JP6994689B2 - 粘着組成物および粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は粘着組成物および粘着シートに関する。
粘着剤として、アクリル系粘着剤が広く用いられている。アクリル系粘着剤は、アクリル共重合体のモノマーの組成や分子量を制御、また、添加剤の組み合わせにより、粘着力やタック性などの粘着性能や、耐熱性、耐水性などの耐性、透明性の付与等の調整が比較的容易であるという特徴を有し、種々の検討が進められている。
特許文献1には、油付着被着体への良好な接着力、再剥離性、タック性、及び耐水性を備えた粘着剤として、特定のアクリル系共重合体と、イソシアネート硬化剤と、特定の粘着付与剤と、特定の剥離付与剤を含む粘着剤が開示されている。
特許文献2には、耐加湿白濁性、及び段差吸収性に優れた粘着シートとして、モノマーとして炭素数が10~16の特定の直鎖又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル30重量%以上と、親水性モノマー10質量%以上とを含むアクリル系ポリマーを含む粘着剤層を有する粘着シートが開示されている。
特許第6525098号公報 特開2013-122035号公報
粘着シートに対する更なる要求として、一部に油が付着し、他の一部には油が付着していない被着面に対しても良好な粘着力を有する粘着シートが求められている。
本発明は、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さい粘着組成物、及び粘着シートの提供を目的とする。
本発明に係る粘着組成物は、アクリル系共重合体と、粘着付与樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含有する粘着組成物であって、前記アクリル系共重合体が、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートより選択される1種以上のモノマーを80質量%以上含む共重合体である。
上記粘着組成物の一実施態様は、前記粘着付与樹脂が、ロジン系樹脂及びテルペン系樹脂より選択される1種以上を含む。
上記粘着組成物の一実施態様は、前記アクリル系共重合体が、更にカルボキシル基含有モノマーを含む共重合体である。
上記粘着組成物の一実施態様は、前記硬化剤が、エポキシ系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、及びキレート系硬化剤より選択される1種以上を含む。
本発明に係る粘着シートは、基材上に、前記粘着組成物の硬化物を含む粘着層を備える。
本発明により、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さい粘着組成物、及び粘着シートが提供される。
以下、本発明に係る粘着組成物、及び粘着シートについて順に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの各々を表し、「(メタ)アクリル」等もこれに準ずる。
本発明において「モノマーを含む共重合体」とは、共重合体が当該モノマーを重合成分として含むことを意味し、当該共重合体は当該モノマー由来の構成単位を有する。共重合体中のモノマーの割合は、共重合体を構成するモノマー全量を基準(100質量%)とする。
本発明において「粘着組成物の硬化物」とは、粘着組成物中の成分の少なくとも一部が架橋反応したものであることを意味し、例えばゲル状のものも硬化物に含まれる。
本明細書において、炭素数nの直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを、Cnアルキル(メタ)アクリレートということがある。例えば、ドデシル(メタ)アクリレートは、C12アルキル(メタ)アクリレートということがある。なおnは1以上の整数である。
また、数値範囲を示す「~」は特に断りのない限りその下限値及び上限値を含むものとする。
[粘着組成物]
本発明に係る粘着組成物(以下、本粘着組成物ともいう)は、アクリル系共重合体と、粘着付与樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含有する粘着組成物であって、前記アクリル系共重合体が、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートより選択される1種以上のモノマーを80質量%以上含む共重合体である。
本発明者は、油付着面(以下、油面ともいう)に対する粘着力と非油付着面(以下、非油面ともいう)に対する粘着力の差が小さくするために、アクリル系共重合体を構成するアルキル(メタ)アクリレートの検討を行った。その結果、C11以下アルキル(メタ)アクリレートを用いた場合、非油面への粘着力に対し、油面への粘着力が低くなる傾向がみられた。一方、C14以上アルキル(メタ)アクリレートを用いた場合には、非油面への粘着力が低下する傾向がみられた。このような知見から本発明者は、C12~C13アルキル(メタ)アクリレートを選択することで、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さくなることを見出し、C12~13アルキル(メタ)アクリレートを80質量%以上としたアクリル系共重合体と、粘着付与樹脂と、硬化剤と、溶剤とを組み合わせることで本発明を完成させた。
即ち、上記本粘着組成物は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さく、良好な粘着力を有する。またC12~C13アルキル(メタ)アクリレートを有するアクリル系共重合体は粘着付与樹脂との相溶性が向上しやすく、粘着性が向上するとともに得られる粘着層の透明性が向上する。更にC12~C13アルキル(メタ)アクリレートはC14以上アルキル(メタ)アクリレートよりもアクリル系共重合体合成時の反応性に優れ生産性に優れるとともに、粘着組成物中及び粘着層中の未反応モノマーの残留が抑制され高品質の粘着層を得ることができる。
