JP2020037566A - Pcsk9阻害剤と共に使用するための投薬レジメン - Google Patents

Pcsk9阻害剤と共に使用するための投薬レジメン Download PDF

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Abstract

【課題】PCSK9媒介疾患またはPCSK9媒介状態の治療方法の提供。【解決手段】それを必要としている被験者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を低減させる方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含み、それによって該被験者のLDL−Cを低減させる前記方法。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2013年11月12日に出願した米国特許仮出願第61/902,857号、2014年3月19日に出願した米国特許仮出願第61/955,337号、および2014年7月31日に出願した欧州特許出願第14306222.2号に関連しており、これらの関連出願各々の内容は、それら全体が参照により本明細書に組み入れられている。
本発明は、PCSK9媒介疾患またはPCSK9媒介状態の治療的処置の分野に関する。具体的には、本発明は、それを必要としている被験者へのスタチン不在下でのプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)アンタゴニスト、例えば、抗PCSK9抗体または抗原結合タンパク質の投与を含む方法に関する。本発明は、併用スタチンを用いていない被験者へのPCSK9抗体または抗原結合タンパク質の高用量、低頻度投薬レジメンの投与を含む方法にも関する。
配列表
配列表を本明細書に同封し、その全体を参照により本明細書に組み入れる。
高コレステロール血症、詳細には低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルの増加は、西欧諸国における死亡および身体障害の主因である、アテローム性動脈硬化症および冠動脈心疾患(CHD)の発症の大きなリスクとなる。主として3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−CoAレダクターゼ(HMG CoA)阻害剤でLDL−Cレベルを低減させることが、LDL−CレベルとCHD事象との強い直接的関係のためCHDリスクを低減させることは、非常に多くの研究によって立証されており;LDL−Cが1mmol/L(約40mg/dL)低減するごとに、心血管疾患(CVD)死亡率および罹病率は22%低下される。LDL−Cの低減が大きいほど事象の大きな低減が生じ、集中スタチン処置の標準スタチン処置に対する比較データは、心血管リスクが高い患者ではLDL−Cレベルが低いほどその便益が大きいことを示唆している。
冠動脈アテローム性硬化の進行性蓄積につながる長期LDL−C上昇は、初期介入としてライフスタイル療法を含む長期管理を必要とする。しかし、ライフスタイル療法が血漿LDL−Cを>15%低減させることは稀であるので、脂質異常症患者を適切に処置するために薬物処置を使用する必要がある。現行のLDL−C低下薬としては、スタチン、エゼチミブ(EZE)、フィブラート、ナイアシン、および胆汁酸封鎖剤が挙げられ、これらのうちスタチンが最も一般的に処方される。スタチンは、大きなLDL−C低下能力を証明しており、CHD事象を低減させるからである。高コレステロール血症は殆どが無症候性であるため、この障害を管理するために使用される薬剤の副作用が患者コンプライアンスを弱めることがある。いくつかのコホート研究において、1年の時点での報告されているスタチン治療順守率は26%〜85%の範囲であり、順守率の急速な低下が最初の数カ月以内に概して観察される。
スタチンなどの脂質修飾治療の幅広い有用性にもかかわらず、米国において1999年〜2006年の間に高コレステロール血症の処置を受けた全成人患者のおおよそ30%は、彼らの推奨LDL−C標的値に達することができなかった。この理由としては、治療順守不良、薬物耐性/不耐性、および有害事象率と投薬量増加の間の明確な関連性が挙げられる。さらに、最も有効な脂質修飾治療が低減させることができるLDL−Cレベルは最
大55%に過ぎないので、LDL−Cの相当な低減を必要とする患者、例えば、家族性高コレステロール血症を有する患者における標的到達率は、予想を有意に下回ることが多い。それ故、これらの患者における標的到達率を向上させるために、より有効な脂質修飾治療および処置レジメンが必要である。
プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)は、分泌サブチラーゼファミリーのプロテイナーゼKサブファミリーに属するプロタンパク質転換酵素である。PCSK9は、循環からのLDLクリアランスの主要経路である肝臓におけるLDLエンドサイトーシスを媒介するLDL受容体の分解を促進することによって、血漿LDLコレステロールを増加させることを示す証拠がある。
血清総コレステロール、LDLコレステロールおよび血清トリグリセリドを低減させるためのPCSK9阻害剤(抗PCSK9抗体)の使用は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載されている。しかし、改善された治療方法が当技術分野において依然として必要とされている。
米国特許第8,062,640号 米国特許第8,357,371号 米国特許出願公開第2013/0064834号
本発明は、当技術分野における改善された治療方法のこの要求に、PCSK9抗体または抗原結合タンパク質をスタチン不在下でより低頻度で被験者に投与することの有益効果を確立することによって対処する。本発明は、スタチン不在下で抗PCSK9抗体の高用量、低頻度投薬レジメンを投与することによって、高コレステロール血症を処置するおよび/またはLDL−コレステロールを低減させる方法を提供する。
1つの実施形態は、併用スタチンを用いていない被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与し、それによって被験者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を低減させることにより、それを必要としている被験者のLDL−Cを低減させる方法を提供する。
別の実施形態は、併用スタチンを用いていない被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与し、それによって被験者の高コレステロール血症を処置することにより、それを必要としている被験者の高コレステロール血症を処置する方法を提供する。
1つの実施形態は、併用スタチンを用いていない被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することにより、被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する方法を提供する。本発明は、スタチン不在下でPCSK9アンタゴニストを被験者に投与することにより、被験者におけるプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)アンタゴニストの作用継続期間を増加させる方法
も提供する。
いくつかの実施形態において、被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する。他の実施形態において、被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する。
本発明は、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって被験者に投与し、それによって被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置することにより、それを必要としている被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている。いくつかの実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される。特異的実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである。他の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない。
いくつかの実施形態において、PCSK9抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
本発明の特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する。
本発明の特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と、PCSK9との結合について競合する。
本発明の方法は、抗PCSK9抗体またはその抗原結合タンパク質を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって被験者に投与することを含む。特定の実施形態において、抗体は、約150mgの用量で4週間ごとに3用量にわたって投与され、被験者のLDL−C値が標的LDL−Cレベル未満であった場合、用量は、約150mgで4週間ごとのままである。いくつかの実施形態において、被験者のLDL−Cは、該被験者が抗体または抗原結合タンパク質の初回用量を受けた12週間後に測定される。いくつかの実施形態において、標的LDL−Cレベルは、70ミリグラム毎デシリットル(mg/dL)未満である。代替実施形態において、標的LDL−Cレベルは、70ミリグラ
ム毎デシリットル(mg/dL)であり、30%のLDL−C低減である。他の実施形態において、標的LDL−Cレベルは、100ミリグラム毎デシリットル(mg/dL)未満である。代替実施形態において、標的LDL−Cレベルは、100ミリグラム毎デシリットル(mg/dL)であり、30%のLDL−C低減である。
本発明の方法は、抗PCSK9抗体または抗原結合タンパク質を注射によって投与することを含み、これは皮下注射によるものを含む。
いくつかの実施形態において、前記方法は、被験者におけるアポリポタンパク質B(アポB)、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL−C)、総コレステロール(TC)、リポタンパク質a(Lp(a))、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)、トリグリセリド(TG)またはアポリポタンパク質A−1(アポA−1)のうちの1つまたはそれ以上についてのレベルを低減させる。
特定の実施形態において、被験者は、高コレステロール血症の1つもしくはそれ以上の症状もしくは徴候を示す、または高コレステロール血症と診断された、または全血清コレステロール、LDL、トリグリセリド、VLDL、リポタンパク質(a)の低減による便益があるであろう、またはHDLの増加による便益があるであろう。
特定の実施形態において、PCSK9媒介疾患またはPCSK9媒介状態は、総コレステロールレベル上昇、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベル上昇、高脂血症、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、高コレステロール血症、原発性高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、およびスタチンによって制御されていない高コレステロール血症からなる群から選択される。特定の実施形態において、被験者は、次の被験者群の1つまたはそれ以上に分類される:(i)少なくとも100mg/dLの血清LDLコレステロール(LDL−C)レベルを有する被験者、(ii)40mg/dL未満の血清HDL−Cレベルを有する被験者;(iii)少なくとも200mg/dLの血清コレステロールレベルを有する被験者;および(iv)少なくとも150mg/dLの血清トリアシルグリセロールレベルを有する被験者(この場合のトリアシルグリセロールレベルは、少なくとも8時間の絶食後に判定される)。
本発明は、PCSK9媒介疾患またはPCSK9媒介状態を有する被験者を処置するためのPCSK9阻害剤と、医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物も提供する。PCSK9阻害剤は、特定の実施形態では抗体であり、該抗体は、配列番号2、3および4に記載のCDRアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号7、8および10に記載のCDRアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む抗体を含む。特定の実施形態においては、抗体は、配列番号12、13および14に記載のCDRアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと;配列番号16、17および18に記載のCDRアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。特定の実施形態において、抗体は、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメイン、それぞれ、配列番号1および6または配列番号11および15に記載のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、ヒスチジン、pH6.0とポリソルベート20とスクロースの組合せである、医薬的に許容される賦形剤を含む。
1つの実施形態は、ヒト被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質の投薬レジメンであって、該抗PCSK9抗体またはその抗原結合タンパク質を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与した後:(a)ゼロ時間から実時間までの台形法を使用して算定される血漿濃度対時間曲線下面積(AUClast)約250mg・日/L〜約650mg・日/L;(b)実測最大血漿濃度(Cmax)約15mg/L〜約33m
g/L;(c)最大血漿濃度に最初に達するまでの時間(tmax)約7日;および(d)最終半減期に達するまでの時間(t1/2 )約5.5日〜約12日からなる群から選択される特性の1つまたはそれ以上を有する前記投薬レジメンを提供する。
別の実施形態は、ヒト被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質の投薬レジメンであって、該抗PCSK9抗体またはその抗原結合タンパク質を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与した後:(a)ゼロ時間から実時間までの台形法を使用して算定される血漿濃度対時間曲線下面積(AUClast)約150mg・日/L〜約450mg・日/L;(b)実測最大血漿濃度(Cmax)約10.5mg/L〜約24mg/L;(c)最大血漿濃度に最初に達するまでの時間(tmax)約7日;および(d)最終半減期に達するまでの時間(t1/2 )約5日〜約9日からなる群から選択される特性の1つまたはそれ以上を有する前記投薬レジメンを提供する。
エゼチミブ治療と共にまたはなしで安定したスタチン用量を受けている、アリロクマブを与えられたヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者についての処置および追跡調査期間中の週に対するベースラインLDL−Cの平均変化率を示す、先行技術のグラフである。具体的に言うと、先行技術処置は投与間隔を通して一定のLDL−C低下を維持することができないので、血漿LDL−C濃度の「鋸歯」プロファイルは明白である。 3群:アリロクマブ+プラセボ、アリロクマブ+エゼチミブ、およびアリロクマブ+フェノフィブラートについての、−第29日〜第120日のベースラインからのLDL−Cの変化率を示すグラフである。 3群:アリロクマブ+プラセボ、アリロクマブ+エゼチミブ、およびアリロクマブ+フェノフィブラートについての、−第1日〜第120日のベースラインからのLDL−Cの変化率を示すグラフである。 アリロクマブ150mg SC Q4W+エゼチミブ対アリロクマブ150mg SC Q4W;およびアリロクマブ150mg SC Q4W+フェノフィブラート対アリロクマブ150mg SC Q4Wのペアワイズ比較の平均推定値についてのベースラインからのLDL−C変化率プロットを示すグラフである。 図5A〜図5Dは、遊離PCSK9の平均レベルを示す4つのグラフであり、3つの処置群を互いに比較し(A)、処置群ごとに−第29日ベースラインからのLDL−Cの変化率と比較している(B〜D)(1群当たりN=24)。図5Aは、比較した3群全てについての結果を示す。図5Bは、アリロクマブ+プラセボ群についての結果を示す。図5Cは、アリロクマブ+EZE群についての結果を示す。図5Dは、アリロクマブ+FENO群についての結果を示す。 図5−1の続き。 図6A〜図6Cは、−第29日ベースラインからのLDL−Cの変化率(図6A)、ならびに第57日(第3回アリロクマブ注射時)〜第85日(第3回アリロクマブ注射の28日後)の遊離PCSK9(図6B)および全アリロクマブ(図6C)のレベルを示す、3つのグラフの1群である。 図6−1の続き。 (上部)3群:アリロクマブ+プラセボ、アリロクマブ+エゼチミブ、およびアリロクマブ+フェノフィブラートについての、初回アリロクマブ投与後第1日の平均アリロクマブ血清濃度−時間プロファイルを均等目盛(左上部)および半対数目盛(右上部)で示す2つのグラフである。 (下部)3群:アリロクマブ+プラセボ、アリロクマブ+エゼチミブ、およびアリロクマブ+フェノフィブラートについての、第3回アリロクマブ投与後第57日の平均アリロクマブ血清濃度−時間プロファイルを均等目盛(左下部)および半対数目盛(右下部)で示す2つのグラフである。
本発明を説明する前に、本発明は説明する特定の方法および実験条件に限定されないことを理解すべきである。そのような方法および条件は変わることがあるからである。本明細書において用いる専門用語は、特定の実施形態の説明を目的にしたものに過ぎず、限定的することを意図したものでないことも理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるからである。
定義
別段の定義がない限り、本明細書において用いる全ての専門および科学用語は、当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈による別段の明白な指図がない限り、複数の指示内容も含む。
用語「約」または「おおよそ」は、特定の列挙されている数値に関して用いる場合、その値が、列挙されている値から1%以下変動することがあることを意味する。例えば、本明細書において用いる場合、「約100」という表現は、99および101、ならびに間の全ての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
用語「投与する」または「投与」は、粘膜、皮内、静脈内、皮下、筋肉内送達および/または本明細書に記載のもしくは当技術分野において公知の任意の他の物理的送達方法などによって、体外に存在する物質(例えば、本発明の製剤)を患者に注射するまたは別様に物理的に送達する行為を指す。疾病またはその症状が処置されているとき、物質の投与は、概して疾患またはその症状の発現後に行われる。疾病またはその症状が予防されているとき、物質の投与は、概して疾患またはその症状の発現前に行われる。
用語「組成物」および「製剤」は、指定成分(例えば、抗PCSK9抗体)を場合により指定量で含有する製品はもちろん、指定成分の、場合により指定量での、組合せの結果として直接的または間接的に得られる任意の製品も包含することを意図したものである。
用語「賦形剤」は、薬物のための希釈剤、ビヒクル、保存薬、結合剤、安定剤などとして一般に用いられる不活性物質を指し、タンパク質(例えば、血清アルブミンなど)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、グリシン、ヒスチジンなど)、脂肪酸およびリン脂質(例えば、アルキルスルホネート、カプリレートなど)、界面活性剤(例えば、SDS、ポリソルベート、非イオン性界面活性剤など)、糖類(例えば、スクロース、マルトース、トレハロースなど)ならびにポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトールなど)を含むが、これらに限定されない。Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.、Easton、Pa.も参照されたい。前記参考文献は、参照によってその全体が本明細書に組み入れられている。
ペプチドまたはポリペプチドとの関連で、用語「断片」は、完全長未満のアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチドを指す。そのような断片は、例えば、アミノ末端でのトランケーションから生じることもあり、カルボキシ末端でのトランケーションから生じることもあり、および/またはアミノ酸配列からの残基の内部欠失から生じることもある。断片は、例えば、選択的RNAスプライシングの結果として生じることもあり、またはインビボプロテアーゼ活性の結果として生じることもある。特定の実施形態において、P
CSK9断片は、PCSK9ポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも50、少なくとも100アミノ酸残基、連続する少なくとも125アミノ酸残基、連続する少なくとも150アミノ酸残基、連続する少なくとも175アミノ酸残基、連続する少なくとも200アミノ酸残基、または連続する少なくとも250アミノ酸残基のアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを含む。特異的実施形態において、PCSK9ポリペプチドの断片、またはPCSK9抗原と特異的に結合する抗体の断片は、完全長ポリペプチドまたは抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つまたは少なくとも3つの機能を保持する。
用語「医薬的に許容される」は、動物での使用、さらに特にヒトでの使用が、連邦もしくは州政府の監督官庁によって承認されていること、または米国薬局方、欧州薬局方または他の一般に認知されている薬局方に記載されていることを意味する。
用語「予防する」、「予防すること」および「予防」は、本明細書において提供する治療または治療の組合せ(例えば、予防薬と治療薬の組合せ)の投与の結果として生じる、PCSK9媒介疾患および/またはそれに関連した症状の発症、再発、発現または伝播の完全または部分的阻害を指す。
