JP6998138B2 - 発光機能を備えた光透過プレート、および、その製造方法 - Google Patents

発光機能を備えた光透過プレート、および、その製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、1以上の光源を搭載し、発光可能な光透過プレートに関する。
クレジットカード等の樹脂製の基板にLEDを搭載し、その発光色を変えることで決済情報を表示する構成が特許文献1に開示されている。また、特許文献2には、樹脂製のICカードに有機EL発光パネルを搭載し、その発光位置または発光パターンにより、残額を表示する構成が開示されている。
一方、特許文献3には、透明な基板上に、導電性粒子を分散した溶液を塗布した後、光を照射することにより導電性粒子を焼結して配線パターンを形成し、この配線パターン上に発光素子等を搭載した構成が開示されている。導電性粒子を光焼結することにより、基板の温度上昇が局所的になるため、透明基板の全体を加熱する必要がなく、基板の透明性を保ちながら直接配線パターンを形成することができる。
特開2008-234595号公報 特開2008-217215号公報 特開2016-184621号公報
LEDを樹脂製基板に搭載する場合、LEDダイがサブマウント等にダイボンディング等されたパッケージ化されたLEDを用いるのが、一般的である。その理由は、LEDダイをダイボンディングやワイヤボンディングにより基板に接合する際に基板が加熱される温度(180℃以上)が、樹脂製基板に変形を生じさせるためである。一方、有機EL素子は、樹脂製のフィルムの上に、直接搭載することはできるが、有機ELは湿度に弱いため防湿構造をとる必要があり、現状は、有機ELをガラス製の筐体内に封入する必要がある。LEDパッケージも有機EL素子のガラス製筐体も厚みがあるため、薄型化の妨げになる。
一方、特許文献3のように、光により導電性粒子を焼結する方法を用いることにより、基板にダメージを与えることなく、配線パターンを形成し、LEDダイを基板上の配線パターンに直接接合することが可能になる。
しかしながら、LEDダイを透明基板に直接搭載した場合、光の取り出し効率が低いという問題が生じる。
本発明の目的は、光透過性基板にLEDダイを直接搭載した構造でありながら、光の取り出し効率を向上させることにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、光透過性基板と、光透過性基板の表面に設けられた配線パターンと、配線パターンに接合されたLEDダイとを有する光透過プレートが提供される。光透過性基板のLEDダイが搭載されている領域の裏面側には、反射膜が配置されている。配線パターンの少なくとも一部と、反射膜は、いずれも導電性粒子を焼結した導電材料により構成されている。
本発明によれば、光透過性基板にLEDダイを直接搭載した構造でありながら、光の取り出し効率を向上させることができる。
第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの断面図。 第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの(a)部分断面図、(b)部分上面図。 (a)第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの発する光の指向特性を示す説明図、(b)比較例の発する光の指向特性を示す説明図。 第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの別の例の断面図。 第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの別の例の部分断面図。 第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの別の例の部分断面図。 第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートに、さらに光透過膜を備えた構成の部分断面図。 (a)および(b)第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートに、さらにレンズを備えた構成の部分断面図。 (a)~(e)第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法を示す断面図。 (a)~(c)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの部分断面図。 (a)~(e)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの部分上面図。 第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートに、さらに光透過膜を備えた構成の部分断面図。 第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートに、さらに光透過膜を備えた構成の部分断面図。 (a)および(b)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの光透過膜に切り欠きを備えた構成の部分断面図。 (a)および(b)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの光透過膜に切り欠きを備えた構成の部分断面図。 第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの光透過膜に切り欠きを備えた構成の(a)および(b)は部分断面図、(c)および(d)は部分上面図。 (a)~(d)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートに、さらにレンズを備えた構成の部分断面図。 (a)~(d)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートに、さらにレンズを備えた構成の部分断面図。 (a)~(g)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法を示す説明図。 (a)~(g)第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法を示す説明図。 (a)第3の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの部分断面図、(b)は、比較例の光透過プレートの部分断面図。 (a)第3の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの別の例の部分断面図、(b)は、比較例の光透過プレートの部分断面図。 第3の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートのさらに別の例の部分断面図。
