JP6993274B2 - セル型製氷機 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 刊行物名 カタログNo.ER K-37「製氷機MIRACLEAR」頒布日 平成30年2月15日
本発明は、給水トレーが製氷位置またはトレー洗浄位置に切換ったことを検知する位置検知構造を備えているセル型製氷機に関する。
この種のセル型製氷機は、本出願人の提案に係る特許文献1の実施例1に開示されている。特許文献1の実施例1のセル型製氷機では、給水トレーを昇降操作する駆動アームに設けた掛止アームおよびスイッチアームと、掛止アームおよびスイッチアームで切換え操作されるスナップスイッチで位置検知構造を構成し、この位置検知構造で給水トレーが製氷位置に切換ったことと、給水トレーがトレー洗浄位置に切換ったことを検知している。駆動アームは、傾動モーターで正逆転駆動される駆動軸に固定されており、駆動アームが傾動モーターで時計回転方向へ駆動されると、給水トレーをトレー洗浄位置から製氷位置へ向かって上昇揺動でき、駆動アームが傾動モーターで反時計回転方向へ駆動されると、給水トレーを製氷位置からトレー洗浄位置へ向かって下降揺動できる。また、スナップスイッチは、給水トレーが製氷位置まで上昇揺動すると掛止アームで切換えられて、オフ状態からオン状態に切換わり、給水トレーがトレー洗浄位置まで下降揺動するとスイッチアームで切換えられて、オン状態からオフ状態に切換わる。なお、スナップスイッチは、給水トレーが製氷位置まで上昇揺動するとオン状態からオフ状態に切換わり、給水トレーがトレー洗浄位置まで下降揺動するとオフ状態からオン状態に切換わるように設定することもできる。
本発明の製氷機では、給水トレーが製氷位置に切換ったことを検知する第1スイッチと、給水トレーがトレー洗浄位置に切換ったことを検知する第2スイッチと、各スイッチを切換え操作するスイッチカムなどで位置検知構造を構成するが、この種の検知構造は、先の特許文献1の実施例2に開示されている。各スイッチはマイクロスイッチからなり、各スイッチをスイッチカムで切換え操作することによりオン状態に切換えて、給水トレーが製氷位置とトレー洗浄位置に切換わったことを検知している。スイッチカムは、給水トレーを揺動操作する駆動アームの駆動軸に固定されており、駆動軸を傾動モーターの動力で正逆転駆動することによりスイッチカムを駆動アームと同行揺動できる。製氷工程においてはトレー洗浄位置を基準にして、一定時間が経過するごとに給水トレーを貯水位置と、製氷前段位置と、製氷位置に切換えて製氷を行う。また、離氷工程では製氷位置を基準にして、一定時間が経過するごとに給水トレーを離氷位置と、洗浄前段位置と、トレー洗浄位置に切換えて、セル内の氷塊を給水トレー上に落下させる。以下の説明においては、貯水位置と製氷前段位置、および離氷位置と洗浄前段位置を総称して中間切換え位置と言う。
特開2017-198447号公報
特許文献1の実施例1の位置検知構造によれば、制御部は、給水トレーが製氷位置に切換ったこと、あるいは給水トレーがトレー洗浄位置に切換ったことを、スナップスイッチの出力信号がオン信号とオフ信号の間で切換ることによって検知して、各位置における給水トレーの姿勢を正しく保持できる。しかしスナップスイッチは、掛止アームあるいはスイッチアームが揺動ストロークの始端および終端に達した時点で切換え操作される。そのため、揺動ストロークの中途部におけるスナップスイッチは、オン状態またはオフ状態を保持し続けており、スナップスイッチが切換わるまで、給水トレーがどの位置で作動しているかを知ることはできない。こうした検知構造では、給水トレーを離氷位置や貯水位置などで停止させた場合にずれを生じていることがあり、製氷不良を生じるおそれがあった。また、給水トレーが製氷位置とトレー洗浄位置の途中に位置している状態で製氷機の運転が再開された場合に、給水トレーを離氷位置や貯水位置に正しく位置保持することができないため、製氷不良を生じるおそれがさらに高まっていた。
スナップスイッチやマイクロスイッチは、可動接点を固定端子に接離させてオン状態とオフ状態に切換える接触切換え構造であるため、製氷機の累積運転時間が長くなった場合などに、各スイッチが正常に切換わらないおそれがある。例えば、可動接点と固定端子の間に異物が挟まってオン状態に切換らない接触不良を生じ、あるいは可動接点と固定端子の間でスパークが生じて、接点が固定端子に溶着してオフ状態に切換らない分離不良などを生じることがある。従来装置では、片方のスイッチが接触不良や分離不良を生じた状況に対処するために、一定時間が経過した時点で製氷機の運転を停止して、より重大な故障状態に陥るのを避けている。上記のように接触不良や分離不良を生じた状態では、速やかに故障の原因や故障個所を特定し、必要に応じてスイッチの交換を行う必要があるが、この種のメンテナンスは専門業者に依頼する以外にないためメンテナンスに多くの時間がかかり、長時間にわたって製氷機を稼働できない不便がある。
本発明の目的は、片方のスイッチが故障した場合であっても、製氷機を応急的に駆動して氷の生成を継続することができるセル型製氷機を提供することにある。
本発明の目的は、給水トレーが製氷位置とトレー洗浄位置の途中に位置している状態で製氷機の運転が再開された場合であっても、給水トレーを製氷位置と中間切換え位置とトレー洗浄位置に正しく位置させて、製氷作業を適正に行えるセル型製氷機を提供することにある。
