JP6998324B2 - 脱イオン水製造システム、電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水製造方法 - Google Patents

脱イオン水製造システム、電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、脱イオン水の製造に関し、特に、脱イオン水製造システム、電気式脱イオン水製造装置及び脱イオン水製造方法に関する。
イオン交換樹脂などのイオン交換体に被処理水を通水させてイオン交換反応により脱イオンを行う脱イオン水製造システムが知られている。このようなシステムは、一般に、イオン交換体を有する装置を備えてイオン交換体によるイオン交換反応を利用して脱イオン水を生成する。しかしながらイオン交換体を有する装置では、イオン交換体のイオン交換基が飽和して脱塩性能が低下したときに、酸やアルカリなどの薬剤によってイオン交換体を再生する処理、すなわち再生処理を行う必要がある。再生処理は、イオン交換体に吸着したカチオン(陽イオン)やアニオン(陰イオン)を、酸あるいはアルカリに由来する水素イオン(H+)、水酸化物イオン(OH-)で置き換え、これによってイオン交換体の脱塩性能を復活させる処理である。したがってイオン交換体を用いる脱イオン水製造装置は、連続運転を行えず、再生処理のための薬剤補充の手間もかかる、という課題を有する。この課題を解決するものとして、近年、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン水製造装置(EDI(ElectroDeIonization)装置ともいう)が開発され、実用化されている。
EDI装置は、電気泳動と電気透析とを組み合わせた装置であり、アニオンのみを透過させるアニオン交換膜とカチオンのみを透過させるカチオン交換膜との間にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、脱塩室から見てアニオン交換膜及びカチオン交換膜の外側に各々濃縮室を配置し、さらに、それらの外側に、陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室とを配置した構造を有する。脱塩室に充填されるイオン交換体はアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方である。脱塩室では陽極に向いた側にアニオン交換膜が配置され、陰極に向いた側にカチオン交換膜が配置される。濃縮室にイオン交換体を充填してもよく、陽極室にカチオン交換体を充填してもよく、陰極室にアニオン交換体を充填してもよい。
EDI装置により被処理水から脱イオン水を製造するために、陽極と陰極との間に直流電圧を印加した状態で、脱塩室に被処理水を通水する。すると、被処理水中のイオン成分は脱塩室内のイオン交換体に吸着されることとなり、脱イオン化処理すなわち脱塩処理が行われることとなる。その結果、脱塩室から脱イオン水が流出する。このとき脱塩室では、異種のイオン交換性物質間の界面、すなわち、アニオン交換体とカチオン交換体との界面、アニオン交換体とカチオン交換膜との界面、アニオン交換膜とカチオン交換体との界面、及び、アニオン交換膜とカチオン交換膜との界面において、印加電圧によって下記式に示すように水の解離反応が起こり、水素イオン及び水酸化物イオンが生成する。
2O → H+ + OH-
この解離反応によって生成した水素イオンと水酸化物イオンとによって、先に脱塩室内のイオン交換体に吸着されていたイオン成分がイオン交換されてイオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分のうちアニオンは、アニオン交換膜まで電気泳動してアニオン交換膜で電気透析されて、脱塩室から見て陽極に近い方の濃縮室を流れる濃縮水に排出される。同様に遊離したイオン成分のうちカチオンは、カチオン交換膜まで電気泳動してカチオン交換膜で電気透析されて、脱塩室から見て陰極に近い方の濃縮室を流れる濃縮水に排出される。結局、脱塩室に供給された被処理水中のイオン成分は濃縮室に移行して排出されることとなり、同時に、脱塩室のイオン交換体も再生されることになる。
このようにEDI装置では、直流電圧の印加によって生じる水素イオン及び水酸化物イオンが、イオン交換体を再生する酸及びアルカリの再生剤として連続的に作用する。このためEDI装置では、外部から供給される薬剤によって再生処理を行うことは基本的に不要であり、薬剤によるイオン交換体の再生を行うことなく連続運転を行うことができる。
上記では、[濃縮室(C)|アニオン交換膜(AEM)|脱塩室(D)|カチオン交換膜(CEM)|濃縮室(C)]からなる基本構成が陽極と陰極との間に配置されているものとした。この基本構成をセルセットと呼ぶ。実際には、電極間にこのようなセルセットを複数個並置し、電気的には複数個のセルセットが一端を陽極とし他端を陰極として直列接続されるようにして処理能力の増大を図ることが一般的である。この場合、隣接するセルセット間で隣り合う濃縮室を共有することができるから、EDI装置の構成としては、[陽極室|C|AEM|D|CEM|C|AEM|D|CEM|C|AEM|D|CEM|…|C|陰極室]の構成となる。また、陽極室とそれに隣接する濃縮室の間にカチオン交換膜を設け、陰極室とそれに隣接する濃縮室の間にはアニオン交換膜を設ける場合が多い。また、このような直列構造において、陽極室に最も近い脱塩室については、陽極室との間に独立の濃縮室を介在させることなく陽極室自体を濃縮室としても機能させることができる。同様に、陰極室に最も近い脱塩室については、陰極室との間に濃縮室を介在させることなく陰極室自体を濃縮室としても機能させることができる。直流電圧の印加によって消費する電力を抑えるためには、各濃縮室、陽極室及び陰極室にもイオン交換体を充填して電気抵抗を下げることが好ましい。
EDI装置を備える脱イオン水製造システムにおいて不純物濃度が著しく低い脱イオン水を得るためには、EDI装置に供給される被処理水として、不純物をあらかじめある程度まで減少させた水を用いることが好ましい。このため、EDI装置の前段に例えば逆浸透(RO)膜装置を設けて脱イオン水製造システムを構成し、逆浸透膜装置を通過した水を被処理水としてEDI装置に供給することが行われている。しかしながら、被処理水の導電率が小さくなり、例えば5μS/cm以下となると、水の解離反応を生起させるためにEDI装置に印加しなければならない電圧が高くなる。より不純物濃度が低い脱イオン水を得ようとして導電率がより小さい被処理水を用いると、陽極と陰極との間を流れる電流が一定であるとすると、EDI装置に印加しなければならない電圧すなわち運転電圧がより高くなる。運転電圧が高くなれば、その分、消費電力も増大する。
上述したように、EDI装置による脱イオン水の連続的な製造において重要な役割を果たすのが、脱塩室内での水の解離反応である。水の解離反応が効率的に行われれば、被処理水の導電率が小さい場合であってもEDI装置への印加電圧を低く抑えることができるので、高純度の脱イオン水を低い消費電力で製造することが可能になる。
EDI装置の脱塩室内での水の解離反応を促進するために、いくつかの技術が提案されている。特許文献1は、EDI装置において、カチオン交換膜の脱塩室側の膜表面、あるいは脱塩室内に充填するイオン交換樹脂に、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を担持させることを開示している。特許文献2は、EDI装置において、両性イオン交換体として作用する金属酸化物または金属水酸化物を、容積比率で1~50%の割合で脱塩室内のイオン交換体に混在させることを開示している。
特開2000-350991号公報 特開2001-340865号公報
しかしながら、特許文献1に記載された装置では、脱塩室内に担持させた金属水酸化物が、水の解離によって発生した水素イオンによって溶解するため、長期間にわたって安定して性能を維持することが難しい。特許文献2に記載された装置では、イオン交換体に混在させた金属酸化物や金属水酸化物が異種のイオン交換体の界面に確実に存在するわけではないため、水解離の促進効果を最大限まで発揮させることができない。
本発明の目的は、上記のような従来の脱イオン水製造システムの課題に鑑み、導電率が小さい被処理水を電気式脱イオン水製造装置に供給したときであっても、より安定的かつ効率的に水の解離反応を促進して高純度の脱イオン水を低い消費電力で製造することが可能な脱イオン水製造システム及び脱イオン水の製造方法と、脱イオン水製造システムにおいて好適に用いられる電気式脱イオン水製造装置とを提供することにある。
本発明の別の目的は、電気式脱イオン水製造装置において用いられるイオン交換膜及びイオン交換体の少なくとも一方を提供することである。
本発明の一態様によれば、原水が供給されて脱イオン水を製造する脱イオン水製造システムは、原水が供給される逆浸透膜装置と、イオン交換膜で区画され逆浸透膜装置の透過水が供給される脱塩室を有する電気式脱イオン水製造装置と、を備え、脱塩室の内部にイオン交換体が充填され、イオン交換膜の少なくとも一部、及び、イオン交換体の少なくとも一部、の少なくとも一方の表面に、多価金属を含む粒子が吸着されている。