本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートは、図1に断面図を、図2(a)、(b)に一部の断面図と上面図を示したように、光透過性基板2と、光透過性基板2の表面に設けられた配線パターン3と、配線パターン3に接合されたLEDダイ1とを備えている。光透過性基板2のLEDダイ1が搭載されている領域の裏面側には、反射膜4が配置されている。配線パターン3の少なくとも一部と、反射膜4は、いずれも導電性粒子を焼結した導電材料により構成されている。また、LEDダイ1は、導電性粒子を焼結した導電材料によって配線パターン3に接合されている。
上述のように、配線パターン3を導電性粒子を焼結した導電材料により構成し、LEDダイ1も導電性粒子を焼結した導電材料によって配線パターン3に接合することにより、熱や光等の電磁波やマイクロ波等による局所的な加熱により、線幅の細い配線パターン3、ならびに、LEDダイ1と配線パターン3との微小な接合部を形成できる。よって、光透過性基板2が樹脂であっても、加熱により透明性を損なうことなく、また、光透過性基板を変形させずにLEDダイ1を光透過性基板2上に実装することができる。
パッケージ化されていないLEDダイ1は、一般的には数mm角程度以下と微小であるため、光透過性基板2上に実装することにより、薄く、かつ、発光機能を備えた光透過プレートを提供できる。このとき、光透過性基板2として樹脂製のフィルムを用いた場合には、さらに薄く、かつ、柔軟な光透過プレート(フィルム)を提供できる。
また、本実施形態では、光透過性基板2のLEDダイ1が搭載されている領域の裏面側に反射膜4が配置されている。これにより、LEDダイ1が出射した光のうち、裏面側に出射された光を図3(a)のように反射膜4により上方に向かって反射することができる。よって、LEDダイ1の発した光の上方からの取り出し効率を、反射膜4がない場合よりも向上させることができる。
また、本実施形態では、反射膜4も導電性粒子を焼結した導電材料により構成されているため、光透過性基板2の透明性を損なうことなく形成することができる。
LEDダイ1、配線パターン3および反射膜4は、面積が小さいため、光透過性基板2の全体に対する光を遮蔽する面積も小さい。よって、光透過性基板2に複数のLEDダイ1を図1のように搭載することにより、LEDダイ1を点灯させていない場合には、外光が、微小なLEDダイ1、配線パターン3および反射膜4の間を通って光が光透過性基板2を透過する光透過プレートとなる。
一方、LEDダイ1を点灯させた場合には、外光は光透過性基板2を透過し、かつ、LEDダイ1から発せられた光が、直接、および、反射膜4および配線パターン3で反射されて、上方に出射される発光プレートとなる。
このとき、図3(a)に示したように、LEDダイ1の発光する光の指向特性は、反射膜4が配置されていることにより、横方向への光の強度を、反射膜が配置されていない比較例の構成(図3(b))よりも強くする事も出来る。よって、隣り合うLEDダイ1の発する光の指向特性の重なりが大きく、光透過性基板2の主平面方向の発光強度ムラを比較例よりも低減することができる。また、隣り合うLEDダイ1の発光波長が異なる場合には、指向特性の重なりが大きいため、混色ムラを比較例よりも低減することができる。
なお、図4~図6に示すように、光透過性基板2の裏面側にもLEDダイ1が搭載されていてもよい。この場合、図4のように、裏面側のLEDダイ1が反射膜4に接合され、反射膜4は、裏面側に搭載されたLEDダイ1の配線パターン3を兼用する構成にしてもよい。また、図5のように、光透過性基板2の上面の、裏面側のLEDダイ1が配置されている領域に、第2の反射膜4を配置してもよい。裏面側のLEDダイ1の発光方向を上方(光透過性基板2側)に向けることにより、上面側に搭載したLEDダイ1、および、裏面側に搭載したLEDダイ1の両方が、上方に向けて光を発する光透過プレートを提供できる。このとき、図6のように、上面側の第2の反射膜4によって、裏面側のLEDダイ1が上方に発した光を反射し、さらに裏面側の反射膜4により反射して上方に向けて出射する構成にすることもできる。また、裏面側のLEDダイ1の発光方向を下方(光透過性基板2とは逆側)に向けることにより、光透過性基板2の上方からも下方からも光を発する両面発光の光透過プレートを提供することも可能である。また、これらの場合、隣り合うLEDダイ1の発光波長が異なる場合には、反射膜4による光反射によりLEDダイ1からの指向特性(拡散性)が変化し、より混色性を高めることができる。
また、図7のように、光透過性基板2の表面に、LEDダイを埋め込むように光透過膜5を配置してもよい。このように、光透過膜5を配置することにより、LEDダイ1と光透過膜5の屈折率差が、LEDダイ1と空気との屈折率差よりも小さいため、LEDダイ1の光取り出し効率を向上させることができる。また、バリア性を有する光透過膜5を用いることにより、LEDダイ1および配線パターン3の耐腐食性を向上させることができる。また、図7のように、基板2の裏面側にもバリア性のある光透過膜6を配置することにより、反射膜4の耐腐食性を向上させることができる。
さらに、図8(a)、(b)のように、LEDダイの上方の光透過膜5の表面にレンズ7やフレネルレンズ8を配置してもよい。これにより、光透過膜5からの光取り出し効率を向上させたり、配向性や指向性等の光学特性のコントロールを行ったりすることができる。フレネルレンズ8を用いた場合には、レンズ7を用いた場合と比べ、薄型化が可能となる。レンズ7やフレネルレンズ8を光透過膜5の表面に形成する方法としては、例えば、切削加工法や、金型等により転写法の他、別途成形しておいたレンズを接合する方法等を用いることができる。また、レンズ7やフレネルレンズ8は、光透過膜5と一体の構造にすることもできる。