本発明に係るセル型製氷機は、製氷ケース10および給水トレー12と、給水トレー12を製氷位置とトレー洗浄位置の間で揺動操作する位置切換え構造14と、給水トレー12の位置を検知する位置検知構造17と、位置切換え構造14の傾動モーター35の駆動状態を制御する制御部40を備えている。位置検知構造17は、給水トレー12が製氷位置に切換ったことを検知する第1センサー45と、給水トレー12がトレー洗浄位置に切換ったことを検知する第2センサー46を備えている。制御部40は、時間記憶部59と故障記憶部60とを備えている。時間記憶部59には、傾動モーター35が製氷位置またはトレー洗浄位置で起動してから、トレー洗浄位置または製氷位置に切換るまでのタイマー58の計時情報が記憶されている。故障記憶部60には、制御部40が各センサー45・46のいずれか一方が故障していると判定した場合の故障情報が記憶されている。両センサー45・46のいずれか一方が故障した状態において、制御部40は、第1制御動作と第2制御動作に従って傾動モーター35を駆動して、給水トレー12を製氷位置またはトレー洗浄位置に向かって移動させている。第1制御動作では、故障記憶部60の故障情報に基づき、給水トレー12が正常に作動している故障時基準位置側の一方のセンサー45・46に向かって移動するように傾動モーター35を駆動させている。第2制御動作では、故障時基準位置側の一方のセンサー45・46の出力信号を基準にして、給水トレー12が故障時切換位置側の他方のセンサー46・45の側へ向かって移動するように、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき駆動する。
制御部40は、傾動モーター35が製氷位置またはトレー洗浄位置の起動位置で起動してから第1時間t1が経過しているにも拘らず、起動位置側のセンサー45・46がオフ状態に切換らない場合にリトライ動作を実行している。図12に示すようにリトライ動作では、傾動モーター35を駆動して給水トレー12を起動位置へ戻し所定時間停止させたのち、再び傾動モーター35を駆動して給水トレー12を切換位置へ向かって移動させ、第1時間t1が経過するまでに起動位置側のセンサー45・46がオフ状態に切換ったか否かを確認している。上記のリトライ動作を複数回行っても、起動位置側のセンサー45・46がオフ状態に切換らない場合に、制御部40は起動位置側のセンサー45・46が分離故障していると判定して故障記憶部60に故障情報を記憶させている。
制御部40は、傾動モーター35が製氷位置またはトレー洗浄位置の起動位置で起動してから、時間記憶部59に記憶させてある位置切換時間t2が経過しているにも拘らず、切換え位置側のセンサー45・46がオン状態に切換らない場合に不良判定を行っている。不良判定時の制御部40は、通常の製氷工程と離氷工程を繰返し行って、その繰返し回数が所定の回数に到達した時点で、切換え位置側のセンサー45・46がオン状態に切換らない場合に、切換え位置側のセンサー45・46が接触故障していると判定して故障記憶部60に故障情報を記憶させている。
制御部40の異常停止記憶部61に、電流の供給が一時的に停止された異常停止情報が記憶されている。給水トレー12が製氷位置とトレー洗浄位置の途中に位置している状態で製氷機の運転が再開されると、制御部40は、異常停止記憶部61の異常停止情報と故障記憶部60の故障情報に基づき傾動モーター35を駆動して、給水トレー12を故障時基準位置へ向かって移動させている。故障時基準位置へ移動した給水トレー12を位置基準にして、製氷工程と離氷工程を交互に行うようにする。
本発明に係るセル型製氷機では、位置検知構造17の第1・第2のセンサー45・46のうち、いずれか一方の故障情報が故障記憶部60に記憶させてある場合に、制御部40は第1制御動作と第2制御動作に従って傾動モーター35を駆動して、給水トレー12を製氷位置またはトレー洗浄位置に向かって移動させるようにした。第1制御動作では、故障記憶部60の故障情報に基づき、給水トレー12が正常に作動している故障時基準位置側の一方のセンサー45・46に向かって移動するように傾動モーター35を駆動させるようにした。また第2制御動作では、故障時基準位置側の一方のセンサー45・46の出力信号を基準にして、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき駆動し、給水トレー12を故障時切換位置側の他方のセンサー46・45へ向かって移動させるようにした。
上記のように構成したセル型製氷機によれば、両センサー45・46のいずれか一方が故障していた場合でも、正しく機能しているセンサー45または46のオン信号を位置基準にして、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき駆動することにより、給水トレー12を製氷位置とトレー洗浄位置の間で応急的に駆動して氷の生成を継続することが可能となる。また、長時間にわたって製氷機を稼働できない不便を解消することもできる。
制御部40は、傾動モーター35が起動位置で起動してから第1時間t1が経過しているにも拘らず、起動位置側のセンサー45・46がオフ状態に切換らない場合にリトライ動作を実行するようにした。また、リトライ動作を複数回行っても、起動位置側のセンサー45・46がオフ状態に切換らない場合に、制御部40は起動位置側のセンサー45・46が故障していると判定して故障記憶部60に故障情報(分離故障)を記憶させるようにした。こうしたセル型製氷機によれば、制御部40はリトライ動作を複数回行ったのちにセンサー45・46が故障していると判定するので、制御部40による故障判定の確実さの度合いを向上できる。また、リトライ動作を複数回行うことで、起動位置側のセンサー45・46がオフ状態に切換わることがあり、その場合には正常な製氷作業を継続して行うことができる。つまり、リトライ動作を複数回行うことで、故障が疑われるセンサー45・46を正常な状態に復旧できる利点がある。
制御部40は、傾動モーター35が起動位置で起動してから、位置切換時間t2が経過しているにも拘らず、切換え位置側のセンサー45・46がオン状態に切換らない場合に不良判定を行う。また、不良判定時の制御部40は、通常の製氷工程と離氷工程を繰返し行って、その繰返し回数が所定の回数に到達した時点で、切換え位置側のセンサー45・46がオン状態に切換らない場合に、切換え位置側のセンサー45・46が故障していると判定して故障記憶部60に故障情報(接触故障)を記憶させるようにした。こうしたセル型製氷機によれば、通常の製氷工程と離氷工程を繰返し行いながら不良判定を行うので、その間にも継続して製氷運転を行うことができる。また、製氷工程と離氷工程を所定の回数だけ繰返す間に、切換え位置のセンサー45・46がオン状態に切換わることがあり、その場合には正常な製氷作業を継続して行うことができる。つまり、不良判定を行う間に、故障が疑われるスイッチ46を正常な状態に復旧できる利点がある。