本粘着組成物は少なくとも、アクリル系共重合体と、硬化剤と、粘着付与樹脂と、溶剤とを含有するものであり、必要に応じて、更に他の成分を含有してもよいものである。以下このような各成分について順に説明する。
<アクリル系共重合体>
本粘着組成物においてアクリル系共重合体は、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートより選択される1種以上のモノマーを80質量%以上含む共重合体を用いる。当該アクリル系共重合体を用いることで油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さく、良好な粘着力を有する粘着組成物が得られる。なお、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートにおけるドデシル基及びトリデシル基は、直鎖アルキル基である。アクリル系共重合体において、ドデシル(メタ)アクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレートの合計の含有割合は、80~100質量%であればよく、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差を小さくする点から、82~99.5質量%が好ましく、85~99質量%がさらに好ましく、90~98質量%が特に好ましい。
アクリル系共重合体は、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートより選択される1種以上を含むアクリル系(共)重合体であり、必要に応じて更に他のモノマーを含むアクリル系共重合体であってもよいものである。ドデシル(メタ)アクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレートは構造が明確であるためここでの説明は省略し、以下、他のモノマーについて説明する。
(他のモノマー)
他のモノマーは、アクリル系共重合体に種々の機能を付与し、また、物性を調整するために用いられる。モノマーは、1個以上の重合性基を有する化合物である。重合性基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。モノマー1分子中の重合性基の数は、アクリル系共重合体の粘着性や製造容易性などの点から、1~2個が好ましく、1個がより好ましい。
他のモノマーは、当該重合性基を1個以上有する公知のモノマーの中から適宜選択することができる。他のモノマーとしては、C11以下アルキル(メタ)アクリレート、C14以上アルキル(メタ)アクリレート、分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートや、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマーが好ましく、更にこれらに分類されないモノマーを含んでいてもよい。アクリル系共重合体に、硬化剤との架橋点を設ける点からは、カルボキシル基含有モノマー及び水酸基含有モノマーより選択される1種以上を含むことが好ましい。
C11以下アルキル(メタ)アクリレートは、本粘着組成物の非油面への粘着性を向上する。また、重合反応時の反応性が高く、分子量の高いアクリル系共重合体を製造しやすい。C11以下アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートが挙げられる。C11以下アルキル(メタ)アクリレートは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
C11以下アルキル(メタ)アクリレートを用いる場合、アクリル系共重合体中のC11以下アルキル(メタ)アクリレートの割合は、非油面への粘着性を向上させながら、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差を小さくする点から、0.01~20質量%が好ましく、0.1~18質量%がより好ましく、0.5~15質量%がさらに好ましい。
C14以上アルキル(メタ)アクリレートは、本粘着組成物の油面への粘着性を向上する。C14以上アルキル(メタ)アクリレートは、中でもC14~C18アクリレートが好ましい。C14以上アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。C14以上アルキル(メタ)アクリレートは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
C14以上アルキル(メタ)アクリレートを用いる場合、アクリル系共重合体中のC14以上アルキル(メタ)アクリレートの割合は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差を小さくし、未反応モノマーの残留を抑制する点から、0.01~20質量%が好ましく、0.1~18質量%がより好ましく、0.5~15質量%がさらに好ましい。
分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、粘着力向上の点から、炭素数3~12の分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートが好ましい。分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを用いる場合、アクリル系共重合体中の分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの割合は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差を小さくする点から、0.01~20質量%が好ましく、0.1~18質量%がより好ましく、0.5~15質量%がさらに好ましい。