また、本実施形態の光透過プレートは、配線パターン3の少なくとも一部が導電性粒子を焼結した導電材料によって構成されている。導電性粒子の焼結には、局所的な加熱を用いる。例えば、光やマイクロ波等の電磁波を照射することによる加熱焼結を行う。具体的には、電磁波としては、紫外光、可視光、赤外光、マイクロ波の波長域のものを含むものを用いることができる。電磁波焼結の場合、必要に応じて電磁波を集束して、光透過性基板2上の配線パターン3を形成すべき箇所に配置した導電性粒子に照射する。これにより、配線パターン3の形成時の加熱領域が、集束された電磁波のスポット径程度と極めて局所的になり、局所的な熱を周囲の光透過性基板2に熱伝導させ、空気中に放熱することができる。この手法を実施することにより、光透過性基板2の温度上昇を抑制することができ、光透過性基板2にダメージを与えることなく、配線パターン3を形成することができる。したがって、光透過性基板2として樹脂等も用いることができる。
また、電磁波焼結では、必要に応じて熱による焼結と組み合わせることで配線の幅に対する厚さの比(アスペクト比)が大きく、電気的に低抵抗な、微細な配線パターン3を形成することができるため、配線パターン3が光透過性基板2を覆う面積を小さくすることが出来る。配線パターン3が外光やLEDダイ1からの光を遮蔽する面積を小さくすることができ、光透過性基板2の透明性を維持することができる。特に、配線パターン3は、幅よりも厚さの方が大きいことが望ましい。これにより、配線パターン3が光透過性基板2を覆う面積を小さくすることができるとともに、電気的に低抵抗にできる。特に、配線パターン3の幅に対する厚みの比率は、厚み/幅=1/100以上であることが望ましく、厚み/幅=5/100以上であるとより望ましく、厚み/幅=10/100以上である場合には特に望ましい。また、配線パターン3に大電流を供給する場合は、厚み/幅=20/100以上であることが望ましい。
配線パターン3の大きさは、一例としては、幅1μm以上、厚み1nm~50μm程度に形成する。また、配線パターン3の電気抵抗率は、10-4Ω・cm以下であることが望ましく、特に、10-6Ω・cmオーダーの低抵抗であることが望ましい。
なお、配線パターン3に使用する導電性粒子含有インク材料が吸収する波長であって、かつ、光透過性基板2が透過する波長の電磁波を用いることにより、配線パターン3を形成する際に電磁波を集束させることなく照射して微細な配線パターン3を形成することも可能である。この場合も、光透過性基板2は、電磁波を透過するため、全体に電磁波を照射しても、光透過性基板2自身の電磁波吸収による温度上昇は生じず、配線パターン3の部分のみ加熱することが可能である。
また、電磁波焼結等により、配線パターン3が光透過性基板2に直接固着するように配線パターン3を形成することにより、配線パターン3は、LEDダイ1の発光時の発熱を熱伝導して効率よく光透過性基板2に伝導することができる。これにより、LEDダイ1の放熱性能を高めることができる。
なお、配線パターン3の一部を、導電性粒子を焼結した導電材料以外の材料で形成してもよい。例えば、基板2の表面に銅箔等の金属物質を貼り付けた後にエッチング法等で所望の配線形状にし、必要に応じてめっき付けした配線パターン3を形成してもよい。
LEDダイ1は、電磁波焼結により配線パターンに接合されていることが望ましい。電磁波焼結法を用いることにより、光透過性基板2の温度上昇を抑制しつつ、LEDダイ1を配線パターン3に接合することができる。なお、配線パターン3の形成時に、同時にLEDダイ1を配線パターン3に接合してもよいし、配線パターン3の形成後に、導電性粒子を含有する物質を配線パターン3の上に塗布等し、さらにLEDダイ1を搭載した後、電磁波焼結によりLEDダイ1と配線パターン3とを接合しても良い。
LEDダイ1と配線パターン3との接合を電磁波焼結により行うことにより、光透過性基板2が湾曲し、歪応力が加わっても、接合部に破断や剥離を生じにくく、耐久性を高めることができる。
なお、図1では、配線パターン3を、光透過性基板2のLEDダイ1の搭載面に形成した例を示しているが、配線パターン3の一部は、光透過性基板2の裏面に配置してもよい。このとき、裏面側に配置した配線パターン3の一部に、反射膜4を兼用させてもよい。
本実施形態において、光透過性基板2としては、例えば10~1000μm厚さの薄い基板やフィルムを用いることができる。そのような薄い基板2であっても本実施形態のように電磁波焼結によりLEDダイ1を実装できる。光透過性基板2の材質としては、例えば、ガラス、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、アクリル、エポキシ、シリコーンなどの有機成分を主体とした物などを用いることができる。光透過性基板2は、例えば、溶融押出成形法、溶液流延法、カレンダー法等の公知の方法で形成することができる。光透過性基板2と配線パターン3や反射膜4を構成する導電材料との密着性を向上させるために、光透過性基板2に表面処理を施してもよい。例えば、プラズマ処理、UV(紫外線)処理、カップリング剤を塗布等する処理を行う。
配線パターン3の形成に用いる導電性粒子は、例えば、Au、Ag、Cu、Pd、ITO、Ni、Pt、Feなどの導電性金属および導電性金属酸化物のうちの1つ以上を用いることができる。電磁波による焼結では効率的に行うため、導電性粒子を含むインクの電磁波吸収特性を高める事が望ましく、導電性粒子の一部または全部がナノサイズ形状となっていることが望ましい。含まれる粒子サイズは一例として10~150nmである。
LEDダイ1としては、所望の波長の光を発するものを用いる。
光透過膜5、6の材質としては、光を透過する膜であることが望ましい。その材質としては、例えば、ガラス、シリコーン、エポキシ、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド等を用いることができる。特に、バリア性を有する材質であることが望ましく、例えば、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)、エポキシ、シリコーン、アクリル等を用いることが好ましい。
<<発光機能を備えた光透過プレートの製造方法>>
つぎに、第1の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法を図9(a)~(e)を用いて説明する。ここでは、配線パターン3を、導電性粒子と溶媒や分散剤を含んだインクを電磁波である光を用いて焼結する例について説明する。
まず、図9(a)のように、導電性粒子が分散された溶液(インク)を用意し、これを光透過性基板2の表面に所望の形状で塗布する。塗布方法は、例えば、インクジェット、ディスペンス、フレキソ、グラビア、グラビアオフセット、スクリーン印刷手法などの方法を用いる事が可能である。これにより、光透過性基板2の表面に、導電性粒子の膜121を形成する。必要に応じて膜121を加熱し、溶媒を蒸発させて乾燥させる。なお、膜121の形状は、形成すべき配線パターン3の形状になるように塗布してもよいし、一様な膜であってもよい。一様な膜である場合、配線パターン3以外の領域は、後工程で除去する。
