JP2006125599A - 断熱材および真空断熱材 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱材の固体熱伝導成分を増加させることなく、熱輻射による熱伝導成分を減少させるように、輻射抑制材を添加すること。
【解決手段】酸化珪素化合物の粉体4と、導電性粉体5とから構成される基材と、輻射抑制材6とを混合してなる芯材7において、芯材7の黒体放射率が70%以下、かつ、密度が150kg/m3以下となるように輻射抑制材6を添加することにより、断熱材の固体熱伝導を著しく増加させることなく、熱輻射による熱伝導を抑制することができるため、断熱材の断熱性能が向上する。
【選択図】図1
【解決手段】酸化珪素化合物の粉体4と、導電性粉体5とから構成される基材と、輻射抑制材6とを混合してなる芯材7において、芯材7の黒体放射率が70%以下、かつ、密度が150kg/m3以下となるように輻射抑制材6を添加することにより、断熱材の固体熱伝導を著しく増加させることなく、熱輻射による熱伝導を抑制することができるため、断熱材の断熱性能が向上する。
【選択図】図1
Description
本発明は、室温以上の温度領域で特に優れた断熱効果を発揮し、断熱や保温を必要とする機器や場所に使用することができる断熱材および真空断熱材に関するものである。
近年、地球環境問題である温暖化の対策として省エネルギーを推進する動きが活発となっており、温冷熱利用機器に関しては、熱を有効活用するという観点から、優れた断熱性能を有する断熱材が求められている。
特に150℃を超える高温領域で断熱材を使用すると、省エネルギー効果が顕著に表れるため、印刷機、複写機、液晶プロジェクター、半導体製造装置への適用が期待されている。
150℃を超える高温領域では、室温領域とは異なり、赤外線による輻射熱伝導成分が無視できなくなるため、一般の断熱材では熱伝導率が大きくなってしまう。そこで熱輻射による熱の伝導を防止するため、断熱材に熱輻射を抑制する機能を持たせる技術が報告されている。
例えば、断熱材や真空断熱材を構成する芯材に、赤外線反射機能をもった微小体を含有させることで、熱輻射による熱伝導を防止し、優れた断熱性能を提供することができると提案されている(特許文献1参照)。また、赤外線不透過機能をもった乳白剤を含有させることで、同様の効果を得ることができると提案されている(特許文献2参照)。
図8は、特許文献1に記載された従来の断熱材の断面図を示すものである。図8に示すように、従来の断熱材1は、粒子表面に凝集防止処理を施したシリカエアロゲル等による超微粒子2が、アルミニウムやステンレスの金属箔片(1mm程度)等の赤外線反射特性のよい微小体3とともに成形されている。
また、特許文献2に示される従来の断熱材は、微粒子金属酸化物と、健康上問題のない繊維と、乳白剤と、有機繊維と、300℃を上回る温度で膨張する耐火材料とを混合し、断熱材に高い弾性率を生じさせるために、密度を100〜240kg/m3となるように圧縮成形したものである。
特開平2−38380号公報
特開2000−161049号公報
しかしながら、上記従来の構成では、いかなる条件においても充分な断熱性能が得られるというものではない。特許文献1においては、微小体の種類や大きさによっては、熱輻射による熱伝導成分の減少分よりも、固体熱伝導成分が増加するため、断熱材の熱伝導率が増加し、逆に断熱性能を低下させるという課題を有していた。
また、特許文献2においては、乳白剤として、その特性は限定されておらず、材質としては炭化珪素が好ましいとしているが、炭化珪素は黒体放射率が大きく、赤外線を吸収するため、逆に断熱性能が低下するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、断熱材の固体熱伝導成分を増加させることなく、熱輻射による熱伝導成分を減少させるように、輻射抑制材を添加することで、優れた断熱性能を持った断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の断熱材および真空断熱材は、酸化珪素化合物の粉末と導電性粉体とから構成される基材と、輻射抑制材とを混合してなる芯材において、輻射抑制材の黒体放射率と、密度を規定したものである。
これによって、輻射抑制材が、断熱材を透過しようとする赤外線を反射し、熱輻射による熱伝導成分を低減する一方で、断熱材の密度を限定し、輻射抑制材の添加による芯材の固体熱伝導成分の増加を防止するという作用を有する。
本発明によれば、輻射抑制材が、断熱材を透過しようとする赤外線を反射し、熱輻射による熱伝導成分を低減する一方で、断熱材の密度を限定し、輻射抑制材の添加による芯材の固体熱伝導成分の増加を防止することで、断熱材および真空断熱材の断熱性能を向上させることができる。
請求項1に記載の断熱材の発明は、酸化珪素化合物の粉体と導電性粉体とから構成される基材と、輻射抑制材とを混合してなる芯材において、前記芯材の黒体放射率が70%以下、かつ、密度が150kg/m3以下であることを特徴とするものである。
酸化珪素化合物の粉体に導電性粉体を添加することにより、導電性粉体が、酸化珪素化合物の粉体のような分子間相互作用により凝集を形成する粉体の凝集粒子を解砕する作用を有するため、成形体の空隙径が小さくなり、その結果、気体熱伝導率が低減する。
