JP6994484B2 - 高脂血症を処置するためのpcsk9阻害剤の使用 - Google Patents
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Description
細には、本発明の方法は、スタチン非応答性である患者、スタチン治療で制御不良である患者、スタチンに不耐性である患者、またはスタチン治療に対する有害反応歴を有する患者を含む、スタチン治療を受けていない高脂血症を有する患者の処置に有用である。
る方法であって、(a)スタチンに不耐性であるまたはスタチン治療に対する有害反応歴を有する患者を選択すること;および(b)該患者にPCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することを含む前記方法を提供する。
死性心血管疾患リスクSCOREと定義される中等度の心血管リスクを有する。いくつかの実施形態において、患者は、PCSK9阻害剤の投与前または投与時に、5%以上の算定10年致死性心血管疾患リスクSCOREと定義される高い心血管リスクを、(i)中等度慢性腎疾患、(ii)標的臓器障害を有さない1型糖尿病、(iii)標的臓器障害を有さない2型糖尿病、および/または(iv)heFHのうち1つまたはそれ以上と共に有する。いくつかの実施形態において、患者は、PCSK9阻害剤の投与前または投与時に、(i)記録された冠動脈心疾患;(ii)虚血性脳卒中;(iii)末梢性脳卒中;(iv)末梢動脈疾患(PAD);(v)一過性脳虚血発作(TIA);(vi)腹部大動脈瘤;(vii)症状のない>50%の頸動脈閉塞;(viii)頸動脈内剥離;(ix)頸動脈ステント術;(x)腎動脈狭窄;(xi)腎動脈ステント術;(xii)標的臓器障害を有する1型糖尿病;および/または(xiii)標的臓器障害を有する2型糖尿病うちの1つまたはそれ以上と定義される非常に高い心血管リスクを有する。
の脂質成分の血清レベルを改善する方法であって、(a)スタチンに不耐性であるまたはスタチン治療に対する有害反応歴を有する、中等度の、高いまたは非常に高い心血管リスクを有する患者を選択すること;および(b)抗PCSK9抗体の複数の用量を1用量当たり約75~150mgの投薬量で2週間に約1回の投薬頻度で該患者に投与することを含み、抗PCSK9抗体での約24週間の処置後の、1つまたはそれ以上の脂質成分の血清レベルの改善が、(a)患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の少なくとも35%の低減;(b)患者のアポリポタンパク質B(アポB)の少なくとも25%の低減;(c)患者の非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)の少なくとも30%の低減;(d)患者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;および(e)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも15%の低減からなる群から選択される前記方法を提供する。
者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;および(e)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも15%の低減からなる群から選択される。
別段の定義がない限り、本明細書において用いる全ての専門および科学用語は、当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。
を含むペプチドまたはポリペプチドを指す。そのような断片は、例えば、アミノ末端でのトランケーションから生じることもあり、カルボキシ末端でのトランケーションから生じることもあり、および/またはアミノ酸配列からの残基の内部欠失から生じることもある。断片は、例えば、選択的RNAスプライシングの結果として生じることもあり、またはインビボプロテアーゼ活性の結果として生じることもある。特定の実施形態において、PCSK9断片は、PCSK9ポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも50、少なくとも100アミノ酸残基、連続する少なくとも125アミノ酸残基、連続する少なくとも150アミノ酸残基、連続する少なくとも175アミノ酸残基、連続する少なくとも200アミノ酸残基、または連続する少なくとも250アミノ酸残基のアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを含む。特異的実施形態において、PCSK9ポリペプチドの断片、またはPCSK9抗原と特異的に結合する抗体の断片は、完全長ポリペプチドまたは抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つまたは少なくとも3つの機能を保持する。
する、またはPCSK9、例えばhPCSK9、の結果である、任意の疾患を指す。特定の実施形態において、PCSK9は、異常に(例えば高度に)発現される。いくつかの実施形態において、PCSK9は、異常にアップレギュレートされる。他の実施形態では、正常な、異常なまたは過剰な細胞シグナル伝達がPCSK9のPCSK9リガンドとの結合によって引き起こされる。特定の実施形態において、PCSK9リガンドは、PCSK9受容体である。特定の実施形態において、PCSK9媒介疾患または状態は、総コレステロールレベル上昇;低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベル上昇;高脂血症;脂質異常症;高コレステロール血症、特に、スタチンによって制御されていない高コレステロール血症、高コレステロール血症、例えば家族性高コレステロール血症または非家族性高コレステロール血症、およびスタチンによって制御されていない高コレステロール血症;アテローム性動脈硬化症;ならびに心血管疾患からなる群から選択される。
本発明は、とりわけ、スタチン非応答性である患者、スタチン治療で制御不良である患者、スタチンに不耐性である患者またはスタチン治療に対する有害反応歴を有する患者を含む、スタチン治療を受けていない高脂血症を有する患者の処置に有用な、方法および組
成物を含む。
低承認1日用量に対して1つまたはそれ以上のスタチン関連有害反応を示す場合、「スタチン不耐性」または「スタチンに不耐性」である。特定の実施形態において、患者は、最低承認錠剤サイズの7倍の累積週間スタチン用量を耐容できない場合、「スタチン不耐性」または「スタチンに不耐性」である。本発明の他の実施形態によると、患者は、低用量スタチン治療を耐容できるが(例えば、標的LDL-Cレベルに達するように)用量が増加されると症状を発症する場合、「スタチン不耐性」または「スタチンに不耐性」である。
特定の実施形態によると、本発明の方法によって処置可能である患者は、高コレステロール血症を含む高脂血症を有する(本明細書では「高コレステロール血症患者」と呼ぶこともある)。「高コレステロール血症」は、本明細書において用いる場合、患者の心血管リスク(「CVリスク」)に依存して、70mg/dL以上の血清LDL-C濃度、または100mg/dL以上の血清LDL-C濃度を含む。例えば、非常に高いCVリスクを有する患者(本明細書中の他の箇所で定義する通り)については、患者の血清LDL-C濃度が約70mg/dL以上である場合、その患者は高コレステロール血症を有するとみなされる。中等度のまたは高いCVリスクを有する患者(本明細書中の他の箇所で定義する通り)については、患者の血清LDL-C濃度が約100mg/dL以上である場合、その患者は高コレステロール血症を有するとみなされる。
本発明は、とりわけ、高コレステロール血症患者、例えばスタチンに不耐性である高コレステロール血症患者を含む、高脂血症を有する患者のスタチン使用量の削減または低減に有用な、方法および組成物を含む。本発明のこの態様による方法は、(a)毎日の治療スタチンレジメンを受けているまたはを受けていた、スタチンに不耐性であるまたはスタチン治療に対する有害反応歴を有する患者を選択すること;および(b)該患者の毎日の治療スタチンレジメンを中止するまたは低減させること;および(c)該患者にPCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することを含む。本発明のこの態様の特定の実施形態によると、患者の毎日の治療スタチンレジメンは、PCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上の患者への投与を含む処置の治療コース開始時または開始直前に完全に中止されることもある。他の実施形態において、患者の毎日の治療スタチンレジメンは、PCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上の患者への投与を含む処置の治療コース開始時または開始直前に漸減されることもある。本発明のこの態様に関連して、スタチンレジメンの漸減は、患者に投与するスタチンの量を低減させることおよび/または患者へのスタチンの投与頻度を減少させることを含むこともある。本発明のこの態様によるスタチンレジメンの漸減は、患者がスタチンの代わりにPCSK9阻害剤を受けているときに該患者によるスタチン使用量の完全削減をもたらすこともある。この点において、患者によるスタチン使用量を低減させるまたは削減する上に、PCSK9阻害剤の投与によって患者の高コレステロール血症の適切な処置をなお可能にすることにより、患者に対するスタチンの有害作用は低減または削減される。
本発明の方法は、LDL-C、アポB100、非HDL-C、総コレステロール、VLDL-C、トリグリセリド、Lp(a)および/またはレムナントコレステロールからなる群から選択される1つまたはそれ以上の脂質成分の血清レベルの低減と、アポA-1の増加をもたらす。