カルボキシル基含有モノマーは、分子内に1個以上のカルボキシル基を有するモノマーである。カルボキシル基含有モノマーは、非油面に対する高い粘着力および凝集力を付与し、後述する硬化剤との組み合わせにより、当該硬化剤との架橋点となる。
カルボキシル基含有モノマー1分子中のカルボキシル基の数は、粘着層の粘着性などの点から、1~3個が好ましく、1~2個がより好ましく、1個がさらに好ましい。
カルボキシル基含有モノマーのとしては、例えば、2-カルボキシエチル(メタ)アクリレートなどのカルボキシアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、ビニル安息香酸などが挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。カルボキシル基含有モノマーは1種類を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボキシル基含有モノマーを用いる場合、アクリル系共重合体中のカルボキシル基含有モノマーの割合は、非油面に対する高い粘着力および凝集力を付与しながら油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差を小さくし、アクリル系共重合体に十分な架橋点を付与する点から、0.01~20質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく、0.5~5質量%がさらに好ましい。
水酸基含有モノマーは、分子内に1個以上の水酸基を有するモノマーである。水酸基含有モノマーは、後述する硬化剤との組み合わせにより、当該硬化剤との架橋点となる。水酸基は、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基のいずれであってもよい。
水酸基含有モノマー1分子中の水酸基の数は、粘着層の粘着性などの点から、1~3個が好ましく、1~2個がより好ましく、1個がさらに好ましい。
水酸基含有モノマーの具体例としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が好ましく、中でも、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。水酸基含有モノマーは1種類を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水酸基含有モノマーを用いる場合、アクリル系共重合体中の水酸基含有モノマーの割合は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差を小さくし、アクリル系共重合体に十分な架橋点を付与する点から、0.01~10質量%が好ましく、0.05~8質量%がより好ましく、0.1~5質量%がさらに好ましい。
更にアクリル系共重合体は、上記モノマーに分類されないモノマーを含んでいてもよい。このようモノマーとしては、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレート、4-エトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
アミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、4-アクリロイルモルフォリンなどのアミド基を有するモノマー;
酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのモノマーは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系共重合体の重量平均分子量は、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さい粘着組成物を得る点から、30万以上が好ましく、50万以上がより好ましく、80万以上がさらに好ましい。また、アクリル系共重合体の重量平均分子量は、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さい粘着組成物を得る点から、250万以下が好ましく、200万以下がより好ましく、150万以下がさらに好ましい。
なお、本発明において重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の値である。
アクリル系共重合体が、2種類以上のモノマーを含むアクリル系共重合体の場合、その結合順序は特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等いずれの形態であってもよい。製造の容易性などの点から、ランダム共重合体が好ましい。
粘着組成物中のアクリル系共重合体の含有割合は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さく良好な粘着力を有する組成物が得られる点から、アクリル系共重合体と、粘着付与樹脂と、硬化剤との合計を100質量%としたときに、30~99質量%が好ましく、40~98質量%がより好ましく、45~95質量%がさらに好ましく、55~92質量%が特に好ましい。
(アクリル系共重合体の製造方法)