また、凝集粒子が解砕されることにより、微細化され、個々の粒子の接触面積が低減するため、固体の熱伝導率が低下する。これらの相互作用によって優れた断熱効果を発現する一方で、輻射抑制材が断熱材を透過しようとする赤外線を反射し、熱輻射による熱伝導成分を低減する一方で、断熱材の密度を限定し、輻射抑制材の添加による芯材の固体熱伝導成分の増加を防止するという作用を有する。これにより、断熱材の断熱性能を向上させることができる。
請求項2に記載の断熱材の発明は、請求項1に記載の発明における輻射抑制材が、黒体放射率が70%未満かつ、密度が500kg/m3以下であることを特徴とするものである。
輻射抑制材が断熱材を透過しようとする赤外線を反射し、熱輻射による熱伝導成分を低減する一方で、断熱材の密度を限定し、輻射抑制材の添加による芯材の固体熱伝導成分の増加を防止するという作用を有する。これにより、断熱材の断熱性能を向上させることができる。
請求項3に記載の断熱材の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明における輻射抑制材が、平均粒径が1μm以下であることを特徴とするものである。
平均粒径が1μm以下である輻射抑制材を選択することにより、輻射抑制材が基材中に均一分散し、より少ない添加量で熱輻射による熱伝導成分を低減することができるという作用を有する。これにより、断熱材の断熱性能を向上させることができる。
請求項4に記載の断熱材の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明における導電性粉体が、酸化錫を含む粉体であることを特徴とするものである。
酸化錫は融点が1080℃と高温であるため、300℃を超える高温領域においても高性能な断熱材を提供することができる。
請求項5に記載の断熱材の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の断熱材と、無機繊維とを、混合し、圧縮成形をおこなった混合体であり、前記混合体の密度が150〜300kg/m3であることを特徴とするものである。
無機繊維が断熱材中で骨材の役割を果たすため、圧縮成形により容易に成形体が得られるという作用を有するものである。これにより、芯材が粉体の混合物であるときより取り扱い性に優れている。
請求項6に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の断熱材を、外被材で覆い、内部を減圧してなることを特徴とするものである。
断熱材を減圧状態とすることで、気体成分による熱伝導を小さくすることができるという作用を有する。これにより、断熱性能をさらに向上させた断熱材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における断熱材の断面図を示すものである。
図1は、本発明の実施の形態1における断熱材の断面図を示すものである。
図1に示すように、本実施の形態の断熱材1は、酸化珪素化合物の粉体4と、導電性粉体5と、輻射抑制材6とを混合してなる芯材7を、外袋8により被覆したものである。
酸化珪素化合物としては、例えば乾式シリカや湿式シリカ等が挙げられ、平均粒径が1〜20nmのものが好ましく、個々の粒子の接触面積が低減し、固体の熱伝導率が低下するため、とくに10nm以下のものがより好ましい。
導電性粉体5としては、例えばカーボンブラックや酸化錫が挙げられ、粉体比抵抗が100Ω/cm以下のものが好ましく、粉体比抵抗の値が小さいほど、酸化珪素化合物の凝集粒子を解砕する効果が強いため、とくに10Ω/cm以下のものがより好ましい。
輻射抑制材6としては、例えばアルミニウム等の金属粉末や、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金屑酸化物が挙げられ、黒体放射率が断熱材の基材よりも小さく、かつ、基材へ均一分散しやすいようにできるだけ粒径の小さいものが好ましい。
また、輻射抑制材6の添加割合は、輻射抑制材6の密度や放射率によって異なるが、断熱材の放射率が,70%以下であり、かつ、密度が150kg/m3以下となるように添加することが好ましい。
外袋としては、例えばガラスクロス等の無機繊維からなる袋や、ポリエチレンテレフタレート等の有機物からなる不織布袋が考えられる。また、袋形状は、四方シール袋、ガゼット袋、三方シール袋、ピロー袋、センターテープシール袋等があるが、特に指定するものではない。
以上のように構成された断熱材について、輻射抑制材6添加の影響を、以下の比較例と実施例とを用いて説明する。なお、熱伝導率の測定は、英弘精機杜製Auto−Λを用い、平均温度72.5℃の条件で行った。また、芯材7および輻射抑制材6の黒体放射率の測定は日本電子製フーリエ変換赤外分光光度計JIR5500型と赤外放射ユニットIR−IRR200を用い、測定温度150℃にて分析を行った。
(実施例1)
乾式シリカ(日本アエロジル杜製アエロジル300、平均粒径:7nm)よりなる酸化珪素化合物と、カーボンブラック(東海カーボン杜製トーカブラック#7100F、平均粒径:42nm)よりなる導電性粉体を、重量比が95:5となるよう混合したものを基材とし、黒体放射率が0.58であるヒュームドアルミナ(デグサ・ヒュルス杜製Al203c、平均粒径:13nm、密度:152.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
