JP6995838B2 - 乗り物用シート - Google Patents
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Description
ヘッドレストは、乗員の頭部が接するヘッドレスト本体と、当該本体から突出する棒状のピラーと、を備え、シートバックの上部に設けられた差し込み穴にピラーを差し込むことで、シートバックに取り付けられるものが一般的である。
シートバックフレームには、一定以上の剛性を有することが求められるため、従来、パネル材におけるフレーム材が接合されていない領域に、パネル材を線状に膨出させた補強部(ビード)を形成し、シートバックフレームに所定以上の剛性を持たせることが行われている(特許文献1,2参照)。
このようなピラーと補強部との接触を防ぐためには、ピラーの延長線上に補強部を形成しないようにする、あるいはピラーを、その延長線上に補強部が位置しないように配置する、といった対策が考えられる。
一方、ピラーを、その延長線上に補強部が位置しないように配置しようとすると、ピラーの差し込み穴の形成位置や角度が制限される、すなわち、シート設計の自由度が低下することとなってしまう。差し込み穴の形成に制限がかかると、ヘッドレストやピラーの差し込み穴を形成する部材の設計に手間がかかってしまったり、ピラーと補強部との距離を取るためにシートバックを大型化しなければならなくなってしまったりする。
平板状のシートバックフレームが設けられたシートバックと、
本体と、当該本体から突出する棒状の一対のピラーと、を有するヘッドレストと、を備える乗り物用シートであって、
前記シートバックフレームにおける補強を要する面には、当該補強を要する面から当該補強を要する面に沿った線状に突き出す補強部が設けられており、
前記補強部の少なくとも一部は、当該補強部における他の部分から連続するように設けられつつ、前記補強を要する面からの突き出し高さが前記他の部分よりも低い段差部となっており、
前記段差部を有する前記補強部は、前記補強を要する面に沿って水平方向に伸び、
前記段差部は、前記一対のピラーごとに別々に設けられていることを特徴とする。
前記補強部は、長方形をなす補強領域によって構成されており、
前記補強領域は、
当該補強領域の上端に沿って左右方向に延びる上補強部と、
当該補強領域の下端に沿って前記上補強部と平行に左右方向に延びる下補強部と、
前記上補強部の両端と前記下補強部の両端とを繋ぐように上下方向に延びる一対の側補強部と、を備えて、前記補強を要する面と直交する方向から見たときの形状が環状となっており、
前記段差部は、前記上補強部と前記下補強部のうち少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
前記段差部は、前記水平方向に伸びる上下方向略同一高さに設定された前記補強部に複数設けられていることを特徴とする。
前記補強を要する面には、前記ピラーを支持するピラー支持部が設けられ、
前記段差部は、前記ピラー支持部によって支持された前記ピラーの先端部と対向する位置に設けられていることを特徴とする。
前記ピラー支持部は、前記ピラーを挿通可能な筒状となっており、
前記段差部の前記補強部延長方向の長さは、前記ピラーの太さよりも長くなっており、
前記段差部の前記補強部延長方向の両端は、それぞれ前記ピラー支持部に支持された前記ピラー両側面よりも当該ピラーの中心軸から遠ざかる側に設けられていることを特徴とする。
前記段差部の前記補強部延長方向の幅は、前記ピラー支持部の前記補強部延長方向の幅と略等しくなっていることを特徴とする。
前記補強部及び前記段差部は、水平方向に延びるように設けられ、
前記ピラー支持部は、前記段差部の上方に設けられており、
前記段差部は、当該段差部延長方向及び突き出し方向と直交する方向の幅が前記他の部分よりも細く、かつその上端が、前記他の部分の上端よりも下方に位置していることを特徴とする。
前記段差部を有する前記補強部の近傍には、前記段差部を有さない他の補強部が、前記補強部と平行に延びるように設けられていることを特徴とする。
前記シートバックフレームは、前記シートバックの内部に、当該シートバックにおける乗員の背中が接する面と略平行になるよう配置されており、
前記補強部は、前記乗員の背中が接する面が存在する側に突き出るように設けられていることを特徴とする。
前記補強部は、前記シートバックフレームの一部が膨出したビードであることを特徴とする。