形成した未焼結の膜121の微粒子を焼結させるため、例えば電磁波や光を照射することで局所的に配線部のみ加熱し、導電性粒子を焼結させる。電磁波は、フラッシュランプの様な光のパルス波、レーザー光の様な連続波、マイクロ波の様な長波長の電磁波を用いることができる。ここでは、一例として、光を用いる。まず、図9(b)のように、LEDダイ1を、その電極31aが膜121に接触するように、未焼結の配線パターン3に搭載する。つぎに、図9(c)のように、光透過性基板2を透過させて光束12を膜121に照射する。この方法により、例えば配線パターン3の形成と、LEDダイ1と配線パターン3との接続とを、光束12の照射により同時にまたは連続して行うことができる。具体的には、光透過性基板2の、膜121が形成されていない側から、光束12を電極31aと光透過性基板2の間の領域に照射して、膜121の導電性粒子を電磁波焼結し、電極31aとの接続領域となる配線パターン3を形成する。さらに、光束12を照射し、他の配線パターン3も形成する。形成順序は、他の配線パターンを形成した後にLEDダイ1の電極接続領域となる配線パターン3を形成しても良い。
また、配線パターン3形成後、配線パターン3と電極31aの間に未焼結の導電性粒子含有インクをさらに塗布し、LEDダイ1の電極31aを搭載した後、さらに光束12を照射することで電極接続領域を形成することも可能である。
つぎに、図9(d)のように、光透過性基板2の裏面に、導電性粒子が分散された溶液(インク)等を、反射膜4の形状に塗布し、未焼結の膜121を形成する。溶液および塗布方法は、図9(a)の工程と同様である。
最後に、図9(e)のように、光束12を照射して膜121を焼結し、反射膜4を形成する。以上により、発光機能を備えた光透過プレートを製造することができる。
なお、パターン3と反射膜4が同時に焼結出来る様に、両者に光が照射される構造を取ることも可能である。
光束12が照射された導電性粒子が焼結されるメカニズムについてさらに説明する。膜121のうち、光束12が照射された領域は、導電性粒子が光のエネルギーを吸収して温度が上昇する。これにより、導電性粒子は、その粒子を構成する材料のバルクの融点よりも低い温度で溶融するとともに、導電性粒子の温度上昇に伴い、溶融した導電性ナノ粒子は、隣接する粒子と直接融合する。これにより、導電性粒子同士が焼結され、光透過性基板2の上面に導電性の配線パターン3が形成される。このとき、溶融した導電性粒子は、光透過性基板2に固着する。特に、図9(c)の工程のように、光透過性基板2の膜121が形成されていない側の面から光束12を照射することにより、光透過性基板2と配線パターン3の界面の固着強度を高めることができる。
なお、上述のように、膜121の光束12の照射を受けた領域の導電性粒子は、光を照射することにより温度が上昇し、この熱は、導電性粒子の焼結に用いられるとともに、周囲の膜121および光透過性基板2に伝導し、放熱される。よって、膜121のうち光束12の照射を受けた領域のみ、もしくは、その光束12の照射を受けた領域とその近傍領域のみが、導電性粒子が焼結される温度に到達し、その外側領域の膜121や光透過性基板2の温度は、それらを構成する材料を溶融させたり変質させたりする温度には到達しない。すなわち、本実施形態では、膜121の一部領域のみに光束12を照射することにより、光透過性基板2の温度上昇を抑制することができ、光透過性基板2の電磁波焼結による変形や歪、白濁等の変質を防止することができる。また、光透過性基板2がフレキシブルである場合にはそのフレキシブル性を維持することができる。但し、光照射の方法は当該方法に限られず、光透過性基板全体にフラッシュ光などを照射し、膜121を焼結させることもできる。
図9(c)、(e)の工程では、形成される配線パターン3および反射膜4が多孔質(ポーラス)となるように形成することが望ましい。すなわち、隣接する導電性粒子同士は、全体が完全に溶融して混ざりあうのではなく、接触する界面で焼結され、焼結後の導電性粒子間の少なくとも一部に空孔を形成するような温度で電磁波焼結することが望ましい。例えば、光束12として、レーザー光を用い、通過する光透過性基板2を溶融させない程度の照射強度で膜121に照射することにより、光束12が照射された膜121の領域に短時間に比較的大きなエネルギーを投入でき、導電性粒子を加熱して溶融させ焼結できるとともに、レーザー光の光束12の照射を停止することにより、周囲の膜121や光透過性基板2への熱伝導により速やかに冷却することができるため、多孔質の配線パターンを形成することができる。言い換えると、膜121をレーザー光の光束12で焼結するときに、膜121が適切な温度になるように、光束12の照射強度を調節することで、多孔質の配線パターン3を形成できる。具体例としては、光透過性基板2として、延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(融点250℃程度、耐熱温度150℃程度)を用い、光透過性基板2の形状が維持されるようにレーザー光の光束12の強度を調整して光透過性基板2の裏面から膜121に照射し、膜121の導電性粒子を焼結した場合、多孔質の配線パターン3を形成することができる。
配線パターン3が多孔質である場合には、上述したように、配線パターン3自体が追随性(可撓性)を有するため、フレキシブルな光透過性基板2を変形させた場合にも、それに伴って配線パターン3が追随するため、配線パターン3が光透過性基板2からはがれにくく、ひび割れ等も生じにくい。よって、断線の生じにくい、フレキシブルな基板2を提供することができる。
なお、図9(c)、(e)の工程において、膜121へ照射する際の光束12の形状は、マスクを通過させることにより配線パターン3の形状に整形してから照射してもよいし、照射スポットが円形や矩形の光束12を走査させて配線パターン3を描いてもよい。
LEDダイ1の周囲に光透過膜5を、裏面側に光透過膜6を設ける場合には、未硬化の樹脂を光透過性基板2に例えばスプレーコーティング、ディップコーティング、ウェットコーティング等の方法で塗布し、硬化させる。あるいは、予めフィルム状に成型したものを、例えばラミネート法、ヒートシール等の方法で接合してもよいし、自己粘着性のものをその粘着性を利用して接合してもよい。