者は、ベースラインから約47%のLDL-Cレベルの低減、ベースラインから約41%の非HDL-Cレベルの低減、ベースラインから約37%のアポBレベルの低減、および/またはベースラインから約30%の総コレステロールレベルの低減からなる群から選択される1つまたはそれ以上の脂質パラメータ改善を示す。本発明のこの態様による方法は、抗PCSK9抗体での処置開始前または開始と同時に患者のバックグラウンド脂質修飾治療を中止することを含むこともある。
本発明の方法は、PCSK9阻害剤を含む治療用組成物を患者に投与することを含む。本明細書において用いる場合、「PCSK9阻害剤」は、ヒトPCSK9と結合し、またはヒトPCSK9と相互作用し、かつインビボまたはインビトロでPCSK9の正常な生物学的機能を阻害する、任意の薬剤である。PCSK9阻害剤のカテゴリーの非限定的な例としては、小分子PCSK9アンタゴニスト、ペプチドベースのPCSK9アンタゴニ
スト(例えば、「ペプチボディ」分子)、およびヒトPCSK9に特異的に結合する抗体または抗体の抗原結合断片が挙げられる。
ドメインは、いずれのサイズまたはアミノ酸組成のものであり、一般的には、1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列に隣接しているまたは1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列とインフレームである少なくとも1つのCDRを含むことになる。VLドメインと会合しているVHドメインを有する抗原結合断片の場合、VHおよびVLドメインは、互いに対してあらゆる好適な配置で位置することができる。例えば、可変領域は、二量体であり、VH-VH、VH-VLまたはVL-VL二量体を含有することがある。あるいは、抗体の抗原結合断片は、単量体VHまたはVLドメインを含有することもある。
た組換え発現ベクターを使用して発現される抗体(さらに下で説明する)、組換え体から単離された抗体、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリー(下でさらに説明する)、ヒト免疫グロブリン遺伝子が遺伝子導入されている動物(例えばマウス)から単離された抗体(例えば、Taylorら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287~6295を参照されたい)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段によって製造、発現、生成もしくは単離された抗体を含むことを意図したものである。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する。しかし、特定の実施形態において、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列が遺伝子導入された動物を使用する場合にはインビボ体細胞突然変異)に付されるので、該組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系VHおよびVL配列に由来し、ヒト生殖細胞系VHおよびVL配列と類縁の配列だが、インビボでヒト抗体生殖細胞系レパートリー内に天然に存在できない配列である。
離することが極めて難しかった。
K9に特異的に結合する単離された抗体は、他の(非ヒト)種からのPCSK9分子などの、他の抗原への交差反応性を有する。
定数を指すことを意図したものである。
リロクマブ、エボロクマブ、ボコシズマブ、またはそれらの抗原結合部分を含む。
トランスジェニックマウスでヒト抗体を産生する方法は当技術分野において公知である。任意のそのような公知の方法を本発明に関連して使用して、ヒトPCSK9と特異的に結合するヒト抗体を作製することができる。
57、165、173、181および189からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、重鎖可変領域(HCVR)に含有された3つの重鎖CDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)を含む任意の抗体または抗原結合断片が挙げられる。抗体または抗原結合断片は、配列番号6および15からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、軽鎖可変領域(LCVR)に含有された3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含むことがある。あるいは、抗体または抗原結合断片は、配列番号41、49、57、65、73、81、89、97、105、113、121、129、137、145、153、161、169、177、185および193からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、軽鎖可変領域(LCVR)に含有された3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含むこともある。
たは抗原結合タンパク質は、アミノ酸残基30のロイシンのヒスチジンでの置換(L30H)を含む、配列番号11のHCVRアミノ酸配列および配列番号15のLCVRアミノ酸配列を含む。
本発明は、医薬組成物に含有されているPCSK9阻害剤を患者に投与することを含む方法を含む。本発明の医薬組成物は、好適な担体、賦形剤、および好適な転移、送達、耐性などをもたらす他の薬剤を用いて製剤化される。多くの適切な製剤を全ての薬剤師に公知の処方集:Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PAにおいて見つけることができる。これらの製剤としては、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、(カチオン性またはアニオン性)脂質含有ビヒクル(例えば、LIPOFECTIN(商標))、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト、水中油型および油中水型エマルジョン、エマルジョンカルボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、ならびにカルボワックスを含有する半固体混合物が挙げられる。Powellら、「Compendium of excipients for parenteral formulations」、PDA(1998)J Pharm
Sci Technol 52:238~311も参照されたい。
penhagen、Denmark)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)、OPTIPEN(商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、ならびにOPTICLIK(商標)(sanofi-aventis、Frankfurt、Germany)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物の皮下送達に利用される使い捨てペン型送達デバイスの例としては、ほんの数例を挙げると、SOLOSTAR(商標)ペン(sanofi-aventis)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk)およびKWIKPEN(商標)(Eli Lilly)、SURECLICK(商標)オートインジェクター(Amgen、Thousand Oaks、CA)、PENLET(商標)(Haselmeier、Stuttgart、Germany)、EPIPEN(Dey,L.P.)およびHUMIRA(商標)ペン(Abbott
Labs、Abbott Park IL)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法に従って患者に投与されるPCSK9阻害剤(例えば、抗PCSK9抗体
)の量は、一般に治療有効量である。本明細書において用いる場合、「治療有効量」という句は、LDL-C、アポB100、非HDL-C、総コレステロール、VLDL-C、トリグリセリド、Lp(a)およびレムナントコレステロールからなる群から選択される1つまたはそれ以上のパラメータの(ベースラインから少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%またはそれ以上の)検出可能な低減をもたらすPCSK9阻害剤の量を意味する。
本発明の特定の実施形態によると、1つまたはそれ以上の非スタチン脂質修飾治療をPCSK9阻害剤と併用して患者に投与することができる。そのような非スタチン脂質修飾治療の例としては、例えば、(1)コレステロール吸収阻害剤を阻害する薬剤(例えば、エゼチミブ);(2)リポタンパク質異化作用を増加させる薬剤(例えば、ナイアシンおよび徐放性ナイアシンを含む、ニコチン酸);(3)フィブリン酸、(4)胆汁酸封鎖剤および/または(5)コレステロール削減に関与するLXR転写因子の活性化剤(例えば、22-ヒドロキシコレステロール)が挙げられる。
本発明の特定の実施形態によると、PCSK9阻害剤(すなわち、PCSK9阻害剤を含む医薬組成物)の複数の用量を被定義時間にわたって(例えば、毎日の治療スタチンレジメンの代わりに)患者に投与することができる。本発明のこの態様による方法は、PCSK9阻害剤の複数の用量を患者に逐次的に投与することを含む。本明細書において用いる場合、「逐次的に投与すること」は、PCSK9阻害剤の各用量を患者に異なる時点で、例えば、所定の間隔(例えば、数時間、数日、数週間または数カ月)隔てた異なる日に投与することを意味する。本発明は、患者のPCSK阻害剤の単一初回用量、その後、PCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上の第2の用量、場合によりその後、PCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上の第3の用量を逐次的に投与することを含む方法を含む。