本発明の別の態様によれば、電気式脱イオン水製造装置(EDI装置)は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、脱塩室は陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画され、脱塩室内にアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されているEDI装置において、アニオン交換膜、カチオン交換膜、アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子を吸着させたことを特徴とする。
多価金属、すなわちカチオンとなったときのイオン価が2以上である金属元素は、水の解離反応の触媒として作用する。本発明では、脱塩室内のアニオン交換体、カチオン交換体、アニオン交換膜及びカチオン交換膜の少なくとも1つの表面に対して多価金属を含む粒子を吸着させることにより、脱塩室内での異種のイオン交換性物質間の界面に、水解離反応の触媒として作用する多価金属を確実に存在させることができるようになる。このため本発明では、多価金属による水解離反応の促進効果を最大限に得ることができる。また、多価金属を含む粒子は、粒子の形状を有することにより、脱塩室内のイオン交換体やイオン交換膜に対して吸着した際にそれらの表面を覆ってしまうおそれがないため、脱イオンに関わるイオン交換の反応性やイオンの透過性の損失を最小限に抑えることができる。
本発明のさらに別の態様によれば、脱イオン水製造方法は、上述した本発明のEDI装置を使用する脱イオン水の製造方法において、脱塩室における電流密度が0.3A/dm2以上10A/dm2以下となるように陽極と陰極との間に直流電圧を印加しつつ脱塩室に被処理水を流して脱イオン水を得ることを特徴とする。
本発明のさらに別の態様によれば、脱イオン水製造方法は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、脱塩室は陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画され、脱塩室内にアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されているEDI装置を用いた脱イオン水の製造方法において、アニオン交換膜、カチオン交換膜、アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子を吸着させる工程と、吸着させる工程ののち、陽極と陰極との間に直流電圧を印加しつつ脱塩室に被処理水を流して脱イオン水を得る工程と、を有する。
本発明のさらに別の態様によれば、EDI装置用イオン交換膜は、アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている少なくとも1つの脱塩室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に備えるEDI装置において用いられ、脱塩室において陽極に向いた側に位置して脱塩室を区画するアニオン交換膜、脱塩室において陰極に向いた側に位置して脱塩室を区画するカチオン交換膜、及び脱塩室内をさらに小脱塩室に区画する中間イオン交換膜の少なくとも1つであるイオン交換膜において、イオン交換膜の表面に、多価金属を含む粒子を吸着させたことを特徴とする。
本発明のさらに別の態様によれば、EDI装置用イオン交換体は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、脱塩室は陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画されているEDI装置において用いられ、アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方を含み脱塩室内に充填されるイオン交換体において、イオン交換体の表面に、多価金属を含む粒子を吸着させたことを特徴とする。
本発明によれば、多価金属を含む粒子をEDI装置の脱塩室内のイオン交換体またはイオン交換膜に吸着させることで、後述する実施例等からも明らかになるように、多価金属を含む粒子を用いないEDI装置に比べ、より安定してかつ効率的に水の解離反応を促進でき、これによって低電力で高純度の脱イオン水を製造することができるようになる。
本発明に基づく脱イオン水製造システムの構成を示す図である。 脱イオン水製造システムの構成の別の例を示す図である。 脱イオン水製造システムの構成のさらに別の例を示す図である。 電気式脱イオン水製造装置(EDI装置)の基本的な形態を示す模式断面図である。 多価金属を含む粒子による水解離の促進を説明する図である。 多価金属を含む粒子による水解離の促進を説明する図である。 本発明に基づくEDI装置の別の形態を示す模式断面図である。 本発明に基づくEDI装置のさらに別の形態を示す模式断面図である。 本発明に基づくEDI装置のさらに別の形態を示す模式断面図である。 本発明に基づくEDI装置のさらに別の形態を示す模式断面図である。 本発明に基づくEDI装置のさらに別の形態を示す模式断面図である。 多価金属を含む粒子による水解離の促進を説明する図である。 本発明に基づくEDI装置のさらに別の形態を示す模式断面図である。 本発明に基づくEDI装置のさらに別の形態を示す模式断面図である。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に基づく脱イオン水製造システムの構成を示している。この脱イオン水製造システムは、EDI装置10を備えるものであるが、不純物濃度を十分に低減した脱イオン水を得るために、EDI装置10の前段に、2段直列に設けられた逆浸透(RO)膜装置51,52を備えている。逆浸透膜装置51,52は、それぞれ、その内部に逆浸透膜53,54を備えている。1段目の逆浸透膜装置51にはポンプ55を介して原水が供給されており、逆浸透膜装置51内の逆浸透膜53を通過した水すなわち透過水が2段目の逆浸透膜装置52に供給される。2段目の逆浸透膜装置52の透過水が被処理水としてEDI装置10に供給されるようになっている。2つの逆浸透膜装置51,52を直列に接続した構成は、全体として、それぞれ逆浸透膜53,54を備える装置を2段直列に接続した構成となっている。本実施形態の脱イオン水製造システムで用いられる逆浸透膜装置51,52は、純水製造などに用いられる一般的なものである。また、図示したポンプ55、逆浸透膜装置51,52、EDI装置10の間には、必要に応じて、タンクやポンプ、軟化や脱塩を目的としたイオン交換樹脂装置、脱炭酸を目的とした脱炭酸塔や膜脱気装置、加えて薬注設備などが適宜追加されて配置されていてもよい。
原水としては、水道水、井戸水、河川水、工業用水などが使用される。EDI装置10には、被処理水のほか、後述するように供給水が供給されている。供給水は、例えば逆浸透膜装置から得られた透過水であってよいし、EDI装置で処理された水すなわち脱イオン水であってもよい。ここでは、2段の逆浸透膜装置51,52を設けているが、図2に示すように、1段の逆浸透膜装置52のみをEDI装置10の前段に設けるようにしてもよい。
図1に示したシステムよりもさらに不純物濃度を低減した脱イオン水を得るためには、EDI装置を2段直列に接続してもよい。図3は、図1に示す脱イオン水製造システムにおいて、逆浸透膜装置52とEDI装置10との間に、追加のEDI装置15を配置したものである。EDI装置15としては、EDI装置10と同じ構成のものを用いることができるし、異なる構成のものを用いることもできる。逆浸透膜装置52の透過水がEDI装置15の脱塩室23に供給され、EDI装置15の脱塩室23から流れる水が被処理水としてEDI装置10の脱塩室に供給される。また、図示したポンプ55、逆浸透膜装置51,52、EDI装置10,15の間には、必要に応じて、タンクやポンプ、軟化や脱塩を目的としたイオン交換樹脂装置、脱炭酸を目的とした脱炭酸塔や膜脱気装置、加えて薬注設備などが適宜追加されて配置されていてもよい。
図3に示す構成の場合、2段目となるEDI装置10に供給される被処理水の導電率は、既に例えば1μS/cm以下と極めて小さい値となっている。EDI装置を用いて脱イオン水を製造する場合、被処理水の導電率が小さい場合にEDI装置の運転電圧が高くなりがちであるが、後段のEDI装置10として本発明に基づく後述するEDI装置を用いることにより、このEDI装置10の運転電圧を低いままとすることができる。1段目となる追加のEDI装置15に供給される被処理水の導電率は比較的大きいので、追加のEDI装置15としては、後述するEDI装置ではなく一般的なEDI装置を用いることもできる。
図1、図2及び図3に示す脱イオン水製造システムの各々において、EDI装置10への被処理水の導電率は、例えば10μS/cm以下であり、5μS/cm以下であることが好ましく、3μS/cm以下であることがより好ましく、1μS/cm以下であることがさらに好ましい。