給水トレー12が製氷位置とトレー洗浄位置の途中に位置している状態で製氷機の運転が再開された場合の制御部40は、異常停止記憶部61の情報と故障記憶部60の情報に基づき傾動モーター35を駆動して、給水トレー12を故障時基準位置へ向かって移動させる。また制御部40は、故障時基準位置へ移動した給水トレー12を位置基準にして、製氷工程と離氷工程を交互に行うようにした。こうしたセル型製氷機によれば、運転再開時の給水トレー12の位置が不明であったとしても、給水トレー12を故障時基準位置へ向かって移動させることで位置基準を確定することができ、従って以後の製氷作業を適正に行うことができる。
本発明に係るセル型製氷機の制御フローを示すフローチャートである。 実施例に係るセル型製氷機の内部正面図である。 実施例に係る製氷ユニットの縦断正面図である。 製氷時の氷塊とノズル穴の詳細を示す断面図である。 実施例に係る製氷ユニットの右側面図である。 実施例に係る製氷ユニットの要部の正面図である。 実施例に係る製氷ユニットの要部の平面図である。 図7におけるA-A線断面図である。 給水トレーがトレー洗浄位置へ切換った状態を示す正面図である。 給水トレーの各作動位置を示す説明図である。 センサー故障を判定する過程を示すフローチャートである。 リトライ動作を示すフローチャートである。
(実施例) 図1から図12に本発明に係るセル型製氷機の実施例を示す。この実施例における前後、左右、上下とは、図2および図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2においてセル型製氷機は、断熱箱で区画される上側の製氷室1と、製氷室1の下側に区画される機械室2を備えており、製氷室1の内面上部に製氷ユニット3を配置し、機械室2の内部に圧縮機4、凝縮器5、冷却ファン6などの冷却ユニットが配置されている。図示していないが製氷室1の前面には、同室1の底部に貯留された氷塊を取出すための取出し口が開口されており、引違いドアまたは揺動ドアで取出し口を開閉できる。また、取出し口より上側の断熱箱の前面には、製氷ユニット3の運転状態や、故障状態を表示する表示部が設けられている。
図2および図3に示すように、製氷ユニット3は、製氷室1の天井内面に固定したユニットベース9で支持されており、同ベース9の下面に固定した製氷ケース10と、製氷ケース10に設けた一群のセル11に製氷水を噴出供給する給水トレー12と、給水トレー12の下面に設けた給水タンク13などを主な構成部材にして構成される。製氷ユニット3は、先の部材以外に、給水トレー12および給水タンク13を製氷位置とトレー洗浄位置の間で揺動操作する位置切換え構造14と、給水トレー12および給水タンク13に常温の製氷水を供給する給水部15と、製氷されずに給水タンク13内に残った製氷水を排水するための排水パン16などを備えている。
製氷ケース10は、熱伝導性に優れた金属製の四角皿状の容器からなり、その下面に一群のセル11が下向きに開口する状態で格子状に区画されている。製氷ケース10の上面には、蒸発器として機能する熱交換通路19がケース壁に密着する状態で折返し配置されている。製氷時には凝縮器5から送給されて膨張弁(図示していない)で減圧膨張させたのちの冷媒液を、熱交換通路19で気化させて製氷ケース10をマイナス25℃に冷却する。また、離氷時には、圧縮機4から送給されたホットガスが熱交換通路19に送給されて製氷ケース10を加熱し、セル11内に形成されたキューブ状の氷塊の表面を融解してセル壁から分離するのを促進する。
図3に示すように給水トレー12は、下向きに開口する四角皿状のトレー本体20と、給水トレー12の下面に固定される水路枠21とで構成する。水路枠21は、一群のセル11に対応して枝分かれする分岐水路22を備えており、各分岐水路22と正対するトレー本体20の上壁に、製氷水をセル11に向かって噴出供給するノズル穴23が開口されている。水路枠21の基端部分には、給水タンク13に設けた加圧ポンプ24の吐出路25が接続されている。製氷時に加圧ポンプ24を駆動すると、給水タンク13内の製氷水が加圧ポンプ24で加圧されて各分岐水路22へと送給され、ノズル穴23からセル11内へ向かって噴出される。図4に示すように、ノズル穴23の周囲には、セル11内で氷結しなかった製氷水を給水タンク13へ流下させる排水溝26と戻り穴27が、ノズル穴23を間にして対向配置されている。
給水タンク13は、上向きに開口する四角皿状のプラスチック成型品からなり、その底壁30は加圧ポンプ24の吸込口28へ向かって下り傾斜されている。離氷時の給水タンク13は給水トレー12とともに下り傾斜して、傾斜下端側の後壁側に設けた排水樋31から、製氷工程で消費されなかった製氷水やトレー洗浄水を排水パン16に排出する。給水トレー12および給水タンク13はトレーブラケット32に固定されており、同ブラケット32の上端に設けた傾動軸33で揺動可能に軸支されている。給水トレー12および給水タンク13は位置切換え構造14で傾動軸33の周りに上下操作されて、給水トレー12が製氷ケース10の下面に正対する製氷位置(図3に示す位置)と、給水トレー12が製氷ケース10から離れて下り傾斜するトレー洗浄位置(図9に示す位置)の間を上下傾動する。
図5ないし図7に示すように位置切換え構造14は、ユニットベース9の前端に固定したブラケット34で支持される傾動モーター35と、同モーター35で往復揺動操作される前後一対の駆動アーム36・37と、両駆動アーム36・37を連動可能に連結する駆動軸38と、各駆動アーム36・37と給水トレー12の間に掛止した引張りコイル形の連動ばね39などで構成される。傾動モーター35は市販の減速ユニット付のDCモーターからなり、機械室2に設けた電装箱内に配置される制御部40(図2参照)からの指令信号を受けて正逆転駆動される。各駆動アーム36・37の先端にはピン42が固定されており、このピン42と給水トレー12の傾動先端の前後面に固定したピン43との間に、連動ばね39の両端が掛止されている。