医薬組成物の個々の用量の投与についての時系列を指す。したがって、「初回用量」は、処置レジメンの開始時に投与される用量(「ベースライン用量」とも呼ばれ)であり;「第2の用量」は、初回用量後に投与される用量であり、「第3の用量」は、第2の用量後に投与される用量である。初回、第2および第3の用量は、全て同じ量のPCSK9阻害剤を含有することもあるが、一般には投与頻度の点から互いに異なることがある。しかし、特定の実施形態において、初回、第2および/または第3の用量に含有されるPCSK9阻害剤の量は、処置の過程で互いに変動する(例えば、必要に応じて上方または下方調整される)。特定の実施形態では、2用量またはそれ以上の(例えば、2、3、4または5)用量が「負荷用量」として処置レジメンの開始時に投与され、その後、より低頻度で投与される後続の用量(例えば、「維持用量」)が投与される。
間ごとに患者に投与され、第8週に患者のLDL-C値が70mg/dl未満であり、LDL-Cの30%低減であった場合、用量はさらに12週間、4週間ごとの150mgのままである。
ヒト抗PCSK9抗体を米国特許8,062,640号に記載されているように産生させた。以下の実施例で使用する例示的PCSK9阻害剤は、「REGN727」または「アリロクマブ」としても公知の「mAb316P」と称するヒト抗PCSK9抗体である。mAb316Pは、次のアミノ酸配列特性を有する:配列番号5を含む重鎖および配列番号9を含む軽鎖;配列番号1を含む重鎖可変領域(HCVR)および配列番号6を含む軽鎖可変領域(LCVR);配列番号2を含む重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号3を含むHCDR2、配列番号4を含むHCDR3、配列番号7を含む軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、配列番号8を含むLCDR2、および配列番号10を含むLCDR3。
高コレステロール血症、詳細には低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルの増加は、西欧諸国における死亡および身体障害の主因である、アテローム性動脈硬化症およびCHDの発症の大きなリスクとなる。LDL-Cは、コレステロール低下治療の主要標的とされており、妥当な代替エンドポイントとして受け入れられている。主としてスタチンでの3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタリル-CoAレダクターゼ(HMG CoA)阻害によってLDL-Cレベルを低減させることが、LDL-CレベルとCHDイベントとの強い直接的関係のためCHDリスクを低減させることは、非常に多くの研究によって立証されており;LDL-Cが1mmol/L(約40mg/dL)低減するごとに、心血管疾患(CVD)死亡率および罹病率は22%低下される。
の用量のSC投与を用いた)。第3の研究は、(家族性または非家族性)高コレステロール血症患者において、アトルバスタチンの10mg~40mg/日の安定した用量へのアドオンとして、または単剤治療として、50mg、100mg、150mgおよび200mgの単回~複数回SC投与を用いて行った。
本実施例では、第3相治験を行って、単剤治療として投与した時のmAb316Pの効能および安全性を評価した。
単剤治療研究のための研究対象集団は、LDL-Cが100mg/dL(2.59mmol/L)~190mg/dL(4.9mmol/L)の間である患者であった。
前臨床疾患の徴候がない見掛けは健常な人のリスク推定を助長することを目的としたものである。SCOREは、総コレステロール、年齢、性別、喫煙および収縮期BPに基づいてCV死の10年リスクを測定するものである。このリスクレベルは、非スタチン対照実薬(active comparator)での単剤治療研究に即して適切であると考えた。
全ての患者を最初に75mg Q2Wで処置し、8週間の処置後にLDL-Cレベルが100mg/dL以上のままであった患者のみを第12週以降、150mg Q2Wにアップタイトレーションした。
この単剤治療研究の主要目的は、中等度の心血管(CV)リスクのある高コレステロール血症を有する患者においてエゼチミブ(EZE)10mg/日と比較して単剤治療としての2週間ごと(Q2W)のmAb316Pによる24週間の処置後の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の低減を立証することであった。
これは、高コレステロール血症と10年リスクスコア(SCORE)21%かつ<5%とを有する患者においてmAb316Pの効能および安全性を評価するための、無作為化、二重盲検、並行群間、ダブルダミー、エゼチミブ対照、釣り合いのとれた(1:1、mAb316P:エゼチミブ)、多施設、多国籍研究であった。無作為化をDM状態に従って階層化した。無作為化後、患者は、24週間にわたって隔週の二重盲検研究処置(mAb316Pまたはプラセボ)および毎日のエゼチミブまたはエゼチミブのプラセボ POを受けた。mAb316Pに無作為化された患者には第8週のLDL-Cレベルに依存して第12週に用量アップタイトレーションを行うこともあった。二重盲検処置期間(DBTP)の最終訪問後8週間、患者を追跡した。この研究デザインを図1に示す。
この研究は、スクリーニング、二重盲検処置および追跡調査の3期間からなった。
研究継続期間は、2週間以下のスクリーニング期間と、効能および安全性評価のための24週間の二重盲検処置期間と、DBTPの最終訪問後の全ての患者についての8週間の処置後追跡調査期間とを含んだ。したがって、患者1名当たりの研究継続期間は、約34週間であった。
この研究の標的集団は、系統的冠動脈リスク推定(SCORE)に基づいて10年リスクスコア≧1%かつ<5%で定義される中等度の心血管(CV)リスクがあり、署名された文書によるインフォームドコンセントを同封した、高コレステロール血症を有する患者であった。
1.第2週(スクリーニング、V1)に、LDL-C<100mg/dLまたは>190mg/dL(それぞれ、<2.59mmol/Lまたは>4.9mmol/L)。
ーニング時に特定される何らかの臨床的に有意な異常、例えば重大な全身性疾患、余命の短い患者;または(2)治験責任医師または任意の治験補助医師によって何らかの理由でこの研究に不適切とみなされる患者、例えば、(a)予定された訪問などの特定のプロトコール要件を満たすことができないと判断される患者;(b)患者もしくは治験責任医師により長期間の注射を投与もしくは耐容することができないと判断される患者;(c)治験責任医師もしくは任意の治験補助医師、薬剤師、研究コーディネーター、プロトコールの実施に直接関与する他の研究スタッフもしくは親族など;または(d)治験責任医師が研究継続期間に患者の参加を限定もしくは制限することになると感じる、実際のまたは予測される何らかの他の条件(例えば、地理的、社会的条件)の存在。
29.それぞれの国の製品表示に示されている通りの対照実薬(エゼチミブ)に対する全ての禁忌または使用についての警告/注意(適宜)
30.モノクローナル抗体治療に対する既知過敏症
注記:出産可能な女性は、スクリーニングおよび無作為化訪問時に妊娠検査陰性が確認されていなければならない。彼女たちは、この研究を通して有効な避妊法を用いなければならず、指定訪問時に尿妊娠検査を繰り返すことに同意しなければならない。適用される避妊方法は、ヒト治験実施のための非臨床的安全性研究および薬剤の市販承認に関するガイダンスの覚書に従って、非常に有効な受胎調整方法の基準を満たさなければならない。閉経後女性は、少なくとも12カ月間、無月経でなければならない。
被験薬(IMP)および投与
滅菌mAb316P薬物を75mg/mLと150mg/mLの両方の濃度で体積1mLとして自己注射器に供給した。mAb316Pの滅菌プラセボは、自己注射器にタンパク質を体積1mLとして加えたことを除いて、mAb316Pと同じ処方で製造した。
取り出して室温の安全な場所に約30~40分間、置かなければならなかった。その後、できる限り速やかにIMPを投与すべきであった。
主要効能エンドポイント
主要効能エンドポイントは、次のように定義される、ベースラインから第24週までの算定LDL-Cの変化率であった:100×(第24週における算定LDL-C値-ベースラインでの算定LDL-C値)/ベースラインでの算定LDL-C値。
重要な副次的効能エンドポイント
(1)ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率:第12週における算定LDL-Cが第12週分析ウィンドウ内および12週間の効能期間中に得たLDL-Cレベルであったことを除いて、上記と同様の定義および規則。12週間の効能期間は、初回二重盲検IMPから、第6訪問再補給IVRSコンタクト、または最後の二重盲検IMP注射の最大21日後、いずれか早いほう、までの期間と定義した。第6訪問再補給IVRSコンタクトの日に採集した血液サンプルは、タイトレーション前とみなした。
(2)ベースラインから第24週までのアポBの変化率。主要エンドポイントについてのものと同じ定義および規則。
(3)ベースラインから第24週までの非HDL-Cの変化率。主要エンドポイントについてのものと同じ定義および規則。
(4)ベースラインから第24週までの総Cの変化率。主要エンドポイントについてのものと同じ定義および規則。