次に、上述した脱イオン水製造システムにおいて用いられる、本発明に基づくEDI装置10について説明する。EDI装置10では、陽極11を備えた陽極室21と、陰極12を備えた陰極室25との間に、陽極室21の側から順に、濃縮室22、脱塩室23及び濃縮室24が設けられている。陽極室21と濃縮室22はカチオン交換膜31を隔てて隣接し、濃縮室22と脱塩室23はアニオン交換膜32を隔てて隣接し、脱塩室23と濃縮室24とはカチオン交換膜33を隔てて隣接し、濃縮室24と陰極室25はアニオン交換膜34を隔てて隣接している。したがって脱塩室23は、陽極11に向いた側に位置するアニオン交換膜32と、陰極12に向いた側に位置するカチオン交換膜33とによって区画されていることになる。脱塩室23内には、アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている。ここで示した例では、脱塩室23内には、アニオン交換体とカチオン交換体とが相互に混ざり合って、すなわち混床構成で充填されている。さらにこのEDI装置10では、カチオン交換体が陽極室21内に充填され、アニオン交換体が濃縮室22,24及び陰極室25内に充填されている。ここでのアニオン交換体としては例えばアニオン交換樹脂が使用され、カチオン交換体としては例えばカチオン交換樹脂が使用される。なお、陽極室21、濃縮室22,24及び陰極室25には、必ずしもアニオン交換体またはカチオン交換体を充填する必要はない。図4は、図1に示した脱イオン水製造システムに用いられるEDI装置10の断面構成を模式的に示している。図4において、電極室21,25、濃縮室22,24及び脱塩室23内に描かれた小円は、それらの室内に充填されるアニオン交換体及びカチオン交換体を示している。また図4では、アニオン交換体とアニオン交換膜には相互に同一のハッチングが付され、カチオン交換体とカチオン交換膜には相互に同一のハッチングが付されているが、アニオン交換体とカチオン交換体とは、異なるハッチングが付されることによって区別して描かれている。ハッチングによるアニオン交換体とカチオン交換体の区別、及びアニオン交換膜とカチオン交換膜の区別は、本明細書に添付される各図面において共通である。
以下の説明において、アニオン交換体とカチオン交換体を総称してイオン交換体と呼び、アニオン交換膜とカチオン交換膜を総称してイオン交換膜と呼ぶ。したがって、イオン交換体は、アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方のことであり、イオン交換膜は、アニオン交換膜及びカチオン交換膜の少なくとも一方のことである。
さらにこのEDI装置10では、脱塩室23において、脱塩室23に設けられるイオン交換体の少なくとも一部、及び、イオン交換膜(アニオン交換膜32及びカチオン交換膜33)の少なくとも一部、の少なくとも一方の表面に、多価金属を含む粒子が吸着されている。ここでいう多価金属を含む粒子とは、多価金属、すなわちカチオンとなったときのイオン価が2以上である金属元素を含み、アニオン交換体、カチオン交換体、アニオン交換膜あるいはカチオン交換膜に対して吸着し、かつ、吸着した後には容易には機械的に脱離しない粒子のことである。ここで用いられる多価金属としては、水解離の触媒として作用するものであれば、特に限定されるものではなく、また1種類の金属であっても、複数種類の金属が含まれていてもよい。多価金属として用いられる金属元素としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケルなどが挙げられる。このように「多価金属を含む粒子」は、水解離の触媒として作用するものであると考えられるので、以下、特に断らない限り、「多価金属を含む粒子」を単に「触媒粒子」と呼ぶ。
触媒粒子は、アニオン交換体、カチオン交換体、アニオン交換膜あるいはカチオン交換膜の表面に対して吸着しやすいものであれば特に限定されるものではない。触媒粒子が無機物質である場合、吸着のしやすさの観点から、触媒粒子が無機イオン交換材料であることが好ましい。無機イオン交換材料とは、接触している電解質溶液中のイオンを取り込み、代わりに自らのもつイオンを放出することでイオン種の交換を行う能力、すなわちイオン交換能を有する無機物質のことである。無機イオン交換材料である触媒粒子がアニオン交換体、カチオン交換体、アニオン交換膜あるいはカチオン交換膜の表面に対して吸着しやすいのは、触媒粒子が、アニオン交換体、カチオン交換体、アニオン交換膜あるいはカチオン交換膜の表面に対し、これらの表面に存在するイオン交換基を介して吸着するためであると推測される。
無機イオン交換材料である触媒粒子の例として、多価金属を含むケイ酸塩を好ましく用いることができ、そのようなケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウムマグネシウム、各種のアルミノケイ酸塩、各種のケイ酸塩鉱物が挙げられ、これらの中から1つ以上を単独で、あるいは混合して使用することができる。中でもケイ酸塩鉱物は、化学的な安定性に優れ、特にアニオン交換体やアニオン交換膜に強く吸着されるため、より安定した性能が期待できる。また、ケイ酸塩鉱物は天然の鉱石に含まれるため、選択肢が多く、コスト面でも有利である。このようなケイ酸塩鉱物として、例えば、沸石、滑石、カオリナイト、ゼオライトなどが挙げられ、中でもセピオライト(CAS番号(Chemical Abstract Service registry number):63800-37-3、組成式:Mg8Si1230(OH)4(OH24・8H2O)、ワラストナイト(CAS番号:13983-17-0、組成式:CaSiO3)、アタパルジャイト(CAS番号:12174-11-7、組成式:(Mg,Al)5Si820・4H2O)などは吸着性が高いため、より好適に用いられる。触媒粒子として、アタパルジャイト、セピオライト、及びワラストナイトの少なくとも1つからなるものを用いることがより好ましい。なお、アタパルジャイト、セピオライト、及びワラストナイトは、針状粒子の形態であることが知られている。ケイ酸塩鉱物がアニオン交換体などに吸着されやすいのは、ケイ酸塩鉱物の表面に存在する例えばヒドロキシ基あるいは酸素原子に対し、アニオン交換体に含まれるアミノ基や第4級アンモニウム基などのアニオン交換基が静電的に引かれ合うためであると推測される。
イオン交換体あるいはイオン交換膜に対する触媒粒子の吸着は、例えば、触媒粒子を分散させた水にイオン交換体あるいはイオン交換膜を浸漬することによって容易に行うことができる。また、既存のEDI装置の脱塩室に対して触媒粒子を分散させた水を供給することにより、その脱塩室内のイオン交換体あるいはイオン交換膜に対して触媒粒子を吸着させることができる。したがって、既存のEDI装置を本発明に基づくEDI装置に改造することも容易であり、既存のEDI装置を本発明に基づくEDI装置に改造した後に脱イオン水を製造することも本発明の範疇に含まれるものである。
触媒粒子の粒子径は特に限定されるものではない。個々の触媒粒子の粒子径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により1000~20000倍程度の倍率でその触媒粒子を観察し、得られた像において計測を行うことによって求めることができる。触媒粒子の形状が真球でない場合には、最大径を粒子径とする。例えば触媒粒子が針状粒子である場合には、その長軸の長さを粒子径とする。触媒粒子の粒子径の範囲は、観察視野の異なる10箇所のSEM画像において触媒粒子の粒子径を計測し、計測された粒子径の最小値から最大値までの範囲とする。本発明では、粒子径の範囲が例えば0.01μm以上100μm以下であるような触媒粒子を用いることが好ましく、0.02μm以上10μm以下であるような触媒粒子を用いることがより好ましい。
触媒粒子の粒子径が大きすぎると、イオン交換体やイオン交換膜の表面に適切に吸着・固定されなくなるとともに、異種のイオン交換性物質の界面の距離を広げすぎるため、水解離反応を十分に促進できなくなる可能性がある。一方、触媒粒子の粒子径が小さすぎると、触媒粒子がイオン交換体やイオン交換膜の表面を密に覆ってイオン交換体やイオン交換膜でのイオン交換反応やイオン移動を阻害するなどの問題を引き起こす可能性がある。
ここで脱塩室23に充填されるイオン交換体について説明する。脱塩室23に充填することができるイオン交換体の種類は、特定のものに限られるものではないが、上記に例示したように、イオン交換樹脂が好ましい。ここでいうイオン交換樹脂とは、三次元的な網目構造を持った高分子母体に、イオン交換能を有する官能基すなわちイオン交換基を導入した合成樹脂のことである。通常使用されるイオン交換樹脂は、粒子径が0.4~0.8mm程度の球状の粒子である。イオン交換樹脂の高分子母体としては、「スチレン系」と呼ばれるスチレン-ジビニルベンゼンの共重合体や、「アクリル系」と呼ばれるアクリル酸-ジビニルベンゼンの共重合体などがある。