前記補強を要する面には、当該補強を要する面に沿って延びる棒状のフレーム材が設けられていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の乗り物用シートであって、
前記補強部は、長方形をなす補強領域によって構成され、
前記補強を要する面には、複数の前記補強領域が、上下に並んで設けられており、
各前記補強領域は、
当該補強領域の上端に沿って左右方向に延びる上補強部と、
当該補強領域の下端に沿って前記上補強部と平行に左右方向に延びる下補強部と、
前記上補強部の両端と前記下補強部の両端とを繋ぐように上下方向に延びる一対の側補強部と、
前記上補強部の中間部と前記下補強部の中間部とを繋ぐ中補強部と、を備えており、
前記複数の補強領域のうち、前記段差部を有する前記補強領域と前記段差部を有しない前記補強領域が上下に隣り合って設けられていることを特徴とする。
さらに、段差部があるため、シートバックの内部に差し込まれた部材と補強部との間に間隙を生じさせることが可能となる。これにより、差し込まれた部材と補強部との接触に起因する雑音が生じなくなるので、乗員は快適に着席し続けることができる。
また、差し込まれた部材と補強部との間に間隙ができるので、この間隙が許容する範囲で、シート設計に幅を持たせることが可能となり、乗り物用シートの小型化に貢献できる。
その他にも、間隙が許容する範囲で、部材の差し込み穴の形成位置や角度を変更することも可能となる。
したがって、シートバックフレームに必要な剛性を持たせつつ、設計の自由度の高さを損なわないようにすることができる。
また、ピラーと補強部とを離間させるためにシートバックを大型化させる必要がなくなる。
また、ピラーと補強部とを離間させるためにシートバックを大型化させる必要がなくなる。
また、別部材を用いないので、シートバックフレームの重量増加を抑制することができる。
まず、本実施形態に係る乗り物用シート100の概略構成について説明する。図1は、乗り物用シート100の斜視図(説明のため、便宜的に一部の構成を透けて見えるようにしてある)である。
なお、以下の説明においては、位置や方向を、当該乗り物用シートに着席した乗員から見たものとして、すなわち、図に示した前後左右上下の矢印に従って説明する。
なお、図1には、乗用車用のシートを示したが、本発明は、バスやトラック等の他の自動車のシートに適用可能であることは勿論、鉄道や船舶、航空機等の自動車以外の乗り物のシートにも適用可能である。
また、図1には、複数人掛けのリヤシートを示したが、一人掛けのシートにも適用可能である。
シートクッション10は、図示しないシートクッションフレームや、当該シートクッションフレームを覆うパッド、当該パッドを覆う表皮等を備えている。
シートバック20は、中央部及び右側部をなす第1シートバック20Aと、左側部をなす第2シートバック20Bと、で構成されている。これらは、それぞれ独立して回動させることが可能に構成されている。
第1シートバック20Aの右側部の上部には、ヘッドレスト30Aを取り付けるための図示しない一対の差し込み穴が形成されている。
第1シートバック20Aの左側部(シートバック20の中央部)には、アームレスト40を収納するための凹部20aが形成されるとともに、その上方に固定式の中央ヘッドレスト30Bが設けられている。
なお、第1シートバックフレーム1Aの詳細については後述する。
表皮は、シートバックフレーム1A及びパッドを覆っている。
第2シートバックフレーム1Bは、第2シートバック20Bの骨子となる平板状の部材であり、第2シートバック20Bの内部に、当該第2シートバック20Bの前面と略平行になるよう配置されている。
第2シートバックフレーム1Bは、第1シートバックフレーム1Aの右側部のみを左右対称にしたものとほぼ同様の構造をしている。このため、第2シートバックフレーム1Bの詳細については、後述する第1シートバックフレーム1Aの詳細の説明をもって代えることとする。
ヘッドレスト本体30aは、ウレタン樹脂を発泡形成させたパッドと表皮からなる。
一対のピラー30bは、棒状の部材であり、ヘッドレスト本体30aの表面から、上述した一対の差し込み穴と同じ間隔を空けて平行に延びるよう突出している。
各ヘッドレスト30Aは、一対のピラー30bが、シートバック20上部に設けられた差し込み穴にそれぞれ差し込まれることにより、シートバック20に取り付けられる。差し込み穴の入口近傍には、図示しないストッパ部材が設けられており、ピラー30bを、所望の長さだけ差し込まれた(ヘッドレスト本体30aを所望の高さとした)状態で静止させることが可能である。