用語「PCSK9抗原」は、抗体が特異的に結合する、PCSK9ポリペプチドの部分を指す。PCSK9抗原は、抗体が特異的に結合するPCSK9ポリペプチドまたはその断片の、類似体または誘導体も指す。いくつかの実施形態において、PCSK9抗原は、単量体PCSK9抗原または三量体PCSK9抗原である。エピトープに寄与するPCSK9ポリペプチドの領域は、該ポリペプチドの連続したアミノ酸であることもあり、または該エピトープは、該ポリペプチドの連続していない2つまたはそれ以上の領域からの寄せ集めであることもある。このエピトープは、抗原の三次元表面特徴部であることもあり、またはそうでないこともある。免疫応答を惹起することができる、PCSK9抗原の表面に局在する領域が、PCSK9エピトープである。このエピトープは、抗原の三次元表面特徴部であることもあり、またはそうでないこともある。
用語「ヒトPCSK9」、「hPCSK9」または「hPCSK9ポリペプチド」および同様の用語は、配列番号198のアミノ酸配列を含むポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」を本明細書では同義で用いている)および関連ポリペプチド(そのSNP変異体を含む)を指す。関連ポリペプチドは、対立遺伝子変異体(例えば、SNP変異体);スプライス変異体;断片;誘導体;置換、欠失および挿入変異体;融合ポリペプチド;ならびに種間相同体、好ましくは、PCSK9活性を保持する、および/または抗PCSK9免疫応答を生じさせるのに十分なものであるものを含む。抗PCSK9免疫学的応答を生じさせるのに十分なものである、PCSK9の可溶性形態も包含する。当業者には分かるであろうが、抗PCSK9抗体は、PCSK9ポリペプチド、ポリペプチド断片、抗原、および/またはエピトープと結合することができる。エピトープは、より大きい抗原の一部であり、そのより大きい抗原は、より大きなポリペプチド断片の一部であり、そしてまたそのより大きいポリペプチド断片は、より大きいポリペプチドの一部であるからである。hPCSK9は、三量体(ネイティブ)または単量体(変性)形態で存在することができる。
用語「PCSK9媒介疾患」、「PCSK9媒介状態」および「PCSK9媒介障害」は同義で用いており、PCSK9、例えばhPCSK9、に完全にもしくは部分的に起因する、またはPCSK9、例えばhPCSK9、の結果である、任意の疾患を指す。特定の実施形態において、PCSK9は、異常に(例えば高度に)発現される。いくつかの実施形態において、PCSK9は、異常にアップレギュレートされる。他の実施形態では、正常な、異常なまたは過剰な細胞シグナル伝達がPCSK9のPCSK9リガンドとの結合によって引き起こされる。特定の実施形態において、PCSK9リガンドは、PCSK
9受容体である。特定の実施形態において、PCSK9媒介疾患または状態は、総コレステロールレベル上昇;低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベル上昇;高脂血症;脂質異常症;高コレステロール血症、特に、スタチンによって制御されていない高コレステロール血症、高コレステロール血症、例えば家族性高コレステロール血症または非家族性高コレステロール血症、およびスタチンによって制御されていない高コレステロール血症;アテローム性動脈硬化症;ならびに心血管疾患からなる群から選択される。
用語「被験者」および「患者」は、同義で用いている。本明細書で用いる場合、被験者は、好ましくは哺乳動物、例えば非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)または霊長類(例えば、サルおよびヒト)、最も好ましくはヒトである。1つの実施形態において、被験者は、PCSK9媒介疾患を有する哺乳動物、好ましくはヒトである。別の実施形態において、被験者は、PCSK9媒介疾患を発症するリスクがある哺乳動物、好ましくはヒトである。
用語「治療薬」は、PCSK9媒介疾患および/またはそれに関連した症状の処置、管理または改善に使用することができる任意の薬剤を指す。特定の実施形態において、用語「治療薬」は、本発明のPCSK9抗体を指す。特定の他の実施形態において、用語「治療薬」は、本発明のPCSK9抗体以外の薬剤を指す。好ましくは、治療薬は、PCSK9媒介疾患またはそれに関連した1つもしくはそれ以上の症状の処置、管理または改善に、有用であることが公知である、使用されたことがある、または現在使用されている薬剤である。
用語「治療」は、PCSK9媒介疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症または高コレステロール血症)の予防、管理、処置および/または改善に使用することができる任意のプロトコール、方法および/または薬剤を指す。特定の実施形態において、用語「治療」(複数および単数)は、医療関係者などの当業者に公知のPCSK9媒介疾患の予防、管理、処置および/または改善に有用な生物学的治療、支持的治療および/または他の治療を指す。
用語「処置する」、「処置」および「処置すること」は、1つまたはそれ以上の治療の投与(1つまたはそれ以上の予防または治療薬の投与を含むが、これらに限定されない)の結果として生じる、PCSK9媒介疾患の進行、重症度および/または継続期間の低減または改善を指す。特異的実施形態において、そのような用語は、PCSK9のPCSK9リガンドとの結合の低減または阻害を指す。
本明細書に記載のものと同様または等価の任意の方法および材料を本発明の実施の際に使用することができるが、好ましい方法および材料を次に説明する。本明細書において言及する全ての出版物は、それら全体が説明のために参照によって本明細書に組み入れられている。
患者集団
本発明の方法は、PCSK9媒介疾患または状態、例えば、高コレステロール血症または関連障害(例えば、アテローム性動脈硬化症)を有する、または発症するリスクがある被験者を選択すること、およびPCSK9阻害剤を含む医薬組成物をスタチン不在下でこれらの被験者に投与することを含む。
例えば、本発明の方法は、それを必要としている被験者に抗PCSK9抗体を含む治療用組成物をスタチン不在下で投与することを含む。治療用組成物は、本明細書において開示するいずれかの抗PCSK9抗体またはそれらの断片を含むことができる。
本明細書において用いる場合、「それを必要としている被験者」という表現は、高コレステロール血症の1つもしくはそれ以上の症状もしくは徴候を示す、または高コレステロール血症と診断された、または別様に全血清コレステロール、LDL、トリグリセリド、VLDL、リポタンパク質(a)[Lp(a)」の低減による便益があるであろう、またはHDLの増加による便益があるであろう、ヒトまたは非ヒト動物を意味する。本発明の治療方法によって処置することができる具体的例示的集団としては、LDLアフェレーシスが指示された患者、PCSK9活性化(GOF)突然変異を有する被験者、ヘテロ接合性またはホモ接合性家族性高コレステロール血症(HeFHまたはHoFH)を有する患者;スタチン不耐性であるまたはスタチンで制御されていない原発性高コレステロール血症を有する被験者;および予防的に処置されることがある高コレステロール血症を発症するリスクがある被験者が挙げられる。
生活習慣の改善および従来の薬物処置は、コレステロールレベルの低減に奏効することが多いが、全ての患者がそのようなアプローチで推奨標的コレステロールレベルを達成できるとは限らない。家族性高コレステロール血症(FH)などの様々な状態は、従来の治療の積極的使用にもかかわらず、LDL−Cが低下しにくいようである。ホモ接合性およびヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(hoFH、heFH)は、早発性アテローム硬化性血管疾患に関連する状態である。しかし、hoFHと診断された患者は、大部分が従来の薬物治療に不応答性であり、持てる処置の選択肢は限られている。具体的には、コレステロール合成の阻害および肝LDL受容体のアップレギュレーションによってLDL−Cを低減させるスタチンでの処置は、LDL受容体が存在しないまたは欠損している患者には殆ど効果がないことがある。スタチンの最大用量で処置された、遺伝子型でhoFHが確認された患者において、わずか約20%にも満たない平均LDL−C低減が最近報告された。このレジメンにエゼチミブ10mg/日を追加した結果、合計27%のLCL−Cレベル低減となったが、このレベルでさえ最適には程遠い。同様に、多くの患者は、スタチン非応答性であり、スタチン治療で制御不良であり、またはスタチン治療を耐容することができず;一般に、これらの患者は、代替処置でコレステロール制御を達成することができない。現行の処置選択肢の欠点に対処することができる新たな処置の医療上の大きな必要性は、まだ満たされていない。
それ故、本発明は、本発明のPCSK9阻害剤をスタチン不在下で患者に投与して高コレステロール血症を処置または予防する治療方法を含む。本明細書において用いる場合、「スタチン不在下で」PCSK9阻害剤の使用は、被験者が、本発明のPCSK9阻害剤での処置を受けているときに併用スタチンを用いていない、または本発明のPCSK9阻害剤での処置前、その直近にスタチンを用いていなかったことを意味する。用語「スタチン不在下で」および「併用スタチンを受けていない」は、被験者が血流に検出可能なレベルのスタチンを有するはずがないことを意味するが、以前の治療のため該被験者が0.1mg/mL未満の何らかの血清スタチン濃度を有することもある。本明細書において用いる場合、「脂質低下剤」は、被験者の脂質プロファイルの修飾を目的として投与されるPCSK9阻害剤以外の任意の医薬品を意味する。脂質低下剤の例としては:スタチン(アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンなど)、ナイアシン、フィブリン酸、胆汁酸封鎖剤(例えば、コレスチラミン)、コレセベラム、コレスチポールおよびエゼチミブをはじめとする、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。当然、「非スタチン脂質低下剤」はPCSK9阻害剤およびスタチン以外の任意の医薬品を意味することになる。非スタチン脂質低下剤の例としては、ナイアシン、フィブリン酸、フェノフィブラート、胆汁酸封鎖剤(例えば、コレスチラミン)、コレセベラム、コレスチポール、オメガ3脂肪酸、胆汁酸樹脂およびエゼチミブが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの事例では、本発明の治療製剤で処置される患者は、コレステロール、脂質、トリグリセリドまたはリポタンパク質レベル上昇を示すことを除いて、他の点では健常である。例えば、患者は、処置時に心血管、血栓性または他の疾患または障害についてのいずれの他のリスク因子も示さないことがある。しかし、他の事例では、患者は、血清コレステロール、脂質、トリグリセリドまたはリポタンパク質上昇に起因する、該上昇と相関する、または該上昇に付随する疾患もしくは障害と診断されること、またはそのような疾患もしくは障害を発症するリスクがあることに基づいて選択される。例えば、本発明の医薬組成物の投与時または投与前に、患者は、例えば、冠動脈疾患、急性心筋梗塞、無症候性頸動脈アテローム性動脈硬化症、脳卒中、末梢動脈閉塞性疾患などのような、心血管疾患もしくは障害と診断されることもあり、またはそのような心血管疾患もしくは障害を発症するリスクがあると識別されることもある。いくつかの事例では、前記心血管疾患または障害は、高コレステロール血症である。例えば、患者は、該患者が、例えばヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)、ホモ接合性家族性高コレステロール血症(hoFH)などの高コレステロール血症状態の発症、ならびに家族性高コレステロール血症とは異質の高コレステロール血症(非FH)の発生と診断された、またはそのような発症および発生のリスクがあると識別された場合、本発明の医薬組成物での処置に選択される。
他の事例では、本発明の医薬組成物の投与時または投与前に、患者は、例えば肺塞栓症、網膜中心静脈閉塞症などのような、血栓閉塞性疾患もしくは障害と診断されることもあり、またはそのような疾患もしくは障害を発症するリスクがあると識別されることもある。特定の実施形態において、患者は、上述の疾患または障害の2つまたはそれ以上の組合せと診断されること、またはそれらを発症するリスクがあることに基づいて選択される。例えば、本発明の医薬組成物の投与時または投与前に、患者は、冠動脈疾患および肺塞栓症と診断されることもあり、またはそれらを発症するリスクがあると識別されることもある。他の診断の組合せ(例えば、アテローム性動脈硬化症と網膜中心静脈閉塞症、heFHと脳卒中など)も、本発明の医薬組成物で処置することができる患者集団の定義に含まれる。
本発明の医薬組成物は、メタボリック症候群、糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、腎不全、クッシング症候群、胆汁性肝硬変、糖原病、ヘパトーマ、胆汁うっ滞、成長ホルモン欠乏症からなる群から選択される基礎疾患または障害に起因するまたは関係する、高コレステロール血症または高脂血症の処置にも有用である。本発明の医薬組成物は、エストロゲン治療、プロゲスチン治療、β遮断薬または利尿薬などの以前の治療レジメンに起因するまたは関係する、高コレステロール血症または高脂血症の処置にも有用である。
さらに他の事例では、本発明の医薬組成物で処置されることになる患者は、年齢(例えば、40、45、50、55、60、65、70、75または80歳より高齢)、人種、性別(男性または女性)、運動習慣(例えば、運動する習慣のある人、運動しない人)、他の既存の病状(例えば、II型糖尿病、高血圧など)および現在の投薬状態(例えば、現在用いているスタチン[例えば、セリバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチンなど]、β遮断薬、ナイアシンなど)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の因子に基づいて選択される。可能性のある患者は、本発明の方法で処置する前にこれらの因子の1つまたはそれ以上に基づいて(例えば、質問票、診断評価などによって)選択/スクリーニングすることができる。
本発明は、被験者にPCSK9阻害剤を投与することによって該被験者の経腸コレステ
ロール排出(TICE)を増加させる方法も含む。例えば、本発明は、pH依存性結合特性を有する抗PCSK9抗体を被験者に投与することによって該被験者のTICEを増加させる方法を提供する。特定の実施形態によると、本発明は、TICE増進が有益であるであろう被験者を特定することまたはTICE障害を示す被験者を特定することと、該被験者にPCSK9阻害剤を投与することとを含む方法を含む。
高コレステロール血症は、アテローム性動脈硬化症の前兆である。したがって、本発明は、本発明のPCSK9阻害剤をスタチン不在下で患者に投与して高コレステロール血症を処置または予防する治療方法も含む。アテローム性動脈硬化症のリスク因子は、当技術分野において周知であり、限定ではないが、高い低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールレベル、低い高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールレベル、高血圧、糖尿病、家族歴、性別男性、たばこ喫煙、および高い血清コレステロールを含む。所与の被験者についてのこれらのリスク因子を評価する方法も当技術分野において周知である。
特定の実施形態において、選択される被験者は高脂血症である。「高脂血症」被験者は、高コレステロール血症および/または高トリグリセリド血症被験者である、被験者である。「高コレステロール血症」被験者は、高コレステロール血症被験者について確立されている現行の基準に合う被験者である。「高トリグリセリド血症」被験者は、高トリグリセリド血症被験者について確立されている現行の基準に合う被験者である(例えば、Harrison’s Principles of Experimental Medicine、第13版、McGraw−Hill,Inc.、N.Yを参照されたい)。例えば、高コレステロール血症被験者は、>160mg/dLまたは>130mg/dLのLDLレベルと、性別男性、早発性冠動脈心疾患の家族歴、たばこ喫煙(1日に10本超)、高血圧、低HDL(<35mg/dL)、糖尿病、高インスリン血症、腹部肥満、高リポタンパク質(a)、および脳血管疾患または閉塞性末梢血管疾患の個人歴からなる群から選択される少なくとも2つのリスク因子とを概して有する。高トリグリセリド血症被験者は、>250mg/dLのトリグリセリド(TG)レベルを概して有する。特定の実施形態において、選択される被験者は高脂血症であるが、高脂血症の処置を受けていない。
PCSK9阻害剤
本発明の方法は、PCSK9阻害剤を含む治療用組成物を患者に投与することを含む。本明細書において用いる場合、「PCSK9阻害剤」は、ヒトPCSK9と結合し、またはヒトPCSK9と相互作用し、かつインビボまたはインビトロでPCSK9の正常な生物学的機能を阻害する、任意の薬剤である。PCSK9阻害剤のカテゴリーの非限定的な例としては、小分子PCSK9アンタゴニスト、ペプチドベースのPCSK9アンタゴニスト(例えば、「ペプチボディ」分子)、およびヒトPCSK9に特異的に結合する抗体または抗体の抗原結合断片が挙げられる。
用語「ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型」または「ヒトPCSK9」または「hPCSK9」は、配列番号197で示される核酸配列、および配列番号198のアミノ酸配列を有するPCSK9、またはその生物活性断片を指す。
用語「抗原結合タンパク質」は、抗原と結合するタンパク質を意味する。例えば、抗原結合タンパク質としては、抗体、抗体の抗原結合断片、DVD−Ig、および二重可変ドメイン免疫グロブリンが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「抗体」は、4本のポリペプチド鎖、すなわちジスルフィド結合によって相互に連結されている2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖、を含む免疫グロブリン分子、およびその多量体(例えば、IgM)を指すことを意図したものである。各重鎖は、重鎖可変領
域(本明細書ではHCVRまたはVと略記する)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、C1、C2およびC3、を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVと略記する)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(C1)を含む。VおよびV領域は、フレームワーク領域(FR)と称する、より保存される領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と称する超可変性の領域にさらに細分することができる。各VおよびVは、3つのCDRおよび4つのFRからなり、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端へ次の順序で配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。本発明の種々の実施形態において、抗PCSK9抗体(またはその抗原結合部分)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一であることもあり、または天然にもしくは人工的に修飾されていることもある。アミノ酸コンセンサス配列は、2つまたはそれ以上のCDRの並行分析に基づいて定義することができる。
用語「抗体」は、完全抗体分子の抗原結合断片も含む。抗体の「抗原結合部分」、抗体の「抗原結合断片」などの用語は、抗原に特異的に結合して複合体を形成する任意の天然に存在する、酵素的に得ることができる、合成の、または遺伝子改変ポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合断片は、例えば、タンパク質消化、または抗体可変および場合により定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含む組換え遺伝子改変法などの、任意の好適な標準的技法を用いて完全抗体分子から得ることができる。そのようなDNAは、公知でありおよび/または例えば商業的供給源、DNAライブラリー(例えばファージ−抗体ライブラリーを含む)から容易に調達することができ、または合成することができる。DNAをシークエンシングし、化学的にまたは分子生物学技法の使用によって操作して、例えば、1つもしくはそれ以上の可変および/もしくは定常領域を好適な高次構造に配置すること、またはコドンを導入すること、システイン残基を生成すること、アミノ酸を修飾する、付加させるまたは欠失させることなどができる。
抗原結合断片の非限定的な例としては、(i)Fab断片;(ii)F(ab’)2断片;(iii)Fd断片;(iv)Fv断片;(v)一本鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAb断片;および(vii)抗体の超可変領域(例えば、単離された相補性決定領域(CDR)、例えばCDR3ペプチド)を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位、または拘束FR3−CDR3−FR4ペプチドが挙げられる。他の改変分子、例えば、ドメイン特異的抗体、シングルドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小モジュラー免疫薬(SMIP)、サメ可変IgNARドメインも、「抗原結合断片」という表現に包含される。
抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの可変ドメインを概して含むことになる。可変ドメインは、いずれのサイズまたはアミノ酸組成のものであり、一般的には、1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列に隣接しているまたは1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列とインフレームである少なくとも1つのCDRを含むことになる。Vドメインと会合しているVドメインを有する抗原結合断片の場合、VおよびVドメインは、互いに対してあらゆる好適な配置で位置することができる。例えば、可変領域は、二量体であり、V−V、V−VまたはV−V二量体を含有することがある。あるいは、抗体の抗原結合断片は、単量体VまたはVドメインを含有することもある。