イオン交換樹脂は、イオン交換基が酸性を示すカチオン交換樹脂と、塩基性を示すアニオン交換樹脂とに大別され、さらに、導入されるイオン交換基の種類によって、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂などがある。強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、第4級アンモニウム基をイオン交換基として有するものがあり、弱塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、第1級アミン、第2級アミンあるいは第3級アミンをイオン交換基として有するものがある。強酸性カチオン交換樹脂としては、例えば、スルホン酸基をイオン交換基として有するものがあり、弱酸性カチオン交換樹脂としては、例えば、カルボキシル基をイオン交換基として有するものがある。脱塩室に充填されるイオン交換樹脂としてはこれらいずれの種類のものも用いることができるが、イオン交換樹脂が有するイオン交換基に対して触媒粒子が吸着するような、イオン交換樹脂と触媒粒子との組み合わせを選択することが好ましい。
脱塩室23内のイオン交換体に対する触媒粒子の吸着量は、イオン交換体の体積を100%とする体積比で表せば、0.0001体積%以上であって、1体積%未満とすることが好ましく、0.0125体積%以下とすることよりが好ましい。触媒粒子の吸着量を大きくしすぎると、この触媒粒子がかえってEDI装置10内でのイオン交換反応やイオン移動を阻害する可能性がある。
次に、図4に示したEDI装置10による脱イオン水の製造について説明する。
従来のEDI装置の場合と同様に、陽極室21、濃縮室22,24及び陰極室25に供給水を通水し、陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、脱塩室23に被処理水を通水する。被処理水を脱塩室23に通水すると、被処理水中のイオン成分は脱塩室23内のイオン交換体に吸着され、脱イオン化処理が行われ、脱塩室23から、処理された水として、脱イオン水が流出する。このとき脱塩室23では、印加電圧によって異種のイオン交換性物質間の界面で水の解離反応が起こり、水素イオン及び水酸化物イオンが生成し、水素イオンと水酸化物イオンとによって、先に脱塩室23内のイオン交換体に吸着されていたイオン成分がイオン交換されてイオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分のうちアニオンはアニオン交換膜32を介して陽極に近い方の濃縮室22に移動し、この濃縮室22から濃縮水として排出され、カチオンは、カチオン交換膜33を介して陰極に近い方の濃縮室24に移動し、この濃縮室24から濃縮水として排出される。結局、脱塩室23に供給された被処理水中のイオン成分は濃縮室22,24に移行して排出され、同時に、脱塩室23のイオン交換体も再生される。なお、陽極室21及び陰極室25からは電極水が排出される。
図4に示したEDI装置10では、上述したように、脱塩室23内に設けられるイオン交換体、アニオン交換膜32及びカチオン交換膜33の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子すなわち触媒粒子が吸着されている。この触媒粒子は、脱塩室23内における異種のイオン交換性物質の界面に存在することとなるが、触媒粒子に含まれる多価金属は水の解離反応を促進する触媒として作用するから、このEDI装置10では、効率よく水の解離反応を行わせることができる。したがって、脱塩室23内のイオン交換体の再生も効率よく行うことができるようになって、EDI装置10への印加電圧を抑えつつ低電力で高純度の脱イオン水を製造できるようになる。また印加電圧を低くできる分、脱塩室23での高い電流密度、例えば、0.3A/dm2以上10A/dm2以下といった電流密度での装置運転が可能になる。
図5A及び図5Bは、触媒粒子による水の解離反応を模式的に示している。ここではアニオン交換体42に触媒粒子43が吸着しているものとする。カチオン交換体41とアニオン交換体42とによって、異種イオン交換性物質の界面が構成されている場合には、図5Aに示すように、この界面における水の解離が促進されて、アニオン交換体42側に水酸化物イオンが、カチオン交換体41側に水素イオンが効率よく生成する。同様に、アニオン交換体42とカチオン交換膜33との界面では、図5Bに示すように、アニオン交換体42側に水酸化物イオンが、カチオン交換膜33側に水素イオンが効率よく生成する。このEDI装置10によれば、イオン交換膜とイオン交換体との界面での水の解離も促進できる。
以上、本発明に基づくEDI装置10の基本的な構成を説明したが、本発明は種々の構成のEDI装置に広く適用できるものである。以下、本発明を適用できるEDI装置の構成例を説明する。いずれにおいても、少なくとも脱塩室23のイオン交換体あるいはイオン交換膜に対し、多価金属を含む粒子すなわち触媒粒子が吸着されている。以下に説明するEDI装置は、図1、図2及び図3のいずれかに示す脱イオン水製造システムにおけるEDI装置10として使用できるものである。
図6は、本発明に基づくEDI装置の別の形態を示している。上述したようにEDI装置では、[濃縮室|アニオン交換膜(AEM)|脱塩室|カチオン交換膜(CEM)|濃縮室]からなる基本構成(すなわちセルセット)を陽極と陰極との間に複数個並置することができる。このとき、隣接するセルセット間で隣り合う濃縮室を共有することができる。図6に示したEDI装置は、図4に示した装置において、このようにセルセットを複数配列したものであり、アニオン交換膜32、脱塩室23、カチオン交換膜33及び濃縮室24で1つのセルセットが構成されるものとして、このセルセットを陽極室21に最も近い濃縮室22と陰極室25との間にN個配置したものである。ここでNは、1以上の整数である。陽極室21にはカチオン交換樹脂(CER)が充填され、濃縮室22,24と陰極室25にはアニオン交換樹脂(AER)が充填され、脱塩室23にはアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とが混床(MB)で充填されている。陽極室21に外部から水を供給するのではなく、陰極室25の出口水が陽極室21に供給されるようになっている。また、図4に示したものと異なって、脱塩室23内での水の流れ方向は、その両側の濃縮室22,24での水の流れ方向に対して向流になっている。
図7は、本発明に基づくEDI装置のまた別の形態を示している。このEDI装置は図4に示したものと同様のものであるが、脱塩室23内において、被処理水の入口に近い領域にアニオン交換樹脂を配置し、出口に近い領域ではアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混床で設けている。当然のことながら、アニオン交換膜32、脱塩室23、カチオン交換膜33及び濃縮室24で1つのセルセットが構成されるものとして、このセルセットを陽極室21に最も近い濃縮室22と陰極室25との間にN個配置することができる。ここでもNは1以上の整数の整数である。
図8に示したEDI装置は、図7に示したものと同様のものであるが、脱塩室23をその中での水の流れ方向にしたがって4つの領域に分け、被処理水の入口の位置から順に、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂と並ぶように、それぞれの領域にイオン交換樹脂を配置したものである。すなわち、図8に示したEDI装置は、水の流れ方向に沿ってカチオン交換樹脂層とアニオン交換樹脂層とが交互に配置した複層床構成のイオン交換体を脱塩室23に備えるものである。また、図8に示すEDI装置では、図7に示したものとは異なって、脱塩室23内での水の流れ方向は、その両側の濃縮室22,24での水の流れ方向に対して向流になっている。
図9に示したEDI装置は、図7に示したものと同様のものであるが、脱塩室23をその中での水の流れ方向にしたがって3つの領域に分け、被処理水の入口の位置から順に、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂と並ぶように、それぞれの領域にイオン交換樹脂を配置したものである。図9に示すEDI装置においても、脱塩室23内のイオン交換体は複層床構成となっている。
本発明に基づくEDI装置では、各脱塩室において陽極に向いた側のアニオン交換膜と陰極に向いた側のカチオン交換膜との間に中間イオン交換膜(IIEM)を設け、中間イオン交換膜によってその脱塩室を第1小脱塩室及び第2小脱塩室に区画し、第1小脱塩室及び第2小脱塩室のうちの一方の小脱塩室に被処理水が供給されて一方の小脱塩室から流出する水が他方の小脱塩室に流入するように、第1及び第2小脱塩室を連通配置することができる。中間イオン交換膜としては、アニオン交換膜及びカチオン交換膜のいずれも使用できる。このとき、陽極に近い方の小脱塩室を第1小脱塩室、陰極に近い方の小脱塩室を第2小脱塩室とすれば、第1小脱塩室には少なくともアニオン交換体が充填され、第2小脱塩室には少なくともカチオン交換体が充填される。触媒粒子は、各小脱塩室内のイオン交換体、中間イオン交換膜、第1小脱塩室の陽極に向いた側に設けられるアニオン交換膜、及び、第2小脱塩室の陰極に向いた側に設けられるカチオン交換膜、の少なくとも1つに吸着される。