乾式シリカ(日本アエロジル杜製アエロジル300、平均粒径:7nm)よりなる酸化珪素化合物と、カーボンブラック(東海カーボン杜製トーカブラック#7100F、平均粒径:42nm)よりなる導電性粉体を、重量比が95:5となるよう混合したものを基材とし、黒体放射率が0.58であるヒュームドアルミナ(デグサ・ヒュルス杜製Al203c、平均粒径:13nm、密度:152.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.66であり、密度は124.3kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0243W/mKであった。
(実施例2)
実施例1で用いた基材に、黒体放射率が0.56であるインジウムドープ酸化錫(Sukgyung社製SG−IT50B、平均粒径:20nm、密度:469.2kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が95:5となるように混合することで芯材を作製した。
実施例1で用いた基材に、黒体放射率が0.56であるインジウムドープ酸化錫(Sukgyung社製SG−IT50B、平均粒径:20nm、密度:469.2kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が95:5となるように混合することで芯材を作製した。
この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.67であり、密度は130.2kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0260W/mKであった。
(実施例3)
乾式シリカ(日本アエロジル杜製アエロジル300、平均粒径:7nm)よりなる酸化珪素化合物と、アンチモンドープ酸化錫(Sukgyung杜製SG−AT50、平均粒径:20nm)よりなる導電性粉体を重量比が95:5となるよう混合したものを基材とし、黒体放射率が0.58であるヒュームドアルミナ(デグサ・ヒュルス杜製Al203c、平均粒径:13nm、密度:152.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が8515となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
乾式シリカ(日本アエロジル杜製アエロジル300、平均粒径:7nm)よりなる酸化珪素化合物と、アンチモンドープ酸化錫(Sukgyung杜製SG−AT50、平均粒径:20nm)よりなる導電性粉体を重量比が95:5となるよう混合したものを基材とし、黒体放射率が0.58であるヒュームドアルミナ(デグサ・ヒュルス杜製Al203c、平均粒径:13nm、密度:152.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が8515となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.67であり、密度は130.2kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0262W/mKであった。
(実施例4)
湿式シリカ(トクヤマ製トクシールUSA、平均粒径:10μm)よりなる酸化珪素化合物と、カーボンブラック(東海カーボン杜製トーカブラック#7100F、平均粒径42nm)よりなる導電性粉体を重量比が95:5となるよう混合したものを基材とし、黒体放射率が0.58であるヒュームドアルミナ(デグサ・ヒュルス杜製Al203c、平均粒径:13nm、密度:152.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
湿式シリカ(トクヤマ製トクシールUSA、平均粒径:10μm)よりなる酸化珪素化合物と、カーボンブラック(東海カーボン杜製トーカブラック#7100F、平均粒径42nm)よりなる導電性粉体を重量比が95:5となるよう混合したものを基材とし、黒体放射率が0.58であるヒュームドアルミナ(デグサ・ヒュルス杜製Al203c、平均粒径:13nm、密度:152.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.68であり、密度は141.6kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0292W/mKであった。
(比較例1)
実施例1で用いた基材を、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
実施例1で用いた基材を、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.70であり、密度は113.8kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0267W/mKであった。
(比較例2)
実施例1で用いた基材に、黒体放射率が0.37であるアルミニウム(東洋アルミニウム杜製03−0011、平均粒径:30μm、密度:653.8kg/m3)を輻射抑制材として、重量比が70:30となるように混合し、芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