(5)ベースラインから第12週までのアポBの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率についてのものと同じ定義および規則。
(6)ベースラインから第12週までの非HDL-Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率についてのものと同じ定義および規則。
(7)ベースラインから第12週までの総Cの変化率。ベースラインから第12週まで
の算定LDL-Cの変化率についてのものと同じ定義および規則。
(8)主要エンドポイントについて用いた定義および規則を用いて、第24週にLDL-C目標<100mg/dl(2.59mmol/L)に達する患者の割合。
(9)主要エンドポイントについて用いた定義および規則を用いて、第24にLDL-C目標<70mg/dl(1.81mmol/L)に達する患者の割合。
(10)ベースラインから第24週までのLp(a)の変化率。主要エンドポイントについてのものと同じ定義および規則。
(11)ベースラインから第24週までのHDL-Cの変化率。主要エンドポイントについてのものと同じ定義および規則。
(12)ベースラインから第12週までのHDL-Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率についてのものと同じ定義および規則。
(13)ベースラインから第12週までのLp(a)の変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率についてのものと同じ定義および規則。
(14)ベースラインから第24週までの空腹時TGの変化率。主要エンドポイントについてのものと同じ定義および規則。
(15)ベースラインから第12週までの空腹時TGの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率についてのものと同じ定義および規則。
(16)ベースラインから第24週までのアポA-1の変化率。主要エンドポイントについてのものと同じ定義および規則。
(17)ベースラインから第12週までのアポA-1の変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率についてのものと同じ定義および規則。
(18)第12週にLDL-C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合。
(19)第12週にLDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合。
(20)ベースラインから第12および24週までのLDL-Cの絶対変化(mg/dLおよびmmol/L)。
(21)ベースラインから第12週まで、そして第24週までのアポB/アポA-1比の変化。
(22)第12週および第24週にアポB<80mg/dL(0.8g/L)である患者の割合。
(23)第12および24週に非HDL-C<100mg/dL(2.59mmol/L)である患者の割合。
(24)第12および24週にLDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)である、および/またはLDL-Cの?50%低減(LDL-C?70mg/dL[1.81mmo/L]の場合)を有する、患者の割合。
脂質パラメータ
総C、HDL-C、TG、アポB、アポA-1およびLp(a)を直接測定した。全ての訪問(-第1週および追跡調査訪問を除く)時にフリードワルドの式を用いてLDL-Cを算定した。TG値が400mg/dL(4.52mmol/L)を超えていた場合には、中央検査室は、それを算定せずに(ベータ定量法によって)LDL-Cを再帰的に測定した。非HDL-Cは、総CからHDL-Cを減算することによって算定した。アポB/アポA-1比を算定した。
安全性データの観察は、次の通りであった:
処置前期間:処置前観察期間は、インフォームドコンセント署名から二重盲検IMPの初回投与までと定義した。
臨床検査データは、検尿および血液分析、血液学(RBC数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板、WBC数と白血球百分率数)、標準的化学(グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、リン、尿窒素、クレアチニン、尿酸、総タンパク質、LDH、アルブミン、γ-グルタミルトランスフェラーゼ[γGT])、C型肝炎抗体、肝パネル(ALT、AST、ALPおよび総ビリルビン)、およびCPKからなった。
。
第1日/第0週(無作為化訪問)後の全ての訪問について、特定の日数の時間枠を許可した。第12および24週の訪問についてのウィンドウ期は±3日であり、ならびに二重盲検処置期間および追跡調査期間中の全ての他の実施施設訪問についてのウィンドウ期は±7日であった。無作為化訪問(第1日/第0週)および注射トレーニングのためのスクリーニング訪問(-第1週)には+3日のウィンドウ期を許可した。
この研究を通して全ての実施施設訪問について午前中、空腹状態(すなわち、一晩、少なくとも10~12時間絶食し、喫煙を自制する)で行うべきである。採血前48時間以内のアルコール摂取および24時間以内の激しい身体運動をやめさせた。
1処置アーム当たり患者45名のサンプルサイズは、以前のmAb316P試験(McKenneyら、「Safety and efficacy of a monoclonal antibody to proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 serine protease, SAR236553/REGN727, in patients with primary hypercholesterolemia receiving ongoing stable atorvastatin therapy」、J Am Coll Cardiol、第59巻、2344~2353頁(2012))に基づいて25%の共通標準偏差(SD)を仮定して、5%の有意性で、両側t検定を用いて、ベースラインから第24週までのLDL-C変化率に関してmAb316Pとエゼチミブ間で20%
の平均差を検出するために95%検出力を有するように算定した。
comprehensive comparison based on simulation study and 25 NDA datasets」、J Biopharm Stat、第19巻、227~246頁(2009);National Research Council、「The Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical Trials」、Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials.Committee on National Statistics、Division of Behavioral and Social Sciences and Education、2010、Washington,DC:The National Academies Press;Andersenら、「On the practical application of mixed effects models for repeated measures to clinical trial data」、Pharm Stat.、第12巻、7~16頁(2013))によって考慮した。ITT解析のために、第4~24週の計画された時点(第4、8、12、16および24週を意味する)での全ての入手可能な測定値を、状態がオンまたはオフトリートメントであれば何れも、MMRMで用いた。1つのMMRMモデルをLDL-Cのために用いて、第24および12週における最小二乗平均推定値および処置アーム間比較を得た。このモデルに関するさらなる詳細を下で与える。オントリートメント解析のために、第4~24週の計画された時点での全ての入手可能なオントリートメント測定値(すなわち、最終注射の最大21日後/最終カプセルの3日後、いずれか早いほう、まで)をMMRMモデルで用いた。ITT解析の場合と同じように、1つのモデルを用いて、オントリートメント解析についての第24および12週における推定値および比較を得た。Lp(a)およびトリグリセリド以外の連続する重要な副次的エンドポイントを主要エンドポイントと同様に解析した。副次的エンドポイントおよびサブグループ解析のための統計的方法論の説明を下で与える。
MMRMは、処置群(mAb316P対エゼチミブ)、時点(第4、8、12、16および24週)および処置/時点相互作用の固定カテゴリー効果、ならびにベースライン低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)値およびベースライン値/時点相互作用の連続固定共変量を含んだ。このモデルからのアウトプットは、両方の処置群についての第24週におけるベースライン調整最小二乗(LS)平均推定値とそれらの対応する標
準誤差(SE)であった。適切な定数定義文を用いて、これらの推定値間の差を両側5%アルファレベルで検定した。一次解析のロバスト性を評価するために、および群間のオントリートメント結果を比較するために、オントリートメントで収集したLDL-C値にもMMRMモデルを適用した。