給水トレー12が位置切換え構造14で製氷位置とトレー洗浄位置に切換えられたことを検知するために、駆動軸38とユニットベース9の間に位置検知構造17が設けられている。図7および図8において位置検知構造17は、スイッチケース44に対して前後にずらした状態で固定される一対の第1スイッチ(第1センサー)45および第2スイッチ(第2センサー)46と、各スイッチ45・46に対応して駆動軸38に前後にずらした状態で固定される一対のスイッチカム47・48を備えている。スイッチカム47・48は減速ユニット51の出力軸51aに固定されており、スイッチケース44は減速ユニット51のケースに固定されている。
図8に示すように第1スイッチ45および第2スイッチ46は、それぞれ市販されている常開型のマイクロスイッチからなり、アクチュエーターボタン45a・46aと、受動ばね45b・46bを備えている。スイッチカム47・48の周面には嘴状の操作カム片49・50が突設されており、この操作カム片49・50で第1、第2スイッチ45・46のアクチュエーターボタン45a・46aを受動ばね45b・46bを介して押し込むことにより、各スイッチ45・46をオン状態に切換えることができる。なお、操作カム片49・50は、アクチュエーターボタン45a・46aを直接押し込む形態を採ることができる。
図8においては、給水トレー12および給水タンク13がトレー洗浄位置から製氷位置へ上昇揺動したとき、紙面に向かって奥側(後側)のスイッチカム47が第1スイッチ45をオン操作している状態を示している。紙面に向かって手前側(前側)の第2スイッチ46はオフ状態になっている。この状態から駆動軸38が矢印で示すように反時計回転方向へ傾動すると、給水トレー12および給水タンク13が製氷位置からトレー洗浄位置まで下降傾動して、紙面に向かって手前側(前側)のスイッチカム48が想像線で示す位置まで回動して、第2スイッチ46をオン状態に切換える。この状態では、紙面に向かって奥側(後側)の第1スイッチ45はオフ状態になっている。上記のように、第1スイッチ45および第2スイッチ46は、給水トレー12がトレー洗浄位置から製氷位置に切換った状態と、製氷位置からトレー洗浄位置に切換った状態において、それぞれ対応するスイッチカム47・48で切換え操作されてオン信号を出力する。
給水トレー12が位置切換え構造14でトレー洗浄位置から製氷位置に切換えられる過程では、まず第2スイッチ46がオフ状態に切換ったのち、第1スイッチ45がスイッチカム47でオン状態に切換え操作されて、制御部40に対してオン信号を出力する。また、給水トレー12が位置切換え構造14で製氷位置からトレー洗浄位置に切換えられる過程では、まず第1スイッチ45がオフ状態に切換ったのち、第2スイッチ46がスイッチカム48でオン状態に切換え操作されて、制御部40に対してオン信号を出力する。
図3に示すように給水部15は、給水トレー12の揺動基端の上方に配置した給水パイプ52と、給水パイプ52と図示していない水道管を接続する原水通路53と、原水通路53に設けた電磁弁54などで構成される。給水パイプ52の下面には、給水トレー12に向かって水道水(製氷水)を供給する一群の給水穴55が開口されている。給水パイプ52から常温の水道水を送給することにより、製氷工程において給水タンク13の内部に所定量の製氷水を貯留することができ、あるいは、離氷工程において給水トレー12の上面にトレー洗浄水を供給することができる。
図10において制御部40は、タイマー58の計時結果を記憶するための時間記憶部59と、第1スイッチ45および第2スイッチ46のいずれかが故障していることを記憶するための故障記憶部60と、停電等の異常停止情報を記憶するための異常停止記憶部61とを備えている。時間記憶部59には、給水トレー12が製氷位置から離氷位置と洗浄前段位置の各中間切換え位置を経てトレー洗浄位置に切換えられるときの、各位置の切換えに要するタイマー58の計時データと、給水トレー12がトレー洗浄位置から貯水位置と製氷前段位置の各中間切換え位置を経て製氷位置に切換えられるときの、各位置の切換えに要するタイマー58の計時データが記憶される。タイマー58は、傾動モーター35が製氷位置で起動した時点と、傾動モーター35がトレー洗浄位置で起動した時点を基準にして計時データを計時しており、基準時点から各位置まで移動するのに要する上記の時間データが時間記憶部59に記憶される。
製氷工程において給水トレー12がトレー洗浄位置から貯水位置まで移動するのに要する時間は5~10秒であり、給水トレー12が貯水位置から製氷前段位置まで移動するのに要する時間は20~30秒であり、給水トレー12が製氷前段位置から製氷位置まで移動するのに要する時間は5~10秒である。また、給水トレー12がトレー洗浄位置から製氷位置まで移動するのに要する合計時間は40秒前後である。
離氷工程において、給水トレー12および給水タンク13が製氷位置からトレー洗浄位置まで下降傾動するのに要する合計時間は約40~50秒であり、製氷位置から離氷位置まで下降傾動するのに要する時間は5~15秒である。また、洗浄前段位置からトレー洗浄位置まで下降傾動するのに要する時間は5~15秒である。
以上のように構成したセル型の製氷機は、故障記憶部60に故障情報が記憶されていない場合には、以下の製氷工程と離氷工程を交互に行ってキューブ状の氷塊を生成し製氷室1内に貯留する。
(製氷工程)製氷工程においては、制御部40で傾動モーター35や加圧ポンプ24の運転状態を制御し、さらに電磁弁50の開閉状態を制御して、給水トレー12をトレー洗浄位置から貯水位置と製氷前段位置と製氷位置に切換えて製氷を行う。トレー洗浄位置における駆動アーム36は、図9に示すように時計の文字盤の7時の位置にあって、給水トレー12および給水タンク13を下り傾斜姿勢に保持しており、第2スイッチ46はオン状態に切換っている。
上記の状態において製氷工程が開始されると、制御部40から駆動信号を受けた傾動モーター35が正転駆動されて、駆動アーム36を時計回転方向へゆっくりと傾動操作する。これに伴い、給水トレー12および給水タンク13は連動ばね39に引っ張られて、図10に示すようにトレー洗浄位置から貯水位置までゆっくりと上昇揺動し、第2スイッチ46がオフ状態に切換る。給水トレー12および給水タンク13が貯水位置へ達するのと同時に電磁弁50が開弁されて、給水トレー12および給水タンク13に製氷水が供給される。同時に傾動モーター35が正転駆動されて、給水トレー12および給水タンク13を製氷前段位置まで速やかに上昇傾動させる。