特定の実施形態において、抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合で連結されている少なくとも1つの可変ドメインを含有することがある。本発明の抗体の抗原結合断片内で見つけることができる可変および定常ドメインの非限定的、例示的高次構造としては、(i)V−C1;(ii)V−C2;(iii)V−C3;(iv)V−C1−C2;(v)V−C1−C2−C3;(vi)
−C2−C3;(vii)V−C;(viii)V−C1;(ix)V−C2;(x)V−C3;(xi)V−C1−C2;(xii)V−C1−C2−C3;(xiii)V−C2−C3;および(xiv)V−Cが挙げられる。上に列挙した例示的高次構造のいずれかを含む、可変および定常ドメインのいずれの高次構造においても、可変および定常ドメインは、互いに直接連結されていることもあり、または完全もしくは部分ヒンジもしくはリンカー領域によって連結されていることもある。ヒンジ領域は、少なくとも2つ(例えば、5、10、15、20、40、60またはそれ以上)のアミノ酸からなることがあり、その結果、単一ポリペプチド分子内の隣接した可変および/または定常ドメイン間の柔軟なまたはやや柔軟な連鎖となる。さらに、本発明の抗体の抗原結合断片は、互いにおよび/または1つもしくはそれ以上の単量体VもしくはVドメインと非共有結合で(例えば、ジスルフィド結合によって)会合している、上に列挙したいずれかの可変および定常ドメイン高次構造のホモ二量体またはヘテロ二量体(または他の多量体)を含むことがある。
完全抗体分子と同様に、抗原結合断片は、単一特異性であることもあり、または多重特異性(例えば、二重特異性)であることもある。抗体の多重特異性抗原結合断片は、各可変ドメインが別個の抗原にまたは同じ抗原上の異なるエピトープと特異的に結合できる、少なくとも2つの異なる可変ドメインを概して含むことになる。本明細書において開示する例示的二重特異性抗体形式を含む、いずれの多重特異性抗体形式も、当技術分野において利用可能な常例的技法を用いる本発明の抗体の抗原結合断片との関連での使用に適応させることができる。
抗体の定常領域は、補体を固定し、細胞依存性細胞傷害を媒介する抗体の能力に重要である。したがって、抗体が細胞傷害を媒介することが望ましいかどうかに基づいて抗体のアイソタイプを選択することができる。
用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する抗体を含むことを意図したものである。とはいえ、本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によってまたはインビボでの体細胞突然変異によって誘導された突然変異)を、例えば、CDR、特にCDR3に含むことがある。しかし、用語「ヒト抗体」は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含むことを意図したものではない。
用語「組換えヒト抗体」は、組換え手段によって製造、発現、生成または単離される全てのヒト抗体、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現される抗体(さらに下で説明する)、組換え体から単離された抗体、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリー(下でさらに説明する)、ヒト免疫グロブリン遺伝子が遺伝子導入されている動物(例えばマウス)から単離された抗体(例えば、Taylorら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287〜6295を参照されたい)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段によって製造、発現、生成もしくは単離された抗体を含むことを意図したものである。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する。しかし、特定の実施形態において、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列が遺伝子導入された動物を使用する場合にはインビボ体細胞突然変異)に付されるので、該組換え抗体のVおよびV領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系VおよびV配列に由来し、ヒト生殖細胞系VおよびV配列と類縁の配列だが、インビボでヒト抗体生殖細胞系レパートリー内に天然に存在できない配列である。
ヒト抗体は、2つの形態で存在することができ、これらの形態がヒンジ異質性に関連する。一方の形態の場合、免疫グロブリン分子は、二量体が鎖間重鎖ジスルフィド結合によって一緒に保持されている、おおよそ150〜160kDaの安定した4鎖構築物を含む。第2の形態の場合、二量体は鎖間ジスルフィド結合によって連結されておらず、約75〜80kDaの分子が、共有結合でカップリングされた軽鎖と重鎖で形成され、構成される(ハーフ抗体(half-antibody))。これらの形態は、アフィニティー精製後でさえ分
離することが極めて難しかった。
様々なインタクトIgGアイソタイプにおける第2の形態の出現頻度は、抗体のヒンジ領域アイソタイプに関連する構造の違いに、これに限定されるものではないが、起因する。ヒトIgG4ヒンジのヒンジ領域における単一アミノ酸置換は、第2の形態の出現を、ヒトIgG1ヒンジを使用して概して観察されるレベルに、有意に低減させることができる(Angalら(1993)Molecular Immunology 30:105)。本発明は、例えば生産の際、所望の抗体形態の収率を向上させるために望ましいことがある、ヒンジ、C2またはC3領域に1つまたはそれ以上の突然変異を有する抗体を包含する。
「単離された抗体」は、その天然環境の少なくとも1つの成分から同定および分離および/または回収された抗体を意味する。例えば、生物の少なくとも1つの成分から分離もしくは除去された抗体、またはその抗体が天然に存在するもしくは天然に生産される組織もしくは細胞から分離もしくは除去された抗体は、本発明では「単離された抗体」である。単離された抗体は、組換え細胞内の生体内原位置の抗体も含む。単離された抗体は、少なくとも1工程の精製または単離工程に付された抗体である。特定の実施形態によると、単離された抗体には、他の細胞物質および/または化学物質が実質的にないこともある。
用語「特異的に結合する」またはこれに類する用語は、抗体またはその抗原結合断片が、生理条件下で比較的安定している抗原との複合体を形成することを意味する。抗体が抗原と特異的に結合するかどうかを判定する方法は、当技術分野において周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴などを含む。例えば、PCSK9「に特異的に結合する」抗体は、本発明に関連して用いる場合、表面プラズモン共鳴アッセイで測定して、約1000nM未満、約500nM未満、約300nM未満、約200nM未満、約100nM未満、約90nM未満、約80nM未満、約70nM未満、約60nM未満、約50nM未満、約40nM未満、約30nM未満、約20nM未満、約10nM未満、約5nM未満、約4nM未満、約3nM未満、約2nM未満、約1nM未満、または約0.5nM未満のKで、PCSK9またはその一部に結合する抗体を含む。しかし、ヒトPCSK9に特異的に結合する単離された抗体は、他の(非ヒト)種からのPCSK9分子などの、他の抗原への交差反応性を有する。
本発明の方法に有用な抗PCSK9抗体は、該抗体が由来する対応する生殖細胞系配列と比較して、重鎖および軽鎖可変ドメインのフレームワークおよび/またはCDR領域に1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、挿入および/または欠失を含むことがある。そのような突然変異は、本明細書において開示するアミノ酸配列を例えば公開抗体配列データベースから入手できる生殖細胞系配列と比較することによって、容易に突き止めることができる。本発明は、本明細書において開示するアミノ酸配列のいずれかに由来する抗体およびそれらの抗原結合断片の使用を含む方法であって、1つまたはそれ以上のフレームワークおよび/またはCDR領域内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が、該抗体が由来する生殖細胞系配列の対応する残基に、または別のヒト生殖細胞系配列の対応する残基に、または対応する生殖細胞系残基の保存的アミノ酸置換に突然変異される(このような配列交換を本明細書ではまとめて「生殖細胞系突然変異」と呼ぶ)前記方法を含む。当業者は、本
明細書において開示する重鎖および軽鎖可変領域配列で出発して、1つもしくはそれ以上の個々の生殖細胞系突然変異またはそれらの組合せを含む多数の抗体および抗原結合断片を容易に生産することができる。特定の実施形態では、Vおよび/またVドメイン内のフレームワークおよび/またはCDR残基の全てが、抗体が由来する元の生殖細胞系配列中で見つけられる残基に復帰突然変異される。他の実施形態では、特定の残基のみ、例えば、FR1の最初の8アミノ酸中もしくはFR4の最後の8アミノ酸中で見つけられる突然変異残基のみ、またはCDR1、CDR2もしくはCDR3内で見つけられる突然変異残基のみが、元の生殖細胞系配列に復帰突然変異される。他の実施形態では、フレームワークおよび/またはCDR残基の1つまたはそれ以上が、異なる生殖細胞系配列(すなわち、抗体が当初由来した生殖細胞系配列とは異なる生殖細胞系配列)の対応する残基に突然変異される。さらに、本発明の抗体は、フレームワークおよび/またはCDR領域内に、2つまたはそれ以上の生殖細胞系突然変異の何らかの組合せ、例えば、特定の個々の残基は特定の生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異されるが、元の生殖細胞系配列とは異なる特定の他の残基は維持されるか、または異なる生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異される組合せを含有することもある。1つまたはそれ以上の生殖細胞系突然変異を含有する抗体および抗原結合断片は、ひとたび得てしまえば、1つまたはそれ以上の所望の特性、例えば、結合特異性改善、結合親和性増加、(場合によって)アンタゴニストまたはアゴニストとしての生物学的特性改善または向上、免疫原性低減などについて容易に試験することができる。この一般的手法で得られる抗体および抗原結合断片の使用は、本発明に包含される。
本発明は、1つまたはそれ以上の保存的置換を有する本明細書において開示するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のいずれかについての変異体を含む抗PCSK9抗体の使用を含む方法も含む。例えば、本発明は、例えば、本明細書において開示するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のいずれかと比較して10またはそれ以下、8またはそれ以下、6またはそれ以下、4またはそれ以下などの保存的アミノ酸置換を有する、HCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列を有する抗PCSK9抗体の使用を含む。
用語「表面プラズモン共鳴」は、例えばBIAcore(商標)システム(Biacore Life Sciences devision of GE Healthcare、Piscataway、NJ)を使用してバイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度変化の検出によりリアルタイム相互作用を分析することができる光学現象を指す。
用語「K」は、特定の抗体−抗原相互作用の平衡解離定数を指すことを意図したものである。
用語「エピトープ」は、パラトープとして公知の抗体分子の可変領域内の特異的抗原結合部位と相互作用する抗原決定基を指す。単一の抗原が1つより多くのエピトープを有することもある。それ故、抗体によって、結合する抗原領域が異なることもあり、有する生物学的効果が異なることもある。エピトープは、高次構造であることもあり、または線状であることもある。高次構造エピトープは、直鎖状ペプチド鎖の異なるセグメントからの空間的に隣り合って並ぶアミノ酸によって生成される。線状エピトープは、ポリペプチド鎖内の隣接したアミノ酸残基によって生成されるものである。特定の状況では、エピトープは、抗原上の糖類、ホスホリル基またはスルホニル基部分を含むことがある。
特定の実施形態によると、本発明の方法において使用される抗PCSK9抗体は、pH依存性結合特性を有する抗体である。本明細書において用いる場合、「pH依存性結合」という表現は、抗体またはその抗原結合断片が、「中性pHと比較して酸性pHでPCS
K9との結合低減」を示すことを意味する(本開示では、両方の表現を同義で用いることがある)。例えば、「pH依存性結合特性を有する」抗体は、酸性pHでより中性pHでのほうが高い親和性でPCSK9に結合する抗体およびそれらの抗原結合断片を含む。特定の実施形態において、本発明の抗体およびそれらの抗原結合断片は、酸性pHでより中性pHでのほうが少なくとも3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100倍またはそれ以上高い親和性でPCSK9に結合する。
本発明のこの態様によると、pH依存性結合特性を有する抗PCSK9抗体は、親抗PCSK9抗体と比較して1つまたはそれ以上のアミノ酸変異を有することがある。例えば、pH依存性結合特性を有する抗PCSK9抗体は、例えば、親抗PCSK9抗体の1つまたはそれ以上のCDR内に、1つまたはそれ以上のヒスチジン置換または挿入を有することがある。それ故、本発明の特定の実施形態に従って、親抗体の1つまたはそれ以上のCDRの1つまたはそれ以上のアミノ酸のヒスチジン残基での置換を除いて親抗PCSK9抗体のCDRアミノ酸配列と同一であるCDRアミノ酸配列(例えば、重鎖および軽鎖CDR)を含む抗PCSK9抗体を投与することを含む方法を提供する。pH依存性結合を有する抗PCSK9抗体は、親抗PCSK9抗体の単一のCDR内に、または親抗PCSK9抗体の複数(例えば、2、3、4、5もしくは6)のCDR全体にわたって分布している、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9またはそれ以上のヒスチジン置換を有することがある。例えば、本発明は、親抗PCSK9抗体のHCDR1に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、HCDR2に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、HCDR3に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、LCDR1に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、LCDR2に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、および/またはLCDR3に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換を含む、pH依存性結合を有する抗PCSK9抗体の使用を含む。
本明細書において用いる場合、「酸性pH」という表現は、6.0またはそれ以下(例えば、約6.0未満、約5.5未満、約5.0未満など)のpHを意味する。「酸性pH」という表現は、約6.0、5.95、5.90、5.85、5.8、5.75、5.7、5.65、5.6、5.55、5.5、5.45、5.4、5.35、5.3、5.25、5.2、5.15、5.1、5.05、5.0またはそれ以下のpH値を含む。本明細書において用いる場合、「中性pH」という表現は、約7.0〜約7.4のpHを意味する。「中性pH」という表現は、約7.0、7.05、7.1、7.15、7.2、7.25、7.3、7.35および7.4のpH値を含む。
ヒト抗体の製造
トランスジェニックマウスでヒト抗体を産生する方法は当技術分野において公知である。任意のそのような公知の方法を本発明に関連して使用して、ヒトPCSK9と特異的に結合するヒト抗体を作製することができる。
VELOCIMMUNE(商標)技術(例えば米国特許第6,596,541号、Regeneron Pharmaceuticalsを参照されたい)、またはモノクローナル抗体の任意の他の公知産生方法を用いて、ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する、PCSK9に対する高親和性キメラ抗体を、最初に単離する。VELOCIMMUNE(登録商標)技術は、マウスが抗原刺激に応答してヒト可変領域およびマウス定常領域を含む抗体を生産するように、内在性マウス定常領域遺伝子座に作動可能に連結されたヒト重鎖および軽鎖可変領域を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスの産生を含む。抗体の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、ヒト重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAに作動可能に連結させる。その後、完全ヒト抗体を発現することができる細胞においてそのDNAを発現させる。
一般には、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスに、対象とする抗原を感作させ、抗体を発現しているマウスからリンパ細胞(例えば、B細胞)を回収する。リンパ細胞を骨髄腫細胞株と融合させて不死ハイブリドーマ細胞株を製造することができ、そのようなハイブリドーマ細胞株をスクリーニングし、選択して、対象とする抗原に特異的な抗体を生産するハイブリドーマ細胞株を同定する。重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、重鎖および軽鎖の望ましいアイソタイプ定常領域に連結させることができる。そのような抗体タンパク質を、CHO細胞などの細胞において生産することができる。あるいは、抗原特異的キメラ抗体をコードするDNA、または重鎖および軽鎖の可変ドメインを、抗原特異的リンパ球から直接単離することができる。
ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する高親和性キメラ抗体を最初に単離する。当業者に公知の標準的手順を用いて、抗体を特性評価し、親和性、選択性、エピトープなどをはじめとする所望の特定について選択する。マウス定常領域を所望のヒト定常領域で置換して、本発明の完全ヒト抗体、例えば野生型または修飾IgG1またはIgG4、を産生させる。選択される定常領域は具体的な用途によって変わることがあるが、高親和性抗原結合特性および標的特異性が可変領域にある。
一般に、本発明の方法で使用することができる抗体は、固相に固定された抗原または溶液相中の抗原と結合させることによって測定したとき、上で説明したような高い親和性を有する。マウス定常領域を所望のヒト定常領域で置換して、本発明の完全ヒト抗体を産生させる。選択される定常領域は具体的な用途によって変わることがあるが、高親和性抗原結合特性および標的特異性が可変領域にある。
本発明の方法に関連して使用することができる、PCSK9に特異的に結合するヒト抗体または抗体の抗原結合断片の具体的な例としては、配列番号1および11からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、重鎖可変領域(HCVR)に含有された3つの重鎖CDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)を含む任意の抗体または抗原結合断片が挙げられる。抗体または抗原結合断片は、配列番号6および15からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、軽鎖可変領域(LCVR)に含有された3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含むことがある。
本発明の特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域アミノ酸配列と軽鎖可変領域アミノ酸配列の対(HCVR/LCVR)からの6つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む。
本発明の特定の実施形態において、本発明の方法で使用することができる抗PCSK9抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2/3/4/7/8/10(mAb316P)および配列番号12/13/14/16/17/18(mAb300N)(米国特許出願公開第2010/0166768号を参照されたい)から選択されるHCDR1/HCDR2/HCDR3/LCDR1/LCDR2/LCDR3アミノ酸配列を有する。
本発明の特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む。
医薬組成物および投与方法
本発明は、医薬組成物に含有されているPCSK9阻害剤をスタチン不在下で被験者に投与することを含む方法を含む。本発明の医薬組成物は、好適な担体、賦形剤、および好適な転移、送達、耐性などをもたらす他の薬剤を用いて製剤化される。多くの適切な製剤を全ての薬剤師に公知の処方集:Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PAにおいて見つけることができる。これらの製剤としては、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、(カチオン性またはアニオン性)脂質含有ビヒクル(例えば、LIPOFECTIN(商標))、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト、水中油型および油中水型エマルジョン、エマルジョンカルボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、ならびにカルボワックスを含有する半固体混合物が挙げられる。Powellら、「Compendium of excipients for parenteral formulations」、PDA(1998)J Pharm Sci Technol 52:238〜311も参照されたい。