実施例1で用いた基材に、黒体放射率が0.37であるアルミニウム(東洋アルミニウム杜製03−0011、平均粒径:30μm、密度:653.8kg/m3)を輻射抑制材として、重量比が70:30となるように混合し、芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.65であり、密度は165.5kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0298W/mKであった。
(比較例3)
実施例1で用いた基材に、黒体放射率が0.83であるルチル型酸化チタン(石原産業杜製R−820N、平均粒径:320nm、密度:606.6kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が70:30となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
実施例1で用いた基材に、黒体放射率が0.83であるルチル型酸化チタン(石原産業杜製R−820N、平均粒径:320nm、密度:606.6kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が70:30となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.71であり、密度は239.3kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0356W/mKであった。
(比較例4)
実施例1で用いた断熱材を基材とし、黒体放射率が0.78であるヒュームド酸化チタン(日本アエロジル杜製P25、平均粒径:21nm、密度:252.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。
実施例1で用いた断熱材を基材とし、黒体放射率が0.78であるヒュームド酸化チタン(日本アエロジル杜製P25、平均粒径:21nm、密度:252.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。
この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.75であり、密度は127.4kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0268W/mKであった。
(比較例5)
実施例1で用いた断熱材を基材とし、黒体放射率が0.58であるアルミナ(住友化学杜製AM−21、平均粒径:4μm、密度:886.14kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
実施例1で用いた断熱材を基材とし、黒体放射率が0.58であるアルミナ(住友化学杜製AM−21、平均粒径:4μm、密度:886.14kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.72であり、密度は138.9kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0275W/mKであった。
(比較例6)
実施例3で用いた基材を、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
実施例3で用いた基材を、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.73であり、密度は147.6kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0310W/mKであった。
(比較例7)
実施例3で用いた基材に、黒体放射率が0.83である炭化珪素(屋久島電工杜製OY−20、平均粒径:550nm、密度:539.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
実施例3で用いた基材に、黒体放射率が0.83である炭化珪素(屋久島電工杜製OY−20、平均粒径:550nm、密度:539.1kg/m3)よりなる輻射抑制材を重量比が85:15となるように混合することで芯材を作製した。この芯材をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンよりなる不織布袋に充填することで断熱材を得た。
この芯材の黒体放射率を測定すると0.80であり、密度は153.6kg/m3であった。また、この断熱材の熱伝導率を測定すると0.0335W/mKであった。
以上、実施例1〜4および比較例1〜7の結果を(表1)に示し、また、芯材の密度と黒体放射率の積と熱伝導率との特性図を図2に示す。図2より、密度と黒体放射率の積が105以下の時、すなわち、輻射抑制材を添加した混合粉体の放射率が0.70以下、かつ、密度が150kg/m3以下の条件を満たす時に、輻射抑制材を添加しなかった比較例1よりも断熱性能が向上することが分かる。
また、実施例1と比較例5は、粒径の異なるアルミナを同量添加したものである。この二例を比較することで、輻射抑制材の粒径に対する熱伝導率の関係がわかる。この結果を図3に示す。図3より、輻射抑制材の粒径が小さいほど、輻射抑制効果が高く、また、粒径が1μm以下であれぱ、輻射抑制材を添加しなかった比較例1よりも断熱性能が向上していることが分かる。
図4に示すように、本実施の形態の真空断熱材9は、酸化珪素化合物の粉体4と、導電性粉体5と、輻射抑制材6とを混合してなる芯材7を、外被材10により被覆したものである。