具体的には、例えば、未硬化の光透過膜5の材料を所望の方法でLEDダイ1の周囲に充填してから熱やUVなど所望の方法で硬化させる方法を用いることができる。また、LEDダイ1を挟んで、光透過性基板2と対向するように別の光透過性基板を配置し、2枚の光透過性基板の間隙に毛細管現象や真空注入技術により樹脂を充填させた後、所望の方法で硬化させることも可能である。光透過膜5、6の材質としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の光透過性の樹脂材料を用いることができる。
なお、図8(a),(b)のように、光透過膜5の上にレンズ7やフレネルレンズ8を配置する場合、予め別体として成形しておいたレンズ7およびフレネルレンズ8を光透過膜5の上に搭載してもよいし、光透過膜5をレンズ7やフレネルレンズ8の形状に成形することにより、光透過膜5と一体にレンズ7やフレネルレンズ8を形成することもできる。レンズ7やフレネルレンズ8を別体として成形する場合、その材質は、光透過膜5,6の材質と同様に、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の光透過性の樹脂材料を用いることができる。
図9(c)の工程において、光束12を光透過性基板2の膜121が設けられている側の面から照射することももちろん可能である。この場合、LEDダイ1を搭載する電極の接続部分には電磁波焼結を使用できないが、他の配線パターン3は焼結できるため、電極接続部と配線パターン形成の工程をパラレルに実施することも可能である。
なお、照射する光束12の波長は、膜121に含まれる導電性粒子に吸収される波長を用いる。照射する光は、紫外、可視、赤外いずれの光であってもよいし、マイクロ波であってもよい。例えば導電性粒子として、Ag、Cu、Au、Pdなどを用いた場合、400~600nmの可視光を用いることができる。
図9の各工程を終了後、光を照射していない膜121の領域がある場合は、焼結が生じないため、この後の工程で除去する。例えば、有機溶媒等を用いて膜121を除去することが可能である。また、追加して光を照射したり、加熱をしたりすることによって、膜121を焼結させることもできる。
配線パターン3および反射膜4を形成する工程で用いる導電性微粒子を含むインクについてさらに説明する。このインクは、1μm以下のナノサイズ導電性粒子が分散された溶液である。導電性粒子は、例えば、Au、Ag、Cu、Pd、ITO、Ni、Pt、Feなどの導電性金属および導電性金属酸化物のうちの1つ以上を用いることができる。導電性粒子の粒子径は、1μm未満のナノ粒子のみであってもよいし、1μm未満のナノ粒子と1μm以上のマイクロ粒子とが混合されていてもよい。溶液の溶媒は、有機溶媒や水を用いることが好ましいが、エポキシやシリコーン、ウレタン樹脂に含有させても良い。溶媒には、分散性を向上させる添加剤(ポリマー成分等)を添加し、また固着力を向上させるために樹脂成分(エポキシやシリコーン、ウレタンなど)を添加しても良い。
<第2の実施形態>
第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートについて、図10(a)~(c)および図11(a)~(e)を用いて説明する。
図10(a)のように、第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートは、第1の実施形態と同様に、光透過性基板2と、光透過性基板2の表面に設けられた配線パターン3と、配線パターン3に接合されたLEDダイ1とを備えている。配線パターン3の少なくとも一部は、導電性粒子を焼結した導電材料により構成され、LEDダイ1は、導電性粒子を焼結した導電材料によって配線パターン3に接合されている。これら第1の実施形態と同じ符号を付したものは、第1の実施形態と同様の構成である。
第2の実施形態では、光透過性基板2には、LEDダイ1の近傍に、光透過性基板2の厚さ方向に切り欠き11が設けられ、切り欠き11には、反射材料が充填されている。
このように、反射材料が充填された切り欠き11を設けることにより、LEDダイ1から発せられた光の一部が、光透過性基板2に入射した後、光透過性基板2の面内方向に進む場合であっても、これを上方に向けて反射することができる。よって、LEDダイ1の上方への光の取り出し効率を向上させることができるとともに、光透過性基板2を面内方向に光が導波するのを防止することができる。
切り欠き11は、図11(a)~(e)のように、LEDダイ1を取り囲むように1以上設けられている。図11(a)、(c)から(e)の例は、配線パターン3を避けるため、切り欠き11は複数に分割されている。
また、切り欠き11は、光透過性基板2の表面に対して傾斜していることが望ましい。この傾斜角度を制御することにより、光透過性基板2を通って切り欠き11の反射材料に到達した光を反射する方向を制御することができる。
光透過性基板2の裏面に反射膜4が配置され、切り欠き11が取り囲む領域が、反射膜4によって覆われていることが望ましい。これにより、光透過性基板2の裏面に到達した光を、反射膜4によって上方に反射することができるため、上方への光の取り出し効率がさらに向上する。
また、切り欠き11は、図10(b)のように、光透過性基板2の厚みの途中まで設けられた構成(ハーフカット)であってもよい。切り欠き11が厚みの途中までしかない構造であって、一部の光を上方に向けて反射することができるため、光の取り出し効率向上の効果は得られる。
切り欠き11は、図10(c)のように、光透過性基板2の裏面側から切り欠いた構造にしてもよい。後述するように、切り欠き11は、ルーター加工やレーザー加工、金型によるプレス加工等によって形成できるが、レーザー加工の場合、図10(c)に示したように、レーザー入射側の切り欠きの径が、レーザー出射側の切り欠きの径よりも大きくなるという特徴がある。この特徴を利用して、例えば図10(c)のように、切り欠き11の側面を傾斜させることができる。
切り欠き11に充填する反射材料は、散乱剤を分散させた樹脂等、どのようなものであってもよいが、導電性粒子を焼結した導電材料を用いてもよい。特に、切り欠き11を充填する材料が、配線パターン3を構成する導電性粒子を焼結した導電材料と同じものである場合、配線パターン3を形成する工程と連続してまたは同時に形成することができるため望ましい。