様々な送達システム、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入、突然変異型ウイルスを発現することができる組換え細胞、受容体媒介エンドサイトーシス(例えば、Wuら、1987、J.Biol.Chem.262:4429〜4432を参照されたい)は公知であり、本発明の医薬組成物を投与するためにそれらを使用することができる。投与方法としては、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外および経口経路が挙げられるが、これらに限定されない。組成物を任意の適便な経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮内層または粘膜皮膚内層(例えば、経口粘膜、直腸および腸粘膜など)による吸収によって投与することができ、他の生物活性薬剤と一緒に投与することができる。
本発明の医薬組成物は、標準的な針および注射器で皮下または静脈内送達することができる。加えて、皮下送達に関しては、ペン型送達デバイスを本発明の医薬組成物の送達に容易に利用される。そのようなペン型送達デバイスは、再使用可能であることもあり、または使い捨てであることもある。再使用可能なペン型送達デバイスには、医薬組成物を収容している交換可能カートリッジが一般に利用される。カートリッジ内の医薬組成物の全てを投与してしまい、カートリッジが空になったら、空のカートリッジを容易に廃棄することができ、医薬組成物を収容している新たなカートリッジと容易に交換することができる。その後、そのペン型送達デバイスを再使用することができる。使い捨てペン型送達デバイスには、交換可能カートリッジがない。もっと正確に言えば、使い捨てペン型送達デバイスには医薬組成物が予め充填されており、該医薬組成物は該デバイスの貯液部に保持されている。貯蔵部の医薬組成物が空になったら、デバイス全体を廃棄する。
非常に多くの再使用可能ペン型および自己注射器送達デバイスが本発明の医薬組成物の皮下送達に利用される。例としては、ほんの数例を挙げると、AUTOPEN(商標)(Owen Mumford,Inc.、Woodstock、UK)、DISETRONIC(商標)ペン(Disetronic Medical Systems、Bergdorf、Switzerland)、HUMALOG MIX 75/25(商標)ペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co.、Indianapolis、IN)、NOVOPEN(商標)I、IIおよびIII(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)、OPTIPEN(商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、ならびにOPTICLIK(商標)(sanofi−aventis、Frankfurt、Germany
)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物の皮下送達に利用される使い捨てペン型送達デバイスの例としては、ほんの数例を挙げると、SOLOSTAR(商標)ペン(sanofi−aventis)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk)およびKWIKPEN(商標)(Eli Lilly)、SURECLICK(商標)オートインジェクター(Amgen、Thousand Oaks、CA)、PENLET(商標)(Haselmeier、Stuttgart、Germany)、EPIPEN(Dey,L.P.)およびHUMIRA(商標)ペン(Abbott
Labs、Abbott Park IL)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、医薬組成物を制御放出システムで送達する。特定の実施形態では、ポンプを使用することがある(Langer、上掲;Sefton、1987、CRC
Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201を参照されたい)。別の実施形態では、高分子材料を使用することができる;Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise(編集)、1974、CRC Pres.、Boca Raton、Floridaを参照されたい。さらに別の実施形態では、制御放出システムを組成物の標的のすぐそばに配置することができ、したがって全身用量のほんの一部のみ要する(例えば、Goodson、1984、Medical Applications of Controlled Release、上掲、第2巻、115〜138頁を参照されたい)。他の制御放出システムは、Langer、1990、Science 249:1527〜1533による総説で論じされている。
注射用製剤としては、静脈内、皮下、皮内および筋肉内注射、点滴注入などのための剤形を挙げることができる。これらの注射用製剤を公知の方法によって製造することができる。例えば、注射用製剤は、例えば、注射剤に従来使用されている滅菌水性媒体または油性媒体に上で説明した抗体またはその塩を溶解する、懸濁させるまたは乳化させることによって、製造することができる。注射剤のための水性媒体としては、例えば、生理食塩水、グルコースおよび他の補助剤を含有する等張溶液などがあり、これらは、適切な可溶化剤、例えばアルコール(例えば、エタノール)、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤[例えば、ポリソルベート80、HCO−50(硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50mol)付加体)]などと併用されることもある。油性媒体としては、例えば、ゴマ油、ダイズ油が利用され、これらは、可溶化剤、例えば安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用されることもある。特定の実施形態において、このようにして製造された注射剤は、適切なアンプルに充填される。特定の実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は、ヒスチジン、pH6.0とポリソルベート20とスクロースの組合せである。
有利には、上で説明した経口または非経口使用用の医薬組成物は、活性成分の用量を合わせることに適している単位用量での剤形に製造される。単位用量でのそのような剤形としては、例えば、錠剤、ピル、カプセル、注射剤(アンプル)、坐剤などが挙げられる。
投薬量および投与レジメン
本発明の方法および組成物に従って被験者に投与されるPCSK9阻害剤(例えば、抗PCSK9抗体)の量は、一般に治療有効量である。「治療有効量」という句は、高コレステロール血症または関連障害の1つより多くの症状(例えば、脂質レベルおよび/またはアテローム性動脈硬化性病変)の検出可能な低減をもたらすPCSK9阻害剤の量を意味する。
個々の用量に含有される抗PCSK9抗体の量を患者体重1キログラム当たりの抗体のミリグラム(すなわち、mg/kg)によって表すことができる。例えば、抗PCSK9
抗体を患者に約0.0001〜約10mg/(患者体重のkg)の用量で投与することができる。抗体の例示的治療有効量は、抗PCSK9抗体約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、または約600mgからであることができる。
特定の実施形態において、抗PCSK9抗体は、約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって被験者に投与される。
いくつかの実施形態において、抗体は、約150mgの用量で4週間ごとに12週間にわたって被験者に投与され、第8週に被験者のLDL−C値が100mg/dl未満であり、30%のLDL−C低減であった場合、用量は、さらに12週間にわたって150mgで4週間ごとのままである。
他の実施形態において、抗体は、約150mgの用量で4週間ごとに12週間にわたって被験者に投与され、第8週に被験者のLDL−C値が100mg/dl以上であった場合、用量は、さらに12週間にわたって隔週、約150mgまでアップタイトレーションされる。
いくつかの実施形態において、抗体は、約150mgの用量で4週間ごとに12週間にわたって被験者に投与され、第8週に被験者のLDL−C値が70mg/dl未満であり、30%のLDL−C低減であった場合、用量は、さらに12週間にわたって150mgで4週間ごとのままである。
別の実施形態において、抗体は、約300mgの用量で4週間ごとに48週間にわたって被験者に投与される。
さらなる実施形態において、抗体は、約300mgの用量で4週間ごとに合計3用量にわたって被験者に投与され、第8週に被験者が所定の処置目標に達しなかった、または被験者がベースラインからの少なくとも30%のLDL−C低減を有さなかった場合、用量は、さらに36週間にわたって隔週、150mgに変更される。
追加治療
いくつかの実施形態において、本発明は、被験者におけるプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)アンタゴニストの作用継続期間を増加させる方法であって、スタチン不在下で抗PCSK9アンタゴニストを該被験者に投与することを含む前記方法に関する。いくつかの実施形態において、アンタゴニストは、抗体または抗原結合タンパク質である。例えば、実施例は、スタチン不在下での抗PCSK9抗体の被験者への投与が抗PCSK9抗体の作用継続期間を増加させることを示す。
いくつかの実施形態において、本発明は、被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型
(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含む前記方法に関する。図1に示されているように、先行技術治療は、処置中にLDL−Cの「鋸歯プロファイル」を示す。対照的に、Q4W投薬レジメンは、スタチンを受けていない患者において投与間隔を通して一定のLDL−C低下を維持する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要としている被験者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を低減させる方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含み、それによって該被験者のLDL−Cを低減させる前記方法に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要としている被験者の高コレステロール血症を処置する方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含み、それによって該被験者の高コレステロール血症を処置する前記方法に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要としている被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置する方法であって、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって該被験者に投与することを含み、それによって該被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置する前記方法に関する。
このように、本発明の方法は、特定の実施形態によると、抗PCSK9抗体を含む医薬組成物をスタチン不在下で被験者に投与することを含む。
本発明の方法は、特定の実施形態によると、抗CPSK9阻害剤を含む医薬組成物を別の非スタチン脂質低下剤と併用して被験者に投与することも含む。
脂質低下剤としては、例えば、コレステロール取り込みおよびまたは胆汁酸再吸収を阻害する薬剤(例えば、エゼチミブ);リポタンパク質異化作用を増加させる薬剤(例えば、ナイアシン);および/またはコレステロール削減に関与するLXR転写因子の活性化剤、例えば22−ヒドロキシコレステロールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、被験者は、本発明の医薬組成物の投与前に、以前、高コレステロール血症の処置のための治療レジメンを受けていた。例えば、高コレステロール血症と以前に診断された患者は、抗PCSK9抗体を含む医薬組成物の投与前に別の薬物の安定した治療レジメンを処方されたことがあり、そのような治療レジメンを受けていた。
いくつかの実施形態において、被験者は、本明細書に記載のPCSK9阻害剤での処置前に、以前、スタチンまたは他の脂質低下剤で処置された。他の実施形態において、被験者は、スタチンまたは他の脂質低下剤で以前に処置されたことがない。
具体的な実施形態
1つの態様において、本開示は、それを必要としている被験者の低密度リポタンパク質
コレステロール(LDL−C)を低減させる方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含み、それによって該被験者のLDL−Cを低減させる前記方法を提供する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と、PCSK9との結合について競合する。
特定の実施形態において、被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する。特定の実施形態において、被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する。特定の実施形態において、heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる。特定の実施形態において、臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている。特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される。
特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない。
特定の実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される。
特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される。特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL
−Cが≧70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される。
別の態様において、本開示は、それを必要としている被験者の高コレステロール血症を処置する方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含み、それによって該被験者の高コレステロール血症を処置する前記方法を提供する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と、PCSK9との結合について競合する。
特定の実施形態において、被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する。特定の実施形態において、被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する。特定の実施形態において、heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる。特定の実施形態において、臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている。特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される。
特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない。
特定の実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される。
特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される。特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≧70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される。
別の実施形態において、本開示は、それを必要としている被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置する方法であって、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって該被験者に投与することを含み、それによって該被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置する前記方法を提供する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と、PCSK9との結合について競合する。
特定の実施形態において、被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する。特定の実施形態において、被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する。特定の実施形態において、heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる。特定の実施形態において、臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている。特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される。
特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラ
ートである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けしていない。
特定の実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される。
特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される。特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≧70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される。
別の態様において、本開示は、ヒト被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質の投薬レジメンであって、該抗PCSK9抗体またはその抗原結合タンパク質を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与した後:(a)ゼロ時間から実時間までの台形法を使用して算定される血漿濃度対時間曲線下面積(AUClast)約250mg・日/L〜約650mg・日/L;(b)実測最大血漿濃度(Cmax)約15mg/L〜約33mg/L;(c)最大血漿濃度に最初に達するまでの時間(tmax)約7日;および(d)最終半減期に達するまでの時間(t1/2 )約5.5日〜約12日からなる群から選択される特性の1つまたはそれ以上を有する前記投薬レジメンを提供する。
別の態様において、本開示は、ヒト被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質の投薬レジメンであって、該抗PCSK9抗体またはその抗原結合タンパク質を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与した後:(a)ゼロ時間から実時間までの台形法を使用して算定される血漿濃度対時間曲線下面積(AUClast)約150mg・日/L〜約450mg・日/L;(b)実測最大血漿濃度(Cmax)約10.5mg/L〜約24mg/L;(c)最大血漿濃度に最初に達するまでの時間(tmax)約7日;および(d)最終半減期に達するまでの時間(t1/2 )約5日〜約9日からなる群から選択される特性の1つまたはそれ以上を有する前記投薬レジメンを提供する。
別の実施形態において、本開示は、被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含む前記方法を提供する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRア
ミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する。
特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と、PCSK9との結合について競合する。
特定の実施形態において、被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する。特定の実施形態において、被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する。特定の実施形態において、heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる。特定の実施形態において、臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている。特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される。
特定の実施形態において、非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである。
特定の実施形態において、被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない。
特定の実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される。
特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される。特定の実施形態において、4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≧70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される。
以下の実施例は、本発明の方法および組成物の作製および使用方法の完全な開示および説明を当業者に与えるために提示するものであり、本発明者らが自分達の発明と考える範囲を限定することを意図したものではない。
ヒトPCSK9に対するヒト抗体の産生