様々なサブグループにわたって処置効果の均一性を評価するために、処置/サブグループ因子、時点/サブグループ因子および処置/時点/サブグループ因子相互作用の項ならびにサブグループ因子の項を一次MMRMモデルに加えた。対象とするサブグループは、ボディーマスインデックス(BMI)≧30kg/m2;性別;地域(北米、西欧);年齢≧65歳;ベースラインLDL-C(≧130または≧160mg/dL);ベースライン高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)<40mg/dL;ベースライン空腹時トリグリセリド≧150mg/dL;ベースラインリポタンパク質(a)[Lp(a)]≧30mg/dL;およびベースライン遊離プロタンパク質転化酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)レベル(中央値より下/上)を含んだ。
重要な副次的エンドポイントを解析するために、階層法を用いて第1種過誤を制御し、多重性を処理した。上に与えた指示を順次用いて、治療企図集団に関して副次的効能エンドポイントを検定した。Lp(a)およびトリグリセリドを除いて、連続する重要な副次的エンドポイント(第12週における副次的エンドポイントを含む)は、処置群、第24週までの計画された時点および処置/時点相互作用の固定カテゴリー効果、ならびに対応するベースライン値およびベースライン値/時点相互作用の連続固定共変量を用いて、主要エンドポイントの場合と同じMMRMモデルを使用して、解析した。Lp(a)およびトリグリセリド(非ガウス分布を有する)ならびに2値エンドポイント(LDL-C<100mg/dLおよび<70mg/dLである患者の割合)は、欠測値を処理するための多重代入法アプローチを用いて解析した。Lp(a)およびトリグリセリドについては、多重代入法の後、効果として処置群および対応するベースライン値を用いるロバスト回帰モデルを続けた。2値エンドポイントについては、多重代入法の後、効果として処置群および共変量として対応するベースライン値を用いるロジスティック回帰を続けた。オントリートメント値を用いて上で説明したのと同じ統計アプローチを用いて、重要な副次的エンドポイントの感度解析を適用した。
スクリーニングした患者204名のうち、103名がこの研究の適格基準を満たし、彼らを無作為化した(mAb316Pアームに52名およびエゼチミブアームに51名;図2)。ベースライン特性および脂質パラメータは、2つの研究アームにわたって一般に均等に分布していた(表1)。合計4名(mAb316Pアームの3名およびエゼチミブアームの1名)の患者は、スクリーニング時に糖尿病を有すると特定された。平均ベースラインLDL-Cレベルは、mAb316Pアームでは141.1mg/dL(3.65mmol/L)およびエゼチミブアームでは138.3mg/dL(3.58mmol/L)であった(表1)。
ベースライン値を表2に示す。
主要効能解析(ITT解析)についての、ベースラインから第24週までのLDL-Cの最小二乗(LS)平均(SE)低減率は、エゼチミブ群での16(3)%に対してmAb316P群では47(3)%であり、-32(4)%の統計的に有意なLS平均(SE)群間差(P<0.0001)があった(表3)。オントリートメント解析からの結果は、ITT解析からのものに類似していた:ベースラインから第24週までのLS平均(SE)LDL-C低減は、mAb316Pおよびエゼチミブそれぞれで、54(2)%対17(2)%(P<0.0001)であった(表3)。
交絡が一切ない薬物効果の持続性を理解することがその目的であるからである。mAb316Pを受けた患者ではベースラインから第4週までのLDL-Cに劇的な降下があり、ロバストなLDL-C低減が第4週から第24週の処置期間終了まで維持された。MMRMモデルでの処置と時点間の相互作用の統計解析は有意でなく、これは、(図3で例証するように)エゼチミブに対してmAb316PのLDL低下効果の経時的安定性を示唆していた。
少なくとも1つのTEAEを経験した患者の総百分率は、mAb316Pアームでは6
9%およびエゼチミブアームでは78%であった(表6)。死亡はなかった。2件のSAEがTEAE期間に報告された:mAb316P 75mg Q2Wを3カ月間受けた、心房細動および慢性閉塞性肺疾患歴を有する患者1名は、肺塞栓症を経験した;研究処置を中止し、患者を入院させ、そこで彼は回復した。関節炎の病歴を有するエゼチミブアームの患者1名は、関節窩侵食を経験し、この患者を手術(肩関節形成術)のために入院させた。この患者は病院で回復し、この研究を完了した。治験責任医師は、いずれのSAEも研究処置に関連したものではないとみなした。いずれかの処置アームの5%またはそれ以上の患者に起こったTEAEを表6に示す。
ある。約50%のLDL-Cの低減が単剤治療集団において12週間でのmAb316P
75mg Q2Wアームで観察され、これは、エゼチミブアームで観察されたもの(20%)より実質的に大きかった。この研究は、第2相試験からの安全性観察を広げ、使用および耐容性を制限するように見える安全性シグナルの証拠は一切ない。これは、注射関連AEを殆どもたらさない(mAb316P患者の<2%およびエゼチミブ患者の<4%)、使い捨て自己注射器を利用するPCSK9に対する注射用モノクローナル抗体の最初の無作為化対照試験でもあった。
mAb316P単剤治療を受けた患者のmAb316P濃度と遊離PCSK9濃度とLDL-C濃度との関係を評価した。遊離PCSK9およびLDL-Cの変化をエゼチミブアームでも評価した。
PCSK9レベルが第4週までに最大限に低減され;LDL-C低下効能は、第4週から第24週まで維持された。第12週にmAb316P 150mg Q2Wへのアップタイトレーションを受けた患者では、mAb316P血清濃度が予想通り増加し、遊離PCSK9レベルのさらなる減少はなく、LDL-Cに対するさらなる効果も殆どなかった。これらの結果は、mAb316P 75mg Q2Wでの単剤治療が、スタチンまたは他の脂質修飾治療を受けていない殆どの患者において24週間にわたっての遊離PCSK9の遮断およびLDL-C低下効能の維持に十分であることを示唆している。mAb316Pの標的媒介クリアランスは遊離PCSK9へのmAb316Pの結合によって加速されるので、患者が、遊離PCSK9を増加させる併用スタチンまたは他の脂質修飾剤を受けている臨床の場では、mAb316Pのより高い用量が求められることもある。
序論
本研究の目的は、スタチンに不耐性である原発性高コレステロール血症(heFHおよび非FH)を有する患者のLDL-Cを低減させる抗PCSK9抗体(REGN727またはアリロクマブとしても公知の、「mAb316P」)の能力をエゼチミブ(EZE)と比較して評価することであった。
関するAEを有するのではなく複数の薬物に関するAEを有することがある患者を考慮するために、十分な数の患者をスクリーニングし、本研究の単盲検プラセボ導入期に登録して、患者250名(100:100:50;mAb316P:EZE:アトルバスタチン)の二重盲検処置期間サンプルサイズを確保した。
dislipidaemias.European Heart Journal 2011;32:1769~1818;Expert Panel on Detection,Evaluation,and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults.Executive summary of the Third Report of the National Cholesterol Education Program[NCEP]Expert Panel on Detection,Evaluation,and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults[Adult Treatment Panel III]、JAMA 2001;285:2486~2497を参照されたい)。
減の観点から最高の便益をもたらすために必要なLDL-C低減、および低いLDL-C値に関する潜在的安全性考慮事項にも基づく。
Q2Wの投薬によって第12週に最大効能が得られると予想される。しかし、多くの患者について、150mg Q2W用量で観察されるほどの効果はLDL-C目標の達成に必要ないことがあり、処置をより低い用量で開始することもある。それ故、本研究では、全ての患者を最初に75mg Q2Wで処置し、高いおよび非常に高いCVリスクを有し、かつLDL-C≧70mg/dLであった患者ならびに中等度のCVリスクを有し、かつ8週間の処置後にLDL-C≧100mg/dlであった患者だけを、第12週に150mg Q2Wへの用量アップタイトレーションに付した。
この研究の主要目的は、スタチンに不耐性である原発性高コレステロール血症(heFHおよび非FH)を有する患者において、24週間後に、mAb316PによるLDL-Cの低減を、EZE 10mg 経口的に1日1回(PO QD)と比較して立証することであった。
本研究は、スタチンに不耐性である、原発性高コレステロール血症および中等度の、高いまたは非常に高いCVリスクを有する患者における、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照、並行群、多国籍、他施設研究であった。研究デザインを図7に示す。
スクリーニングは、おおよそ1週間続いた(-第7週)。スクリーニングで開始して処置訪問終了までの研究継続期間を通して、ナショナルコレステロール教育プログラム成人治療パネルIII(NCEP-ATP III)生活改善療法(TLC)食と等価の安定
した食事を続けることを患者に依頼した。
全てのスクリーニング組み入れおよび除外基準を満たした患者は、EZE、スタチン(非承認用量またはレジメンを使っている患者について)および紅色酵母米の2週間(-第6週~-第4週)に入った。
ウォッシュアウト後、患者は、mAb316Pのプラセボ Q2W(合計2用量)+EZE/アトルバスタチンカプセルのプラセボ PO QD(28用量)での4週間の処置からなる、4週間(-第4週~第0週)の単盲検(患者のみが処置に対して盲検化される)プラセボ導入期間に入った。