酸化珪素化合物と、導電性粉体5と、輻射抑制材6は、実施の形態1と同様の構成のものが使用できる。
また、外被材10は、保護層とガスバリア層と熱溶着層からなり、保護層としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やナイロン等の有機フィルムが考えられ、ガスバリア層としては、例えばアルミニウム等の金属箔や蒸着フィルムが考えられる。また、熱溶着層としては、例えばCPP(無延伸ポリプロピレン)や、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリクロロ3フッ化エチレン、CTFE(クロロトリフルオロエチレン)、ETFE(4フッ化エチレンと6フッ化プロピレンの共重合体)などが考えられる。
以上のように構成された断熱材について、以下その効果を、比較例と実施例とを用いて説明する。なお、熱伝導率の測定は、英弘精機杜製Auto−Λを用い、平均温度72.5℃の条件で行った。
また、芯材および輻射抑制材の黒体放射率の測定は日本電子製フーリエ変換赤外分光光度計JIR5500型と赤外放射ユニットIR−IRR200を用い、測定温度150℃にて分析を行った。
(実施例5)
実施例1で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0045W/mKであった。
実施例1で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0045W/mKであった。
(実施例6)
実施例2で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0050W/mKであった。
実施例2で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0050W/mKであった。
(実施例7)
実施例3で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0051W/mKであった。
実施例3で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0051W/mKであった。
(実施例8)
実施例4で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0059W/mKであった。
実施例4で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0059W/mKであった。
(比較例8)
比較例1で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0053W/mKであった。
比較例1で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0053W/mKであった。
(比較例9)
比較例2で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0056W/mKであった。
比較例2で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0056W/mKであった。
(比較例10)
比較例3で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0069W/mKであった。
比較例3で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0069W/mKであった。
(比較例11)
比較例4で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0056W/mKであった。
比較例4で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0056W/mKであった。
(比較例12)
比較例5で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0055W/mKであった。
比較例5で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0055W/mKであった。
(比較例13)
比較例6で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0062W/mKであった。
比較例6で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0062W/mKであった。
(比較例14)
比較例7で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0066W/mKであった。
比較例7で使用した芯材を外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。この真空断熱材の熱伝導率を測定すると0.0066W/mKであった。
以上、実施例5〜8および比較例8〜14の結果を(表2)に示し、また、芯材の密度と黒体放射率の積と熱伝導率との特性図を図5に示す。図5より、密度と黒体放射率の積が105以下の時、すなわち、輻射抑制材を添加した混合粉体の放射率が0.70以下、かつ、密度が150kg/m3以下の条件を満たす時に、輻射抑制材を添加しなかった比較例1よりも断熱性能が向上することが分かる。