ヒト抗PCSK9抗体を米国特許8,062,640号に記載されているように産生させた。以下の実施例で使用する例示的PCSK9阻害剤は、「アリロクマブ」と称するヒト抗PCSK9抗体である。アリロクマブは、次のアミノ酸配列特性を有する:配列番号
90を含む重鎖可変領域(HCVR);配列番号92を含む軽鎖可変領域(LCVR);配列番号76を含む重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号78を含むHCDR2、配列番号80を含むHCDR3、配列番号84を含む軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、配列番号86を含むLCDR2、および配列番号88を含むLCDR3。
アリロクマブは、プロタンパク質転換酵素サブチリシン・ケキシン9型(PCSK9)に結合する完全ヒトモノクローナル抗体である。プロタンパク質転換酵素サブチリシン・ケキシン9型は、セリンプロテアーゼのサブチリシンファミリーに属し、肝臓で高度に発現される。PCSK9は、低密度リポタンパク質受容体(LDLR)タンパク質レベルの調節に関与する。動物およびヒトにおいて、アリロクマブは、循環中のLDL−Cレベルを低減させる。アリロクマブは、LDL−Cを低下させるためのおよび心血管疾患のリスクを低減させるための有効な処置であろう。
健常被験者における単独で、または複数回経口用量として投与されるエゼチミブもしくはフェノフィブラートに加えて、複数回150mg皮下用量として投与されるアリロクマブの薬力学的プロファイルについての無作為化、部分盲検、3並行群間研究
序論
第1相治験を行って、健常被験者における抗PCSK9抗体、アリロクマブ、の薬力学および安全性を評価した。この研究の主要目的は、単独で投与されるまたはエゼチミブもしくはフェノフィブラートに加えて投与されるアリロクマブの薬力学的プロファイルを低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)に基づいて評価することであった。この研究の副次的目的は:1)単独で投与されるまたはエゼチミブもしくはフェノフィブラートに加えて投与されるアリロクマブの薬力学的プロファイルを他の脂質パラメータに基づいて評価すること、2)単独で投与されるまたはエゼチミブもしくはフェノフィブラートに加えて投与されるアリロクマブの薬物動態プロファイルを評価すること、3)エゼチミブおよびフェノフィブラートへの曝露を実証すること、4)PCSK9レベルに対するエゼチミブまたはフェノフィブラートいずれかの効果を評価すること、および5)アリロクマブとエゼチミブまたはフェノフィブラートいずれかとの併用投与の安全性を評価することであった。
この第1相研究は、エゼチミブまたはフェノフィブラートいずれかでの4週間の導入期間、続いて17週間の処置期間(すなわち、A群:アリロクマブ+エゼチミブプラセボ、B群:アリロクマブ+エゼチミブ、C群:アリロクマブ+フェノフィブラート)を用いて3つの並行群で行った、無作為化、部分盲検、対照研究であった。この研究により、LDL−C低下効果に対するならびに遊離PCSK9および全アリロクマブの循環レベルに対する150mg Q4Wとエゼチミブ(EZE)およびフェノフィブラート(FENO)の併用の影響を調査した。
被験者
この研究により、健常被験者72名を評価した。組み入れ基準は:スクリーニング(−第29日)時に血清LDL−Cレベル>130mg/dLであり、脂質低下治療を受けておらず、(アリロクマブ開始前の)−第1日のベースライン対照時に血清LDL−Cレベル≧100mg/dLである、年齢18〜65歳の健常男性または女性被験者であった。(注記:実施上の理由から、ベースラインLDL−C測定用の血液サンプルをD−1に採取して、アリロクマブでの処置を開始する前に被験者が依然としてLDL−Cレベル≧100mg/dLを有することを検証した)。
被験者72名を、1群当たり被験者24名の3群に無作為化した。被験者のベースライン特性を表1に示す。
Figure 2020037566
研究処置
アリロクマブを注射用の150mg/mL溶液として製剤化した。アリロクマブを腹部に皮下投与した。アリロクマブを150mgの用量で4週間ごとに注射1回、合計3回の注射にわたって投与した。
エゼチミブを10mgオーバーカプセル化錠剤(およびマッチするプラセボエゼチミブカプセル)として製剤化した。エゼチミブを経口投与した。エゼチミブを21週間の全継続期間(4週間の導入、続いてアリロクマブの初回投与後17週間)にわたって10mg用量、1日1回投与で投与した。
フェノフィブラートを160mgコーティング錠で製剤化した。フェノフィブラートを食事中に経口投与した。フェノフィブラートを21週間の全継続期間(4週間の導入、続いてアリロクマブの初回投与後17週間)にわたって160mg用量、1日1回投与で投
与した。
処置継続期間は、次の通りであった。被験者は、エゼチミブまたはフェノフィブラートまたはプラセボエゼチミブの反復用量(1日用量)を導入期間の継続期間(−第28日〜−第1日)にわたっておよび処置期(第1日〜第120日)を通して受け、エゼチミブまたはフェノフィブラートまたはプラセボエゼチミブを継続することに加えてアリロクマブの反復用量を(第1、29および57日に)受けた。
観察継続期間は、被験者1名につき最大25週まで(スクリーニングから研究の最終[EOS]訪問まで)であり、これは、3週間のスクリーニング期間、4週間の導入期間、17週間の処置期間、およびEOS訪問(エゼチミブ、プラセボまたはフェノフィブラートの最終投薬後、最低4日)を含んだ。
評価の基準
薬力学的基準は、次の通りであった。主要エンドポイントは、ベースライン(D−29)からの算定血清LDL−Cの変化率であった。副次的エンドポイントは、算定LDL−Cのベースラインからの絶対変化、ベースラインからの変化率および絶対変化で分析した総コレステロール(TC)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)、非HDL−C、トリグリセリド(TG)、アポリポタンパク質B(アポB)、アポリポタンパク質A1(アポA1)およびリポタンパク質a(Lp[a])であった。
非コンパートメント法を用いて、アリロクマブについて以下の薬物動態(PK)パラメータを算定した:実測最大血清濃度(Cmax)、反復投薬中の処置投与直前の血清濃度(Cthrogh)、第29日の実測血清濃度(CD29)、ゼロ時間から実時間までの台形法を使用して算定した血漿濃度対時間曲線下面積(AUClast)、無限大に外挿した血清濃度対時間曲線下面積(AUC)、Cmaxに達するまでの時間(tmax)、ゼロ時間から第14日までの台形法を使用して算定した血清濃度対時間曲線下面積(AUC0〜D14)、ゼロ時間から第29日までの台形法を使用して算定した血清濃度対時間曲線下面積(AUC0〜D28)、終末相の傾きに関連する終末相半減期(t1/2z)、定量限界より高い最終濃度に対応する時間(tlast)、血清からの薬物の見かけの全身クリアランス(CL/F)、定常状態での分布容積(Vss/F)、体内に分子が残存する平均時間(MRT)、および終末相における分布容積(Vz/F)。全血清アリロクマブ濃度、全および遊離プロタンパク質転換酵素サブチリシン・ケキシン9型(PCSK9)濃度、ならびに抗アリロクマブ抗体を測定した。
被験者により自発的に報告されたまたは治験責任医師より観察された有害事象(AE;局所耐容性を含む)、臨床検査室評価(生化学、血液学、凝固および尿検査)、バイタルサイン評価(心拍数、収縮期血圧および拡張期血圧)、体重、健康診断、12リード心電図(ECG)自動現場記録、尿薬物スクリーニング;アルコール呼気または血漿試験;女性におけるβ−ヒト絨毛性ゴナドトロピンレベル;および免疫原性(抗アリロクマブ抗体力価)評価によって、被験者を安全性についてモニターした。
薬力学サンプリング時間
脂質パラメータ(すなわち、LDL−C、TC、HDL−C、非HDL−C、TG、アポB、アポA1、Lp[a])用の血液サンプリングは、午前中、空腹状態(少なくとも10時間絶食し、喫煙を自制する)で、一切の薬物摂取前に行った。
血液サンプルは、スクリーニング時;導入期の−第1日;および処置期の第8、15、22、29±1、57±1、64±1、71±1、78±1、85±1、99±2、および120±3日に採集した。
薬物動態サンプリング時間および生物学的分析法
アリロクマブならびに全および遊離PCSK9のアッセイ用の薬物動態血液サンプルは、導入期の−第28日および−第15日±2日に(全および遊離PCSK9アッセイのみ);処置期の第1、8、15、22、29、57、64、71、78、85、99、120日に;およびEOS訪問時に採集した。
全および非抱合型エゼチミブならびにフェノフィブリン酸のアッセイ用の薬物動態サンプルは、導入期の−第28日、−第15日および−第1日;ならびに処置期の第1、29、57および64日に採集した。
抗薬物抗体(ADA)レベルの判定用のサンプルは、導入期間の−第28日;処置期の第29、57、85および120日;ならびにEOS訪問時に採集した。
アリロクマブの血清濃度は、妥当性が検証されている酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)法を用いて0.078μg/mLの定量下限(LLOQ)で判定した。
全および非抱合型エゼチミブならびにフェノフィブリン酸の血漿濃度は、妥当性が検証されている液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法(LC−MS/MS)を用いて、それぞれ0.2ng/mL、0.04ng/mLおよび49.9ng/mLの定量下限で判定した。
酸で処理したヒト血清中の抗アリロクマブ抗体力価を判定するための妥当性が検証されている電気化学発光アッセイを用いて、抗アリロクマブ抗体サンプルを分析した。サンプルの最小希釈に基づいて、いずれの抗アリロクマブ抗体陽性サンプルについても最小力価は30であった。ニート血清サンプルの場合、妥当性が検証されている検出下限は、おおよそ1.5ng/mLであった。
要約
集団特性
研究対象集団には被験者72名(各処置群の24名)を組み入れた;21〜65歳の間の男性被験者32名および女性被験者40名がいた。
薬力学的結果
LDL−Cは、導入期間(−第29日〜−第1日)中にエゼチミブおよびフェノフィブラート群において同様に減少し、−第1日にエゼチミブおよびフェノフィブラート群ではそれぞれ−19.8(2.1)%および−25.9(3.2)%に達し、プラセボ群では安定したままであった(−第1日に+1.6(3.0)%)(図2)。導入期間後、第1日から投与したアリロクマブでの処置は、前記エゼチミブおよびフェノフィブラート群におけるものより大きい、さらなる減少を生じさせた。LDL−Cの相対変化は、第15日までは3つの処置群において同様であり、その後、第15日から小幅な再増加がフェノフィブラート群において開始したが、これは、第22日までは、同じくわずかな再増加が見られたエゼチミブ群でのほうが安定していた。この傾向は、アリロクマブのみの群では観察されず、この群ではLDL−Cの減少が維持された。アリロクマブの第3回投与は、初回用量後に観察された減少と比較してさらなるLDL−C減少を生じさせ、最大効果は、考慮したベースライン(−第29日または−第1日)が何れであっても、全ての処置群において第71日(投与14日後)のアリロクマブの第3回投与後に達成され(p<0.0001)、エゼチミブおよびフェノフィブラート群において初回投与の21日後に見られるものと同様の挙動で達成された(図2および3:表2)。最大減少は、アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、(−第29日ベ
ースラインからの変化)−47.59%、−65.34%および−66.75%であった。−第1日ベースラインからの変化を用いると、最大減少は、アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、それぞれ、−47.39%、−56.56%および−54.34%であった。アリロクマブの第3回投与後第28日(すなわち、第85日)において、減少は、単独で、エゼチミブと共に、またはフェノフィブラートと共に投与したアリロクマブについて、それぞれ、(−第1日ベースラインからの変化)−47.03%、−49.57%および−43.17%であった。図2および3を参照されたい。
全体的な処置効果は有意であった(p<0.0001)。ペアワイズ比較は、アリロクマブのみと、エゼチミブと併用投与したアリロクマブとの差は、全ての時点にわたって有意なままであることを示した(図2)。アリロクマブのみと、フェノフィブラートと併用投与したアリロクマブとの差も、第99日を除いて、全ての時点にわたって有意なままであった(CI:−13.8174〜0.1219%)。
図4に示されているように、アリロクマブのみに対するエゼチミブと併用投与したアリロクマブについての平均推定値と、アリロクマブのみに対するフェノフィブラートと併用投与したアリロクマブについての平均推定値との差の解析は、研究の時間経過を通してフェノフィブラート群とエゼチミブ群との差を一切示さない。TCの相対変化は、LDL−Cの変化と同様であった。処置効果は、TGおよびHDL−C両方について有意であった。アリロクマブのみと比較してフェノフィブラートはHDL−Cの増加およびTGの減少を生じさせ、これらは維持され、殆どの時点にわたって有意であったのに対して、アリロクマブのみと比較してエゼチミブ群での変化は一般に有意でなかった。
他の脂質パラメータに対する効果を表2に要約する。表2は:1)主要−第29日ベースラインから第71日までの低減の平均百分率(SEM)が、アリロクマブのみで−48.2(2.3)%、アリロクマブ+EZEおよび+FENOでそれぞれ−65.3(2.0)%および−66.8(2.7)%であったこと;および2)−第1日ベースラインから第71日までのLDL−C低減の平均百分率(SEM)が、アリロクマブのみで−47.4(3.2)%、アリロクマブ+EZEおよび+FENOでそれぞれ−56.6(2.5)%および−54.3(3.5)%であったことを示す。
Figure 2020037566
図5は、3つの処置群を互いに比較する、および処置群ごとに−第29日ベースラインからのLDL−Cの変化率と比較した、遊離PCSK9の平均レベルを示す、4つのグラフの1群である。
図6は、−第29日ベースラインからのLDL−Cの変化率、第57日(第3回アリロクマブ注射時)〜第85日(第3回アリロクマブ注射の28日後)の遊離PCSK9および全アリロクマブレベルを示す、3つのグラフの1群である。
プラセボ導入期間中(すなわち、アリロクマブ処置前)に、FENOは、152〜217ng/mLへの遊離PCSK9レベル増加をもたらした。対応する遊離PCSK9の変化は、プラセボ群では147〜119ng/mL、EZE群では151〜142ng/mLであった(図5A)。
遊離PCSK9の完全抑制が初回および第3回アリロクマブ注射後に起こった(第2回注射後には測定を行わなかった)(図5A)。
アリロクマブ注射後7〜15日後、遊離PCSK9のレベルは、FENO群において、およびそれほどではないにせよEZE群において、アリロクマブのみの群と比較して再び増加した(図5A)。これらの増加は、EZEおよびFENO群で観察された効能の小幅な減少と一致した(図5B〜D;および図6A+Bでクローズアップ)。
遊離PCSK9の変化に対応して、アリロクマブ曝露は、FENOの存在下で低減され(アリロクマブのみに対する幾何平均比[95%信頼区画]:0.64[0.53対0.77])、EZEの存在下でも低減された(アリロクマブのみに対して0.85[0.70対1.03])(図6C)。
安全性結果
この研究中の死亡またはSAEはなかった。TEAEの発生率は、3つ処置群にわたって同様であった(アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、50.0%、58.3%および50.0%)。フェノフィブラート群の被験者1名のみは重度のTEAEを有し、記録された(アリロクマブの最終投与の64日後に起こり、約11時間続き、処置に関係しないとみなされた、腎疝痛)。最も高頻度のTEAE(すなわち、いずれかの処置群において被験者≧2名で記録されたもの)は、頭痛(アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、3/24、5/24および2/24)、鼻咽頭炎(アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、3/24、4/24および4/24)、インフルエンザ(アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、2/24、0/24および1/24)、胃腸炎ウイルス(アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、0/24、0/24および2/24)、インフルエンザ様疾患(アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、1/24、3/24および1/24)、および腹痛(アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、2/24、1/24および1/24)であった。他の全てのTEAEは、3群間で散発的であった。
バイタルサインのPCSAは殆どなく、3治療群における発生率は低かった。ECGパラメータのPCSAは殆どなかったが、QTc>450ミリ秒(男性)もQTc>470ミリ秒(女性)も記録されず、QTcの延長(ベースラインからの増加>60ミリ秒と定義される)は検出されなかった。バイタルサインおよびECGパラメータのこれらの異常は、いずれも臨床的に有意とみなされなかった。
血液学および生化学パラメータのPCSAは殆どなく、3治療群における発生率は低かった。これらの異常は、アリロクマブのみの群の被験者1名におけるクレアチニンプロテインキナーゼ(CPK)増加>10正常上限(ULN)を除いて、いずれも臨床的に有意とみなされなかった。EOS訪問時に記録されたこのCPK増加は、身体運動に関係しているとみなされ、AEと断定された。肝機能試験でのPCSAはなかった。
重篤有害事象(AE)もAEに起因する中止もなかった。治療創発的有害事象(TEAE)を表3に要約する。
アリロクマブ+FENO群の被験者1名は重度のTEAE(腎疝痛)を有し、これは、治験責任医師によって研究処置に関係するとみなされなかった。
バイタルサイン、心電図、血液学的または生化学的パラメータの臨床的に有意な変化は、この研究では観察されなかった。アリロクマブ+プラセボ群の被験者1名は、正常上限の>10倍のクレアチンホスホキナーゼの増加を示し、これは、治験責任医師によって身体運動に関係するとみなされた(表3)。
Figure 2020037566
免疫原性結果
アリロクマブのみの群の被験者24名のうちの4名(16.7%)、エゼチミブ群の被験者6/24名(25%)、およびフェノフィブラート群の被験者7/24名(29.2%)は、ADA陽性と検定され、30(最小検出可能力価)〜240の間の範囲の力価を有した。240の単回力価が第29日にエゼチミブ群の被験者で検出され、第85日には30の力価に減少した。第120日に、この被験者においてADAは検出できなかった。他の全ての測定ADA力価は、他の全てのADA陽性被験者について低く、30〜120の間であった。
全ての群にわたって、被験者4名は、投与前試料でADA陽性力価を示した。これは、これらの被験者が、このアッセイで処置前免疫反応性を示し、研究対象薬物の投与に対する処置創発的ADA応答を必ずしも示さないことを示唆している。処置前陽性被験者1名(フェノフィブラート群)のみはベースライン後期間に力価増加を有し、第29日および第120日に120の最大力価を有した。
薬物動態(PK)結果
150mgアリロクマブのQ4W反復SC用量の後のアリロクマブのPKパラメータの記述統計学を下の表(表4〜6)および図7に提供する。
Figure 2020037566
Figure 2020037566
Figure 2020037566
第1回注射後、アリロクマブCmax値は、アリロクマブのみに対してアリロクマブ+エゼチミブを比較したとき、点推定値0.97(90%CI=0.82〜1.14)を有し、同様であった。ところが、点推定値0.88(90%CI=0.76〜1.03)を有するAUC0〜D28低減傾向が見られた。アリロクマブ血清曝露は、アリロクマブのみに対してアリロクマブ+フェノフィブラートを比較したとき、CmaxおよびAUC0〜D28についてそれぞれ点推定値0.78(90%CI=0.66〜0.92)および0.74(90%CI=0.64〜0.86)を有し、低減された。
第3回注射後、アリロクマブCmax値は、アリロクマブのみに対してアリロクマブ+エゼチミブを比較したとき、点推定値0.92(90%CI=0.78〜1.09)を有し、同様であった。AUC0〜D28は、点推定値0.85(90%CI=0.70〜1.03)を有し、低減されるように見えた。アリロクマブ+エゼチミブ対アリロクマブのみの群では、点推定値0.80(90%CI=0.72〜0.90)を有し、より短い半減期の傾向(6.72±1.56対8.76対±3.12日)が見られた。
アリロクマブ血清曝露は、アリロクマブのみに対してアリロクマブ+フェノフィブラートを比較したとき、CmaxおよびAUC0〜D28についてそれぞれ点推定値0.71(90%CI=0.60〜0.84)および0.64(90%CI=0.53〜0.77)を有し、低減されたままであった。平均半減期は、アリロクマブのみの群に対してアリロクマブ+フェノフィブラートを比較したとき、点推定値0.83(90%CI=0.74〜0.93)を有し、低減された。7.07±1.68日および8.76±3.12日の半減期を、それぞれ、アリロクマブ+フェノフィブラートおよびアリロクマブのみの群について算定した。
結論
導入期間中に観察されたEZEおよびFENO治療のみでのLDL−C低減は、予想通りであった。
アリロクマブ150mg Q4W単剤治療は、(ベースラインに関係なく)約48%のLDL−C低減をもたらし、これは28日投与間隔にわたって維持された。アリロクマブとEZEまたはFENOの併用は、アリロクマブのみでより大きいLDL−C低減をもたらした:1)プラセボ、EZEまたはFENOでの28日の導入を含む、主要ベースラインからの最大低減は、EZEまたはFENOで約65%であった;2)(初回アリロクマブ注射からの)追加のベースラインを使用する、対応する低減は、EZEまたはFENOで約55%であった。
FENOのみでの処置、およびそれほどではないにせよEZEでの処置は、プラセボと比較して遊離PCSK9の小幅な増加をもたらした。
FENO併用群におけるアリロクマブの投薬の14〜28日後に観察された効能のわずかな減少は、FENO投与で観察された遊離PCSK9レベルの増加に起因して低減されたアリロクマブ曝露の結果であろう。これは、それほどではないにせよ、EZE併用でもそうであると考えられる。