また、図12、図13に示したように、光透過性基板2の表面を、LEDダイ1を埋め込むように光透過膜5で覆ってもよい。この場合、図14(a),(b)および図15(a),(b)のように、光透過膜5のLEDダイ1の近傍に、光透過膜5の厚さ方向に第2の切り欠き12を設け、第2の切り欠き12にも、反射材料を充填してもよい。第2の切り欠き12は、光透過膜5の厚み方向の全体に設けてもよいし、ハーフカットでもよい。なお、第2の切り欠き12は、光透過膜5の上部から切り欠いて設けてもよいし、光透過膜5または光透過性基板2の裏面側から切り欠いて設けてことも可能である。
これにより、光透過膜5を横方向に進む光を、反射材料が充填された第2の切り欠き12によって反射して、上方に向けて出射させることができるため、上方からの光の取り出し効率をさらに高めることができる。
切り欠き11と第2の切り欠き12は、図14(a)、図15(a)のように連続するように形成してもよいし、図14(b)、図15(b)のように不連続に形成してもよい。
また、図16(a)、(b)のように、光透過性基板2には切り欠き11を設けず、光透過膜5のみに切り欠き12を設けてもよい。切り欠き12は、その上面図を図16(c)に示したように、LEDダイ1を取り囲むように連続して設けてよいし、図16(d)のように配線パターン3を避けて複数に分割して設けてもよい。
また、図17(a)~(d)および図18(a)~(d)に示したように、LEDダイ1の上方の光透過膜5の表面にレンズ7またはフレネルレンズ8を配置してもよい。これにより、レンズ7またはフレネルレンズ8の作用により、LEDダイ1の出射光の取り出し効率をさらに向上させることできるとともに、配向性や指向性等の光学特性をコントロールすることができる。
つぎに、第2の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法について説明する。ここでは、図10(a)の光透過プレートを製造する例について以下説明する。
まず、図19(a),(b)のように、光透過性基板2を用意し、切り欠き11を形成する。切り欠き11の形成方法としては、例えばルーター、旋盤、レーザー加工、金型での転写等の加工技術を用いる。レーザー加工の場合、切り欠きの方向や角度、深さ等のサイズ、形状、位置等を調節することができる。
つぎに、図19(c)のように、第1の実施形態の図9(a)の工程と同様に、導電性粒子が分散されたインクを塗布等し、配線パターン3となる未硬化の膜121を形成するとともに、切り欠き11にもインクを充填し、未硬化の充填部123を形成する。
図19(d)のように、第1の実施形態の図9(b)の工程と同様に、LEDダイ1を膜121上に搭載する。
そして、図19(e)の工程では、図9(c)の工程と同様に、光束12(を膜121に照射して導電性粒子を焼結し、配線パターン3を形成しつつ、配線パターン3とLEDダイ1とを接合するとともに、充填部123にも照射して、導電性粒子を焼結し、反射材料を形成する。光束12の照射は、膜121と充填部123とに対して同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。
つぎに、図19(f)、(g)の工程では、図9(d)、(e)の工程と同様に、導電性粒子が分散されたインクにより、反射膜4となる未硬化の膜121を形成し、光束12を照射して焼結し、反射膜4を形成する。以上により、図10(a)の発光機能を備えた光透過プレートを製造できる。
つぎに、図10(a)の光透過プレートを製造する別の方法を、図20(a)~(g)を用いて説明する。図20(a)~(g)の製造方法は、切り欠き11を形成するタイミングが、図19(a)~(g)の製造方法とは異なる。
まず、図20(a),(b)のように、切り欠き11を形成する前に、配線パターン3となる未硬化の膜121を形成し、LEDダイ1を搭載する。この状態で、図20(c)のように切り欠き11を形成し、導電性粒子が分散されたインクを充填し、充填部123を形成する。その後、図20(e)の工程で、図19(e)の工程と同様に、光束12を照射して膜121を焼結することにより、配線パターン3を形成しつつ配線パターン3をLEDダイ1と接合するとともに、充填部123を焼結し、反射材料に変化させる。図20(f)、(g)の工程は、図19(f)、(g)の工程と同様に反射膜4を形成する。以上により、図10(a)の発光機能を備えた光透過プレートを製造できる。
切り欠き11は、配線パターン3の形成の前に形成してもよいし、後に形成してもよい。配線パターン3となる未硬化の膜121または反射膜4となる未硬化の膜121の形成前に、切り欠き11を形成してもよい。切り欠き11への導電性粒子分散インクの充填は、配線パターン3となる膜121または反射膜4となる膜121の形成と同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。配線パターン3となる膜121、反射膜4となる膜121、および切り欠き11内の導電性粒子分散インクの焼結は、それぞれ個別に行うことももちろん可能であるし、光が一括に照射出来る構造を取ることにより、同時に光を照射して一括で焼結することも可能である。また、切り欠き11内で焼結された導電性粒子分散インクは、導電性を有するためビアとしても利用することができる。
図19および図20のいずれの製造工程も配線パターン3と切り欠き11の反射材料とを同時に焼結可能であるため、製造工程を大幅に増加させることなく、反射材料を充填した切り欠き11を備えた光透過プレートを製造できる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートについて、図21~図23を用いて説明する。
第1の実施形態において図3~図6を用いて説明したように、本実施形態の反射膜4を備えた光透過プレートは、発光波長の異なる複数のLEDダイ1を搭載した場合、混色性を高めることができる。第3の実施形態では、混色性を高めた光透過プレートの別の構成について説明する。
図21(a)は、第3の実施形態の発光機能を備えた光透過プレートの部分断面図であり、第1の実施形態の図5の光透過プレートと類似した構成であるが、光透過性基板2の裏面側に配置された反射膜4と、裏面側に反射されたLEDダイ1Yの配線パターン3とが連結され、反射膜4と配線パターン3とが、配線としての機能と反射膜としての機能とを互いに兼用している。
光透過性基板2の上面に配置されたLEDダイ1Bは、青色光を発し、裏面側に配置されたLEDダイ1Yは、黄色光を発する。他の構成は、第1の実施形態の図5の構成と同様である。