また、実施例5と比較例12は、粒径の異なるアルミナを同量添加したものである。この二例を比較することで、輻射抑制材の粒径に対する熱伝導率の関係がわかる。この結果を図6に示す。図6より、輻射抑制材の粒径が小さいほど、輻射抑制効果が高く、また、粒径が1μm以下であれば、輻射抑制材を添加しなかった比較例1よりも断熱性能が向上していることが分かる。
図7に示すように、本実施の形態の真空断熱材9は、酸化珪素化合物の粉体4と、導電性粉体5と、輻射抑制材6と無機繊維11とを混合してなる芯材7を、外被材10により被覆したものである。
酸化珪素化合物と、導電性粉体5と、輻射抑制材6と、外被材10は、実施の形態1と同様の構成のものが使用できる。
また、無機繊維11は、ガラス繊維やアルミナ繊維等の繊維状素材が挙げられる。
(実施例9)
実施例1で使用した芯材に、繊維径が5μmのグラスウールを重量比が90:10となるように混合し、圧縮成形を行うことで厚さ3mmの成形体を得た。この成形体の黒体放射率を測定すると0.68であり、密度は193kg/m3であった。これを外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。
実施例1で使用した芯材に、繊維径が5μmのグラスウールを重量比が90:10となるように混合し、圧縮成形を行うことで厚さ3mmの成形体を得た。この成形体の黒体放射率を測定すると0.68であり、密度は193kg/m3であった。これを外被材で覆い、内部を0.1Pa以下の真空に減圧することで真空断熱材を得た。
この真空断熱材の熱伝導率を測定すると、0.0052W/mKとなり、実施例5と比較すると断熱性能は多少悪化しているが、芯材が固化するため、芯材の取り扱い性が向上するだけでなく、不織布袋が不要となるため、コストダウンにもつながる。
本発明にかかる断熱材および真空断熱材は、輻射抑制材の添加により、断熱材を透過しようとする赤外線を反射し、熱輻射による熱伝導成分を低減する一方で、輻射抑制材の添加による芯材の固体熱伝導成分の増加を防止することができるため、さらなる断熱性能の向上が達成できた。そのため、断熱・保温を必要とする冷蔵庫、電気式湯沸し器、IHクッキングヒーター等の調理家電や、印刷機、複写機、液晶プロジェクター、ノートパソコン等の情報機器、半導体製造装置等の産業機器にも適用できる。
1 断熱材
4 酸化珪素化合物の粉体
5 導電性粉体
6 輻射抑制材
7 芯材
8 外袋
9 真空断熱材
10 外被材
11 無機繊維
4 酸化珪素化合物の粉体
5 導電性粉体
6 輻射抑制材
7 芯材
8 外袋
9 真空断熱材
10 外被材
11 無機繊維
Claims (6)
- 酸化珪素化合物の粉体と導電性粉体とから構成される基材と、輻射抑制材とを混合してなる芯材において、前記芯材の黒体放射率が70%以下、かつ、密度が150kg/m3以下であることを特徴とする断熱材。
- 輻射抑制材は、黒体放射率が70%未満かつ、密度が500kg/m3以下であることを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
- 輻射抑制材は、平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の断熱材。
- 導電性粉体は、酸化錫を含む粉体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の断熱材。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の断熱材と、無機繊維とを混合し、圧縮成形をおこなった混合体であり、前記混合物体の密度が150〜300kg/m3であることを特徴とする断熱材。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の断熱材を、外被材で覆い、内部を減圧してなることを特徴とする真空断熱材。
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JP2004317890A JP2006125599A (ja) | 2004-11-01 | 2004-11-01 | 断熱材および真空断熱材 |
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---|---|---|---|---|
JP2012508353A (ja) * | 2008-11-12 | 2012-04-05 | アールダブルイー パワー アクチエンゲゼルシャフト | 断熱カートリッジ |
JP2012211697A (ja) * | 2012-05-31 | 2012-11-01 | Nichias Corp | 断熱体 |
JP2018091480A (ja) * | 2016-12-05 | 2018-06-14 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 断熱材およびその断熱材を用いた機器 |
-
2004
- 2004-11-01 JP JP2004317890A patent/JP2006125599A/ja active Pending
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