全ての組み入れ基準を満たし、かつ4週単盲検プラセボ導入期間中に除外基準(筋挫傷または外傷に起因するもの以外の骨格筋関連AEを経験したことを含む)をいずれも満たさなかった患者を、次のいずれかを受けるように無作為化した:(A)mAb316P 75mg SC Q2W+EZE/アトルバスタチンのプラセボ PO QD;または(B)EZE 10mg PO QD+mAb316Pのプラセボ SC Q2W;または(C)アトルバスタチン20mg PO QD+mAb316Pのプラセボ SC Q2W。
た患者は、無作為化から第12週まで(第0、2、4、6、8および10週)、研究対象薬物75mgを受けた。
二重盲検処置期間の終了後、または研究処置の時期尚早の中止後、8週間にわたって患者を追跡した。
患者に、この研究を通して(EZE、スタチン、紅色酵母米、およびフィブラート[フェノフィブラート以外]での)彼らのバックグラウンド脂質修飾治療(LMT)を受け続けるように指導した。
少なくとも患者250名(100:100:50;mAb316P:EZE:アトルバスタチン)が二重盲検処置期間内の無作為化に適格であることを保証するために、十分な数の患者をスクリーニングし、単盲検プラセボ導入期間に登録した。
、標的臓器障害を有さない1型もしくは2型糖尿病、またはheFHと定義した。非常に高いCVリスクは、記録されたCHD歴、虚血性脳卒中、末梢動脈疾患(PAD)、一過性脳虚血発作(TIA)、腹部大動脈瘤、症状のない>50%の頸動脈閉塞、頸動脈内剥離もしくは頸動脈ステント術、腎動脈狭窄、腎動脈ステント術、標的臓器障害を有する1型または2型糖尿病と定義した。
1.スクリーニング訪問(-第7週)時の算定血清LDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)および非常に高いCVリスク(本明細書中の他の箇所で定義する通り);
2.スクリーニング訪問(-第7週)時の算定血清LDL-C<100mg/dL(2.59mmol/L)および高いまたは中等度のCVリスク(本明細書中の他の箇所で定義する通り);
3.スクリーニング訪問(-第7週)時の10年致死性CVDリスクSCORE<1%;
4.スクリーニング訪問(-第7週)前4週間以内の、最低承認1日用量以上であるスタチンの使用;
5.4週間の単盲検プラセボ導入中の、筋挫傷または外傷に起因するもの以外の、骨格筋関連有害事象(AE)経験;
6.スクリーニング(-第7週)時、単盲検プラセボ導入期間(-第4週)の開始時、または第1日/第0週における、筋挫傷または外傷に起因するもの以外の、骨格筋関連AEの経験;
7.スクリーニング訪問(-第7週)の前またはスクリーニングから無作為化までのいずれか該当するときに、少なくとも4週間の脂質修飾治療(LMT)および/または少なくとも6週間のフェノフィブラートのいずれか該当するものの安定した投与を受けていな
い;
8.スクリーニング訪問(-第7週)から6週間以内のフェノフィブラート以外のフィブラートの使用;
9.スクリーニング訪問(-第7週)前少なくとも4週間の、またはスクリーニング訪問と無作為化訪問の間の、安定していなかった用量/量での、脂質に作用することが公知の栄養補助食品または市販の治療薬の使用;
10.スクリーニング訪問(-第7週)から研究訪問終了(第32週)までの紅色酵母米の使用;
11.スクリーニング訪問から研究訪問終了(第32週)までの、用量が安定しているように計画されていない鎮痛薬の使用;
12.線維筋痛の診断;
13.重篤神経障害性疼痛歴;
14.スタチン不耐性の症状と混同されることがある症状に関連するリウマチ性疾患(例えば、関節リウマチ)歴;
15.スタチン治療以外のLMTでの処置中に始まりまたは増し、LMTを中止すると停止した、筋肉痛またはミオパチー歴;
16.発作性障害の既往歴;
17.以前の移植手術歴;
18.筋肉内投与を必要とする薬物、または研究中の計画された筋肉内注射の使用;
19.スタチン関連ミオパチー以外の、ミオパチーの既往歴;
20.横紋筋融解症歴(クレアチンキナーゼ>10,000IU/Lを伴う臓器障害の形跡と定義される);
21.血清脂質またはリポタンパク質に影響を及ぼすことが公知の何らかの臨床的に有意な制御されていない内分泌疾患の存在。[注記:甲状腺ホルモン補充治療を受けている患者は、チロキシンの投薬量がスクリーニング前少なくとも12週間安定しており、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベルがスクリーニング訪問(-第7週)時に中央検査室の正常範囲内であった場合、組み入れることを許可した];
22.スクリーニング訪問(-第7週)前12カ月以内の肥満外科手術歴;
23.スクリーニング訪問(-第7週)前2カ月以内の不安定な体重(変動>5kg);
24.PCSK9機能喪失(例えば、遺伝子突然変異または配列変異)の既往歴;
25.ホモ接合性FHの既往歴;
26.新たに(無作為化訪問[第0週/第1日]前3カ月以内に)診断された糖尿病または制御不良の(ヘモグロビンA1c[HbA1c]>8.5%)糖尿病;
27.無作為化前少なくとも6週間の、安定したレジメンで下垂体/副腎疾患のための補充治療として使用した場合を除く、全身性コルチコステロイドの使用。注記:局所的、関節内、鼻、吸入および眼科的ステロイド治療は、「全身性」とみなさず、許可した;
28.レジメンがスクリーニング訪問(-第7週)前の6週間安定しており、研究中にそのレジメンを変更する計画がない場合を除く、エストロゲンまたはテストステロン治療の使用;
29.スクリーニング訪問(-第7週)前2カ月以内に血漿交換処置を受けた履歴、または研究中に血漿交換を受ける計画;
30.スクリーニング訪問(-第7週)時または無作為化時(第0週/第1日)の収縮期血圧>160mmHgまたは拡張期血圧>100mmHg;
31.スクリーニング訪問(-第7週)前3カ月以内の、心筋梗塞(MI)、入院につながる不安定狭心症、冠動脈バイパス移植術(CABG)、経皮的冠動脈形成術(PCI)、制御されていない心不整脈、頸動脈手術またはステント留置術、脳卒中、一過性脳虚血発作、頸動脈血行再建術、末梢血管疾患のための血管内手術または外科的介入歴;
32.リハビリテーションまたは運動プログラムに現在参加している患者;
33.過去12カ月以内のニューヨーク心臓協会クラスIIIまたはIV心不全歴;
34.スクリーニング訪問(-第7週)時に18歳または法律上成人、いずれか高い方の年齢未満;
35.スクリーニング訪問(-第7週)前にコレステロール低下食についての事前指導を受けていない;
36.出血性脳卒中の既往歴;
37.不適切に処置された基底細胞皮膚癌、扁平細胞皮膚癌、または子宮頸部上皮内癌を除く、過去5年以内の癌歴;
38.HIV陽性の既往歴;
39.1カ月または5半減期、いずれか長いほう、以内の何らかの活性被験薬の使用;
40.mAb316P(アリロクマブ)または何らかの他の抗PCSK9モノクローナル抗体の何らかの治験への以前の参加;
41.条件/状況、例えば、(A)治験責任医師または任意の治験補助医師の判断で、研究の安全な完了を妨げるもしくはエンドポイントの評価を制約することになる、スクリーニング時に特定される何らかの臨床的に有意な異常、例えば、重体な全身性疾患、余命の短い患者;(B)治験責任医師または任意の治験補助医師によって何らかの理由でこの研究に不適切とみなされること、例えば、(i)予定された訪問などの特定のプロトコール要件を満たすことができないと判断されること;(ii)患者または治験責任医師により長期間の注射を投与または耐容することができないと判断されること;(iii)治験担当医師または任意の治験補助医師、薬剤師、研究コーディネーター、他の研究スタッフ、またはプロトコールの実施に直接関与する他の研究スタッフまたは親族など、(iv)治験責任医師が研究継続期間に患者の参加を限定もしくは制限することになると感じる、実際のまたは予測される何らかの他の条件(例えば、地理的、社会的条件)の存在;
42.(無作為化検査を含まない)スクリーニング期間中の検査所見:(A)B型肝炎表面抗原および/またはC型肝炎抗体についての検査陽性;(B)出産可能な女性における血清ベータ-hCGまたは尿妊娠検査陽性;(C)TG>400mg/dL(>3.95mmol/L)(1回の再検査を許可する);(D)4変数MDRD研究方程式に従ってeGFR<30mL/分/1.73m2(中央検査室によって算定される);(E)アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)>3×正常上限(ULN)(1回の再検査を許可する);(F)CPK>2×ULN;(G)TSH<中央検査室の正常低減(LLN)または>ULN;(H)ビタミンD3<20ng/mL[50nmol/L];
43.それぞれの国の製品表示に示されている通りの他の研究対象薬物(アトルバスタチンおよびEZE)に対する全ての禁忌または使用についての警告/注意(適宜);
44.モノクローナル抗体治療に対する既知過敏症;
45.妊娠しているまたは授乳中の女性;
46.受胎調整の有効な避妊法を用いていない出産可能な女性および/または妊娠について検査する意思がないもしくは検査することができない女性。
研究処置は、腹部、大腿部、または上腕外側部に投与される、自動注射器に供給された、mAb316Pまたはプラセボの75または150mg用量用の、1mLの単一皮下(SC)注射であった。二重盲検処置期間(第0~24週)中、以下のものを受けるように適格患者を無作為化した:(1)mAb316P 75mg SC 2週間に1回(Q2W)+エゼチミブ(EZE)/アトルバスタチンのプラセボ 経口的に1日1回(PO
QD);または(2)EZE10mg PO QD+mAb316Pのプラセボ SC Q2W;または(3)アトルバスタチン20mg PO QD+mAb316Pのプラセボ SC Q2W。