次に、上記第1シートバック20Aを構成する第1シートバックフレーム1Aの具体的構成について説明する。図2は第1シートバックフレーム1Aの斜視図、図3は図2の一部を拡大した斜視図、図4Aは図3のa-a断面図、図4Bは図3のb-b断面図である。
第1シートバックフレーム1Aは、図2に示したように、パネル材2や、複数のフレーム材3A~3E、ヘッドレスト支持部4、中央ヘッドレスト用ピラー5、シートベルトガイド部材用ブラケット6、一対のアームレスト用ブラケット7、クリップ保護部8等を備えている。
パネル材2の周縁部は、ほぼ全周にわたって前方(補強を要する面が向く方向)に向かって折り曲げられている。すなわち、パネル材2の全体形状はトレー状となっている。
このうち、上フレーム材3Aは、パネル材2の上端部に、当該パネル材2の上辺に沿って延びるように配置されている。
下フレーム材3Bは、パネル材2の下端部に、当該パネル材2の下辺に沿って延びるように配置されている。
中フレーム材3Cは、パネル材2の中央部を通り、当該パネル材2の側辺と平行に延びるように配置されている。
一対の側フレーム材3Dは、パネル材2の左右両側端部に、当該パネル材2の側辺に沿って延びるようにそれぞれ配置されている。
角フレーム材3Eは、パネル材2の右下部に、当該パネル材2の下辺又は右辺に対して角度(約45℃)をなして延びるように配置されている。
二つの領域2A,2Bには、パネル材2の剛性を高めるための複数の補強領域21~26が形成されている。
なお、これら補強領域21~26の詳細については後述する。
接合部41は、左右方向(上フレーム材3Aの延長方向)に延びる板状に形成され、上フレーム材3Aの前面に溶接されている。
一対のブラケット部42は、接合部41の左右両端部に、前方へ突出するように設けられている。ブラケット部42の前面42aは、図4に示したように、左右方向から見るとパネル材2の前面と角度をなしている。具体的には、下方に向かうに従ってパネル材2に近づくよう傾斜している。
上述したように、ブラケット部42の前面42aはパネル材2の前面に対して傾斜しているので、当該前面42aに溶接されるピラー支持部43の貫通方向も、パネル材2前面に対し傾斜している。
第1シートバック20Aの一対の差し込み穴にヘッドレスト30Aの一対のピラー30bがそれぞれ差し込まれると、ピラー30bがピラー保持部材31に通される。
この中央ヘッドレスト用ピラー5を覆うようにパッドが取り付けられることで、上述した中央ヘッドレスト30Bとなる。
シートベルトガイド部材用ブラケット6は、例えば樹脂等で形成された図示しないシートベルトガイド部材が取り付けられる。シートベルトガイド部材には、図示しないシートベルトが通される。
両アームレスト用ブラケット7は、上述したアームレスト40の左右方向(短手方向)の幅と同程度の間隔を空けて、前斜め上方に向かって互いに平行に延びるように設けられている。
各アームレスト用ブラケット7の先端部には、それぞれアームレスト40を軸支する軸棒を通すための軸穴7aが、互いに向かい合うように形成されている。
例えば、シートバック20内部に設けられる図示しない電気的構成(ヒーター等)から延びる配線、又は当該配線と接続される乗り物側のハーネスをパネル材2に支持するための図示しないクリップを、パネル材2の下端部であって、一対の垂下部81の間かつ水平部83の前方に配置することにより、当該クリップを後方からの衝撃から保護することができる。
次に、上記パネル材2に形成された各補強領域21~26の詳細について説明する。図5は第1シートバックフレーム1Aの一部及びピラー30bの一部を拡大した正面図、図6は図5のVI-VI断面図である。
パネル材2の右側領域2A及び中央領域2Bには、図2に示したように、複数の補強領域21~26が上下方向に並ぶように設けられている。具体的には、右側領域2Aには第1補強領域21と第2補強領域22が交互に並ぶように設けられ、中央領域2Bには第4補強領域24と第5補強領域25が交互に並ぶように設けられている。
なお、ビードの代わりに、パネル材2の前面に接合させたリブ等を補強部としてもよい。
具体的には、第1補強領域21の上端に沿って左右方向に延びる上補強部21a、第1補強領域21の下端に沿って上補強部21aと平行に延びる下補強部21b、及び上補強部21aの両端と下補強部21bとの両端とを繋ぐように上下方向に延びる一対の側補強部21cが、略長方形をなすように配置されている。