以前の研究は、併用スタチン治療が標的媒介クリアランス増加によってアリロクマブの効能継続期間を低減させ、これを克服するために隔週の投薬を要することを示唆した。この研究は、他のLLT(EZE、FENO)がアリロクマブ効能継続期間に対してあまり影響を及ぼさない可能性があり、そのため他のLLT(EZE、FENO)をより少ない/より低頻度のアリロクマブ用量と共に利用することができるであろうことを示唆している。
他の脂質パラメータに対する効果は、以前の経験に基づいて予想した通りであり、同様のTEAE発生率が全ての群で報告された。
この研究の結果は、EZEおよびFENO治療が、アリロクマブ投与でのLDL−Cのわずかに大きい低減の説明になるであろう遊離PCSK9レベルの小幅な増加はもちろん、この最大効果の継続期間の小幅な低減も、もたらすことを示唆している。しかし、これらのデータは、スタチンとの併用とは異なり、アリロクマブ150mgを単剤治療設定でおよび非スタチンLLTと併用してQ4W投薬することができるであろうということを示す。
最大減少は、アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群において、それぞれ、(−第29日ベースラインからの変化)−47.59%、−65.34%および−66.75%であった。健常被験者における単独でのまたはエゼチミブ(10mg/日)もしくはフェノフィブラート(160mg/日)に加えてのアリロクマブ150mg Q4Wの投与は、アリロクマブ前ベースライン値と比較して、第3回アリロクマブ投与14日後にアリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群においてそれぞれ−47.39%、−56.56%および−54.34%に達するLDL−Cの減少を生じさせた。アリロクマブのみの群、エゼチミブ群およびフェノフィブラート群におけるそれぞれ−47.03%、−49.57%および−43.17%の低減が、第3回アリロクマブ投与の28日後になお観察された。これは、アリロクマブを単独で投与したときの効果の維持を示唆しているが、最大効果からの小さな変化が両方の併用アームにおいて投薬後2週間〜4週間の間に見られた。アリロクマブとエゼチミブまたはフェノフィ
ブラートいずれかとの併用投与は、LDL−Cの同様の減少を生じさせた。
アリロクマブのみに対してアリロクマブ+エゼチミブを比較したとき、Cmax値は同様であり、アリロクマブ+エゼチミブ処置群でのほうが低いAUC0〜D28およびしたがってこの群でのほうが速い排出の有意な傾向はなかった。
アリロクマブPKパラメータは、フェノフィブラートの併用投与によって有意に低減された。フェノフィブラートの1日用量160mgは、上で説明したように血清中のアリロクマブ曝露を低減させた。処置のtmax中央値差の分析は、差を示さなかった。
ADAの発生率および力価は、3つ処置群について同様であった。ADA陽性および陰性被験者におけるアリロクマブの血清濃度は、3つの処置群で同等であった。
血漿中のエゼチミブまたはフェノフィブラートの連続曝露が研究期間を通して確認された。
健常被験者において、単独で、またはエゼチミブもしくはフェノフィブラートに加えて、3回の投与にわたって150mgの用量でQ4W投与したアリロクマブは、十分耐容された。
スタチンで処置されていない原発性高コレステロール血症を有する患者におけるアリロクマブの効能および安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間研究
用量の選択
バックグラウンド治療としてスタチンで行った研究の結果に基づいて、Q2W投薬レジメンは、スタチン処置患者において投与間隔を通して一定したLDL−C低下を維持するために適切であり、150mg Q2Wの投薬によって12週間で最大効能が得られる。しかし、多くの患者について、150mg Q2W用量で観察されるほどの効果は標的LDL−C目標の達成に必要ないことがあり、より低い用量での開始を試みることもある。
この研究で評価することになるアリロクマブの150mg Q4W投薬レジメンは、併用スタチンを受けていない患者において観察された、より長い作用継続期間に基づく。PCSK9のスタチン刺激生産増加は、アリロクマブの作用継続期間に影響を及ぼす可能性がある。なぜなら、PCSK9生産率が高いほど、結果的に抗体の標的媒介クリアランスが大きくなる可能性があるからである。スタチンに比べて、PCSK9レベルに影響を殆どまたは全く及ぼさないようであるエゼチミブまたはフィブラート、およびQ4W投薬レジメンは、これらの脂質低下治療を受けているがスタチンを受けていない患者において投薬間隔を通して十分なLDL−C低下を維持すると予想される。
プロトコール設計の理論的根拠
本研究の目的は、スタチンで処置されていない患者における有望な開始用量としてのアリロクマブ150mg Q4Wの効能および安全性を評価することである。現行の研究は、4週間ごとの投薬レジメンについて、エゼチミブまたはフェノフィブラートまたは食事のみのバックグラウンド治療を受けている患者において、効能、安全性および耐容性に関する情報を提供することになる。
この研究に選択する患者はいずれもスタチンを受けないことになる。現行の研究における母集団の構成要素は、スタチン不耐性患者である。
全体としては、患者の2/3である対象者は、エゼチミブまたはフェノフィブラートでのバックグラウンド治療を受けるべきである。
スタチンを受けない/受けることができない、エゼチミブまたはフェノフィブラートまたは食事のみの彼らのバックグラウンド治療を維持している患者のこの研究において、二重盲検処置期間にわたって対照としてプラセボを選択することは、150mg Q4Wの効能および安全性の最もロバストな評価をもたらすことになるので、この研究の目的にふさわしいようである。アリロクマブ75mg Q2Wのキャリブレータアームは、開始用量の基準になる。
第3相プログラムにおいてアリロクマブの投薬レジメンを患者の要求に合わせることに役立つように、大部分の研究では定常状態でLDL−Cの50%低減をもたらすと予想される用量(75mg Q2Wプログラム)でアリロクマブを開始する。開始用量として75mg Q2Wを用いる全ての研究において、第8週に達成されるLDL−Cレベルに基づいて第12週に用量を150mg Q2Wに増加させる。非スタチン処置患者における有望な開始用量としての150mg Q4Wを評価する現行の研究では、このプログラムの他の全ての研究の場合と同様に、必要に応じて、第12週にアップタイトレーションも行うことになる。全プログラムにおいて、必要に応じて、タイトレーションを行った後に主要効能を評価する。この研究では、主要効能パラメータを第24週に評価することになる。12週間効能評価(すなわち、アップタイトレーション前のもの)の考慮が重要となり、したがって、それを肝要な副次的エンドポイントとして分析することになる。
二重盲検期間についての24週間の継続期間は、開始用量としての150mg Q4Wを含む投薬レジメンに関する安全性情報を得るために妥当であると考えられる。アリロクマブへの曝露(CmaxおよびAUC)は、75mg Q2Wで観察されるものと150mg Q2Wで観察されるもの間にあり、安全性情報のための大きいデータベースがより長い継続期間にわたって利用可能になるからである。タイトレーション後期間において、LDL−C目標に達していない患者は、プログラムの残部におけるような150mg Q2Wを受けることになる。このQ4W投薬に関する追加の安全性データを得るために、患者は、第24週〜2016年6月の任意選択の非盲検処置期間に参加することもある。
この特異的研究に着手して、スタチンで処置されていない原発性高コレステロール血症を有する患者において、アリロクマブ150mg Q4Wを開始用量として含むレジメンを、非スタチン脂質修飾バックグラウンド治療(エゼチミブもしくはフェノフィブラート)へのアドオンとしてまたは食事のみと共に用いて、プラセボと比較して、安全性および低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の低減を立証する。最適化されたLMT(エゼチミブもしくはフェノフィブラート)を用いてまたは食事のみを用いてLDL−C目標点にいないスタチン不耐性集団は、LDL−C低下治療にアリロクマブを加えることによって対処することができる、医療上のまだ満たされていない必要性が確認された群を意味する。24週間二重盲検処置期間の終了時、任意選択の非盲検処置期間に入ることを選ぶ患者に関して、必要に応じてバックグラウンド治療を調整することができる。
研究目的
この研究の主要目的は、スタチンで処置されていない原発性高コレステロール血症を有する患者において、プラセボと比較して、150mg Q4Wのアリロクマブ開始用量を非スタチン脂質修飾バックグラウンド治療へのアドオンとしてまたは単剤治療として含むレジメンによる低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の低減を立証することである。
副次的目的は:他の脂質パラメータ(例えば、アポリポタンパク質B(アポB)、非高
密度リポタンパク質コレステロール(非HDL−C)、総コレステロール(TC)、リポタンパク質(a)(Lp[a])、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)、トリグリセリド(TG)およびアポリポタンパク質A−1(アポA−1))レベルと比較して、開始用量として150mg Q4Wを用いてアリロクマブの効果を評価すること;アリロクマブ150mg Q4Wの安全性および耐容性を評価すること;抗アリロクマブ抗体の発生を評価すること;およびアリロクマブ150mg Q4Wの薬物動態(PK)を評価することである。
他の目的は、75mgアリロクマブのQ2W投薬レジメンの効能および安全性を評価することである。
研究デザイン
これは、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設、第3相研究である。無作為化をスタチン不耐性状態および非スタチン脂質修飾バックグラウンド治療に従って階層化することになる。スタチンを受けていない患者のみを組み入れることにする。下の集団セクションで定義する中等度の、高いまたは非常に高いCVリスクがあるスタチン不耐性患者は、研究対象集団のおおよそ50%である対象者を表すことになる。スタチン不耐性は、この治験については、スタチン治療中に始まりまたは増し、スタチン治療を中止すると停止した、筋挫傷もしくは外傷に起因するもの以外の、骨格筋関連症状、例えば疼痛、鈍痛、脱力もしくは筋痙攣、に起因する、少なくとも2種のスタチン:最低1日用量(ロスバスタチン5mg、アトルバスタチン10mg、シンバスタチン10mg、ロバスタチン20mg、プラバスタチン40mg、フルバスタチン40mgもしくはピタバスタチン2mgと、または各国ごとの表示による最低承認1日用量と定義する)での一方のスタチンと、任意の用量でのもう一方のスタチンに対する耐容不能と定義する。SI定義を満たさない、中等度のCVリスクのある患者が、研究対象集団の残部を構成することになる。
バックグラウンド治療については、患者のおおよそ2/3である対象者は、バックグラウンド治療(フェノフィブラートまたはエゼチミブ)を受けることになり、1/3以下の患者は、食事のみで処置されることになる。
この研究は、4つの期間を含む:
1)最大3週間のスクリーニング期間、
2)患者が次のような二重盲検研究処置を受けることになる、24週間の二重盲検、並行群間処置期間:
4週間ごとに皮下のアリロクマブ150mg
または
隔週、皮下のアリロクマブのプラセボ
または
隔週、皮下のアリロクマブ75mg
この盲検をプラセボSC Q4Wと交互に4週間ごとのアリロクマブ150mgで維持することになる。
第12週訪問時、患者は、第8週における彼らのLDL−Cに基づいて、以下のように、盲検下でアリロクマブ150mg Q4Wもしくは75mg Q2Wを受け続けることになるか、または彼らの用量をアップタイトレーションすることになる:
i)非常に高いCVリスクを有する患者は、盲検下:
彼らの第8週LDL−Cが<70mg/dL(1.81mmol/L)であり、彼らが第8週にベースラインから少なくとも30%のLDL−C低減を有した場合、第12週以降、第22週の最終注射まで、アリロクマブ150mg Q4Wもしくは75mg Q2Wを受け続けることなるか;または
彼らの第8週LDL−Cが≧70mg/dL(1.81mmo/L)である場合、もしくは彼らが第8週にベースラインから少なくとも30%のLDL−C低減を有さなかった場合、第12週以降、第22週の最終注射までアリロクマブ150mg Q2Wにアップタイトレーションされる用量を受けることになる。
ii)高いまたは中等度のCVリスクを有する患者は、盲検下:
彼らの第8週LDL−Cが<100mg/dL(2.59mmol/L)であり、彼らが第8週にベースラインから少なくとも30%のLDL−C低減を有した場合、第12週以降、第22週の最終注射まで、アリロクマブ150mg Q4Wもしくは75mg Q2Wを受け続けることなるか;または
彼らの第8週LDL−Cが≧100mg/dL(2.59mmo/L)である場合、もしくは彼らが第8週にベースラインから少なくとも30%のLDL−C低減を有さなかった場合、第12週以降、第22週の最終注射までアリロクマブ150mg Q2Wにアップタイトレーションされる用量を受けることになる。
3)二重盲検処置期間終了後8週間の追跡調査期間。
非盲検処置期間に適格でない患者を、彼らが非盲検処置期間への参加を選ばないまたは参加に適格でない場合、二重盲検処置期間終了後8週間の期間にわたって追跡調査することになる。8週間の追跡調査期間は、非盲検処置期間への参加に適格であり参加を選択する患者には当てはまらない。
4)任意選択の非盲検処置期間。
二重盲検処置期間を首尾よく完了する患者は、任意選択の非盲検処置期間に入るのに適格となる(但し、彼らがいずれの処置関連AEも経験しなかった、または有意なプロトコール逸脱を有さなかったことを条件とする)。
患者は、非盲検処置期間の開始時にアリロクマブ150mg Q4Wを受けることになる。非盲検処置期間中の初回注射は、第24週訪問(非盲検処置期間の初回訪問)時に実施施設で投与することになる。
第32週のLDL−C値に基づいて、第36週訪問から、治験責任医師は、彼/彼女自身の判断に基づいてアリロクマブ用量の調整を管理することになる。第36週に、患者は、アリロクマブ150mg Q4Wを受け続けることになるか、またはアリロクマブ150mg Q2Wにアップタイトレーションされる用量を受けることになる。後に150mg Q4Wにダウンタイトレーションしてもよいであろう。
可能な場合、安定したバックグラウンド治療を維持すべきであるが、特に耐容性の問題が生じた場合、治験責任医師の判断に基づいてバックグラウンド治療を調整してもよい。
LDL−C値に基づく調整については、治験責任医師は必要に応じてバックグラウンド治療を修飾することができる。しかし、アリロクマブ用量と何らかのLMTの同時調整は避けるべきである。
これらの患者の処置は、二重盲検処置期間中の研究対象薬物の最終用量(第22週)〜第24週(非盲検処置期間の初回用量)以降、2016年6月まで途切れず継続することになる。
研究参加継続期間
研究継続期間は、最大3週間のスクリーニング期間と、効能および安全性評価のための24週間の二重盲検処置期間と、DBTPの最終訪問後の非盲検処置期間にわたっての適格でない患者についての8週間の処置後追跡調査期間とを含む。したがって、患者1名あたりの研究継続期間は、約35週間+任意選択の非盲検処置期間である。8週間の追跡調
査期間は、非盲検処置期間への参加に適格であり参加を選択する患者には当てはまらない。二重盲検処置期間を首尾よく完了する患者は、任意選択の非盲検処置期間に入るのに適格となる(但し、彼らがいずれの処置関連AEも経験しなかった、または有意なプロトコール逸脱を有さなかったことを条件とする)。
患者の選択
以下の基準の全てを満たす患者をこの研究への参加について考慮することになる。フェノフィブラートまたはエゼチミブまたは食事のみを受けている、原発性高コレステロール血症(heFHまたは非FH)を有する患者。スタチンを受けていない患者のみをこの研究に組み入れることになり、該患者は:中等度の、高いもしくは非常に高いCVリスクを有する、下で定義するようなスタチンに不耐性である患者;またはSI定義を満たさない患者に相当する。中等度CVリスクのある患者のみをこの階層に組み入れることになる。
スタチン不耐性は、スタチン治療中に始まりまたは増し、スタチン治療を中止すると停止した、筋挫傷もしくは外傷に起因するもの以外の、骨格筋関連症状、例えば疼痛、鈍痛、脱力もしくは筋痙攣、に起因する、少なくとも2種のスタチン:最低1日開始用量(ロスバスタチン5mg、アトルバスタチン10mg、シンバスタチン10mg、ロバスタチン20mg、プラバスタチン40mg、フルバスタチン40mgもしくはピタバスタチン2mgと、または各国ごとの表示による最低承認1日用量と定義する)での一方のスタチンと、任意の用量でのもう一方のスタチン、に対する耐容不能と定義する。
中等度のCVリスクは、算定10年致死性CVDリスクSCORE≧1かつ<5%(ESC/EAS 2012)と定義する。
高いCVリスクは、算定10年致死性CVリスクSCORE≧5%(ESC/EAS 2012)、または中等度慢性腎疾患(CKD)、または標的臓器障害を有さない1型もしくは2型糖尿病、またはheFH(NCEP−ATP III、ESC/EAS 2012)と定義する。
非常に高いCVリスクは、記録されたCHD歴、虚血性脳卒中、末梢動脈疾患(PAD)、一過性脳虚血発作(TIA)、腹部大動脈瘤、症状のない>50%の頸動脈閉塞、頸動脈内剥離もしくは頸動脈ステント術、腎動脈狭窄、腎動脈ステント術、標的臓器障害を有する1型または2型糖尿病(NCEP−ATP III、ESC/EAS 2012)と定義する。
記録されたCHD歴(次のものの1つまたはそれ以上を含む):
急性MI、無症候性MI、不安定狭心症、冠動脈血行再建術(例えば、経皮的冠動脈形成術[PCI]または冠動脈バイパス移植術[CABG])、および侵襲的または非侵襲的検査(例えば、冠動脈造影法、トレッドミルを使用する負荷テスト、負荷心エコー検査または核イメージング)によって診断された臨床的に有意なCHD。
上記組み入れ基準の全てを満たした患者を除外基準についてスクリーニングすることになる。二重盲検期間についての除外基準は、以下である:スクリーニング訪問(−第3週、V1)時の、スタチン不耐性、およびLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)である非常に高いCVリスクと定義される患者;スクリーニング訪問(−第3週、V1)時の、スタチン不耐性、およびLDL−C<100mg/dL(<2.59mmol/L)である高いまたは中等度のCVリスクと定義される患者;スクリーニング訪問(−第3週、V1)時に、スタチン不耐性の定義を満たさない、LDL−C<100mg/dL(<2.59mmol/L)である中等度のCVリスクのある患者;食事のみを受け
ている場合、いかなるスタチン不耐性状態であろうと、スクリーニング訪問(−第3週、V1)時にLDL−C≧160mg/dL(≧4.1mmol/L)である患者、またはスタチン不耐性定義を満たさない場合、中等度CVリスクがあり、エゼチミブもしくはフェノフィブラートで処置された患者;スクリーニング訪問(−第3週、V1)時に10年致死性CVDリスクSCORE<1%(ESC/EAS 2011)である;新たに(無作為化訪問[第0週]前3カ月以内)に診断された糖尿病または制御不良の(HbA1c>9%)糖尿病;スクリーニング訪問(−第3週)の4週間以内またはスクリーニング訪問とランダム化訪問の間のスタチン、紅色酵母米製品、ナイアシンまたは胆汁酸封鎖剤の使用がある;スクリーニング訪問(−第3週、V1)前またはスクリーニング訪問と無作為化訪問の間に、少なくとも4週間、エゼチミブまたはフェノフィブラートの安定した用量を受けていない;スクリーニング訪問(−第3週、V1)の4週間以内またはスクリーニング訪問と無作為化訪問の間の、フェノフィブラート以外のフィブラートの使用がある;スクリーニング訪問(−第3週、V1)の前またはスクリーニング訪問と無作為化訪問の間に、少なくとも4週間の安定していなかった用量/量での、脂質に作用することが公知の栄養補助食品または市販の治療薬の使用がある;予定されたPCI、CABG、頸動脈または末梢血行再建を研究中に受けるように計画されている;スクリーニング訪問(−第3週、V1)および/または無作為化訪問(第0週)時の収縮期血圧(BP)>160mmHgまたは拡張期BP>100mmHg;過去12カ月以内のニューヨーク心臓協会クラスIIIまたはIV心不全歴;スクリーニング訪問(−第3週、V1)前3カ月以内の、MI、入院につながる不安定狭心症、CABG、PCI、制御されていない心不整脈、頸動脈手術またはステント留置術、脳卒中、一過性脳虚血発作、頸動脈血行再建術、末梢血管疾患のための血管内手術または外科的介入歴;出血性脳卒中の既往歴;スクリーニング訪問(−第3週、V1)時に18歳または法律上成人、いずれか高いほうの年齢未満;スクリーニング訪問(−第3週、V1)前にコレステロール低下食についての事前指導を受けていない患者;血清脂質またはリポタンパク質に影響を及ぼすことが公知の何らか臨床的に有意な制御されていない内分泌疾患の存在;スクリーニング訪問(−第3週、V1)前12カ月以内の肥満外科手術歴;スクリーニング訪問(−第3週、V1)前2カ月以内の変動>5kgによって定義される不安定な体重;ホモ接合性FHの既往歴;PCSK9機能喪失(すなわち、遺伝子突然変異または配列変異)の既往歴;無作為化前少なくとも6週間の、安定したレジメンで下垂体/副腎疾患のための補充治療として使用した場合を除く、全身性コルチコステロイドの使用;適切に処置された基底細胞皮膚癌、扁平細胞皮膚癌、または子宮頸部上皮内癌を除く、過去5年以内の癌歴;HIV検査陽性の既往歴;1カ月または5半減期、いずれか長いほう、以内に何らかの活性被験薬を用いたことがある患者;他の治験で以前にアリロクマブまたは何らかの他の抗PCSK9モノクローナル抗体の少なくとも1用量で処置された患者;レジメンがスクリーニング訪問(−第3週)前の過去6週間安定しており、研究中にそのレジメンを変更する計画がない場合を除く、連続ホルモン補充治療の使用;スクリーニング期間中に同意を撤回する患者(継続する意思がないまたは再訪問しない患者);条件/状態または検査所見、例えば:治験責任医師または任意の治験補助医師の判断で、研究の安全な完了を妨げるもしくはエンドポイントの評価を制約することになる、スクリーニング時に特定される何らかの臨床的に有意な異常、例えば重大な全身性疾患、余命の短い患者、治験責任医師または任意の治験補助医師によって何らかの理由でこの研究に不適切とみなされる患者、例えば:予定された訪問などの特定のプロトコール要件を満たすことができないと判断される患者、患者または治験責任医師により長期間の注射を投与または耐容することができないと判断される患者、治験責任医師もしくは任意の治験補助医師、薬剤師、研究コーディネーター、プロトコールの実施に直接関与する他の研究スタッフもしくは親族など、治験責任医師が研究継続期間に患者の参加を限定もしくは制限することになると感じる、実際のまたは予測される何らかの他の条件(例えば、地理的、社会的。。。。)の存在;(無作為化検査を含まない)スクリーニング期間中の検査所見:B型肝炎表面抗原またはC型肝炎抗体についての検査陽性、出産可能な女性における血清または尿妊娠検査陽性(第0週を含む)、トリグ