給水トレー12および給水タンク13が製氷前段位置まで上昇傾動したら、傾動モーター35を正転駆動して、給水トレー12および給水タンク13を製氷位置へゆっくりと上昇傾動させる。電磁弁50は、タイマー58による計時が開弁から所定の時間が経過した時点で閉弁されて製氷水の供給を停止する。給水トレー12が製氷位置に達した状態では、スイッチカム47が第1スイッチ45をオン状態に切換える。この状態の給水トレー12の上面は、図3に示すように製氷ケース10の下面と正対して、ノズル穴23と排水溝26と戻り穴27が各セル11と正対している。
第1スイッチ45がオン状態に切換わるのと同時に、傾動モーター35が停止され、さらに電磁弁50が閉弁されたのちに加圧ポンプ24が起動されて、給水タンク13内の製氷水が各分岐水路22を介してノズル穴23からセル11内へ向かって噴出される。熱交換通路19には、第1スイッチ45がオン状態に切換わる少し前か、オン状態に切換わるのと同時に冷媒液が供給されて、製氷ケース10を冷却する。以後、各セル11の内部にキューブ状の氷塊が成長するまでの間(約20~30分)、ノズル穴23からセル11内へ向かって製氷水を噴出する。製氷工程が終了するのと同時に、加圧ポンプ24を停止して製氷水の供給が停止される。
(離氷工程)離氷工程においては、制御部40で傾動モーター35や加圧ポンプ24の運転状態を制御し、さらに電磁弁50の開閉状態を制御して、図10に示すように給水トレー12を製氷位置から離氷位置と洗浄前段位置とトレー洗浄位置に切換えて、氷塊をセル11から給水トレー12上に落下させ、さらに、下り傾斜している給水トレー12に沿って製氷室1へと滑落させる。製氷位置における駆動アーム36は、図6に示すように時計の文字盤の12時の位置にあって、給水トレー12および給水タンク13を水平姿勢に保持しており、第1スイッチ45はオン状態になっている。離氷工程が開始されると、まず、圧縮機4から熱交換通路19にホットガスを送給して製氷ケース10を加熱することにより、セル11に付着している氷塊の付着面を融解する。熱交換通路19に対するホットガスの送給は、製氷ケース10の温度が所定の温度に達した状態で停止される。
上記の状態で、制御部40から傾動モーター35へ駆動信号を出力して、同モーター35を逆転駆動すると、駆動アーム36が傾動モーター35の駆動力を受けて反時計回転方向へ傾動し、図4に示すように給水トレー12が氷塊から分離する。引続き駆動アーム36が傾動するのに伴って、連動ばね39の張力が低下するので、給水トレー12および給水タンク13は衝撃を伴うこともなく、離氷位置までゆっくりと下降傾動する。離氷位置においては、給水トレー12および給水タンク13の重量による傾動モーメントと連動ばね39の張力が釣合っている。給水トレー12および給水タンク13が離氷位置まで下降傾動するのと同時に傾動モーター35が逆転駆動されて、給水トレー12および給水タンク13を洗浄前段位置まで下降傾動させる。その間に、氷塊はセル11から落下して給水トレー12の上面で受止められ、同トレー12の傾斜面に沿って滑落して製氷室1へと落下する。
給水トレー12が洗浄前段位置まで下降傾動したら、傾動モーター35を逆転駆動して、給水トレー12をトレー洗浄位置までゆっくりと下降傾動させる。トレー洗浄位置まで下降傾動した状態では、製氷工程で消費されずに給水タンク13に残った冷たい製氷水が、排水樋31から排水パン16へ排出される。また、給水トレー12がトレー洗浄位置まで下降傾動するのと同時に電磁弁50が開弁されて、常温の洗浄水(水道水)を給水トレー12に供給して、給水トレー12の上面に付着している霜や、排水溝26や戻り穴27に付着している小さな氷片を、洗浄水で融解しながら洗い流して給水タンク13内へ流下させる。トレー洗浄位置においては、スイッチカム48が第2スイッチ46をオン状態に切換える。
洗浄水の一部は、戻り穴27から給水タンク13内へと流下し、給水トレー12の傾斜下端に達した洗浄水は、トレー端から給水タンク13内へ流下して、先に説明した冷たい製氷水とともに排水樋31から排水パン16へ排出される。以後、製氷工程と離氷工程を繰り返し行って、製氷室1に貯留されるキューブ状の氷塊の量を増やすが、製氷室1に貯留されるキューブ状の氷塊の量が所定量に達すると、そのことを図示していないセンサーで検知して、製氷機を待機モードに保持する。
(スイッチ故障とリトライ動作)
制御部40は、傾動モーター35が製氷位置またはトレー洗浄位置の各起動位置で起動してから、時間記憶部59に記憶させてあるタイマー58で計時した所定の時間、あるいは予め設定した時間が経過しているにも拘らず、各位置に設けた第1スイッチ45または第2スイッチ46の出力信号が変化しない場合にリトライ動作を複数回行って、それでもなお各スイッチ45・46の出力信号が変化しない場合に故障記憶部60に故障情報を記憶させる。
各スイッチ45・46の故障には、可動接点と固定端子の間に異物が挟まって、各スイッチ45または46がオン状態に切換らない接触不良を生じている場合と、可動接点と固定端子の間でスパークが生じて、可動接点が固定端子に溶着して各スイッチ45または46がオフ状態に切換らない分離不良とがある。分離不良の場合には、不良を生じている側のスイッチ45または46の出力信号は変化しないので、制御部40はリトライ動作を複数回行った後、それでも各スイッチ45または46の出力信号が変化しない場合に、出力信号が変化しない側のスイッチ45または46が故障していると判定して、故障情報を故障記憶部60に記憶させる。また、接触不良の場合には、後述する不良判定を行う。
各スイッチ45または46がオフ状態に切換らない分離不良時には、図12に示すリトライ動作を行って、スイッチ45・46が故障しているか否かを判定する。また、各スイッチ45または46がオン状態に切換らない接触不良時には、通常の製氷工程と離氷工程を繰返し行って、その繰返し回数が10回に到達した時点で、スイッチ45・46の故障判定を行う。