図10は、このように脱塩室を中間イオン交換膜によって2つの小脱塩室に区画したEDI装置の例を示している。このEDI装置は、図6に示すEDI装置における各脱塩室23を中間イオン交換膜36によって第1小脱塩室26と第2小脱塩室27とに区画した構成を有する。この例では、中間イオン交換膜36として、アニオン交換膜が使用されている。陽極11に近い方の第1小脱塩室26にはアニオン交換樹脂が充填され、陰極12に近い方の第2小脱塩室27にはカチオン交換樹脂が充填されている。被処理水はまず第2小脱塩室27に供給され、第2小脱塩室27からの出口水が、第2小脱塩室27での水の流れと並流になるように、第1小脱塩室26に供給され、第1小脱塩室26から、処理後の水として、脱イオン水が得られる。第1及び第2小脱塩室26,27での水の流れに対し、陽極室21、濃縮室22,24及び陰極室25での水の流れは向流となっている。
図11は、図10に示すEDI装置における触媒粒子による水の解離反応を模式的に示している。ここではアニオン交換膜である中間イオン交換膜36に触媒粒子43が吸着されるものとする。カチオン交換体41と中間イオン交換膜36とによって、異種イオン交換性物質の界面が構成されている場合には、図示するように、この界面における水の解離が促進されて、中間イオン交換膜36側に水酸化物イオンが、カチオン交換体41側に水素イオンが効率よく生成する。
図12は、このように脱塩室を中間イオン交換膜によって2つの小脱塩室に区画したEDI装置の別の例を示している。このEDI装置は、図7に示したEDI装置における各脱塩室23を中間イオン交換膜36によって陽極11に近い方の第1小脱塩室26と陰極12に近い方の第2小脱塩室27とに区画したものであり、第1小脱塩室26にはアニオン交換樹脂を充填し、第2小脱塩室27にはアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混床で充填したものである。被処理水は第1小脱塩室26に供給され、第1小脱塩室26の出口水が第2小脱塩室27に送られ、第2小脱塩室27から脱イオン水が得られる。中間イオン交換膜36には例えばアニオン交換膜が使用される。
図13に示すEDI装置は、図12に示すEDI装置における第2小脱塩室27において、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混床で設けるのではなく、第2小脱塩室27の入口に近い領域にカチオン交換樹脂を配置し、出口に近い領域にアニオン交換樹脂を配置するようにしたものである。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき、さらに詳しく説明する。実施例及び比較例では、上述した構成の脱イオン水製造システムあるいはEDI装置を組み立てて、これらの脱イオン水製造システムあるいはEDI装置を実際に動作させた。これらの実施例及び比較例では、組み立てに際し触媒粒子を使用するかしないかを選択することにより、触媒粒子の使用の有無による本発明による効果を確認した。
[実施例1及び比較例1]
実施例1及び比較例1で使用したEDI装置は、図6に示したEDI装置において、陽極室21と陰極室25の間におけるアニオン交換膜(AEM)32、脱塩室23、カチオン交換膜(CEM)33及び濃縮室24からなる基本構成(セルセット)の繰り返し回数Nを3としたものである。陽極室21にはカチオン交換樹脂(CER)を充填し、各濃縮室22,24及び陰極室25にはアニオン交換樹脂(AER)を充填し、脱塩室23にはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混床(MB)にして充填した。カチオン交換樹脂には、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスチレン系の強酸性カチオン交換樹脂であるアンバーライト(登録商標)IR120B(ダウ・ケミカル社製、見掛けの密度の参考値:約840g/L)を使用し、アニオン交換樹脂には、イオン交換基として第4級アンモニウム基を有するスチレン系の強塩基性アニオン交換樹脂であるアンバーライト(登録商標)IRA402BL(ダウ・ケミカル社製、見掛けの密度の参考値:約715g/L)を使用した。カチオン交換膜にはセレミオン(登録商標)CME(AGCエンジニアリング社製)を使用し、アニオン交換膜にはセレミオン(登録商標)AME(AGCエンジニアリング社製)を使用した。ここで使用したカチオン交換膜及びアニオン交換膜は、いずれも不均質イオン交換膜である。不均質イオン交換膜とは、粒状イオン交換樹脂を微粉にし、これを熱可塑性や熱硬化性の結合剤で固めて膜状に成形したもののことであり、機械的強度は均質イオン交換膜に比べて一般に優れている。これに対し、均質イオン交換膜は、イオン交換樹脂自体を膜状に成形したものである。
比較例1では、触媒粒子を吸着させていないアニオン交換樹脂を脱塩室23に用いたが、実施例1では、以下の処理方法であらかじめアニオン交換樹脂に対して触媒粒子による処理を行い、処理後のアニオン交換樹脂をカチオン交換樹脂と混合して脱塩室23に充填した。アニオン交換樹脂に対する処理に用いる粒子として、実施例1では、アニオン交換樹脂に吸着する粒子を使用してアニオン交換樹脂の処理を行い、その結果、当該粒子をアニオン交換樹脂の表面に吸着させた。なお、いずれの場合においても、陽極室21、濃縮室22,24及び陰極室25に充填されるイオン交換樹脂としては、粒子を吸着させていないものを使用した。
次に、実施例1で使用した粒子について具体的に説明する。
実施例1では、多価金属であるマグネシウムとアルミニウムとを含んだケイ酸塩鉱物であるアタパルジャイトを触媒粒子として使用した。SEMで20000倍に拡大して観察したところ、実施例1で使用したアタパルジャイトの粒子径の範囲は0.02~10μmであった。アタパルジャイトは針状粒子であるので、その長径を粒子径とした。同じSEM画像で計測したところ、使用したアパタルジャイトの短径の範囲は0.01~1μmであった。短径とは、長径の中央の位置で長径に直交する方向での長さのことである。実施例1で使用したアタパルジャイト(CAS番号:12174-11-7)は、一般的な組成式が(Mg,Al)5Si820・4H2Oと記載されるものであって、ケイ素とマグネシウムとアルミニウムとの比が二酸化ケイ素(SiO2)酸化マグネシウム(MgO)と酸化アルミニウム(Al23)との質量比に換算して、SiO2:MgO:Al23=65:13:12のものである。
(アニオン交換樹脂の処理方法)
純水に粒子を分散させ、その中にアニオン交換樹脂を浸漬後、撹拌しながらアニオン交換樹脂の表面に粒子を吸着させる処理を行った。このとき使用する粒子の量は、アニオン交換樹脂1Lに対して300mgとした。処理したアニオン交換樹脂は純水でよく洗浄し、水を切ってから使用した。
処理後のアニオン交換樹脂に対し、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法を用いてアタパルジャイトの定量を行ったところアニオン交換樹脂に吸着していたアタパルジャイトの質量はアニオン交換樹脂1Lに対して190mgであった。アタパルジャイトの比重が2.4g/cm3であることから、吸着されたアタパルジャイトの体積のアニオン交換樹脂の体積に対する比率は、0.0079%であることになる。アニオン交換樹脂の密度は含水率で変化し得るが、上述した見掛けの密度の715g/Lを使用すると、アニオン交換樹脂に対するアタパルジャイトの質量比は0.027質量%となる。
実施例1及び比較例1におけるEDI装置の仕様と、通水流量、印加電圧、供給水の水質などの運転条件は、以下の通りである。なお、以下の説明において、被処理水流量は、EDI装置における複数の脱塩室23に供給される被処理水の流量の総量であり、電極室流量は陽極室21と陰極室25に供給される供給水の流量であり、濃縮水流量は複数の濃縮室22,24に供給される供給水の流量の和である。
・脱塩室:寸法300×100×10mm 混床(MB)充填(体積比:カチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂=1/1)
・濃縮室:寸法300×100×5mm アニオン交換樹脂(AER)充填
・陽極室:寸法300×100×4mm カチオン交換樹脂(CER)充填
・陰極室:寸法300×100×4mm アニオン交換樹脂(AER)充填
・被処理水流量:180L/h
・濃縮水流量:30L/h
・電極水流量:10L/h
・供給水及び被処理水:逆浸透膜(RO)透過水、導電率5±1μS/cm
・印加電流値:0.9A
・印加電流密度:0.3A/dm2
実施例1及び比較例1の装置について、上記条件での1000時間の運転を行い、運転電圧と得られた脱イオン水の比抵抗を比較した。結果を表1に示す。
Figure 0006998324000001
実施例1と触媒粒子を使用しない比較例1とを比べると、明らかに実施例1の方が運転電圧、水質ともに良好であるため、本発明の基本的な効果が確認できた。
実施例1では、脱塩室に用いられるアニオン交換樹脂に触媒粒子を吸着させたが、さらに、EDI装置を構成する各電極室や濃縮室に使用されるイオン交換樹脂の全部または一部に触媒粒子を吸着させるようにしてもよい。
[実施例2-1,2-2及び比較例2]