リセリド>400mg/dL(>4.52mmol/L)(1回の再検査を許可する)、4変数MDRD研究方程式に従ってeGFR<30mL/分/1.73m(中央検査室によって算定される)、ALTまたはAST>3×ULN(1回の再検査を許可する)、CPK>3×ULN(1回の再検査を許可する)、TSH<LLNまたは>ULN(甲状腺ホルモン補充治療を受けている患者については、前の除外基準を参照されたい);モノクローナル抗体に対するまたは薬品のいずれかの成分に対する既知過敏症;ならびに妊娠しているまたは授乳中の女性(非常に有効な受胎調整法(同意説明文書および/またはローカルプロトコール補遺で定義の通り)によって防御されていない出産可能な女性および/または妊娠について検査する意思がないもしくは検査することができない女性)。
非盲検期間についての除外基準は、以下である:治験責任医師の判断に基づく二重盲検期間における有意なプロトコール逸脱、例えば患者によるノンコンプライアンス;二重盲検期間からの恒久的中止につながる有害事象を経験したあらゆる患者;治験責任医師の意見で、患者を参加に不適任にするまたは研究への患者の参加もしくは研究の完了に干渉する、何らかの新たな状態を有するまたは既存の状態の悪化を有する患者;モノクローナル抗体に対するまたは薬品のいずれかの成分に対する既知過敏症;二重盲検期間の最終訪問(W24、第11訪問)時の妊娠検査陽性;ならびに非常に有効な受胎調整法(同意説明文書および/またはローカルプロトコール補遺で定義の通り)を続ける意志がないおよび/または妊娠について検査する意思がないもしくは検査できない、出産可能な女性。
研究処置
二重盲検処置期間についての研究処置は、腹部、大腿部、または上腕外側部に投与される、自動注射器に供給されたアリロクマブまたはプラセボの75または150mg用量用の1mLの単回SC注射である。
二重盲検処置期間(第0週〜第24週)中、以下のものを受けるように適格患者を無作為化することになる:4週間ごとの皮下のアリロクマブのプラセボと交互に4週間ごとの皮下のアリロクマブ150mg、または隔週の皮下のアリロクマブ75mg、または隔週の皮下のプラセボ。
第0週で開始して二重盲検処置期間終了2週間前の最終注射(第22週)まで続くSC注射Q2Wによって研究対象薬物を投与することになる。
第12週訪問時、患者は、第8週における彼らのLDL−Cに基づいて、以下のように、150mg Q4Wもしくは75mg Q2Wを受け続けることになるか、または彼らの用量をアップタイトレーションすることになる:
1)非常に高いCVリスクを有する患者は、盲検下:彼らの第8週LDL−Cが<70mg/dL(1.81mmol/L)であり、彼らが第8週にベースラインから少なくとも30%のLDL−C低減を有した場合、第12週以降、第22週の最終注射まで、アリロクマブ150mg Q4Wもしくは75mg Q2Wを受け続けることなるか、または彼らの第8週LDL−Cが≧70mg/dL(1.81mmo/L)である場合、もしくは彼らが第8週に少なくとも30%のLDL−C低減を有さない場合、第12週以降、第22週の最終注射までアリロクマブ150mg Q2Wにアップタイトレーションされる用量を受けることになる。
2)高いまたは中等度のCVリスクを有する患者は、盲検下:彼らの第8週LDL−Cが<100mg/dL(2.59mmol/L)であり、彼らが第8週にベースラインから少なくとも30%のLDL−C低減を有した場合、第12週以降、第22週の最終注射まで、アリロクマブ150mg Q4Wもしくは75mg Q2Wを受け続けることなるか、または彼らの第8週LDL−Cが≧100mg/dL(2.59mmo/L)である場合、もしくは彼らが第8週にベースラインから少なくとも30%のLDL−C低減を有さ
ない場合、第12週以降、第22週の最終注射までアリロクマブ150mg Q2Wにアップタイトレーションされる用量を受けることになる。
非盲検処置期間(第24週〜2016年6月)中、適格患者は:第36週までアリロクマブ150mg Q4Wを受けることになり;そして第36週からは、第32週のLDL−C測定および治験責任医師の判断に従って、患者は:アリロクマブ150mg Q4Wを受け続けるか、または第36週以降、2016年6月までアリロクマブ150mg Q2Wにアップタイトレーションされる用量を受けることになる。後に150mg Q4Wにダウンタイトレーションしてもよいであろう。
非盲検処置期間中、全ての患者は、第24週〜第36週、アリロクマブ150mg Q4Wを受けることになる。第36週訪問に、患者は、第32週の彼らのLDL−Cに基づいて、治験責任医師の判断で、アリロクマブ150mg Q4Wを受け続けることになるか、またはアリロクマブ150mg Q2Wに彼らの用量をアップタイトレーションすることになる。後に150mg Q4Wにダウンタイトレーションしてもよいであろう。
可能な場合、安定したバックグラウンド治療を維持すべきであるが、特に耐容性の問題が生じた場合、治験責任医師の判断に基づいてバックグラウンド治療を調整してもよい。LDL−C値に基づく調整については、治験責任医師は必要に応じてバックグラウンド治療を修飾することができる。しかし、アリロクマブ用量と何らかのLMTの同時調整は避けるべきである。
アリロクマブの評価
主要効能エンドポイントは、次のように定義される、ベースラインから第24週までの算定LDL−Cの変化率となる:100×(第24週における算定LDL−C値−ベースラインでの算定LDL−C値)/ベースラインでの算定LDL−C値。
ベースライン算定LDL−C値は、初回二重盲検注射IMP前に得られる最後のLDL−Cレベルとなる。無作為化され、処置されていない患者については、ベースライン値を無作為化までに得られる入手可能な最後の値と定義する。
第24週での算定LDL−Cは、第24週分析ウィンドウ内で得られるLDL−Cレベルになる。
主な副次的効能エンドポイントは、以下の通りである:ベースラインから第12週までの算定LDL−Cの変化率:第12週における算定LDL−Cが第12週分析ウィンドウ内で得られるLDL−Cレベルになることを除いて、主要効能エンドポイントの場合と同様の定義および規則;ベースラインから第24週までのアポBの変化率。主要エンドポイントについての場合と同じ定義および規則;ベースラインから第24週までの非HDL−Cの変化率。主要エンドポイントについての場合と同じ定義および規則;ベースラインから第24週までのTCの変化率。主要エンドポイントについての場合と同じ定義および規則;ベースラインから第12週までのアポBの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cの変化率についての場合と同じ定義および規則;ベースラインから第12週までの非HDL−Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cの変化率についての場合と同じ定義および規則;ベースラインから第12週までのTCの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cの変化率についての場合と同じ定義および規則;主要エンドポイントに用いた定義および規則を用いて、非常に高いCVリスク患者については第24週において算定LDL−C<70mg/dl(1.81mmol/L)または他の患者については<100mg/dl(2.59mmol/L)に達する患者の割合;ベースラインから第24週までのLp(a)の変化率;ベースラインから第2
4週までのHDL−Cの変化率;ベースラインから第12週までのHDL−Cの変化率;ベースラインから第12週までのLp(a)の変化率;ベースラインから第24週までの空腹時TGの変化率;ベースラインから第12週までの空腹時TGの変化率;ベースラインから第24週までのアポA−1の変化率;およびベースラインから第12週までのアポA−1の変化率。
他の副次的効能エンドポイントは、以下の通りである:第12週に非常に高いCVリスク患者についてはLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)または他の患者については<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;CVリスク患者であれば何れも第12週および第24週にLDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)である患者の割合;非常に高いCVリスク患者についての第12週および第24週にLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)である患者の割合;ベースラインから第12週および第24週までのLDL−C(mg/dLおよびmmol/L)の絶対変化;ベースラインから第12週および第24週までのアポB/アポA−1比の変化;第12週および第24週にアポB<80mg/dL(0.8g/L)である患者の割合;第12週および第24週に非HDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)である患者の割合;第12週および第24週にLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)である、および/またはLDL−Cの≧50%低減(LDL−C≧70mg/dLの場合)を有する、非常に高いCVリスク患者の割合;第12週および第24週に少なくとも50%のLDL−C低減を達成する患者の割合。
脂質パラメータは、次のように評価することになる。総C、HDL−C、TG、アポB、アポA−1およびLp(a)は、直接測定することになる。LDL−Cは、全ての訪問(−第1週および追跡調査訪問を除く)時にフリードワルドの式を用いて算定することになる。TG値が400mg/dL(4.52mmol/L)を超えていた場合には、検査室は、それを算定せずに(ベータ定量法によって)LDL−Cを再帰的に測定することになる。第0週および第24週に全ての患者におけるLDL−Cも(β定量法によって)測定することになる。非HDL−Cは、総CからHDL−Cを減算することによって算定することになる。アポB/アポA−1比を算定することになる。
臨床検査データは、検尿および血液分析、血液学(RBC数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板、WBC数と白血球百分率数)、標準的化学(グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、リン、尿窒素、クレアチニン、尿酸、総タンパク質、LDH、アルブミン、γ−グルタミルトランスフェラーゼ[γGT])、C型肝炎抗体、肝パネル(ALT、AST、ALPおよび総ビリルビン)、およびCPKからなる。いくつかの追加の安全性検査パラメータを実際のデータに基づいて再帰的に測定してもよい。
以下のバイタルサインを測定することになる:心拍数、座位での収縮時および拡張時BP。
ECGデータを測定することになる。
抗アリロクマブ抗体を評価することになり、それらは抗体状態(陽性/陰性)および抗体力価を含むことになる。
ベースラインから第12週および第24週までのhs−CRPの変化率を評価することになる。
ベースラインから第12週および第24週までのHbA1cの絶対変化(%)を評価す
ることになる。
EQ−5Dは、臨床および経済評価のための健康についての単純で一般的な尺度を提供するためにEuroQol Groupによって開発された健康状態の標準化された尺度である。健康に関連した生活の質の尺度としてのEQ−5Dは、移動の程度、身の回りの管理、普段の活動、痛み/不快感、不安/ふさぎ込みという5つの観点によって健康を定義する。各観点は、次の3つの回答(3つの重症度順序レベル)の1つをとることができる:「問題なし」(1)「多少問題あり」(2)「かなり問題あり」(3)。健康状態全般は5桁の数で定義される。この5つの観点での分類によって定義される健康状態を対応するインデックススコアに変換することができ、このインデックススコアは、健康状態を数値で表すものであり、0は「死亡」を表し、1は「完全な健康」を表す。EQ−5D変数は、各EQ−5D項目の回答、インデックススコア、およびベースラインからのインデックススコアの変化を含む。
薬物動態変数は、全血清アリロクマブ濃度を含む。全および遊離PCSK9濃度を同じPKサンプルから測定することになる。
任意選択の薬理ゲノミクス下位研究を行って、PCSK9阻害、高脂血症またはCVDに対する臨床およびバイオマーカー応答と遺伝子の関連性を同定することになる。必要に応じて、サンプルを使用して毒性に関連するマーカーを同定してもよい。分析は、配列決定を含むこともあり、または候補遺伝子からの一塩基多型(SNP)を含むこともある。候補遺伝子としては、PCSK9、アポBおよびLDL−Rを(これらに限定されないが)挙げることができるであろう。SNP分析および/またはゲノムシークエンシングを(これらに限定されないが)含む、ゲノムワイド研究を行ってもよい。
研究手順
第1日/第0週(無作為化訪問)後の全ての訪問について、特定の日数の時間枠を許可することになる。第24週までの全ての訪問についてのウィンドウ期間は±3日であり、追加調査期間については±7日である。非盲検期間中、訪問ウィンドウは、第28、32、36週訪問については±5日であり、他の訪問については±7日である。
脂質パラメータ(すなわち、総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比、Lp[a])の判定のための採血は、午前中、空腹状態(すなわち、一晩、少なくとも10〜12時間絶食し、喫煙を自制する)で行うべきである。
以下の検査データを収集する:血液学;化学;脂質パネル1:TC、算定LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C;脂質パネル2:アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比、およびLp(a);肝パネル:正常範囲より高い総ビリルビン値の場合、抱合および非抱合ビリルビンへの区別が自動的に行われることになる;クレアチンホスホキナーゼ(CPK);B型肝炎表面抗原;C型肝炎抗体:検査陽性を再帰検査で確認することになる;血清妊娠検査。
尿検査−尿試験紙を行い、pH、比重について、ならびに血液、タンパク質、グルコース、ケトン、硝酸塩、白血球エステラーゼ、ウロビリノーゲンおよびビリルビンの存在について評価することになる。尿試験紙が異常であった場合には、標準顕微鏡検査を行うことになる。
他の全ての血液パラメータも研究中に測定することになる。血糖パラメータ(HbA1cおよび血清グルコース)を測定することになる。炎症性パラメータ、hs−CRP用の
血液サンプルをこの研究を通して定期的に採集することになる。
アリロクマブ濃度の評価のための血清サンプルをこの研究を通して定期的に得ることになる。血液サンプルを第3訪問(第0週)、第4訪問(第4週)、第5訪問(第8週)、第6訪問(第9週)、第7訪問(第10週)、第8訪問(第11週)、第9訪問(第12週)、第10訪問(第16週)および第11訪問(第24週)のIMP注射前に採集することになる。血液サンプルは、IMP注射前に採集すべきである。
ライブラリー(血漿および血清)サンプルをこの研究を通して定期的に採集することになる。予定された最初のサンプルを無作為化訪問時、IMP注射前(投与前)に得ることになる。ライブラリーサンプルは、PCSK9レベル、PCSK9機能、モノクローナル抗体でのPCSK9阻害の効果、リポタンパク質細分画、ならびに高脂血症および心疾患の機序の研究を含むこともある。必要に応じて、サンプルを使用して毒性に関連するマーカーを同定してもよい。ライブラリーサンプルをゲノム解析には決して使用しないであろう。
全身の健康診断をこの研究を通して様々な時点で行うべきである。
BPは、標準化された条件下で、ほぼ同じ時刻に、同じ腕で、同じ器具で(患者が少なくとも5分間、座位で心地よく安静にした後)測定すべきである。心拍数は、BPの測定時に測定することにする。
12リードECGは、少なくとも10分安静にした後、仰臥位で行うべきである。
体重は、下着または極軽い衣類を着用し、靴を履いていない、膀胱を空にした患者で得るべきである。身長も得るべきである。
訪問スケジュール
組み入れ基準を満たす患者のみスクリーニングすべきである。スクリーニング期間は、無作為化/第1日訪問前3週間または21日までに(および検査室適格性基準を受領し次第、できる限り速やかに)行うことになる。スクリーニング訪問(第1訪問/−第3週/−第21日から−第8日まで)は、以下を含むことになる:組み入れ/除外基準を評価する;患者人口統計−年齢、性別、人種および民族性−を得る;病歴(閉経状態を含む)、手術歴、アルコール習慣および喫煙習慣を得る;家族の病歴(早発性CHD(男性第1度親族の場合は年齢55歳より前、女性第1度親族の場合は65歳より前のもの)、アレルギーおよび2型糖尿病に関するリスク因子を含む)を得る;過去12週間以内の以前の薬歴、特に、脂質修飾治療(スタチンを含む)、および脂質に作用する可能性がある栄養補助食品(例えば、オメガ3脂肪酸、植物スタノール、例えばベネコールに見られるもの、アマニ油、サイリウム)についてのものを記録する;併用薬物を記録する;体重および身長測定値を得る。HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;健康診断を行う。
スクリーニング時の注射トレーニング訪問(第2訪問/−第1週/−第7日±3日)は、以下のことを含むことになる:組み入れ/除外基準を評価する;AEを収集する;併用薬物を記録する;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る。
ランダム化訪問(第3訪問/第0週/第1日+3日)は、以下のことを含むことになる:組み入れ/除外基準を評価する;AEを収集する;併用薬物を記録する;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;健康診断を行う;体重測定値を得る;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;尿検査(尿試験紙および異常である場合には顕微鏡検査);尿妊娠検査(出産可能な女性
のみ);以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C(算定および測定LDL)、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比およびLp(a)の測定および/または算定;hs−CRP;ライブラリーサンプル;血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、LDH、総タンパク質、アルブミン、およびγGT;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);CPK;抗アリロクマブ抗体;血清アリロクマブ濃度(PK);ならびにゲノム検体採取。
第4訪問/第4週(第29日±3日)は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;IMP投与に関するデータ収集および日誌を見直すことによるIMPコンプライアンス点検;以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−Cの測定または算定;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);血清アリロクマブ濃度(PK);および抗アリロクマブ抗体。
第5訪問/第8週(第57日±3日)は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;IMP投与に関するデータ収集および日誌を見直すことによるIMPコンプライアンス点検;以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン)、脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比およびLp(a)の測定または算定、血清アリロクマブ濃度(PK)、および抗アリロクマブ抗体。
第6、7、8訪問/第9.10、11週(第64、71、78日±3日)は、以下のことを含むことになる:血液サンプルをIMP注射前に採集すべきである;血清アリロクマブ濃度(PK);脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−Cの測定または算定、および併用薬物。
第9訪問/第12週(第85日±3日)は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;体重測定値を得る;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;12リードECGを行う;EQ−5D患者質問票;尿検査(尿試験紙および異常である場合には顕微鏡検査);尿妊娠検査(出産可能な女性のみ);以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比およびLp(a)の測定および/または算定;ライブラリーサンプル;血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、LDH、総タンパク質、アルブミン、およびγGT。
HbA1cおよびhs−CRP;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);CPK;抗アリロクマブ抗体;血清アリロクマブ濃度(PK)。
第10訪問/第16週(第113日±3日)は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;体重測定値を得る;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;12リードECGを行う;IMP投与に関するデータ収集および日誌を見直すことによるIMPコンプライアンス点検;EQ−5D患者質問票;尿検査(尿試験紙および異常である場合には顕微鏡検査);尿妊娠検査(出産可能な女性のみ);以下の事項の
ための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比およびLp(a)の測定および/または算定;血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、LDH、総タンパク質、アルブミン、およびγGT。