図11のフローチャートにおいて、例えば傾動モーター35を製氷位置(起動位置)で起動した(S1)のち、第1スイッチ45がオン状態かオフ状態かを(S2)で判定し、第1スイッチ45がオフ状態に切換らず(S2でNO)、起動から10秒(第1時間=t1)が経過した場合(S3でYES)には、第1スイッチ45が分離不良を生じている可能性があるので、A制御へ移行しリトライ動作を実行する。また、傾動モーター35を製氷位置(起動位置)で起動した(S1)のち、第1スイッチ45がオフ状態に切換った場合(S2でYES)には、第2スイッチ46がオン状態に切換った否かを(S4)で判定し、第2スイッチ46がオン状態に切換らず(S4でNO)、起動から40秒(位置切換時間=t2)が経過した場合(S5でYES)には、第2スイッチ46が接触不良を生じているものと判定して(S7)、そのことを故障記憶部60に記憶させ、スイッチ故障の判定を終了する。(S4)において第2スイッチ46が起動から40秒が経過する前にオン状態に切換った場合(S4でYES)には、制御部40は第1スイッチ45および第2スイッチ46が正常であると判定して(S6)、スイッチ故障の判定を終了する。
(スイッチが分離不良を生じている場合のリトライ動作)
図12に示すように、リトライ動作では、カウンターを初期化(S10)し、傾動モーター35を所定時間停止(S11)したのち、給水トレー12が製氷位置へ戻る向きに傾動モーター35を駆動する(S12)。このときの傾動モーター35は、給水トレー12が製氷位置から途中停止位置まで移動するのに要した時間(t3=10秒)が経過するまで(S13でYES)駆動されて、給水トレー12を製氷位置へ戻し、傾動モーター35を停止させる(S14)。停止から5秒間が経過したらカウンターを加算(S15)したのち、リトライ動作が所定の回数(5回)に達したか否かを判定し(S16)、リトライ動作が5回未満である場合(S16でNO)には、再び傾動モーター35を駆動して給水トレー12を製氷位置からトレー洗浄位置(切換位置)へ向かって移動させ(S17)、傾動モーター35が起動してから10秒が経過するまでに、第1スイッチ45がオフ状態に切換るか否かを再度確認する(S18~S19)。第1スイッチ45がオン状態のまま(S18でNO)で、傾動モーター35の起動から10秒(第1時間=t1)が経過した場合(S19でYES)には、1回目のリトライ動作を終了して(S11)へ移行し、2回目のリトライ動作を行う。
リトライ動作の回数が5回に達した場合(S16でYES)には、制御部40は第1スイッチ45が分離故障しているものと判定して(S20)、そのことを故障記憶部60に記憶させ、C制御へ移行する。こうしたセル型製氷機によれば、制御部40はリトライ動作を5回行ったのちに第1スイッチ45が故障していると判定するので、制御部40による故障判定の確実さの度合いを向上できる。また、リトライ動作を繰り返し行うことで、起動位置側の第1スイッチ45がオフ状態に切換わることがあり(S18でYES)、その場合にはB制御へ移行して製氷作業を継続して行うことができる。つまり、リトライ動作を複数回行うことで、故障が疑われるセンサー45・46を正常な状態に復旧できる利点がある。この場合は、故障記憶部60に故障情報が記憶されることはない。
制御部40は、傾動モーター35がトレー洗浄位置(起動位置)で起動してから10秒(第1時間)が経過しているのに、第2スイッチ46がオフ状態に切換らない場合にも、上記と同様のリトライ動作を実行して、第2スイッチ46の故障の有無を判定する。この場合は、給水トレー12がトレー洗浄位置から製氷位置(切換位置)へ向かって移動する向きに傾動モーター35を駆動する点が、上記のリトライ動作と異なるだけであるので、その説明を省略する。リトライ動作を5回繰り返し行っても、第2スイッチ46がオフ状態に切換らない場合には、制御部40は第2スイッチ46が分離故障しているものと判定して、そのことを故障記憶部60に記憶させる。リトライ動作を5回繰り返し行う間に、第2スイッチ46がオフ状態に切換わった場合には、第2スイッチ46が正常に作動したものとして製氷作業を続行する。この場合は、故障記憶部60に故障情報が記憶されることはない。なお、リトライ動作は、必ずしも5回繰返し行う必要はなく、各スイッチ45・46の構造や特性に応じた回数だけ実行すればよい。
(スイッチが接触不良を生じている場合の不良判定)
制御部40は、例えば、傾動モーター35が製氷位置(起動位置)で起動してから40秒(位置切換時間t2)が経過しているにも拘らず、トレー洗浄位置(切換え位置)側の第2スイッチ46がオン状態に切換わらない場合に不良判定を行う。
不良判定時の制御部40は、通常の製氷工程と離氷工程を繰返し行って、その繰返し回数が10回(所定の回数)に到達した時点で、第2スイッチ46がオン状態に切換わらない場合に、制御部40は第2スイッチ46が接触故障(接触不良)しているものと判定して、そのことを故障記憶部60に記憶させて不良判定を終了する。こうしたセル型製氷機によれば、通常の製氷工程と離氷工程を繰返し行いながら不良判定を行うので、その間にも継続して製氷運転を行うことができる。また、製氷工程と離氷工程を10回繰返す間に、切換え位置の第2スイッチ46がオン状態に切換わることがあり、その場合には製氷作業を継続して行うことができる。つまり、不良判定を行う間に、故障が疑われるスイッチ46を正常な状態に復旧できる利点がある。この場合は、故障記憶部60に故障情報が記憶されることはない。不良判定時における製氷工程と離氷工程の繰返し回数は、必ずしも10回である必要はなく、各スイッチ45・46の構造や特性に応じた回数だけ実行すればよい。