このように、光透過性基板2の裏面側の反射膜4と配線パターン3とを連結することにより、両者が光透過性基板2の裏面を覆う面積が大きくなるため、上面のLEDダイ1Bから下方に出射のされた青色光を、光透過性基板2の裏面の反射膜4と配線パターン3により上方に向けて反射することができる。よって、光透過性基板2の上面に搭載されたLEDダイ1Bの発する青色光と、裏面に搭載されたLEDダイ1Yの発する黄色光の混色性を高めることができる。
これについて、反射膜4を備えない比較例である図21(b)の光透過プレートと、図21(a)の第3の実施形態の光透過プレートを対比してさらに説明する。
LEDダイ1B,1Yからの発光強度は、通常、中心部(発光面に対して略垂直方向)の発光強度が大きく、周辺部の発光強度が小さくなる。このとき、それぞれのLEDダイ1B,1Yから一定以上の発光量が出射される角度範囲の領域を、青色光を発光するLEDダイ1Bについては領域LB、黄色光を発光するLEDダイ1Yについては領域LYと呼ぶ。図21(b)の比較例のように、反射膜4が配置されていない場合、領域LBと領域LYが重なり合う領域LWにおいては、青色光と黄色光が適度に混色した、所望の色度範囲の白色光を得ることができる。一方、その周辺部については、青色光と黄色光のどちらか一方の光の発光強度のほうがより大きくなり、所望の色度範囲の白色光を得にくい。
このとき、第3の実施形態の図21(a)の光透過プレートのように、光透過性基板2の下面に連結された反射膜4と配線パターン3が配置されていると、LEDダイ1Bの下面側から出射された青色光の一部が、光透過性基板2と、反射膜4および配線パターン3との接触面(界面)で反射され、上面方向へと放出される。これにより、青色光の一部の光BLBは、比較例である図21(b)において青色光が出射される領域LWよりも外側の領域であって、かつ、黄色光の出射領域LYに放出される。よって、比較例(図21(b))では青色光が到達しなかった当該範囲に、本実施形態の図21(a)の構成では青色光が到達し、所望の色度範囲の白色光を得ることができる。
また、光透過性基板2として、フレキシブルな基板を用いた場合、光透過性基板2が曲がると、これに追随して光透過性基板2と配線パターン3との接触面も曲がるため、光透過性基板2が曲がった状態のときにも、混色性を高める効果を発揮することができる。
なお、厳密に言うと光透過性基板2に光が入射するときと出射するきに光の屈折が生じたり、光透過性基板2にて界面反射が生じたりするが、当該現象については図21では省略して記載している。
図22(a)は、第3の実施形態の光透過プレートの別の例であり、LEDダイ1BおよびLEDダイ1Yの両者がともに光透過性基板2の上面に配置されている。光透過性基板2のLEDダイ1B、1Yが搭載されている領域の裏面には、それぞれ反射膜4が配置され、反射膜4は連結されている。
図22(a)の光透過プレートにおいて、LEDダイ1Bの下面側から出射された光BLBおよびLEDダイ1Yの下面側から出射された光BLYの両者の一部は、光透過性基板2と配線パターン3との接触面で反射され、上面方向へと放出される。これにより、本実施形態の図22(a)の構成を比較例の反射膜が配置されていない図22(b)の構成と比較すると、比較例(図22(b))では青色光が到達しなかった範囲に、本実施形態の図22(a)の構成では青色光が到達し、所望の色度範囲の白色光を得ることができることがわかる。
図23は、第3の実施形態の光透過プレートのさらに別の例であり、図21(a)の光透過プレートの構成に、裏面側のLEDダイ1Yの出射光の一部LYを反射する微小な反射膜4を光透過性基板2の上面に配置したものである。これにより、図23のように、LEDダイ1Yの出射した黄色光の一部LYは、光透過性基板2と上面側の反射膜4の接触面で反射され、さらに、光透過性基板2と裏面側の反射膜4の接触面で反射されて、上方に放出される。よって、図21(a)の構成では黄色光が到達しなかった領域LBに、図23の構成では黄色光LYが到達し、所望の色度範囲の白色光が得られるという効果を、図21(a)の効果に加えて達成することができる。
このように、第3の実施形態の光透過プレートは、所望の色度範囲の白色光が得られる領域を従来よりも広げることができ、混色性を高めることができる。
上述してきた第1ないし第3の実施形態の光透過プレートは、透明状態と発光状態とを切り替え可能であるため、例えば、自動車のフロントガラスやリアガラス等に用いることにより、通常の状態では透明であり、必要に応じて、発光させて表示や照明を行うことができる。よって、フロントガラスに表示を行うヘッドアップディスプレイや、緊急時に後続車両にリアガラス上で所定の表示を行う構造を実現できる。
また、これら以外にも、照明機器(点発光/面発光照明、フレキシブル照明、自動車用照明(インテリア、エクステンション)など)、表示機器(シースルーディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなど)、演出機器(遊技機器(パチンコ)用の演出照明・表示など)等に好適に用いることができる。
1…LEDダイ、2…光透過性基板、3…配線パターン、4…反射層、5、6…光透過膜、7…レンズ、8…フレネルレンズ、11…切り欠き

Claims (20)

  1. 光透過性基板と、前記光透過性基板の表面または裏面またはその両方に設けられた配線パターンと、前記配線パターンに接合されたLEDダイとを有し、
    前記光透過性基板の前記LEDダイが搭載されている領域の裏面側には、反射膜が配置され、
    前記配線パターンの少なくとも一部と、前記反射膜の少なくとも一部は、いずれも導電性粒子焼結体により構成され
    前記反射膜は、配線パターンを兼用していることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  2. 請求項1に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記LEDダイは、前記導電性粒子焼結体によって前記配線パターンに接合されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  3. 請求項1または2に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記導電性粒子焼結体は、多孔質であることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  4. 