HbA1cおよびhs−CRP;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);CPK;抗アリロクマブ抗体;および血清アリロクマブ濃度(PK)。
第11訪問/第24週/二重盲検期間の最後(第169日±3日)は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;体重測定値を得る;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;12リードECGを行う;健康診断を行う;EQ−5D患者質問票;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;尿検査(尿試験紙および異常である場合には顕微鏡検査);尿妊娠検査(出産可能な女性のみ);以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C(算定および測定LDL)、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比およびLp(a)の測定および/または算定;hs−CRP;ライブラリーサンプル;血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、総タンパク質、アルブミン、およびγGT;B型およびC型肝炎抗体検査(陽性の場合、自動確認検査を用いて);HbA1c;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);CPK;抗アリロクマブ抗体;および血清濃度アリロクマブ(PK)。
追跡調査訪問(第12訪問/第32週/第225日±7日)は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;健康診断を行う(処置訪問終了時に臨床的に意義のある異常がある場合のみ);尿検査(処置訪問終了時に臨床的に意義のある異常値である場合のみ);尿妊娠検査(出産可能な女性のみ);以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:抗アリロクマブ抗体、処置訪問終了時にこれらのパラメータについて臨床的に意義のある異常値があった場合のみ、この訪問時に以下のものを得ることになる:血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、総タンパク質、LDH、アルブミン、およびγGT;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);およびCPK。
非盲検処置期間(任意選択)
二重盲検処置期間を首尾よく完了する患者は、任意選択の非盲検処置期間に入るのに適格となる(但し、彼らが、処置を制限するいずれの非骨格筋関連AEも経験しなかった、または有意なプロトコール逸脱を有さなかったことを条件とする)。これらの患者の処置は、二重盲検処置期間中の研究対象薬物の最終用量(第22週)〜第24週(非盲検処置期間の初回用量)以降、2016年6月まで途切れず継続することになる。
第11訪問/第24週に、患者は、二重盲検処置期間終了評価とベースライン非盲検処置期間評価を同時に受けることになる。研究実施施設担当者は、患者と共に非盲検処置期間の処置要件を見直し、非盲検処置期間の投薬がこの訪問時に始まることを患者に再認識させるべきである。以下の情報を収集することになる:非盲検処置期間についての除外基準を評価する;二重盲検処置期間終了のために行った全ての評価が、非盲検処置期間の初回訪問のためのものと同じである;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPII
I TLC食または等価物を用いているべきである。患者が適格(および空腹状態)と確認された場合、治験責任医師は、次の研究手順を開始することになる:空腹時血液サンプルを採集した後、かつその訪問時に計画された全ての評価の評定後にのみ、初回非盲検IMP注射を行うことになる。
第12訪問/第28週は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;尿妊娠検査;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;IMP投与に関するデータ収集および日誌を見直すことによるIMPコンプライアンス点検;ならびに以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン)。
第13訪問/第32週は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;尿妊娠検査;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;IMP投与に関するデータ収集および日誌を見直すことによるIMPコンプライアンス点検;以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−Cの測定または算定;HbA1c;血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、LDH、総タンパク質、アルブミン、およびγGT;ならびにCPK。
第14訪問/第36週は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;体重測定値を得る;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;健康診断を行う;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;EQ−5D患者質問票;尿妊娠検査(出産可能な女性のみ);以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比およびLp(a)の測定および/または算定;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);抗アリロクマブ抗体。
第15、17、19訪問/第48、72、96週は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;体重測定値を得る;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;健康診断を行う;IMP投与に関するデータ収集ならびに日誌および処置キットを見直すことによるIMPコンプライアンス点検;EQ−5D患者質問票;尿検査(尿試験紙および異常である場合には顕微鏡検査);尿妊娠検査(出産可能な女性のみ);以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−Cの測定および/または算定;血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、総タンパク質、アルブミン、およびγGT;HbA1c;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);CPK;および抗アリロクマブ抗体。
第16、18、20訪問/第60、84、108週は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;ならびにIMP投与に関するデータ収集ならびに日誌および処置キットを見直すことによるIMPコンプライアンス点検。
第21訪問/第120週または2016年6月、いずれか早いほう(OLTP処置の最後)は、以下のことを含むことになる:AEを収集する;併用薬物を記録する;体重測定値を得る;患者の食事を再考する。患者はNCEP−ATPIII TLC食または等価物を用いているべきである;HRおよびBPを含むバイタルサインを得る;12リードECGを行う;健康診断を行う;IMP投与に関するデータ収集ならびに日誌および処置キット実施義務(treatment kit accountability)を見直すことによるIMPコンプライアンス点検;EQ−5D患者質問票;尿検査(尿試験紙および異常である場合には顕微鏡検査);尿妊娠検査(出産可能な女性のみ);以下の事項のための空腹時血液サンプルを得る:脂質:総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C、アポB、アポA−1、アポB/アポA−1比およびLp(a)の測定および/または算定;血液学:ヘマトクリット、ヘモグロビンを含む赤血球数、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、WBC数と白血球百分率数および血小板;化学:グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、亜リン酸、尿窒素、クレアチニン、尿酸、総タンパク質、アルブミン、およびγGT。HbA1c;肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン);CPK;および抗アリロクマブ抗体。
本発明の範囲は、本明細書に記載する特定の実施形態によって限定されない。実際、本明細書に記載するものに加えて、本発明の様々な修飾形態が、上述の説明および添付の図面から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾形態は、添付の特許請求の範囲の範囲に入ることが意図される。

Claims (78)

  1. それを必要としている被験者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を低減させる方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含み、それによって該被験者のLDL−Cを低減させる前記方法。
  2. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の方法。
  6. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項1に記載の方法。
  8. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項1に記載の方法。
  9. 被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項11に記載の方法。
  13. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 非スタチン脂質低下剤は:エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される、請求項13に記載の
    方法。
  15. 非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである、請求項14に記載の方法。
  16. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  17. 抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≧70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  20. それを必要としている被験者の高コレステロール血症を処置する方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含み、それによって該被験者の高コレステロール血症を処置する前記方法。
  21. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の方法。
  25. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項21に記載の方法。
  27. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項21に記載の方法。
  28. 被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する、請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する、請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
  30. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる、請求項29に記載の方法。
  31. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項30に記載の方法。
  32. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている、請求項20〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 非スタチン脂質低下剤は:エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである、請求項33に記載の方法。
  35. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない、請求項20〜31のいずれか1項に記載の方法。
  36. 抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される、請求項20〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される、請求項20〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される、請求項20〜36のいずれか1項に記載の方法。
  39. それを必要としている被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置する方法であって、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって該被験者に投与することを含み、それによって該被験者の家族性高コレステロール血症でない型の高コレステロール血症を処置する前記方法。
  40. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を
    有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項40に記載の方法。
  42. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項40に記載の方法。
  44. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項39に記載の方法。
  46. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項39に記載の方法。
  47. 被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する、請求項39〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する、請求項39〜46のいずれか1項に記載の方法。
  49. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる、請求項48に記載の方法。
  50. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項49に記載の方法。
  51. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている、請求項39〜50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 非スタチン脂質低下剤は:エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
  53. 非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである、請求項52に記載の方法。
  54. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない、請求項39〜50のいずれか1項に記載の方法。
  55. 抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される、請求項39〜54のいずれか1項に記載の方法。
  56. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される、請求項39〜55のいずれ
    か1項に記載の方法。
  57. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≧70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される、請求項39〜55のいずれか1項に記載の方法。
  58. ヒト被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質の投薬レジメンであって、該抗PCSK9抗体またはその抗原結合タンパク質を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与した後:
    (a)ゼロ時間から実時間までの台形法を使用して算定される血漿濃度対時間曲線下面積(AUClast)約250mg・日/L〜約650mg・日/L;
    (b)実測最大血漿濃度(Cmax)約15mg/L〜約33mg/L;
    (c)最大血漿濃度に最初に達するまでの時間(tmax)約7日;および
    (d)最終半減期に達するまでの時間(t1/2 )約5.5日〜約12日
    からなる群から選択される特性の1つまたはそれ以上を有する前記投薬レジメン。
  59. ヒト被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質の投薬レジメンであって、該抗PCSK9抗体またはその抗原結合タンパク質を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与した後:
    (a)ゼロ時間から実時間までの台形法を使用して算定される血漿濃度対時間曲線下面積(AUClast)約150mg・日/L〜約450mg・日/L;
    (b)実測最大血漿濃度(Cmax)約10.5mg/L〜約24mg/L;
    (c)最大血漿濃度に最初に達するまでの時間(tmax)約7日;および
    (d)最終半減期に達するまでの時間(t1/2 )約5日〜約9日
    からなる群から選択される特性の1つまたはそれ以上を有する前記投薬レジメン。
  60. 被験者において投与間隔を通して一定の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)低下を維持する方法であって、併用スタチンを用いていない該被験者に、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(抗PCSK9)抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物を約150mgの用量で4週間ごとに少なくとも3用量にわたって投与することを含む前記方法。
  61. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項60に記載の方法。
  62. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項61に記載の方法。
  63. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項62に記載の方法。
  64. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項61に記載の方法。
  65. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項64に記載の方法。
  66. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項60に記載の方法。
  67. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項60に記載の方法。
  68. 被験者は、家族性高コレステロール血症でない(非FH)型の高コレステロール血症を有する、請求項60〜67のいずれか1項に記載の方法。
  69. 被験者は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する、請求項60〜67のいずれか1項に記載の方法。
  70. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行われる、請求項69に記載の方法。
  71. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症のサイモン・ブルーム登録診断基準、またはスコア>8でのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項70に記載の方法。
  72. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けている、請求項60〜71のいずれか1項に記載の方法。
  73. 非スタチン脂質低下剤は:エゼチミブ、フィブラート、フェノフィブラート、ナイアシン、オメガ3脂肪酸、および胆汁酸樹脂からなる群から選択される、請求項72に記載の方法。
  74. 非スタチン脂質低下剤は、エゼチミブまたはフェノフィブラートである、請求項73に記載の方法。
  75. 被験者は、抗体または抗原結合タンパク質の投与前および/または投与中に非スタチン脂質低下剤を受けていない、請求項60〜71のいずれか1項に記載の方法。
  76. 抗体または抗原結合タンパク質は、皮下投与される、請求項60〜75のいずれか1項に記載の方法。
  77. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≦70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量が維持される、請求項60に記載の方法。
  78. 4用量またはそれ以上の用量の後に測定される被験者のLDL−Cが≧70mg/dLである場合、4週間ごとの約150mgの用量は中止され、その後、抗体または抗原結合タンパク質が、隔週、約150mgの用量で該被験者に投与される、請求項60に記載の方法。
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