第12週訪問時、患者は、第8週における彼らのLDL-CおよびベースラインCVリスク(本明細書中の他の箇所で定義する)に基づいて、以下のように、mAb316P 75mg Q2Wを受け続けたか、または彼らの用量をアップタイトレーションした:
(A)非常に高いCVリスクを有する患者は、盲検下、(1)彼らの第8週LDL-Cが<70mg/dL(1.81mmo/L)であった場合、第12週以降、第22週の最終注射までmAb316P 75mg Q2Wを受け続けた;または(2)彼らの第8週LDL-Cが≧70mg/dL(1.81mmo/L)であった場合、第12週以降、第22週の最終注射までmAb316P 150mg Q2Wにアップタイトレーションされる用量を受けた。
単盲検プラセボ導入期間の(-第4週における)初回予定訪問中に、患者にmAb316Pのプラセボを収容している単盲検自己注射器を使用する研究対象薬物の投与について指導し、患者はその診療所で初回用量を自己投与した。単盲検プラセボ導入期間中の(-
第2週における)研究対象薬物の第2の用量は、患者または介護者がmAb316Pのプラセボの第2の単盲検自己注射器を使用して自宅で投与した。
滅菌mAb316P薬品を、ヒスチジン、pH6.0、ポリソルベート20およびスクロース中、75mg/mLまたは150mg/mLの濃度で、自己注射器に供給した。mAb316Pにマッチするプラセボを、タンパク質を加えたことを除いてmAb316Pと同じ処方で自己注射器に供給した。エゼチミブ10mgおよびアトルバスタチン20mgをEZE/アトルバスタチンのプラセボとマッチするようにカプセルでオーバーカプセル化して、二重盲検を確実なものにした。エゼチミブ10mg、アトルバスタチン20mgおよびプラセボは、互いに見分けがつかなかった。
患者には、スクリーニング訪問(-第7週)前に少なくとも4週間(フェノフィブラートについては6週間)、安定したLMTを受けている必要があった。患者に、この研究を通して(EZE、スタチン、紅色酵母米、およびフィブラート[フェノフィブラート以外]での)彼らのバックグラウンドLMTを受け続けるように指導した。無作為化後に得たサンプルからの脂質プロファイル値を盲検化した。患者のバックグラウンドLMTは、スクリーニング訪問(-第7週)から研究訪問終了(第32週)まで変更しなかった。この間の用量調整、中止または他のLMT(禁忌LMTを含む)の開始は、治験責任医師の判断に従って最優先事項がそのような変更を是認する異例の状況がなければ、行わなかった。
2:2:1の比と置換ブロック無作為化を用いて、患者を二重盲検研究処置期間中にmAb316P、EZEまたはアトルバスタチンを受けるように無作為化した。記録されたMIまたは虚血性の卒中歴[イエス/ノー]に従って無作為化を階層化した。
単盲検プラセボ導入。単盲検プラセボ導入については、単盲検デザインに従って、研究対象患者のみが処置に対して盲検のままであり;治験責任医師は研究処置に対して盲検化しなかった。mAb316Pのプラセボを自動注射器に供給した。EZE/アトルバスタチンの経口プラセボをカプセルに供給して盲検を保った。
盲検を確実なものにした。エゼチミブ10mg、アトルバスタチン20mgおよびプラセボは、互いに見分けがつかなかった。
患者の福祉のために必要と考えられ、研究対象薬物に干渉する可能性が低いと考えられる場合、併用薬(研究中、禁忌とされるもの以外)を治験責任医師の裁量で、安定した用量で(可能な場合)与えてもよい。いずれの他の併用薬も必要に応じて許可し、記録した。
ベースライン特性は、標準人口統計学(例えば、年齢、人種、体重、身長など)、各患者についての病歴および薬歴を含む疾患特性を含んだ。スタチン、用量、および「スタチン不耐性」の診断につながった実際の骨格筋関連事象に関する履歴情報を、病歴/手術歴の一部として収集した。
(1)ベースラインから第12週までの算定LDL-Cの変化率:第12週における算定LDL-Cは、12週間の分析ウィンドウ内および12週間の効能期間中に得たLDL-Cレベルであった。12週間の効能期間は、二重盲検研究対象薬物の初回注射から、第6訪問コンタクト、または研究対象薬物の最終二重盲検注射の最大21日後、いずれか早いほう、までの期間と定義する。
(2)ベースラインから第24週までのアポBの変化率。
(3)ベースラインから第24週までの非HDL-Cの変化率。
(4)ベースラインから第24週までの総Cの変化率。
(5)ベースラインから第12週までのアポBの変化率。
(6)ベースラインから第12週までの非HDL-Cの変化率。
(7)ベースラインから第12週までの総Cの変化率。
(8)主要エンドポイントのために用いた定義および規則を用いて、(第24週における算定LDL-C値がLDL-C目標に達する患者数/修正治療企図[mITT]集団の患者数)*100と定義した、第24週にLDL-C目標に達する患者の割合;例えば、非常に高いCVリスクの場合はLDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)、または中等度のもしくは高いCVリスクを有する患者についてはLDL-C<100mg/dL(2.59mmol/L)。
(9)第24週にLDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合。
(10)ベースラインから第24週までのLp(a)の変化率。
(11)ベースラインから第24週までのHDL-Cの変化率。
(12)ベースラインから第12週までのHDL-Cの変化率。
(13)ベースラインから第12週までのLp(a)の変化率。
(14)ベースラインから第24週までの空腹時TGの変化率。
(15)ベースラインから第12週までの空腹時TGの変化率。
(16)ベースラインから第24週までのアポA-1の変化率。
(17)ベースラインから第12週までのアポA-1の変化率。
(18)(第12週における算定LDL-C値がLDL-C目標に達する患者数/mITT集団の患者数)*100と定義した、第12週にLDL-C目標に到達する患者の割合;例えば、非常に高いCVリスクの場合はLDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)、および中等度のまたは高いCVリスクを有する患者についてはLDL-C<
100mg/dL(2.59mmol/L)。
(19)第24週にLDL-C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合。
(20)第12週にLDL-C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合。
(21)第12週にLDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合。
(22)ベースラインから第12および24週までの算定LDL-C(mg/dLおよびmmol/L)の絶対変化。
(23)ベースラインから第12および24週までのアポB/アポA-1比の変化。
(24)第12および24週にアポB<80mg/dL(0.8mmol/L)である患者の割合。
(25)第12および24週に非HDL-C<100mg/dLである患者の割合。
(26)第12および24週に算定LDL-C<70mg/dL(1.81mmol/L)である、および/または算定LDL-Cの≧50%低減(算定LDL-C≧70mg/dL[1.81mmo/L]の場合)を有する、患者の割合。
全ての検査室サンプルは、研究対象薬物の用量を投与する前に収集した。脂質パネルの血液サンプルは、全ての来院について午前中、空腹状態(すなわち、一晩、少なくとも10時間絶食し、喫煙を自制する)で収集した。採血前48時間以内のアルコール摂取および24以内の激しい身体運動をやめさせた。注記:患者が空腹状態でない場合、血液サンプルを収集せず、血液サンプルを絶食(少なくとも10時間)条件下で採取しなければならないことを念のため知らせて後日(またはできるだけこの日付の近々に)新たな予約を入れた。
圧を両腕で測定した。最高拡張期圧を有する腕をこの訪問時に決定し、この研究を通してこの腕で血圧を測定した。この最高値を電子症例報告書(eCRF)に記録した。心拍数は、血圧の測定時に測定した。
被験者内訳
合計519名の患者をこの研究のためにスクリーニングし、そのうちの患者361名(69.6%)はスクリーニングを完了し、単盲検プラセボ導入期間に入った。単盲検プラセボ導入期間に入った患者については、患者47名(13%)がプラセボ処置を時期尚早に中止し、そのうちの患者29名(8%)は、骨格筋関連有害事象に起因して中止した(すなわち、指定除外基準を満たした)。したがって、患者314名(87%)は導入期間を完了し、二重盲検期間への無作為化に適格であった。
患者220名(70.1%):アトルバスタチン群の42名(66.7%)、エゼチミブ群の82名(65.6%)およびmAb316P群の96名(76.2%)は、24週間の二重盲検処置期間を完了した。
トルバスタチン群の16名(25.4%)、エゼチミブ群の31名(24.8%)およびmAb316P群の23名(18.3%)は、有害事象に起因して研究処置を時期尚早に中止した。患者2名(3.2%)は、プロトコールコンプライアンス不良に起因して研究処置を時期尚早に中止し、両方の患者がアトルバスタチン群の者であった。患者21名(6.7%):アトルバスタチン群の3名(4.8%)、エゼチミブ群の11名(8.8%)およびmAb316P群の7名(5.6%)は、様々な他の理由に起因して研究処置を時期尚早に中止した。
プラセボ導入を患者87.0%(314名/361名)が完了した。一般に、人口統計的特性、ベースライン疾患特性、スタチン不耐性質問票、ベースライン効能脂質パラメータ、LMT歴およびバックグラウンドLMT使用は、3つの研究処置群の各々に無作為化された患者間で同等であった。患者の15パーセントは、ヘテロ接合性FHを有した。平均ベースラインLDL-Cは、アトルバスタチン群では187.3mg/dL、エゼチミブ群では194.2mg/dL、およびmAb316P群では191.1mg/dLであった。合計で、無作為化患者の89.5%が非盲検継続投与に入った。