制御部40は、例えば、傾動モーター35がトレー洗浄位置(起動位置)で起動してから50秒(位置切換時間)が経過しているのに、切換え位置側の第1スイッチ45がオン状態に切換らない場合にも、上記と同様の不良判定を実行して、第1スイッチ45の故障の有無を判定する。この場合は、給水トレー12がトレー洗浄位置から製氷位置(切換位置)へ向かって移動する向きに傾動モーター35を駆動する点が、上記の不良判定動作と異なるだけであるので、その説明を省略する。製氷工程と離氷工程を10回繰返し行っても、第1スイッチ45がオン状態に切換らない場合には、制御部40は第1スイッチ45が接触故障しているものと判定して、そのことを故障記憶部60に記憶させる。製氷工程と離氷工程を10回繰返す間に、第1スイッチ45がオン状態に切換わることがあり、その場合には、通常時と同様に製氷作業を継続して行うことができる。つまり、不良判定を行う間に、故障が疑われるスイッチ45を正常な状態に復旧できる利点がある。この場合は、故障記憶部60に故障情報が記憶されることはない。なお、製氷工程と離氷工程は必ずしも10回繰返し行う必要はなく、各スイッチ45・46の構造や特性に応じた回数だけ実行すればよい。
(スイッチ故障時の運転制御)
上記のように、両スイッチ45・46のいずれか一方が故障した状態における制御部40は、第1制御動作と第2制御動作に従って傾動モーター35を駆動して、給水トレー12を製氷位置またはトレー洗浄位置に向かって移動させる。詳しくは図1に示すように、各スイッチ45・46のいずれか一方が故障した状態では、制御部40は、故障記憶部60の故障情報の有無を確認し(S30)し、どちらのスイッチが故障しているかを特定する(S31)。第1スイッチ45が故障していない場合(S31でNO)には、第1スイッチ45を故障時基準位置側のスイッチとして(S32)、給水トレー12が第1スイッチ45へ向かって上昇する向きに傾動モーター35を駆動し、製氷位置に位置させる(S33)。このように、制御部40は、第1制御動作では故障記憶部60の故障情報に基づき、給水トレー12が正常に作動している故障時基準位置側のスイッチ45に向かって移動するように傾動モーター35を駆動させており、第2スイッチ46が故障している場合の第1制御動作は(S30)~(S33)までとなる。
第1制御動作が終了して第1スイッチ45からオン信号が出力されるのと同時に、制御部40は傾動モーター35を下降駆動して(S34)、給水トレー12をトレー洗浄位置まで下降移動させる。また、給水トレー12が既に製氷位置に位置している場合にも、同様に傾動モーター35を下降駆動して(S34)、給水トレー12をトレー洗浄位置まで下降移動させる。このときの制御部40は、給水トレー12が故障時切換位置側の第2スイッチ46の側へ向かって移動するように、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき駆動する。
次に、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき上昇駆動して(S35)、給水トレー12を貯水位置、製氷前段位置、製氷位置へ移動させ、製氷工程(S36)を行う。製氷工程が終了したら、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき下降駆動して(S37)、給水トレー12を離氷位置、洗浄前段位置、トレー洗浄位置へ移動させ、離氷工程(S38)を行う。以後は、製氷室1に貯留されるキューブ状の氷塊の量が所定量に達しているか否かを確認し(S39)、氷塊の量が満杯でない場合には(S39でNO)、(S35)へ移行して製氷作業を繰り返し行う。また、氷塊の量が満杯になったらセンサーの検知信号に基づき製氷機を待機モードに保持する。以上のように制御部40は、第2制御動作では、故障時基準位置側の第1スイッチ45の出力信号を基準にして、給水トレー12が故障時切換位置側の第2スイッチ46の側へ向かって移動するように、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき駆動させており、第2スイッチ46が故障している場合の第2制御動作は(S34)~(S39)までとなる。
第1スイッチ45が故障している場合(S31でYES)には、第2スイッチ46を故障時基準位置側のスイッチとして(S40)、給水トレー12が第2スイッチ46へ向かって下降する向きに傾動モーター35を駆動し、トレー洗浄位置に位置させる(S41)。このように、制御部40は、第1制御動作では故障記憶部60の故障情報に基づき、給水トレー12が正常に作動している故障時基準位置側のスイッチ46に向かって移動するように傾動モーター35を駆動させており、(S30)と(S31)と(S40)と(S41)が、第1スイッチ45が故障している場合の第1制御動作となる。
第1制御動作が終了した状態では、既に給水トレー12がトレー洗浄位置に位置しているので、第2スイッチ46からオン信号が出力されるのと同時に、制御部40は傾動モーター35を上昇駆動して(S35)第2制御動作を開始する。以後の制御フロー(S35~S39)は先に説明した通りであるので、その説明を省略する。このように、第1スイッチ45が故障している場合の第2制御動作は(S35)~(S39)までとなる。
上記のように構成した製氷機によれば、両スイッチ45・46のいずれか一方が故障していた場合でも、正しく機能しているスイッチ45または46のオン信号を位置基準にして、傾動モーター35を時間記憶部59の計時情報に基づき駆動することにより、給水トレー12を製氷位置とトレー洗浄位置の間で応急的に駆動して氷の生成を継続することができる。そのため、長時間にわたって製氷機を稼働できない不便を解消して、製氷機の設置現場における氷塊の生成、および氷塊の提供サービスを行うことができる。
なお、両スイッチ45・46のいずれか一方が故障した状態では、断熱箱に設けた表示部に故障状態であることを意味する表示が点灯表示されるので、外部の専門業者にメンテナンスを依頼して、終業時間後にスイッチ45・46の交換などの必要な作業を行ってもらうことができる。また、製氷機を応急的に駆動して氷の生成を継続する場合の製氷機の運転時間は十分に短いので、給水トレー12を離氷位置や貯水位置などで停止させた場合に、位置ずれが集積するおそれはなく、製氷不良を生じることはない。
