゲルシートを塩酸6規定に浸漬後、常温23℃で5分放置してゲルシートの中に塩酸を取り込ませた。次いで、ゲルシートを、シリル化剤であるオクタメチルトリシロキサンと2-プロパノール(IPA)の混合液に浸漬させて、55℃の恒温槽に入れて2時間反応させた。トリメチルシロキサン結合が形成され始めると、ゲルシートから塩酸水が排出され、2液分離した状態となった(上層にシロキサン、下層に塩酸水、2-プロノール)。ゲルシートを150℃設定の恒温槽に移して大気雰囲気下2時間乾燥させることでシートを得た。
その結果、平均厚み0.89mm、熱伝導率0.019W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は45.5重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間0秒、最大発熱速度は2.5kW/mであった。
<実施例2>
水ガラス水溶液(東曹産業株式会社)に、自己分散型酸化グラフェン(シグマ・アルドリッチ、4mg/ml in HO)と水を添加して、原料(SiO濃度6%, 酸化グラフェンGO濃度0.5%)を調製した。酸化グラフェン濃度を0.5%に増やした以外は、実施例1と同様のプロセス条件にてシートを作製した。
その結果、平均厚み0.88mm、熱伝導率0.020W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は44.6重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間0秒、最大発熱速度は1.36kW/mであった。
<実施例3>
水ガラス水溶液(東曹産業株式会社)に、炭素材料114として自己分散型カーボンブラック(東海カーボン、Aqua black 162 19.2wt% in HO)と水を添加して、原料(SiO2濃度6%,カーボンブラックCB濃度0.1%)を調製した。この分散液20.5gに、酸触媒として濃塩酸を3.6重量部(0.74g)添加、攪拌し、ゾル溶液を調合した。炭素材料をカーボンブラックに変えた以外は、実施例1と同様のプロセス条件にてシートを作製した。
その結果、平均厚み0.88mm、熱伝導率0.019W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は45.9重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間0秒、最大発熱速度は1.33kW/mであった。
<実施例4>
水ガラス水溶液(東曹産業株式会社)に、炭素材料114として自己分散型カーボンブラック(東海カーボン、Aqua black 162 19.2wt% in HO)と水を添加して、原料(SiO2濃度6%, カーボンブラックCB濃度0.5%)を調製した。この分散液20.5gに、酸触媒として濃塩酸を3.6重量部(0.74g)添加、攪拌し、ゾル溶液を調合した。カーボンブラックの濃度を0.5%に増やした以外は、実施例3と同様のプロセス条件にてシートを作製した。
その結果、平均厚み0.87mm、熱伝導率0.018W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は45.7重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間0秒、最大発熱速度は1.10kW/mであった。
図8は、実施例4および比較例1で作製した難燃性断熱材(ガラスペーパーを材質とする不織布繊維116とシリカキセロゲル115の複合体)の走査型電子顕微鏡の観察画像である。実施例4では、炭素材料114が繊維表面に吸着している様子が確認された。
<実施例5>
水ガラス水溶液(東曹産業株式会社)に、炭素材料114としてPEG修飾して分散性を高めた炭層カーボンナノチューブSWCNT(シグマ・アルドリッチ)と水を添加して、原料(SiO濃度6%, SWCNT濃度0.1%)を調製した。この分散液20.5gに、酸触媒として濃塩酸を3.6重量部(0.74g)添加、攪拌し、ゾル溶液を調合した。炭素材料をSWCNTに変えた以外は、実施例1と同様のプロセス条件にてシートを作製した。
その結果、平均厚み0.85mm、熱伝導率0.018W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は45.5重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間10秒、最大発熱速度は14.06kW/mであった。
<実施例6>
水ガラス水溶液(東曹産業株式会社)に、炭素材料114としてPEG修飾して分散性を高めた炭層カーボンナノチューブSWCNT(シグマ・アルドリッチ)と水を添加して、原料(SiO2濃度6%, SWCNT濃度0.5%)を調製した。この分散液20.5gに、酸触媒として濃塩酸を3.6重量部(0.74g)添加、攪拌し、ゾル溶液を調合した。SWCNTの濃度を増やした以外は、実施例5と同様のプロセス条件にてシートを作製した。