アクリル系共重合体の製造方法は、モノマーの結合順序等を考慮して公知の重合法の中から適宜選択すればよい。例えばランダム共重合体の場合、ドデシル(メタ)アクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレートより選択される1種以上のモノマーと、必要に応じて他のモノマーとを混合し、更に開始剤を加えて、溶液重合、塊状重合、各種ラジカル重合など公知の重合法により重合することができる。中でも、共重合体の重量平均分子量の調整がしやすい点から、溶液重合が好ましい。
<粘着付与樹脂>
本粘着組成物において粘着付与樹脂は、前記アクリル系共重合体との組み合わせにより、主に油面に対する粘着性を向上する。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、マクロン樹脂、マクロンインデン樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さい粘着組成物を得る点から、中でもロジン系樹脂、テルペン系樹脂、又は石油系樹脂が好ましく、ロジン系樹脂、又はテルペン系樹脂がより好ましい。ロジン系樹脂及びテルペン系樹脂は粘着性が向上するとともに、C12~13アルキル(メタ)アクリレートを80質量%以上含む上記アクリル系共重合体との相溶性に優れ、粘着層の透明性も向上する。なお、粘着付与樹脂は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂;ロジンを2量化した樹脂酸を含む誘導体である重合ロジン;ロジンやロジン誘導体にグリセリンやペンタエリスリトール等を反応させて得られるロジンエステル樹脂;ロジンやロジン誘導体にフェノール類を反応させて得られるロジンフェノール樹脂;ロジンやロジン誘導体を水素化した水添ロジンなどが挙げられる。本粘着組成物においては、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さい粘着組成物を得る点から、ロジンエステル樹脂が好ましい。なおロジン系樹脂は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ロジン系樹脂は市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、荒川化学工業株式会社製、A-18、A-75、A-100、A-115、A-125(いずれもロジンエステル樹脂)などが挙げられる。
テルペン系樹脂は、天然樹脂に分類され、イソプレンを構成単位とするテルペン類(例えば、α-ピネン、β-ピネン、リモネン等)を主成分とする樹脂である。具体的には、テルペン系化合物を重合して得られるテルペン樹脂や、テルペン類やテルペン樹脂にスチレンなどの芳香族化合物を反応して得られる芳香族変性テルペン樹脂、テルペン類やテルペン樹脂にフェノール類を反応させて得られるテルペンフェノール樹脂、これらの水素添加物である、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。なおテルペン系樹脂は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
テルペン系樹脂は市販品を用いてもよい。市販品としては、ヤスハラケミカル株式会社製、YSレジンPX1000、YSレジンPX1150(いずれもテルペン樹脂)などが挙げられる。
石油系樹脂は、石油ナフサ等の石油ナフサ等の熱分解により副生する不飽和炭化水素モノマーを含有する留分を重合したものを意味し、具体的には、脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、水添石油樹脂などが挙げられる。なお石油系樹脂は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
石油系樹脂は市販品を用いてもよい。市販品としては、三井化学株式会社製、FTR-6100、FTR-6110、FTR-6125などが挙げられる。
粘着付与樹脂の軟化点は、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。また、軟化点の上限は、170℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、115℃以下がさらに好ましい。粘着付与樹脂の軟化点が上記範囲内であることで油付着面に対する接着力と再剥離性やタックを高いレベルで両立し易くなる。なお、軟化点は、JIS K5902に規定されている乾球法にしたがって測定した軟化温度である。
粘着組成物中の粘着付与樹脂の含有割合は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さく良好な粘着力を有する組成物が得られる点から、アクリル系共重合体100質量部に対して、1~70質量%が好ましく、3~60質量%がより好ましく、5~55質量%がさらに好ましく、8~50質量%が特に好ましい。
<硬化剤>
本粘着組成物は硬化剤を含有する。本粘着組成物において硬化剤は主にアクリル系共重合体を架橋するために用いられる。硬化剤による架橋により、粘着組成物の耐熱性、化学的安定性や、粘着力を向上する。硬化剤としては、例えば、エポキシ系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、キレート系硬化剤、アジリジンなどが挙げられ、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化剤は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さく良好な粘着力を有する組成物が得られ、耐熱性などにも優れる点から、エポキシ系硬化剤、又はイソシアネート系硬化剤が好ましい。