停電や、電源プラグが誤って給電ソケットから分離操作された場合などには、給水トレー12が製氷位置とトレー洗浄位置の途中に位置している状態で製氷機の運転が停止されることがある。この場合の制御部40は、電流の供給が一時的に停止された異常停止情報を異常停止記憶部61に記憶させている。そのため、製氷機の運転が再開された場合の制御部40は、故障記憶部60の故障情報と異常停止記憶部61の異常停止情報に基づき、給水トレー12が故障時基準位置(製氷位置またはトレー洗浄位置)へ向かって移動するように傾動モーター35を駆動する。そのうえで、故障時基準位置を位置基準にして製氷工程と離氷工程を交互に行う。
こうしたセル型製氷機によれば、運転再開時の給水トレー12の位置が不明であったとしても、給水トレー12を故障時基準位置へ向かって移動させることで位置基準を確定することができ、従って以後の製氷作業を適正に行える。なお運転再開時に、故障記憶部60に故障情報が記憶されていない場合の制御部40は、予め設定された開始位置(製氷位置またはトレー洗浄位置)へ向かって移動するように傾動モーター35を駆動して製氷を開始する。
上記以外に、センサー45・46としては、マイクロスイッチ以外に、光センサーや近接スイッチを適用することができる。傾動モーター35はDCモーターである必要はなく、正逆転駆動が可能なモーターであれば、その種別は問わない。傾動モーター35は変速駆動が可能なモーターで構成してあってもよい。傾動モーター35の駆動方向に関して、傾動モーター35の駆動方向が給水トレー12の上下傾動動作と合致している限り、時計回転方向と反時計回転方向のいずれであってもよい。
3 製氷ユニット
10 製氷ケース
12 給水トレー
13 給水タンク
14 位置切換え構造
17 位置検知構造
35 傾動モーター
40 制御部
45 第1スイッチ(第1センサー)
46 第2スイッチ(第2センサー)
58 タイマー
59 時間記憶部
60 故障記憶部
61 異常停止記憶部

Claims (4)

  1. 製氷ケース(10)および給水トレー(12)と、給水トレー(12)を製氷位置とトレー洗浄位置の間で揺動操作する位置切換え構造(14)と、給水トレー(12)の位置を検知する位置検知構造(17)と、位置切換え構造(14)の傾動モーター(35)の駆動状態を制御する制御部(40)を備えているセル型製氷機であって、
    位置検知構造(17)は、給水トレー(12)が製氷位置に切換ったことを検知する第1センサー(45)と、給水トレー(12)がトレー洗浄位置に切換ったことを検知する第2センサー(46)を備えており、
    制御部(40)は、時間記憶部(59)と故障記憶部(60)とを備えており、
    時間記憶部(59)には、傾動モーター(35)が製氷位置またはトレー洗浄位置で起動してから、トレー洗浄位置または製氷位置に切換るまでのタイマー(58)の計時情報が記憶されており、
    故障記憶部(60)には、制御部(40)が各センサー(45・46)のいずれか一方が故障していると判定した場合の故障情報が記憶されており、
    両センサー(45・46)のいずれか一方が故障した状態において、制御部(40)は、第1制御動作と第2制御動作に従って傾動モーター(35)を駆動して、給水トレー(12)を製氷位置またはトレー洗浄位置に向かって移動させており、
    第1制御動作では、故障記憶部(60)の故障情報に基づき、給水トレー(12)が正常に作動している故障時基準位置側の一方のセンサー(45・46)に向かって移動するように傾動モーター(35)を駆動させており、
    第2制御動作では、故障時基準位置側の一方のセンサー(45・46)の出力信号を基準にして、給水トレー(12)が故障時切換位置側の他方のセンサー(46・45)の側へ向かって移動するように、傾動モーター(35)を時間記憶部(59)の計時情報に基づき駆動することを特徴とするセル型製氷機。
  2. 制御部(40)は、傾動モーター(35)が製氷位置またはトレー洗浄位置の起動位置で起動してから第1時間(t1)が経過しているにも拘らず、起動位置側のセンサー(45・46)がオフ状態に切換らない場合にリトライ動作を実行しており、
    リトライ動作では、傾動モーター(35)を駆動して給水トレー(12)を起動位置へ戻し所定時間停止させたのち、再び傾動モーター(35)を駆動して給水トレー(12)を切換位置へ向かって移動させ、第1時間(t1)が経過するまでに起動位置側のセンサー(45・46)がオフ状態に切換ったか否かを確認しており、
    上記のリトライ動作を複数回行っても、起動位置側のセンサー(45・46)がオフ状態に切換らない場合に、制御部(40)は起動位置側のセンサー(45・46)が分離故障していると判定して故障記憶部(60)に故障情報を記憶させている請求項1に記載のセル型製氷機。
  3. 制御部(40)は、傾動モーター(35)が製氷位置またはトレー洗浄位置の起動位置で起動してから、時間記憶部(59)に記憶させてある位置切換時間(t2)が経過しているにも拘らず、切換え位置側のセンサー(45・46)がオン状態に切換らない場合に不良判定を行っており、
    不良判定時の制御部(40)は、通常の製氷工程と離氷工程を繰返し行って、その繰返し回数が所定の回数に到達した時点で、切換え位置側のセンサー(45・46)がオン状態に切換らない場合に、切換え位置側のセンサー(45・46)が接触故障していると判定して故障記憶部(60)に故障情報を記憶させている請求項1、または2に記載のセル型製氷機。
  4. 制御部(40)の異常停止記憶部(61)に、電流の供給が一時的に停止された異常停止情報が記憶されており、
    給水トレー(12)が製氷位置とトレー洗浄位置の途中に位置している状態で製氷機の運転が再開されると、制御部(40)は、異常停止記憶部(61)の異常停止情報と故障記憶部(60)の故障情報に基づき傾動モーター(35)を駆動して、給水トレー(12)を故障時基準位置へ向かって移動させており、
    故障時基準位置へ移動した給水トレー(12)を位置基準にして、製氷工程と離氷工程を交互に行う請求項1から3のいずれかひとつに記載のセル型製氷機。
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