また、一対の中補強部21dが、上補強部21aの中間部と下補強部21bの中間部とを繋ぐように配置されている。各中補強部21dは、他方の中補強部21dおよび側補強部21cと間隔を空けつつ下方に向かうに従って互いに離れるよう傾斜している。
なお、隣接する補強部と補強部とは、いずれも滑らかに連接されている。つまり、略長方形をなすように配置された各補強部21a~21cは、環状になっている。
第1補強領域21の、各補強部21a~21dで囲まれることによってできる略台形状の領域には、軽量化のための穴21eがそれぞれ形成されている。
第3補強領域23は、右側領域2A内で最も下側に位置することから、パネル材2の左下の角部に設けられた角フレーム材3Eとの干渉を避けるために、第1補強領域21よりも左右方向の長さが短くされるとともに、右側の側補強部が傾斜して形成され、略台形状となるように形成されている。
第5補強領域25は、上述した第1補強領域21を左右方向に縮めた形状をしている。
第6補強領域26は、図5に示したように、6本の補強部26a~26dによって形成されている。
具体的には、第6補強領域26の上端に沿って左右方向に延びる上補強部26a、第6補強領域26の下端に沿って上補強部26aと平行に延びる下補強部26b、及び上補強部26aの両端と下補強部26bとの両端とを繋ぐように上下方向に延びる一対の側補強部26cが、略長方形をなすように配置されている。
また、一対の中補強部26dが、上補強部21aの中間部と下補強部21bの中間部とを繋ぐように配置されている。各中補強部21dは、他方の中補強部21dおよび側補強部21cと間隔を空けて配置されている。
また、一対の中補強部26dのうち、左側のものは、図5に示したように、ヘッドレスト支持部4の一対のピラー支持部43の間に位置するように設けられている。
また、右側の中補強部26dは、上端がピラー支持部43のほぼ真下に位置し、下端部がピラー支持部43の左側方に位置するように設けられている。すなわち、左側の中補強部26dは、下端部がピラー支持部43の真下を避けるように傾斜している。
下補強部26bにおける、一対のピラー支持部43の各下方に位置する部位は、他の部分よりも突き出し高さが低くなっている。具体的には、図6に示したように、高さ(パネル材2における補強部が形成されていない面から突き出し方向先端までの距離h1)が、下補強部26bの他の部分における補強部が形成されていない面から突き出し方向先端までの距離h2に比べて低くなっている。以下、この下補強部26bにおける、他の部分よりも低い部位を段差部26eと称する。
このような段差部26eを有する下補強部26bは、上述した第1補強領域21における段差部26eを有していない上補強部21aのすぐ上に位置している。すなわち、下補強部26bは、第1補強領域21の上補強部21aの近傍において、当該上補強部21aと平行に延びるように設けられている。
しかし、上述したように構成された本実施形態に係る乗り物用シート100は、突き出し高さの低い段差部26eが、第1シートバックフレーム1Aから突き出すように設けられた下補強部26bの一部であるため、段差部26eが全く形成されていない場合に比べ、第1シートバックフレーム1Aに必要な剛性を持たせることが可能となる。
さらに、段差部26eがあるため、第1シートバック20Aの内部に差し込まれたピラー30bと下補強部26bとの間に間隙を生じさせることが可能となる。これにより、ピラー30bと下補強部26bとの接触に起因する雑音が生じなくなるので、乗員は快適に着席し続けることができる。
また、ピラー30bと下補強部26bとの間に間隙ができるので、この間隙が許容する範囲で、シート設計に幅を持たせることが可能となり、乗り物用シート100の小型化に貢献できる。
その他にも、間隙が許容する範囲で、部材の差し込み穴の形成位置や角度を変更することも可能となる。
したがって、第1シートバックフレーム1Aに必要な剛性を持たせつつ、設計の自由度の高さを損なわないようにすることができる。
補強部が環状となることで、様々な方向からシートバックフレームに作用する曲げ応力に対して抗することができるようになるので、シートバックフレームの剛性向上に貢献できる。
これにより、ヘッドレスト30Aの一対のピラー30bのように、第1シートバック20Aに差し込まれる部材が複数ある場合にも対応することができるので、シート設計の自由度をより一層高めることができる。