合計313名の患者を無作為化し、これらの患者は二重盲検研究処置の少なくとも部分的用量を受け(安全性集団)、患者281名は、OLE研究処置を受けた(OLE集団)。治療創発的SAEは、合計29名の患者、具体的には、アトルバスタチン処置群の患者7名(11.1%)、エゼチミブ処置群の患者10名(8.1%)、およびmAb316P処置群の患者12名(9.5%)において起こった。エゼチミブ処置群の非心臓性胸痛を報告した患者4名(3.2%)を唯一の例外として、3つの処置群の各々について、いずれの事象の基本語での報告も1件以下であった。
者10名(7.9%)に起こった。最もよく見られる事象は、mAb316P処置群での動悸の報告4件(3.2%)対アトルバスタチン処置群でのそのような報告0件対エゼチミブ処置群でのそのような報告2件(1.6%)であった。「臨床検査」は、アトルバスタチン処置群での患者3名(4.8%)およびEZE処置群での患者7名(5.6%)に対して、mAb316P処置群では患者9名(7.1%)に行った。mAb316P処置群と比較してアトルバスタチンおよびEZE処置群両方における頻度が高いたった1つのSOCが骨格筋および結合組織障害であった。
本研究は、骨格筋関連症状に起因する少なくとも2種の異なるスタチン(最低用量での
ものを含む)に対する不耐性歴を有する患者を評価した。mAb316P、エゼチミブまたはアトルバスタチン20mgを受けるように患者を無作為化した(キャリブレータアーム)。この研究で処置した患者は、最初にこの試験に入ったとき、非常に高いLDL-Cレベル(平均で187~193.5mg/dLの間)を有した。臨床診療では、患者の10~25パーセントがスタチンに対する不耐性を報告する。
Claims (16)
- スタチンに不耐性である患者における、高コレステロール血症または混合型脂質異常症の治療に使用するための、ヒトPCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を75mgまたは150mg含む医薬組成物であって、
該抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、
該抗体またはその抗原結合断片は、スタチン療法の非存在下で投与され、そして
該抗体またはその抗原結合断片は、2週間に1回の頻度で75mgまたは150mgの用量で患者に投与され、
(a)初回投与後の患者のLDL-Cレベルが70mg/dL未満である場合、75mgの抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物の1以上のさらなる用量が2週間ごとに投与され、または
(b)初回投与後の患者のLDL-Cレベルが70mg/dL以上である場合、150mgの抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物の1以上のさらなる用量が2週間ごとに投与される、
前記医薬組成物。 - 患者は、1種またはそれ以上のスタチンの最低承認1日用量を摂取中に始まったまたは増した骨格筋関連症状を以前に経験した、請求項1に記載の医薬組成物。
- 患者が、少なくとも2つの別個の毎日の治療スタチンレジメン中に始まったまたは増した骨格筋関連症状を以前に経験した、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 少なくとも2つの別個の毎日の治療スタチンレジメンの少なくとも1つは、
(a)スタチンの最低承認1日用量である;または
(b)ロスバスタチン5mg/日、アトルバスタチン10mg/日、シンバスタチン10mg/日、ロバスタチン20mg/日、プラバスタチン40mg/日、フルバスタチン40mg/日、およびピタバスタチン2mg/日からなる群から選択される、
請求項3に記載の医薬組成物。 - スタチンに不耐性である患者における、アテローム性動脈硬化性心血管疾患の治療に使用するための、ヒトPCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を75mgまたは150mg含む医薬組成物であって、
該抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含み、
該抗体またはその抗原結合断片は、スタチン療法の非存在下で投与され、そして
該抗体またはその抗原結合断片は、2週間に1回の頻度で75mgまたは150mgの用量で患者に投与され、
(a)初回投与後の患者のLDL-Cレベルが70mg/dL未満である場合、75mgの抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物の1以上のさらなる用量が2週間ごとに投与され、または
(b)初回投与後の患者のLDL-Cレベルが70mg/dL以上である場合、150mgの抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物の1以上のさらなる用量が2週間ごとに投与される、
前記医薬組成物。 - 患者は、1種またはそれ以上のスタチンの最低承認1日用量を摂取中に始まったまたは増した骨格筋関連症状を以前に経験した、請求項5に記載の医薬組成物。
- 患者が、少なくとも2つの別個の毎日の治療スタチンレジメン中に始まったまたは増した骨格筋関連症状を以前に経験した、請求項5または6に記載の医薬組成物。
- 少なくとも2つの毎日の治療スタチンレジメンの少なくとも1つは、
(a)スタチンの最低承認1日用量である;または
(b)ロスバスタチン5mg/日、アトルバスタチン10mg/日、シンバスタチン10mg/日、ロバスタチン20mg/日、プラバスタチン40mg/日、フルバスタチン40mg/日、およびピタバスタチン2mg/日からなる群から選択される、
請求項7に記載の医薬組成物。 - 患者は、抗体またはその抗原結合断片の投与前または投与時に、70mg/dLより高い、または100mg/dLより高い、血清低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルと定義される高コレステロール血症を示す、請求項1~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 患者がヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)または家族性高コレステロール血症ではない(非FH)型の高コレステロール血症を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 患者は、中等度の、高い、または非常に高い心血管リスクを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 患者は、抗体またはその抗原結合断片の投与前または投与時に、
(a)1%以上かつ5%未満の算定10年致死性心血管疾患リスクSCOREと定義される中等度の心血管リスク;
(b)(i)中等度慢性腎疾患、(ii)標的臓器障害を有さない1型糖尿病、(ii
i)標的臓器障害を有さない2型糖尿病、および/または(iv)heFHのうちの1つまたはそれ以上と共に、5%以上の算定10年致死性心血管疾患リスクSCOREと定義される高い心血管リスク;または
(c)(i)記録された冠動脈心疾患;(ii)虚血性脳卒中;(iii)末梢性脳卒中;(iv)末梢動脈疾患(PAD);(v)一過性脳虚血発作(TIA);(vi)腹部大動脈瘤;(vii)症状のない>50%の頸動脈閉塞;(viii)頸動脈内剥離;(ix)頸動脈ステント術;(x)腎動脈狭窄;(xi)腎動脈ステント術;(xii)標的臓器障害を有する1型糖尿病;および/または(xiii)標的臓器障害を有する2型糖尿病のうちの1つまたはそれ以上と定義される非常に高い心血管リスク;
を有する、請求項11に記載の医薬組成物。 - 抗体またはその抗原結合断片が、2週間に1回の頻度で150mgの用量で患者に投与される、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 医薬組成物が、非スタチン脂質修飾治療と組み合わせて患者に投与される、請求項1~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 非スタチン脂質修飾治療が、エゼチミブ、フィブラート、ナイアシン、オメガ-3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される治療薬を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
- (a)患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の少なくとも35%の低減;
(b)患者のアポリポタンパク質B(アポB)の少なくとも25%の低減;
(c)患者の非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)の少なくとも30%の低減;
(d)患者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;および
(e)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも15%の低減、
からなる群から選択される、1つまたはそれ以上の脂質成分の血清レベルを改善する、請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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