実施例2-1,2-2及び比較例2で使用したEDI装置は、図10に示したEDI装置において、陽極室21と陰極室25の間におけるアニオン交換膜32、第1脱塩室26、中間イオン交換膜(IIEM)36、第2小脱塩室27、カチオン交換膜33及び濃縮室24からなる基本構成(セルセット)の繰り返し回数Nを3としたものである。陽極室21及び第2小脱塩室にはカチオン交換樹脂を充填し、各濃縮室22,24、第1小脱塩室26及び陰極室25にはアニオン交換樹脂を充填した。第1小脱塩室26と第2小脱塩室27とを区画する中間イオン交換膜36には、アニオン交換膜を使用した。アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂、アニオン交換膜及びカチオン交換膜としては、それぞれ、実施例1で使用したものと同じものを使用した。ただし、アニオン交換樹脂に対しては触媒粒子を吸着させていない。特に、実施例2-1,2-2では、以下の処理方法であらかじめアニオン交換膜に本発明でいう触媒粒子を吸着させ、触媒粒子を吸着させたアニオン交換膜を中間イオン交換膜36として用いた。アニオン交換膜32,34やカチオン交換膜31,33には触媒粒子の吸着を行っていない。触媒粒子として、実施例1で用いたものと同じ規格のアタパルジャイトを使用した。比較例2では、アニオン交換膜への触媒粒子の吸着を行っていない。
(アニオン交換膜の処理方法)
純水1Lに対して触媒粒子を0.2g分散させ、その中にアニオン交換膜を浸漬後、撹拌しながらアニオン交換膜の表面に触媒粒子を吸着させた。処理したアニオン交換膜は純水でよく洗浄し、水を切ってから使用した。
実施例2-1,2-2及び比較例2におけるEDI装置の仕様と、通水流量、印加電圧、供給水の水質などの運転条件は、以下の通りである。
・第1小脱塩室:寸法300×100×10mm アニオン交換樹脂(AER)充填
・第2小脱塩室:寸法300×100×10mm カチオン交換樹脂(CER)充填
・印加電流値:0.9A(実施例2-1,比較例2)、30A(実施例2-2)
・印加電流密度:0.3A/dm2(実施例2-1、比較例2)、10A/dm2(実施例2-2)
・濃縮室、陽極室、陰極室、被処理水流量、濃縮水流量、電極水流量、供給水及び被処理水については、実施例1と同じとした。
実施例2-1,2-2及び比較例2の装置について、上記条件での1000時間の運転を行い、運転電圧と得られた脱イオン水の比抵抗を比較した。結果を表2に示す。
Figure 0006998324000002
実施例2-1と比較例2を比べると、実施例2-1の方が運転電圧、水質ともに良好であったため、脱塩室が中間イオン交換膜により2つの小脱塩室に区画されたEDI装置の構成であっても、脱塩室を区画しない場合と同様に本発明の効果を得られることが確認できた。さらには、脱塩室に充填されるイオン交換体だけでなく、脱塩室を区画するイオン交換膜に触媒粒子を吸着させることでも同様の効果を得られることも確認できた。実施例2-2と比較例2を比べると、実施例2-2の方が電流密度10A/dm2と高い設定にも関わらず運転電圧、水質ともに良好であったため、少なくとも電流密度が0.3~10A/dm2の範囲において、本発明による顕著な効果が得られることが分かる。
上述の実施例1,2-1,2-2では、一例としてアニオン交換樹脂あるいはアニオン交換膜に触媒粒子を吸着させた場合の結果を示したが、カチオン交換樹脂あるいはカチオン交換膜に吸着する触媒粒子を選択した場合であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また上述の実施例で用いたイオン交換膜は、いずれも不均質イオン交換膜であったが、均質イオン交換膜を用いた場合であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、上述の実施例では触媒粒子を吸着させる処理を施したイオン交換膜を使用したが、触媒粒子をあらかじめ吸着させたイオン交換樹脂を使って成形したイオン交換膜を使用しても、上述の実施例で示したものと同様の効果が得られることは言うまでもない。触媒粒子をあらかじめ吸着させたイオン交換樹脂を使って成形したイオン交換膜を使用する場合も、本発明の範疇に含まれるものである。
同様に上述の実施例2-1,2-2では、EDI装置で使用されるアニオン交換膜のうち、脱塩室をさらに小脱塩室に区画する中間イオン交換膜に対してその全面に触媒粒子を吸着させたが、EDI装置で他のイオン交換膜に対しても触媒粒子を吸着させてもよく、さらに、イオン交換膜の片面やイオン交換膜の特定の箇所のみに触媒粒子を吸着させてもよい。特に実施例2-1,2-2では脱塩室を小脱塩室に区画する中間イオン交換膜としてアニオン交換膜を選択したが、カチオン交換膜を中間イオン交換膜として使用する場合にも本発明の効果が得られることは言うまでもない。その場合、カチオン交換膜に触媒粒子を吸着させるか、あるいは、いずれかの小脱塩室に充填されるアニオン交換樹脂に触媒粒子を吸着させるかを適宜に選択することができる。
[実施例3及び比較例3]
実施例3及び比較例3では、実施例1及び比較例1のEDI装置と同じ構成であり、脱塩室、濃縮室、陽極室及び陰極室の寸法やそれらに充填されるイオン交換樹脂も実施例1と同じであるが、セルセットの繰り返し回数Nを1としたEDI装置を使用した。実施例3の装置において、使用した触媒粒子は実施例1で使用したものと同じ規格のものであり、アニオン交換樹脂の処理方法も実施例1の場合と同じにした。
被処理水及び供給水として、導電率が1μS/cm以下である純水を使用し、被処理水流量を60L/h、濃縮水流量を10L/h、電極水流量を10L/hに設定した。そして、表3の印加電流密度の欄に示す印加電流密度となるようにEDI装置に電圧を印加し、1時間が経過した時点での運転電圧を求めた。結果を表3に示す。表3において矢印は測定時の電圧の挙動を示すものであり、右向き矢印(→)は安定傾向であったことを示し、上向き矢印(↑)は上昇傾向にあったことを示している。矢印によって電圧の挙動を示すことは、これ以降の各表においても同様である。
Figure 0006998324000003
実施例3と比較例3の結果より、被処理水の導電率が小さいと比較例3では運転電圧の上昇傾向が発現し、触媒粒子による処理を行なわない場合には運転電圧が著しく上昇して、実用的な印加電流密度での運転が行うことができないことが判明した。
[実施例4及び比較例4]
実施例3及び比較例3と同じEDI装置であるが、脱塩室に充填されるイオン交換体として、イオン交換基として第4級アンモニウム基を有するスチレン系の強塩基性アニオン交換樹脂であるアンバーライト(登録商標)IRA402BL(ダウ・ケミカル社製、見掛けの密度の参考値:約715g/L)のみを使用し、脱塩室を単床構成のものとした。実施例4で使用するアニオン交換樹脂については、あらかじめ、実施例1で説明した方法と同じ処理を行なって、その表面にアパタルジャイトを吸着させた。被処理水及び供給水として実施例3と同じものを使用し、各室への通水流量も実施例3と同じにし、表4の印加電流密度の欄に示す印加電流密度となるようにEDI装置に電圧を印加し、1時間が経過した時点での運転電圧を求めた。
Figure 0006998324000004
実施例4及び比較例4の結果より、実施例1,3のように混床のイオン交換樹脂を脱塩室に充填する場合に比べ、単床のイオン交換樹脂を充填する場合に、触媒粒子を吸着させることの効果が特に増すことが分かった。
[実施例5]
図1に示す脱イオン水製造システムを組み立てた。脱イオン水製造システムに設けられるEDI装置としては、実施例2-1で用いたEDI装置においてセルセットの繰り返し数Nを5としたものを使用した。使用するイオン交換樹脂及びイオン交換膜、各室の寸法なども実施例2-1と同じであるが、イオン交換膜への触媒粒子の吸着は行なわなかった。その代わり、EDI装置で使用されるアニオン交換樹脂に対し、あらかじめ、実施例1で示した方法と同じ方法でアタパルジャイトを吸着させ、実施例2-1ではアニオン交換膜であった中間イオン交換膜をカチオン交換膜に変更した。この構成にすることで、第1小脱塩室のアタパルジャイトを吸着させたアニオン交換樹脂と中間イオン交換膜との間で水解離反応を促進することが可能になる。実施例5では、2段の逆浸透膜装置を通過した透過水をEDI装置の被処理水として使用しており、その導電率は2±1μS/cmであり、ナトリウム濃度は100μg/Lであり、シリカ濃度は50μg/Lであった。供給水としては、逆浸透膜透過水を使用した。
被処理水流量を800L/h、濃縮水流量を80L/h、電極水流量を20L/hとし、印加電流密度を0.5A/dm2として、EDI装置から流れ出る脱イオン水の水質と運転電圧とを求めた。結果を表5に示す。
Figure 0006998324000005
実施例5の結果から、2段の逆浸透膜装置を通過した透過水のように残留イオン濃度が低くて導電率が低い被処理水を用いる場合であっても、EDI装置における電流密度を大きくすることが可能になり、また、被処理水の流量も大きくできることが分かった。EDI装置におけるセルセットあたりの被処理水流量で比較すると、実施例5での流量は、実施例2での流量の2.67倍となる。
[実施例6]