その結果、平均厚み0.86mm、熱伝導率0.018W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は45.6重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間10秒、最大発熱速度は13.02kW/mであった。
<実施例7>
水ガラス水溶液(東曹産業株式会社)に、炭素材料114としてポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスルホン酸(PEDOT:PSS)(SEPLEGYDA AS-Q09、信越ポリマー)と水を添加して、原料(SiO2濃度6%, SWCNT濃度0.5%)を調製した。この分散液20.5gに、酸触媒として濃塩酸を3.6重量部(0.74g)添加、攪拌し、ゾル溶液を調合した。炭素材料をPEDOT:PSSに変えた以外は、実施例1と同様のプロセス条件にてシートを作製した。
その結果、平均厚み0.86mm、熱伝導率0.018W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は45.9重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間0秒、最大発熱速度は1.31kW/mであった。
<実施例8>
高モル珪酸ソーダ水溶液(東曹産業株式会社)に、自己分散型カーボンブラック(東海カーボン、Aqua black 162 19.2wt% in HO)を1重量部添加して、原料(SiO2濃度14%, カーボンブラックCB濃度1.3%)を調製した。この分散液20.5gに、酸触媒として濃塩酸を1.6重量部(0.33g)添加、攪拌し、ゾル溶液を調合した。
含浸と厚み規制は実施例1と同様の条件で行い、ゲル骨格を強化するために温度90℃で5分加熱した。フィルムを剥がしてから乾燥までは、塩酸濃度を12規定に変えた以外は、実施例1と同様のプロセス条件で行った。
その結果、平均厚み1.3mm、熱伝導率0.018W/mKの断熱材108を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は67.6重量%であった。UL94垂直燃焼試験ではV0であった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は550℃以上と、炭素材料114を添加しない場合よりも190℃以上高温側にシフトしていた。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間14.7秒、最大発熱速度は10.94kW/mであった。
<比較例1>
自己分散型酸化グラフェンを原料の水ガラス水溶液に添加しなかったこと以外は、実施例1と同様のプロセス条件にてシートを作製した。
その結果、平均厚み0.86mm、熱伝導率0.019W/mKの断熱材107を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は45.4重量%であった。UL94垂直燃焼試験では燃焼してしまい、V0ではなかった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は360℃と低かった。燃焼試験で燃焼してしまったのは、可燃ガスが360℃近傍で大量の発生し、発火してしまったためと考えられる。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間12.7秒、最大発熱速度は16.39kW/mであった。総合評価としては不合格であった。
<比較例2>
高モル珪酸ソーダ水溶液(東曹産業株式会社)に、炭素材料114を添加しなかったこと以外は、実施例8と同様のプロセス条件で断熱シートを作製した。
その結果、平均厚み1.03mm、熱伝導率0.020W/mKの断熱材107を得た。このときのシリカキセロゲル115の充填率は63.0重量%であった。UL94垂直燃焼試験では燃焼してしまい、V0ではなかった。また、DSC測定の結果、有機修飾基の熱分解温度(発熱ピーク)は380℃と低かった。燃焼試験で燃焼してしまったのは、可燃ガスが380℃近傍で大量の発生し、発火してしまったためと考えられる。コーンカロリーテストでは、20分間の不燃材料試験において、燃焼時間24.8秒、最大発熱速度は28.69kW/mであった。総合評価としては不合格であった。
<比較例3>
厚み0.600mm、目付100g/m、材質がガラスペーパーである不織布繊維116に、シリカキセロゲル115を複合化させることなく、熱伝導率を測定した結果、0.033W/mKであった。またUL94垂直燃焼試験では燃焼せず、V0であった。しかしながら、熱伝導率が0.024W/mKよりも大きいため、総合評価として不合格であった。