これにより、ピラー30bを従来と同じ深さだけ差し込んでも、ピラー30bと段差部26eとの間には、段差部26eと他の部分との高さの差の分だけ隙間が生じるので、ピラー30b先端部が下補強部26bと接触するのを抑制することができる。その結果、ピラー30bと下補強部26bとの接触に起因する雑音が生じず、乗員は快適に着席することができる。
また、ピラー30bと下補強部26bとを離間させるために第1シートバック20Aを大型化させる必要がなくなる。
これにより、ピラー30bが、段差部26eの両端、すなわち、段差部26eよりも高い他の部分の端から離間することになるので、ピラー30bが下補強部26b延長方向に振動したときに、ピラー30bの先端部と下補強部26bとが接触してしまうのを抑制することができる。
これにより、段差部26eが、ピラー30bと下補強部26bとの接触を防ぐ上で必要最小限の長さに抑えられるので、第1シートバックフレーム1Aの剛性を過度に低下させてしまうのを抑制することができる。
これにより、他の部分と太さが等しく突き出し高さだけ低い段差部よりも、ピラー支持部との距離が大きくなるので、ピラー先端部が補強部と接触するのをより一層抑制することができる。
また、ピラーと補強部とを離間させるためにシートバックを大型化させる必要がなくなる。
これにより、段差部26eによって低下した分の剛性が上補強部21aによって補われるので、第1シートバックフレーム1Aの剛性を所定以上に保ちやすくなる。
これにより、第1シートバックフレーム1Aの背面側に補強部が突出しないので、第1シートバック20Aが背面側へ厚くなってしまうのを抑制することができる。
これにより、第1シートバックフレーム1Aを型押しするだけで補強部が形成されるので、別部材を接合して補強部を設ける場合に比べて補強部を容易に設けることができる。
また、別部材を用いないので、第1シートバックフレーム1Aの重量増加を抑制することができる。
これにより、段差部26eによって低下した分の剛性がフレーム材3A~3Eによって補われるので、第1シートバックフレーム1Aの剛性を所定以上に保つことができる。
これにより、左側の段差部26eが、下補強部26bにおける、中補強部26dとの結合部ではない部位に形成されるので、剛性を確保することができる。
例えば、上記実施形態では、第6補強領域26の下補強部26bに段差部を形成したが、乗り物用シートが搭載される乗り物の種類によっては、パネル材2前面とピラー支持部43の中心軸とがなす角の角度が異なり、ピラーの延長線上に、第6補強領域26の上補強部26aや、第1補強領域21の上補強部21aが位置することになる場合も考えられる。そのような場合には、ピラー中心軸の延長線上に位置することになる補強部に段差部を形成すればよい。
また、第6補強領域26を含む各補強領域21~26の形状、数、配置は、パネル材2に必要な剛性を付与することができるのであれば、必ずしも図示したものに限る必要はない。
10 シートクッション
20 シートバック
20A 第1シートバック
20a 凹部
20B 第2シートバック 1A 第1シートバックフレーム
1B 第2シートバックフレーム
2 パネル材
2A 右側領域
2B 中央領域
21 第1補強領域
21a 上補強部
21b 下補強部
21c 中補強部
21d 側補強部
21e 穴
22 第2補強領域
23 第3補強領域
24 第4補強領域
25 第5補強領域
26 第6補強領域
26a 上補強部
26b 下補強部
26c 側補強部
26d 中補強部
26e 段差部
3A 上フレーム材
3B 下フレーム材
3C 中フレーム材
3D 側フレーム材
3E 角フレーム材
4 ヘッドレスト支持部
41 接合部
42 ブラケット部
42a 前面
43 ピラー支持部
5 中央ヘッドレスト用ピラー
6 シートベルトガイド部材用ブラケット
7 アームレスト用ブラケット
7a 軸穴
8 クリップ保護部
81 垂下部
82 延出部
83 水平部
30A ヘッドレスト
30a ヘッドレスト本体
30b ピラー
30B 中央ヘッドレスト
40 アームレスト
C 中心軸
Claims (12)
- 平板状のシートバックフレームが設けられたシートバックと、
本体と、当該本体から突出する棒状の一対のピラーと、を有するヘッドレストと、を備える乗り物用シートであって、
前記シートバックフレームにおける補強を要する面には、当該補強を要する面から当該補強を要する面に沿った線状に突き出す補強部が設けられており、