図3に示す脱イオン水製造システムを組み立てた。この脱イオン水製造システムには、直列に接続された2つのEDI装置10,15が用いられるが、いずれのEDI装置10,15にも実施例5で説明したものと同じEDI装置を使用した。2段に接続された膜浸透装置51,52を備える上に2段のEDI装置10,15を使用していることにより、2段目のEDI装置10に供給される被処理水は、比抵抗が16±2MΩ・cm(すなわち導電率は0.0635±0.008μS/cm)と極めて導電率が小さく、また、そのホウ素濃度は、1±0.2μg/Lであった。1段目のEDI装置15の供給水としては、逆浸透膜透過水を使用し、2段目のEDI装置10の供給水には、1段目のEDI装置15の処理水、すなわち1段目のEDI装置15からの脱イオン水を使用した。
1段目のEDI装置15における被処理水流量を570L/h、濃縮水流量を50L/h、電極水流量を20L/hとし、2段目のEDI装置10における被処理水流量を500L/h、濃縮水流量を50L/h、電極水流量を20L/hとした。EDI装置10,15での印加電流密度をいずれも0.8A/dm2として、2段目のEDI装置10からの流れ出る脱イオン水の水質及びホウ素濃度と運転電圧とを求めた。結果を表6に示す。
Figure 0006998324000006
EDI装置を2段接続して不純物濃度が極めて低い脱イオン水を得ようとする場合、2段目のEDI装置に供給される被処理水の導電率が低いことから2段目のEDI装置の運転電圧が上昇することが懸念されるが、実施例6の結果から、本発明に基づくEDI装置を使用することによって、運転電圧の上昇を抑えることができることが分かった。本発明に基づけば、より高純度の脱イオン水を容易に得ることができるようになる。また、ホウ素は通常の脱塩処理によっては除去が難しい元素として知られているが、実施例6によれば、ng/Lのオーダーまで除去できることが分かった。
[実施例7]
図1に示す脱イオン水製造システムを組み立てた。脱イオン水製造システムに設けられるEDI装置としては、図8に示したEDI装置を使用し、セルセットの繰り返し回数Nを5とした。被処理水の流れに沿って上流側からカチオン交換樹脂層、アニオン交換樹脂層、カチオン交換樹脂層及びアニオン交換樹脂層がこの順で配置するように、脱塩室を複層床構成とした。使用したイオン交換膜及びイオン交換樹脂は、実施例1の場合と同じであり、アニオン交換樹脂に対しては、あらかじめ、実施例1と同様の処理方法によりアパタルジャイトを吸着させた。脱塩室、濃縮室、陽極室及び陰極室の寸法も実施例1の場合と同様である。実施例7では、2段の逆浸透膜装置を通過した透過水をEDI装置の被処理水として使用しており、その導電率は1.5±0.2μS/cmであった。供給水としては、逆浸透膜透過水を使用した。
被処理水流量を1000L/h、濃縮水流量を100L/h、電極水流量を20L/hとし、印加電流密度を0.6A/dm2として、1000時間の運転後の運転電圧を測定したところ、18Vであった。
実施例1と実施例7とを比較すると、セルセットあたりの運転電圧は実施例1では4.0Vであるのに対し実施例7では3.6Vであった。実施例7での電流密度は実施例1での電流密度の2倍であり、しかも被処理水の導電率は実施例7の方が低いにもかかわらず、セルセットあたりの運転電圧は実施例7の方が実施例1よりも低いことは、脱塩室内のイオン交換体の構成を混床構成とするよりも複層床構成とすることによって、アニオン交換樹脂にアパタルジャイトを吸着させることの顕著な効果が得られることを示している。また、EDI装置のセルセットあたりの被処理水流量で比較すると、実施例7での流量は実施例1での流量の3.33倍となる。
10,15 電気式脱イオン水製造装置(EDI装置)
11 陽極
12 陰極
51,52 逆浸透膜装置
21 陽極室
22,24 濃縮室
26 第1小脱塩室
27 第2小脱塩室
23 脱塩室
25 陰極室
31,33 カチオン交換膜(CEM)
32,34 アニオン交換膜(AEM)
36 中間イオン交換膜(IIEM)
41 カチオン交換体
42 アニオン交換体
43 触媒粒子

Claims (26)

  1. 原水が供給されて脱イオン水を製造する脱イオン水製造システムであって、
    原水が供給される逆浸透膜装置と、
    イオン交換膜で区画され前記逆浸透膜装置の透過水が供給される脱塩室を有する電気式脱イオン水製造装置と、
    を備え、
    前記脱塩室の内部にイオン交換体が充填され、
    前記イオン交換膜の少なくとも一部、及び、前記イオン交換体の少なくとも一部、の少なくとも一方の表面に、多価金属を含む粒子が吸着され
    前記粒子は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウムマグネシウム、アルミノケイ酸塩、及びケイ酸塩鉱物の少なくとも1つからなる、脱イオン水製造システム。
  2. 前記粒子は、アタパルジャイト、セピオライト、及びワラストナイトの少なくとも1つからなる、請求項1に記載の脱イオン水製造システム。
  3. 前記脱塩室において、前記脱塩室での水の流れの方向に沿ってカチオン交換体とアニオン交換体とが交互に配置している、請求項1または2に記載の脱イオン水製造システム。
  4. 原水が供給されて脱イオン水を製造する脱イオン水製造システムであって、
    原水が供給される逆浸透膜装置と、
    イオン交換膜で区画され前記逆浸透膜装置の透過水が供給される脱塩室を有する電気式脱イオン水製造装置と、
    を備え、
    前記脱塩室の内部にイオン交換体が充填され、
    前記イオン交換膜の少なくとも一部、及び、前記イオン交換体の少なくとも一部、の少なくとも一方の表面に、多価金属を含む粒子が吸着され、
    前記脱塩室に充填される前記イオン交換体は、アニオン交換体及びカチオン交換体のいずれか一方である、脱イオン水製造システム。
  5. 前記粒子はケイ酸塩からなる、請求項に記載の脱イオン水製造システム。
  6. 前記逆浸透膜装置は、それぞれ逆浸透膜を備える装置を2段直列に接続した構成を有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の脱イオン水製造システム。
  7. 前記電気式脱イオン水製造装置の前記脱塩室に供給される前記透過水におけるナトリウム濃度が100μg/L以下であり、シリカ濃度が50μg/L以下である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の脱イオン水製造システム。
  8. 前記電気式脱イオン水製造装置の前記脱塩室に供給される前記透過水の導電率が3μS/cm以下である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の脱イオン水製造システム。
  9. 前記逆浸透膜装置と前記電気式脱イオン水製造装置との間に追加の電気式脱イオン水製造装置を備え、
    前記逆浸透膜装置の透過水が、前記追加の電気式脱イオン水製造装置の脱塩室を経由して前記電気式脱イオン水製造装置の前記脱塩室に供給される、請求項1乃至のいずれか1項に記載の脱イオン水製造システム。
  10. 前記電気式脱イオン製造装置の前記脱塩室から排出される脱イオン水中のホウ素濃度が10ng/L以下となるように前記電気式脱イオン製造装置が運転される、請求項に記載の脱イオン水製造システム。
  11. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、前記脱塩室は前記陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と前記陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画され、前記脱塩室内にアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている電気式脱イオン水製造装置において、
    前記アニオン交換膜、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子を吸着させてあり、
    前記粒子は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウムマグネシウム、アルミノケイ酸塩、及びケイ酸塩鉱物の少なくとも1つからなることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  12. 前記粒子は、アタパルジャイト、セピオライト、及びワラストナイトの少なくとも1つからなる、請求項11に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  13. 前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体の体積に対する前記粒子の体積が1体積%未満である、請求項11または12に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  14. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、前記脱塩室は前記陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と前記陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画され、前記脱塩室内にアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている電気式脱イオン水製造装置において、