<結果>
(1)実施例4と比較例1との比較
図8は、実施例4および比較例1で作製した断熱材(グラスペーパーを材質とする不織布繊維116とシリカキセロゲル115の複合体)の走査型電子顕微鏡の観察画像である。実施例1では、カーボンブラックの粒子が不織布繊維116表面に吸着している。これに対し、比較例1では不織布繊維116表面に吸着する炭素材料114は存在していない。
(2)全体
実施例1から8では、炭素材料114を表面に偏在させた断熱材108を作製することにより、熱分解温度が400℃以上にシフトして、尚且つUL94垂直燃焼試験でもV0であると同時に、熱伝導率も0.024W/mK以下と非常に低いことが分かった。
また、コーンカロリーメータ発熱性試験で各試料の不燃材料試験(20分)を実施した。
その結果、炭素材料を添加しない比較例1,2の断熱材は、最大発熱速度(HRR; Heat Release Rate)が15kW/m以上となるか、または、燃焼時間が15秒以上となり、双方を両立することはなかった。しかし、炭素材料を0.1重量%以上添加した実施例1~8は、最大発熱速度(HRR; Heat Release Rate)15kW/m以下、且つ、燃焼時間15秒以下となり、双方を満足した。このときの炭素材料114の種類としては、カーボンブラック、酸化グラフェン、炭層カーボンナノチューブ、PEDOT:PSSが有効であり、これらの添加量としては0.1~1.3重量%が好ましいことが判明した。
(全体として)
図1(a)、図1(b)の構造で説明したが、この構造に限定されない。つまり、3成分の複合層103のみでも断熱材としての効果、および、上記課題を解決できる。
本実施の形態の断熱材は、電子機器、車載機器、産業機器内の狭いスペースにおいても十分に断熱効果を発揮し得ることから広く利用される。情報機器、携帯機器、ディスプレイ、電装品など、熱に関わる全ての製品へ応用される。
101 1成分の単一層
102 2成分の複合層
103 3成分の複合層
107 断熱材
108 断熱材
110 断熱材
111 シリカ1次粒子
112 シリカ2次粒子
113 細孔
114 炭素材料
115 シリカキセロゲル
116 不織布繊維
118 フラーレン
119 グラフェン
120 カーボンナノチューブ
123 カーボンブラック
124 原料ゾル

Claims (9)

  1. シリカキセロゲルと、
    炭素材料と、
    前記シリカキセロゲルと前記炭素材料とを保持する不織布繊維と、を含み、
    コーンカロリーメータ発熱性試験において、燃焼時間が15秒以下であり尚且つ最大発熱速度が15kW/m以下である断熱材であり、
    前記炭素材料は、芳香族性を有する縮合環を少なくとも1種類含有する炭素材料であって、300℃以上の高温で大気中の と反応してCO を発生する炭素材料であり、
    前記炭素材料は、前記断熱材の総重量に対して、0.01~10.00重量%であり、
    前記シリカキセロゲルと前記炭素材料と前記不織布繊維とを含む3成分の複合層の1層である断熱材。
  2. 前記炭素材料は、酸化処理された自己分散型炭素である請求項1記載の断熱材。
  3. コーンカロリーメータ発熱性試験において、燃焼時間が14.7秒以下であり尚且つ最大発熱速度が14.06kW/m以下である請求項1または2記載の断熱材。
  4. 前記炭素材料は、カーボンブラックである請求項1~3のいずれか1項に記載の断熱材。
  5. 前記炭素材料は、芳香族性を有する縮合環を少なくとも1種類含む請求項1~4のいずれか1項に記載の断熱材。
  6. 前記炭素材料の平均粒度は、50~500nmである請求項1~5のいずれか1項に記載の断熱材。
  7. 前記シリカキセロゲルと前記炭素材料と前記不織布繊維からなる前記3成分の複合層の断熱材と、
    前記3成分の複合層の一方面に配置された前記不織布繊維を含まず、前記シリカキセロゲルと前記炭素材料を含む2成分複合層と、
    前記3成分の複合層の他方面に配置された、シリカキセロゲルを含む単層と、
    を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の断熱材。
  8. 前記シリカキセロゲルと前記炭素材料と前記不織布繊維からなる前記3成分の複合層の断熱材と、
    前記3成分の複合層の両面に配置された前記不織布繊維を含まず、前記シリカキセロゲルと前記炭素材料を含む2成分複合層と、を含む請求項1~のいずれか1項に記載の断熱材。
  9. 保温または保冷構造体の一部として、あるいは、発熱を伴う部品と筐体との間に、請求項1~8のいずれか1項に記載の断熱材を配置した機器。
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