エポキシ系硬化剤は、主にアクリル系共重合体が有するカルボキシル基と反応して、アクリル系共重合体同士を架橋する。エポキシ系硬化剤は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物の中から、粘着層に求められる物性等に応じて適宜選択すればよい。
エポキシ系硬化剤の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどの鎖式多官能エポキシ化合物;
1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、グリセリントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、N-ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルアミノフェニルメタン、m-N,N-ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N-ジグリシジルトルイジンなどの環構造を有するエポキシ化合物などが挙げられ、耐熱性などの点から環構造を有するエポキシ化合物が好ましく、硬化速度の観点から分子内に窒素原子を含有する化合物が好ましい。なおエポキシ系硬化剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
イソシアネート系硬化剤は、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのイソシアネートモノマーと、トリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体;前記イソシアネートモノマーのビュレット体;前記イソシアネートモノマーのイソシアヌレート体;前記イソシアネートモノマーと、公知のポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体などの分子内に3個以上のイソシアネート基を有する化合物;
トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のイソシアネートモノマー;ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体(コロネート2770:日本ポリウレタン工業社製)などの分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物などが挙げられる。中でも、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が、粘着物性を容易に調整できるため好ましい。なお、イソシアネート基の個数は平均個数である。
粘着組成物中の硬化剤の含有割合は、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さく良好な粘着力を有する組成物が得られる点から、アクリル系共重合体100質量部に対して、0.005~15質量%が好ましく、0.01~10質量%がより好ましく、0.02~5質量%がさらに好ましく、0.03~4質量%が特に好ましい。
<溶剤>
本粘着組成物において、溶剤は、本粘着組成物を構成する各成分との反応性が低く、当該各成分を溶解乃至分散し得るものの中から、塗工性などを考慮して適宜選択することができる。
好適な溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、その他の炭化水素系溶剤等が挙げられる。溶剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<他の成分>
本粘着組成物は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、シランカップリング剤、剥離付与剤、熱または光安定剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、抗菌剤、保湿剤、ビタミン類、顔料、染料、香料などが挙げられる。これらは公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
[粘着シート]
本発明に係る粘着シート(以下、本粘着シートともいう)は、基材上に前記本粘着組成物の硬化物を含む粘着層を備えるものである。
本粘着シートは前記本粘着組成物の硬化物を含む粘着層を備えるため、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さい粘着シートとなる。
基材としては、例えば、セロハン、プラスチックシート、ゴム、発泡体、布帛、ゴム布、樹脂含浸布、ガラス板、木材等が挙げられ、板状であってもフィルム状であってもよい。なお、「シート」「フィルム」「板」は名称のみの違いであって、互いを区別するものではない。
基材は単層であってもよく、複数の層を有する積層体であってもよい。また、基材は、被着面に、反射防止性などの光学機能性、導電性、帯電防止性、ハードコート性などの各種機能性を付与する機能層を備えていてもよい。
また、基材として、表面を剥離処理した剥離性基材を用いることもできる。
上記プラスチックシートの具体例としては、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム;ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルムなどが挙げられる。
粘着層の厚みは、用途等に応じて適宜調整すればよいが、粘着性などの点から、0.1~300μmが好ましく、1~200μmがより好ましく、3~150μmが更に好ましい。
<粘着シートの製造方法>