    前記アニオン交換膜、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子を吸着させてあり、
    前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体の体積に対する前記粒子の体積が1体積%未満であることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  15. 前記粒子が前記アニオン交換膜及び前記アニオン交換体の少なくとも一方の表面に吸着している、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  16. 前記アニオン交換膜及び前記カチオン交換膜の少なくとも一方が不均質イオン交換膜である、請求項11乃至15のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  17. 前記脱塩室に前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体のいずれか一方が充填される、請求項11乃至16のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  18. 前記脱塩室において、前記脱塩室での水の流れの方向に沿って前記アニオン交換体と前記カチオン交換体とが交互に配置している、請求項11乃至16のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  19. 前記脱塩室は、前記アニオン交換膜と前記カチオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜を備えて該中間イオン交換膜によって第1小脱塩室及び第2小脱塩室に区画され、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜によって区画される前記第1小脱塩室には少なくとも前記アニオン交換体が充填され、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜によって区画される前記第2小脱塩室には少なくとも前記カチオン交換体が充填され、前記第1小脱塩室及び前記第2小脱塩室のうちの一方の小脱塩室に被処理水が供給されて当該一方の小脱塩室から流出する水が他方の小脱塩室に流入するように、前記第1小脱塩室及び前記第2小脱塩室が連通している、請求項11乃至16のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  20. 前記粒子が前記中間イオン交換膜の表面に吸着している、請求項19に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  21. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、前記脱塩室は前記陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と前記陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画され、前記脱塩室内にアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている電気式脱イオン水製造装置において、
    前記アニオン交換膜、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子を吸着させてあり、
    前記脱塩室に前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体のいずれか一方が充填されていることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  22. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、前記脱塩室は前記陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と前記陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画され、前記脱塩室内にアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている電気式脱イオン水製造装置において、
    前記アニオン交換膜、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子を吸着させてあり、
    前記脱塩室は、前記アニオン交換膜と前記カチオン交換膜との間に位置する中間イオン交換膜を備えて該中間イオン交換膜によって第1小脱塩室及び第2小脱塩室に区画され、前記アニオン交換膜と前記中間イオン交換膜によって区画される前記第1小脱塩室には少なくとも前記アニオン交換体が充填され、前記カチオン交換膜と前記中間イオン交換膜によって区画される前記第2小脱塩室には少なくとも前記カチオン交換体が充填され、前記第1小脱塩室及び前記第2小脱塩室のうちの一方の小脱塩室に被処理水が供給されて当該一方の小脱塩室から流出する水が他方の小脱塩室に流入するように、前記第1小脱塩室及び前記第2小脱塩室が連通し
    前記粒子が前記中間イオン交換膜の表面に吸着していることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  23. 請求項11乃至22のいずれか1項に電気式脱イオン水製造装置を使用する脱イオン水の製造方法において、
    前記脱塩室における電流密度が0.3A/dm2以上10A/dm2以下となるように前記陽極と前記陰極との間に直流電圧を印加しつつ前記脱塩室に被処理水を流して脱イオン水を得ることを特徴とする脱イオン水の製造方法。
  24. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、前記脱塩室は前記陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と前記陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画され、前記脱塩室内にアニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている電気式脱イオン水製造装置を用いた脱イオン水の製造方法において、
    前記アニオン交換膜、前記カチオン交換膜、前記アニオン交換体及び前記カチオン交換体の少なくとも1つの表面に、多価金属を含む粒子を吸着させる工程と、
    前記吸着させる工程ののち、前記陽極と前記陰極との間に直流電圧を印加しつつ前記脱塩室に被処理水を流して脱イオン水を得る工程と、
    を有し、
    前記粒子は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウムマグネシウム、アルミノケイ酸塩、及びケイ酸塩鉱物の少なくとも1つからなることを特徴とする脱イオン水の製造方法。
  25. アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方が充填されている少なくとも1つの脱塩室を陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に備える電気式脱イオン水製造装置において用いられ、前記脱塩室において前記陽極に向いた側に位置して前記脱塩室を区画するアニオン交換膜、前記脱塩室において前記陰極に向いた側に位置して前記脱塩室を区画するカチオン交換膜、及び前記脱塩室内をさらに小脱塩室に区画する中間イオン交換膜の少なくとも1つであるイオン交換膜において、
    前記イオン交換膜の表面に、多価金属を含む粒子を吸着させたことを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置用イオン交換膜。
  26. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの脱塩室を備え、前記脱塩室は前記陽極に向いた側に位置するアニオン交換膜と前記陰極に向いた側に位置するカチオン交換膜とによって区画されている電気式脱イオン水製造装置において用いられ、アニオン交換体及びカチオン交換体の少なくとも一方を含み前記脱塩室内に充填されるイオン交換体において、
    前記イオン交換体の表面に、多価金属を含む粒子を吸着させてあり、
    前記粒子は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウムマグネシウム、アルミノケイ酸塩、及びケイ酸塩鉱物の少なくとも1つからなることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置用イオン交換体。
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