請求項1に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記光透過性基板には、裏面側にもLEDダイが搭載され、前記裏面側のLEDダイは、前記反射膜に接合され、前記反射膜は、前記裏面側に搭載されたLEDダイの配線パターンを兼用していることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記光透過性基板の表面は、前記LEDダイを埋め込むように配置された光透過膜で覆われていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  6. 請求項5に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記LEDダイの位置の前記光透過膜の表面には、レンズが配置されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記反射膜は、前記LEDダイよりも大きいことを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記光透過性基板には、前記LEDダイの近傍に、前記光透過性基板の厚さ方向に切り欠きが設けられ、前記切り欠きには、反射材料が充填されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  9. 請求項8に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、
    前記反射材料は、導電性粒子焼結体から構成されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  10. 請求項8または9に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記切り欠きは、前記LEDダイを取り囲むように形成され、前記反射膜は、前記切り欠きが取り囲む領域を少なくとも一部を覆うように配置されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  11. 請求項8ないし10のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記切り欠きは、前記LEDダイを取り囲むように設けられ、かつ、前記光透過性基板の表面に対して傾斜していることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  12. 請求項8ないし11のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記切り欠きは、前記LEDダイを取り囲むように設けられ、前記切り欠きが取り囲む領域が前記反射膜によって覆われていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記LEDダイは2つ以上搭載されており、かつ、前記2つ以上のLEDダイは、発光波長が異なる2種類以上のLEDダイを含んでいることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートであって、前記配線パターンは、幅に対する厚みの比率(=厚み/幅)が1/100以上であることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
  15. 光透過性基板を用意する工程と、
    前記光透過性基板の表面上に導電性粒子が分散されたインクを塗布し未硬化の第1の膜を形成する工程と、
    前記第1の膜上にLEDダイを搭載する工程と、
    前記第1の膜への電磁波照射により前記導電性粒子を焼結し、配線パターンを形成しつつ、該配線パターンとLEDダイを接合する工程と、
    前記光透過性基板の裏面上に導電性粒子が分散されたインクを塗布し未硬化の第2の膜を形成する工程と、
    前記第2の膜への電磁波照射により前記導電性粒子を焼結し、反射膜を形成する工程とを備え、
    前記反射膜は、配線パターンを兼用していることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレートの製造方法。
  16. 請求項15に記載の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法であって、
    さらに、
    前記光透過性基板に切り欠きを形成する工程と、
    前記切り欠きに導電性粒子が分散されたインクを充填して未硬化の充填部を形成する工程と、
    前記充填部に電磁波照射により前記導電性粒子を焼結させる工程とを有することを特徴とする発光機能を備えた光透過プレートの製造方法。
  17. 請求項16に記載の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法であって、
    前記切り欠きは、前記LEDダイを取り囲むように配置され、前記配線パターンを避けて形成されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレートの製造方法。
  18. 請求項16または17に記載の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法であって、
    前記切り欠きは、前記LEDダイを取り囲むように配置され、前記光透過性基板の表面に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレートの製造方法。
  19. 請求項16ないし18のいずれか1項に記載の発光機能を備えた光透過プレートの製造方法であって、
    前記切り欠きは、前記LEDダイを取り囲むように設けられ、前記切り欠きが取り囲む領域が前記反射膜によって覆われていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレートの製造方法。
  20. 光透過性基板と、前記光透過性基板の表面に設けられた配線パターンと、前記配線パターンに接合されたLEDダイとを有し、
    前記配線パターンの少なくとも一部は、導電性粒子焼結体により構成され、
    前記光透過性基板には、前記LEDダイの近傍に厚さ方向に切り欠きが設けられ、前記切り欠きには、反射材料が充填され、
    前記光透過性基板の表面は、前記LEDダイを埋め込むように配置された光透過膜で覆われ、
    前記光透過膜には、前記LEDダイの近傍に厚さ方向に第2の切り欠きが設けられ、前記第2の切り欠きには、反射材料が充填されていることを特徴とする発光機能を備えた光透過プレート。
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