本粘着シートは、例えば、(ア)基材に粘着組成物を塗工し、必要に応じて乾燥し、次いで加熱することにより粘着層を形成する方法;(イ)剥離処理されたフィルムの剥離処理面に粘着組成物を塗工し、必要に応じて乾燥し、粘着組成物の表面に基材を積層し、次いで加熱することにより粘着層を形成した後、剥離処理されたフィルムを除去する方法;(ウ)剥離処理されたフィルムの剥離処理面に粘着組成物を塗工し、必要に応じて乾燥し、次いで加熱することにより粘着層を形成した後、粘着層の表面に基材を積層し、剥離処理されたフィルムを除去する方法などにより製造できる。
上記(ア)の方法においては、形成された粘着層の表面に更に剥離処理されたフィルムを積層してもよい。また、上記(イ)(ウ)の方法においては、剥離処理されたフィルムの除去は、本粘着シートの使用直前であってもよい。
基材又は剥離処理されたフィルム上に本粘着組成物を塗工する方法は、公知の方法の中から適宜選択することができる。塗工方法としては、例えば、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコーター、スピンコーター等が挙げられる。
また、粘着組成物の乾燥・硬化方法は、特に限定されず、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものなどが挙げられる。加熱温度は、粘着組成物の材質、膜厚、溶剤などに応じて異なるが、通常60~130℃程度まで加熱すればよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。配合比に関しては、溶剤以外は固形分換算での値を示す。また、「部」は「質量部」を表す。
(合成例1)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」ともいう)に、ラウリルメタアクリレート96.7部、アクリル酸3部、ヒドロキシエチルアクリレート0.3部、酢酸エチル50部、過酸化ベンゾイル(BPO)0.04部を仕込んだ後、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。次いで、窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し、反応を開始した。更に、滴下漏斗に、上記反応容器に仕込んだものと同一の等量混合物を仕込み、滴下し、窒素雰囲気下にて還流温度で7時間重合反応を行った。反応終了後、冷却し、酢酸エチルを加えて希釈し、不揮発分40%、粘度5000mPa・sの共重合体溶液を得た。また、得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)を下記の方法で測定したところ、重量平均分子量は91万であった。得られた共重合体を、共重合体(A-1)とする。
(合成例2~21)
合成例1において、モノマーの種類と配合割合を、表1のように変更した以外は、合成例1と同様にしてアクリル系共重合体を合成した。得られた共重合体を順に共重合体(A-2)~(A-21)とする。
(合成例22~25:比較合成例)
合成例1において、モノマーの種類と配合割合を、表1のように変更した以外は、合成例1と同様にしてアクリル系共重合体を合成した。得られた共重合体を順に共重合体(A-22X)~(A-25X)とする。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
各共重合体のMwは、下記の条件により測定した。Mwの決定は、重量平均分子量が既知のポリスチレンを標準物質に用いた検量線法により決定した。
装置名:島津製作所社製、LC-GPCシステム「Prominence」
カラム:東ソー社製GMHXL 4本、東ソー社製HXL-H 1本を直列に連結
移動相溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.0ml/分
カラム温度:40℃
Figure 0006994689000001
なお、表1中の略号は以下のとおりである。
2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
LA :ラウリルアクリレート
LMA :ラウリルメタアクリレート
TDA :トリデシルアクリレート
TDMA:トリデシルメタアクリレート
AA :アクリル酸
HEA :ヒドロキシエチルアクリレート
IDM :イソデシルメタクリレート
SA :セチルアクリレート
(例1)
<粘着組成物の調製>
アクリル系共重合体(A-1)の100部、粘着付与樹脂A-100の40部、硬化剤tetrad Xの0.6部、希釈溶剤として酢酸エチルを混合し、撹拌して例1の粘着組成物を得た。
<粘着シートの作成>
厚さ38μmのポリエステル製セパレーター[商品名「スーパーステック」SP-PET38、リンテック社製、以下同じ]上に、乾燥後の厚みが50μmとなるように例1の粘着組成物を塗工し、熱風オーブンにて100℃、2分間乾燥して粘着剤層を形成した。乾燥後、厚さ25μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(テオネックス、帝人社製)にラミネートし、さらに23℃50%RHで7日間養生し、例1の粘着シートを得た。
(例2~44)
例1において、アクリル共重合体、粘着付与樹脂、硬化剤及び溶剤の種類と配合割合を表2のように変更した以外は、例1と同様にして粘着組成物及び粘着シートを得た。なお例1~例39が実施例であり、例40~例44が比較例である。
[評価]
<粘着力評価>
各例の粘着シートを幅25mm、長さ100mmの大きさに切り出した。次いで23℃50%RHの環境下、粘着シートからセパレーターを剥がして露出した粘着剤層を、下記被着面1~6にそれぞれ貼付し、2kgロールにより1往復させて測定試料を作製した。