前記補強部の少なくとも一部は、当該補強部における他の部分から連続するように設けられつつ、前記補強を要する面からの突き出し高さが前記他の部分よりも低い段差部となっており、
前記段差部を有する前記補強部は、前記補強を要する面に沿って水平方向に伸び、
前記段差部は、前記一対のピラーごとに別々に設けられていることを特徴とする乗り物用シート。 - 前記補強部は、長方形をなす補強領域によって構成されており、
前記補強領域は、
当該補強領域の上端に沿って左右方向に延びる上補強部と、
当該補強領域の下端に沿って前記上補強部と平行に左右方向に延びる下補強部と、
前記上補強部の両端と前記下補強部の両端とを繋ぐように上下方向に延びる一対の側補強部と、を備えて、前記補強を要する面と直交する方向から見たときの形状が環状となっており、
前記段差部は、前記上補強部と前記下補強部のうち少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。 - 前記段差部は、前記水平方向に伸びる上下方向略同一高さに設定された前記補強部に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
- 前記補強を要する面には、前記ピラーを支持するピラー支持部が設けられ、
前記段差部は、前記ピラー支持部によって支持された前記ピラーの先端部と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。 - 前記ピラー支持部は、前記ピラーを挿通可能な筒状となっており、
前記段差部の前記補強部延長方向の長さは、前記ピラーの太さよりも長くなっており、
前記段差部の前記補強部延長方向の両端は、それぞれ前記ピラー支持部に支持された前記ピラー両側面よりも当該ピラーの中心軸から遠ざかる側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の乗り物用シート。 - 前記段差部の前記補強部延長方向の幅は、前記ピラー支持部の前記補強部延長方向の幅と略等しくなっていることを特徴とする請求項4に記載の乗り物用シート。
- 前記補強部及び前記段差部は、水平方向に延びるように設けられ、
前記ピラー支持部は、前記段差部の上方に設けられており、
前記段差部は、当該段差部延長方向及び突き出し方向と直交する方向の幅が前記他の部分よりも細く、かつその上端が、前記他の部分の上端よりも下方に位置していることを特徴とする請求項5に記載の乗り物用シート。 - 前記段差部を有する前記補強部の近傍には、前記段差部を有さない他の補強部が、前記補強部と平行に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
- 前記シートバックフレームは、前記シートバックの内部に、当該シートバックにおける乗員の背中が接する面と略平行になるよう配置されており、
前記補強部は、前記乗員の背中が接する面が存在する側に突き出るように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。 - 前記補強部は、前記シートバックフレームの一部が膨出したビードであることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
- 前記補強を要する面には、当該補強を要する面に沿って延びる棒状のフレーム材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
- 前記補強部は、長方形をなす補強領域によって構成され、
前記補強を要する面には、複数の前記補強領域が、上下に並んで設けられており、
各前記補強領域は、
当該補強領域の上端に沿って左右方向に延びる上補強部と、
当該補強領域の下端に沿って前記上補強部と平行に左右方向に延びる下補強部と、
前記上補強部の両端と前記下補強部の両端とを繋ぐように上下方向に延びる一対の側補強部と、
前記上補強部の中間部と前記下補強部の中間部とを繋ぐ中補強部と、を備えており、
前記複数の補強領域のうち、前記段差部を有する前記補強領域と前記段差部を有しない前記補強領域が上下に隣り合って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
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