この測定試料を、23℃50%RHの環境下で24時間保存した後、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で剥離強度を求めた。
非油面については剥離強度で評価し、油面については非油面の剥離強度Bに対する、油面の剥離強度Aの比(A/B)により、下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
(被着面)
被着面1:油を塗布していないステンレス(SUS)板(非油面)
被着面2:油を塗布していないポリエチレン(PE)板(非油面)
被着面3:アポロイル プロメンテSL/CF-4、出光興産社製(エンジンオイル)を表面に4g/mで均一に塗布したSUS板
被着面4:上記エンジンオイルを表面に4g/mで均一に塗布したPE板
被着面5:キャノーラ油、日清オイリオ(食品油)を表面に4g/mで均一に塗布したSUS板
被着面6:上記食品油を表面に4g/mで均一に塗布したPE板
(粘着力評価基準)
(1)油を塗布していないSUS板の評価
◎:剥離強度が12N/25mm以上であった(非常に良好)。
〇:剥離強度が9N/25mm以上、12N/25mm未満であった(良好)。
△:剥離強度が6N/25mm以上、9N/25mm未満であった(使用可)。
×:剥離強度が6N/25mm未満であった(使用不可)。
(2)油を塗布していないPE板の評価
◎:剥離強度が6N/25mm以上であった(非常に良好)。
〇:剥離強度が4N/25mm以上、6N/25mm未満であった(良好)。
△:剥離強度が2N/25mm以上、4N/25mm未満であった(使用可)。
×:剥離強度が2N/25mm未満であった(使用不可)。
(3)油(エンジンオイル又は食品油)を塗布したSUS板又はPE板の評価
◎:剥離強度が非油面の90%以上であった(非常に良好)。
〇:剥離強度が非油面の80%以上、90%未満であった(良好)。
△:剥離強度が非油面の60%以上、80%未満であった(使用可)。
×:剥離強度が非油面の60%未満であった(使用不可)。
<保持力評価>
各例の粘着シートを幅25mm・縦150mmの大きさに準備した。粘着シートから剥離性シートを剥がして、研磨した幅30mm・縦150mmのステンレス板の下端部幅25mm・横25mmの部分に粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、80℃雰囲気で1kgの荷重をかけ、7万秒放置することで保持力を測定した。評価は、粘着シート貼付面上端部が下にずれた長さを測定した。結果を表2に示す。
(保持力評価基準)
◎:0mm/70000秒であった(非常に良好)。
〇:0mm超過3.0mm未満/70000秒であった(良好)。
△:3mm超過25.0mm未満/70000秒であった(使用可)。
×:落下した(25.0mm超過)(使用不可)。
<外観評価>
各例の粘着シートから剥離性シートを剥がしてガラス板に貼り付け、目視で状態を確認した。結果を表2に示す。
(外観評価基準)
◎:透明であった(非常に良好)。
〇:わずかに白化が観察された(良好)。
×:完全に白化していた(使用不可)。
Figure 0006994689000002
Figure 0006994689000003
なお、表2中の略号は以下のとおりである。
A-100 :荒川化学工業株式会社製、A-100(ロジンエステル樹脂)
PX1000 :ヤスハラケミカル株式会社製、YSレジンPX1000(テルペン樹脂)
FTR6100 :三井化学株式会社製、FTR-6100(石油系樹脂)
tetrad X:三菱ガス化学株式会社製、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン(エポキシ系硬化剤)
TDI-TMP :トルエンジイソシアネート‐トリメチロールプロパンアダクト体(イソシアネート系硬化剤)
AL :アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(キレート系硬化剤)
[結果のまとめ]
表2に示されるように、C12~13アルキル(メタ)アクリレートを80質量%以上含むアクリル系共重合体と、粘着付与樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含有する例1~例39の粘着組成物を用いて得られた粘着シートは、良好な粘着力を有し、油付着面に対する粘着力と非油付着面に対する粘着力の差が小さいことが明らかとなった。中でも粘着付与樹脂として、ロジン系樹脂又はテルペン系樹脂を用いた例1~例25では、より粘着力の差が小さくなることが明らかとなった。また、粘着付与樹脂としてロジン系樹脂を用いた例1~19では、透明性に優れていることも明らかとなった。

Claims (4)

  1. アクリル系共重合体と、粘着付与樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含有する粘着組成物であって、前記アクリル系共重合体が、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートより選択される1種以上のモノマーを80質量%以上含む共重合体であり、
    前記粘着付与樹脂が、ロジン系樹脂を含む、粘着組成物。
  2. 前記アクリル系共重合体が、更にカルボキシル基含有モノマーを含む共重合体である、請求項1に記載の粘着組成物。
  3. 前記硬化剤が、エポキシ系硬化剤、及びイソシアネート系硬化剤より選択される1種以上を含む、請求項1又は2に記載の粘着組成物。
  4. 基材上に、請求項1~3のいずれか一項に記載の粘着組成物の硬化物を含む粘着層を備える、粘着シート。
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